JP2013230136A - 表面溶液調整型湿潤基盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】水をポンプアップをすることなく、また素材に限定されることなく底部に水を溜めておくだけで、基盤自身がミズゴケ素材と同等に水を上部に吸い上げ、環境を調整や生物養成をする表面領域に水を持続的かつ一定に供給できる基盤について提供する。
【解決手段】液体を溜める領域に一定以上の水位を超えると溜められた溶液が流れ出る構造を設け、この水溜め領域から溶液を引き上げるように緑化資材あるいは液体を保持することのできる資材を固定し、かつ固定された資材の上方から下方に向かって溶液を供給させる最下位置を、水溜め部5’に設けた最高水位よりも高い位置に設定するか、この最下位置に溶液を遮断する水遮断体6を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】液体を溜める領域に一定以上の水位を超えると溜められた溶液が流れ出る構造を設け、この水溜め領域から溶液を引き上げるように緑化資材あるいは液体を保持することのできる資材を固定し、かつ固定された資材の上方から下方に向かって溶液を供給させる最下位置を、水溜め部5’に設けた最高水位よりも高い位置に設定するか、この最下位置に溶液を遮断する水遮断体6を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築・建造物の壁面、斜面、内壁、外壁、屋上を含む表面に溶液を保持させ、壁面の湿潤の維持、空中の温湿度調整、周囲環境の向上を行い、かつ植物および動物の生物養生基盤、具体的にはコケ植物全般、草本性植物全般、低木性の木本植物全般、および木本性植物の苗、着生植物全般、ならびに淡水性および海水性の水中および岩場に生息する動物全般、岩場に着床する動物全般の養生を行うことを主要な目的とする環境調製基盤ならびに生物養成基盤、およびその使用方法に関する発明である。
これまでに、ミズゴケがもつ特性およびこれを用いた植物栽培増殖に関する研究により、ミズゴケあるいは乾燥させたミズゴケを介してコケ植物およびその他植物の栽培・増殖、さらには絶滅危惧植物であるミズゴケ属に属する種を含むその他希少種が安定かつ容易に大量栽培することが可能になった。さらに、溶液を溜めることの可能な構造体から養生面である石質基盤に浸潤させることで、ミズゴケあるいはこれを乾燥させた物体を介することなく、これら植物だけでなく動物を養生させることに成功した。この発明はミズゴケなどの生物資源素材だけでなく石質やプラスチックといった非生物系素材を介しての環境調節基盤であるとともに、ダムや湖水でのフロー栽培ならびに自然環境に生息する環境修復など屋外条件下を前提としたフィールドおよび屋上緑化、さらには壁面緑化におけるミズゴケ、ミズゴケ以外のコケ植物、またはシダ植物を含む維管束植物および海水や淡水を必要とする生物の生育基盤とし大きく貢献している。
これまでの基盤開発には、その構造から以下の2つに大別される。1つめの基盤構造は、これまで緑化資材となる基盤に配置する乾燥ミズゴケを、基盤内部では下部の水溜め領域から水を引き上げるように内部挿入し、かつ基盤片側外部に広く平面的に固定された乾燥ミズゴケの上方と下方の両方向に向かって水を供給させることを特徴としており、これは薄層壁面緑化基盤に大きく貢献している。これに対し、もう1つの基盤構造は、近年ミズゴケなどの生物資源素材だけでなく石質やプラスチックといった非生物系素材を介して水を吸水させることの可能な生物の養成基盤の開発である。前者は、媒介素材がミズゴケに限られているという問題があり、後者は、素材は限定されないが、非生物系素材を介して吸水させる基盤については、水をポンプアップさせ循環させつつ生物を養成させるものに限られるという問題点をもつ。このためポンプアップをすることなく、また素材に限定されることなく底部に水を溜めておくだけで、基盤自身がミズゴケ素材と同等に水を上部に吸い上げ、環境を調整や生物養成をする表面領域に水を持続的かつ一定に供給できる基盤については、これら問題点を克服することの可能な技術の提供が待たれている。
本発明者はこの課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、液体を溜める領域に一定以上の水位を超えると溜められた溶液が流れ出る構造を設け、この水溜め領域から溶液を引き上げるように緑化資材あるいは液体を保持することのできる資材を固定し、かつ固定された資材の上方から下方に向かって溶液を供給させる最下位置を、水溜め部に設けた最高水位よりも高い位置に設定するか、この最下位置に溶液を遮断する水遮断体を設けることを特徴とする基盤を提供することにより、ミズゴケ以外の素材を介してポンプアップすることなく基盤表面に水を引き上げることに成功した。この基盤を提供することにより、上記の課題を解決できる本発明を完成した。
すなわち本発明は、水、油体、溶媒、もしくは揮発性物質や可溶性物質が溶解した液体あるいは生物を生存・増殖させる養生液(以下、これらを総括して溶液という)を、静置または流動状態で一定液量確保可能な構造体(以下、水溜め体という)から、液滴と同等もしくはそれ以上の直径、幅、あるいは容積をもつ管状、水路状、袋状等の構造をした液体移動(以下、単に流動性移動という)をさせる輸送体の構造物を介することなく、生きたミズゴケや乾燥ミズゴケ、木材など生物系の素材、および生物石質やプラスチックなどの非生物系の素材をもつ石質体や揚水体を介して吸水、揚水あるいは毛細管現象による水の移動(以下、これらを総称して湿潤性移動という)をさせ、垂直・水平・斜面を含むあらゆる角度の基盤表面に溶液を移動あるいは保持しつつ、その表面の溶液含量を均一に調整維持させることで、設置した空間環境の調整や湿潤面で生物の養成が行えることを特徴とする基盤の使用方法を提供する発明である。
なお、「ミズゴケ」とは、特に断らない限り、野生に生えた状態と実質的に同一の状態の生長可能なミズゴケである。また、「乾燥ミズゴケ」とは、前記の生長可能なミズゴケに加熱滅菌処理を施したミズゴケのことを意味し(市販品も可)、さらに、前記の生長ミズゴケを自然乾燥させて得られるミズゴケのことも意味する。いずれにしても、「乾燥ミズゴケ」とは、主に、殺菌死滅処理を加えたミズゴケ(市販品も可)を意味するものであるが、生長ミズゴケ(生命活動が維持されているミズゴケ)を単純に乾燥したものも含むものとし、その製造工程のことを特定する用語であり、それが水を含んでいるか否か、あるいは湿潤であるか否かは問題とならない。
なお、養生液とは、特に断らない限り、任意生物を生存、生長あるいは増殖可能な全ての溶液である。また、蒸留水や培養液を含め、前記の生長可能な養生液に殺菌・消毒処理を施したものも範疇に含み(市販品も可)、さらに、前記の養生液に微生物などの生物が加えられても、自然増殖してもよい。いずれにしても、「養生液」とは、主に、水あるいは生物を生存あるいは成長・増殖させるための培養液であるものを意味するもので、生物の種類のいかんに問わず、水と同様に循環するものであれば問題とならない。
「石質」の素材としては、砂岩・泥岩などの砕屑性、凝灰岩などの火砕性、氷河堆積岩などの破砕性といった堆積岩、溶岩・火山噴出物・マグマなどから形成される火成岩、あるいは生物の堆積物でできる石灰岩、人工的につくられるコンクリート材やガラスを含め、石質の種類は特に限定されるものではない。
生物系および非生物系の素材は、大きさが100nmから20mm程度に粒子化したものを揚水体に固定するのが一般的であり、素材の1つであるミズゴケがもつ多孔質構造を壊して粒子状にしても湿潤性移動を行うことができる。また、これら粒子はサイズや種類を混合して固定してもよく、例えば紙あるいは布状の構造体に一度接着したあとで基盤に固定してもよい。
本基盤は主に(1)水溜め体、(2)湿潤性移動をさせることができる石質体または揚水体(これらを単に湿潤体という)の2つの構造を1ユニットとし、単独でもユニットを層状にしても使用できる。ただし2つ以上のユニットで使用する場合、ユニットとユニットを連結する基盤表面の間に溶液の移動を遮断する水遮断体を設けることが好適である。
「揚水体」は、毛細管現象による水の移動を含め、紙、布、綿、パルプなどの天然の植物性繊維素材、およびスポンジなどの化学合成系のプラスチック素材、発泡性のセラミック・陶磁、グリーンビズ、モルタル、コンクリート二次製品、レンガ、タイル、など、養生液を水位よりも上部に引き上げることが可能な構造体であればよく、その材質およびその組み合わせは特に限定されるものではない。なお、パルプの形状は「おがくず」のようなものをキキサーで粒子化や微小化してもよい。またミズゴケ、ピートモス、お茶の葉(使用済みのものを含む)および植物全般の葉およびこれを微細化したもの、土壌全般(黒土や畑土、肥料含有土、パーライトやバーミキュライトなどの人工発泡石、粘土、シルトおよびこの乾燥粉末)、砂岩・泥岩などの砕屑性、凝灰岩などの火砕性、氷河堆積岩などの破砕性といった堆積岩、溶岩・火山噴出物・マグマなどから形成される火成岩、あるいは生物の堆積物でできる石灰岩、人工的につくられるコンクリート材や、これら粉砕物を単独あるいは複合して形状化したものも揚水体の範疇に含める。例えば、薄層揚水体表面加工として、粒形を一律にした砂や溶岩の粉末粒子を接着剤等で固着するものなどである。接着剤は、塩ゴム系、ウレタン系、アクリル系などを使用する。
揚水体がもつ重要な利点は、これまでは吸水性素材の中でもミズゴケまたは石質に限定されていたが、本発明においてはこのような単独素材での利用や素材自体が限定されなくても利用できる点であり、例えば、非吸水性や疎水性の躯体素材表面あるいは内部に吸水性素材を付着・充填させたり、あるいはそれらを粒状にしたものを混合して形状化した物体で、輸送体から養生部に養生液を浸潤させ、植物の養生が可能になった点である。
「湿潤体」の素材は紙、布、綿、パルプなどの天然の植物性繊維素材およびこれら炭化物(木炭、灰など)、石炭などの化石燃料、スポンジなどの化学合成系のプラスチック素材、発泡性のセラミック・陶磁、ガラス、グリーンビズ、モルタル、コンクリート二次製品、レンガ、タイル、など、養生液を水位よりも上部に引き上げることが可能な構造体であればよく、その材質およびその組み合わせは特に限定されるものではない。なお、パルプの形状は「おがくず」のようなものをミキサーで粒子化や微小化してもよい。スギやヒノキのような芳香性物質や有用物質を含有する木片素材を湿潤体として使用することも可能である。またミズゴケ、ピートモス、お茶の葉(使用済みのものを含む)および植物全般の葉およびこれを微細化したもの、土壌全般(黒土や畑土、肥料含有土、パーライトやバーミキュライトなどの人工発泡石、粘土、シルトおよびこの乾燥粉末)、砂岩・泥岩などの砕屑性、凝灰岩などの火砕性、氷河堆積岩などの破砕性といった堆積岩、溶岩・火山噴出物・マグマなどから形成される火成岩、金、銀、銅、チタン、アルミ、ステンレス、鉄などの鉱物あるいはこれを樹脂塗料で加工して粒子化したもの、あるいは生物の堆積物でできる石灰岩、人工的につくられるコンクリート材や、これら粉砕物を単独あるいは複合して形状化したものも湿潤体素材の範疇に含める。例えば、薄層揚水体表面加工として、粒形を一律にした砂や溶岩の粉末粒子を接着剤等で固着するものなどである。
「躯体」の素材は、非透水性と透水性のタイプどちらの素材でもかまわない。非透水性素材はプラスチック、ゴム、金属等、特に限定されないが、折り曲げが容易で、かつ、経時的な耐久性に優れた素材であることが好適である。このような点から、ビニール、プラスチック(防水ゴム)等の耐錆性に優れたものが、躯体を構成する好適な素材として例示される。透水性の素材として、紙、布、綿、パルプ、乾燥木材、防腐処理木材などの天然の植物性繊維素材あるいはこれに樹脂コーティングをしたものでもよい。また、スポンジなどの化学合成系の吸水性プラスチック素材、多孔質または発泡性のセラミック・陶磁、ガラス、グリーンビズ、モルタル、コンクリート二次製品、レンガ、タイル、など溶液を水位よりも上部に引き上げることが可能な構造体であればよく、その材質およびその組み合わせは特に限定されるものではない。なお、パルプの形状は「おがくず」のようなものをキキサーで粒子化や微小化してもよい。またミズゴケ、ピートモス、お茶の葉(使用済みのものを含む)および植物全般の葉およびこれを微細化したもの、土壌全般(黒土や畑土、肥料含有土、パーライトやバーミキュライトなどの人工発泡石、粘土、シルトおよびこの乾燥粉末)、砂岩・泥岩などの砕屑性、凝灰岩などの火砕性、氷河堆積岩などの破砕性といった堆積岩、溶岩・火山噴出物・マグマなどから形成される火成岩、あるいは生物の堆積物でできる石灰岩、人工的につくられるコンクリート材や、これら粉砕物を単独あるいは複合して形状化したものも素材の範疇に含める。
植物を養生する基盤の厚さは特に限定されないが、養生面が水平式において厚さは1mm〜100mm程度で、好適範囲は7mm〜30mmであり、養生面が水平式以外において厚さは1mm〜10m程度で、好適範囲は30mm〜900mmである。
本基盤において、輸送体または水路の膜の厚さは特に限定されないが、0.1mm〜100mm程度、通常は2mm〜50mmが好適である。また、その素材は、プラスチック、ゴム、金属等、特に限定されないが、折り曲げが容易で、かつ、経時的な耐久性に優れた素材であることが好適である。このような点から、ビニール、プラスチック(防水ゴム)等の耐錆性に優れたものが、水路体を構成する好適な素材として例示される。
本基盤において養生されるコケ植物は特に限定されず、自然界に自生しているコケ植物をそのまま用いることも可能であり、栽培法で得たコケ植物を用いることも可能である。また、いわゆる培養法〔例えば、「植物バイオテクノロジーII」,東京化学同人:現代化学・増刊20の第39頁「蘚苔類の培養」(小野著)等参照のこと〕を用いた「培養ゴケ」を用いることも可能であるが、通常は、栽培法で得たコケ植物を用いることが好ましい。
この栽培されたコケ植物は、通常の栽培法で得たコケ植物を用いることができるが、特に、本発明においては、以下の方法で得られる、コケ植物断片群を用いることが好ましい。
すなわち、生長したコケ植物の群落の頂部近傍を切断し、切断したコケ植物断片を収穫物として用い、切断されたコケ植物の群落の養生を継続して行い、かつ、この養生と収穫のサイクルを繰りかえし行う、コケ植物の栽培方法において得られる、上記コケ植物の断片群を、本発明において用いることができる。
この栽培されたコケ植物は、通常の栽培法で得たコケ植物を用いることができるが、特に、本発明においては、以下の方法で得られる、コケ植物断片群を用いることが好ましい。
すなわち、生長したコケ植物の群落の頂部近傍を切断し、切断したコケ植物断片を収穫物として用い、切断されたコケ植物の群落の養生を継続して行い、かつ、この養生と収穫のサイクルを繰りかえし行う、コケ植物の栽培方法において得られる、上記コケ植物の断片群を、本発明において用いることができる。
ここで、生長したコケ植物の群落は、天然のコケ植物の群落であっても、通常のパレット栽培で得られるコケ植物の群落であっても、コケ植物を固定した人工基盤を養生して得られるコケ植物の群落であってもよい。コケ植物の群落は、平置きの状態で養生したものであっても、壁面や法面等において養生したものであってもよい。頂部付近の切断を行う時期は、上記の生長したコケ植物におけるコケ植物が、概ね2〜3cm程度に達した時点が好適である。コケ植物の群落の頂部近傍の切断は、コケ植物の群落の上部(緑が多い部分)を、種々の切断器具、たとえば、ハサミ、バリカン、サンダー等を用いて行うことができる。また、ほうきや刷毛等で、コケ植物の群落の上部をなでつけることによっても、コケ植物の頂部近傍は容易に切断され、所望するコケ植物の断片を得ることができる。
上述した切断工程の後、切断して得たコケ植物の断片は、「収穫物」として、本栽培基において載置されるコケ植物として用いることができる。また、切断された後のコケ植物の群落は、養生を継続して行いコケ植物を再び生長させることができる。この再生長させたコケ植物の群落に対して、再び切断工程を行うことで、コケ植物の断片群を再度得ることができる。この養生と収穫のサイクルを繰りかえし行うことにより、効率的にコケ植物を「収穫物」として得ることができる。
また、本発明が適用され得る生物は、ミズゴケは、コケ植物蘚類 ミズゴケ科 ミズゴケ属(Sphagnum L.)に属する全てを意味し、例えば、日本国原産のものであれば、オオミズゴケ(Sphagnum palustre L.)、イボミズゴケ(Sphagnum papillosum Lindb.)、ムラサキミズゴケ(Sphagnum magellanicum Brid.)、キレハミズゴケ(Sphagnum aongstroemii C.Hartm)、キダチミズゴケ(Sphagnum compactum DC.)、コアナミズゴケ(Sphagnum microporum Warnst.ex Card)、コバノミズゴケ(Sphagnum calymmatophyllum Warnest.& Card.)、ユガミミズゴケ(Sphagnum subsecundum Nees ex Sturm)、ホソバミズゴケ(Sphagnum girgensohnii Russow)、チャミズゴケ(Sphagnum fuscum(Schimp.)H.Klinggr.)、ヒメミズゴケ(Sphagnum fimbriatum Wilson ex Wilson & Hook.f.)、スギハミズゴケ(Sphagnum capillifolium(Ehrh.)Hedw.)、ホソベリミズゴケ(Sphagnum junghuhnianum Dozy & Molk.Subsp.Pseudomolle(Warnest.)H.Suzuki)、ワタミズゴケ(Sphagnum tenellum Hoffm.)、ハリミズゴケ(Sphagnum cuspidatum Hoffm.)、アオモリミズゴケ(Sphagnum recurvum P.Beauv.)、ウロコミズゴケ(Sphagnum squarrosum Crome)等を挙げることができる。また、日本国以外の地域原産のミズゴケを、本発明に適用することも可能であることは勿論である。
ミズゴケ以外のコケ植物では、蘚苔類に属する全てを意味し、例えば、ハリガネゴケ(Bryum capillare Hedw.)、ヤノネゴケ(Bryhnia novae−angliae(Sull.& Lesq.)Grout)、
キミズゼニゴケ)(Pellia endiviaefolia Mitt.)、カマサワゴケ(Philonotis falcata(Hook.)Mitt.)、オオシッポゴケ(Dicranum nipponense Besch.)、アオシノブゴケ(Thuidium
Molk.)Dozy & Molk.)、オオハリガネゴケ(Bryum pseudotriquetrum(Hedw.)Gaertn.)、ヒロハツヤゴケ(Entodon challengeri(Paris)Card.)、カガミゴケ(Brotherella henonii(Duby)M.Fleisch.)、クサゴケ(Callicladium haldanianum(Grev.)H.A.Crum)、コツボゴケ(Plagiomnium acutum(Lidb.)T.J.Kop.)、コバノチョウチンゴケ(Trachycystis microphylla(Dozy & Molk.)Lindb.)、トヤマシノブゴケ(Thuidium kanedae Sakurai)、キブリツボミゴケ(Jungermannia virgata(Mitt.)Steph.)、オオミズゴケ(Sphagnum palustre L.)、ジャゴケ(Conocephalum conicum(L.))、コウヤノマンネングサ(Climacium
アカゴケ(Ceratodon purpureus(Hedw.)Brid.)、ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.)、ミヤマサナダゴケ(Plagiothecium nemorale(Mitt.)A.Jaeger)、ケゼニゴケ(Dumortiera hirsuta(Sw.)Nees)、ハイゴケ(Hypnum plumaeforme Wilson)、ウマスギゴケ(Polytrichum commune Hedw.)、オオスギゴケ(Polytrichum formosum Hedw.)、フロウソウ(Climacium dendroides(Hedw.)F.Weber & Mohr)、オオシラガゴケ(Leucobryum scabrum Sande Lac.)、
polymorpha L.)、ネズミノオゴケ(Myuroclada maximowiczii(Borcz.)Steere & W.B.Schofield)、フデゴケ(Campylopus unbellatus(Arn.)Paris)、エダツヤゴケ(Entodon flavescens(Hook.)A.Jaeger)、オオウロコゴケ(Heteroscyphus coalitus(Hook.)Schiffn.)、ヒノキゴケ(Pyrrhobryum dozyanum(Sande Lac.)Manuel)およびこれら近縁種を特に挙げることができる。
キミズゼニゴケ)(Pellia endiviaefolia Mitt.)、カマサワゴケ(Philonotis falcata(Hook.)Mitt.)、オオシッポゴケ(Dicranum nipponense Besch.)、アオシノブゴケ(Thuidium
Molk.)Dozy & Molk.)、オオハリガネゴケ(Bryum pseudotriquetrum(Hedw.)Gaertn.)、ヒロハツヤゴケ(Entodon challengeri(Paris)Card.)、カガミゴケ(Brotherella henonii(Duby)M.Fleisch.)、クサゴケ(Callicladium haldanianum(Grev.)H.A.Crum)、コツボゴケ(Plagiomnium acutum(Lidb.)T.J.Kop.)、コバノチョウチンゴケ(Trachycystis microphylla(Dozy & Molk.)Lindb.)、トヤマシノブゴケ(Thuidium kanedae Sakurai)、キブリツボミゴケ(Jungermannia virgata(Mitt.)Steph.)、オオミズゴケ(Sphagnum palustre L.)、ジャゴケ(Conocephalum conicum(L.))、コウヤノマンネングサ(Climacium
アカゴケ(Ceratodon purpureus(Hedw.)Brid.)、ギンゴケ(Bryum argenteum Hedw.)、ミヤマサナダゴケ(Plagiothecium nemorale(Mitt.)A.Jaeger)、ケゼニゴケ(Dumortiera hirsuta(Sw.)Nees)、ハイゴケ(Hypnum plumaeforme Wilson)、ウマスギゴケ(Polytrichum commune Hedw.)、オオスギゴケ(Polytrichum formosum Hedw.)、フロウソウ(Climacium dendroides(Hedw.)F.Weber & Mohr)、オオシラガゴケ(Leucobryum scabrum Sande Lac.)、
polymorpha L.)、ネズミノオゴケ(Myuroclada maximowiczii(Borcz.)Steere & W.B.Schofield)、フデゴケ(Campylopus unbellatus(Arn.)Paris)、エダツヤゴケ(Entodon flavescens(Hook.)A.Jaeger)、オオウロコゴケ(Heteroscyphus coalitus(Hook.)Schiffn.)、ヒノキゴケ(Pyrrhobryum dozyanum(Sande Lac.)Manuel)およびこれら近縁種を特に挙げることができる。
さらに、Atrichum undulatum(Hedw.)、P.Beauv(Namigata−Tachigoke)等のAtrichum P.Beauv.(Tachigoke−zoku);Pogonatum inflexum(Lindb.)Lac.(Ko−sugigoke)等のPogonatum P.Beauv(Niwa−sugigoke−zoku);Polytrichastrum formosum(Hedw.)G.L.Smith等のPolytrichastrum G.L.Smith(Miyama−sugigoke−zoku);Polytrichum commune Hedw.(Uma−sugigoke)等のPolytrichum Hedw.(Sugigoke−zoku);Ceratodon purpureus(Hedw.)Bird.(Yanoueno−akagoke)等のCeratodon Bird.(Yanouenoaka−goke−zoku);Dicranum japonicum Mitt.(Shippogoke)、Dicranum nipponense Besch(O−shippogoke)、Dicranum scoparium Hedw.(Kamojigoke)、Dicranum polysetum Sw.(Nami−shippogke)等のDicranum Hedw.(Shippogoke−zoku);Leucobryum scabrum Lac.(O−shiragagoke)、Leucobryum juniperoideum(Brid.)C.Mull.(Hosoba−okinagoke)等のLeucobryum Hampe(Shiragagoke−zoku);Bryum argenteum Hedw.(Gingoke)等のBryum Hedw.(Hariganegoke−zoku);Rhodobryum giganteum(schwaegr.)Par.(O−kasagoke)等のRhodobryum(Schimp.)Hampe(Kasagoke−zoku);Plagiomniumacutum(Lindb.)T.Kop.(Kotsubogoke)等のPlagiomnium T.Kop.(Tsuru−chochingoke−zoku);Trachycystis microphylla(Dozy et Molk.)Lindb.(Kobano−chochingoke)等のTrachycystis Lindb.(Kobano−chochingoke−zoku);Pyrrhobryum dozyanum(Lac.)Manuel(Hinokigoke)等のPyrrhobryum Mitt.(Hinokigoke−zoku);Bartramia pomiformis Hedw.(O−tamagoke)等のBartramia Hedw.(tamagoke−zoku);Climacium dendroides(Hedw.)Web.et Mohr(Furoso)、Climacium japonicium Lindb.(Koyano−mannengusa)等のClimacium Web.et Mohr(Koyano−mannengusa−zoku);Racomitrium ericoides(Web.et Brid)Brid(Hai−sunagoke)、Racomitrium japonicium Dozy et Molk.(Ezo−sunagoke)、Racomitrium canescens(Hedw.)Brid.ssp.latifolium(Sunagoke)、Racomitrium barbuloides Card.(Kobanosunagoke)等のRacomitrium Brid.(Shimofurigoke−zoku);Hypnum plumaeforme Wils.(Haigoke)等のHypnum Hedw.,nom.cons.(Haigoke−zoku);Thuidium Kanedae Sak.(Toyama−shinobugoke)等のThuidium Bruch et Schimp.in B.S.G.(Shinobugoke−zoku)、Sphagnum L.等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらのコケ植物は、単独種類のコケ植物を用いることは勿論のこと、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。特に、強い日照を好むコケ植物(例えば、スナゴケ、ツノゴケ等)と、日陰を好むコケ植物(例えば、ハイゴケ、シッポゴケ、ヒノキゴケ、カサゴケ、トヤマシノブゴケ、チョウチンゴケ類等)を組み合わせて用いることにより、本栽培体が用いられる日照環境に依存せずに、コケ植物の生育を維持することが可能となる。
コケ以外の「他の植物」も栽培可能であり、シダ類を含めた維管束植物全般の養成が可能である。特に発芽した実生を利用する植物であるもやし、スプラウト類である、ダイズ、緑豆、レタス、ゴマの種子および実生等を挙げることができる。また、ハーブ類などの植物としてアーティチョーク、アイスランドポピー、アガスタケ、アグリモニー、アチェトサ、アニス、アルカネット、アルニカ、アルファルファ、アンゼリカ、イエローフロスフラワー、イタリアンパセリ、インジェローニ・ミラノ、ウェルド・ダイヤース、ウォーター・クレス、ウォード、ウッドセージ、ウッドラフ、エキナセア、エルバガット、エルバステラ、エレカンペイン、エンダイブ、オーナメンタル・グラス、オールド・マンズ・ビヤード、オネスティー、オレガノ、オレチ、クレソン、カイヤール、ケシ(食用・観賞用)、コリアンダー、香菜、コウサイ、サットン、サフォークハーブ、シソ、セージ、セイボリー・ウインター、セロリ、ソーレル・ブルーキャットニップ、キャットミント、ナスターチューム・ドワーフシングルフェンネル・スイート(スイートフェンネル)、フレンチ、チャービル、ティル、バジル、パセリ、ヒソップ、フランキ、マロウコモン・ラージフラワー、マロウブルー、ペッパー、ペパーミント、ぺニーロイヤルミント、カラミントなどのミント類、ポピー、ミントペニーロイヤル、ルッコラ、レモンバーム、レモングラス、ロイヤルフルール、ロケット、ローズマリー、ヤロウ、ワームウッドなどが例示できる。また、蔬菜類や野菜類の食用となる植物として、イチゴ、トマト、ナス、キュウリ、メロン、オクラ、トマト、ピーマン、パプリカ、ハバネロ、カボチャ、ズッキーニ、ニガウリ、スイカ、チシャ、アブラナ、キャベツ、レタス、ハクサイ、ホウレンソウ、ネギ、ニラ、ブロッコリー、カリフラワー、カイワレ、カイワレダイコン、トウガラシなどが挙げられる。花、花卉類、観賞植物、緑化植物として、パンジー、ビオラなどのスミレ類、コスモス、ヒマワリ、アスターなどの菊類、ユリ類、コチョウランやデンドロビウムなどのラン類、シバ類(日本シバ、オニシバ、キャッツグラス、リジェネラジオン、ケンタッキブルーグラス、ジェイターフツー、バミューダグラス、ベントグラス)、トルコギキョウなどのキキョウ類、キンレンカ、キンセンカ、ジニア(百日草)、アグロステンマ、ナデシコ、アゲラタム、アサガオ、アジサイ、アスクレピアス、アナキクルス、アネモネ、アマランテ、アブラナ、アビラス、アリッサム、アンセミス、アンドロサセ、イベリスケイトウ、インスタンツ、インパチェンス、ヴァレリアン、エーデルワイス、エキナセア、エキノプス、オーブリエチア、オエノテラ、オキシペタラム、おじぎ草、オシロイバナ、オステオスペルマム、オダマキ、オックスリップ、オミナエシ、カタバミ、キキョウ、サルタン、デイジー、ハゴロモルコウソウ、ヒビスカス、バラ、マーガレット、マリーゴールド、ヤグルマギク、ワレモコウ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また湿原植物や水生植物(水中〜水周辺を中心に生活する植物の総称)一般を挙げることができる。具体的には、シュロガヤツリ、地性ラン(アツモリソウ、クマガイソウ、ミズトンボ、シュンラン、トキソウ、カキラン、サギソウ、パフィオペディルム属、フラグミペディウム属、コチョウラン等)、ユキノシタ科に属する植物、アヤメ科に属する植物、モウセンゴケ科に属する植物(モウセンゴケ、コモウセンゴケ、ドロセラファルコネリー、ドロセラペティオラリス、ドロセラアデラエ、アフリカナガバノモウセンゴケ、ドロセラピグミー、イトバモウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、イシモチソウ、ハエトリソウ、ドロソフィラムルシタニカム、ムジナモ等)、ムシトリスミレ属に属する植物、ビブリス属に属する植物、ウツボカズラ属に属する植物、セファロータス属に属する植物、サラセニア属に属する植物、ダーリングトニア属に属する植物、ホソバノセイタカギク等を例示できる。
植物以外の「動物」としては、サンゴ、イソギンチャクなどの刺胞動物、ウニ、ヒトデ、ナマコなどの棘皮動物、カイメンなどの海綿動物、ホヤなどの原索動物、アワビ、サザエ、ヒザラガイなどの軟体動物、ヌマエビ、テナガエビ、サクラエビ、クルマエビなどの節足動物、トビハゼなどの魚類をふくめた岩礁に生息する生物を例示できる。
本発明により、生きたミズゴケや乾燥ミズゴケ、木材など生物系素材および生物石質やプラスチックなどの非生物系素材など、ミズゴケに限定されることなく、溶液を輸送体を介さずに直接に基盤表面に浸潤または滲水させ、水分および物質の蒸散や生物の養生をすることができる。尚、本発明は揚水体から液体を浸潤または滲水させることにあるため、植物または生物の養生のみに限らず、その使用目的が限定されるものではない。このため生物を養成する目的がなくても、アロマオイル、香水等を含ませた物質を溶液に混入させて、アロマ効果や香りの置物として使用することも可能である。
以下、本発明について、図面を用いつつ説明する。
図1は、垂直壁面タイプの基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。躯体1に湿潤体粒子2は粒子固着用樹脂によって固定され、躯体1と湿潤体粒子2の間に粒子固着用樹脂層3をもつ。溶液は湿潤体粒子2によって揚水力または毛細管現象により吸い上げられ、湿潤性移動経路4を経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。ユニットの湿潤領域の最下部には表面張力維持部4’がある。これは水位5の調節領域である水溜め層5’において調整される。表面張力維持部4’を水遮断体6もしくは最高水位よりも高い位置に設置することで、溶液の移動をユニット内に留めることができる。水位5は表面張力層7を含め、水遮断体の高さを越えないよう排水経路8を確保するためオーバーフロー管9を設置し、オーバーフローした溶液はここから下方に流れ落ちる。連結されたユニットの湿潤粒子をユニットごとに変えることで、湿潤した溶液のpHや溶液中の溶解物質をユニットごとに調整あるいは変化させることも可能である。躯体の厚さは0.1mm〜500mm程度で、好適範囲は7mm〜30mmである。湿潤体を構成する1粒子あたりの大きさは平均径の長さが100nmから20mm程度で、好適範囲は10μm〜3mmである。各ユニットの水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。各ユニットの縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。ただし各ユニットの形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。接着剤は、塩ゴム系、ウレタン系、アクリル系などを使用する。水遮断体はユニット間の溶液の移動を遮断するものであり、これが可能である場合は特になくてもよい。また水遮断体の素材は、柔軟性のものでも固形物質でもよく、内部に空洞や多孔が存在していても使用可能で、シリコン、プラスチック、ゴム、金属等、特に限定されないが、折り曲げが容易で、かつ、経時的な耐久性に優れた素材であることが好適である。このような点から、シリコン、ビニール、プラスチック(防水ゴム)等の耐錆性に優れたものが、水遮断体を構成する好適な素材として例示される。
図1は、垂直壁面タイプの基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。躯体1に湿潤体粒子2は粒子固着用樹脂によって固定され、躯体1と湿潤体粒子2の間に粒子固着用樹脂層3をもつ。溶液は湿潤体粒子2によって揚水力または毛細管現象により吸い上げられ、湿潤性移動経路4を経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。ユニットの湿潤領域の最下部には表面張力維持部4’がある。これは水位5の調節領域である水溜め層5’において調整される。表面張力維持部4’を水遮断体6もしくは最高水位よりも高い位置に設置することで、溶液の移動をユニット内に留めることができる。水位5は表面張力層7を含め、水遮断体の高さを越えないよう排水経路8を確保するためオーバーフロー管9を設置し、オーバーフローした溶液はここから下方に流れ落ちる。連結されたユニットの湿潤粒子をユニットごとに変えることで、湿潤した溶液のpHや溶液中の溶解物質をユニットごとに調整あるいは変化させることも可能である。躯体の厚さは0.1mm〜500mm程度で、好適範囲は7mm〜30mmである。湿潤体を構成する1粒子あたりの大きさは平均径の長さが100nmから20mm程度で、好適範囲は10μm〜3mmである。各ユニットの水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。各ユニットの縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。ただし各ユニットの形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。接着剤は、塩ゴム系、ウレタン系、アクリル系などを使用する。水遮断体はユニット間の溶液の移動を遮断するものであり、これが可能である場合は特になくてもよい。また水遮断体の素材は、柔軟性のものでも固形物質でもよく、内部に空洞や多孔が存在していても使用可能で、シリコン、プラスチック、ゴム、金属等、特に限定されないが、折り曲げが容易で、かつ、経時的な耐久性に優れた素材であることが好適である。このような点から、シリコン、ビニール、プラスチック(防水ゴム)等の耐錆性に優れたものが、水遮断体を構成する好適な素材として例示される。
図2は、垂直壁面タイプの基盤ユニットの上蓋を設置した断面図である。上蓋は、ユニット基盤の躯体1と同等の素材でも異なっていてもよく、上蓋躯体1−1の外表面全体に湿潤体を固定することで、上蓋湿潤移動路4−1を経由して外表面に溶液が湿潤する。上蓋の水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。上蓋の縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。ただし上蓋の形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。
図3は、斜面タイプの基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。溶液は斜面が90度以下の斜系湿潤性移動経路4−2、もしくは斜面が90度以上のオーバーハング系湿潤性移動経路4−3のいずれかを経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。ユニットの連結部位には水遮断体6が設けられ、水位はオーバーフロー管9によって調整される。連結後の斜面タイプ基盤ユニットの最下部に排水用の架台10および貯水受け11を設けてもよい。各ユニットの水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。各ユニットの縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。
図4は、溝型壁面タイプの基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。溝形成後付躯体1−2または溝形勢直接躯体1−3によって壁面に溝がつくられ、これにより溝空間12ができる。溶液は湿潤性移動経路4を経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。これら躯体に湿潤体粒子2が粒子固着用樹脂によって固定されるため、その間には粒子固着用樹脂層3をもつ。各ユニットの水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。各ユニットの縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。溝と溝の間(溝空間12)は1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜50cmである。溝形成後付躯体1−2または溝形勢直接躯体1−3の溝部の溝幅は1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜50cmであり、溝の高さ(溝の窪み)は1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜10cmである。溝部の素材は躯体の素材と同じである。
図5は、垂直壁面の表面のコケ植物固定要領図である。湿潤体粒子2が粒子固着用樹脂によって固定されるため、その間には粒子固着用樹脂層3をもつ。ユニットの湿潤領域の最下部にはコケ植物固定表面張力維持部4’−1がある。コケ植物固定表面張力維持部4’−1を水遮断体6もしくは最高水位よりも高い位置に設置することで、溶液の移動をユニット内に留めることができる。コケ植物湿潤材13は固定された湿潤体粒子2の上に固定されるためコケ植物湿潤材13と湿潤体粒子2の間にコケ植物湿潤材固着樹脂層が形成される。尚、ゴケ等の親水性物質および湿潤体粒子2は水溜め体の底部位置まで固定してもよい。コケ植物湿潤材13の種類は特に限定されず、栽培、培養および自然界に自生しているコケ植物ならびにその乾燥物をそのまま用いることも可能であるが、ミズゴケがコケ植物湿潤材13を構成する好適な素材として例示される。
図6は、非疎水性の躯体を使用した上蓋の内部天井、外部表面(屋上面ともいう)および内外壁面の湿潤体固定要領図である。天井構成躯体1−2に天井面湿潤体粒子2−2あるいは屋上面湿潤体粒子2−3を固定し、溶液は内部の天井湿潤体躯体側水路4−4、天井湿潤体空間側水路4−5あるいは外部の屋上湿潤体水路4−6のいずれかを経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。溶液は湿潤体を介して吸水、揚水あるいは毛細管現象による湿潤性移動を行うため、水滴が天井部位から落ちることはない。上蓋内部の天井から、上蓋の下部には天井用水溜め体11−1あるいは天井天端水溜め体11−2を設ける。上蓋の水溜め体の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの躯体の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。上蓋の縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。ただし上蓋の形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。
図7は、天井部位の躯体が湿潤体素材で構成される上蓋上部の天井構成図である。躯体1に側面湿潤体粒子2−1が粒子固着用樹脂によって固定される。また、天井部は湿潤体多重固着粒子2−5をもつ。図8は、天井構成用湿潤体であるの多重固着板1ユニットの構成図である。各ユニットは多重固着板連結棒15によって連結され、それぞれのユニット骨格である粒子固着用板に粒子が固定される。ただし蓋の部位は多重構造に特に限定されるものでなく、単に湿潤体もしくは素材の異なる湿潤体を組み合わせた混合体であってもよい。また網状体13および骨材粒子14を組み合わせてもよく、その素材についても疎水性や親水性は問わない。側面湿潤体粒子2−1は粒子固着用樹脂によって固定されるため、躯体1との間には粒子固着用樹脂層3をもつ。水溜め体から引き上げられ内外部側面に湿潤した移動溶液は、さらに天井湿潤体空間側水路4−5または外部の屋上湿潤体水路4−6を経由して上蓋の湿潤体全体が均一に湿潤する。また湿潤体多重固着粒子2−5からなる上蓋では、溶液は多重固着間内湿潤体水路4−7および多重固着板内湿潤体水路4−8のいずれかを経由して上蓋の湿潤体全体が均一に湿潤する。多重固着板の底部には表面張力維持部4’−2があり、溶液は湿潤体を介して吸水、揚水あるいは毛細管現象による湿潤性移動を行うため、水滴が天井部位から落ちることはない。上蓋の下部には天井用水溜め体11−1あるいは天井天端水溜め体11−2を設ける。さらに水溜め体の下に高上げ部17を設けてもよい。最高水位からの天井までの高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。天井と屋上間の湿潤体の厚さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。ただし上蓋の形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。
図9は、躯体が湿潤体の素材で構成される基盤ユニット断面図である。透水性躯体18では、溶液は透水性湿潤性移動経路4−9を経由して基盤の湿潤体全体が均一に湿潤する。透水性表面張力維持部4’−3は水位5よりも高い位置に設置される。透水性躯体18のユニット間の溶液移動を防止するために、透水性躯体用水遮断体6−1を設けてもよい。透水性表面張力維持部4’−3は最高水位よりも高い位置に設置することで、溶液の移動をユニット内に留めることができる。透水性躯体18に湿潤する溶液は、貯水槽19から引き上げられる。貯水槽19の深さは0.1mm〜5m程度で、好適範囲は1mm〜50cmである。最高水位からの湿潤性躯体18の高さは1mm〜10m程度で、好適範囲は1cm〜1mである。湿潤性躯体18の厚さは、0.1mm〜10m程度で、好適範囲は1mm〜1mである。各ユニットの縦および横の大きさはどちらも1cm〜1km程度で、好適範囲は3cm〜10mである。ただし湿潤性躯体18の形状は三角形以上の多角形、円形およびこれ以外の形あるいは不定形でもよい。立体的形状についても円錐型、円柱型、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。図10は、躯体が湿潤体の素材で構成される基盤ユニットを連結した構成図である。ユニットとユニットの透水性躯体18の間に透水性躯体用水遮断体6−1を挟み込んで設置することで貯水槽19から湿潤した溶液がユニットからユニットへ移動することを遮断できる。図11は、透水性躯体18で構成される基盤ユニット連結姿図である。各ユニットは一定の水位5を保てることが可能である。ユニット間にはそれぞれ透水性躯体用水遮断体6−1を設けられ、最下層に貯水受け11を設置する。
図12は、素焼き鉢または透過性の素材の鉢状構造ユニット基盤、およびこれを連結した断面図である。鉢状構造ユニット表面張力維持部は、水位5よりも高い位置に設置され、ユニット間の溶液移動を防止するために遮断体6を設けてもよい。また、単に防水層6−2を設けた鉢などの透水性容器18−1を同一方向20に容器と容器を重ね合わせることでもユニット間の溶液移動を遮断できるため、含水調整基盤と同等の効果および機能を保持することが可能となる。防水層の素材は、柔軟性のものでも固形物質でもよく、内部に空洞や多孔が存在していても使用可能で、シリコン、プラスチック、ゴム、金属等、特に限定されないが、柔軟性に富み、かつ経時的な耐久性に優れた素材であることが好適である。このような点から、シリコン、ビニール、プラスチック(防水ゴム)、防水性の塗料などが、防水層の素材として好適である。
図13は、2つの水溜め体をもつ基盤ユニットの断面図である。また、図14は、2つの水溜め体をもつ基盤ユニットを連結した時の上面図である。溶液はブロックユニット湿潤性移動経路4−11を経由し、基盤の湿潤体全体が均一に湿潤する。ブロックユニット表面張力維持部4’−5は水位5よりも高い位置に設置される。水位が一定の高さを越えないようにオーバーフロー管9を設置し、オーバーフローした溶液はここから下方に流れ落ちる。ブロック型ユニットには、ブロック空間部21’およびブロック貯水槽22’があり、ユニットどうしの水平方向の連結は、ブロック凸部23を片側に設けブロック凹部24に連結することでレンガ式の連続的な施工が可能になる。各ユニットの縦および横および高さはいずれも1cm〜1m程度で、好適範囲は3cm〜50cmである。湿潤体素材はとくに限定はされないが、透水性の素材であれば石材・コンクリートブロック、透水性レンガ、素焼きレンガ、多孔質コンクリートが好適であり、疎水性であれば粒子加工をすることにより金属、プラスチック、ゴム、ガラス素材などを固定できる。また、表面処理は、状態を湿潤性移動が可能なようにビシャン処理またはサンドブラスト処理を行ってもよい。図15は、2つの水溜め体をもつ基盤ユニットを連結した時の構成図である。1ユニットに2つの同形の水溜め体を設け、上段または下段のユニットとの連結の際に片方の水溜め体のみ挿入することにより、垂直方向の施工がレンガ格子状に連続してくみ上げることができる。姿図でのブロックユニット内水溜め体間移動可能湿潤性移動経路4−11’によりブロックユニット内水溜め体間表面張力維持部4’−5がつくられる。ブロックユニットは立方ブロック空間部21’−1をもち、立方ブロック凸部23’−1を片側に設け姿見ブロック凹部24に連結する。
図16は、突起状あるいは平板壁面タイプの基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。湿潤体粒子2は粒子固着用樹脂によって固定され、躯体と湿潤体粒子2の間に粒子固着用樹脂層3をもつ。溶液は湿潤体粒子2によって湿潤性移動をし、突起状湿潤性移動経路4−12を経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。突起状壁面表面張力維持部4’−7は水位5よりも高い位置に設置される。突起体25および平板体25’の素材は躯体素材と同じである。突起体25と突起体25の間隔、もしくは平板体25’と平板体25’の隙間(突起体または平板体空間26)は、1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜50cmである。突起体25の径は0.1mm〜30cm程度で、好適範囲は3mm〜10cmであり、突起体25の長さは1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜10cmである。平板体25’の厚みは0.1mm〜50cm程度で、好適範囲は1mm〜10cmであり、平板体25’の長さは1mm〜1m程度で、好適範囲は3mm〜10cmである。ただし突起体25の形状は三角形以上の多角形をした角錐や角柱、あるいは円錐、円柱、楕円形、ドーム型、コンベックス(蒲鉾状)およびこれ以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。また平板体25’の形状は、直線形状、曲線形状、波板状、これら以外の形あるいは不定形でもよく、特に形状を定めるものではない。
図17は、上下一体型基盤の断面図である。溶液は、上部ユニット湿潤性移動経路4−15あるいは下部ユニット湿潤性移動経路4−16を経由して、基盤の湿潤体全体が均一に湿潤する。上部ユニットは上部ユニット表面張力維持部4’−8を、下部ユニットは下部ユニット表面張力維持部4’−9をもつ。上部ユニット表面張力維持部4’−8と下部ユニット表面張力維持部4’−9との境界領域には、各ユニットの表面張力維持部を保持するために上下一体型用遮断体6−2を設けてもよい。水位が一定の高さを越えないようにオーバーフロー管9を設置し、オーバーフローした溶液はここから下方に流れ落ちる。下部ユニットの最下部には貯水受け11を設けてもよい。
図18は、水溜め体−貯水槽一体型基盤ユニットおよびこれを連結した断面図である。躯体1に湿潤体粒子2は粒子固着用樹脂によって固定され、躯体1と湿潤体粒子2の間に粒子固着用樹脂層3をもつ。溶液は湿潤体粒子2によって揚水力または毛細管現象により吸い上げられ、水溜め体湿潤性移動経路4−13および貯水槽湿潤性移動経路4−14を経由して基盤表面に固定された湿潤体全体が均一に湿潤する。本基盤は、1ユニットに2つの水位5をもち下部の水位は水溜め体−貯水槽一体型基盤ユニット貯水受け19−1で調整される。
図19は、壁面ユニットを連結し根茎植物28を養成した時の姿図である。表の壁面は全て均一の含水量をもっている。側面には壁29をとりつけてもよい。植物はコケ植物を養成することはもちろんシダや藻類およびキノコなどの菌類を養成することも可能である。連結基盤には一連の状態にポンプを設置し循環し使用することもできる。
図20は、不定形表面ユニットを連結し根茎植物28および地這植物30を養成した時の姿図である。外表面のユニットとユニットの間には水遮断体6を設ける。本ユニットに貯水受け11および貯水部受け台31を設置してもよい。
Claims (9)
- 水、油体、溶媒、もしくは揮発性物質や可溶性物質が溶解した液体あるいは生物を生存・増殖させる養生液(以下、これらを総括して溶液という)を、静置または流動状態で一定液量確保可能な構造体(以下、水溜め体という)から、液滴と同等もしくはそれ以上の直径、幅、あるいは容積をもつ管状、水路状、袋状等の構造をした液体移動(以下、単に流動性移動という)をさせる構造体を介することなく、吸水、揚水あるいは毛細管現象によって水を移動(以下、これらを総称して湿潤性移動という)させ、垂直・水平・斜面を含むあらゆる角度の基盤表面に溶液を移動あるいは保持し、かつその表面の溶液含量を均一に調整維持できる湿潤基盤。
- 前記湿潤基盤において、湿潤性移動のための素材が、ミズゴケ等の生物資源素材に限定されないことを特徴とする、請求項1記載の湿潤基盤。
- 前記湿潤基盤において、水溜め体にある溶液が一定以上の水位を超えると流れ出る構造が設けられていることを特徴とする、請求項1および2記載の湿潤基盤。
- 前記湿潤基盤の水溜め体より一度引き上げられた溶液の移動が、もとの水溜め体に戻らず下方に向かう場合、その移動した溶液の高さが水溜め体に設けた最高水位よりも常に高い位置に保たれる構造をもつことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の湿潤基盤。
- 前記湿潤基盤で移動した溶液の高さが水溜め体の最高水位よりも下部に移動しないよう溶液を遮断するための構造が設けられていることを特徴とする、請求項目1〜4のいずれかに記載の湿潤基盤。
- 前記湿潤基盤において、水溜め体に貯留された溶液が、湿潤性移動を可能にする素材あるいは構造体を通じて、上方および下方に向かって移動し基盤表面全体にわたり溶液が供給され浸潤維持できることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤基盤の使用方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤基盤において、水溜め場の溶液が蒸発あるいは気化することによって、当該基盤を設置した空間の空中温度および空間湿度の調整を行うことを特徴とする、請求項6記載の湿潤基盤の使用方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の湿潤基盤において、水溜め場に揮発性あるいは芳香性、アロマ効果、あるいは忌避物質・殺虫性物質を含んだ物質を入れ溶液を作製することで、基盤表面に移動した溶液からこれら物質を、当該基盤を設置した空間に拡散させる、請求項7記載の湿潤基盤の使用方法。
- 前記使用方法において、表面全体にわたり溶液が湿潤することで、生きたミズゴケや乾燥ミズゴケだけでなく石質やプラスチック素材などの非生物系素材をもつ表面構造上に、コケ植物または他の植物、および動物の養生、あるいは有効物質を保有する生物を養成することにより当該基盤設置空間に物質の拡散を行うことを特徴とする、請求項8記載の湿潤基盤の使用方法。
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