JP2020052017A - 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット - Google Patents

検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット Download PDF

Info

Publication number
JP2020052017A
JP2020052017A JP2018184718A JP2018184718A JP2020052017A JP 2020052017 A JP2020052017 A JP 2020052017A JP 2018184718 A JP2018184718 A JP 2018184718A JP 2018184718 A JP2018184718 A JP 2018184718A JP 2020052017 A JP2020052017 A JP 2020052017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
particles
sample
resin
antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018184718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7218052B2 (ja
Inventor
靖 榎本
Yasushi Enomoto
靖 榎本
松村 康史
Yasushi Matsumura
康史 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority to JP2018184718A priority Critical patent/JP7218052B2/ja
Publication of JP2020052017A publication Critical patent/JP2020052017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7218052B2 publication Critical patent/JP7218052B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、イムノクロマトキットに使用可能な検体処理液に関するものであり、バックグラウンドの着色および非特異吸着が生じない検体処理液を提供することを目的とする。【手段】金属−樹脂複合体粒子を備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットの検体処理液であって、0.3〜5wt%のポリソルベート界面活性剤を含有する水溶液である検体処理液。【選択図】図2

Description

本発明は、金属−樹脂複合体粒子を標識物質として備えたイムノクロマトキットに使用可能な検体処理液に関する。
イムノクロマトグラフィー向けの標識物質としては、従来、金属コロイドや、色素で着色した樹脂粒子が使用されてきた。これらに代わる新しい標識物質として、近年、金属ナノ粒子が吸着した樹脂微粒子が提案されている。例えば、特許文献1では、ポリマー系ラテックス粒子の表面に結合した金ナノ粒子からなる着色ラテックスが提案されている。ポリマー系ラテックス粒子の表面に金ナノ粒子を結合させることにより、該金ナノ粒子自身が着色剤として目視判定性や検出感度の向上に役立つ一方、金ナノ粒子自身が抗原又は抗体に対する結合性にも優れることから、充分な濃色となる程度にまで金ナノ粒子を結合させても充分な量の抗原又は抗体を結合させ得るとされている。
また、本発明者らは、このような着色した微粒子として、先に、高感度な免疫学的測定を可能にする標識物質として、特定の構造の金属−樹脂複合体粒子を提案した(特許文献3及び4)。この金属−樹脂複合体粒子は、樹脂粒子の表層に複数の金属粒子が3次元的に固定化された構造を有するため、金属粒子の担持量が多く、また、金属粒子が樹脂粒子から脱離しにくいといった特性を有する。さらに、金属粒子は、局在型表面プラズモン共鳴に加え、電子遷移による光エネルギー吸収を発現するといった特性を有する。
しかし、この金属−樹脂複合体粒子を標識物質として用いたイムノクロマトキットは、高い感度を有する一方で、抗体の種類によっては、バックグラウンドの着色が生じる、非特異吸着が生じるといった問題があった。そのため、金属−樹脂複合体粒子をイムノクロマトキットの標識物質として使う場合に、抗体の種類によっては適用できないことがあった。
イムノクロマトキットに使用する、一般的な検体処理液は、緩衝剤、塩、水溶性タンパク質、および界面活性剤からなる水溶液である。検体処理液の最適な組成は、測定条件、検体採取法、標識物質、抗体等によって大きく異なる。例えば、標識物質として金属コロイドを使用する場合の検体処理液(特許文献5〜7)、色素で着色した樹脂粒子を使用した場合(特許文献8及び9)が開示されている。
しかし、これまで、標識物質として金属−樹脂複合体粒子を使用した場合の検体処理液については、検討されてこなかった。
特開2009−168495号公報 特開平3−206959号公報 WO2016/002742 WO2016/002743 特開2014−210761号公報 特許5597190号公報 特願2010−200793号公報 特願平10−268180号公報 特願2000−152974号公報
例えば、従来の色素で着色した樹脂粒子に適した組成の検体処理液を用いて評価すると、バックグラウンドの着色が生じる問題があった。そのため、界面活性剤を変更すると、バックグラウンドを低減できるが、非特異吸着が生じてしまう問題があった。
従って、本発明は、バックグラウンドの着色および非特異吸着が生じない検体処理液を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の組成の検体処理液によって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明の検体処理液は、金属−樹脂複合体粒子を備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットの検体処理液であって、0.3〜5wt%のポリソルベート界面活性剤を含有する水溶液であることを特徴とする。
本発明の検体処理液において、さらに、0.01〜5wt%の乳由来ブロッキング剤を含有することが好適である。
本発明の検体処理液において、さらに、0.3〜1.0wt%の緩衝剤及び0.5〜2.0wt%の塩成分を含有することが好適である。
本発明の検体処理液において、さらに、0.1〜3.0wt%の血清由来タンパク質を含有することが好適である。
本発明の検体処理液において、pHが7〜9であることが好適である。
本発明の検体処理液において、さらにポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤を0.20wt%以下で含有することが好適である。
本発明のイムノクロマトキットは、前記、検体処理液を備えることを特徴とする。
本発明によって、バックグラウンドの着色および非特異吸着が生じない検体処理液が提供できる。
本発明の実施形態にかかる「金属−樹脂複合体粒子の断面模式図である。 本発明の検体処理液を用いた、イムノクロマトキットの構造を表す、断面図である。
<金属−樹脂複合体粒子>
次に、本実施の形態の標識抗体の製造方法において標識物質として使用される金属−樹脂複合体粒子について詳細に説明する。
金属−樹脂複合体粒子は、樹脂粒子に金属粒子が固定化された構造を有する。また、金属−樹脂複合体粒子には、さらに有機色素が固定化されていてもよい。前記有機色素又は金属粒子の構造は限定しないが、樹脂粒子に固定化されることで、樹脂粒子が着色されるものであれば、イムノクロマトグラフィー等の免疫学的測定用途として、目視判定が容易になるので好ましい。
以下に、樹脂粒子に金属粒子が固定化された金属−樹脂複合体粒子の例について説明する。
図1は、本実施の形態において標識物質として好ましく使用可能な、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体粒子の断面模式図である。金属−樹脂複合体100は、樹脂粒子10と、金属粒子20と、を備えている。
金属−樹脂複合体100は、樹脂粒子10に金属粒子20が分散または固定化されている。また、金属−樹脂複合体100は、金属粒子20の一部が樹脂粒子10の表層部60において二次元的または三次元的に分布し、かつ前記二次元的または三次元的に分布した金属粒子20の一部が部分的に樹脂粒子10外に露出しており、残りの一部が樹脂粒子10に内包されている。
ここで、金属粒子20には、樹脂粒子10に完全に内包された金属粒子(以下、「内包金属粒子30」ともいう。)、樹脂粒子10内に埋包された部位及び樹脂粒子10外に露出した部位を有する金属粒子(以下、「一部露出金属粒子40」ともいう。)及び樹脂粒子10の表面に吸着している金属粒子(以下、「表面吸着金属粒子50」ともいう。)が存在する。一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50は、本発明における「第1の粒子」に該当し、内包金属粒子30は、本発明における「第2の粒子」に該当する。
例えば、金属−樹脂複合体100を免疫学的測定に使用する場合、一部露出金属粒子40または表面吸着金属粒子50上に、抗体を固定化して使用する。その際、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50には、前記抗体が固定化される一方で、内包金属粒子30には、固定化されない。しかし、内包金属粒子30を含む金属粒子20の全てが局在型表面プラズモン吸収を発現することから、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50のみならず、内包金属粒子30も、免疫学的測定用標識としての視認性向上に寄与する。さらに、一部露出金属粒子40及び内包金属粒子30は、表面吸着金属粒子50と比較して樹脂粒子10との接触面積が大きいことに加え、埋包状態によるアンカー効果等の物理的吸着力が強く、樹脂粒子10から脱離しにくい。そのため、金属−樹脂複合体100を使用した免疫学的測定用標識としての耐久性、安定性を優れたものにすることができる。
内包金属粒子30は、その表面の全てが、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。また、一部露出金属粒子40は、その表面積の5%以上100%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。また、表面吸着金属粒子50は、その表面積の0%を超えて5%未満が、樹脂粒子10を構成する樹脂に覆われているものである。
また、金属−樹脂複合体100への金属粒子20(内包金属粒子30、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50の合計)の担持量は、金属−樹脂複合体100の重量に対して、5wt%〜70wt%であることが好ましい。この範囲であれば、金属−樹脂複合体100は、標識物質としての視認性、目視判定性及び検出感度に優れる。金属粒子20の担持量が5wt%未満では、抗体の固定化量が少なくなり、検出感度が低下する傾向がある。金属粒子20の担持量は、より好ましくは、15wt%〜70wt%である。
また、金属粒子20の10wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることが好ましい。この範囲であれば、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高い。金属粒子20の20wt%〜80wt%が一部露出金属粒子40及び表面吸着金属粒子50であることがより好ましく、耐久性の観点から、表面吸着金属粒子50が20wt%以下であることがさらに好ましい。
また、金属粒子20の60wt%〜100wt%が、表層部60に存在し、表層部60に存在する金属粒子20の5wt%〜90wt%が、一部露出金属粒子40または表面吸着金属粒子50であることが、金属粒子20上への抗体の固定化量が充分確保できるため、標識物質としての感度が高くなり好ましい。換言すれば、表層部60に存在する金属粒子20の10wt%〜95wt%が内包金属粒子30であることがよい。
ここで、前記「表層部」とは、樹脂粒子10の表面から、深さ方向に粒子半径の50%の範囲を意味する。また、前記「三次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の面方向だけでなく、深さ方向にも分散されていることを意味する。一方、前記「二次元的に分布」とは、金属粒子20が、樹脂粒子10の表面から深さ方向に等距離に分散されていることを意味する。なお、樹脂粒子10の表面が曲面であるため、実際には金属粒子20も二次元平面内にはとどまりえない。よって、樹脂粒子10の表面に対して金属粒子20が二次元「的」に分布と称するものである。樹脂粒子10および金属粒子20を投影した面内における金属粒子20の投影の分布を意図するものではない。「二次元的に分布」の例としては、金属粒子20の全てが表面吸着金属粒子50である場合が挙げられる。
樹脂粒子10は、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ(p−スチレンスルホン酸ナトリウム)、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、セルロース等、公知の樹脂粒子が適用できるが、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有するポリマー粒子であることが好ましい。特に、含窒素ポリマー粒子であることが好ましい。含窒素ポリマー中の窒素原子は、視認性に優れ、抗体の固定化が容易な銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子の前駆体であるアニオン性金属錯イオンを化学吸着しやすいため、好ましい。本実施の形態では、含窒素ポリマー中に吸着した金属イオンを還元し、金属ナノ粒子を形成する為、生成した金属粒子20の一部は、内包金属粒子30または一部露出金属粒子40となる。また、アクリル酸重合体のように、カルボン酸等はカチオン性金属イオンを吸着することができるため、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子の前駆体であるカチオン性金属イオンを吸着しやすく、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムなどの金属粒子20を形成することが可能であり、上記のいずれかの金属との合金を作ることも可能である。
一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂粒子、例えばポリスチレン等の場合、前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属粒子20の大部分は、表面吸着金属粒子50となる。上記のとおり、表面吸着金属粒子50は、樹脂粒子10との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂粒子10から金属粒子20が脱離する影響が大きい傾向にある。
上記含窒素ポリマーは、主鎖または側鎖に窒素原子を有する樹脂であり、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリペプチド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン等がある。好ましくは、ポリ−2−ビニルピリジン、ポリ−3−ビニルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン等のポリアミンである。また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等幅広く利用することが可能である。
金属粒子20の材質としては、例えば、銀、ニッケル、銅、金、白金、パラジウムが適用できる。これらの金属は、単体もしくは合金等の複合体で使用することが可能である。好ましくは、視認性に優れ、抗体の固定化が容易な金、白金、パラジウムである。これらは、局在型表面プラズモン共鳴に由来する吸収を発現するため、好ましい。より好ましくは、保存安定性がよい金及び白金である。また、金属−樹脂複合体100をpH2〜9の範囲内の条件で抗体と結合させた場合に、優れた発色性が得られるという観点でも、金属粒子20の材質として金、白金、金合金又は白金合金が最も好ましい金属種である。ここで金合金とは、例えば金と金以外の金属種からなり、金を10重量%以上含有する合金を意味する。また、白金合金とは、例えば白金と白金以外の金属種からなり、白金を10重量%以上含有する合金を意味する。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により測長される金属粒子20の粒子径D3の平均値(平均粒子径)は、例えば1〜80nmであることが好ましい。金属粒子20の平均粒子径が、1nm未満の場合や80nmを超える場合は、局在型表面プラズモンが発現しにくくなるため感度が低下する傾向がある。金属粒子20の平均粒子径は、好ましくは、1nm以上70nm未満であり、より好ましくは、1nm以上50nm未満である。
また、金属−樹脂複合体100の粒子径D1の平均値(平均粒子径)は、例えば100〜1000nmである。金属−樹脂複合体100の平均粒子径が100nm未満では、例えば、金属粒子20として金粒子又は白金粒子を使用する場合に、金属粒子の担持量が少なくなる傾向がある為、同サイズの金粒子より着色が弱くなる傾向にあり、1000nmを超えると、標識物質又は試薬とした際に、メンブランフィルター等のクロマトグラフ媒体の細孔内に詰まりやすい傾向や、分散性が低下する傾向がある。金属−樹脂複合体100の平均粒子径は、好ましくは、100nm以上700nm未満であり、より好ましくは、100nm以上650nm未満である。ここで、金属−樹脂複合体100の粒子径D1は、樹脂粒子10の粒子径D2に、一部露出金属粒子40又は表面吸着金属粒子50の突出部位の長さを加えた値を意味し、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法、または遠心沈降法により測定することができる。
金属−樹脂複合体100の製造方法は、特に限定されない。例えば、乳化重合法により製造した樹脂粒子10の分散液に、金属イオンや金属錯イオンを含有する溶液を加えて、金属イオンや金属錯イオンを樹脂粒子10に吸着させる(以下、「金属イオン吸着樹脂粒子」という。)。さらに、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液中に加えることで、金属イオンを還元して金属粒子20を生成させ、金属−樹脂複合体100を得る。
また、例えば、金属粒子20として、金粒子を使用する場合、金属錯イオンを含有する溶液としては、塩化金酸(HAuCl)水溶液等が挙げられる。また、白金粒子を使用する場合、塩化白金酸(HPtCl)水溶液等が挙げられる。また、金属イオンの代わりに金属錯体を用いても良い。
また、金属イオンまたは金属錯イオンを含有する溶液の溶媒として、水の代わりに、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等の含水アルコール又はアルコール、塩酸、硫酸、硝酸等の酸等を用いても良い。
また、前記溶液に、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物、界面活性剤、アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、これらのモノアルキルエーテル又はジアルキルエーテル、グリセリン等のポリオール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の各種水混和性有機溶媒等の添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、金属イオンの還元反応速度を促進し、また生成される金属粒子20の大きさを制御するのに有効となる。
また、還元剤は、公知の物を用いることができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、クエン酸、次亜リン酸ナトリウム、抱水ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ショ糖、ブドウ糖、アスコルビン酸、ホスフィン酸ナトリウム、ハイドロキノン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ロッシェル塩等が挙げられる。このうち、水素化ホウ素ナトリウム又は、ジメチルアミンボラン、クエン酸が好ましい。還元剤溶液には、必要に応じて界面活性剤を添加したり、溶液のpHを調整したりすることが出来る。pH調整にはホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリにより調整することが出来る。
さらに還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、形成する金属粒子の粒径をコントロールすることが出来る。
また、前記金属イオン吸着樹脂粒子中の金属イオンを還元して金属粒子20を生成させる際、前記金属イオン吸着樹脂粒子を還元剤溶液に添加してもよいし、還元剤を前記金属イオン吸着樹脂粒子に添加してもよいが、内包金属粒子30及び一部露出金属粒子40の生成しやすさの観点から、後者が好ましい。
以上のようにして得られる金属−樹脂複合体100は、水への分散性を保持するために、例えば、クエン酸、ポリ−L−リシン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルアルコール、DISPERBYK194、DISPERBYK180、DISPERBYK184(ビッグケミージャパン社製)等の分散剤を検体処理液に添加してもよい。さらにホウ酸やリン酸等の緩衝剤、塩酸や硫酸などの酸、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリによりpHを調整し、分散性を保持することが出来る。
以上の構成を有する金属−樹脂複合体100は、特に、樹脂粒子又は有機色素の表面に抗体を結合させることにより、例えばEIA:酵素免疫測定法、RIA:放射免疫測定法、CLIA:化学発光免疫測定法、FIA:蛍光免疫測定法、LIA:ラテックス凝集免疫測定法、PA:粒子凝集法、ICA:イムノクロマトグラフィー法、HA:赤血球凝集法、HI:赤血球凝集抑制法等の免疫学的測定法に好ましく適用できる。また、特に、低濃度域(高感度領域)での目視判定性に優れた免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬の材料として好ましく適用できる。また、免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬の形態に特に限定はないが、例えば、金属−樹脂複合体100を水もしくは、pHを調整した緩衝液中に分散させた分散液として使用できる。
なお、金属−樹脂複合体100を備えた標識物質は、発色性が著しく強いため、従来の金コロイドや着色ラテックスを備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットでは検知し得なかったメンブレンのバックグラウンドの着色と非特異吸着によるテストラインの発色が生じやすく、従来の検体処理液を用いることができなかった。本発明の検体処理液では、メンブレンのバックグラウンドの着色と非特異吸着によるテストラインの発色が抑制される
<検体処理液>
本発明の検体処理液は、主要成分として、緩衝剤、塩、血清由来タンパク質、0.3〜5wt%のポリソルベート界面活性剤および水から構成される。
また、緩衝剤は、例えば、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液、リン酸緩衝液などの公知の緩衝剤を用いることができる。pHの安定のため、濃度0.3〜1.0wt%であることが好ましい。
また、塩は、生理食塩水と近い成分であることが好ましく、例えば0.5〜2.0wt%の塩化ナトリウムが好ましい。
また、血清由来タンパク質は、親水性の高い水溶性のタンパク質であって、抗体や抗原と反応しない血清タンパクであることが好ましい。たとえば、0.1〜3.0wt%のウシ血清アルブミンであることが好ましい。
また、0.3〜5wt%のポリソルベート界面活性剤は、バックグラウンドの着色を防ぐ十分な効果を得るために濃度0.5wt%以上がより好ましく、イムノクロマトキットの感度低下を防ぐため、濃度2wt%未満であることがより好ましい。ポリソルベート界面活性剤は、水溶性が高いものがより好ましく、例えば、ツイーン20およびツイーン80が良い。
また、本発明の検体処理液は、0.01〜5wt%の乳由来ブロッキング剤をさらに加えることが好ましい。乳由来ブロッキング剤は、例えば、カゼイン、カゼインナトリウム、スキムミルク、ブロックエースが挙げられる。非特異吸着を抑制する十分な効果を得るため、濃度0.05wt%以上がより好ましく、イムノクロマトキットの感度低下を防ぐため、さらに検体処理液の粘度の増大を避けるため、濃度2wt%未満であることがより好ましい。また、本発明の検体処理液のpHは、好ましくは7〜9である。この範囲であれば、免疫反応が正常に起こり、イムノクロマト法による検出が可能である。
また、本発明の検体処理液は、トリトンX100に代表されるポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤の含有量が0.20wt%以下であることが好ましい。この濃度範囲であれば、バックグラウンドの着色を防ぐことが可能である。
本発明の検体処理液は、必要に応じて、複数の緩衝剤、塩、血清由来タンパク、界面活性剤、ブロッキング剤および添加剤を加えてもよい。また、本発明の検体処理液は、必要に応じて、アジ化ナトリウム等の公知の防腐剤を加えてもよい。
次に、金属−樹脂複合体100を標識物質として使用したアナライトの測定方法、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ及びアナライト検出・定量キットについて説明する。
[ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ]
まず、図3を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るラテラルフロー型クロマト用テストストリップ(以下、単に「テストストリップ」と記すことがある)について説明する。このテストストリップ200は、後述するように、本発明の一実施の形態のアナライトの測定方法に好ましく使用できるものである。
テストストリップ200は、メンブレン110を備えている。メンブレン110には、試料の展開方向において順に、試料添加部120、判定部130及び吸液部140が設けられている。
<メンブレン>
テストストリップ200に使用されるメンブレン110としては、一般的なテストストリップにおいてメンブレン材料として使用されるものを適用可能である。メンブレン110は、例えば毛管現象を示し、試料を添加すると同時に、試料が展開するような微細多孔性物質からなる不活性物質(アナライト160、各種リガンドなどと反応しない物質)で形成されているものである。メンブレン110の具体例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、セルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはセルロース誘導体やナイロンで構成される膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等が用いられ、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙が用いられる。
テストストリップ200は、操作をより簡便にするため、メンブレン110を支持する支持体190を備えていることが好ましい。支持体としては、例えばプラスチック等を用いることができる。
<試料添加部>
テストストリップ200は、アナライト160を含む試料を添加するための試料添加部120を有していてもよい。試料添加部120は、テストストリップ200に、アナライト160を含む試料を受け入れるための部位である。試料添加部120は、試料が展開する方向において、判定部130よりも上流側のメンブレン110に形成されていてもよいし、あるいは、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、綿布などの材料で構成された試料添加パッドがメンブレン110に設けられて試料添加部120を構成していてもよい。
<判定部>
判定部130には、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されている。捕捉リガンド131は、アナライト160と特異的な結合を形成するものであれば特に制限なく使用でき、例えばアナライト160に対する抗体などを好ましく用いることができる。捕捉リガンド131は、テストストリップ200に試料を提供した場合においても、判定部130から移動することがないように不動化している。捕捉リガンド131は、物理的又は化学的な結合や吸着等によって、メンブレン110に直接的又は間接的に固定されていればよい。
また、判定部130は、標識抗体150とアナライト160とを含む複合体170が、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131に接触するような構成である限り特に限定されない。例えば、メンブレン110に、直接、捕捉リガンド131が固定されていてもよいし、あるいは、メンブレン110に固定されたセルロース濾紙、グラスファイバー、不織布等からなるパッドに捕捉リガンド131が固定されていてもよい。
<吸液部>
吸液部140は、例えば、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等の吸水性材料のパッドにより形成される。添加された試料の展開前線(フロントライン)が吸液部140に届いてからの試料の移動速度は、吸液部140の材質、大きさなどにより異なるものとなる。従って、吸液部140の材質、大きさなどの選定により、アナライト160の検出・定量に最適な速度を設定することができる。なお、吸液部140は任意の構成であり、省略してもよい。
テストストリップ200は、必要に応じて、さらに、反応部、コントロール部等の任意の部位を含んでいてもよい。
<反応部>
テストストリップ200には、メンブレン110に、標識抗体150を含む反応部180が形成されていてもよい。反応部180は、試料が流れる方向において、判定部130よりも上流側に設けることができる。なお、図2における試料添加部120を反応部として利用してもよい。テストストリップ200が反応部180を有する場合、アナライト160を含む試料を、反応部180又は試料添加部120に供すると、反応部180において、試料に含まれるアナライト160と標識抗体150とを接触させることができる。この場合、試料を、単に反応部180又は試料添加部120に供することで、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成させることができるので、いわゆる1ステップ型のイムノクロマトグラフが可能になる。
反応部180は、アナライト160と特異的に結合する標識抗体150を含む限り特に限定されないが、メンブレン110に、直接、標識抗体150が塗布されてなるものであってもよい。あるいは、反応部180は、例えばセルロース濾紙、グラスファイバー、不織布等からなるパッド(コンジュゲートパッド)に標識抗体150を含浸したものを、メンブレン110に固定してなるものであってもよい。
<コントロール部>
図示は省略するが、テストストリップ200は、メンブレン110に、試料が展開する方向において、判定部130よりも下流側に、標識抗体150と特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなるコントロール部210が形成されていてもよい。判定部130とともに、コントロール部210でも発色強度が測定されることにより、テストストリップ200に供した試料が展開して、反応部180及び判定部130に到達し、検査が正常に行われたことを確認することができる。なお、コントロール部210は、捕捉リガンド131の代わりに、標識抗体150と特異的に結合する別の種類の捕捉リガンドを用いることを除いては、上述の判定部130と同様にして作製され、同様の構成を採ることができる。
[アナライトの測定方法]
次に、テストストリップ200を用いて行われる本発明の一実施の形態のアナライト160の測定方法について説明する。
本実施の形態のアナライト160の測定方法は、試料中に含まれるアナライト160を検出又は定量するアナライト160の測定方法である。本実施の形態のアナライト160の測定方法は、メンブレン110、及び当該メンブレン110にアナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200を用いる。そして、本実施の形態のアナライト160の測定方法は、下記工程(I)〜(III);
工程(I):試料に含まれる前記アナライト160と、該アナライト160に特異的に結合する抗体を樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体100で標識した標識抗体150と、を接触させる工程、
工程(II):判定部130にて、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる工程、
工程(III):金属−樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含むことができる。
工程(I):
工程(I)は、試料に含まれるアナライト160を、標識抗体150に接触させる工程である。アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成する限り、接触の態様は特に限定されるものではない。例えば、テストストリップ200の試料添加部120又は反応部180(図示省略)に試料を供し、当該試料添加部120又は反応部180においてアナライト160を標識抗体150に接触させてもよいし、テストストリップ200に試料を供する前に、試料中のアナライト160を標識抗体150に接触させてもよい。
工程(I)で形成された複合体170は、テストストリップ200上で展開して移動し、判定部130に至る。
工程(II):
工程(II)は、テストストリップ200の判定部130において、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる。複合体170を、捕捉リガンド131に接触させると、捕捉リガンド131は、複合体170のアナライト160に特異的に結合する。その結果、複合体170が判定部130において捕捉される。
なお、捕捉リガンド131は、標識抗体150には特異的に結合しないために、アナライト160と未結合の標識抗体150が判定部130に到達した場合、当該アナライト160と未結合の標識抗体150は、判定部130を通過する。ここで、テストストリップ200に、標識抗体150に特異的に結合する別の捕捉リガンドが固定されたコントロール部210(図示省略)が形成されている場合、判定部130を通過した標識抗体150は、展開を続け、コントロール部210で当該別の捕捉リガンドと結合する。その結果、アナライト160と複合体170を形成していない標識抗体150は、コントロール部210で捕捉される。
工程(II)の後、必要に応じて工程(III)の前に、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝液等の生化学検査で汎用される緩衝液で、テストストリップ200を洗浄する洗浄工程を実施してもよい。洗浄工程によって、判定部130、又は、判定部130及びコントロール部210に捕捉されなかった標識抗体150(アナライト160と結合しておらず、複合体170を形成していない標識抗体150)を除去することができる。
洗浄工程を実施することで、工程(III)において、判定部130、又は、判定部130及びコントロール部における金属−樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収による発色を測定する際に、バックグラウンドの発色強度を低減させることができ、シグナル/バックグラウンド比を高め、一層、検出感度や定量性を向上させることができる。
工程(III):
工程(III)は、金属−樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程である。上記工程(II)又は必要に応じて洗浄工程を実施した後、テストストリップ200において、金属−樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する。
なお、テストストリップ200にコントロール部210が形成されている場合、工程(II)によって、コントロール部210にて、標識抗体150が別の捕捉リガンドによって捕捉され複合体が形成される。そのため、工程(III)では、テストストリップ200おいて、判定部130だけでなく、コントロール部210においても局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収による発色を生じさせることができる。このように、判定部130とともにコントロール部210においても発色強度を測定することで、テストストリップ200に供した試料が正常に展開して、反応部及び判定部130に到達したか否かを確認できる。
<試料及びアナライト>
本実施の形態のアナライトの測定方法における試料は、アナライト160として、蛋白質などの抗原となり得る物質を含むものである限り特に限定されるものではない。例えば、目的のアナライト160を含む生体試料(すなわち、全血、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、鼻腔又は咽頭拭い液、髄液、羊水、乳頭分泌液、涙、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び便からの抽出液等)や食品の抽出液等が挙げられる。必要に応じて、標識抗体150及び捕捉リガンド131とアナライト160との特異的な結合反応が生じやすくするために、上記工程(I)に先立って、試料に含まれるアナライト160を前処理してもよい。ここで、前処理としては、酸、塩基、界面活性剤等の各種化学薬品等を用いた化学的処理や、加熱・撹拌・超音波等を用いた物理的処理が挙げられる。特に、アナライト160がインフルエンザウィルスNP抗原等の、通常は表面に露出していない物質である場合、界面活性剤等による処理を行うことが好ましい。この目的に使用される界面活性剤として、特異的な結合反応、例えば、抗原抗体反応等の捕捉リガンド131とアナライト160との結合反応性を考慮して、非イオン性界面活性剤を用いることができる。
また、前記試料は、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(水、生理食塩水、又は緩衝液等)や水混和有機溶媒で適宜希釈されていてもよい。
前記アナライト160としては、特に制限はなく公知のものが使用でき、アニオン性の性質が強いものや、カチオン性の性質が強いもの、それ以外のものも使用できる。アナライト160としては、例えば、腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモン等のタンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等を含む)、核酸(一本鎖又は二本鎖の、DNA:デオキシリボ核酸、RNA:リボ核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等を含む)又は核酸を有する物質、糖(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等を含む)又は糖鎖を有する物質、脂質などその他の分子が挙げられ、標識抗体150及び捕捉リガンド131に特異的に結合するものである限り特に限定されないが、例えば、癌胎児性抗原(CEA)、HER2タンパク(ヒト上皮成長因子受容体2)、前立腺特異抗原(PSA)、CA19−9、α−フェトプロテイン(AFP)、免疫抑制酸性タンパク(IAP)、CA15−3、CA125、エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、便潜血、トロポニンI、トロポニンT、CK−MB、CRP、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、梅毒抗体、インフルエンザウィルスヒトヘモグロビン、クラミジア抗原、A群β溶連菌抗原、HBs抗体、HBs抗原、ロタウイルス、アデノウイルス、アルブミン、糖化アルブミン等が挙げられる。これらの中でも非イオン性界面活性剤により可溶化される抗原が好ましく、ウィルスの核タンパク質のように自己集合体を形成する抗原がより好ましい。
<標識抗体>
標識抗体150は、工程(I)において、試料に含まれるアナライト160に接触させて、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成するために使用される。標識抗体150は、アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体100で標識化してなるものである。ここで、「標識化」とは、工程(I)〜(III)において、標識抗体150から金属−樹脂複合体100が脱離しない程度に、抗体に金属−樹脂複合体100が直接的に又は間接的に、化学的又は物理的な結合や吸着等で固定されていることを意味する。例えば、標識抗体150は、抗体に金属−樹脂複合体100が直接結合してなるものであってもよいし、抗体と金属−樹脂複合体100とが、任意のリンカー分子を介して結合してなるものや、それぞれが不溶性粒子に固定されてなるものであってもよい。
また、本実施の形態において、「抗体」としては、特に制限はなく公知のものが使用でき、アニオン性の性質が強いものや、カチオン性の性質が強いもの、それ以外のものも使用できる。例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、遺伝子組み換えにより得られた抗体のほか、抗原と結合能を有する抗体断片[例えば、H鎖、L鎖、Fab、F(ab’)等]などを用いることができる。また、免疫グロブリンとして、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれでもよい。抗体の産生動物種としては、ヒトをはじめ、ヒト以外の動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等)でもよい。抗体の具体例としては、抗PSA抗体、抗AFP抗体、抗CEA抗体、抗アデノウイルス抗体、抗インフルエンザウィルス抗体、抗HCV抗体、抗IgG抗体、抗ヒトIgE抗体等が挙げられる。
<標識抗体の好ましい作製方法>
次に、標識抗体150の好ましい作製方法を挙げて説明する。標識抗体150の製造は、少なくとも、次の工程A;
工程A)金属−樹脂複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して結合させることによって、標識抗体150を得る工程
を含み、好ましくは、さらに工程B;
工程B)標識抗体150を第2のpH条件で処理する工程
を含むことができる。
[工程A]
工程Aでは、金属−樹脂複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して標識抗体150を得る。工程Aは、固体状の金属−樹脂複合体100を液相中に分散させた状態で抗体と接触させることが好ましい。
第1のpH条件は、金属−樹脂複合体100の分散と抗体の活性を維持したまま金属−樹脂複合体100と抗体を均一に接触させる観点から、pH2〜10の範囲内の条件が好ましく、さらに例えばpH5〜9の範囲内がより好ましい。金属−樹脂複合体100と抗体とを結合させるときの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH10を超えると金属−樹脂複合体100と抗体を混合した際に凝集し分散が困難となる。ただし、強酸性により抗体が失活しない場合はpH2未満においても処理が可能である。
工程Aは、第1のpH条件に調整した結合用緩衝液(Binding Buffer)中で行うことが好ましい。例えば、上記pHに調整した結合用緩衝液に所定量の金属−樹脂複合体100を混合し、十分に混和する。結合用緩衝液としては、例えば、所定濃度に調整したホウ酸溶液などを用いることができる。結合用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。
次に、得られた混合液に、所定量の抗体を添加し、十分に撹拌、混合することによって、標識抗体含有液を得ることができる。このようにして得られた標識抗体含有液は、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体150のみを分取できる。
[工程B]
工程Bでは、工程Aで得られた標識抗体150を第2のpH条件で処理することによって、標識抗体150への非特異的な吸着を抑制するブロッキングを行う。この場合、固液分離手段によって分取しておいた標識抗体150を、第2のpH条件で液相中に分散させる。
第2のpH条件は、抗体の活性を保ちかつ標識抗体150の凝集を抑制する観点から、例えばpH2〜10の範囲内が好ましく、標識抗体150の非特異的な吸着を抑制する観点から、pH5〜9の範囲内がより好ましい。ブロッキングの条件が、pH2未満では強酸性により抗体が変質し失活する場合があり、pH10を超えると標識抗体150が凝集してしまい分散が困難となる。
工程Bは、ブロッキング剤を第2のpHの条件に調製したブロック用緩衝液(Blocking Buffer)を用いて行うことが好ましい。例えば、所定量の標識抗体150に上記pHに調整したブロック用緩衝液を添加し、ブロック用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。ブロック用緩衝液としては、例えば、被検出物と結合しない蛋白質の溶液を用いることが好ましい。ブロック用緩衝液に使用可能なブロッキング剤としては、特に制限はなく公知のものが使用でき、アニオン性の性質が強いものや、カチオン性の性質が強いもの、それ以外のものも使用できる。例えば、蛋白質であれば、牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチン、乳清ホエイなどを挙げることができる。より具体的には、所定濃度に調整した牛血清アルブミン溶液などを用いることが好ましい。ブロック用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。このようにして標識抗体150が均一分散した分散液が得られる。
上記工程Aおよび工程Bにおいて、金属−樹脂複合体100は、pHによる凝集が起こりにくく、酸性〜アルカリ性まで広い範囲のpHで処理が可能である。従って、本発明で用いる金属−樹脂複合体100は、標識抗体の作製条件の制限を受けにくいという利点もある。
以上のようにして、標識抗体150の分散液が得られる。この分散液から、例えば遠心分離などの固液分離手段により、固形部分として標識抗体150のみを分取できる。また、必要に応じて、洗浄処理、保存処理などを実施することができる。以下、洗浄処理、保存処理について説明する。
(洗浄処理)
洗浄処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に洗浄用緩衝液を添加し、洗浄用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。洗浄用緩衝液としては、特に限定されるものではないが、例えばpH8〜9の範囲内に調整した所定濃度の、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液などを用いることができる。洗浄用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の洗浄処理は、必要に応じて複数回を繰り返し行うことができる。
(保存処理)
保存処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に保存用緩衝液を添加し、保存用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。保存用緩衝液としては、例えば、洗浄用緩衝液に、所定濃度の凝集防止剤及び/又は安定剤を添加した溶液などを用いることができる。凝集防止剤としては、例えば、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースに代表される糖類や、グリセリン、ポリビニルアルコールに代表される多価アルコールなどを用いることができる。安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質を用いることができる。このようにして標識抗体150の保存処理を行うことができる。
以上の各工程では、さらに必要に応じて、界面活性剤や、アジ化ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステルなどの防腐剤を用いることができる。
[アナライト測定用キット]
本発明の一実施の形態に係るアナライト測定用キットは、例えばテストストリップ200を用いて、本実施の形態のアナライトの測定方法に基づき、試料中に含まれるアナライト160の検出又は定量するためのキットである。
本実施の形態のアナライト測定用キットは、
メンブレン110と、
メンブレン110に、前記アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200と、
アナライト160に特異的に結合する抗体を樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属−樹脂複合体100で標識した標識抗体150を含む検出試薬と、
を含んでいる。本実施の形態のアナライト測定用キットは、必要に応じて、さらにその他の構成要素を含むものであってもよい。
本実施の形態に係るアナライト測定用キットを使用するにあたっては、試料中のアナライト160と検出試薬中の標識抗体150とを接触させて工程(I)を実施した後、テストストリップ200の反応部180又は試料添加部120に試料を供して、工程(II)、工程(III)を順次実施してもよい。あるいは、テストストリップ200の判定部130よりも上流側に、検出試薬を塗布して、適宜乾燥させて反応部180を形成した後、形成された反応部180あるいは該反応部180よりも上流側の位置(例えば、試料添加部120)に試料を添加して、工程(I)〜(III)を順次実施してもよい。
また、金属−樹脂複合体100の免疫学的測定用標識物質又は免疫学的測定用試薬以外の用途としては、固体触媒、顔料、塗料、導電性材料、電極、センサー素子として好ましく適用できる。
次に、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
[作製例1]
<樹脂粒子の合成>
トリオクチルアンモニウムクロリド(0.39g)及びポリエチレングリコールメチルエチルエーテルメタクリレート(10.00g)を300gの純水に溶解した後、2−ビニルピリジン(48.00g)及びジビニルベンゼン(2.00g)を加え、窒素気流下において30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.50g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径439nmの樹脂粒子A−1を得た。遠心分離(9000rpm、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させた後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B−1を得た。
[実施例1]
<金−樹脂複合体粒子の合成>
B−1(91.5g)に純水255gを加えた後、400mM塩化金酸水溶液(147g)を加え、室温で3時間撹拌した。この混合液を遠心分離(3000rpm、30分)によりA−1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度を調整して、2.5wt%の金イオン吸着樹脂粒子分散液C−1を得た。
次に、純水1580gにC−1(43.3g)を加え、3℃で撹拌しながら、528mMのジメチルアミンボラン水溶液(10.0g)を2分かけて滴下した後、3℃で1時間、室温で3時間撹拌することで、平均粒子径455nmの金−樹脂複合体粒子D−1を得た。D−1を遠心分離により濃縮した後、透析処理により精製し、濃度を調整して、1wt%の金−樹脂複合体粒子分散液E−1を得た。E−1中の金−樹脂複合体粒子F−1の吸光度は、1.36であった。また、F−1における金粒子の平均粒子径は20nm、金の担持量は48.3wt%であった。
(結合工程)
抗インフルエンザA型モノクローナル抗体100μgと100mM ホウ酸水溶液(pH8.5)0.9mLを混合した後、1wt%の金−樹脂複合体粒子分散液E−1を0.1mL添加し、室温で3時間かけて転倒撹拌を行い、金−樹脂複合体粒子F−1で標識した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を含む標識抗体分散液J−1を得た。
(ブロック工程)
次に、標識抗体分散液J−1を氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に1wt%ブロックエース(DSバイオファーマ製)を含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行い、さらに、室温で2時間かけて転倒撹拌を行い、標識抗体分散液K−1を得た。
(洗浄処理)
次に、標識抗体分散液K−1を氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤を含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理とした。
(保存処理)
次に、氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤および、10wt%のスクロースを含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標識抗体分散液L−1を得た。
(反応部の作製)
0.3mlの標識抗体分散液L−1を3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に5wt%のスクロースと2.5wt%の牛血清アルブミンを含む水溶液(pH8.0)0.833mLを添加し、10〜20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標識抗体分散液M−1を得た。ガラスファイバー不織布に標識抗体分散液M−1を均一に含浸させた後、−10℃で24時間かけて凍結乾燥を行い、反応部180;N−1を作製した。この時、反応部180;N−1における金−樹脂複合体粒子の含有量が、後述のイムノクロマト法による評価1テスト当たり9μgとなるように標識抗体分散液M−1の液量を調節した。
(イムノクロマトストリップの作製)
幅25mmのニトロセルロースメンブレン110の中央に、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を塗布し判定部130を描画した。室温で乾燥した後、図2に示すイムノクロマトストリップ200の断面図の通りに、支持体190、反応部180;N−1、試料添加部120(ガラスファイバー不織布)および吸液部140(コットン不織布)を積層した。最後に、5mm幅にカットしてイムノクロマトストリップP−1を作成した。
(検体処理液の調製)
0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)、1.0wt%のツイーン20および0.01wt%のカゼインナトリウムを含有する水溶液(pH7.1)を調製し、検体処理液Q−1とした。検体処理液の液組成を表1に示す。
(イムノクロマト法による評価)
検体処理液Q−1を用いて抗原を希釈することにより、インフルエンザA型陽性コントロール(抗原濃度2500FFU/ml相当)及び陰性コントロール(抗原非含有)の検体液を調製し、検体液100μlをイムノクロマトストリップP−1の試料添加部120に滴下し、試料を展開させた。検体液を滴下してから15分経過後のテストラインの発色レベルおよびバックグラウンドの有無を、金コロイド判定用色見本(アドテック株式会社製)を用いて評価した。バックグラウンドの有無は、15分経過後のニトロセルロースメンブレン110の判定部130以外の部分が、色見本の0.5以上の着色を呈している場合は有とし、0.5未満の場合は無とした。また、陽性コントロールの発色レベルが3以上、かつ陰性コントロールの発色レベルが0.5未満、かつバックグラウンドが無である場合に、判定を良好とし、それ以外は不良とした。イムノクロマト法による評価結果を表2に示す。
[実施例2〜10]
(検体処理液の調製)
表1の液組成となるように、検体処理液Q−2〜Q−10を調製した。なお、0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)は、いずれもQ−1と共通の組成である。
(イムノクロマト法による評価)
検体処理液Q−1の代わりに、検体処理液Q−2〜Q−10を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定はすべて良好であった。
[実施例11]
<白金−樹脂複合体粒子の合成>
B−1(91.5g)に純水54gを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(100g)を加え、30℃で3時間撹拌した。この混合液を24時間静置した後、遠心分離(3000rpm、30分)によりA−1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度を調整して、5wt%の白金イオン吸着樹脂粒子分散液C−11を得た。
次に、純水1392gにC−11(20.6g)を加え、3℃で撹拌しながら、132mMのジメチルアミンボラン水溶液(40g)を20分かけて滴下した後、3℃で1時間、室温で3時間撹拌することで、平均粒子径461nmの白金−樹脂複合体粒子D−11を得た。D−11を遠心分離により濃縮した後、透析処理により精製し、濃度を調整して、1wt%の白金−樹脂複合体粒子分散液E−11を得た。E−11中の白金−樹脂複合体粒子F−11の吸光度は1.77であった。また、F−11における白金粒子の平均粒子径は5.0nm、白金の担持量は37.6wt%であった。
(結合工程、ブロック工程、洗浄処理、保存処理、反応部作製、イムノクロマトストリップの作製)
1wt%の金−樹脂複合体粒子分散液E−1の代わりに、1wt%の白金−樹脂複合体粒子分散液E−11を用いる以外は実施例1と同様にして、イムノクロマトストリップP−11を作製した。
(イムノクロマト法による評価)
イムノクロマトストリップP−1の代わりに、イムノクロマトストリップP−11を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定は良好であった。
[比較例1〜13]
(検体処理液の調製)
表1の液組成となるように、検体処理液R−1〜R−13を調製した。なお、0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)は、いずれもQ−1と共通の組成である。
(イムノクロマト法による評価)
検体処理液Q−1の代わりに、検体処理液R−1〜R−13を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定はすべて不良であった。
Figure 2020052017
(比較例2)PVA:ポリビニルアルコール500
(比較例3)PEG:ポリエチレングリコール20000
(比較例4)PVP:ポリビニルピロリドンK90
(比較例7)SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
(比較例8)TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
(比較例9)TEAB:テトラエチルアンモニウムブロミド
Figure 2020052017

Claims (7)

  1. 金属−樹脂複合体粒子を備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットの検体処理液であって、0.3〜5wt%のポリソルベート界面活性剤を含有する水溶液であることを特徴とする、検体処理液。
  2. さらに、0.01〜5wt%の乳由来ブロッキング剤を含有する、請求項1に記載の検体処理液。
  3. さらに、0.3〜1.0wt%の緩衝剤及び0.5〜2.0wt%の塩成分を含有する、請求項1又は2に記載の検体処理液。
  4. さらに、0.1〜3.0wt%の血清由来タンパク質を含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の検体処理液。
  5. pHが7〜9である、請求項1〜4の何れか1項に記載の検体処理液。
  6. さらに、ポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤を0.20wt%以下で含有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の検体処理液。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の検体処理液を備えることを特徴とする、イムノクロマトキット。
JP2018184718A 2018-09-28 2018-09-28 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット Active JP7218052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018184718A JP7218052B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018184718A JP7218052B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020052017A true JP2020052017A (ja) 2020-04-02
JP7218052B2 JP7218052B2 (ja) 2023-02-06

Family

ID=69996839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018184718A Active JP7218052B2 (ja) 2018-09-28 2018-09-28 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7218052B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114280312A (zh) * 2020-09-27 2022-04-05 河北特温特生物科技发展有限公司 一种用于免疫荧光层析检测的全血分离膜及其制备方法和应用

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09511057A (ja) * 1994-03-29 1997-11-04 コーテックス リミテッド 被検体の検出
JP2009168495A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Sekisui Chem Co Ltd 着色ラテックス
WO2009145250A1 (ja) * 2008-05-29 2009-12-03 アークレイ株式会社 免疫分析装置および免疫分析方法
JP2011117906A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Fujifilm Corp イムノクロマトグラフ方法
JP2012037253A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk イムノクロマトグラフィー用試薬組成物およびそれを用いた測定方法
JP2013228350A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Masayasu Enomoto 検体抽出液及び該抽出液を用いる検査方法
WO2015020210A1 (ja) * 2013-08-08 2015-02-12 田中貴金属工業株式会社 溶血性レンサ球菌診断イムノクロマト試薬、キット及び検出方法
US20150118695A1 (en) * 2013-10-28 2015-04-30 Korea University Research And Business Foundation Portable pocket-sized biosensor
WO2015166969A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 田中貴金属工業株式会社 免疫クロマト分析キット、免疫クロマト分析装置及び免疫クロマト分析方法
JP2015200517A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 田中貴金属工業株式会社 免疫クロマト分析方法
JP2015535841A (ja) * 2012-09-27 2015-12-17 アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッドIDEXX Laboratories, Inc. シュマーレンベルグウイルス(sbv)の検出方法及びキット
KR20160072626A (ko) * 2014-12-15 2016-06-23 전북대학교산학협력단 패혈증 인자 il-6 간이 진단 키트
JP2017181368A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 新日鉄住金化学株式会社 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ
WO2018123952A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 新日鉄住金化学株式会社 金属-樹脂複合体及びその利用

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09511057A (ja) * 1994-03-29 1997-11-04 コーテックス リミテッド 被検体の検出
JP2009168495A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Sekisui Chem Co Ltd 着色ラテックス
WO2009145250A1 (ja) * 2008-05-29 2009-12-03 アークレイ株式会社 免疫分析装置および免疫分析方法
JP2011117906A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Fujifilm Corp イムノクロマトグラフ方法
JP2012037253A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk イムノクロマトグラフィー用試薬組成物およびそれを用いた測定方法
JP2013228350A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Masayasu Enomoto 検体抽出液及び該抽出液を用いる検査方法
JP2015535841A (ja) * 2012-09-27 2015-12-17 アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッドIDEXX Laboratories, Inc. シュマーレンベルグウイルス(sbv)の検出方法及びキット
WO2015020210A1 (ja) * 2013-08-08 2015-02-12 田中貴金属工業株式会社 溶血性レンサ球菌診断イムノクロマト試薬、キット及び検出方法
US20150118695A1 (en) * 2013-10-28 2015-04-30 Korea University Research And Business Foundation Portable pocket-sized biosensor
JP2015200517A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 田中貴金属工業株式会社 免疫クロマト分析方法
WO2015166969A1 (ja) * 2014-04-30 2015-11-05 田中貴金属工業株式会社 免疫クロマト分析キット、免疫クロマト分析装置及び免疫クロマト分析方法
KR20160072626A (ko) * 2014-12-15 2016-06-23 전북대학교산학협력단 패혈증 인자 il-6 간이 진단 키트
JP2017181368A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 新日鉄住金化学株式会社 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ
WO2018123952A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 新日鉄住金化学株式会社 金属-樹脂複合体及びその利用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114280312A (zh) * 2020-09-27 2022-04-05 河北特温特生物科技发展有限公司 一种用于免疫荧光层析检测的全血分离膜及其制备方法和应用
CN114280312B (zh) * 2020-09-27 2023-09-15 河北特温特生物科技发展有限公司 一种用于免疫荧光层析检测的全血分离膜及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP7218052B2 (ja) 2023-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6353534B2 (ja) 標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP6381642B2 (ja) 樹脂−金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP6800275B2 (ja) 樹脂−白金複合体及びその利用
JP7265357B2 (ja) 金属-樹脂複合体及びその利用
JP2017181368A (ja) 免疫測定方法、免疫測定用キット及びラテラルフロー型クロマトテストストリップ
JP7218052B2 (ja) 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット
JP6761246B2 (ja) 樹脂−金属複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP7265315B2 (ja) 免疫学的測定用金属ナノ粒子-セルロース複合体、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、アナライト測定用キット、及び、ラテラルフロー型クロマト用テストストリップ
JP2023140980A (ja) 標識抗体の製造方法、標識抗体及び免疫学的測定法
JP2022134172A (ja) ナノ複合体粒子、標識物質、免疫学的測定法、免疫学的測定用試薬、アナライトの測定方法、及び、アナライト測定用キット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220823

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20221017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221017

RD17 Notification of extinguishment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7437

Effective date: 20221104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7218052

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150