JP2013230791A - 車体制振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静止状態で車体姿勢が変化する走行シーンにおいて、ホイールセンター位置の上下変位にかかわらず、外乱入力による車体振動の抑制を確保すること。
【解決手段】車体制振制御装置は、入力変換部204と、車体振動推定部205と、トルク指令値算出部206と、を備える。この車体制振制御装置において、入力変換部204は、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後方向変位に対する上下方向変位の関係特性をマップ化したタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を用い、車輪速変動に基づいて外乱入力を推定するサスストローク算出部302及び上下力変換部303を備える。そして、サスストローク算出部302及び上下力変換部303に、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正する非線形マップ補正処理部321を設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、走行中、推定した車体のばね上挙動を駆動トルクの補正制御により抑制する車体制振制御装置に関する。
従来、駆動トルクと車輪速を入力し、これらの微分値により車体振動を推定し、駆動トルクを制御して車体振動を抑制するようにした車両の駆動力制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−247157号公報
しかしながら、従来の駆動力制御装置にあっては、トルク変動入力による車体振動は制振制御対象に含むものの、外乱によるばね上挙動を制御対象に含まないため、タイヤに外乱が入力する走行シーンにおいて、車体振動の抑制効果を期待できない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、静止状態で車体姿勢が変化する走行シーンにおいて、ホイールセンター位置の上下変位にかかわらず、外乱入力による車体振動の抑制を確保することができる車体制振制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車体制振制御装置は、走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する入力変換部と、前記車輪入力と車両モデルを用いて車体のばね上挙動を推定する車体振動推定部と、前記ばね上挙動の推定結果に基づき駆動トルクの補正を行うトルク指令値算出部と、を備えたことを前提とする。
この車体制振制御装置において、
前記入力変換部は、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後方向変位に対する上下方向変位の関係特性をマップ化したタイヤ変位非線形マップを用い、車輪速変動に基づいて外乱入力を推定する外乱入力推定部を備える。
前記外乱入力推定部に、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、前記タイヤ変位非線形マップを、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正する非線形マップ補正処理部を設けた。
ここで、「サスペンション・ジオメトリ」とは、車両の各輪を車体に支持するサスペンションの動きを決めるため設計されたアーム長さや取り付け位置などの幾何学的な形状や相対位置のことをいう。
例えば、上り勾配での走行時には、平坦路に比べ前輪荷重が小さくなり、後輪荷重が大きくなる。このため、上り勾配路車体姿勢が平坦路車体姿勢から変化し、車体姿勢の変化に伴い前輪側ではホイールセンター位置がリバウンド側に変位し、後輪側ではホイールセンター位置がバウンド側に変位する。したがって、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後及び上下方向変位の非線形による関係特性が、車体姿勢の変化前後で変わり、平坦路基準で予めマップ化したタイヤ変位非線形マップとの近似性が低下する。
これに対し、非線形マップ補正処理部において、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、タイヤ変位非線形マップが、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正される。したがって、タイヤ変位非線形マップを用いる外乱入力推定部において、車体姿勢が変化するにもかかわらず、車輪速変動に基づく外乱入力の推定精度が確保される。
このように、静止状態で車体姿勢が変化する走行シーンにおいて、車体姿勢の変化に応じて近似性を高める方向にタイヤ変位非線形マップを補正することで、ホイールセンター位置の上下変位にかかわらず、外乱入力による車体振動の抑制を確保することができる。
実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車を示す全体システム構成図である。 実施例1のエンジン車システムにおけるエンジンコントロールモジュール内の制御プログラム構成を示す制御ブロック図である。 実施例1のエンジンコントロールモジュール内の車体制振制御装置を示す制御ブロック図である。 実施例1のサスストローク算出部での説明においてサスペンションがストロークする際にタイヤが前後方向に変位することを示す模式図である。 実施例1の入力変換部に有するサスストローク算出部でのサスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後及び上下方向変位の関係特性の一例を示す前輪タイヤ変位特性図である。 実施例1の入力変換部に有するサスストローク算出部でのサスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後及び上下方向変位の関係特性の一例を示す後輪タイヤ変位特性図である。 実施例1の入力変換部に有するハイパスフィルタとサスストローク算出部と上下力変換部と非線形マップ補正処理部の詳細構成を示すブロック図である。 実施例1の非線形マップ補正処理部の勾配判定部(図7)における勾配判定処理構成を示すフローチャートである。 実施例1の非線形マップ補正処理部の定常状態判定部(図7)における定常状態判定処理構成を示すフローチャートである。 実施例1の非線形マップ補正処理部の非線形マップ補正値算出部(図7)における非線形マップ補正値算出処理構成を示すフローチャートである。 実施例1の非線形マップ補正処理で用いる平坦路での前輪タイヤ変位非線形マップ(a)・下り勾配路での前輪タイヤ変位非線形マップ(b)・上り勾配路での前輪タイヤ変位非線形マップ(c)の一例を示す図である。 実施例1の非線形マップ補正処理で用いる平坦路での後輪タイヤ変位非線形マップ(a)・上り勾配路での後輪タイヤ変位非線形マップ(b)・下り勾配路での後輪タイヤ変位非線形マップ(c)の一例を示す図である。 実施例1の車体振動推定部に有する車両モデルを図式化したものを示す車両モデル図である。 実施例1のトルク指令値算出部に有する第1〜第3レギュレータ部と第1〜第3チューニングゲイン設定部と加算器の構成を示すブロック図である。 実施例1のトルク指令値算出部に有する第1〜第3レギュレータ部に設定された各レギュレータゲインが発揮する機能を示すゲイン機能説明図である。 車体制振制御の基本作用の説明図であり、走行状況(a)、車軸トルク特性のタイムチャート(b)、ピッチ角速度特性のタイムチャート(c)を示す。 実施例1のエンジンコントロールモジュールにおいて実行される車体制振制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車体制振制御で狙っている効果である「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」と「ロール速度の抑制」の基本原理を示す原理説明図である。 実施例1の車体制振制御のロジック詳細を示すロジック構成図である。 実施例1の車体制振制御装置を搭載した車両で操舵時に実現される効果をあらわすピッチレイト(制御なし)・操舵入力・制御指令値(=駆動トルク指令値)・ピッチレイト(制御後)・ヨーレイト(制御後)・ロールレイト(制御後)の対比特性を示すタイムチャートである。 下り坂での前輪荷重と後輪荷重の変化(a)と上り坂での前輪荷重と後輪荷重の変化(b)を示す作用説明図である。 平坦路静止状態での後輪タイヤ変位非線形特性において上り坂静止状態になったときの釣り合いの位置と下り坂静止状態になったときの釣り合いの位置が変化することを示す作用説明図である。 実施例1の非線形マップ補正処理部の非線形マップ補正値算出部における後輪タイヤ変位非線形マップの平坦路(a)→上り勾配(b)と平坦路(a)→下り勾配(c)のマップ特性ゼロ点補正手法を示す説明図である。 実施例2の非線形マップ補正処理部の勾配推定値算出部における勾配推定値の算出処理構成を示すフローチャートである。 実施例2の非線形マップ補正処理部の非線形マップ補正値算出部における後輪タイヤ変位非線形マップのマップ軸ゼロ点補正手法を示す説明図である。
以下、本発明の車体制振制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における構成を、「全体システム構成」、「エンジンコントロールモジュールの内部構成」、「車体制振制御装置の入力変換部構成」、「車体制振制御装置の車体振動推定部構成」、「車体制振制御装置のトルク指令値算出部構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車を示す全体システム構成図である。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
ここで、「車体制振制御」とは、車両のアクチュエータ(実施例1では「エンジン106」)による駆動トルクを車体の振動に合わせて適切に制御することにより、車体振動を抑制する機能を持つ制御をいう。実施例1の車体制振制御においては、操舵時のヨー応答向上効果、操舵時のリニアリティ向上効果、ロール挙動の抑制効果も併せて得られる。
実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車は、図1に示すように、マニュアル変速による後輪駆動車であり、エンジンコントロールモジュール(ECM)101と、エンジン106と、を備えている。
前記エンジンコントロールモジュール101(以下、「ECM101」という。)は、エンジン106の駆動トルク制御を行う。このECM101には、左右前輪102FR,102FL(従動輪)と左右後輪102RR,102RL(駆動輪)に接続された車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLからの信号と、ステアリングホイール110に接続された操舵角センサ111からの信号と、が入力される。さらに、ブレーキペダルへのドライバ操作量を検出するブレーキストロークセンサ104からの信号と、アクセルペダルへのドライバ操作量を検出するアクセル開度センサ105からの信号と、が入力される。これらの入力信号に応じてエンジン106を駆動するトルク指令値を算出し、トルク指令値をエンジン106へ送る。
前記エンジン106は、ECM101からのトルク指令値に応じた駆動トルクを発生し、発生した駆動トルクは、MT変速機107でドライバのシフト操作に応じて増減速される。MT変速機107で変速された駆動トルクは、シャフト108及びディファレンシャルギア109でさらに変速され、左右後輪102RR,102RLへと伝達され、車両を駆動する。
[エンジンコントロールモジュールの内部構成]
車体制振制御装置は、ECM101内に制御プログラムの形で構成されていて、ECM101内部の制御プログラムをあらわすブロック構成を図2に示す。以下、図2に基づき、ECM101の内部構成を説明する。
前記ECM1101は、図2に示すように、ドライバ要求トルク演算部201と、トルク指令値演算部202と、車体制振制御装置203と、を備えている。
前記ドライバ要求トルク演算部201は、ブレーキストロークセンサ104からのドライバによるブレーキ操作量情報と、アクセル開度センサ105からのドライバによるアクセル操作量情報を入力し、ドライバ要求トルクを演算する。
前記トルク指令値演算部202は、ドライバ要求トルク演算部201からのドライバ要求トルクに車体制振制御装置203からの補正トルク値を加算したトルク指令値と、車載の他システム(例えば、VDCやTCS等)からのトルク要求を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、エンジン106への駆動トルク指令値を算出する。
前記車体制振制御装置203は、入力変換部204と、車体振動推定部205と、トルク指令値算出部206と、の3部構成となっている。前記入力変換部204は、走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する。前記車体振動推定部205は、入力変換部204からの各車輪入力と車両モデルを用いて車体のばね上挙動を推定する。前記トルク指令値算出部206は、車体振動推定部205により推定された車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)に基づき、車体のばね上挙動を抑制するように補正トルク値を算出する。
[車体制振制御装置の入力変換部構成]
図3は、車体制振制御装置203の内部を詳細にあらわしたブロック構成を示す。以下、図3〜図12に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、入力変換部204の構成を説明する。
前記入力変換部204は、車両からのセンシング情報を、後段の車体振動推定部205で用いる車両モデル307への入力形式(具体的には、車輪に加わるトルクまたは力の次元)に変換する。この入力変換部204は、図3に示すように、駆動トルク変換部301と、ハイパスフィルタ316と、サスストローク算出部302と、上下力変換部303と、車体速度推定部304と、旋回挙動推定部305と、旋回抵抗力算出部306と、非線形マップ補正処理部321と、を有する。そして、入力変換部204では、車体振動推定部205への入力として、駆動軸端トルクTwと、前輪上下力Ff及び後輪上下力Frと、前輪旋回抵抗力Fcf及び後輪旋回抵抗力Fcrと、を算出する。
〈駆動軸端トルクTwの算出構成〉
前記駆動トルク変換部301では、ドライバ要求トルク演算部201からのドライバ要求トルクにギア比を積算してエンジン端トルクから駆動軸端トルクTwに変換する。ここで、ギア比は、車輪速(駆動輪の左右平均回転数)とエンジン回転数の比より算出する。このギア比は、MT変速機107とディファレンシャルギア109を合わせた総ギア比となる。
〈前後輪上下力Ff,Frの算出構成〉
前記ハイパスフィルタ316では、車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLからの車輪速信号のうち、低次の定常成分を除去する。このハイパスフィルタ316としては、安定性が高く、かつ、演算負荷が低い低次フィルタが使用される。
前記サスストローク算出部302では、ハイパスフィルタ処理後の車輪速情報に基づいてサスペンションストローク速度及びサスペンションストローク量を算出する。サスペンションがストロークする際には、図4に示すように、タイヤは前後方向にも変位をもち、この関係性は車両のサスペンション・ジオメトリによって決まる。これを図示したものが図5及び図6であり、タイヤの上下及び前後方向の変位に対し非線形特性を示し、この関係性をそのまま近似式等でマップ化したタイヤ変位非線形マップf(MapF),f(MapR)を用意する。そして、タイヤ変位非線形マップf(MapF),f(MapR)とタイヤの前後位置xtf,xtrと前後輪の上下変位Zf,Zrは、下記の関係になる。
Zf=F(MapF)・xtf …(1)
Zr=F(MapR)・xtr …(2)
ここで、タイヤの前後位置xtf,xtrは、車輪速変動をあらわす車輪速微分値により推定される。例えば、路面外乱である凹凸路の走行時において、タイヤが凸部へ乗り上げると車輪速が減速し、タイヤは車体に対し車両後方向に変位する。一方、タイヤが凸部へ乗り超えると車輪速が加速し、タイヤは車体に対し車両前方向に変位する。よって、車輪速微分値の正負によりタイヤの加減速を判別すると、車輪速微分値の絶対値の大きさによりタイヤの前後位置xtf,xtrを推定できる。
よって、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)とタイヤの前後位置xtf,xtrが決まると、両者を掛け合わせる上記(1),(2)式により、前後輪の上下変位Zf,Zrが求められる。
そして、上記(1),(2)式を時間微分すると、タイヤの前後速度とタイヤの上下速度の式となるため、この関係を用いてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量を算出する。
前記上下力変換部303では、サスストローク算出部302で算出したサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量に対し、ばね係数と減衰係数をそれぞれ積算し、その和をとることで、前輪上下力Ffと後輪上下力Frに変換する。
前記非線形マップ補正処理部321は、サスストローク算出部302で用いられるサスペンション・ジオメトリに基づく前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を、勾配推定値に応じて補正する処理を行う。この非線形マップ補正処理部321は、図7に示すように、勾配判定部321a(勾配推定部)と、定常状態判定部321bと、非線形マップ補正値算出部321cと、を有する。
前記勾配判定部321aは、勾配推定値SLPを算出し、勾配推定値SLPが正の閾値αを超えると上り勾配と判定し、勾配推定値SLPが負の閾値−αを下回ると下り勾配と判定し、負の閾値−α以上で正の閾値α以下のときは平坦路と判定する。
すなわち、図8に示すように、ステップS301において自車走行路の勾配推定値SLPを、自車加速度の推定値と実際の加速度を比較する下記の式(3)により算出する。
SLP=[{Tw−Rw(Fa+Fr)}/MvRw]−s・V …(3)
但し、Tw:駆動軸端トルク、Rw:タイヤ動半径、Fa:空気抵抗、Fr:転がり抵抗、Mv:車重、s:ラプラス演算子、V:車体速である。
なお、空気抵抗Faと転がり抵抗Frは、下記の式(4),(5)で計算することができる。
Fa=μa・sv・V2 …(4)
Fr=μr・Mv・g …(5)
但し、μa:空気抵抗係数、sv:前面投影面積、μr:転がり抵抗係数、g:重力加速度である。
ステップS302では、ステップS301での勾配推定値SLPの算出に続き、勾配推定値SLPが正の閾値αを超えるか否かを判断し、SLP>αであると判断されると、ステップS303へ進み、勾配フラグfSLP=1(上り勾配)と判定してエンドへ進む。
ステップS304では、ステップS302でのSLP≦αであるとの判断に続き、勾配推定値SLPが負の閾値−αを下回っているか否かを判断し、SLP<−αであると判断されると、ステップS305へ進み、勾配フラグfSLP=2(下り勾配)と判定してエンドへ進む。
ステップS306では、ステップS304でのSLP≧−αであるとの判断に続き、勾配フラグfSLP=0(平坦路)と判定してエンドへ進む。
前記定常状態判定部321bは、アクセル開度速度及びブレーキ操作速度に基づき、一定速走行している定常状態であるか否かを判定する。
すなわち、図9に示すように、ステップS401において、アクセル開度速度|ΔACC|が、加速判定閾値ACC0未満の状態が所定時間Ta継続しているか否かを判断する。また、次のステップS402において、ブレーキ操作速度|ΔBRK|が、減速判定閾値BRK0未満の状態が所定時間Tb継続しているか否かを判断する。そして、ステップS401の非加速条件とステップS402の非減速条件が共に成立しているとき、ステップS403へ進み、定常フラグfACC=1(定常走行)と判定してエンドへ進む。一方、ステップS401の非加速条件とステップS402の非減速条件の一方が不成立のとき、ステップS404へ進み、定常フラグfACC=0(非定常走行)と判定してエンドへ進む。
前記非線形マップ補正値算出部321cは、判定された推定勾配が平坦路から勾配路に移行したとき、或いは、勾配路から平坦路へ移行したとき、そのときのタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を、変更後のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)に適合させるようにマップゼロ点を移動するゼロ点補正値を算出する。
すなわち、図10に示すように、ステップS501において、勾配フラグfSLP=0(平坦路)であるか否かを判断する。fSLP=0のときには、ステップS502へ進み、勾配フラグfSLP=1又は2(上り勾配又は下り勾配)であるか否かを判断する。平坦路から勾配路へ移行したことで、ステップS502にて勾配フラグfSLP=1又は2であると判断されると、次のステップS503にて、定常フラグfACC=1(定常走行)であるか否かを判断する。ステップS503の定常走行条件が成立しないときは、ステップS502→ステップS503へと進む流れが繰り返され、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更が待機される。そして、ステップS503の定常走行条件が成立するとステップS504へ進み、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)のゼロ点補正値を算出する。平坦路から上り勾配へ移行するときには、ステップS804において、平坦路のタイヤ変位非線形マップ(図11(a)及び図12(a))から上り勾配路のタイヤ変位非線形マップ(図11(c)及び図12(b))までのゼロ点移動量を目標移動量とし、目標移動量に向かって時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値が算出され、サスストローク算出部302へ出力される。また、平坦路から下り勾配へ移行するときには、ステップS504において、平坦路のタイヤ変位非線形マップから下り勾配路のタイヤ変位非線形マップ(図11(b)及び図12(c))までのゼロ点移動量を目標移動量とし、目標移動量に向かって時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値が算出され、サスストローク算出部302へ出力される。
一方、ステップS501において、勾配フラグfSLP=1又は2(上り勾配又は下り勾配)のときには、ステップS505へ進み、勾配フラグfSLP=0(平坦路)であるか否かを判断する。勾配路から平坦路へ移行したことで、ステップS505にて勾配フラグfSLP=0であると判断されると、次のステップS506にて、定常フラグfACC=1(定常走行)であるか否かを判断する。ステップS506の定常走行条件が成立しないときは、ステップS505→ステップS506へと進む流れが繰り返され、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更が待機される。そして、ステップS506の定常走行条件が成立するとステップS507へ進み、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)のゼロ点補正値を算出する。上り勾配から平坦路へ移行するときには、ステップS507において、上り勾配路のタイヤ変位非線形マップ(図11(c)及び図12(b))から平坦路のタイヤ変位非線形マップ(図11(a)及び図12(a))までのゼロ点移動量を目標移動量とし、目標移動量に向かって時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値が算出され、サスストローク算出部302へ出力される。一方、下り勾配路から平坦路へ移行するときには、ステップS507において、下り勾配路のタイヤ変位非線形マップ(図11(b)及び図12(c))から平坦路のタイヤ変位非線形マップ(図11(a)及び図12(a))までのゼロ点移動量を目標移動量とし、目標移動量に向かって時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値が算出され、サスストローク算出部302へ出力される。
〈前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrの算出構成〉
前記車体速度推定部304では、車輪速情報のうち、従動輪102FR,102FLの車輪速度平均値を車体速度V(=車速V)として出力する。
前記旋回挙動推定部305では、車体速度推定部304からの車体速度Vと、操舵角センサ111からの操舵角を入力し、操舵角によりタイヤ転舵角δを算出し、周知の線形2輪モデルの式を用いて、ヨーレイトγと車体スリップ角βvを算出する。
前記旋回抵抗力算出部306では、旋回挙動推定部305からヨーレイトγと車体スリップ角βv及びタイヤ転舵角δを入力し、ドライバ操舵による前輪旋回抵抗力Fcfと後輪旋回抵抗力Fcrを演算する。すなわち、ヨーレイトγと車体スリップ角βv及びタイヤ転舵角δに基づき、下記の式を用いて、タイヤ横滑り角である前後輪のタイヤスリップ角βf,βrを算出する。
前輪タイヤスリップ角βfと後輪タイヤスリップ角βrは、
βf=βv+lf・γ/V−δ
βr=βv−lr・γ/V
の式により計算される。但し、lf及びlrは、車体重心から前後車軸までの距離である。
そして、前後輪のタイヤスリップ角βf,βrと前後輪のコーナリングパワーCpf,Cprの積により、前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrを算出する。さらに、前後輪のタイヤスリップ角βf,βrと前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrの積により、前輪旋回抵抗力Fcfと後輪旋回抵抗力Fcrを算出する。
[車体制振制御装置の車体振動推定部構成]
図3は、車体制振制御装置203の内部を詳細にあらわしたブロック構成を示す。以下、図3及び図13に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、車体振動推定部205の構成を説明する。
前記車体振動推定部205は、図13に示すように、車両モデル307(「振動モデル」ともいう。)を有する。この車両モデル307は、本システムが搭載される実車(車体、前輪サスペンション、後輪サスペンション等)をモデル化して得られる車体上下振動の運動方程式と車体ピッチング振動の運動方程式によりあらわしている。そして、入力変換部204で算出した「駆動軸端トルクTw」、「前後輪上下力Ff,Fr」、「前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcr」を車両モデル307に入力する。これにより、車体のばね上挙動状態量(バウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度)の車両モデル307による推定値を算出する。
[車体制振制御装置のトルク指令値算出部構成]
図3は、車体制振制御装置203の内部を詳細にあらわしたブロック構成を示す。以下、図3、図14及び図15に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、トルク指令値算出部206の構成を説明する。
前記トルク指令値算出部206は、図3に示すように、補正トルク値の生成処理構成として、第1レギュレータ部308と、第2レギュレータ部309と、第3レギュレータ部310と、第1チューニングゲイン設定部317と、第2チューニングゲイン設定部318と、第3チューニングゲイン設定部319と、加算器320と、を備えている。そして、補正トルク値のアクチュエータ適合処理構成として、リミット処理部311と、バンドパスフィルタ312と、非線形ゲイン増幅部313と、リミット処理部314と、エンジントルク変換部315と、を備えている。
〈補正トルク値の生成処理構成〉
前記第1レギュレータ部308は、制御対象である「トルク入力によるばね上挙動」に対し、ばね上挙動を最小に抑えるレギュレータゲインF1,F2を与える。この第1レギュレータ部308は、「トルク入力によるばね上挙動」に対して、図14に示すように、Trq-dZvゲインF1(バウンス速度ゲイン)と、Trq-dSpゲインF2(ピッチ速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF1,F2は、図15に示すように、荷重の安定化に寄与するもので、Trq-dZvゲインF1はバウンス速度を抑制し、Trq-dSpゲインF2はピッチ速度を抑制する。
前記第2レギュレータ部309は、制御対象である「外乱によるばね上挙動」に対し、ばね上挙動を最小に抑えるレギュレータゲインF3〜F6を与える。この第2レギュレータ部309は、「外乱によるばね上挙動」に対して、図14に示すように、Ws-SFゲインF3(前後バランスゲイン)と、Ws-dSFゲインF4(前後バランス変化速度ゲイン)と、Ws-dZvゲインF5(バウンス速度ゲイン)と、Ws-dSpゲインF6(ピッチ速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF3〜F6は、図15に示すように、荷重の安定化に寄与するもので、Ws-SFゲインF3は前後荷重変化を抑制し、Ws-dSFゲインF4は前後荷重変化速度を抑制し、Ws-dZvゲインF5はバウンス速度を抑制し、Ws-dSpゲインF6はピッチ速度を抑制する。
前記第3レギュレータ部310は、制御対象である「操舵によるばね上挙動」に対し、操舵による挙動応答性を向上させるレギュレータゲインF7,F8を与える。この第3レギュレータ部310は、「操舵によるばね上挙動」に対して、図14に示すように、Str-dWfゲインF7(前輪荷重変化速度ゲイン)と、Str-dWrゲインF8(後輪荷重変化速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF7,F8は、図15に示すように、荷重の付加に寄与するもので、Str-dWfゲインF7は前輪荷重を上乗せし、Str-dWrゲインF8は後輪荷重変動を抑制する。
前記第1チューニングゲイン設定部317は、第1レギュレータ部308からの出力に対し重み付け調整を行うため、図14に示すように、Trq-dZvゲインF1に対しチューニングゲインK1を設定し、Trq-dSpゲインF2に対しチューニングゲインK2を設定する。このチューニングゲインK1,K2は、振動を抑制する正方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる値である。そして、チューニングゲインK1,K2は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記第2チューニングゲイン設定部318は、第2レギュレータ部309からの出力に対し重み付け調整を行うため、図14に示すように、Ws-SFゲインF3に対しチューニングゲインK3を設定し、Ws-dSFゲインF4に対しチューニングゲインK4を設定し、Ws-dZvゲインF5に対しチューニングゲインK5を設定し、Ws-dSpゲインF6に対しチューニングゲインK6を設定する。このチューニングゲインK3〜K6は、チューニングゲインK1,K2と同様、振動を抑制する正方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる値である。そして、チューニングゲインK3〜K6は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記第3チューニングゲイン設定部319は、第3レギュレータ部310からの出力に対し重み付け調整を行うため、図14に示すように、Str-dWfゲインF7に対しチューニングゲインK7を設定し、Str-dWrゲインF8に対しチューニングゲインK8を設定する。このチューニングゲインK7,K8は、チューニングゲインK1〜K6と異なり、振動を助長する負方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる値に設定される。そして、チューニングゲインK7,K8は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記加算器320は、車体振動推定部205で算出された車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)について、制御対象とする挙動毎にレギュレータ処理を行い、これらにチューニングゲインK1〜K8を積算し、その総和をとり、制御に必要な補正トルク値を算出する。この補正トルク値は、チューニングゲインK1,K2による補正トルク値Aと、チューニングゲインK3〜K6による補正トルク値Bと、チューニングゲインK7,K8による補正トルク値Cと、を加算した値になる。
〈補正トルク値のアクチュエータ適合処理構成〉
前記リミット処理部311は、加算器320からの補正トルク値に対して、駆動系共振対策として、補正トルク値の絶対値の最大値制限処理を行い、ドライバが前後G変動として感じない範囲のトルクに制限する。
前記バンドパスフィルタ312は、リミット処理部311と同様に駆動系共振対策として、車体のばね上振動成分を抽出すると共に、ばね上共振を抑制するように駆動系共振周波数成分の除去を行う。その理由は、実際の車両、特に、エンジン車などにおいては、駆動トルクに不用意に振動成分を付加すると、駆動系共振と干渉して違和感となる振動が発生することがあることによる。加えて、エンジン車などは、駆動トルク指令に対する応答性の悪さや不感帯があるため、期待した制御効果を十分に得ることができないおそれがあるために必要となる。
前記非線形ゲイン増幅部313は、バンドパスフィルタ312から出力される補正トルク値に対し、アクチュエータ(エンジン106)の応答性対策として、補正トルク値の正負切り替わり領域付近(=アクチュエータの不感帯領域)での補正トルク値の増幅を行う。
前記リミット処理部314は、非線形ゲイン増幅部313から出力される増幅処理後の補正トルク値に対し、最終的なリミット処理を行う。
前記エンジントルク変換部315は、リミット処理部314からのリミット処理後の補正トルク値を、ギア比に応じたエンジン端トルク値に変換し、これを最終の補正トルク値として出力する。
次に、作用を説明する。
実施例1の車体制振制御装置における作用を、「車体制振制御の基本作用」、「車体制振制御処理作用」、「車体制振制御で性能向上を狙うシーンと効果」、「車体制振制御ロジックと車体制振制御効果」、「路面勾配による非線形マップ補正作用」に分けて説明する。
[車体制振制御の基本作用]
駆動トルクによる車体制振制御において、具体的にどのようなメカニズムにより車体のばね上挙動がコントロールされるかを理解しておくことが必要である。以下、図16に基づき、これを反映する車体制振制御の基本作用を説明する。
まず、本車体制振制御は、トルク変動や外乱による車体挙動の変化速度を、エンジントルクの補正で抑制し、荷重の安定化と旋回性能の向上を狙う制御である。
そこで、具体的な走行状況として、図16(a)に示すように、停車から発進加速した後、定速状態に入り、その後、減速して停車する場合を例にとる。
停車から発進加速すると、駆動トルクが急増することで、後輪の輪荷重が増加し、前輪の輪荷重が減少するという荷重移動が生じ、車体挙動としては、車体前方側が持ち上がるノーズアップとなる。このとき、図16(a),(b)に示すように、駆動輪である後輪への駆動トルクをダウンさせると、減速時のように車体前方側が沈み込むノーズダウンの挙動を発生させ、荷重移動によるノーズアップと、トルクダウンによるノーズダウンが相殺し、車体挙動が安定する。
発進後、定速状態に入る定常状態では、車体挙動が安定しているため、駆動トルクを補正する制御は行わない。その後、ブレーキ操作等を行って減速停車する場合には、駆動トルクが急減することで、後輪の輪荷重が減少し、前輪の輪荷重が増加するという荷重移動が生じ、車体挙動としては、車体前方側が沈み込むノーズダウンとなる。このとき、図16(a),(b)に示すように、駆動輪である後輪への駆動トルクをアップさせると、加速時のように車体前方側が持ち上がるノーズアップの挙動を発生させ、荷重移動によるノーズダウンと、トルクアップによるノーズアップが相殺し、車体挙動が安定する。
したがって、車体のピッチ角速度の変化をみると、図16(c)に示すように、“制振なし”の点線特性に比べ、“制振あり”の実線特性が車体のピッチ角速度の変化が小さく抑えられることになる。
[車体制振制御処理作用]
実施例1のエンジンコントロールモジュール101にて実行される車体制振制御処理の流れを示すのが図17のフローチャートであり、以下、図17に基づき、車体制振制御処理作用を説明する。
車体制振制御処理を開始すると、ステップS1401では、ドライバ要求トルク演算部201にてドライバ要求トルクが演算される。次のステップS1402では、駆動トルク変換部301にてドライバ要求トルクにギア比を積算してエンジン端トルクから駆動軸端トルクTwに単位変換される。次のステップS1403では、ハイパスフィルタ316にて車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLの車輪速信号から低次の定常成分を除去するフィルタ処理が行われる。次のステップS1404では、サスストローク算出部302にてハイパスフィルタ処理後の車輪速情報と前後輪のタイヤ変位非線形マップに基づいてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量が算出される。次のステップS1405では、上下力変換部303にてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量が前後輪上下力Ff,Frに変換される。次のステップS1406では、操舵角センサ111により操舵角が検出される。次のステップS1407では、車体速度推定部304にて車体速度Vが算出される。次のステップS1408では、旋回挙動推定部305にてヨーレイトγと車体スリップ角βv(=車体横滑り角)が算出される。次のステップS1409では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪のタイヤスリップ角βf,βr(タイヤ横滑り角)が算出される。次のステップS1410では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrが算出される。次のステップS1411では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrが算出される。以上の処理は、入力変換部204においてなされる。
次のステップS1412では、車体振動推定部205にて、駆動軸端トルクTw,前後輪上下力Ff,Fr,前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrを車両モデル307に入力することで、車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)が算出される。次のステップS1413では、車速や路面勾配等によりチューニングゲインK1〜K8が補正される。次のステップS1414では、第1チューニングゲイン設定部317にてドライバ要求トルクによる振動を抑制する補正トルク値Aが算出される。次のステップS1415では、第2チューニングゲイン設定部318にて外乱による振動を抑制する補正トルク値Bが算出される。次のステップS1416では、第3チューニングゲイン設定部319にて操舵による前後荷重変動を増幅する補正トルク値Cが算出される。次のステップS1417では、加算器320にて補正トルク値Aと補正トルク値Bと補正トルク値Cの和による補正トルク値が出力される。
次のステップS1418では、リミット処理部311にて補正トルク値に対し駆動系共振対策のリミット処理が施される。次のステップS1419では、バンドパスフィルタ312にて補正トルク値に対し駆動系共振成分を除去するフィルタ処理が施される。次のステップS1420では、非線形ゲイン増幅部313にて正負切り替わり領域付近で補正トルク値を増幅する非線形ゲイン処理が行われる。次のステップS1421では、リミット処理部314にて増幅処理後の補正トルク値に対して最終的なリミット処理が行われる。次のステップS1422では、エンジントルク変換部315にて駆動軸端の補正トルク値がエンジン端補正トルク値に単位変換され、これが最終の補正トルク値として出力される。
上記ステップS1401からステップS1422へと進む車体制振制御処理は、所定の制御周期毎に繰り返される。
[車体制振制御で性能向上を狙うシーンと効果]
上記の車体制振制御処理により、実施例1の車体制振制御により性能向上を狙うシーンと効果について、図18に基づき説明する。
実施例1の車体制振制御で性能向上を狙うシーンとその効果は、
(a)車線変更時やS字路等のシーンで、穏やかなロールとリニアリティの良さにより、安定感のあるリニアな旋回性能を得ること。
(b)高速巡航時等のシーンで、修正操舵の少なさやピッチダンピングの良さにより、車両の安定した巡航性能を得ること。
にある。
上記(a)の効果を達成するには、「操舵応答の向上」と「ロール速度の抑制」が必要であり、上記(b)の効果を達成するには、「荷重変動の抑制」が必要である。以下、図18に基づき、車体制振制御により、これらの効果を実現できる理由を説明する。
「操舵応答の向上」は、図18に示すように、操舵時、減速=トルクダウンを行うと、前輪荷重が増加し、前輪タイヤのコーナリングパワーCpが増大し、タイヤ横力が増大することで、操舵応答が向上する。すなわち、コーナリングパワーCpは、輪荷重が大きいほど大きくなるという荷重依存特性を用い、操舵時に輪荷重を増加させることで、「操舵応答の向上」が実現される。
「荷重変動の抑制」は、図18に示すように、例えば、ノーズアップ挙動が発生した場合には、減速=トルクダウンを行うと、車体振動と逆位相の運動(ノーズダウン)が発生し、荷重変動の相殺により、荷重変動が抑制される。一方、ノーズダウン挙動が発生した場合には、加速=トルクアップを行うと、車体振動と逆位相の運動(ノーズアップ)が発生し、荷重変動の相殺により、荷重変動が抑制される。そして、ドライバ入力により振動(荷重変動)が発生した場合も、路面外乱により振動(荷重変動)が発生した場合も、荷重変動が抑制される。すなわち、トルク変動と路面外乱によるピッチ挙動を推定すると、推定したピッチ挙動とは逆位相の駆動トルクで、「荷重変動の抑制」が実現される。
「ロール速度の抑制」は、図18に示すように、上記した「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」によりヨーレイトのリニアリティが向上する。したがって、ヨーレイトに比例して穏やかな横G変化となり、ロールレイトのピーク値が小さくなって、ロール速度が抑制される。すなわち、「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」が組み合わされる結果として「ロール速度の抑制」が実現される。
したがって、操舵時には、前輪荷重が増加するよう積極的にノーズダウン挙動を助長することでヨー応答を向上させ、同時に余計な振動成分は抑制することでリニアリティを確保する。そして、これらの制御を同時に行うことで横Gの急変が抑えられるため、ロールレイトを抑制できるという本制御が狙いとする効果(a)を実現できる。
一方、操舵を伴わない直線路の巡航時には、トルク変動と路面外乱によるピッチ挙動を推定し、推定したピッチ挙動とは逆位相の駆動トルクを与えることで、荷重変動が抑制され、車両の安定した巡航性能を得るという本制御が狙いとする効果(b)を実現できる。
[車体制振制御ロジックと車体制振制御効果]
上記車体制振制御で性能向上を狙うシーンと効果を達成する実施例1の車体制振制御ロジックと車体制振制御効果を、図19及び図20に基づき説明する。
まず、実施例1の車体制振制御ロジックは、図19に示すように、ドライバ要求トルク(=駆動軸端トルクTw)、前輪上下力Ff、後輪上下力Fr、前輪旋回抵抗力Fcf、後輪旋回抵抗力Fcrを、車両モデル307に入力する。これにより、車体のばね上挙動状態量であるバウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度を算出する。
そして、車体のばね上挙動状態量のそれぞれに、図19に示すように、バウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度を適正化するレギュレータゲインF1〜F8を掛け合わせ、さらに、調整代となるチューニングゲインK1〜K8を掛け合わせる。
上記処理により制御対象である「トルク入力によるばね上挙動」と「外乱によるばね上挙動」と「操舵によるばね上挙動」のそれぞれについて補正トルク値A,B,Cを得る。そして、各補正トルク値A,B,Cを合算することで、最終の補正トルク値(=図19の制御トルク)とし、ドライバ要求トルクに制御トルクを加算した駆動トルクを得る駆動トルク指令値を、実車のエンジン106に出力する。
ここで、各補正トルク値A,B,Cのうち、補正トルク値Cは、操舵時において、前輪荷重を上乗せするように駆動トルクを補正し、左右前輪102FR,102FLに積極的に輪荷重を乗らせるための補正トルク値である。
したがって、操舵時には、補正トルク値Cにより、前輪荷重が増加するよう積極的にノーズダウン挙動を助長することでヨー応答を向上させ、同時に補正トルク値A,Bにより余計な振動成分は抑制することでリニアリティが確保される。すなわち、ロールレイトを抑制するという本制御が狙いとする効果(a)が、補正トルク値A,Bに補正トルク値Cが加わることで実現される。
一方、上記各補正トルク値A,B,Cのうち、補正トルク値A,Bは、直進路走行中において、駆動トルクの変動や路面外乱にかかわらず、前後荷重変動を安定化し、車体振動を抑制するために補正トルク値である。
したがって、操舵を伴わない直線路の巡航時には、トルク変動と路面外乱によるピッチ挙動やバウンス挙動や前後荷重変化を推定し、補正トルク値A,Bにより、推定したピッチ挙動やバウンス挙動や前後荷重変化とは逆位相の駆動トルクが与えられることで、ピッチ挙動やバウンス挙動(上下挙動)や前後荷重変化が抑制される。すなわち、車両の安定した巡航性能を得るという本制御が狙いとする効果(b)が、補正トルク値A,Bにより実現される。
次に、上記実施例1の車体制振制御ロジックにより狙いとする効果(a),(b)が実現されることの確認を、図20に基づき説明する。なお、図20は、直進走行から操舵したときの対比特性(制御有りが実線特性、制御無しが点線特性)を時系列であらわしている。
車体制振制御では、図20の矢印Jに示すように、(車体振動を抑制する指令トルク)+(操舵応答をコントロールする指令トルク)による制御指令値(=駆動トルク指令値)が出力される。
このため、時刻t1までの直進走行域では、図20の矢印Eに示すように、制御無しに比べ、ピッチレイトが抑制され、車両の安定した走行性能により、乗心地の向上が実現されていることが分かる。
そして、時刻t1以降の操舵過渡領域においては、図20の矢印Fに示すように、ピッチレイトの変化が抑制されていて、適切な荷重移動が実現されていることが分かる。操舵過渡領域のうち、旋回初期においては、図20の矢印Gに示すように、制御無しに比べてヨーレイトが早期に立ち上がり、初期応答性が向上していることが分かる。さらに、操舵過渡領域のうち、旋回後期においては、図20の矢印Hに示すように、制御無しに比べてヨーレイトが緩やかに変化し、旋回巻き込みが抑制されていることが分かる。
そして、操舵過渡領域(旋回初期〜旋回後期)においては、ピッチレイトの変化を抑制する制御と、ヨーレイトの変化を抑制する制御と、を同時に行うことで、横Gの急変が抑えられるため、図20の矢印Iに示すように、制御無しに比べてロールレイトが抑制されていることが分かる。
[路面勾配による非線形マップ補正作用]
上記本制御が狙いとする効果(b)を、路面勾配に関係なく実現するには、静止状態での車両姿勢を変化させる原因の一つとなる路面勾配によるサスペンション・ジオメトリの変化影響を把握し、路面勾配にかかわらず精度良く前輪上下力Ffと後輪上下力Frを算出する工夫が必要である。以下、図21〜図23に基づき、これを反映する路面勾配による非線形マップ補正作用を説明する。
例えば、上り勾配路での走行シーンであっても下り勾配路での走行シーンであっても、平坦路での走行シーンに基づき、精度良く前輪上下力Ffと後輪上下力Frを算出できる固定のタイヤ変位非線形マップを与えるものを比較例とする。
この比較例の場合、下り坂での走行時には、図21(a)に示すように、平坦路に比べ前輪荷重が大きくなり、後輪荷重が小さくなる。そして、上り坂での走行時には、図21(b)に示すように、平坦路に比べ前輪荷重が小さくなり、後輪荷重が大きくなる。
そこで、上り坂での輪荷重移動により静止状態の車体姿勢が変化し、後輪タイヤのホイールセンター位置が上方向(バウンド方向)に変位した場合を例にとると、図22に示すように、後輪タイヤ変位非線形特性に沿って、平坦路静止状態での釣り合いの位置K(ゼロ点位置)から、上り坂静止状態での釣り合いの位置Lへと移動する。
一方、車輪速変動から前後輪上下力Ff,Frを推定する際、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後方向変位に対する上下方向変位の関係特性をマップ化したタイヤ変位非線形マップを用いる。このとき、タイヤ変位非線形マップは、平坦路静止状態でのサスペンション・ジオメトリにより決まるタイヤ変位非線形特性に一致する、或いは、限りなく近似するマップとしている。
したがって、平坦路基準による固定のタイヤ変位非線形マップを与える比較例の場合、上り坂での走行シーンでは、タイヤ変位非線形特性に対する近似性が低くなり、外乱入力として算出される前後輪上下力Ff,Frの算出精度が低下することで、外乱入力に対する車体振動の抑制効果が期待できない。なお、下り坂での走行シーンにおいても同様に、外乱入力に対する車体振動の抑制効果が期待できない。
これに対し、実施例1では、静止状態で車体姿勢が変化する勾配路でホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正する非線形マップ補正処理部321を備える構成を採用した。
例えば、上り坂で輪荷重の移動により静止状態の車体姿勢が変化し、後輪タイヤのホイールセンター位置が上方向(バウンド方向)に変位した場合、上り坂静止状態での釣り合いの位置L(図22)が、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)のゼロ点位置になるように、図23(b)の矢印Mに示すようにマップ特性のゼロ点補正を行う。一方、下り坂静止状態での釣り合いの位置Nが、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)のゼロ点位置になるように、図23(c)の矢印Oに示すようにマップ特性のゼロ点補正を行う。
このため、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を用いる外乱入力推定部のサスストローク算出部302及び上下力変換部303において、勾配路走行シーンにおいて車体姿勢が変化するにもかかわらず、車輪速変動に基づく外乱入力である前後輪上下力Ff,Frの推定精度が確保される。
この結果、静止状態で車体姿勢が変化する勾配路走行シーンにおいて、車体姿勢の変化に応じて近似性を高める方向にタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を補正することで、勾配路によるホイールセンター位置の上下変位にかかわらず、外乱入力による車体振動の抑制が確保される。
実施例1では、非線形マップ補正処理部321として、上り勾配と下り勾配と平坦路を判定する勾配判定部321aと、勾配判定に基づき、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更する非線形マップ補正値算出部321cと、を有する構成を採用した。
すなわち、勾配判定部321aでは、勾配推定値SLPが正の閾値αを超えると、図8のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303へと進み、上り勾配(勾配フラグfSLP=1)と判定される。また、勾配推定値SLPが負の閾値−αを下回ると、図8のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS304→ステップS305へと進み、下り勾配(勾配フラグfSLP=2)と判定される。さらに、勾配推定値SLPが負の閾値−α以上で正の閾値α以下のときは、図8のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS304→ステップS306へと進み、平坦路(勾配フラグfSLP=0)と判定される。
そして、非線形マップ補正値算出部321cでは、平坦路から勾配路への移行と判定されると、図10のフローチャートにおいて、ステップS501→ステップS502→ステップS503→ステップS504へと進み、ステップS504では、平坦路のタイヤ変位非線形マップから勾配路のタイヤ変位非線形マップに変更される。また、勾配路から平坦路への移行と判定されると、図10のフローチャートにおいて、ステップS501→ステップS505→ステップS506→ステップS507へと進み、ステップS507では、勾配路のタイヤ変位非線形マップから平坦路のタイヤ変位非線形マップに変更される。
このように、路面勾配を3つのパターンに分けて判定し、勾配判定結果に基づきタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更処理を行うようにしたことで、路面勾配に応じたタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更が、簡単、かつ、的確に行われる。
実施例1では、一定速走行している定常状態であるか否かを判定する定常状態判定部321bを備え、非線形マップ補正値算出部321cは、平坦路から勾配路への移行、或いは、勾配路から平坦路への移行と判定されたとき、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更を待機する構成を採用した。
すなわち、一般的に加速度や減速度が発生しているときは、勾配推定精度が落ちるため、誤った勾配推定値によってタイヤ変位非線形マップを変更してしまうと、逆にドライバに違和感を与えてしまう可能性がある。
そこで、図9のフローチャートにおいて、アクセル開度速度|ΔACC|とブレーキ操作速度|ΔBRK|に基づき、定常状態(一定速走行)を判断する。そして、図10のフローチャートにおいて、ステップS503、或いは、ステップS506でfACC=1(定常走行)であると判断されたときにのみ、ステップS503→ステップS504、或いは、ステップS506→ステップS507へ進み、タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更する。
したがって、非定常状態で路面勾配が変化する走行中において、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更を待機することで、誤った勾配推定値SLPによってタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更してしまうことによりドライバに与える違和感が防止される。
実施例1では、ゲイン補正値算出部321dとして、平坦路でのタイヤ変位非線形マップと勾配路でのタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップを変更するとき、時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値を算出する構成を採用した。
すなわち、平坦路でのタイヤ変位非線形マップと勾配路でのタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップを変更するとき、例えば、急にタイヤ変位非線形マップを変更すると、トータルの補正トルク値が急変することがあり、車両挙動が不安定になってしまう可能性がある。
そこで、図10のフローチャートにおいて、ステップS504、或いは、ステップS507へ進むと、変更後のタイヤ変位非線形マップを目標値とし、変更前のタイヤ変位非線形マップから時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値を算出する。
したがって、平坦路でのタイヤ変位非線形マップと勾配路でのタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップを変更する走行シーンにおいて、時間の経過と共に徐々に変化するゼロ点補正値を算出することで、車両挙動の安定性が確保される。
次に、効果を説明する。
実施例1の車体制振制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する入力変換部204と、前記車輪入力と車両モデル307を用いて車体のばね上挙動を推定する車体振動推定部205と、前記ばね上挙動の推定結果に基づき駆動トルクの補正を行うトルク指令値算出部206と、を備えた車体制振制御装置において、
前記入力変換部204は、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後方向変位に対する上下方向変位の関係特性をマップ化したタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を用い、車輪速変動に基づいて外乱入力を推定する外乱入力推定部(サスストローク算出部302、上下力変換部303)を備え、
前記外乱入力推定部(サスストローク算出部302、上下力変換部303)に、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、前記タイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正する非線形マップ補正処理部321を設けた(図3)。
このため、静止状態で車体姿勢が変化する走行シーンにおいて、ホイールセンター位置の上下変位にかかわらず、外乱入力による車体振動の抑制を確保することができる。
(2) 前記非線形マップ補正処理部321は、路面勾配を推定する勾配推定部321aと、勾配推定結果に基づき非線形マップ補正値を算出する非線形マップ補正値算出部321cと、を有する(図7)。
このため、(1)の効果に加え、上り勾配路や下り勾配路での勾配走行シーンにおいて、外乱入力による車体振動の抑制を確保することができる。
(3) 前記勾配推定部を、勾配推定値SLPが正の閾値αを超えると上り勾配と判定し、勾配推定値SLPが負の閾値−αを下回ると下り勾配と判定し、負の閾値−α以上で正の閾値α以下のときは平坦路と判定する勾配判定部321aとし、
前記非線形マップ補正値算出部321cは、平坦路から勾配路への移行と判定されると、平坦路のタイヤ変位非線形マップから勾配路のタイヤ変位非線形マップに変更し、勾配路から平坦路への移行と判定されると、勾配路のタイヤ変位非線形マップから平坦路のタイヤ変位非線形マップに変更する(図7,図8)。
このため、(2)の効果に加え、路面勾配を3つのパターンに分けて判定し、勾配判定結果に基づきタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更処理を行うようにしたことで、路面勾配に応じたタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更を、簡単、かつ、的確に行うことができる。
(4) 一定速走行している定常状態であるか否かを判定する定常状態判定部321bを備え、
前記非線形マップ補正値算出部321cは、平坦路から勾配路への移行、或いは、勾配路から平坦路への移行と判定されたとき、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更を待機する(図7,図9)。
このため、(2)又は(3)の効果に加え、非定常状態での走行中において、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の変更を待機することで、誤った勾配推定値SLPによってタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更してしまうことによりドライバに与える違和感を防止することができる。
(5) 前記非線形マップ補正値算出部321cは、平坦路のタイヤ変位非線形マップと勾配路のタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更するとき、時間の経過と共に徐々に変化するマップ特性ゼロ点補正値を算出する(図7,図10)。
このため、(2)〜(4)の効果に加え、平坦路のタイヤ変位非線形マップと勾配路のタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更する走行シーンにおいて、時間の経過と共に徐々に変化するマップ特性ゼロ点補正値を算出することで、車両挙動の安定性を確保することができる。
実施例2は、非線形マップ補正処理部の構成を、タイヤ変位非線形マップの特性線を変えることなく、算出された推定勾配SLPの大きさによってマップ軸のゼロ点を連続的に変化させるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図24は、実施例2の非線形マップ補正処理部321の勾配推定値算出部321a'(勾配推定部)における勾配推定値SLPの算出処理構成を示すフローチャートである。
前記勾配推定値算出部321a'での勾配推定値SLPの算出処理は、実施例1における図8のフローチャートのステップS301と同様の処理により勾配推定値SLPが算出される。
図25は、実施例2の非線形マップ補正処理部の非線形マップ補正値算出部における後輪タイヤ変位非線形マップのマップ軸ゼロ点補正手法を示す説明図である。
前記ゲイン補正値算出部321c'は、勾配推定値SLPから前後輪荷重変動を算出する。そして、前後輪のそれぞれの荷重変動をバネ定数で割ることにより静止状態でのバウンド量/リバウンド量を算出する。そして、図25に示すように、算出したバウンド量/リバウンド量と、平坦路基準によるタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)とが交差する点Pを求め、移動前のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)のゼロ点Qを、矢印Rに示すように、勾配推定値SLPにより求めた交差点Qまで移動させるマップ軸ゼロ点補正を行う。このマップ軸ゼロ点補正によって、勾配推定値SLPに応じて前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)が、きめ細かく決められることになる。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2では、勾配推定部を、勾配推定値SLPを算出する勾配推定値算出部321a'とし、ゲイン補正値算出部321d'は、算出された勾配推定値SLPに応じて下り勾配から上り勾配までの間で連続的に変化するマップ軸ゼロ点補正値を算出する構成を採用している。
すなわち、平坦路のタイヤ変位非線形マップと勾配路のタイヤ変位非線形マップとの間で急に値を変更すると、トータルの補正トルク値が急変することになり、車両挙動が不安定になってしまう可能性がある。
そこで、図24のフローチャートにおいて、勾配推定値SLPの変化が算出されると、図25に示すマップ軸ゼロ点補正手法を用い、連続的に変化する前輪タイヤ変位非線形マップF(MapF)と後輪タイヤ変位非線形マップF(MapR)が算出される。
したがって、勾配推定値SLPが変化する走行シーンにおいて、勾配推定値SLPの大きさに応じて連続的に変化する前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を算出することで、車両挙動の安定性が確保される。加えて、勾配推定値SLPに合わせた連続的な変化により前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を補正することで、実施例1の段階的なマップ変更に比べ、勾配路でのタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の実特性への近似性がより高められる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車体制振制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記勾配推定部を、勾配推定値SLPを算出する勾配推定値算出部321a'とし、
前記ゲイン補正値算出部321c'は、算出された勾配推定値SLPに応じて下り勾配から上り勾配まで連続的に変化するマップ軸ゼロ点補正値を算出する(図23、図24)。
このため、(2)の効果に加え、平坦路を含む路面勾配の変化に対し前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を変更する走行シーンにおいて、勾配推定値SLPの大きさに応じて連続的に変化する前後輪のタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)を算出することで、車両挙動の安定性を確保することができると共に、勾配路でのタイヤ変位非線形マップF(MapF),F(MapR)の実特性への近似性をより高めることができる。
以上、本発明の車体制振制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、非線形マップ補正値算出部321cとして、平坦路から勾配路への移行、或いは、勾配路から平坦路への移行と判定されたとき、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップの変更を待機する例を示した。しかし、非線形マップ補正値算出部としては、定常状態と判定されるまで待つことなく、タイヤ変位非線形マップの変更を開始するような例としても良い。
実施例1,2では、非線形マップ補正処理部321において、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合の一例として、勾配情報を用いる例を示した。しかし、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合としては、車載荷物や乗員数の増減による前後輪の輪荷重変化情報を用いる等の他の例としても良い。
実施例1,2では、非線形マップ補正処理部321において、上記式(3)〜式(5)を用いて勾配推定値を算出する例を示した。しかし、勾配推定値を算出する場合、例えば、前後Gセンサ値と車輪速微分値の差分値を用いて勾配推定値を算出するような例としても良いし、さらに、走行路面の路面勾配情報を、無線通信により外部から入力するような例としても良い。
実施例1,2では、入力変換部204として、駆動軸端トルクTwと、前後輪上下力Ff,Frと、前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrを、車両モデル307への入力情報として算出する例を示した。しかし、入力変換部としては、少なくとも外乱入力としての前後輪上下力Ff,Frの算出するものであれば良い。
実施例1,2では、車体振動推定部205で推定される車体のばね上挙動として、バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度であらわされる状態量を用いる例を示した。しかし、車体振動推定部で推定される車体のばね上挙動としては、ピッチ挙動、バウンス挙動、輪荷重変動のいずれか、または、これらの複合による挙動を状態量としても用いる例としても良い。
実施例1,2では、制御指令値を出力するアクチュエータとして、エンジン106を用いる例を示した。しかし、アクチュエータとしては、動力源としてのモータ、無段変速機、摩擦クラッチ、等のように、駆動系に設けられ、駆動輪へ伝達される駆動トルクを外部からの指令により制御できるものであれば良い。
実施例1,2では、車体振動推定部205として、車両モデル307を用いて車体のばね上挙動を推定する例を示した。しかし、車体振動推定部としては、車両モデルに相当する1つ又は複数の運動方程式を用いて推定するような例としても良い。
実施例1,2では、変速機として、手動により変速ギア段を変更するMT変速機107の例を示した。しかし、変速機としては、自動で変速ギア段や変速比を変更する自動変速機の例としても良い。
実施例1,2では、本発明の車体制振制御装置を、エンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の車体制振制御装置は、ハイブリッド車や電気自動車などに対しても勿論適用することができる。さらに、ハイブリッド車の場合、アクチュエータ(動力源)が異なるエンジン走行モードとモータ走行モードで、車体制振制御装置のトルク指令値算出部における応答性能を切り替えるようにしても良い。
101 エンジンコントロールモジュール(ECM)
102FR,102FL 左右前輪(従動輪)
102RR,102RL 左右後輪(駆動輪)
103FR,103FL,103RR,103RL 車輪速センサ
104 ブレーキストロークセンサ
105 アクセル開度センサ
106 エンジン
107 MT変速機
108 シャフト
109 ディファレンシャルギア
110 ステアリングホイール
111 操舵角センサ
201 ドライバ要求トルク演算部
202 トルク指令値演算部
203 車体制振制御装置
204 入力変換部
205 車体振動推定部
206 トルク指令値算出部
301 駆動トルク変換部
302 サスストローク算出部(外乱入力推定部)
303 上下力変換部(外乱入力推定部)
304 車体速度推定部
305 旋回挙動推定部
306 旋回抵抗力算出部
307 車両モデル
308 第1レギュレータ部
309 第2レギュレータ部
310 第3レギュレータ部
311 リミット処理部
312 バンドパスフィルタ
313 非線形ゲイン増幅部
314 リミット処理部
315 エンジントルク変換部
316 ハイパスフィルタ
317 第1チューニングゲイン設定部
318 第2チューニングゲイン設定部
319 第3チューニングゲイン設定部
320 加算器
321 非線形マップ補正処理部
321a 勾配判定部(勾配推定部)
321a' 勾配推定値算出部(勾配推定部)
321b 定常状態判定部
321c、321c' 非線形マップ補正値算出部

Claims (6)

  1. 走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する入力変換部と、前記車輪入力と車両モデルを用いて車体のばね上挙動を推定する車体振動推定部と、前記ばね上挙動の推定結果に基づき駆動トルクの補正を行うトルク指令値算出部と、を備えた車体制振制御装置において、
    前記入力変換部は、サスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後方向変位に対する上下方向変位の関係特性をマップ化したタイヤ変位非線形マップを用い、車輪速変動に基づいて外乱入力を推定する外乱入力推定部を備え、
    前記外乱入力推定部に、静止状態での車体姿勢の変化に伴いホイールセンター位置が上下方向に変位する場合、前記タイヤ変位非線形マップを、ホイールセンター位置ずれを抑える方向に補正する非線形マップ補正処理部を設けた
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  2. 請求項1に記載された車体制振制御装置において、
    前記非線形マップ補正処理部は、路面勾配を推定する勾配推定部と、勾配推定結果に基づき非線形マップ補正値を算出する非線形マップ補正値算出部と、を有する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  3. 請求項2に記載された車体制振制御装置において、
    前記勾配推定部を、勾配推定値が正の閾値を超えると上り勾配と判定し、勾配推定値が負の閾値を下回ると下り勾配と判定し、負の閾値以上で正の閾値以下のときは平坦路と判定する勾配判定部とし、
    前記非線形マップ補正値算出部は、平坦路から勾配路への移行と判定されると、平坦路のタイヤ変位非線形マップから勾配路のタイヤ変位非線形マップに変更し、勾配路から平坦路への移行と判定されると、勾配路のタイヤ変位非線形マップから平坦路のタイヤ変位非線形マップに変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載された車体制振制御装置において、
    一定速走行している定常状態であるか否かを判定する定常状態判定部を備え、
    前記非線形マップ補正値算出部は、平坦路から勾配路への移行、或いは、勾配路から平坦路への移行と判定されたとき、定常状態と判定されるまでタイヤ変位非線形マップの変更を待機する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  5. 請求項2から4までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記非線形マップ補正値算出部は、平坦路のタイヤ変位非線形マップと勾配路のタイヤ変位非線形マップとの間でタイヤ変位非線形マップを変更するとき、時間の経過と共に徐々に変化するマップ特性ゼロ点補正値を算出する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  6. 請求項2に記載された車体制振制御装置において、
    前記勾配推定部を、勾配推定値を算出する勾配推定値算出部とし、
    前記非線形マップ補正値算出部は、算出された勾配推定値に応じて下り勾配から上り勾配まで連続的に変化するマップ軸ゼロ点補正値を算出する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
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