JP2013231766A - 磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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皆川  浩範
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Minoru Yoshifuku
稔 吉福
Hisashi Ishigami
恒 石上
Yoshinobu Baba
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Abstract

【課題】 中間転写体への傷、静電潜像担持体の凸傷、キャリア付着、リーク、及び濃度ムラを満足する磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 多孔質磁性体粒子の表面に、被覆樹脂組成物を被覆した磁性キャリアであって、超微小押し込み硬さ試験機における該磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上であることを特徴とする磁性キャリアである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア及びそれを用いた二成分系現像剤、及び画像形成方法に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成方法は、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像させる二成分現像方式が広く採用されている。
二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。
一方、近年、電子写真分野の技術進化により、装置の高速化、高寿命化はもとより高精細化、画像品位の安定化を有することがますます厳しく要求されてきている。このような要求に応えるため、磁性キャリアやトナーの小粒径化が種々提案されている。
磁性キャリアの小粒径化により、形成される磁気ブラシがソフトになり、また磁性キャリアの保持できるトナーの量が多くなることで、画像濃度、かぶり、トナー飛散、階調性等の画像品質に対して大きな効果が図られた。しかし、磁性キャリアの小粒径化により、磁性キャリア1粒粒子の磁化が低下するため、静電潜像担持体上に磁性キャリアが付着する、いわゆるキャリ着が生じる場合があった。さらに、静電潜像担持体上に付着した磁性キャリアは、中間転写体の転写圧、又はクリーニングブレードのブレード圧により破壊され、破壊された磁性キャリアの破片が静電潜像担持体に打ち込まれる場合があった。そして、クリーニングブレード通過時に、打ち込まれた磁性キャリアの破片が、クリーニングブレードをもち上げるため、磁性キャリアの破片が打ち込まれた部分は、クリーニング不良を引き起こす。そして、打ち込まれた磁性キャリアの破片を起点として、トナーから遊離した外添剤等の蓄積が発生し、静電潜像担持体に凸傷となって現れ、画像にもスジとなって現れるようになる場合があった。
一方、現像器内の撹拌ストレスに対して耐性のある磁性キャリアの提案として、強度を高めた磁性キャリアの提案がなされている(特許文献1、2参照)。これらの磁性キャリアは、磁性キャリアの強度を高めているため、中間転写体の転写圧、及びクリーニングブレードのブレード圧に対しても破壊されることなく一定の効果が得られた。しかし、磁性キャリアの強度が高まりすぎ、磁性キャリアの弾性力がなくなるため、局所的に中間転写体の転写圧を高め、磁性キャリアが中間転写体に傷を生じさせる場合があった。
また、現像器内の撹拌ストレスに対して耐性のある磁性キャリアの提案として、磁性キャリアの強度と弾性力のバランスを適正にした磁性キャリアの提案がなされている(特許文献3参照)。磁性キャリアに弾性力を持たすことで、局所的に高くなる中間転写体の転写圧を軽減することが期待された。ここで、シミュレーションないし、感圧紙の測定により、磁性キャリアの粒径から顧みた中間転写体の転写圧は、最低8MPa最高18MPaである。しかし、この磁性キャリアは、起こりうる中間転写体の転写圧よりも高い圧力である150MPa以上付加した場合の変化率を制御しているものであった。よって、これらの磁性キャリアを用いても、実際の中間転写体の転写圧では、磁性キャリアの弾性力が発揮されず、中間転写体への傷の問題を解決するには至らなかった。
また、絶縁破壊電圧を高くする磁性キャリアの提案として、コア粒子を形成するグレインを小さく均一にした磁性キャリアの提案がなされている(特許文献4、5参照)。これらの磁性キャリアは、グレイン同士のネットワークが多く、磁性キャリアの弾性力が発現し、局所的に高くなる中間転写体の転写圧を軽減することも期待される。しかし、この磁性キャリアは、本焼成をロータリー式電気炉で行い、グレインのフェライト化反応を小さく留めることで、グレイン径を小さくしていたため、グレインそのものの硬度が不十分であり、所望の強度及び弾性力は得られなかった。よって、これらの磁性キャリアを用いても、中間転写体への傷の問題を解決するには至らなかった。
さらに、中間転写体の転写圧を低くすることで、磁性キャリアによる中間転写体への傷の問題を解決する提案がなされた。中間転写体の転写圧を低くすることにより、磁性キャリアによる中間転写体への傷に対して大きな効果が図られたものの、静電潜像担持体上のトナー像の転写効率が悪化し、濃度ムラなど画像品位が低下する場合があった。
一方、近年、オフィスのネットワーク化が進むとともに、eメンテナンスを始めとする複写機のサービス体制が充実し、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーの時代へシフトしている。そして、メンテナンスフリー化に伴い、磁性キャリアの長寿命化に対する要求がより一層高まってきている
しかし、磁性キャリアは長期の使用により、現像器内の強い撹拌ストレスを受け、被覆樹脂の削れを伴って、磁性キャリアが低抵抗化する場合があった。そして、磁性キャリアの低抵抗化により、現像剤担持体より磁性キャリアを通じて静電像に電荷が注入され、静電像が乱されるリークの問題が発生する場合があった。
以上のことから、中間転写体への傷、静電潜像担持体の凸傷、キャリア付着、リーク、及び濃度ムラを満足する磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法の開発が急務である。
特開2009−244571号公報 特開2011−118308号公報 特開2007−271663号公報 特開2009−175666号公報 特開2009−234839号公報 特開2009−205149号公報 特登録4196488号公報
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した磁性キャリアを提供するものであり、高精彩な画像を安定して形成できる。具体的には、中間転写体への傷、静電潜像担持体の凸傷、キャリア付着、リーク、及び濃度ムラを満足する磁性キャリアを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記磁性キャリアを用いることにより、中間転写体への傷、静電潜像担持体の凸傷、キャリア付着、リーク、及び濃度ムラを満足する磁性キャリアを得ることができることを見出した。
本発明は、多孔質磁性体粒子を有するコア粒子の表面に、被覆樹脂組成物を被覆した磁性キャリアであって、
超微小押し込み硬さ試験機における該磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、
超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
本発明の磁性キャリアを用いることにより、中間転写体への傷、静電潜像担持体の凸傷、キャリア付着、リーク、及び濃度ムラを満足する磁性キャリアを提供することができる。
本発明で用いた画像形成装置の概略図。 本発明で用いた画像形成装置の概略図。 本発明で用いた多孔質磁性体粒子、充填コア粒子、及び磁性キャリアの比抵抗の測定装置の概略図。 (a):多孔質磁性体粒子の水銀圧入法により測定した細孔径分布の全測定領域の結果の一例である。(b):多孔質磁性体粒子の水銀圧入法により測定した細孔径分布の0.1μm以上3.0μm以下の範囲の結果の一例である。 (a)実施例1で用いた磁性キャリアの超微小押し込み硬さ試験機による測定結果の例である。(b)比較例1乃至3で用いた磁性キャリアの超微小押し込み硬さ試験機による測定結果の例である。
本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性体粒子を有するコア粒子の表面に、被覆樹脂組成物を被覆した磁性キャリアであって、超微小押し込み硬さ試験機における該磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上であることを特徴とする。
上述のように、静電潜像担持体上に付着した従来の磁性キャリアは、中間転写体の転写圧、又はクリーニングブレードのブレード圧により破壊され、破壊された磁性キャリアの破片が静電潜像担持体に打ち込まれる場合があった。そして、クリーニングブレード通過時に、打ち込まれた磁性キャリアの破片が、クリーニングブレードをもち上げるため、磁性キャリアの破片が打ち込まれた部分は、クリーニング不良を引き起こす。そのため、磁性キャリアの破片が打ち込まれた部分は、打ち込まれたキャリアの破片を起点として、トナーから遊離した外添剤等の蓄積が発生し、静電潜像担持体に凸傷となって現れ、画像にもスジとなって現れるようになる場合があった。一方、磁性キャリアの強度を高めることで、中間転写体の転写圧、及びクリーニングブレードのブレード圧に対しても磁性キャリアは破壊されることなく一定の効果が得られた。しかし、磁性キャリアの強度が高まり、磁性キャリアの弾性力がなくなるため、局所的に中間転写体の転写圧を高め、磁性キャリアが中間転写体に傷を生じさせる場合があった。
そこで、本発明者等は、鋭意検討を重ね、中間転写体への傷を抑制するためには、磁性キャリアに弾性力を持たせることが重要であることを見出し、本発明に至った。
本発明者等は、中間転写体への傷の原因として、実効転写圧に注目した。特に、静電潜像担持体上、又は、中間転写体上に、磁性キャリアがない場合の転写圧は、本体設定値やシステムに由来し、磁性キャリアの破壊強度よりもずっと小さい値である。しかし、静電潜像担持体上、又は、中間転写体上に、磁性キャリアがある場合の転写圧は、磁性キャリア粒径に由来し、大きな値となる。そして、本発明者等は、シミュレーション、又は、感圧紙による転写圧の実測により、中間転写体の転写圧は、最低8MPaになることを算出した。シミュレーションに用いたパラメーターは、荷重を0.5kgf乃至1.8kgfの範囲に、ニップ幅を0.5mm乃至3.5mmの範囲に、磁性キャリアの粒径を20μm乃至70μmの範囲で変化させた。そして、磁性キャリアによる中間転写体への傷を軽減するためには、磁性キャリアに8MPaの荷重をかけた時の弾性力が重要であることを見出した。
すなわち、静電潜像担持体上、又は、中間転写体上に、磁性キャリアが混入しても、磁性キャリアが弾性力を有する場合、実効転写圧は、粒径由来の理論転写圧より軽減され、磁性キャリアによる中間転写体への傷を引き起こさなくなるのである。一方、磁性キャリアが弾性力を有していない場合、実効転写圧は、粒径由来の理論転写圧がそのまま掛かり、磁性キャリアによる中間転写体への傷を引き起こすのである。
本発明者らは、弾性力の異なるサンプルを作製し、中間転写体への傷との相関関係を明確にすることで、中間転写体への傷を引き起こさない弾性力の下限値を決定した。さらに、中間転写体への傷を引き起こさない磁性キャリアの弾性力を、超微小押し込み硬さ試験器による測定で定義できることも発見した。すなわち、超微小押し込み硬さ試験器において、磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上であることが重要であることを見出した。本発明者等が、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が重要であると説いている理由は、磁性キャリアが静電潜像担持体と中間転写体のニップに挟まった場合の最低の転写圧が8Mpaであることに由来する。また、磁性キャリアが静電潜像担持体と中間転写体のニップに挟まった場合の最大の転写圧は20Mpaであるが、その時の磁性キャリアの変位は8Mpaの圧縮荷重を加えた際の変位よりも大きくなるため問題がない。よって、本発明者等は、8Mpaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位に着目したのである。
さらに、超微小押し込み硬さ試験機において、上記範囲になる磁性キャリアを得るためには、多孔質磁性体粒子からなるコア粒子であることが重要である。
すなわち、多孔質磁性体粒子であることは、バルク状態(細孔や空隙のない)のコア粒子のように、コア粒子が大きなグレインひとつで形成されているのではなく、コア粒子が小さなグレインが集まって形成されていることを意味する。このように、小さなグレイン同士のネットワークがあることで、縦ないし横のグレインの移動許容範囲が生まれ、磁性キャリアに荷重をかけた際に、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)においても、すぐに弾性力となって発現するのである。
一方、特許文献3に記載の磁性キャリアのように、コア粒子が大きなグレインひとつで形成されている場合、平均圧縮破壊強度は高くなり、平均圧縮破壊強度の値は、本件の範囲内のものも存在する。しかし、グレインの移動許容範囲がないため、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。特許文献3に記載の磁性キャリアの圧縮変化率自体は、変位が5μm以上となっているが、その数値は、実効転写圧よりもずっと高い荷重の範囲における変位であり、中間転写体への傷の抑制には寄与しないのである。その結果、特許文献3に記載の磁性キャリアは、中間転写体への傷を引き起こすことになる。比較例3に、特許文献3にならって製造した磁性キャリアの評価結果を示す。
また、コア粒子が磁性体分散型コア粒子である場合、樹脂部分が熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂で構成されているため、平均圧縮破壊強度は高くなり、平均圧縮破壊強度の値は、本件の範囲内のものも存在する。しかし、マグネタイト自体のネットワークは形成されていないため、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。さらに、特許文献7に記載の磁性キャリアのように、コア粒子の樹脂部分がポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂で構成され、粉砕型磁性体分散型コア粒子の場合、従来の粉砕型磁性トナーよりも磁性体量が多いものの、磁性体自体のネットワークは形成されていないため、粉砕型磁性トナーよりも若干強度を高めたにすぎない。そして、平均圧縮破壊強度は小さくなり、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。
さらに、本発明者らは、検討を重ね、グレイン同士のネットワークを強め、縦ないし横のグレインの移動許容範囲を最大化するグレインの大きさを発見した。すなわち、グレイン径を、5μm程度に小さく均一にすることで、グレイン同士のネットワークが強個になり、さらに、縦ないし横のグレインの移動許容範囲が大きくなる。そして、超微小押し込み硬さ試験機において、所望の平均圧縮破壊強度、8MPaの圧縮荷重を加えた時の所望の変位が得られる磁性キャリアとなる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、グレイン径を小さく均一にするには、フェライト化反応をコントロールすることが重要であることを発見した。特に、仮焼成の工程において、フェライト化反応を十分に進めておくことで、本焼成の工程においては、フェライト化反応よりも、焼結反応を主に進めることで、グレイン径のバラつきを小さくすることができる。ここで、フェライト化反応とは、グレインの結晶成長を意味し、フェライト化反応が進行するとグレインサイズが大きくなり、逆に、フェライト化反応が進まなければグレインサイズが小さいことを意味する。また、焼結反応とは、出来上がったグレイン同士のネットワーク形成を意見する。
なお、本焼成の工程において、フェライト化反応よりも、焼結反応を主に進めることができる理由は、仮焼成の温度と雰囲気調整に起因する。すなわち、本発明者らは、フェライト化反応をコントロールするにあたり、フェライト化反応及び焼結反応が、どの温度領域、どの雰囲気で進行するのかを明確にした。その結果、フェライト化反応は、700℃乃至1100℃の範囲で進行しており、1200℃以上では、焼結反応が進行していることを明らかにした。一方、従来から行っている仮焼成は、原料の炭酸塩や水酸化物を酸化物に変えることを目的としていたため、仮焼成の温度を900℃乃至950℃の範囲で行っていた。そのため、仮焼成の工程では、フェライト化反応が十分に進行しているわけではなかった。よって、本焼成の工程において、昇温時に、フェライト化反応が再度進行し、トップ温度で、焼結反応が進むような2段階の反応が起こっていた。その結果、グレインそれぞれにフェライト化反応が進んだもの、進んでいないものが生成し、グレイン径のバラつきが発生していたのである。
また、フェライト化反応は、還元反応であり、代表的なフェライトであるMnフェライト、Mgフェライト、マグネタイトは次式で表される。
MgO+Fe=MgFe
6Fe=4Fe+O
2Mn+6Fe=6FeMnO+O
以上のように、フェライト化反応により、酸素が発生する。よって、フェライト化反応を促進させるために、雰囲気調整、特に酸素濃度の調整を行い、窒素雰囲気に変えるなど、酸素濃度を下げることで、上式の反応は、右辺に促進される。つまり、フェライト化反応がより進行するのである。一方、従来から、本焼成は、磁性コア粒子の抵抗調整も要することから、電気炉内の雰囲気調整がなされていたが、仮焼成は、大気下で行われており、雰囲気調整は行われていなかった。そのため、仮焼成温度のみならず、雰囲気に関しても、フェライト化反応が進みにくい環境にあった。
一方、本発明者らは、仮焼成の温度を1050℃乃至1100℃の範囲で行い、雰囲気を窒素雰囲気下にすることで、フェライト化反応を十分進めることができることを発見した。さらに、その仮焼成物の本焼成を行うと、仮焼成の工程において、十分にフェライト化反応が進行しきっていることから、昇温時にフェライト化反応が進行することはなく、トップ温度時に焼結反応のみが進行することになる。その結果、グレイン径が小さく均一になった多孔質磁性コア粒子が生成できるのである。
一方、特許文献6に記載の磁性キャリアは、コア粒子が多孔質磁性体粒子を有しており、グレインが集まって形成されている場合でも、所望の弾性力が得られない。なぜなら、仮焼成温度が900℃で行っているため、仮焼成の工程において、十分にフェライト化反応が進行しているとは言えず、本焼成においてフェライト化反応が再度進行し、グレインの大きさが疎らになっているからである。そのため、グレインの移動許容範囲が小さいため、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。その結果、特許文献6に記載の磁性キャリアは、中間転写体への傷を引き起こすことになる。比較例1に、特許文献6にならって製造した磁性キャリアの評価結果を示す。
また、特許文献4乃至5に記載の磁性キャリアは、コア粒子が多孔質磁性体粒子を有しており、グレインが小さく均一になっている場合でも、所望の弾性力が得られない。なぜなら、本焼成をロータリー式電気炉において950℃で行っているため、フェライト化反応は、もとより、焼結反応をほとんど進行させていないからである。そのため、グレイン自体の強度は不十分であり、さらに、グレイン同士のネットワークは非常に弱くなっているため、平均圧縮破壊強度は小さくなり、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。その結果、特許文献6に記載の磁性キャリアは、中間転写体への傷を引き起こすことになる。比較例2に、特許文献4にならって製造した磁性キャリアの評価結果を示す。
また、平均細孔径を制御することは、超微小押し込み硬さ試験機において、上記範囲になる磁性キャリアを得るために重要である。ここで、平均細孔径とは、付属ソフトで解析し算出された値であり、0.1μm以上6.0μm以下の細孔径の範囲に指定した場合のメディアン細孔直径(容積基準)の値である。平均細孔径は、0.3μm乃至1.0μmが好ましく、0.4μm乃至0.8μmがより好ましく、0.4μm乃至0.6μmがさらに好ましい。平均細孔径が上記範囲内であることは、グレインサイズが小さく、グレイン同士が密にネットワークを形成していることを意味する。よって、縦ないし横のグレインの移動許容範囲が大きく、超微小押し込み硬さ試験機において、所望の平均圧縮破壊強度、15MPaの圧縮荷重を加えた時の所望の変位が得られる磁性キャリアとなる。
一方、超微小押し込み硬さ試験器において、磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa未満である場合、グレイン同士の縦のネットワークが弱いことを意味する。よって、グレインの移動許容範囲が横移動のみに制限される。そのため、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。その結果、実効転写圧は、粒径由来の理論転写圧がそのまま掛かり、磁性キャリアによる中間転写体への傷を引き起こす場合がある。また、超微小押し込み硬さ試験器において、磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が150MPaより大きい場合、グレイン同士のネットワークが強すぎて、グレインの移動許容範囲が縦も横も制限される。そのため、実効転写圧のような低い荷重の範囲(8MPa)において、弾性力が発現しない。その結果、実効転写圧は、粒径由来の理論転写圧がそのまま掛かり、磁性キャリアによる中間転写体への傷を引き起こす場合がある。さらに、超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm未満の場合、磁性キャリアが弾性力を有していないことを意味する。その結果、実効転写圧は、粒径由来の理論転写圧がそのまま掛かり、磁性キャリアによる中間転写体への傷を引き起こす場合がある。
また、超微小押し込み硬さ試験機において、圧縮破壊強度が20MPa以下の磁性キャリアが、1.0個数%以下であることが好ましい。圧縮破壊強度が20MPa以下の磁性キャリアの割合が上記範囲であると、中間転写体の転写圧、又はクリーニングブレードのブレード圧により破壊され、破壊された磁性キャリアの破片が静電潜像担持体に打ち込まれることはない。その結果、静電潜像担持体に凸傷となって現れたり、画像にもスジとなって現れるようになることはなくなる。
(多孔質磁性体粒子の製造方法)
本発明の多孔質磁性体粒子は、以下のような工程で製造することができる。
多孔質磁性体粒子の材質としては、マグネタイト又はフェライトが好ましい。さらに、多孔質磁性体粒子の材質は、フェライトであることが多孔質磁性体粒子の多孔質の構造を制御したり、抵抗を調整できるため、より好ましい。
フェライトは次の一般式で表される焼結体である。
(M1O)(M2O)(Fe
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caからなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。
磁化量を適度に維持し、細孔径を所望の範囲にするためや多孔質磁性体粒子表面の凹凸状態を好適にするために、フェライト化反応の速度を容易にコントロールでき、多孔質磁性体の比抵抗と磁気力を好適にコントロールできる観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Li−Mn系フェライトがより好ましい。
以下に、多孔質磁性体粒子としてフェライトを用いる場合の製造工程を詳細に説明する。
・工程1(秤量・混合工程):
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caの金属粒子、酸化物、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩。混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。配合する原料種として、水酸化物や炭酸塩を用いた方が、酸化物を用いた場合に比べて細孔容積は大きくなりやすい。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
・工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合したフェライト原料を、加圧成型機等を用いてペレット化した後、仮焼成を行う。上述したように、仮焼成工程が、本発明の磁性キャリアを得るために重要であるため、上述した条件で行うことが大切である。例えば、焼成温度1000℃以上1100℃以下の範囲で、3時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。この際、フェライト化反応が十分に進行するように、仕込み量は適宜調整する。また、雰囲気調整、特に窒素雰囲気下など酸素濃度を下げることで、フェライト化反応がより進行しやすい環境にすることが好ましい。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
・工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものが挙げられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミル。しかし、本件の仮焼成物は、従来の仮焼成物に対して、十分にフェライト化反応を進行させた仮焼成物であるため、硬度が高くなっている。そのため、所望の粒径を得るためには、粉砕強度を強める必要がある。粉砕強度を強め、仮焼フェライトの微粉砕品の粒径、及び粒径分布を制御することが、グレイン径の小ささ、及び均一さを制御するために重要である。そのようにして、制御されたグレインの集まりから成る多孔質磁性体粒子により、本発明の特徴である、超微小押し込み硬さ試験機における該磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上の磁性キャリアが得られるのである。また、微粉砕品の粒径、及び粒径分布を制御することが、多孔質磁性体粒子の平均細孔径の制御につながる。平均細孔径をコントロールすることは、グレインサイズ、及びグレイン同士のネットワークを制御することを意味し、超微小押し込み硬さ試験機において、所望の平均圧縮破壊強度、8MPaの圧縮荷重を加えた時の所望の変位が得られる。また、微粉砕品の粒径、及び粒径分布を制御することは、最終的に磁性キャリアの表面の凹凸度合いの制御し、静電潜像担持体の凸傷を制御するために重要である。なぜなら、磁性キャリアの表面の凹凸が大きくなり過ぎると、中間転写体の転写圧、又はクリーニングブレードのブレード圧が、磁性キャリアの凸部一点に集中するため、実効圧力が急激に上昇し、磁性キャリアの破壊を招くからである。仮焼フェライトの微粉砕品の粒径分布を制御するためには、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くすればよい。また、仮焼フェライトの粒度分布を広くするためには、比重の重いボールを用い、粉砕時間を短くすることで得ることができる。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、以下のものがあげられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm)、高比重ガラス(比重2.7g/cm)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm)、チタニア(比重3.9g/cm)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm)、アルミナ(比重3.6g/cm)、ジルコニア(比重6.0g/cm)、スチール(比重7.9g/cm)、ステンレス(比重8.0g/cm)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径5mm以上60mm以下のものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm以下のものが好適に用いられる。また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の方が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
・工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加えてもよい。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて孔調整剤を加えることが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、温度100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
・工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を、600℃以上800℃以下の温度で分散剤やバインダーを燃焼除去する。その後、酸素濃度の制御できる電気炉で、酸素濃度を制御した雰囲気下で、温度1100℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度1100℃以上1200℃以下がより好ましい。仮焼成工程において、フェライト化反応を十分進行させているものの、念のため、フェライト化反応が進行する温度領域である700℃乃至1100℃の範囲を通過する昇温及び降温の時間は短くし、フェライト化反応が進行しないように制御する。一方、トップ温度の保持時間は、3時間以上5時間以下にすることにより、グレイン同士のネットワークが強固になり、所望の平均圧縮破壊強度、8MPaの圧縮荷重を加えた時の所望の変位が得られる多孔質構造を得るために好ましい。その際、ロータリー式電気炉やバッチ式電気炉または連続式電気炉等を使用し、焼成時の雰囲気も、窒素等の不活性ガスや水素や一酸化炭素等の還元性ガスを打ち込んで、酸素濃度の制御を行っても良い。あるいは、脱バインダーを行わずに、本焼成を行い、造粒時に添加したバインダーを炉内で分解させて、発生したガスにより炉内を還元性雰囲気にして、酸素濃度の制御を行っても良い。また、ロータリー式電気炉の場合、雰囲気や焼成温度を変更して、多数回焼成を行っても良い。
・工程6(選別工程):
焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、磁力選鉱により低磁力品を分別し、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
・工程7(表面処理):
必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300℃以上700℃以下で熱処理を行うことができる。
上記のようにして得られた多孔質磁性体粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、最終的な磁性キャリアの粒径を20.0μm以上70.0μm以下にするため、18.0μm以上68.0μm以下であることが好ましい。これにより、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる
多孔質磁性体粒子は、後述する比抵抗測定法において、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
多孔質磁性体粒子の全細孔容積が、50.0mm/g以上、80.0mm/g以下であることが、現像器内の撹拌、中間転写体の転写圧、又はクリーニングブレードのブレード圧等によるストレスに耐えうる磁性キャリアの強度を得られることからも好ましい。さらに、磁性キャリア1粒粒子の飽和磁化が最適になるため、キャリア付着を抑制することができる。さらに、磁気ブラシの穂がソフトになり、がさつきがなく、均一感のある画像が得られる。
(充填コア粒子の製造方法)
多孔質磁性体粒子の孔に充填樹脂組成物を充填させる方法としては、充填樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性体粒子の孔に添加し、溶剤を除去する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、充填樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。多孔質磁性体粒子の孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性体粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
浸漬法としては、減圧状態で充填樹脂と溶剤を混合した充填樹脂組成物溶液を多孔質磁性体粒子の孔へ充填させ、脱気や加温により溶剤を除去する方法が好ましい。脱気の速度や加温の温度で、溶剤除去スピードを制御することで、多孔質磁性体粒子の孔への充填樹脂組成物の含浸性をコントロールすることができる。減圧の程度としては、1.30×10Pa乃至9.30×10Paが好ましい。
1回の充填工程で充填樹脂組成物を充填することは可能であるが、複数回に分けて行うことが好ましい。なぜなら、充填樹脂組成物の種類によっては、一度に多量の充填樹脂組成物を充填しようとした場合、磁性キャリア同士の造粒による凝集が起こる場合がある。凝集した磁性キャリアが存在する場合、篩分け工程において、解砕面があるクレーターを有する磁性キャリアが混入し、色味変動を起こす場合がある。このような場合には、複数回に分けて充填することによって、磁性キャリア同士の造粒による凝集を防ぎつつ、過不足なく充填が行える。
充填樹脂組成物を充填させた後、必要に応じて各種の方式によって加熱し、充填した充填樹脂組成物を多孔質磁性体粒子に密着させる。加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼付けでも良い。温度は、充填する充填樹脂組成物によって異なるが、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い磁性キャリアを得ることができる。酸化防止のため窒素など不活性ガス気流中で処理することが好ましい。
充填する充填樹脂組成物量は、多孔質磁性体粒子の細孔容積に対して、40体積%乃至80体積%であることが好ましい。より好ましくは、50体積%乃至70体積%であることが、被覆樹脂組成物の被覆性の向上の観点から好ましい。なお、充填樹脂組成物量を上記の範囲にすることで、被覆樹脂組成物の被覆性が向上する理由は、充填コア粒子の凹凸形状が維持され、充填コア粒子の凹部に、被覆樹脂組成物の表面張力が作用することである。すなわち、多孔質磁性体粒子の凹部に染み込んだ被覆樹脂組成物の両サイドには、多孔質磁性体粒子の面が存在しているため、両サイドの多孔質磁性体粒子の面が懸け橋となって被覆樹脂組成物の表面張力が作用しやすいためである。
よって、充填する充填樹脂組成物量は、多孔質磁性体粒子の細孔容積に応じ、上記占有体積になれば良い。特に、磁性コア粒子の強度の観点から、好ましい多孔質磁性体粒子の全細孔容積が、50.0mm/g以上、80.0mm/g以下であり、充填する充填樹脂組成物量としては、多孔質磁性体粒子100.0質量部に対して、4.0質量部以上8.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5.0質量部以上7.0質量部以下であることが好ましい。
充填樹脂組成物溶液における樹脂固形分量は、6質量%以上25質量%以下であることが、充填樹脂組成物溶液の粘度のハンドリングが良いため、細孔までの充填性や、溶媒の除去時間の観点から好ましい。
多孔質磁性体粒子の孔に充填する充填樹脂組成物中の充填樹脂としては特に限定されないが、含浸性の高い樹脂が好ましい。含浸性の高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性体粒子内部の細孔から充填されることで、充填コア粒子表面近傍の細孔が残り、充填コア粒子表面は細孔による凹凸のある形状を有するため、上述した通り被覆樹脂組成物の表面張力の観点から好ましい。
充填樹脂組成物中の充填樹脂としては、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、磁性キャリアを被覆する上では、被覆時に溶媒を使用しても溶けださない熱硬化性樹脂が好ましく、さらに充填のし易さからシリコーン樹脂が好ましい。例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。ストレートシリコーン樹脂では、信越化学社製のKR−271、KR−251、KR−255、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
また、充填樹脂組成物が、シランカップリング剤を含有していることが好ましい。充填樹脂に対して、シランカップリング剤は相溶性が良好であり、多孔質磁性体粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性がより高まる。そのため、充填樹脂が、多孔質磁性体粒子内部の細孔から充填される。その結果、充填コア粒子表面は細孔による凹凸のある形状を有するため、上述した通り被覆樹脂組成物の表面張力の観点から好ましい。
用いられるシランカップリング剤としては特に限定されないが、官能基が存在することで、被覆樹脂組成物との親和性も良好になることから、アミノシランカップリング剤が好ましい。
なお、アミノシランカップリング剤が、多孔質磁性体粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性がより高め、被覆樹脂組成物との親和性を良好にする原因は、以下のように考える。アミノシランカップリング剤は、無機物と反応する部分と、有機物と反応する部分を有しており、一般的に、アルコキシ基が無機物と、アミノ基を有する官能基が有機物と反応すると考えられている。よって、アミノシランカップリング剤のアルコキシ基が、多孔質磁性コア粒子の部分と反応することで、濡れ性及び密着性を高め、アミノ基を有する官能基は、充填樹脂側に配向することで、被覆樹脂組成物との親和性も高めると考える。
添加するシランカップリング剤の量は、充填樹脂量100質量部に対して、1.0乃至20.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、5.0乃至10.0質量部であることが、多孔質磁性体粒子と充填樹脂との濡れ性及び密着性の向上の観点から好ましい。
充填コア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、最終的な磁性キャリアの粒径を20.0μm以上70.0μm以下にするため、19.0μm以上69.0μm以下であることが好ましい。これにより、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる
充填コア粒子は、後述する比抵抗測定法において、電界強度1000V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
(磁性キャリアの製造方法)
充填コア粒子の表面を被覆樹脂組成物で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。中でも、多孔質磁性体粒子表面の特徴である凹凸を生かすためには、被覆層の薄い部分と厚い部分の割合を制御することができる浸漬法が、現像性を向上させる観点からより好ましい。なお、現像性が向上する理由は、磁性コア粒子の凹凸形状により、被覆樹脂組成物を被覆した磁性キャリアにおいて、被覆樹脂組成物層に薄膜部分と厚膜部分を両方兼ね備えさせることができるため、局所的に存在する薄膜部分が、電極効果として働くためである。
被覆する被覆樹脂組成物溶液の調整としては、充填工程と同様の方法が用いられる。被覆工程時の造粒を抑制する方法は、被覆樹脂組成物溶液中の樹脂濃度の調整、被覆する装置内の温度、溶剤を除去する際の温度や減圧度、樹脂被覆工程の回数などが挙げられる。
被覆層に用いられる被覆樹脂組成物の樹脂としては特に限定されないが、分子構造中に環式炭化水素基を有するビニル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体であるビニル系樹脂が好ましい。該ビニル系樹脂を被覆することで、高温高湿環境下における、帯電量の低下を抑制することができる。
なお、該ビニル系樹脂を被覆することで、高温高湿環境下における、帯電量の低下を抑制する原因は、以下のように考える。該ビニル系樹脂を充填コア粒子の表面に被覆する場合、該ビニル系樹脂を有機溶剤中に溶解させたものと、充填コア粒子とを混合及び脱溶媒するような被覆工程を経る。当該工程において、環式炭化水素基が被覆樹脂層の表面に配向しながら溶媒が除去されていき、完成した磁性キャリアの表面には、高疎水性の環式炭化水素基が配向された状態で被覆樹脂層が形成されるからである。
環式炭化水素基の具体例としては、炭素数3以上10以下の環式炭化水素基が挙げられ、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、イソボニル基、ノルボニル基、ボロニル基等である。なかでも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基が好ましく、構造上安定であることにより充填コア粒子との密着性が高いという観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
また、ガラス転移温度(Tg)を調整するために、さらにその他のモノマーをビニル系樹脂の構成成分として含有させてもよい。
ビニル系樹脂の構成成分として用いられるその他のモノマーとしては、公知のモノマーが用いられるが、例えば次のようなものが挙げられる。スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
さらに、被覆層に用いられるビニル系樹脂が、グラフト重合体であることが、多孔質磁性体粒子との濡れ性がさらに良化し、均一な被覆層が形成されるため好ましい。
グラフト重合体を得るには、幹鎖を形成後グラフト重合する方法や、モノマーとしてマクロモノマーを用いて共重合する方法があるが、マクロモノマーを共重合して用いる方法が、枝鎖の分子量を容易にコントロールできるために好ましい。
用いられるマクロモノマーとしては特に限定されないが、多孔質磁性体粒子との濡れ性がさらに良化することから、メチルメタクリレートマクロモノマーが好ましい。
なお、ビニル系樹脂がメチルメタクリレートマクロモノマーを有していることで、多孔質磁性体粒子との濡れ性が良化する原因は、上記の乾式炭化水素基が被覆樹脂層の表面に配向することに対して、疎水性が大きく異なるマクロモノマーは充填コア粒子に配向することに由来する。そして、マクロモノマーは重合体の末端に反応性の官能基を有するオリゴマー分子を有していることから、多孔質磁性体粒子との濡れ性に働くと考える。
上記マクロモノマーを重合する際に使用する量は、ビニル系樹脂の幹鎖の共重合体100質量部に対して、10乃至50質量部が好ましく、20乃至40質量部がより好ましい。
また、被覆樹脂組成物に、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有させて用いてもよい。導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。その中でも、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、被覆樹脂組成物の表面張力を好適に作用させることができ、被覆樹脂組成物の被覆性を向上させる観点から好ましい。
なお、カーボンブラックのフィラー効果を好適に作用させることで、被覆樹脂組成物の被覆性を向上させることできる理由は、カーボンブラックの一次粒子径と凝集性に由来する。すなわち、カーボンブラックは、小さい一次粒子径が小さいため、大きい比表面積を示す。一方、カーボンブラックは、凝集性が高いため、凝集粒子として、大きい粒子として存在する。この一次粒子径と凝集性により、粒子径と比表面積の関係を大きく逸脱する粒子となりうる。すなわち、被覆樹脂組成物の表面張力が作用する粒径であり、かつ比表面積の大きさから接触点が大きいため、被覆樹脂組成物の表面張力が作用しやすいためである。
また、凝集したカーボンブラックの使用により、現像性を向上させることを見出した。
なお、現像性が向上する理由は、凝集したカーボンブラックは、粒径が大きくなるため、上記被覆樹脂組成物層の厚膜部分に集中しやすい。そのため、従来カウンターチャージ緩和が働きにくい被覆樹脂組成物層の厚膜部分においても、カウンターチャージ緩和が良好になりためである。
導電性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
本発明の磁性キャリアは、体積分布基準50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下であることが好ましい。これにより、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制とキャリア付着の防止ができる
本発明の磁性キャリアは、後述する比抵抗測定法において、電界強度1000V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。現像場において、磁性キャリアはトナーと共に、もっと高電界強度にさらされているが、トナーは絶縁体であるため、電界強度が支配的にかかっている。そのため、磁性キャリアにかかっている電界強度はもっと低くなっており、電界強度1000V/cm程度である。そのため、本発明者等は、比抵抗測定法において、電界強度1000V/cmにおける比抵抗を採用した。
(トナーの製造方法)
次に、二成分系現像剤に磁性キャリアと共に含有されるトナーについて説明する。
本発明におけるトナーのトナー粒子を製造する方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤、ワックスを溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法;結着樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解または分散させた溶液を水系媒体中に導入し懸濁造粒させ、該溶剤を除去することによってトナー粒子を得る懸濁造粒法;モノマーに着色剤等を均一に溶解または分散したモノマー組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に分散し、重合反応を行わせトナー粒子を作製する懸濁重合法;高分子分散剤を水系有機溶剤中に溶解し、モノマーが重合することで溶媒不溶の粒子を生成してトナー粒子を得る分散重合法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成する乳化重合法;少なくとも重合体微粒子及び着色剤微粒子を凝集して微粒子凝集体を形成する工程と該微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる熟成工程を経て得られる乳化凝集法;がある。特に、粉砕法によるトナーにおいては、粉砕後、あるいは粉砕・分級後に、100nm程度の大粒径の無機微粒子を添加し、トナーの表面を熱的な処理により改質することで、耐久等で遊離しやすい大粒径の無機微粒子を固着できる観点から好ましい。なお、大粒径の無機微粒子を固着させることでスペーサー効果が生まれ、転写性が向上する。
トナーに含有される結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリエステル、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択されるモノマーを構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂。
本発明に用いられる結着樹脂は、トナーの保存性と低温定着性を両立するために、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピーク分子量(Mp)が2000以上50000以下、数平均分子量(Mn)が1500以上30000以下、重量平均分子量(Mw)が2000以上1000000以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以上80℃以下であることが好ましい。
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20.0質量部以下使用されることが高光沢度の画像を提供できるために好ましい。また、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。トナーの保存性とホットオフセット性を両立でき好ましい。
ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。中でも、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックスが、高光沢度の画像を提供できるため好ましい。
トナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。マゼンタ用着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。シアン用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。イエロー用着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
着色剤の使用量は、磁性体を用いる場合以外は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30.0質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20.0質量部以下である。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
トナーには、流動性向上のため、外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(三井鉱山社製)。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)。
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
さらに、必要に応じて、表面改質処理前に、上記混合機を用いて、無機微粒子を添加しても良い。
最後に、トナー粒子への流動性付与の観点から、上記混合機を用いて、無機微粒子を添加しても良い。
二成分系現像剤としては、トナーと磁性キャリアの混合比率が磁性キャリア100質量部に対してトナーを2質量部以上15質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上12質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、トナーの飛散を低減し、長期に渡って摩擦帯電量が安定する。
補給用現像剤としては、トナーと磁性キャリアの混合比率が磁性キャリア1質量部に対してトナーが2質量部以上50質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上20質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、安定した摩擦帯電量が得られた上で、ユーザーの負荷となる補給用現像剤の交換の頻度を少なくできる。
補給用現像剤を調整する場合、磁性キャリア及びトナーを所望量秤量し、混合機にて混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。この中でも、V型ミキサーが磁性キャリアの分散性の観点から好ましい。
次に本発明の磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤を好適に用いることができる画像形成方法について説明する。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、該帯電された静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、現像剤担持体上に本発明の二成分系現像剤で磁気ブラシを形成し、該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間に、磁気ブラシを接触させた状態で現像バイアスを印加して該静電潜像をトナーにより現像する工程を有し、該現像バイアスは、直流電界に交番電界を重畳してなることを特徴とする。
本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を図1に示す。図1において、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネットの少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネットの磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図2に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体10に一旦転写し、その後、記録媒体12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
図2は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図の一例を示す。
図中のK、Y、C、Mなどの画像形成ユニットの並びや回転方向を示す矢印は何らこれに限定されるものではない。ちなみにKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図2において、静電潜像担持体1K、1Y、1C、1Mは図中矢印方向に回転する。各静電潜像担持体は帯電手段である帯電器2K、2Y、2C、2Mにより帯電され、帯電した各静電潜像担持体表面には、静電潜像形成手段である露光器3K、3Y、3C、3Mにより露光し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像器4K、4Y、4C、4Mに具備される現像剤担持体6K、6Y、6C、6M上に担持された二成分系現像剤(図示しない)により静電潜像はトナー像として可視像化される。さらに転写手段である中間転写帯電器9K、9Y、9C、9Mにより中間転写体10に転写される。さらに転写手段である転写帯電器11により、記録媒体12に転写され、記録媒体12は、定着手段である定着器13により加熱圧力定着され、画像として出力される。そして中間転写体10のクリーニング部材である中間転写体クリーナー14は、転写残トナーなどを回収する。
ここで、本発明の磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤を好適に用いることができる画像形成方法の各工程に関して、説明する。
<帯電工程>
帯電工程は、静電潜像担持体の表面に電荷を付与して静電潜像担持体を帯電させる手段であれば特に限定されない。帯電手段には、コロナ帯電手段のように、静電潜像担持体に対して非接触で静電潜像担持体を帯電させる装置や、導電性のローラーやブレードを静電潜像担持体に接触させて静電潜像担持体を帯電させる装置が使用可能である。接触帯電系の方が、非接触(放電)帯電系より、窒素酸化物の生成が少ないことから好ましい。
<露光工程>
露光工程は、露光手段として公知の露光装置が使用できる。例えば、光源は半導体レーザーまたは発光ダイオードが用いられ、ポリゴンミラー、レンズ、ミラーから成る走査光学系ユニットを用いることができる。
<現像工程>
現像工程は、現像剤担持体上に本発明のニ成分系現像剤で磁気ブラシを形成し、該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間(SDギャップ)に、磁気ブラシを接触させた状態で現像バイアスを印加して該静電潜像をトナーにより現像する工程である。
現像スリーブ内部に設置する磁石は、磁束密度が、60mT以上、150mT以下であることが、現像剤担持体表面に該ニ成分系現像剤で磁気ブラシを形成させるため好ましい。
SDギャップは、150μm以上、500μm以下の間隔、通常は300μm程度離した空間を設けて配置することがトナーの現像性、キャリア付着の観点で好ましい。
交番電界条件としては、周波数が500Hz以上、3000Hz以下、ピーク間電圧(Vpp)が500V以上、2000V以下、直流電界条件としては、−50V以上、−550Vとを重畳した現像バイアスが、現像性、キャリア付着防止の観点で好ましい。
Vppは、できる限り下げたほうがキャリア付着を防止させるためには好ましいが、下げた場合には、現像性が著しく低下する。Vppを高くした場合には、現像性は十分なものが得られる反面、記録紙上にリング状又はスポット状の模様が生じる現象が発生する場合がある。
<転写工程>
中間転写体は、画像形成装置の省スペース化、コンパクト化に対応するため、中間転写ベルトであることが好ましい。
中間転写ベルトに使用される材料には、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等からなるものが使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
中間転写ベルトの材質として、樹脂材料を用いた場合、樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく、静電潜像担持体との付着力を大きくするため、転写効率が低下し、出力画像に濃度ムラが発生しやすくなる。また、最近は、フルカラー画像を様々な用紙、例えば、和紙や意図的に凹凸を付けた用紙に形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は、転写時にトナーと空隙が発生しやすく、やはり転写効率が低下し、出力画像に濃度ムラが発生しやすくなる。この場合、密着性を高めるために、転写圧を高めると、用紙の凹部は、転写効率は向上するものの、用紙の凸部は、トナー層が圧縮され、中間転写体との付着力が大きくなるため、やはり転写効率が低下し、出力画像に濃度ムラが発生しやすくなる。
そのため、中間転写ベルトの材質としては、弾性層を有する中間転写ベルトが好ましい。弾性中間転写ベルトは、次の狙いで使用される。弾性中間転写ベルトは、樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性中間転写ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、転写効率が向上する。
弾性を有する材料としては、弾性を有する樹脂、弾性材ゴム、エラストラー等が挙げられる。弾性材料からなる弾性層の上に表層を設けても良いし、弾性層の下に基材層を設けても良い。
弾性ベルトの弾性層に使用できる樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
弾性中間転写ベルトには抵抗値調節用導電剤を含有させることができる。抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等が使用できる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
弾性中間転写ベルトには、離型性向上のために表層(コート層)を設けることができる。表層材料に制限はないが、転写中間転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが好ましい。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用するとともに、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上分散させたものを使用することができる。また、これら粉体、粒子の粒径を異ならせたものを分散させ使用することもできるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
静電潜像担持体と中間転写体との圧接により形成される転写ニップにおける転写圧は、画像上問題なければ特に制限されない。特に、0.007MPa以上0.030MPa以下であることが、転写効率の観点から好ましい。
<定着工程>
定着工程は、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択できるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラーと加圧ローラーの組み合わせ。加熱ローラーと加圧ローラーと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。その中でも、発熱体を具備する加熱体と、加熱体と接触するフィルムと、フィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材を有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。加熱加圧手段における加熱は、80℃以上200℃以下であることが好ましい。
本発明に係る各種物性の測定について以下に説明する。
<磁性キャリア、充填コア粒子、多孔質磁性体粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、充填コア粒子、多孔質磁性体粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
<磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗、充填コア粒子の電界強度1000V/cmにおける比抵抗、多孔質磁性体粒子の電界強度300V/cmにおける比抵抗の測定>
磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗、充填コア粒子の電界強度1000V/cmにおける比抵抗、多孔質磁性体粒子の電界強度300V/cmにおける比抵抗は、図3に概略される測定装置を用いて測定される。
抵抗測定セルAは、断面積4.906cmの穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器17、電極面積4.906cm下部電極(ステンレス製)18、絶縁部材19、電極面積4.906cm上部電極(ステンレス製)20から構成される。絶縁部材19上に下部電極(ステンレス製)18を載せ、円筒状のPTFE樹脂容器17の穴に、下部電極(ステンレス製)18を通す。次に、上部電極(ステンレス製)20を下部電極(ステンレス製)18上に載せる。その上に、絶縁部材19を載せる。そして、上部の絶縁部材19に、手動スタンドSVH−1000N(IMADA社製)を用いて、100Nの負荷をかける。その際の負荷は、デジタルフォースゲージDS2−200N(IMADA社製)を用いて計測する。そして、SVH−1000Nに備えたノギス(Mitutoyo社製)を用いてゼロ点調整を行う。(図3(a))
次に、下部電極(ステンレス製)18と上部電極(ステンレス製)20の間に、試料(磁性キャリア、充填コア粒子、多孔質磁性体粒子)21を厚さ約1mmになるように充填し、上記と同様に、100Nの負荷をかける。そして、ノギスを用いて、増加した分の高さを計測し、試料の厚みとする。(図3(b))
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の質量を適宜変えることが重要である。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリア、充填コア粒子、多孔質磁性体粒子の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター6(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用にコンピュータ7を用いる。
制御用コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いたソフトウエアにより行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=4.906cm、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、負荷100N、最大印加電圧1000Vとする。
電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(例えば、1.00mmの試料厚みの場合は、電界強度としては、10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する。すると印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V(第1ステップ)、400V(第2ステップ)、600V(第3ステップ)、800V(第4ステップ)、1000V(第5ステップ)、1000V(第6ステップ)、800V(第7ステップ)、600V(第8ステップ)、400V(第9ステップ)、200V(第10ステップ)と最大印加電圧の1/5である200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加し、それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。
実施例1に用いられる磁性キャリアの場合には、スクリーニング時には、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)の直流電圧を1秒間ずつ磁性キヤリアに印加し、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が256Vまでは、点灯し、512Vで「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が点滅した。次に直流電圧362V(28.5V)では点灯し、直流電圧431V(≒28.7V)で点滅し、直流電圧394V(≒28.6V)で点灯し、直流電圧412V(≒28.7V)で点滅し、直流電圧403V(≒28.7V)で点灯した。その結果、最大印加電圧が403V(≒28.7V)となった。403Vの1/5の値の80.7V(第1ステップ)、60Vの2/5の値の161.4V(第2ステップ)、60Vの3/5の値の242.1V(第3ステップ)、60Vの4/5の値の322.8V(第4ステップ)、60Vの5/5の値の403.0V(第5ステップ)、5/5の値の403.0V(第6ステップ)、60Vの4/5の値の322.8V(第7ステップ)、60Vの3/5の値の242.1V(第8ステップ)、60Vの2/5の値の161.4V(第9ステップ)、60Vの1/5の値の80.7V(第10ステップ)の順で直流電圧を印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み1.01mmと、電極面積とから電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点をプロットする。そして、電界強度1000V/cmあるいは電界強度300V/cmにおける比抵抗を読み取る。
尚、比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×4.906(cm)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<多孔質磁性コア粒子の細孔容積及び平均細孔径の測定>
多孔質磁性コア粒子及び充填コア粒子の細孔容積は、水銀圧入法により測定される。測定原理は、以下の通りである。本測定では、水銀に加える圧力を変化させ、その際の細孔中に進入した水銀の量を測定する。細孔内に水銀が侵入し得る条件は、圧力P、細孔直径D、水銀の接触角と表面張力をそれぞれθとσとすると、力の釣り合いからPD=−4σCOSθで表せる。接触角と表面張力を定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が侵入し得る細孔直径Dは反比例することになる。このため、圧力Pとそのときに侵入する液量Vを、圧力を変えて測定し得られる、P−V曲線の横軸Pを、そのままこの式から細孔直径に置き換え、細孔分布を求めて、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積を積分し、細孔容積(図4(b)中塗り部分)を算出した。測定装置としては、ユアサアイオニクス社製 全自動多機能水銀ポロシメータPoreMasterシリーズ・PoreMaster−GTシリーズや、島津製作所社製 自動ポロシメータオートポアIV 9500 シリーズ等を用いて測定することができる。具体的には、株式会社 島津製作所のオートポアIV9520を用いて、下記条件・手順で測定を行った。測定条件「測定環境:20℃」「測定セル:試料体積 5cm、圧入体積 1.1cm、用途 粉体用」「測定範囲:2.0psia(13.8kPa)以上59989.6psia(413.7Mpa)以下」「測定ステップ:80ステップ(細孔径を対数で取ったときに等間隔になるようにステップを刻む)」「圧入体積:25%以上70%以下になるように調節」「低圧パラメーター;排気圧力:50μmHg、排気時間:5.0min、水銀注入圧力:2.0psia(13.8kPa)、平衡時間:5secs」「高圧;平衡時間:5secs」「水銀パラメーター;前進接触角:130.0degrees、後退接触角:130.0degrees、表面張力;485.0mN/m(485.0dynes/cm)、水銀密度;13.5335g/mL」
(測定手順)
(1)多孔質磁性体粒子を、約1.0g秤量し試料セルに入れる。そして、秤量値を入力する。
(2)低圧部で2.0psia(13.8kPa)以上45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で45.9psia(316.3kPa)以上59989.6psia(413.6Mpa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布及び平均細孔径を算出する。ここで、平均細孔径とは、付属ソフトで解析し算出された値であり、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲に指定した場合のメディアン細孔直径(容積基準)の値である。
(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。上記の様にして計測した細孔径分布を図4に示す。図4(a)に、多孔質磁性体粒子の全測定領域の図を示し、図4(b)に、多孔質磁性体粒子の0.1μm以上6.0μm以下の範囲の部分を切り出した図を示す。ここで、細孔径が6.0μmより大きい部分は、充填した磁性キャリア同士の空隙を表しているため、磁性キャリア内部の細孔径を表していないため、除外した。図4(b)より、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分細孔容積を積分した全細孔容積(図中斜線部分)を付属のソフトウエアを用いて、算出した。さらに、平均細孔径も算出した。
<磁性キャリアの平均圧縮破壊強度及び8MPa圧縮荷重を加えた時の変位の測定方法>
磁性キャリアの平均圧縮破壊強度及び8MPaの圧縮荷重を加えた時の変位の測定は、超微小押し込み硬さ試験機「ENT1100a」(エリオニクス製)にて測定を行った。
ステージに磁性キャリアを散布し、光学顕微鏡で確認しながら、磁性キャリア1粒が中心にくるように、ステージを移動させ、位置情報を記録し、測定を行った。
測定条件は下記の通りである。
荷重 :50000mgf
分割数 :1000回
ステップインターバル :10msec
圧子 :50μm平面圧子
実施例1に用いた磁性キャリア1の1回の測定結果を図5(a)に示す。平均圧縮破壊強度は、荷重を加えていった際に、磁性キャリアの変位が一気に増加した時の荷重とした。なぜなら、磁性キャリアが破壊され、分裂したから、磁性キャリアの変位が一気に増加したのである。また、変位は、8MPaの圧縮荷重を加えた時の変位を読み取った。
1つの磁性キャリアに対して、100点測定を行い、その平均値をもって、平均圧縮破壊強度及び変位とした。
図5(b)には、比較例1に用いた磁性キャリア21、比較例2に用いた磁性キャリア22、及び比較例3に用いた磁性キャリア23の測定結果を示す。
<被覆樹脂及びトナーの結着樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、被覆樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)で作成した分子量校正曲線を使用する。
<多孔質磁性体粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1150℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの多孔質磁性体粒子1を得た。D50、電界強度300V/cmにおける比抵抗、及び細孔容積、平均細孔径を表1−1に示す。
<多孔質磁性体粒子2乃至14の製造例>
多孔質磁性体粒子1の製造例において、表1−1、1−2及び1−3に示したように変更する以外同様にして多孔質磁性体粒子2乃至14を得た。D50、電界強度300V/cmにおける比抵抗、及び全細孔容積、平均細孔径を表1−1、1−2及び1−3に示す。特に、多孔質磁性体粒子12については、特許文献6と同様の方法で、多孔質磁性体粒子13については、特許文献4と同様の方法で、多孔質磁性体粒子14については、特許文献3と同様の方法で得た。
Figure 2013231766
Figure 2013231766
Figure 2013231766
<充填樹脂溶液1の調製>
KR251(樹脂固形分濃度20%) 50.0質量%
トルエン 49.5質量%
3−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.5質量%
を1時間混合し、シリコーン樹脂溶液1を得た。
<充填樹脂溶液2乃至3の調製>
充填樹脂溶液1の調製において、表2に示したように変更する以外、同様にして充填樹脂溶液2乃至4を調製した。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部を、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。得られた被覆樹脂1の物性を表3に示す。
<重合体溶液2乃至3の調製>
重合体溶液1の調製において、表3に示したように変更する以外、同様にして、被覆樹脂2乃至3及び重合体溶液2乃至3を調製した。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<被覆樹脂溶液2乃至5の調製>
被覆樹脂溶液1の調製において、表4に示したように変更する以外、同様にして被覆樹脂溶液2乃至5を調製した。
カーボンブラック(#25;三菱化学社製)
(一次粒径47nm、窒素吸着比表面積55m/g、DBP吸油量66ml/100g)
Figure 2013231766
Figure 2013231766
Figure 2013231766
<磁性キャリア1の製造>
・工程1(樹脂充填工程):
多孔質磁性体粒子1の100.0質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ちながら、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、充填樹脂溶液1を多孔質磁性体粒子1に対し樹脂成分として5.0質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性体粒子1の粒子内に充填樹脂溶液1から得られる充填樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気、常圧下で、2℃/分の昇温速度で、220℃に昇温した。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩で分級して充填コア粒子1を得た。D50、電界強度1000V/cmにおける比抵抗を表5−1に示す。
・工程2(樹脂被覆工程):
引き続き、減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100.0質量部に対して樹脂成分として2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。その後、被覆樹脂組成物で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度100℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア1を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)40.2μmの磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の物性を表5−1に示す。
<磁性キャリア2乃至23の製造>
磁性キャリア1製造例のうち、表5−1、5−2及び5−3に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア2乃至23を作製した。得られた磁性キャリアの物性を表5−1、5−2及び5−3に示す。
Figure 2013231766
Figure 2013231766
Figure 2013231766
<ポリエステル樹脂1の製造例>
・テレフタル酸: 299.0質量部
・無水トリメリット酸: 19.0質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
747.0質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート): 1.0質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、温度200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し1時間反応させ、重量平均分子量(Mw)6000であるポリエステル樹脂1を得た。
<ポリエステル樹脂2の製造例>
・テレフタル酸: 332.0質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
996.0質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート): 1.0質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸96.0質量部を加え、温度180℃に加熱し、2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)84000であるポリエステル樹脂2を得た。
<トナー1の製造例>
・ポリエステル樹脂1: 80.0質量部
・ポリエステル樹脂2: 20.0質量部
・パラフィンワックス(融点:75℃): 7.0質量部
・シアン顔料(15:3(銅フタロシアニン)): 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 1.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業製)で分級しで微粉及び粗粉を同時に分級除去し、さらに機械的表面改質装置(ファカルティ F−300、ホソカワミクロン(株)製)を用いて表面改質を行った。その際、分散ローターの回転数を7500rpm、分級ローターの回転数を9500rpmとし、投入量を1サイクルあたり250gとし、表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)を30secとし、トナー粒子1を得た。
次いで、上記トナー粒子1 100.0部に、ルチル型酸化チタン(個数平均粒径:20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1.0部、シリカA(気相酸化法により作製、個数平均粒径:40nm、シリコーンオイル処理)2.0部、シリカB(ゾルゲル法により作製、個数平均粒径:140nm、HMDS処理)2.0部を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間混合を行った。その後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により5分間混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2乃至23の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表6のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2乃至23を得た。
<補給用現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を1.0質量部に対し、トナー1を9.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により3分間混合し、補給用現像剤1を得た。
<補給用現像剤2乃至23の製造例>
補給用現像剤1の製造例において、表6のように変更する以外は同様の操作を行い、補給用現像剤2乃至23を得た。
Figure 2013231766
<実施例1>
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、シアン位置の補給用ボトルに補給用現像剤1を入れ、画像形成し、後述の評価を行った。尚、改造点は、現像剤担持体に周波数8.0kHz、Vpp0.7kVの矩形交流電圧と直流電圧VDCを印加した。耐久画像出力評価時、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーは、トナー消費量を合わせるため、FFh画像(ベタ画像)のトナーの紙上への載り量が0.55mg/cmとなるように調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
耐久画像出力試験としては、画像比率40%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に50,000枚出力を行った。中間転写体として、弾性層として、クロロブレンゴムを使用している中間転写ベルトを用い、静電潜像担持体と中間転写体との圧接により形成される転写ニップにおける転写圧は、0.010MPaになるように調整した。
印刷環境 高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH環境下(以下「H/H」)
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表7に示す。
[中間転写体の傷]
耐久後の中間転写体の表面粗さを評価した。表面粗さの指標として、JISB0601:2001で規定されるR(最大山高さ)を用いた。測定は、表面粗さ測定器(SURFCOM1500SD:東京精密社製)を用い、測定長8mm、速度0.5mm/sec、カットオフλC0.8mm、パラメーター算出規格JIS2001にて、軸方向にスキャンして測定した。移動方向8点、長手10点の、計80点について測定を行い、平均値をもって、中間転写体のRの値とし、以下の基準により評価した。
A:0.3μm以下 (非常に良好)
B:0.4μm以上0.9μm以下 (良好)
C:1.0μm以上 (本発明において許容できない)
[静電潜像担持体の傷]
耐久後の静電潜像担持体の表面粗さを評価した。表面粗さの指標として、JISB0601:2001で規定されるR(最大山高さ)を用いた。測定は、表面粗さ測定器(SURFCOM1500SD:東京精密社製)を用い、測定長8mm、速度0.5mm/sec、カットオフλC0.8mm、パラメーター算出規格JIS2001にて、軸方向にスキャンして測定した。周方向8点、長手10点の、計80点について測定を行い、平均値をもって、静電潜像担持体のRの値とし、以下の基準により評価した。
A:0.3μm以下 (非常に良好)
B:0.4μm以上0.9μm以下 (良好)
C:1.0μm以上 (本発明において許容できない)
[磁性キャリア付着]
耐久後のキャリア付着を評価した。Vbackを100VになるようにVDCを調整し、FFH画像を出力し、画像出力途中で電源を切り、クリーニングされる前の静電潜像担持体上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングした。そして、1cm×1cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:1個以下 (非常に良好)
B:2個以上6個以下 (良好)
C:7個以上 (本発明において許容できない)
[リーク(白ポチ)]
耐久後のリークを評価した。A4普通紙上にベタ(FFh)画像を5枚連続して出力して、画像に直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントして、5枚中のその合計個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:0個 (非常に良好)
B:1個以上3個以下 (良好)
C:4個以上 (本発明において許容できない)
[濃度ムラ]
耐久後の濃度ムラを評価した。A4普通紙上にベタ(FFh)画像を出力し、画像評価に用いた。画像均一性の評価は、任意の5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値との差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定し、以下の基準により評価した。
A:0.04未満 (非常に良好)
B:0.04以上0.08未満 (良好)
C:0.08以上 (本発明において許容できない)
<実施例2乃至24、および比較例1乃至3>
二成分系現像剤2乃至23を用い、表6に示すような中間転写体の素材及び転写圧に変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
実施例2は、所望の転写圧の上限であり、中間転写体に対するトナーの付着力が大きくなり、転写効率が若干低下するため、実施例1に対して濃度ムラがやや劣る。
実施例3は、所望の転写圧の下限であり、中間転写体からのトナー離れが悪くなり、転写効率が若干低下するため、実施例1に対して濃度ムラがやや劣る。
実施例4は、所望の転写圧の上限より大きく、中間転写体に対するトナーの付着力が大きくなり、転写効率が若干低下するため、実施例2に対して濃度ムラがやや劣る。
実施例5は、所望の転写圧の下限未満であり、中間転写体からのトナー離れが悪くなり、転写効率が若干低下するため、実施例3に対して濃度ムラがやや劣る。
実施例6は、所望の充填樹脂量の下限であり、磁性キャリアの抵抗が低いため、実施例4に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例7は、所望の充填樹脂量の上限であるため、被覆樹脂組成物の被覆性が低下し、その結果、磁性キャリアの抵抗が低くなるため、実施例4に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例8は、所望の充填樹脂量の下限未満であり、磁性キャリアの抵抗が低いため、実施例6に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例9は、所望の充填樹脂量の上限より大きいため、被覆樹脂組成物の被覆性が低下し、その結果、磁性キャリアの抵抗が低くなるため、実施例7に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例10は、所望の全細孔容積の下限であり、磁性キャリア1粒粒子の磁化量が小さいため、実施例8に対して磁性キャリア付着耐性がやや劣る。
実施例11は、所望の全細孔容積の上限であり、磁性コア粒子内部の電荷の導通経路が形成され、注入されやすいため、実施例8に対して磁性キャリア付着耐性がやや劣る。
実施例12は、所望の全細孔容積の下限未満であり、磁性キャリア1粒粒子の磁化量が小さいため、実施例10に対して磁性キャリア付着耐性がやや劣る。
実施例13は、所望の全細孔容積の上限より大きく、磁性コア粒子内部の電荷の導通経路が形成され、注入されやすいため、実施例11に対して磁性キャリア付着耐性がやや劣る。
実施例14は、圧縮破壊強度20MPa以下の磁性キャリアの割合が、所望の範囲の上限であり、磁性キャリアの破片が静電潜像担持体に打ち込まれやすいため、実施例13に対して静電潜像担持体への傷の耐性がやや劣る。
実施例15は、圧縮破壊強度20MPa以下の磁性キャリアの割合が、所望の範囲より多く、磁性キャリアの破片が静電潜像担持体に打ち込まれやすいため、実施例14に対して静電潜像担持体への傷の耐性がやや劣る。
実施例16は、磁性キャリアの抵抗が低いため、実施例15に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例17は、磁性キャリアの粒径が大きいため、実施例15に対して静電潜像担持体への傷及び、磁性キャリア付着耐性が優れている。
実施例18は、被覆樹脂中のカーボンの凝集力が大きく、注入されやすいため、実施例15に対して磁性キャリア付着耐性がやや劣る。
実施例19は、被覆樹脂組成物の被覆性が低下するため、実施例15に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例20は、被覆樹脂組成物の被覆性が低下するため、実施例15に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例21は、充填樹脂組成物と被覆樹脂組成物の親和性が低下し、その結果、被覆樹脂組成物の被覆性が低下するため、実施例15に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例22は、磁性キャリアの抵抗が低いため、実施例15に対してリーク耐性がやや劣る。
実施例23は、平均圧縮破壊強度、及び、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が所望の範囲の下限であるため、実施例15に対して静電潜像担持体への傷の耐性がやや劣る。
実施例23は、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が所望の範囲の下限であるため、実施例15に対して静電潜像担持体への傷の耐性がやや劣る。
比較例1は、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が所望の範囲未満であるため、実施例15に対して中間転写体への傷の耐性が劣り、本発明において許容できないレベルである。
比較例2は、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が所望の範囲未満であるため、実施例15に対して中間転写体への傷の耐性が劣り、本発明において許容できないレベルである。
比較例3は、平均圧縮破壊強度、及び、8MPaの圧縮荷重を加えた時の磁性キャリアの変位が所望の範囲の上限より大きいため、実施例15に対して中間転写体への傷の耐性が劣り、本発明において許容できないレベルである。
Figure 2013231766
1、1K、1Y、1C、1M 静電潜像担持体
2、2K、2Y、2C、2M 帯電器
3、3K、3Y、3C、3M 露光器
4、4K、4Y、4C、4M 現像器
5 現像容器
6、6K、6Y、6C、6M 現像剤担持体
7 マグネット
8 規制部材
9 中間転写体
10K、10Y、10C、10M 中間転写帯電器
11 転写帯電器
12 記録媒体
13 定着器
14 中間転写体クリーナー
15、15K、15Y、15C、15M クリーナー
16 前露光
17 樹脂容器
18 下部電極
19 支持台座
20 上部電極
21 試料
22 エレクトロンメーター
23 処理コンピュータ
A 抵抗測定セル
d サンプル高さ

Claims (7)

  1. 多孔質磁性体粒子を有するコア粒子の表面に、被覆樹脂組成物を被覆した磁性キャリアであって、
    超微小押し込み硬さ試験機における該磁性キャリアの平均圧縮破壊強度が50MPa以上150MPa以下であり、
    超微小押し込み硬さ試験機において、該磁性キャリアに8MPaの圧縮荷重を加えた時の該磁性キャリアの変位が平均して5.0μm以上であることを特徴とする磁性キャリア。
  2. 該超微小押し込み硬さ試験機において、圧縮破壊強度20MPa以下の磁性キャリアが1.0個数%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 水銀圧入法により測定される該多孔質磁性体粒子の0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における全細孔容積が50.0mm/g以上、80.0mm/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性キャリア。
  4. 該コア粒子が有する多孔質磁性体粒子の孔には、充填樹脂組成物が充填されており、
    該充填樹脂組成物はシリコーン樹脂を含有し、該多孔質磁性体粒子100.0質量部に対して4.0質量部以上8.0質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。
  5. トナー及び磁性キャリアを有する二成分系現像剤であって、
    該磁性キャリアは、請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  6. 静電潜像担持体にトナー像を形成するトナーと磁性キャリアを含む二成分系現像剤と、
    該静電潜像担持体から転写されたトナー像を担持する中間転写体を有する画像形成方法であって、
    該磁性キャリアは、請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする画像形成方法。
  7. 該静電潜像担持体と該中間転写体との圧接により形成される転写ニップにおける転写圧が、0.007MPa以上0.030MPa以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
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