JP2013231012A - 糖ペプチド誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療及び医薬品開発の分野又はウイルス感染診断の分野において有効なリサーチツールを提供するために、シリカによってなる基材に対して、容易に保持又は固定化することのできる糖ペプチド誘導体を提供すること。
【解決手段】下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する糖ペプチド誘導体。
式1:

【選択図】なし

Description

本発明は、糖ペプチド誘導体に関する。
近年、生命分子として、核酸(DNA)及びタンパク質に加え、糖鎖が注目されている。膜タンパク質や細胞外などに存在する糖鎖は、細胞間の認識及び相互作用に関わる働きを有すると考えられている。
例えば、インフルエンザウイルスなどの病原性ウイルスなどは、ある特定の糖鎖を認識し結合することにより、細胞に侵入し感染することが知られている。
中でも、インフルエンザウイルスは、ウイルス表面に存在するヘマグルチニンがヒトの喉や肺表面にあるNeu5Ac(α2−6)Galに結合することで開始される。そこでウイルス表面のヘマグルチニンと粘膜細胞上皮に存在するNeu5Ac(α2−6)Galとの結合認識機構を利用することでウイルス感染の防止又は迅速診断が可能になると考えられる。
従って、ウイルスに認識される糖鎖をビーズ等のシリカ含有粒子、不織布又はフィルターに固定することができれば、ウイルスと糖鎖との特異的相互作用を利用した、診断のためのバイオデバイスを簡便に製造することができる。また、このバイオデバイスをウイルスの濃縮に用いることで、感染初期における低濃度のインフルエンザウイルス液であっても高感度分析を可能にすることが期待される。
鶏卵卵黄中にはインフルエンザウイルスの受容体であるヒト型糖鎖と同一の糖ペプチドが存在することが報告されており、更にはその単離方法も報告されている(非特許文献1)。近年、脱脂卵黄を原料とする、ヒト型糖ペプチドのより効率的な製造方法も報告されている(特許文献1)。
また、有機ケイ素化学の分野では、シリカカチオンは固い酸(Hard acid)として知られ、フッ素アニオンは固い塩基(Hard base)として知られている。そして、両者の結合で生じる「シリカ−フッ素結合」は「シリカ−酸素結合」よりも強固であることが知られている(非特許文献2)。酸素−ケイ素結合については、フッ化カリウムやテトラブチルアンモニウムフルオライド等のフッ素塩化合物により処理することで容易に酸素−ケイ素結合を切断することができることから、有機合成反応における水酸基の保護基として有用なトリメチルシリル基等のケイ素化合物による保護基の脱保護方法として用いられている。
特許文献2には、フッ素含有エチレンオキサイド共重合体が報告され、また、非特許文献3には、フッ素テイルを有する単糖類が報告されている。
特開2011−162762号公報 特開2011−84595号公報
Biochim. Biophys. Acta, 1997, Vol.1335, p.23−32 Hard and Soft Acid and Bases Principle in Organic Chemistry, Academic Press, New York, 1977 J. Am. Chem. Soc., 2005, Vol.127, No.38, p.13162−13163
しかしながら、いずれの先行技術文献においても、糖ペプチドにおいて、シリカによってなる基材と糖ペプチドとを保持又は固定化するためのフッ素原子含有置換基が結合した誘導体は開示されていない。
本発明が解決しようとする課題は、医療及び医薬品開発の分野又はウイルス感染診断の分野において有効なリサーチツールを提供するために、シリカによってなる基材に対して、容易に保持又は固定化することのできる糖ペプチド誘導体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、糖ペプチドにフッ素原子含有置換基を導入することで、シリカによってなる基材に対して、糖ペプチドを容易に保持又は固定化させることが可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する糖ペプチド誘導体。
式1:
[2]
前記フッ素原子含有置換基が、下記式2に示される構造を含む、[1]に記載の糖ペプチド誘導体。
式2:
(式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
[3]
下記式3に示される化合物と前記アミノ基が反応することにより得られる、[1]又は[2]に記載の糖ペプチド誘導体。
式3:
(式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
[4]
前記遊離アミノ基のすべてのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する、[1]〜[3]のいずれかに記載の糖ペプチド誘導体。
[5]
前記糖ペプチドが、下記式4に示される、[1]〜[4]のいずれかに記載の糖ペプチド誘導体。
式4:
[6]
下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基を導入する工程、
式1:

前記フッ素原子含有置換基導入後、反応液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチド誘導体を沈殿させる工程を含む、糖ペプチド誘導体の製造方法。
本発明によれば、シリカによってなる基材に対して、糖ペプチドを容易に保持又は固定化させることが可能となる、新規な糖ペプチド誘導体を提供することができる。
製造例1において製造された糖ペプチドのHPLCチャートを示す。 製造例1において製造された糖ペプチドのH−NMRチャートを示す。 製造例1において再度ODS樹脂で精製された糖ペプチドのHPLCチャートを示す。 製造例2において製造された糖ペプチドのHPLCチャートを示す。 実施例1において製造された糖ペプチド誘導体(1)のHPLCチャートを示す。 実施例2において製造された糖ペプチド誘導体(2)のHPLCチャートを示す。 参考例1において製造された糖ペプチド誘導体(3)のHPLCチャートを示す。 参考例2において製造された糖ペプチド誘導体(4)のHPLCチャートを示す。 実施例3において、マイクロタイタープレートに固定化された、それぞれ1x10−5M、1x10−6M、1x10−7Mに調製された糖ペプチド誘導体(1)〜(4)とSSAレクチンとのELISAによる結合評価を行った結果を示す。 実施例4において、フッ化カリウム水溶液で希釈することで糖ペプチド誘導体(2)濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M、1x10−10Mに調製された溶液中でグラスフィルターを接触させた後、SSAレクチンとのELISAによる結合評価を行った結果を示す。なお、図10中、糖ペプチド誘導体(2)を除いたコントロール群を比較対照とする多重比較検定から*は危険率5%未満で有意な差があることを、**は危険率1%未満で有意な差があることを意味する。 参考例3において、フッ化カリウム水溶液で希釈することで糖ペプチド誘導体(4)濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−10Mに調製された溶液中でグラスフィルターを接触させた後、SSAレクチンとのELISAによる結合評価を行った結果を示す。 参考例4において、PBSで希釈することで糖ペプチド誘導体(2)濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M、1x10−10Mに調製された溶液中でグラスフィルターを接触させた後、SSAレクチンとのELISAによる結合評価を行った結果を示す。 実施例5において、PBSで希釈することで糖ペプチド誘導体(2)濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−10Mに調製された溶液中でフッ素塩処理グラスフィルターを接触させた後、SSAレクチンとのELISAによる結合評価を行った結果を示す。なお、図13中、*は、糖ペプチド誘導体(2)を除いたコントロール群を比較対照とする多重比較検定から危険率5%未満で有意な差があることを意味する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(糖ペプチド誘導体)
本実施の形態における糖ペプチド誘導体とは、下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する糖ペプチド誘導体である。
式1:
本実施の形態の糖ペプチド誘導体において、糖ペプチド部分構造は、式1に示されるとおり、11個の糖残基からなる2分岐複合型糖鎖を有し、また、2ヶ所の非還元末端にガラクトースに結合するシアル酸を有する。
NeuAc、Gal、GlcNAc、及びManは、糖の表記であり、それぞれ、シアル酸、ガラクトース、N−アセチルグルコサミン、及びマンノースを意味する。
糖は、D−糖であっても、L−糖であってもよく、D−糖とL−糖の任意の比率の混合物であってもよいが、D−糖であることが好ましい。また、各糖は、各糖と実質的に等価な誘導体であってもよい。
本実施の形態の糖ペプチド誘導体の糖鎖の還元末端には、アミノ酸6残基(Lys−Val−Ala−Asn−Lys−Thr)からなるペプチド鎖が結合している(配列番号1)。Lys、Val、Ala、Asn、及びThrは、アミノ酸の3文字表記であり、それぞれ、リジン、バリン、アラニン、アスパラギン、及びスレオニンを意味する。
アミノ酸は、L−アミノ酸であっても、D−アミノ酸であってもよく、ラセミ体などを含め、L−アミノ酸とD−アミノ酸の任意の比率の混合物であってもよいが、L−アミノ酸であることが好ましい。また、各アミノ酸は、各アミノ酸と等価な誘導体であってもよい。
本実施の形態において、「アミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する」とは、アミノ基とフッ素原子含有置換基が結合することにより、糖ペプチドにフッ素原子含有置換基が導入され糖ペプチド誘導体を形成することを意味する。
Lys(リジン)は、側鎖に4−アミノブチル基を有するアミノ酸であり、式1に示される糖ペプチド中には、Lysが2残基含まれるため、N末端のLysが2つのアミノ基を、AsnとThrに結合するLysが、1つのアミノ基を有する。
式1に示される糖ペプチドには、2つのLysに由来する合計3個の遊離アミノ基が存在し、フッ素原子含有置換基は、3ヶ所のアミノ基の少なくとも一つ、好ましくは二つ、さらに好ましくは三つに結合している。二つ以上のアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合している場合、フッ素原子含有置換基は同一のものでも異なるものでもよい。
本実施の形態において、フッ素原子含有置換基としては、糖ペプチド誘導体において、アミノ基と結合し、フッ素原子を含有する置換基であれば特に限定されるものではないが、置換基内に、C−F結合を有する置換基であることが好ましい。
本実施の形態においては、フッ素原子含有置換基とは、糖鎖ペプチド誘導体におけるLysアミノ基に結合した部分構造となる構造を意味する。
フッ素原子含有置換基としては、例えば、下記式2に示される構造を含む。
式2:
(式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
ここで、m及びnについては、糖ペプチド誘導体の水に対する溶解性の観点から、mは4以下の整数であり、nは15以下の整数であることが好ましく、nは10以下の整数であることがより好ましい。シリカによってなる基材に対する保持又は固定化の効果の観点から、nは1以上の整数であり、3以上の整数であることが好ましい。
式2における左側のメチレン炭素から延びる実線は、他の原子との結合手を意味する。式2に示される構造において、かかる結合手を介して、Lysアミノ基と直接結合していてもよく、アミノ基と結合し得る他の構造を介してアミノ基と結合していてもよい。
(糖ペプチド誘導体の製造方法)
本実施の形態の糖ペプチド誘導体は、式1に示される糖ペプチドのLysに由来する合計3個の遊離アミノ基の少なくとも一つのアミノ基に、フッ素原子含有置換基を導入することにより、製造することができる。
アミノ基にフッ素原子含有置換基を導入することにより、フッ素原子含有置換基がアミノ基に結合する。
本実施の形態においては、式1、好ましくは式4に示される糖ペプチドは抽出工程、沈殿工程、及び脱塩工程により、鳥類卵脱脂卵黄より工業的規模で選択的に、安価に糖ペプチドを精製することができるので、このようにして得られる糖ペプチドにフッ素原子含有置換基を導入することで、糖ペプチド誘導体を製造することができる。
式4:
本実施の形態においては、下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基を導入する工程、
式1:

前記フッ素原子含有置換基導入後、反応液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチド誘導体を沈殿させる工程を含む、糖ペプチド誘導体の製造方法により、本実施の形態の糖ペプチド誘導体を得ることができる。
(導入工程)
導入工程とは、式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基を導入する工程を意味する。
反応液のpH、反応時間、反応温度、反応試薬の当量などの反応条件を選択することにより、3個のアミノ基に対しフッ素原子含有置換基を1〜3つのアミノ基に導入することができる。フッ素原子含有置換基の増加によるシリカ表面との反応性向上のために、フッ素原子含有置換基は好ましくは2ヶ所、より好ましくは3ヶ所全てのアミノ基に導入する。
フッ素原子含有置換基をアミノ基に導入する方法は、特に限定されないが、通常のペプチド合成に用いる縮合方法を用いることができる。
かかる縮合反応としては、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミドや、ニトロフェノール又はペンタフルオロフェノール等でカルボン酸を活性化させた活性エステルを、必要に応じて、反応試薬を溶解できるアセトン、アセトニトニトリル、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等の有機溶媒と水との混合溶媒中で、有機アミン等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、リン酸緩衝液若しくは炭酸緩衝液等の無機塩基の存在下、氷冷下又は室温下で15分〜180分、必要に応じて1日反応させる方法が挙げられる。
フッ素原子含有置換基を導入するための反応試薬は、糖ペプチドのアミノ基(糖ペプチド1モルあたり3モルのアミノ基を有する)に対して過剰量、例えば、アミノ基に対して1.1〜5倍モル添加して、糖ペプチドのアミノ基にフッ素原子含有置換基を導入することができる。
かかる縮合反応に用いる、フッ素原子含有置換基を導入するための反応試薬として、下記式3又は下記式5に示される化合物が挙げられる。
式3:
(式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
式5:
(式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
式3に示される化合物や式5に示される化合物と、式1に示される糖ペプチドとを反応させることにより、式3又は式5に示される化合物中の、フッ素原子含有置換基に相当する部分が、糖ペプチド中のアミノ基と結合し、糖ペプチド誘導体が合成される。
フッ素原子含有置換基は、アミノ基と、式3に示される化合物を用いた場合には、アミド結合により導入され、式5に示される化合物を用いた場合には、C−N結合により導入される。
フッ素原子含有置換基は、アミノ基と結合する際に、かかる結合は特に限定されるものではないが、アミノ基と結合し得る公知の結合を利用することができ、アミド結合、C−N結合、カーバメート結合、イミド結合などの結合によりフッ素原子含有置換基は導入される。
フッ素原子含有置換基に相当する反応試薬としては、フッ素原子含有置換基と、アミノ基と結合し得る脱離基とに相当する構造を有していることが好ましく、脱離基部分が脱離してアミノ基と求核置換反応することにより、フッ素原子含有置換基とアミノ基との結合が形成される。
反応試薬として、式3に示される化合物を用いた場合を例示して説明すると、下記式6に示される構造を有する糖ペプチド誘導体を得ることができる。
式6:

式6中、アミド結合は、アミノ基とフッ素原子含有置換基との結合を意味し、破線で囲まれた部分が、フッ素原子含有置換基を意味する。
該フッ素原子含有置換基においては、式2に示される構造が、C=O(カルボニル)基を介して、Lysのアミノ基と結合している。
糖ペプチド誘導体を精製するためには、沈殿工程及びさらに必要に応じて脱塩工程を組み合わせることで達成される。
(沈殿工程)
沈殿工程とは、導入工程によるフッ素原子含有置換基導入後、反応液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチド誘導体を沈殿させる工程を意味する。
沈殿工程により、精製度の向上した糖ペプチド誘導体を沈殿物として得ることができる。沈殿工程においては、抽出液に水溶性有機溶媒を添加して粗精製物として、沈殿物を沈殿させてもよい。
本実施の形態において、水溶性有機溶媒とは、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドからなる群から選択される溶媒が挙げられる。これら溶媒は、1種で用いてもよく、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
水溶性有機溶媒として炭素数1〜5のアルコールであることが好ましく、沈殿工程において、水溶性有機溶媒がアルコールである場合、該沈殿工程は、抽出液をアルコールに添加してアルコール沈殿する工程(以下、「アルコール沈殿工程」と記載する場合がある。)である。抽出工程で得られた、糖ペプチド誘導体を含有する抽出液をアルコールに添加することにより、抽出液を濃縮するだけでなく精製度の向上した糖ペプチド誘導体を沈殿物として得るアルコール沈殿工程である。沈殿工程は、アセトン、アセトニトリル又はジエチルエーテル等を添加したアルコール沈殿工程として行うこともできる。
以下、沈殿工程をアルコール沈殿工程として説明するが、アルコール以外の炭素数1〜5の水溶性有機溶媒を用いた沈殿工程においても同様に実施することができる。用いる水溶性有機溶媒量や沈殿させる際の溶媒温度などの条件は、溶媒ごとに適宜選択することができるが、以下に例示するアルコール沈殿工程と同様に設定することができる。
アルコール沈殿工程に用いられるアルコールの量は、特に限定されるものではないが、抽出液に対して、質量で2〜20倍のアルコールを用いることができる。またアルコール沈殿工程に用いられるアルコールは、炭素数1〜5個のアルコールであればよく、好ましくは炭素数1〜3個のアルコールである。炭素数1〜3個のアルコールとしては具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロパノール)を挙げることができ、中でも毒性を含めた安全性の面からエタノールが好ましい。
本実施の形態において、アルコール沈殿工程において用いるアルコールは1種類であってもよいし、アルコールの混合物又は他の溶媒との混合物であってもよい。
アルコール溶媒が混合物である場合、例えば、メタノール又は2−プロパノールをエタノールに対し0.01〜50%添加した混合溶媒を用いてもよい。また、エタノールに対しアセトン、アセトニトリル又はジエチルエーテルを0.01〜50%添加した混合溶媒を用いてもよい。
糖ペプチド誘導体を含む沈殿物を分離する温度は、特に限定されるものではないが、4〜25℃で行うことができる。
アルコール沈殿工程で用いる、先の抽出工程により得られた抽出液は、ろ過することで、清澄な抽出液とすることもでき、また、減圧濃縮などにより濃縮した抽出液として用いてもよい。
アルコール沈殿工程において、糖ペプチド誘導体を含む沈殿物を分離する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、2,000〜10,000rpmで5〜30分遠心分離してもよく、4〜25℃で静置することで分離してもよい。
得られた糖ペプチド誘導体を含む沈殿物を、水又は塩溶液に溶解し、再度アルコール沈殿工程を行うことにより、より精製された沈殿物を得ることができる。
(脱塩工程)
脱塩工程とは、沈殿工程で得られたフッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体を含有する沈殿物から塩を除去する工程を意味する。
脱塩工程は、脱塩方法として知られた種々の公知の方法で行うことができるが、例えば、イオン交換樹脂、イオン交換膜、ゲルろ過、透析膜、限外ろ過膜又は逆浸透膜などを用いて脱塩することも可能である。脱塩工程としては、例えば、沈殿工程で得られた沈殿物を樹脂に保持させて水で洗浄することにより脱塩することもできる。
沈殿物を樹脂に保持させる方法は、吸着、担持など公知の結合様式を利用した方法とすることができる。また、沈殿物は、水で洗浄する際に沈殿物が洗浄液と共に流出しない程度に、保持されていればよい。
また、樹脂としては、逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂等が挙げられる。逆相分配クロマトグラフィー充填用樹脂とは、シリカゲル系、ポリマー系を代表的とする樹脂を意味し、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン)ポリマーゲル樹脂、ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂、ポリヒドロキシメタクリレート樹脂、スチレンビニルベンゼン共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、化学結合型シリカゲル樹脂などが挙げられる。
化学結合型シリカゲル樹脂とは、例えば、多孔性シリカゲルにジメチルオクタデシルクロロシランの様なシランカップリング剤を反応させて製造するODS樹脂などが挙げられ、シリカゲルに対し、同様の手法で異なるシリル化剤を用いることで、オクタデシル、ジメチルオクタデシル、メチルオクタデシル、ジメチルオクチル、オクチル、フェニル、シアノプロピル、アミノプロピル基からなる群から選択される基を化学結合させることで得られる樹脂等も挙げられる。また、炭素数22のドコシル基又は炭素数30のトリアコンチル基を結合して得られる樹脂であってもよい。
脱塩工程は、脱塩した後に樹脂に保持されている糖ペプチド誘導体を、有機溶媒水溶液により溶出する工程を含むことが好ましい。溶出工程を行うことにより糖ペプチド誘導体の純度を向上させることができる。
溶出工程では、例えば、糖ペプチド誘導体を保持させたODS樹脂などのシリカゲル樹脂に対し、質量で1〜50倍の有機溶媒水溶液を用いて樹脂から溶出させることができる。また水洗浄の工程では、糖ペプチド誘導体ができるだけ、水と共に流出せず、有機溶媒水溶液による溶出工程によって溶出することが好ましい。
溶出工程に用いる有機溶媒は、例えば、アセトニトリル、メタノール、及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種を含有するものが挙げられる。有機溶媒水溶液の濃度は0.1〜20%(v/v)であり、好ましくは0.5〜20%(v/v)であり、より好ましくは10%(v/v)以下、さらに好ましくは5%(v/v)以下である。
有機溶媒水溶液により糖ペプチド誘導体を溶出する工程においては、水から徐々に濃度を上げていき、有機溶媒水溶液である溶出液にグラジエントをかけて溶出を行ってもよい。
脱塩工程又は溶出工程を行う温度は、特に限定されるものではないが、4〜25℃で行うことができる。
樹脂を用いた脱塩方法以外で(例えば分離膜による方法で)脱塩工程を行った後の処理液中に含まれる糖ペプチド誘導体を精製する方法としては、公知のペプチド、糖質、糖ペプチド等の精製方法を用いることができるが、例えば、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー又はサイズ排除クロマトグラフィーなどが挙げられる。逆相クロマトグラフィーに用いられる担体としては、例えば、シリカを基材としてオクタデシル、ジメチルオクタデシル、メチルオクタデシル、ジメチルオクチル、オクチル、フェニル、シアノプロピル、アミノプロピル、ドコシル、トリアコンチル基などを充填剤表面に固定化したものが用いられるが、その中でODS樹脂などが挙げられる。
ODS樹脂などのシリカゲル樹脂充填剤を用いたカラムクロマトグラフィーによる精製方法においては、沈殿により得られた糖ペプチド誘導体中に含まれる塩を脱塩する工程を含んでいてもよく、有機溶媒水溶液により糖ペプチド誘導体を溶出する工程を含んでいてもよい。
糖ペプチド誘導体を添加して保持させたシリカゲル樹脂に対し、質量で、1〜50倍の水を用いて樹脂を洗浄することにより糖ペプチド誘導体の脱塩を行うことができる。
溶出された糖ペプチド誘導体は、有機溶媒水溶液の減圧濃縮及び乾燥などにより粉末状の糖ペプチド誘導体として得ることができる。
本実施の形態において、得られた糖ペプチド誘導体は、再度アルコール沈殿工程又は脱塩工程を行ってさらに精製してもよい。
本実施の形態の糖ペプチド誘導体は、例えば、緩衝液中でシリカ支持体と接触させることで保持又は固定化することが容易であり、シアル酸含有糖鎖を固定化したシリカ含有粒子やフィルターを容易に製造することができ、この粒子等を用いてウイルス種の判別やウイルスの濃縮ができるので有用である。
本実施の形態においては、糖ペプチドのアミノ基に対しフッ素原子含有置換基を導入することで、シリカ基材(シリカ支持体)に対して糖ペプチドを容易に保持又は固定化することができると考えられる。
ここで模式的に記載するが、下記構造を有するシリカ基材は、フッ化カリウムやテトラブチルアンモニウムフルオライド等のフッ素塩化合物により処理することで容易に酸素−ケイ素結合を切断することができる。その結果、酸素はシラノールを生成し、シリカはSi−F構造を生成する。フッ素塩化合物により処理されたシリカを含有する基材は、−Si−F構造をシリカ基材中に有するため、フッ素原子含有置換基を有する糖ペプチド誘導体を保持又は固定化しやすくなると考えられる。これは、疎溶媒相互作用(solvophobic interaction)であると考えられる。
すなわち、本実施の形態の糖ペプチド誘導体はフッ素原子含有置換基を有するので、表面にシリカを有する支持体と接触させることで、糖ペプチド誘導体をシリカ基材に保持又は固定化することができ、また、グラスフィルター等のシリカに対しても保持又は固定化することができる。
また、糖ペプチド誘導体はプラスチックプレート等に固定化することができるという特徴を有するため、エキソグリコシダーゼ(エキソ型糖加水分解酵素)、エンドグリコシダーゼ(エンド型糖加水分解酵素)、トランスグリコシダーゼ(糖転移酵素)のスクリーニングにも使うことができる。
インフルエンザウイルス表面には、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼが存在する。インフルエンザウイルスは、これらのタンパク質の種類の違いによって鳥インフルエンザウイルスH5N1型を含む144の亜種に分類されている。インフルエンザウイルスの宿主細胞への感染は、ウイルス表面たんぱく質であるヘマグルチニンが細胞表面のシアル酸含有糖鎖を受容体として認識して結合することによって開始される。ヒトインフルエンザウイルスはN−アセチルノイラミン酸−α−2,6−ガラクトースを有する糖鎖に対し高い結合親和性を示す。このことから、本実施の形態におけるシアル酸含有糖固定化粒子又はグラスフィルターはインフルエンザウイルスとの親和性が強く、低濃度のインフルエンザウイルス液であっても濃縮効果が期待され、高感度分析を可能にすることが期待される。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる測定方法は以下のとおりである。
[HPLC分析]
1)糖ペプチドの分析例
カラム(Cadenza CD−C18 (Imtakt、150×2mm)を備えたGLサイエンス製HPLC GL−7400システムを用いて、以下の測定条件によりHPLC分析を行った。
測定条件1(製造例1):
グラジエント;2%→17%(15min)、CHCN in 0.1%TFA solution(TFA:トリフルオロ酢酸)
流速;0.3mL/min
UV;214nm
測定条件2(製造例2):
グラジエント;2%→17%(15min)→90%(20min)、CHCN in 0.1%TFA solution
流速;0.3mL/min
UV;214nm
2)糖ペプチド誘導体の分析例
測定条件:
グラジエント;20%→100%(15min)、CHCN in 0.1%TFA solution
流速;0.2mL/min
UV;214nm
H−NMR測定]
O 0.4mLに試料 2mgを溶解して、JEOL製JNM−600(600MHz)でH−NMRを測定した。
[LC/MS測定]
以下の測定条件でLC/MS測定を行った。用いたLC及びMSのシステムは以下のとおりである。
LC:アジレント製1100シリーズ
カラム:Cadenza CD−C18 (Imtakt、150×2mm)
カラム温度:40℃
流速;0.2mL/min
UV:214nm
グラジエント;20%→100%(20min)、CHCN in 0.05%Formic acid solution
MS:サーモエレクトロン製LCQ
イオン化:ESI
モード:Positive、Negative
[製造例1]鶏卵卵黄からの糖ペプチドの製造
鶏卵卵黄10個にエタノール350mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで沈殿物を得た。得られた沈殿物にエタノール300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を除去する操作を3回繰り返して、沈殿物として脱脂卵黄150gを得た。
得られた脱脂卵黄150gに水200mLを添加し、よく撹拌した。8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水100mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清をグラスフィルターにて濾過後、100mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール700mLに注加し、生じた沈殿物を、8,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水に溶解し、再度エタノールに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド1.58gを得た。
ODS(オクタデシルシリル)樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)25gをガラスカラムに充填し、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド1.5gを水5mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで117mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLC及びH−NMRによる測定結果をそれぞれ図1及び図2に示す。HPLCによる純度では95%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1に示される構造であることが分かった。
さらにODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)25gをガラスカラムに充填し、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。上記で得られた糖ペプチド50mgを水1mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。糖ペプチドを添加した樹脂を水100mLで洗浄後、2%アセトニトリル溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで30mgの糖ペプチドを得た。得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果を図3に示す。HPLCによる純度では99%であった。
[製造例2]脱脂卵黄からの糖ペプチドの製造
脱脂卵黄粉末(キューピー製)200gに蒸留水500mLを添加し、よく撹拌した。6,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を得た。デカンテーションにより得られた沈殿物に水300mLを添加し、よく撹拌後、遠心分離し、上清を回収する操作を3回繰り返した。回収した上清を更に6,000rpmで20分遠心分離し、上清を回収しその後、200mLまで減圧濃縮した。その後、得られた濃縮溶液をエタノール1.3Lに注加し、生じた沈殿物を、6,000rpmで20分遠心分離し、デカンテーションにより上清を除去することで回収した。得られた沈殿物を水300mLに溶解し、再度エタノール1.5Lに注加した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで粗精製糖ペプチド2.5gを得た。
ODS樹脂としてシリカゲル樹脂Wakogel(100C18)100gをガラスカラムに充填し、該樹脂をメタノールで洗浄後、水で置換した。粗精製糖ペプチド2.5gを水20mLに溶解し水で置換後の樹脂に添加した。粗精製糖ペプチドを添加した樹脂を水200mLで洗浄後、2%アセトニトリル溶液で糖ペプチドを溶出した。溶出液を凍結乾燥することで200mgの糖ペプチドを得た。
得られた糖ペプチドのHPLCによる測定結果をそれぞれ図4に示す。HPLCによる純度では95%であった。得られた糖ペプチドは標品(東京化成製)との比較により上記式1で表される構造であることが分かった。
[製造例3]
710mgの4,4,4−トリフルオロ酪酸を15mL塩化メチレンに溶解し、959mgの水溶性カルボジイミド塩酸塩、691mgのN−ヒドロキシコハク酸イミド、550μLのN−メチルモルホリン、61mgのN,N−ジメチルアミノピリジンを加え室温で終夜攪拌した。
反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、分液後、有機溶媒層を除去した。更に水層を酢酸エチルで洗浄後、10%クエン酸水溶液を加え酸性にした後、水層から酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し4,4,4−トリフルオロ酪酸の粗精製コハク酸イミドエステル725mgを得た。
[製造例4]
336mgの4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン酸を15mL塩化メチレンに溶解し、959mgの水溶性カルボジイミド塩酸塩、691mgのN−ヒドロキシコハク酸イミド、550μLのN−メチルモルホリン、61mgのN,N−ジメチルアミノピリジンを加え室温で終夜攪拌した。
反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、分液後、有機溶媒層を除去した。更に水層を酢酸エチルで洗浄後、10%クエン酸水溶液を加え酸性にした後、水層から酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン酸の粗精製コハク酸イミドエステル335mgを得た。
[製造例5]
440mgの酪酸を15mL塩化メチレンに溶解し、959mgの水溶性カルボジイミド塩酸塩、1150mgのN−ヒドロキシコハク酸イミド、550μLのN−メチルモルホリン、61mgのN,N−ジメチルアミノピリジンを加え室温で終夜攪拌した。
反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、分液後、有機溶媒層を除去した。更に水層を酢酸エチルで洗浄後、10%クエン酸水溶液を加え酸性にした後、水層から酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し酪酸の粗精製コハク酸イミドエステル732mgを得た。
[製造例6]
580mgのヘキサン酸を15mL塩化メチレンに溶解し、959mgの水溶性カルボジイミド塩酸塩、1150mgのN−ヒドロキシコハク酸イミド、550μLのN−メチルモルホリン、61mgのN,N−ジメチルアミノピリジンを加え室温で終夜攪拌した。
反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、分液後、有機溶媒層を除去した。更に水層を酢酸エチルで洗浄後、10%クエン酸水溶液を加え酸性にした後、水層から酢酸エチルで抽出した。有機溶媒層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮しヘキサン酸の粗精製コハク酸イミドエステル831mgを得た。
[実施例1]糖ペプチド誘導体(1)の製造
製造例1と同様の手法で得られた糖ペプチド10mgを水−ジメチルホルムアミド(2/1:体積比)1mLに加え、さらに0.1mLの1M重曹水を加えた。その後0.5mLのDMFに溶解した製造例3で得られた4,4,4−トリフルオロ酪酸の粗精製コハク酸イミドエステル8.4mgを加え12時間反応を行った。
反応終了後、エタノールを加え8,000rpmで5分遠心し、フッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体を沈殿させ、上清を除去することで沈殿を回収した。得られた沈殿物を0.5mL蒸留水に溶解し、再度エタノール−エーテル混合液9mLに注加し8,000rpmで5分遠心し沈殿を回収した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで糖ペプチド誘導体(1)8.4mgを得た。
得られた糖ペプチド誘導体のHPLCによる測定結果を図5に示す。反応生成物についてLC/MS測定を行った。
その結果、9.1分に検出されるピークは検出イオンが1619.1([M+2H]2+)及び1617.5([M−2H]2−)であることから推定分子量3236.6であり、糖ペプチドの3個のアミノ基に3個の4,4,4−トリフルオロ酪酸が導入された糖ペプチド誘導体であると推定された。
[実施例2]糖ペプチド誘導体(2)の製造
製造例1と同様の手法で得られた糖ペプチド11mgを水−ジメチルホルムアミド(2/1:体積比)1.5mLに加え、さらに0.1mLの1M重曹水を加えた。その後1mLのDMFに溶解した製造例4で得られた4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン酸の粗精製コハク酸イミドエステル11.9mgを加え12時間反応を行った。
反応終了後、エタノールを加え8,000rpmで5分遠心し、フッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体を沈殿させ、上清を除去することで沈殿を回収した。得られた沈殿物を0.5mL蒸留水に溶解し、再度エタノール−エーテル混合液15mLに注加し8,000rpmで5分遠心し沈殿を回収した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで糖ペプチド誘導体(2)4.9mgを得た。
得られた糖ペプチド誘導体のHPLCによる測定結果を図6に示す。反応生成物についてLC/MS測定を行った。
その結果、12.5分に検出されるピークは検出イオンが1769.4([M+2H]2+)及び1767.5([M−2H]2−)であることから推定分子量3536.9であり、糖ペプチドの3個のアミノ基に3個の4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキサン酸が導入された糖ペプチド誘導体であると推定された。
[参考例1]糖ペプチド誘導体(3)の製造
製造例2と同様の手法で得られた糖ペプチド11mgを水−ジメチルホルムアミド(2/1:体積比)1.5mLに加え、さらに0.1mLの1M重曹水を加えた。その後0.5mLのDMFに溶解した製造例5で得られた酪酸の粗精製コハク酸イミドエステル13.2mgを加え12時間反応を行った。
反応終了後、エタノールを加え8,000rpmで5分遠心し、糖ペプチド誘導体を沈殿させ、上清を除去することで沈殿を回収した。得られた沈殿物を0.5mL蒸留水に溶解し、再度エタノール−エーテル混合液25mLに注加し8,000rpmで5分遠心し沈殿を回収した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収後、水溶出によるGEヘルスケア製Sephadex G−25(PD−10)カラムによるゲルろ過精製を行い、糖ペプチド誘導体(3)10.0mgを得た。
得られた糖ペプチド誘導体のHPLCによる測定結果を図7に示す。反応生成物についてLC/MS測定を行った。
その結果、3.9分に検出されるピークは検出イオンが1538.1 ([M+2H]2+)及び1536.5([M−2H]2−)であることから推定分子量3074.6であり、糖ペプチドの3個のアミノ基に3個の酪酸が導入された糖ペプチド誘導体であると推定された。
[参考例2]糖ペプチド誘導体(4)の製造
製造例1と同様の手法で得られた糖ペプチド10mgを水−ジメチルホルムアミド(2/1:体積比)1.5mLに加え、さらに0.1mLの1M重曹水を加えた。その後1mLのDMFに溶解した製造例6で得られたヘキサン酸の粗精製コハク酸イミドエステル11mgを加え12時間反応を行った。
反応終了後、エタノールを加え8,000rpmで5分遠心し、糖ペプチド誘導体を沈殿させ、上清を除去することで沈殿を回収した。得られた沈殿物を0.5mL蒸留水に溶解し、再度エタノール−エーテル混合液15mLに注加し8,000rpmで5分遠心し沈殿を回収した。この操作を3回繰り返した。ここで生じた沈殿物を回収することで糖ペプチド誘導体(4)9.0mgを得た。
得られた糖ペプチド誘導体のHPLCによる測定結果を図8に示す。反応生成物についてLC/MS測定を行った。その結果、10.2分に検出されるピークは検出イオンが1580.2([M+2H]2+)及び1578.5([M−2H]2−)であることから推定分子量3158.7であり、糖ペプチドの3個のアミノ基に3個のヘキサン酸が導入された糖ペプチド誘導体であると推定された。
[実施例3]ELISAによるレクチンとの結合評価
実施例1で得られた糖ペプチド誘導体(1)0.59mg、実施例2で得られた糖ペプチド誘導体(2)0.71mg、参考例1で得られた糖ペプチド誘導体(3)0.62mg、参考例2で得られた糖ペプチド誘導体(4)0.62mgをそれぞれ秤量した。リン酸緩衝液(PBS)を用いて、それぞれの糖ペプチド誘導体濃度が1x10−5M、1x10−6M、1x10−7Mとなるように被検溶液を調製した。
NUNC製F96、MAXISORPマイクロタイタープレートに各糖ペプチド誘導体、各濃度群あたり3例で各ウエルあたり100μLずつ添加し、4℃で終夜静置した。さらに比較対照群としてPBS溶液群及びPBS−0.05%Tween20溶液群を各群3例で各ウエルあたり100μLずつ添加し、4℃で終夜静置した。
ELISAプレートをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれのウエルに対し、10μg/mLとなるようにPBSで希釈したJ−OILMILLS製SSA−Biotin(Sambucus sieboldiana Biotin conjugated)を各ウエルあたり100μL加え4℃で終夜静置した。
ELISAプレートをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれのウエルに対し、3.13x10−6g/mLとなるようにPBSで希釈したStreptavidin−HRP(Peroxidase−conjugated Streptavidin、Jackson−ImmunoResearch Laboratories製)溶液を各ウエルあたり100μL加えて室温下2時間静置した。
ELISAプレートをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれのウエルに対し、クエン酸リン酸緩衝液、オルトフェニレンジアミン(OPD)及び過酸化水素水を混合して調製した発色基質溶液を100μL加え発色させ、その後1N HClを100μL添加することで反応を停止させ、プレートリーダーにて490nmにおける吸光度を測定した。その結果を図9に示す。
その結果、糖ペプチド誘導体(2)及び糖ペプチド誘導体(4)は、糖ペプチド誘導体(1)及び糖ペプチド誘導体(3)に比べて有意に吸光度が高かった。更に糖ペプチド誘導体(1)及び糖ペプチド誘導体(3)、また糖ペプチド誘導体(2)及び糖ペプチド誘導体(4)のそれぞれの間には大きな差が見られなかった。
以上の結果からプレート上に固定化されたフッ素原子含有リンカー導入糖ペプチド誘導体群又は脂溶性リンカー導入糖ペプチド誘導体群は、その特異性がNeu5Ac(α2−6)Gal/GalNAcであると報告されているレクチンSSA(Sambucus sieboldiana)と結合している可能性が示唆された。更にこのSSAレクチンとの結合能を有することから、フッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体は、ヒト型インフルエンザAウイルスヘマグルチニンと結合する可能性が示唆された。
[実施例4]
<フッ化カリウム水溶液存在下での糖ペプチド誘導体とグラスフィルターとの接触>
実施例2で得られた糖ペプチド誘導体(2)を1x10−5Mフッ化カリウム水溶液で希釈し、糖ペプチド誘導体濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M、1x10−10Mとなるように被検溶液を調製した。
NUNC製48穴細胞培養用プレートに1ウエルあたり1枚入れたミリポア製グラスフィルター(10mmφ、厚さ475μm)に対し、被検溶液を各濃度群あたり3例で各ウエルあたり300μLずつ添加し、4℃で終夜静置した。比較対照群としてミリポア製グラスフィルターに対し1x10−5Mフッ化カリウム水溶液を1群3例、1ウエルあたり300μLずつ添加し、4℃で終夜静置した。
<ELISAによるレクチンとの結合評価>
次にレクチンとの反応を実施した。NUNC製48穴細胞培養用プレート中にあるグラスフィルターをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれの48穴細胞培養用プレートに入れ、各ウエルに対し、5μg/mLとなるようにPBSで希釈したJ−OILMILLS製SSA−Biotin(Sambucus sieboldiana Biotin conjugated)を各ウエルあたり300μL加え室温で1時間静置した。
グラスフィルターをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれの48穴細胞培養用プレートに入れ、各ウエルに対し、3.1x10−8g/mLとなるようにPBSで希釈したStreptavidin−HRP(Jackson−ImmunoResearch Laboratories製)を各ウエルあたり300μL加え室温で1時間静置した。
グラスフィルターをPBS−0.05%Tween20溶液で洗浄後、それぞれの48穴細胞培養用プレートに入れ、各ウエルに対し、クエン酸リン酸緩衝液、オルトフェニレンジアミン(OPD)及び過酸化水素水を加えて調製した発色基質溶液を加え発色させ、その後1N HClを添加することで反応を停止させ、上清を96穴プレートに移し、プレートリーダーにて490nmにおける吸光度を測定した。結果を図10に示す。
その結果、糖ペプチド誘導体(2)と1x10−5Mフッ化カリウム水溶液存在下で反応させたグラスフィルター群(1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M各群3例)は、1x10−10M群を除き、1x10−5Mフッ化カリウム水溶液による比較対照群(1群3例)と比べて、吸光度(490nm)において有意に高いことが確認された。
このことからフッ化カリウム水溶液存在下で糖ペプチド誘導体(2)と接触したグラスフィルターは、糖ペプチド誘導体との結合が可能であり、その結果としてその特異性がNeu5Ac(α2−6)Gal/GalNAcであると報告されているレクチンSSA(Sambucus sieboldiana)と結合している可能性が示唆された。
更に糖ペプチド誘導体(2)と反応させたグラスフィルターすなわちフッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体と反応させたグラスフィルターは、SSAレクチンとの結合能を有することから、ヒト型インフルエンザAウイルスヘマグルチニンと結合する可能性が示唆された。
[参考例3]
<フッ化カリウム水溶液存在下での糖ペプチド誘導体とグラスフィルターとの接触>
参考例2で得られた糖ペプチド誘導体(4)を1x10−5Mフッ化カリウム水溶液で希釈し、糖ペプチド誘導体濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−10Mとなるように被検溶液を調製した。比較対照群として1x10−5Mフッ化カリウム水溶液を用い、実施例4と同様に実施した。
<ELISAによるレクチンとの結合評価>
実施例4と同様にして、490nmにおける吸光度を測定した。結果を図11に示す。
その結果、糖ペプチド誘導体(4)と1x10−5Mフッ化カリウム水溶液存在下で反応させたフッ素塩処理グラスフィルター群(1x10−7M、1x10−10M、各1群3例)は、いずれの群も1x10−5Mフッ化カリウム水溶液による比較対照群(1群3例)と比べて、吸光度(490nm)において有意な差が無かった。
このことから糖ペプチド誘導体(4)と接触したフッ素塩処理グラスフィルターは糖ペプチド誘導体との結合が出来ず、その結果としてレクチンSSAと出来ない可能性が示唆された。
[参考例4]
<PBS存在下での糖ペプチド誘導体とグラスフィルターとの接触>
フッ化カリウム水溶液の代わりにPBSで希釈した以外は、実施例4と同様に実施した。
<ELISAによるレクチンとの結合評価>
実施例4と同様にして、490nmにおける吸光度を測定した。結果を図12に示す。
その結果、糖ペプチド誘導体(2)とPBS存在下で反応させたグラスフィルター群(1x10−7M、1x10−8M、1x10−9M、1x10−10M各群3例)は、PBSによる比較対照群(1群3例)と比べて吸光度(490nm)において有意差が見られない事が確認された。
このことからPBS存在下で糖ペプチド誘導体(2)と接触したグラスフィルターは、糖ペプチド誘導体との結合が十分にできず、その結果としてレクチンSSAと結合しない可能性が示唆された。
[実施例5]
<フッ素塩処理グラスフィルターの製造>
ミリポア製グラスフィルター(10mmφ、厚さ475μm)100枚に対し1Mフッ化カリウム水溶液(MeOH:HO=90:10)を30mL加え4℃で終夜静置した。次いで、グラスフィルターを濾別し、MeOHで洗浄後、減圧下乾燥し、フッ素塩処理グラスフィルターを得た。
<PBS存在下での糖ペプチド誘導体とフッ素塩処理グラスフィルターとの接触>
糖ペプチド誘導体(2)をPBSで希釈し、糖ペプチド誘導体濃度がそれぞれ1x10−7M、1x10−10Mとなるように被検溶液を調製し、得られたフッ素塩処理グラスフィルターを用いた以外は、実施例4と同様に実施した。
<ELISAによるレクチンとの結合評価>
実施例4と同様にして、490nmにおける吸光度を測定した。結果を図13に示す。
その結果、糖ペプチド誘導体(2)とPBS存在下で反応させたフッ素塩処理グラスフィルター群(1x10−7M1群3例)は、PBSによる比較対照群(1群3例)と比べて、吸光度(490nm)において有意に高いことが確認された。
このことから糖ペプチド誘導体(2)と接触したフッ素塩処理グラスフィルターは糖ペプチド誘導体との結合が可能であり、その結果としてその特異性がNeu5Ac(α2−6)Gal/GalNAcであると報告されているレクチンSSA(Sambucus sieboldiana)と結合している可能性が示唆された。
更に糖ペプチド誘導体(2)と反応させたグラスフィルターすなわちフッ素原子含有置換基が導入された糖ペプチド誘導体と反応させたグラスフィルターは、SSAレクチンとの結合能を有することから、ヒト型インフルエンザAウイルスヘマグルチニンと結合する可能性が示唆された。
本発明の糖ペプチド誘導体は、医療及び医薬品開発の分野又はウイルス感染診断の分野における有効なリサーチツールとして産業上の利用可能性を有する。
配列番号1は、式1に示される糖ペプチドのアミノ酸配列を示す。

Claims (6)

  1. 下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する糖ペプチド誘導体。
    式1:
  2. 前記フッ素原子含有置換基が、下記式2に示される構造を含む、請求項1に記載の糖ペプチド誘導体。
    式2:

    (式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
  3. 下記式3に示される化合物と前記アミノ基が反応することにより得られる、請求項1又は2に記載の糖ペプチド誘導体。
    式3:

    (式中、mは0〜4の整数であり、nは1〜15の整数であり、Rはフッ素原子又は水素原子を示す。)
  4. 前記遊離アミノ基のすべてのアミノ基にフッ素原子含有置換基が結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖ペプチド誘導体。
  5. 前記糖ペプチドが、下記式4に示される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖ペプチド誘導体。
    式4:
  6. 下記式1に示される糖ペプチドのLys(リジン)に由来する合計3個の遊離アミノ基のうち少なくとも一つのアミノ基にフッ素原子含有置換基を導入する工程、
    式1:

    前記フッ素原子含有置換基導入後、反応液を水溶性有機溶媒に添加して糖ペプチド誘導体を沈殿させる工程を含む、糖ペプチド誘導体の製造方法。
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