JP2013228350A - 検体抽出液及び該抽出液を用いる検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 イムノクロマトグラフィー法等の検査で、綿棒からの被検物質の抽出やその抽出液の滴下の間違い防止、液飛散による汚染箇所の確認、クレーム発生時の原因追求、展開の進行状況の確認や判定ラインの視認性向上に役立ち、さらに、コントロールの判定部を省いても、又、時間を計測しなくても判定可否の判断をすることできる、安価に実施できる技術を提供する。
【解決手段】 被検物質を検体抽出液で抽出した後に、被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法に用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色が前記標識担体の色と補色の関係にあることを特徴とする検体抽出液、該抽出液を用いた検査を行うテストプレート又はテストストリップ、及び、該抽出液を用いる検査方法による。
【選択図】なし
【解決手段】 被検物質を検体抽出液で抽出した後に、被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法に用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色が前記標識担体の色と補色の関係にあることを特徴とする検体抽出液、該抽出液を用いた検査を行うテストプレート又はテストストリップ、及び、該抽出液を用いる検査方法による。
【選択図】なし
Description
本発明は、検体抽出液及び該抽出液を用いる検査方法に関し、特に、綿棒で採取された被検物質を、イムノクロマトグラフィー法等で検査を行うときに用いる検体抽出液、該抽出液を用いた検査を行うテストプレート又はテストストリップ、及び、該抽出液を用いて行うイムノクロマトグラフィー法の検査方法に関するものである。
インフルエンザ等の検査では、綿棒で鼻腔や咽頭をぬぐって被検物質を採取する。又、鼻腔吸引した液に綿棒を浸して被検物質を採取する。このように綿棒で採取した被検物質を検体抽出液に抽出し、イムノクロマトグラフィー法で検査する。綿棒で採取した被検物質を検体抽出液に抽出する操作として、被検物質を採取した綿棒をチューブに入った検体抽出液に浸たし、チューブの外側から綿棒を指でつまんで揉むようにし、採取した被検物質を絞り出し、さらに、チューブ側面で綿棒をしごくようにして引き抜くことにより、出来るだけ多くの被検物質を絞り出す操作を行い、このようにして被検物質が抽出された検体抽出液を試料とする。その試料をよく攪拌した後に、テストプレートの試料滴下部に決められた滴数を滴下し、検査を行う。テストプレートに滴下された試料の展開が始まり、反応が開始される。この反応が進行し判定が可能な状態かどうかの確認のために、一般にコントロールの判定部が設けられ、コントロールの判定ラインが現れなかった場合を判定不能と判断する。コントロールの判定ラインのみが現れた場合を陰性とし、テストの判定ラインとコントロールの判定ラインの両方が現れた場合を陽性とする(非特許文献1)。
これらの検査において、テストの判定ラインが見難い、コントロールの判定ラインが現れないなどの問題が生じることがある。その理由は、操作方法に起因するものやテストプレートの不具合によるものと様々であり、その原因を特定できないことが多い。又、これらの判定は一般に目視で行われるため、被検物質濃度が検出限界付近の場合は、検査する人によって判定が異なることがある。
この検査の試験結果の視認性を高めるために、テストの判定ラインの色に対して補色となる色素をテストストリップの中に組み込む、又は、補色背景を提供するためにテストストリップの上に透明カラーフィルムを使用するものがある(特許文献1)。又、被検物質が低濃度でも検出可能であり、検体溶液が誤って飛散してもハウジング内部のストリップに影響せず、且つ判定可能な状態が全体から判断できるようにするために、イムノクロマトグラフィー装置のハウジングの観察窓に着色透明の透過率の良いプラスチック材料を観察窓側のハウジング部材と同一のプラスチック材料で同時形成されたものとし、更に、観察窓の色は観察窓から透視する判定ラインの色の視認性を向上させるために、判定ラインの色と補色関係にある色とするものがある(特許文献2)。
非特許文献2には、インフルエンザA/Bの検査において、A型陽性の場合は青色のライン、B型陽性の場合は赤色のライン、反応確認のコントロールライン部には紫色のラインと異なる色のラインが出現すること、黄色の抽出液を採用しているため反応カセットへの検体抽出液滴下の有無を確認することができること、展開の様子(紫色)を目視で確認できること、展開終了後、メンブレンの紫色は無くなり白色に戻ること、が記載されている。
特許文献1,2では、視認性を高めること、飛散による影響の防止、判定可能な状態かどうか装置全体から判定することが可能であり、非特許文献2では、検体抽出液滴下の有無の確認等を行い易くしている。しかし、これらの効果を安価で同時に達成できる技術が望まれる。
『チェック Flu A・B』添付文書(製造販売承認番号 21700AMZ00701000)、(製造販売元 ロート製薬株式会社)
『スタットマーク インフルエンザA/B』の資料(株式会社カイノス)
被検物質を綿棒で採取するインフルエンザ等のイムノクロマトグラフィー法の検査では、綿棒からの検体抽出操作とテストプレートへの滴下操作は、操作方法に基づき間違いなく実施する必要があるため、操作が行い易いものが求められる。又、検体抽出操作や滴下操作中に液飛散による汚染の危険性があり、そのリスク回避のため液の視認性をよくすることが好ましい。この点で、非特許文献2の従来技術では、検体抽出液が黄色に着色されているため、抽出操作や滴下操作における飛散のリスク回避に効果はあるが、以下の課題については解決されていない。
一般に、滴下の試料(被検物質を含む検体抽出液)が粘性の強い液であると展開が遅くなったりストップしたりして判定部位まで到達しない場合、滴下量が適切でない場合や、テストプレートの不具合により、コントロールの判定ラインが出現しなかった場合には判定不能となる。こうした場合に、その判定不能の原因が、試料や操作上の問題かテストプレートの不具合によるものか判らない場合が多いため、このクレームの原因追求が行い易いものが求められる。この点、非特許文献2の従来技術は、判定時のバックグラウンドを低減する必要から、メンブレンを展開中の紫色から展開終了後に白色に戻すものであり、クレームの原因追求という課題は認識されていない。
検査の判定は、判定ラインの出現を目視で確認するために、被検物質の量が少ない場合などでは、テストの判定ラインが薄くて確認が困難となる場合があり、検査する人により相違が生じかねないため、視認性を良くすることが求められる。この点から、非特許文献2の従来技術では、バックグラウンドとなるメンブレンの色を展開終了後に黄色から通常の色(白色)に戻さざるを得ないのである。視認性を良くするという観点からは、特許文献1の従来技術で、バックグラウンドとなるメンブレンの色を補色にすることにより視認性を良くすることが提案されているが、この従来技術でも視認性を向上させる判定時のバックグラウンドとしては、やはりメンブレン自体の色しか認識しておらず、又、飛散のリスク回避やクレームの原因追求といった課題を同時に解決することも認識していない。
さらに、判定が可能どうかを判断するために、従来技術では、コントロールの判定部が設けられているが、イムノクロマトグラフィー法の検査が高価となる要因の一つであるため、コントロールの判定部を無くす、より安価な方法が求められる。
テストの判定ラインやコントロールの判定ラインの確認は、一定の時間以上若しくは一定の時間内で行う必要があるが、時間の計測を必要としない簡便な方法が求められる。
以上のような多くの課題について、簡便且つ安価な方法で同時に解決することを本発明は提案するものである。すなわち、本発明は、被検物質を検体抽出液で抽出した後に、当該被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法に用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色が前記標識担体の色と補色の関係にある検体抽出液を用いることを特徴とする。
さらに、綿棒で採取された被検物質を検体抽出液で抽出して検査するイムノクロマトグラフィー法で用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色がイムノクロマトグラフィー法で用いる標識担体の色と補色の関係にある検体抽出液を用いることを特徴とする。
又、上記に記載された検体抽出液と、テストプレート又はテストストリップとを有する検査セットを用いることを特徴とする。
さらに、上記に記載された検体抽出液を用いた検査に用いるテストプレート又はテストストリップであって、滴下した被検物質を含む検体抽出液の展開により、クロマト用膜担体及び又は吸収部材が検体抽出液の色で着色する状態を見ることで、検査の判定が可能かどうかが判断可能に構成されたテストプレート又はテストストリップを用いることを特徴とする。
又、綿棒で採取された被検物質を検体抽出液で抽出して検査するイムノクロマトグラフィー法による検査方法であって、当該検体抽出液の色が、イムノクロマトグラフィー法で用いる標識担体の色と補色の関係にある検体抽出液を用いることを特徴とするイムノクロマトグラフィー法による検査方法に関する。
さらに、上記のイムノクロマトグラフィー法の検査方法で、滴下した試料(被検物質を含む検体抽出液)の展開により、クロマト用膜担体及び又は吸収部材が検体抽出液の色で着色する状態を見ることで、検査の判定が可能かどうかを判断することを特徴とするイムノクロマトグラフィー法による検査方法に関する。
本発明は、標識担体の色と補色の関係にある色の検体抽出液であり、この着色により検体抽出液が見易くなることによって、無色透明な液に比較し、綿棒からの被検物質の抽出や滴下操作の間違い防止に役立ち、検体抽出液が飛散した場合にはその飛散液の確認が容易となる。
又、滴下された試料の展開とともに展開した部分が検体抽出液の色で着色することにより、検査の進行状況の確認が容易となること、判定ラインの色と補色の関係にあることによりの判定ラインの視認性が良くなること、及び、試料が展開した部分が着色したまま残るためクレーム時の原因追及が容易となるという利点がある。
更に、コントロールの判定部を設けなくても、クロマト用膜担体及び又は吸収部材の着色した状態を見ることで、検査の判定が可能かどうかを判断することができる。又、コントロールの判定部の有無に関わらず、クロマト用膜担体及び又は吸収部材の着色した状態を見ることで、時間を計らなくても判定可能かどうかを判断することができる。
被検物質を検体抽出液で抽出した後に、被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法に用いる検体抽出液を、標識担体の色と補色の関係にある色とすることにより、上記の多くの効果を安価で同時に達成することができる。
本発明の検体抽出液を収容するチューブは、チューブの外側から綿棒をつまんで揉む操作ができる柔らかさの無色又は着色の透明のチューブであり、材質は保存中での検体抽出液の蒸散の少ないものであることが望ましい。チューブの形状は検体抽出液を収容することができる開口部を有したものであればよく、開口部はキャップ又はシールにより封をされる。綿棒で採取した被検物質の抽出時には、キャンプ又はシールを外し、チューブ内に綿棒を差込み、攪拌やつまんで揉む操作によりチューブ内の検体抽出液に抽出する(図1)。
検体抽出液には、標識担体の色と補色の関係にある色素以外に、緩衝剤、塩、有機酸類、糖類、アミノ酸類、EDTAなどのキレート剤、DTTなどのSH試薬、各種動物由来のアルブミン、動物血清、γ−グロブリン、ヒトIgGやIgMに対する抗体、非イオン及び又はイオン性の界面活性剤、アジ化ナトリウムなどの防腐剤を含有してもよい。これらの含有濃度は適宜選択できる。検体抽出液のpHは4.0−10.0であり、好ましくは5.0−9.0、更に好ましくは、6.0−8.0である。
検体抽出液は、一例として、
30mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic aci d,monohydrate:pH7.0)
0.9% 塩化ナトリウム
0.01% トリトンX−100
0.01% ウシ血清アルブミン
0.09% アジ化ナトリウム
上記の溶液に、標識担体の色と補色の関係にある色素を添加することによって調製できる。
30mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic aci d,monohydrate:pH7.0)
0.9% 塩化ナトリウム
0.01% トリトンX−100
0.01% ウシ血清アルブミン
0.09% アジ化ナトリウム
上記の溶液に、標識担体の色と補色の関係にある色素を添加することによって調製できる。
検体抽出液を着色する色素は、検体抽出液を標識担体の色と補色の関係にある色の透明な着色液にするものであれば良い。色素を含まない検体抽出液に対して、直接溶解可能な色素やエタノール等の溶媒に溶解した色素液、又は、酸やアルカリの溶液に溶解した色素液の一定量を添加溶解し、検体抽出液を透明に着色できるものであればよい。又、検体抽出液のpHにより色調が変化するものであっても意図する色調を示すものであればよく、複数の色素の混合使用もできる。
被検物質と反応する物質を結合した標識担体には、一般に、金コロイド粒子や着色ラテックス粒子が用いられる。例えば、金コロイド粒子は主として赤から赤紫の色であり、その補色関係にある色は、グリーン系統の色であり、グリーン、ライトグリーン、蛍光グリーン、ライムグリーン、シャルトルーズグリーン等の色が含まれる。
この場合に、用いられる色素は、検体抽出液を単独若しくは混合使用によりグリーン系統の色に着色させることができるものであればよく、目的とする色により適宜選択される。例えば、単独若しくは混合使用によりグリーン系統に着色する色素としては、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、食用緑色3号、メチルイエロー、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモチモールブルー、マラカイトグリーン、無機塩類色素などがある。
色素の使用濃度は、検体抽出液に透明な着色を認める濃度、及び、被検物質を含む検体抽出液を試料して検査を行った場合に、クロマト用膜担体や吸収部材が試料の展開したことにより薄く着色する濃度であればよく、使用する色素により適宜選択される。使用濃度は1%以下であり、好ましくは0.00001〜0.2%である。
上記のグリーン系統に着色した検体抽出液は、一例として
30mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic aci d,monohydrate:pH7.0)
0.9% 塩化ナトリウム
0.01% トリトンX−100
0.01% ウシ血清アルブミン
0.09% アジ化ナトリウム
の溶液に、食用緑色3号を0.003%となるように添加し、溶解することによって調製することができる。
30mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic aci d,monohydrate:pH7.0)
0.9% 塩化ナトリウム
0.01% トリトンX−100
0.01% ウシ血清アルブミン
0.09% アジ化ナトリウム
の溶液に、食用緑色3号を0.003%となるように添加し、溶解することによって調製することができる。
金コロイド粒子の赤から赤紫色と補色の関係にあるグリーン系統の色の色素を溶解した検体抽出液を用いて、被検物質を検体抽出液で抽出した後に、試料として、金コロイド粒子を標識担体として用いるイムノクロマトグラフィー法の検査を実施すると、クロマト用膜担体に浸み込み着色した検体抽出液のグリーン系統の色と、免疫学的反応により出現するテストの判定ラインやコントロールの判定ラインの色(金コロイド粒子の色)との補色効果によって、テストの判定ラインやコントロールの判定ラインの視認性が良くなる効果がある。
被検物質としては、特に、綿棒で採取される被検物質としては、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、A群ベータ溶血連鎖球菌、単純ヘルペスウイルス、クラミジアなどが挙げられる。一般に、これら被検物質はイムノクロマトグラフィー法で検査されるが、同時に複数の被検物質を検査するものであってもよい。
被検物質の採取は、綿棒を用いて、咽頭、鼻腔、角膜、子宮頚管部、水泡、潰瘍の部位などを拭うことにより行われる。又、鼻腔吸引液に綿棒を浸すことによって被検物質を採取することもできる。
被検物質を採取した綿棒を、チューブ内の着色した検体抽出液に浸し、被検物質を抽出し試料とする。被検物質抽出の具体的な操作としては、綿棒による攪拌やチューブの外側から綿棒を指でつまんで揉むようにする。この抽出操作をした綿棒は、被検物質を含む検体抽出液を絞り出し、さらに、チューブ側面で綿棒をしごくようにして綿棒を引き抜く。この操作(図1)は着色した検体抽出液を用いることにより、液面、操作中の液の動きや綿棒に付着した液が見易くなる。もし、飛散させた場合には、飛散した箇所を認め易くなる。
一般に、イムノクロマトグラフィー法の検査の場合には、抽出操作後のチューブにチップ(濾過器)を装着し、チューブの側面を指で押すことによって、試料(被検物質含む検体抽出液)を、テストプレートの試料滴下部に、一定数の滴下をすることにより反応を開始させる。又は、テストカップに一定数の滴下をした試料に、テストストリップの試料添加部位を浸すことにより反応を開始させる。ハウジングされたテストプレートとハウジングされていないテストストリップのどちらでもよい。試料の滴下数を数えるときにも、着色した検体抽出液を用いることで見易くなる。
被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法は、一般的なイムノクロマトグラフィー法の検査の場合には、抗原抗体反応であり、標識担体を結合した物質は、被検物質に対する抗体又は抗原である。
イムノクロマトグラフィー法の検査では、コントロールの判定とは別に、1種類又は複数の種類の被検物質の検査を行うものであってもよく、通常、被検物質に対する抗体又は抗原を標識担体に結合させる。標識担体には、一般に、金コロイド粒子や着色ラテックス粒子が用いられる。金コロイド粒子の場合には、色調が異なる複数の金コロイド粒子を含むものであっても、金コロイド粒子に加え着色ラテックス粒子等の他の標識担体を含むものであってもよい。複数の異なる色の標識担体を用いるものでは、この1種類の標識担体の色と補色の関係にある色の検体抽出液であり、且つ、当該検体抽出液の色が他の標識担体の色と同色でない色であればよい。これらのイムノクロマトグラフィー法のテストストリップ又はテストプレートは、常法により作製される。
イムノクロマトグラフィー法の検査で、試料滴下部に滴下された試料は、クロマト用膜担体上を展開し、一定の時間後に判定部のコントロールの判定ラインが現れれば判定可能とし、現れなかった場合を判定不能とする。判定部のコントロールの判定ラインのみが現れた場合を陰性とし、判定部のテストの判定ラインとコントロールの判定ラインの両方が現れた場合を陽性とする。この検査で、標識担体の色と補色の関係にある色の検体抽出液により、試料が展開した部分が着色するため検査の進行状況がよく判るようになる。その着色した色と出現する判定ラインの色との補色効果によって、判定ラインの視認性が良くなる効果がある(図2)。又、もし、何らかの不具合等によりクレームが発生した場合には、試料展開の着色状況を調べることによりその原因追及が容易となる。
上記の検査で、試料の展開の様子が見えるようにするために、テストプレートの判定部を含む展開部又はそれ以上の部位が見えるようにハウジングしたもの、又はハウジングしていないテストストリップとすることができる。
さらに、上記の検査で、判定部を含む展開部又はそれ以上の部位が見えるようにすることによって、試料の展開の進行状況が判るようにしたテストプレート、又は、テストストリップで、どこまで展開した場合に判定可能とするかを予め設定することによって、コントロールの判定部を無くすことができる。又は、コントロールの判定部の有無に関わらず、判定までの時間を計らなくても判定可否の判断をすることができる。具体的には、予め試料展開の判定可能位置を設定し、その位置若しくは当該位置より試料展開方向の下流部に展開していれば判定可能とする。即ち、テストプレート又はテストストリップに判定可能位置若しくはその下流部に着色を確認できる判定確認部位を設けることにより、コントロールの判定部を省くことや判定までの時間を計らなくても判定を行うことができる。
30mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic acid,monohydrate:pH7.0)、0.9%塩化ナトワウム、0.01%トリトンX−100、0.01%ウシ血清アルブミン、0.09%アジ化ナトリウムの溶液に食用緑色3号を0.003%となるように添加、溶解し、グリーンの検体抽出液を調製した。この溶液の0.6mLをチューブに分注し、キャップで封をした。対照として、食用緑色3号を添加する前の溶液の0.6mLをチューブに分注し、キャップで封をした。
患者の鼻腔吸引液を検体とし、この液に綿棒を浸し、綿棒を回転させながら鼻腔吸引液の入った試験管の管壁にこすりつけるようにして過剰量の検体を除去した。検体を採取した綿棒を実施例1のチューブの検体抽出液に浸し、攪拌し、チューブの外側から綿球部分をつまんで、綿棒を回しながら上下に動かした。チューブの上から綿球部分をつまんで、綿球より試料を絞り出しながら綿棒を引き抜き、チップ(濾過器)をチューブに装着し(図1)、転倒混和した。実施例1の対照を用いて同様に操作した。この操作は、対照と比較し、検体抽出液が着色していることにより液面や液の動きの確認は容易であり、操作を行い易かった。
標識担体に赤紫色の金コロイドを用いたインフルエンザウイルスA及びBの検出キットを用いて、実施例2の試料を試料滴下部に3滴滴下した。約1分後に、判定窓より、薄いグリーンの試料の展開が認められ、それに併せて抗インフルエンザ抗体標識担体の金コロイドがブロードに展開することが認められた。展開した部分は薄いグリーンに着色した。試料滴下5分後には、インフルエンザAのテストの判定ラインとコントロールの判定ラインを認め(図2)、インフルエンザA陽性であった。実施例2の対照を用いて同様に検査を行った結果、同様にインフルエンザA陽性であった。対照と比較し、このラインの視認性は同等かそれ以上であった。
インフルエンザウイルスA及びB検出キットのテストプレートのハウジングを外し、テストストリップとしたものを実施例3と同様に実施した。試料滴下部に滴下された試料は展開を開始し、展開した部分は薄いグリーンに着色し、反応開始8分後に吸収部材の19の位置(図3の19の位置)まで着色した。実施例3と同様に、インフルエンザAのテストの判定ラインとコントロールの判定ラインを認め、インフルエンザA陽性であった。反応開始15分後には吸収部材のほぼ全体が着色した。吸収部材の19の位置を判定可能位置とした(図3)。この設定した位置若しくは当該位置より試料展開方向の下流部に着色を認めれば判定可能として、コントロールの判定部を設け無くても、判定までの時間を計らなくても、判定を行うことができる。
1 チューブ
2 検体抽出液
3 キャップ
4 綿棒
5 チップ(濾過器)
6 インフルエンザA,Bのテストプレート(ハウジングされたもの)
7 試料滴下部
8 判定部(A:インフルエンザAの判定部、B:インフルエンザBの判定部、C:コントロールの判定部)
9 インフルエンザAのテストの判定ライン
10 コントロールの判定ライン
11 基材
12 試料添加用部材
13 標識担体保持部材
14 インフルエンザAの判定部
15 インフルエンザBの判定部
16 コントロールの判定部
17 クロマト用膜担体
18 吸収部材
19 設定した判定可能位置
2 検体抽出液
3 キャップ
4 綿棒
5 チップ(濾過器)
6 インフルエンザA,Bのテストプレート(ハウジングされたもの)
7 試料滴下部
8 判定部(A:インフルエンザAの判定部、B:インフルエンザBの判定部、C:コントロールの判定部)
9 インフルエンザAのテストの判定ライン
10 コントロールの判定ライン
11 基材
12 試料添加用部材
13 標識担体保持部材
14 インフルエンザAの判定部
15 インフルエンザBの判定部
16 コントロールの判定部
17 クロマト用膜担体
18 吸収部材
19 設定した判定可能位置
イムノクロマトグラフィー法の検査を行うときに、特に、被検物質を綿棒で採取したものを抽出する検体抽出液及び該抽出液を用いて行うイムノクロマトグラフィー法の検査に適用できる。
Claims (6)
- 被検物質を検体抽出液で抽出した後に、当該被検物質と標識担体を結合した物質との間での反応を利用する方法に用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色が前記標識担体の色と補色の関係にあることを特徴とする検体抽出液。
- 綿棒で採取された被検物質を検体抽出液で抽出して検査するイムノクロマトグラフィー法で用いる検体抽出液であって、当該検体抽出液の色がイムノクロマトグラフィー法で用いる標識担体の色と補色の関係にあることを特徴とする検体抽出液。
- 請求項1乃至2に記載された検体抽出液と、テストプレート又はテストストリップとを有する検査セット。
- 請求項1又は2に記載された検体抽出液を用いた検査に用いるテストプレート又はテストストリップであって、滴下した被検物質を含む検体抽出液の展開により、クロマト用膜担体及び又は吸収部材が検体抽出液の色で着色する状態を見ることで、検査の判定が可能かどうかが判断可能に構成されたテストプレート又はテストストリップ。
- 綿棒で採取された被検物質を検体抽出液で抽出して検査するイムノクロマトグラフィー法による検査方法であって、当該検体抽出液の色が、イムノクロマトグラフィー法で用いる標識担体の色と補色の関係にある検体抽出液を用いる、イムノクロマトグラフィー法による検査方法。
- 滴下した被検物質を含む検体抽出液の展開により、クロマト用膜担体及び又は吸収部材が検体抽出液の色で着色する状態を見ることで、検査の判定が可能かどうかを判断する請求項5に記載の検査方法。
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