JP2013229521A - グラフェン積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラフェンを含むグラフェン積層体のより簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】基材表面にグラフェンを形成する工程、グラフェン上に処理層を形成する工程、処理層上に樹脂層を形成する工程、及び、基材からグラフェンを剥離する工程を含むグラフェン積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラフェンを含むグラフェン積層体の製造方法に関する。
グラフェンは、sp結合した炭素原子により形成された平面状結晶を有し、その高い導電性と高い光透過性から、集積回路や透明電極への利用が期待されている。グラフェンを製造する方法としては、プラズマCVD法(例えば、特許文献1)、熱CVD法(例えば、非特許文献1)や、エピタキシャル形成法(例えば、特許文献2)などが知られている。これらの方法では、銅箔などの無機材料の基板上にグラフェンが形成されるため、グラフェンを実用するためには基板からグラフェンを剥離する必要がある。
金属製などの基板からグラフェンを剥離させる方法としては、一般的にエッチング法が採用されている。しかしながら、エッチング法は煩雑であって、時間やコストがかかり、大量生産に不向きであるだけでなく、エッチング液によりグラフェン積層体が着色するという問題がある。
エッチング法によらない剥離法として、グラフェン上に接着用の金属層を形成し、基材を剥離する方法が知られている。しかしながら、真空蒸着法やスパッタ法などの方法で金属層を形成するという煩雑な作業が必要となるだけでなく、得られたグラフェン積層体は金属層の形成により透明ではなくなるという問題がある。
国際公開第2011/115197号パンフレット 特開2011−6265号公報
Science,Vol.324,p.1312−1314(2009) Nano Letters,Vol.9,p.30−35(2009)& Supporting Information
本発明は上記の課題に鑑み、グラフェンを含むグラフェン積層体のより簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、グラフェン上に処理層を形成し、処理層上に樹脂層を設けることで、グラフェンを基材から極めて簡便に剥離できることを見出した。そして、上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材表面にグラフェンを形成する工程、グラフェン上に処理層を形成する工程、処理層上に樹脂層を形成する工程、及び、基材からグラフェンを剥離する工程を含むグラフェン積層体の製造方法に関する。
さらに、樹脂層を形成した後に、樹脂層上に基板を接着する工程を含むことが好ましい。
グラフェンが2〜50層からなることが好ましい。
処理層が、ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、及び、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物から形成されることが好ましい。
上記ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物が、酸無水物、フタルイミド化合物、マレイミド化合物、アクリル系化合物、及び、メタクリル系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記ラジカル開始剤が、アゾ系化合物、有機過酸化物、ハロゲン化物、トリエチルボラン、ジエチル亜鉛、過酸化水素と鉄(II)塩の混合物、及び、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物が無水マレイン酸であることが好ましい。
上記樹脂層がエポキシ樹脂層であることが好ましい。
上記基材が銅箔、ニッケル箔又は炭化ケイ素(SiC)であることが好ましい。
上記基板がポリマー、ガラス、石英、シリコン、セラミック、繊維、紙、及び、金属からなる群から選ばれることが好ましい。
また、本発明は、本発明に係るグラフェン積層体の製造方法により得られるグラフェン積層体に関する。
また、本発明は、
(A)グラフェン、
(B)ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、及び、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物から形成された処理層、及び、
(C)樹脂層
を含むグラフェン積層体に関する。
本発明に係るグラフェン積層体の製造方法によれば、グラフェン積層体をエッチング法より簡便に製造することができるので、製造時間の短縮及び低コスト化を実現する。また、樹脂層として透明樹脂を使用すれば、透明なグラフェン積層体を作製することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
本発明のグラフェン積層体の製造方法は、基材表面にグラフェンを形成する工程、グラフェン上に処理層を形成する工程、処理層上に樹脂層を形成する工程、及び、基材からグラフェンを剥離する工程を含む。
<基材表面にグラフェンを形成する工程>
該工程で使用する基材としては、従来グラフェン積層体の製造に用いられてきた材料を用いることができる。具体的には、銅、ニッケル、金、鉄、ステンレス鋼(SUS)などの金属箔や、炭化ケイ素(SiC)などの基板を挙げることができる。中でも、入手性の観点から、銅箔、ニッケル箔又はSiCを用いることが好ましい。
グラフェンの形成は、基材の材質に応じて上述の公知の方法により形成することができる。たとえば、プラズマCVD法、熱CVD法、エピタキシャル形成法、グラファイトの剥離などが挙げられる。
プラズマCVD法としては、国際公開第2011/115197A9号パンフレットや国際公開第2011/105530号パンフレットに記載の方法が挙げられる。
銅箔基板の表面形状を変化することなく、また銅箔の蒸発を生じることなく透明導電性炭素膜を形成するためのCVD処理を施すためには、銅の融点(1080℃)より十分低温において処理することが好ましい。通常のマイクロ波プラズマCVD処理は、圧力2×10〜1×10Paで行われる。この圧力ではプラズマが拡散しにくく、プラズマが狭い領域に集中するため、プラズマ内の中性ガスの温度が1000℃以上になる。よって、銅箔基板の温度が800℃以上に加熟され、銅箔表面からの銅の蒸発が大きくなるため、透明導電性炭素膜の作製に適用できなくなる。また、プラズマ領域を均一に広げるには限界があり、大面積に均一性の高い透明導電性炭素膜の形成が困難である。したがって、成膜中の銅箔基板の温度を低く保ち、かつ大面積に均一性の高い透明導電性炭素膜を形成するには、より低圧でのプラズマ処理が好ましい。そのため、10Pa以下でも安定にプラズマを発生・維持することが可能な、マイクロ波表面波プラズマを発生させ、CVD処理に利用することが好ましい。
マイクロ波表面波プラズマについては、例えば文献「菅井秀郎,プラズマエレクトロニクス,オーム社2000年,p.124−125」に詳述されている。これにより、銅箔基板の融点より十分に低い温度にすることができ、かつ380mm×340mm以上の大面積に均一なプラズマを発生させることもできる。
CVD処理の条件としては、基板温度は、500℃以下であり、好ましくは200℃〜450℃である。また、圧力は、50Pa以下であり、好ましくは2〜50Pa、さらに好ましくは5〜20Paである。処理時間は、特に限定されないが、1〜600秒程度、好ましくは1〜60秒程度である。この程度の処理時間によれば、高い光透過率と電気伝導性を有する透明導電性炭素膜が得られる。
マイクロ波プラズマCVD処理に用いる原料ガス(反応ガス)は、含炭素ガス又は含炭素ガスと不活性ガスからなる混合ガスである。含炭素ガスとしては、メタン、エチレン、アセチレン、エタノール、アセトン、メタノール等が包含される。不活性ガスとしてはヘリウム、ネオン、アルゴン等が包含される。
含炭素ガス又は含炭素ガスと不活性ガスからなる混合ガスにおいて、その含炭素ガスの濃度は30〜100モル%、好ましくは60〜100モル%である。含炭素ガスが前記範囲より少なくなると透明導電性炭素膜の電気伝導率の低下等の問題が生じるので好ましくない。
また、前記含炭素ガス又は前記混合ガスに、基材表面の酸化を抑制するための酸化抑制剤を添加ガスとして加えたものが用いられることが好ましい。添加ガスとしては、水素ガスが好ましく用いられ、CVD処理中の銅箔基材表面の酸化抑制剤として作用し、電気伝導性の高い透明導電性炭素膜の形成を促す作用を示す。この水素ガスの添加量は、前記含炭素ガス又は前記混合ガスに対し、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜20モル%である。
グラフェンの厚みは、グラフェン積層体の用途に応じて選択することができ、特に限定されないが、2〜50層であることが好ましく、2〜10層であることがより好ましい。1層であると、ラジカル反応により導電性が失われるおそれがある。また、51層以上であると、光透過率が悪くなるおそれがある。グラフェンの層数は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた目視やラマンスペクトルにより同定することができる。ラマンスペクトルの場合、2DバンドとGバンドのピークの相対強度を用いてグラフェンの層数を同定する(非特許文献2参照)。
<グラフェン上に処理層を形成する工程>
グラフェンと樹脂層との間に処理層を形成することにより、グラフェンと樹脂層を強固に接着することができる。
処理層は、グラフェンと樹脂層の両方に接着性を有していれば特に限定されず、たとえば接着剤、プライマー、粘着剤として使用されるような材料を適用することができる。たとえば、ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、および、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物を使用することが好ましい。該硬化性組成物をコーター等でグラフェン上に塗布し、ラジカル反応させて硬化させることにより処理層が形成される。
ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物としては、酸無水物、フタルイミド化合物、マレイミド化合物、アクリル系化合物、メタクリル系化合物等を挙げることができる。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、2,3−ジメチルマレイン酸無水物等が挙げられる。
フタルイミド化合物としては、フタルイミド、N−アリルフタルイミド、N−ビニルフタルイミド等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド等が挙げられる。
アクリル系化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等が挙げられる。
メタクリル系化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、無水マレイン酸が入手性、反応性の観点から好ましい。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物中のラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物の濃度は、0.01〜20mol/Lであることが好ましい。濃度は、0.1mol/L以上であることがより好ましく、0.5mol/L以上であることが特に好ましい。また、5.0mol/L以下であることがより好ましく、2.0mol/L以下であることがさらにより好ましく、1.0mol/L以下であることが特に好ましい。0.01mol/L未満であると、グラフェンが樹脂に接着しないおそれがある。また、20mol/Lを超えると、処理層からラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物が析出するおそれがある。
ラジカル開始剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等)、有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド等)、ハロゲン化物(N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド等)、トリエチルボラン、ジエチル亜鉛、過酸化水素と鉄(II)塩の混合物、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの混合物等を使用することができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル開始剤は、ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物1molに対して、0.01〜1.0mol当量使用することが好ましい。
硬化性組成物には、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば溶媒(メチルエチルケトン、トルエン、ジメチルホルムアミド、キシレン、ベンゼン、水等)を挙げることができる。
ラジカル反応は、公知の方法により実施することができる。硬化性組成物の成分に応じて選択すればよいが、光反応又は熱反応であることが好ましい。
<処理層上に樹脂層を形成する工程>
樹脂層を形成する樹脂は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、処理層を形成するラジカル反応性化合物が無水マレイン酸である場合は、処理層との接着性の観点からエポキシ樹脂が好ましい。
樹脂層を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、処理層上に樹脂組成物をバーコーター、スピンコーター、スプレー、ディップ法等で塗布した後、光反応、熱反応、加圧等により樹脂組成物を硬化させて形成することができる。
なお、樹脂層上に後述する基板を接着する場合は、塗布した樹脂組成物を硬化させずに次の工程に進むこともできる。その場合は、樹脂組成物上に基板を貼り合わせた後、樹脂組成物を硬化させてもよい。
樹脂層がエポキシ樹脂層である場合は、例えば、エポキシ系化合物(ビスフェノール系エポキシ樹脂、フェノールノボラック系樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシル系樹脂等)に、アミン系化合物(テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンテトラミン等)、変性アミン系化合物(ケチミン等)、酸無水物系化合物(無水フタル酸、無水トリメリット酸等)、イミダゾール化合物(2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、ポリメルカプタン化合物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、及び、光硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を混合することにより樹脂層を形成することができる。
<樹脂層上に基板を接着する工程>
樹脂層上に、必要に応じてさらに基板を積層してもよい。その場合は、上述のように樹脂組成物上に基板を貼り合わせた後樹脂組成物を硬化させて接着させる方法、樹脂層を形成した後基板を接着する方法等により基板を積層することができる。
基板の材質は特に限定されず、例えば、ポリマー(ポリエチレンテレフタラート、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン等)、ガラス、石英、シリコン、セラミック(マイカ等)、繊維、紙、金属等から選択することができる。
これらの中でも、グラフェン積層体の光透過性の観点から、ガラス、石英及びポリマーが好ましい。
<基材からグラフェンを剥離する工程>
グラフェンと基材を剥離する方法は特に限定されず、例えば、機械的剥離、電気剥離、超音波剥離法、熱剥離法等を挙げることができる。剥離強度は、基材がグラフェンから離れる程度であればよい。
本願発明の製造方法によれば、処理層によりグラフェンと樹脂層が強固に接着されるので、グラフェン−処理層−樹脂層の積層体を基材から容易に剥離することができる。
<グラフェン積層体>
グラフェン積層体は、(A)グラフェン、(B)ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、及び、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物から形成された処理層、及び、(C)樹脂層を含む。上述のように、基材、グラフェン、処理層、樹脂層、及び、必要に応じてさらに基板を順次積層させた後、基材からグラフェンを剥離することにより製造される。
グラフェン(A)の厚さは特に限定されないが、下限は0.1nm以上が好ましく、0.5nm以上がより好ましい。上限は1000nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、20nm以下がさらにより好ましい。0.1nm未満であると、導電性が失われるおそれがある。また、1000nmを超えると、光透過率が下がり不透明になるおそれがある。
処理層(B)の厚さは特に限定されないが、下限は0.01μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。上限は200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらにより好ましい。0.01μm未満であると、接着性が不十分となるおそれがある。また、200μmを超えると、光透過率が下がり不透明になるおそれがある。
<用途>
本発明に係るグラフェン積層体は、電気伝導性を有するため、タッチパネル、太陽電池、有機FET、有機EL等に好適に使用することができる。
以下に、具体的な実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種原料について、まとめて説明する。
エポキシ樹脂:「クリスタルレジン」、日新レジン株式会社製
PETフィルム:O−100(厚さ100μm)、帝人株式会社製(ウシオ電気株式会社製UVランプによりUV−オゾン処理したもの)
(合成例1)
国際公開第2011/115197A9号パンフレットの実施例1に記載の条件で、表面プラズマCVD法により、銅箔グラフェン(グラフェン層数10層以下、サイズ25mm×50mm)を作製した。グラフェン層数はラマンスペクトル、及び、光線透過率の測定結果から同定した。グラフェン層数は、グラフェン一層当たり光線透過率が2.3%損失するものとして算出した。
(実施例1)
無水マレイン酸1.0g(10.2mmol)とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.10g(0.96mmol)をメチルエチルケトン(10mL)に溶解させ、硬化性組成物を作製した。合成例1で作製した銅箔グラフェンをこの硬化性組成物に浸潤させた後、80℃で1時間反応させ、グラフェン上に処理層を形成した。この処理層上にエポキシ樹脂1mLをバーコーターで塗布し、UV−オゾン処理したPETフィルムを貼りあわせた。得られた積層フィルムを50℃、0.5MPaで3時間処理後、50℃、常圧で終夜反応させ、エポキシ樹脂を硬化させた。銅箔からグラフェン積層体をT型剥離強度試験機(EZ−TEST−S、株式会社島津製作所製)を用いて60mm/minの速度で引きはがし、グラフェン積層体を得た。得られた積層体、及び、エポキシ樹脂層の厚さは、それぞれ、111μm及び11μmであった。
得られたグラフェン積層体の表面抵抗を4端子4探針法抵抗測定機(ロレスタGP MCP−T600型、JISK7194に準拠、株式会社三菱化学アナリテック製)で、全光線透過率及びヘイズをヘイズメーター(NDH5000SP、JISK7361−1及びJISK7136に準拠、日本電色工業株式会社製)でそれぞれ測定した。測定結果を表1に示した。
(実施例2)
無水マレイン酸0.5g(5.1mmol)とAIBN0.05g(0.48mmol)を用いた点以外は実施例1と同様の手法でグラフェン積層体を作製した。得られた積層体、及び、エポキシ樹脂層の厚さは、それぞれ、121μmおよび20μmであった。測定結果を表1に示した。
(実施例3)
無水マレイン酸0.25g(0.25mmol)とAIBN0.025g(0.24mmol)を用いた点以外は実施例1と同様の手法でグラフェン積層体を作製した。得られた積層体、及び、エポキシ樹脂層の厚さは、それぞれ、138μmおよび35μmであった。測定結果を表1に示した。
(実施例4)
無水マレイン酸0.13g(0.13mmol)とAIBN0.013g(0.12mmol)を用いた点以外は実施例1と同様の手法でグラフェン積層体を作製した。得られた積層体、及び、エポキシ樹脂層の厚さは、それぞれ、113μmおよび10μmであった。測定結果を表1に示した。
(比較例1)
合成例1で作製した銅箔グラフェンのグラフェン上にエポキシ樹脂1mLをバーコーターで塗布し、UV−オゾン処理したPETフィルムを貼りあわせた。得られた積層フィルムを50℃、0.5MPaで3時間処理後、50℃、常圧で終夜反応させ、硬化させた。銅箔からグラフェン−エポキシ−PETの積層体をT型剥離強度試験機(EZ−TEST−S、株式会社島津製作所製)を用いて60mm/minの速度で引きはがし、積層体を得た。得られた積層体のエポキシ樹脂層の厚さは、141μmであった。
得られた積層体の表面抵抗を4端子4探針法抵抗測定機(ロレスタGP MCP−T600型、JISK7194に準拠、株式会社三菱化学アナリテック製)で、全光線透過率及びヘイズをヘイズメーター(NDH5000SP、JISK7361−1及びJISK7136に準拠、日本電色工業株式会社製)でそれぞれ測定した。測定結果を表1に示した。
Figure 2013229521
以上の結果から、グラフェンと樹脂層との間に処理層を形成した場合、銅箔を容易に剥離することができ、また、得られたグラフェン積層体は良好な導電性を有することが分かる。

Claims (12)

  1. 基材表面にグラフェンを形成する工程、
    グラフェン上に処理層を形成する工程、
    処理層上に樹脂層を形成する工程、及び、
    基材からグラフェンを剥離する工程を含むグラフェン積層体の製造方法。
  2. さらに、樹脂層を形成した後に、樹脂層上に基板を接着する工程
    を含む請求項1に記載のグラフェン積層体の製造方法。
  3. グラフェンが2〜50層からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のグラフェン積層体の製造方法。
  4. 処理層が、ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、及び、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物から形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン積層体の製造方法。
  5. 前記ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物が、酸無水物、フタルイミド化合物、マレイミド化合物、アクリル系化合物、及び、メタクリル系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のグラフェン積層体の製造方法。
  6. 前記ラジカル開始剤が、アゾ系化合物、有機過酸化物、ハロゲン化物、トリエチルボラン、ジエチル亜鉛、過酸化水素と鉄(II)塩の混合物、及び、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であること特徴とする請求項4又は5に記載のグラフェン積層体の製造方法。
  7. 前記ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物が無水マレイン酸であることを特徴とする請求項5又は6に記載のグラフェン積層体の製造方法。
  8. 前記樹脂層がエポキシ樹脂層であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のグラフェン積層体の製造方法。
  9. 前記基材が銅箔、ニッケル箔又は炭化ケイ素(SiC)であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のグラフェン積層体の製造方法。
  10. 前記基板がポリマー、ガラス、石英、シリコン、セラミック、繊維、紙、及び、金属からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項2〜9のいずれかに記載のグラフェン積層体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られるグラフェン積層体。
  12. (A)グラフェン、
    (B)ラジカル反応性の不飽和結合を有する化合物、及び、ラジカル開始剤を含有する硬化性組成物から形成された処理層、及び、
    (C)樹脂層
    を含むグラフェン積層体。
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