JP6201306B2 - 車両の制駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
この車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の減速要求の強弱を判定する減速要求判定手段と、
前記減速要求が強いと判定した場合に、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、減速要求が強くなるほど、制駆動トルクの前記トルク補正量を小さくするトルク補正量処理手段と、を有する。
前記トルク補正量処理手段は、減速要求が強いと判定した場合に、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、前記トルク補正量に含まれる負側トルク成分をそのまま残し、前記トルク補正量に含まれる正側トルク成分を小さくする。
これに対し、車両の減速要求が強い場合には、減速要求が弱い場合に比べ、制駆動トルクのトルク補正量が小さくされ、制駆動力制御にて駆動トルクを増やす補正により制動力が減少することを抑制できる。一方、車両の減速要求が弱い場合には、減速要求が強い場合に比べ、制駆動トルクのトルク補正量が大きくされ、制駆動力制御によるバネ上挙動抑制効果が発揮され、ノーズ下がりを抑える効果が得られる。
このように、減速要求があっても、減速要求の強弱に応じて制駆動トルクのトルク補正量を変更する構成とすることで、車両のノーズ下がりを抑える効果が急に得られなくなるのを防止することができる。
減速要求が強いと判定した場合には、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、トルク補正量に含まれる負側トルク成分がそのまま残され、トルク補正量に含まれる正側トルク成分が小さくされる。このため、減速要求があるとき、制駆動力制御を実施しながらも、減速要求に応じて与えられる制動力の低下を抑えることができる。
実施例1における車両の制駆動力制御装置の構成を、[車載システム構成]、[制駆動力制御の全体システム構成]、[制駆動力制御装置の詳細構成]、[制駆動力制御処理の詳細構成]に分けて説明する。
図1は、実施例1の制駆動力制御装置が適用された前輪駆動の電気自動車を示し、図2は、後輪駆動のエンジン車を示す。以下、図1及び図2に基づき、車載システム構成を説明する。
図3は、実施例1の制駆動モータECU101の内部構成を示す。以下、図3に基づき、制駆動力制御の全体システム構成を説明する。
図4は、実施例1の制駆動力制御装置を示す制御ブロック線図であり、図5は、制駆動力制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4及び図5に基づき、制駆動力制御装置の詳細構成を説明する。
まず、入力変換部1204では、車両からのセンシング情報を後段の車体振動推定部1205で用いる車両モデル1307の入力形式、具体的には車体に加わるトルクまたは力の次元に変換を行う。この入力変換部1204は、駆動トルク変換部1301と、サスストローク算出部1302と、上下力変換部1303と、車体速度推定部1304と、旋回挙動推定部1305と、旋回抵抗推定部1306と、を有する。
Zf=KgeoF・xtf
Zr=KgeoR・xtr
上式を微分すると、タイヤの前後速度と上下速度の式となるため、この関係を用いてサスストローク量と速度を算出する。
なお、δは操舵角より算出されるタイヤ転舵角、lはホイールベース、lf及びlrは車体重心から前後車軸までの距離、mは車重、Cpはタイヤコーナリングパワーをあらわす。
βf=βv+lf・γ/V−δ
βr=βv−lr・γ/V
の式で計算できる。
次に、車体振動推定部1205では、入力変換部1204における処理にて算出されたドライバ要求トルク、路面外乱、旋回抵抗相当の力を、図9に示すような車両モデル1307に入力し、バネ上挙動を表す状態量の算出を行う。この車体振動推定処理は、図5のフローチャートにおいて、ステップS1411からステップS1412へ進むことでなされる。
次に、トルク補正値算出部1206では、車体振動推定部1205からの制御対象とする状態量に対しレギュレータ1308,1309,1310によるゲイン処理を行い、重み付けを行うためのチューニングゲインを積算してその和をとり制御に必要な補正トルク値を算出する。そして、リミット処理部1311で補正トルク値の絶対値をドライバが前後G変動として感じない範囲のトルクに制限する。
直進走行から時刻t0にて操舵入力を加えると、制駆動力制御によって出力される制御指令値(=駆動トルク)は、図11の制御指令値特性に示すように、(車体振動を抑制する指令トルク)+(操舵応答をコントロールする指令トルク)により与えられる。
このため、制御後のピッチレイトは、図11のピッチレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、操舵過渡領域において適切な荷重移動が実現され、その後のピッチレイトが抑制される。制御後のヨーレイトは、図11のヨーレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、旋回開始域での初期応答性が向上し、旋回に入った後の巻き込みが抑制される。制御後のロールレイトは、図11のロールレイト特性に示すように、制御なし(点線特性)に比べ、旋回中のロールレイトが抑制される。
次に、出力処理部1207では、減速要求の強弱に応じたトルク補正処理をし、その後、駆動系共振対策としてフィルタ処理をし、そして最終的なリミット処理を行った後に出力する。この出力処理部1207は、走行状態判定部1312(減速要求判定手段)と、トルク補正量処理部1313(トルク補正量処理手段)と、バンドパスフィルタ1314(駆動系共振周波数成分除去処理手段)と、リミット処理部1315と、駆動トルク変換部1316と、を有する。
1.車両ECUの演算した要求減速度
2.要求ブレーキ液圧
3.ブレーキペダル操作量
4.ブレーキペダル踏み増し速度
5.ブレーキペダル戻し速度
6.エンジンブレーキ相当を強めるモードが選択されている
7.アクセルペダルが踏まれていない状態で、車速に合わない低ギヤ段が選択されている
8.スイッチ等による本制御のトルク補正変更要求がある
以上のいずれか、あるいは以上の任意の組合せを指標とする。
そして、上記指標を元に、減速要求係数Cddを下記の式により求める。
Cdd=ΣKi・Ii
ここで、Iiは上記各指標、Kiは夫々の重み係数とする(i=1〜8)。上記指標6〜8(i=6〜8)では、条件成立時にIi=1、そうでない場合Ii=0とする。また、減速要求係数Cddは、各指標毎にマップから参照するようにしても良いし、各指標の関数としても良い。マップあるいは関数として減速要求係数Cddを求める場合の一例として、ブレーキペダル操作量(上記指標3)とブレーキペダル操作速度(上記指標4、5)の関係を図12に示す。
dTw1=Kout・Max(dTw,0)+Min(dTw,0)
ここで、Koutは、正側トルク補正量調整ゲインであり、走行状態判定部1312で求まった減速要求係数Cddに応じてKoutを、0または0〜1の間の値をセットする。その際、減速要求が強いほどKoutを0に近づけると良い。尚、制駆動力制御装置1203の起動時など、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値を例えば1に設定しておく。
図13にトルク補正量処理前の補正トルクdTwと、正側トルク補正量調整ゲインKoutと、トルク補正量処理後(調整後)の補正トルクdTw1と、の特性例を示す。Kout=1のときには、補正トルクdTwは調整されず、1>Kout>0のときには、補正トルクdTwのうち正側トルクが0に近づくほど小さくなるように補正量調整され、Kout=1のときには、補正トルクdTwのうち正側トルクが除去される。
dTw1=Kout・dTw
正負を問わず補正量を調整する手段としても良い。
dTw1=Min(dTw,Cout)
ここでリミッタ値となるCoutは0とする。または0より大きいが、通常算出されるdTwの絶対値より小さい値とするのも良い。CoutについてもKoutと同様に走行状態判定部1312での結果に応じて決定する。また、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値は例えば最終的なリミット処理での補正トルク上限値と同値に設定しておく。
なお、所定の周波数帯の振動成分を通過させるバンドパスフィルタ1314に代え、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施するようにしても良い。
実施例1の車両の制駆動力制御装置における作用を、[減速要求の強弱による正側トルク補正量調整作用]、[駆動系共振周波数成分の除去作用]に分けて説明する。
まず、走行状態判定部1312において、減速要求無しの走行状態であると判定されたときは、トルク補正量処理部1313において、正側トルク補正量調整ゲインKoutが、Kout=1とされ、トルク補正値算出部1206で算出された補正トルクdTwがそのままバンドパスフィルタ1314に出力される。つまり、トルク補正量処理部1313にて正側トルク補正量調整処理が行われない。
したがって、車両の減速要求が強い場合には、減速要求が弱い場合に比べ、制駆動トルクの補正量が小さくされ(制動力確保優先)、制駆動力制御にて駆動トルクを増やす補正により制動力が減少することを抑制できる。一方、車両の減速要求が弱い場合には、減速要求が強い場合に比べ、制駆動トルクの補正量が大きくされ(制駆動力制御優先)、制駆動力制御によるバネ上挙動抑制効果が発揮され、ノーズ下がりを抑える効果が得られる。
このように、減速要求があっても、減速要求の強弱に応じて制駆動トルクの補正量を変更する構成とすることで、車両のノーズ下がりを抑える効果が急に得られなくなるのを防止することができる。
すなわち、正側トルク成分(駆動トルク成分)と負側トルク成分(制動トルク成分)の両方を含むトルク補正量のうち、負側トルク成分をそのまま残し、減速要求が強いほど正側トルク補正量を調整する正側トルク補正量調整処理が実施される。
したがって、減速要求があるときに、制駆動力制御を実施しながらも、減速要求に応じて与えられる制動力の低下を抑えることができる。
すなわち、正側トルク成分(駆動トルク成分)と負側トルク成分(制動トルク成分)の両方を含むトルク補正量のうち、正側トルク成分を除去し、負側トルク成分のみをそのまま残す正側トルク補正量調整処理が実施される。
したがって、減速要求が強いときに、減速要求に応じて与えられる制動力に、制駆動力制御でのトルク補正による負側トルク成分(制動トルク成分)が加わり、強い減速要求に応える制動力を確保することができる。
上記のように、実際の車において、駆動トルクに不用意に振動成分を付加すると駆動系共振と干渉して違和感となる振動が発生するおそれがあるため、予め駆動系共振周波数成分を除去しておく方が好ましい。以下、駆動系共振周波数成分の除去作用を説明する。
実施例1の車両の制駆動力制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
車体バネ上振動または輪荷重を制御するための制駆動トルクの補正量を算出するトルク補正量算出手段(トルク補正値算出部1206)と、を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、前記トルク補正量に基づいて制駆動トルクの補正を行い出力する車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の減速要求の強弱を判定する減速要求判定手段(走行状態判定部1312)と、
前記車両の減速要求が強いと判定した場合に、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、制駆動トルクの補正量を小さくするトルク補正量処理手段(トルク補正量処理部1313)と、
を有する(図4)。
このため、減速要求があっても、車両のノーズ下がりを抑える効果が急に得られなくなるのを防止することができる。
このため、(1)の効果に加え、減速要求があるとき、制駆動力制御を実施しながらも、減速要求に応じて与えられる制動力の低下を抑えることができる。
このため、(1)または(2)の効果に加え、減速要求が強いとき、減速要求に応じて与えられる制動力に、制駆動力制御での補正による制動トルク成分が加わり、強い減速要求に応える制動力を確保することができる。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、トルク補正量算出手段(トルク補正値算出部1206)での内部処理または制駆動トルク発生手段(トルク指令値演算部1202)での内部処理により、トルク補正量を減速要求の強弱に対応して変更することができる。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、ドライバのブレーキ操作のみならず他の車載システムからの減速要求などを含む幅広い情報に基づいて、車両の減速要求の強弱を判定することができる。
前記制駆動トルク発生手段(トルク指令値演算部1202及びモータ108)は、共振周波数成分を除去した後の値をトルク補正量出力値とする(図4)。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、減速要求がある走行状態でトルク補正量変更制御を採用しても、駆動系共振の発生を防止することができる。
このため、(6)の効果に加え、駆動系共振周波数成分は除去しつつも、車体バネ上挙動を抑制する制駆動力制御性能を実現することができる。
このため、(6)または(7)の効果に加え、駆動系共振を避けるようにBPF特性を設計することで、駆動系共振周波数成分を除去することができる。
このため、(8)の効果に加え、電費または燃費を優先する走行状態でトルク補正量変更制御が実施されるとき、車体バネ上共振の発生を防止することができる。
このため、(9)の効果に加え、電費または燃費を優先する走行状態でトルク補正量変更制御が実施されるとき、車体バネ上共振のうち、振動抑制を狙うピッチ共振、バウンス共振、ロール共振のいずれかを防止することができる。
このため、(6)または(7)の効果に加え、バンドパスフィルタ1314に代え、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せを用いて、駆動系共振周波数成分を除去することができる。
このため、(6)〜(11)の効果に加え、トルク補正量変更と駆動系共振周波数成分除去処理を実施しないとき以下の駆動レベルに抑えることができる。
実施例2における車両の制駆動力制御装置の構成を、[全体システム構成]、[制駆動力制御処理の詳細構成]に分けて説明する。
図16は、実施例2の制駆動力制御装置を示す全体システム図であり、図17は、実施例2の制駆動力制御装置が搭載された車両を示す全体構成図である。以下、図16及び図17に基づき、全体システム構成を説明する。
図22は、実施例2のコントローラ50で行う処理を示す制御ブロック線図である。以下、図22に基づき、制駆動力制御処理の詳細構成を説明する。
アクセル開度APOから、図19に示すような、アクセル開度とドライバ要求モータトルクの関係を定めた特性マップに基づいてドライバ要求トルクTm_aを読み出す。
そして、読み出されたドライバ要求モータ(エンジン)トルクTm_aを、ディファレンシャルギア比Kdif、自動変速機(または手動変速機)のギア比Katに基づいて駆動軸トルクに換算し、ドライバ要求駆動トルクTw_aを算出する。
同様に、ブレーキペダルの操作量S_bから、図21に示すような、ブレーキ操作量とドライバ要求制動トルクの関係を定めた特性マップからドライバ要求制動トルクTw_bを算出する。
そして、算出されたドライバ要求駆動トルクTw_aとドライバ要求制動トルクTw_bとから要求制駆動トルクTwを、
の式により算出する。
各輪車輪速VwFR,VwFL,VwRR,VwRLから実車速成分Vbodyを除去して車体に対する各輪速度を算出し、各輪速度と各輪速度前回値の差分をとり、時間微分することにより各輪加速度を算出する。算出した各輪加速度にバネ下質量を乗じることで、前後輪の前後方向外乱ΔFf、ΔFrを算出する。
この場合、車体上下振動の運動方程式は、
で表すことができ、また、車体ピッチング振動の運動方程式は、
で表すことができる。
これら二つの運動方程式を、
と置いて、状態方程式に変換すると
と表現できる。
ここで、それぞれの要素は、
である。
さらに、上記状態方程式を制駆動トルクを入力とするフィードフォワード(F/F)項,前後輪の走行外乱を入力とするフィードバック(F/B)項と入力信号により分割すると、
フィードフォワード項は、
と表現でき、
フィードバック項は、
と表現できる。
このxを求めることにより、制駆動トルク変動ΔTw、及び前後方向外乱ΔFf、ΔFrによる車体バネ上の挙動を推定することができる。
このときフィードバックゲインは、θp微分値と、xb微分値の振動が少なくなるように決定する。
例えば、フィードバック項においてxb微分値が少なくなるようなフィードバックゲインを算出する場合は、重み行列を、
のように選び、
におけるJを最小にする制御入力である。
その解は、リカッチ代数方程式
の正定対称解pを元に、
で与えられる。ここでFxb_FBはフィードバック項におけるxb微分値に関するフィードバックゲイン行列である。
フィードバック項におけるθp微分値の振動が少なくなるようなフィードバックゲインFthp_FB、及びフィードフォワード項におけるxb微分値とθp微分値が少なくなるようなフィードバックゲインFxb_FF、Fthp_FFも同様に算出できる。
フィードバック項におけるθp微分値の振動が少なくなるようなフィードバックゲインFthp_FBは、重み行列を、
と設定し、
として算出する。
と設定し、
として算出する。
と設定し、
として算出する。
これは最適レギュレータの手法であるが、極配置など他の手法にて設計しても良い。
1.車両ECUの演算した要求減速度
2.要求ブレーキ液圧
3.ブレーキペダル操作量
4.ブレーキペダル踏み増し速度
5.ブレーキペダル戻し速度
6.エンジンブレーキ相当を強めるモードが選択されている
7.アクセルペダルが踏まれていない状態で、車速に合わない低ギヤ段が選択されている
8.スイッチ等による本制御のトルク補正変更要求がある
以上のいずれか、あるいは以上の任意の組合せを指標とする。
そして、上記指標を元に、減速要求係数Cddを下記の式により求める。
Cdd=ΣKi・Ii
ここで、Iiは上記各指標、Kiは夫々の重み係数とする(i=1〜8)。上記指標6〜8(i=6〜8)では、条件成立時にIi=1、そうでない場合Ii=0とする。また、減速要求係数Cddは、各指標毎にマップから参照するようにしても良いし、各指標の関数としても良い。マップあるいは関数として減速要求係数Cddを求める場合の一例として、ブレーキペダル操作量(上記指標3)とブレーキペダル操作速度(上記指標4、5)の関係を図12に示す。
まず、正側トルク補正量調整処理では、補正トルクdTw*の正側トルク補正量調整処理を行い、調整後の補正トルクdTw1*を算出する。
dTw1*=Kout・Max(dTw*,0)+Min(dTw*,0)
ここで、Koutは正側トルク補正量調整ゲインであり、ステップS600で求まった減速要求係数Cddに応じてKoutを、0または0〜1の間の値をセットする。その際、減速要求が強いほどKoutを0に近づけると良い。尚、コントローラ50起動時など、最初のルーチンでも演算が行えるように、Koutの初期値を例えば1に設定しておく。
図13にトルク補正量処理前の補正トルクdTwと、正側トルク補正量調整ゲインKoutと、トルク補正量処理後(調整後)の補正トルクdTw1と、の特性例を示す。Kout=1のときには、補正トルクdTwは調整されず、1>Kout>0のときには、補正トルクdTwのうち正側トルクが0に近づくほど小さくなるように補正量調整され、Kout=1のときには、補正トルクdTwのうち正側トルクが除去される。
dTw1=Kout・dTw
正負を問わず補正量を調整する手段としても良い。
dTw*=Min(dTw*,Cout)
ここでリミッタ値となるCoutは0とする。または0より大きいが、通常算出されるdTw*の絶対値より小さい値とするのも良い。CoutについてもKoutと同様にステップS600での結果に応じて決定する。また、最初のルーチンでも演算が行えるように、Coutの初期値は、例えば最終的なリミット処理での補正トルク上限値と同値に設定しておく。
また、コントローラ50が駆動力制御手段60、及び制動力制御手段70のコントローラと異なる場合は、ステップS700はコントローラ50で実施せずステップS800を実施し、ステップS700は駆動力制御手段60、及び制動力制御手段70にて行っても良い。なお、他の作用と、実施例2の効果は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
108b エンジン(制駆動トルク発生手段)
1201 ドライバ要求トルク演算部
1202 トルク指令値演算部(制駆動トルク発生手段)
1203 制駆動力制御装置
1204 入力変換部
1205 車体振動推定部
1206 トルク補正値算出部(トルク補正量算出手段)
1207 出力処理部
1312 走行状態判定部(減速要求判定手段)
1313 トルク補正量処理部(トルク補正量処理手段)
1314 バンドパスフィルタ(駆動系共振周波数成分除去処理手段)
1315 リミット処理部
1316 駆動トルク変換部
50 コントローラ
54 補正トルク算出手段
55 減速要求判定手段(減速要求判定手段)
56 補正トルク指令値算出手段(トルク補正量算出手段)
561 トルク補正量処理部(トルク補正量処理手段)
562 バンドパスフィルタ(駆動系共振周波数成分除去処理手段)
563 リミット処理部
564 制駆動トルク変換部
60 駆動力制御手段(制駆動トルク発生手段)
70 制動力制御手段(制駆動トルク発生手段)
Claims (11)
- ドライバに代替し車両を制御するシステムからの入力、またはドライバからの入力に基づき、車輪に制駆動トルクを発生させる制駆動トルク発生手段と、
車体バネ上振動または輪荷重を制御するための制駆動トルクのトルク補正量を算出するトルク補正量算出手段と、を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、前記トルク補正量に基づいて制駆動トルクの補正を行い出力する車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の減速要求の強弱を判定する減速要求判定手段と、
前記減速要求が強いと判定した場合に、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、減速要求が強くなるほど、制駆動トルクの前記トルク補正量を小さくするトルク補正量処理手段と、を有し、
前記トルク補正量処理手段は、減速要求が強いと判定した場合に、減速要求が相対的に弱いと判定した場合に比較して、前記トルク補正量に含まれる負側トルク成分をそのまま残し、前記トルク補正量に含まれる正側トルク成分を小さくする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記トルク補正量処理手段は、減速要求が所定以上の強いとき、前記トルク補正量に含まれる負側トルク成分をそのまま残し、前記トルク補正量に含まれる正側トルク成分をゼロにする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1または2に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記トルク補正量処理手段は、前記トルク補正量算出手段または前記制駆動トルク発生手段とともにコントローラの内部に有する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1から3までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記減速要求判定手段は、車両ECUの演算した要求減速度、要求ブレーキ液圧、ブレーキペダル操作量、ブレーキペダル操作速度、エンジンブレーキ相当を強めている状態、運転者からトルク補正量の変更要求がある場合から減速要求の強弱を判定する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項1から4までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記車両の減速要求の強弱に応じて、前記トルク補正量を変更処理した後、駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する駆動系共振周波数成分除去処理手段を備え、
前記制駆動トルク発生手段は、共振周波数成分を除去した後の値をトルク補正量出力値とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項5に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、車体のバネ上挙動から演算された補正トルクに含まれる車体バネ上共振周波数成分の位相特性を維持する処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項5または6に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、バンドパスフィルタにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項7に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、前記バンドパスフィルタで透過される周波数を、車体バネ上共振周波数とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項8に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、車体のピッチ、バウンス、ロール共振周波数のいずれか、またはそれらの間にある周波数を車体バネ上共振周波数とする
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項5または6に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、ローパスフィルタ、またはローパスフィルタとハイパスフィルタの組合せにより駆動系共振周波数成分の除去処理を実施する
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。 - 請求項5から10までの何れか1項に記載された車両の制駆動力制御装置において、
前記駆動系共振周波数成分除去処理手段は、駆動系共振周波数成分の除去処理によるゲインを、駆動系共振による増幅ゲインとの積が0dB以下になるように設定した
ことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264411A JP6201306B2 (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | 車両の制駆動力制御装置 |
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