JP2017173009A - イムノクロマトグラフィー検査用カセット - Google Patents

イムノクロマトグラフィー検査用カセット Download PDF

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Abstract

【課題】イムノクロマト検査時において、検体滴下量における人為的なばらつき、特に過量に滴下した場合においても本来の性能を発揮することが可能なイムノクロマトグラフィー検査用カセットを提供することを主な課題とする。
【解決手段】本発明として、例えば、イムノクロマト検査用カセットにおいて、上部ハウジングに設けた検体滴下孔と判定窓を備え、滴下孔側に位置する判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有することを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用カセットを挙げることができる。また、それを含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー検査用キットやそれを用いることを特徴とするイムノクロマトグラフィー検査法も挙げることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、免疫化学反応を利用した検査法の技術分野に属する。本発明は、具体的にはイムノクロマトグラフィー検査に用いられるカセットに関するものである。
イムノクロマトグラフィー検査法(イムノクロマトとも称す)は、検体から目的の抗原を抽出し、当該抗原に対する抗体をライン状に固定化したメンブレン上に、当該抽出液を毛細管現象により展開し、メンブレン上において抗原抗体反応を起こさせることにより当該抗原を検出する免疫化学的検査方法の一つである。一般的には、抗原抗体反応の結果、抗原が存在する場合には、色素化合物、金コロイド等の検出手段によって呈色しメンブレン上に視認可能なラインが現れることになる。イムノクロマトを用いることにより、少ない検体量から、簡単な操作により、短時間(3〜30分程度)で、しかも特別な分析機器も必要とせず、検査を行うことができる。イムノクロマトはその簡便さから病院、検査機関、保健所等の様々な場所において、生体試料または食品におけるウイルス、病原菌、疾患・バイオマーカー、アレルギー原性物質、または毒物の存在を確認するための第一次の検査法として広く汎用的に使用されている。
イムノクロマトは医療機関等における検査時の操作簡便性を考慮し、図1に示した試験片を特許文献1あるいは特許文献2に記載されているような、主としてプラスチック製で形成されているハウジング内に収納し、扱いやすくしたカセットタイプとすることが一般的である。また、既にそのような製品が市販されている。
この検査用カセットにおいては、図2に示すように、患者から採取した検体に含まれる抗原を抽出液で抽出後、試験片に検体を滴下する際の滴下孔と試験片中のメンブレン上で抗原抗体反応が生じ、発色等によって抗原の検出結果が判定できる判定窓が通常、備えられている。
イムノクロマト検査において、患者検体中からの抗原抽出が十分でなく、抗原量が非常に少ないような場合、陽性として視認できるほど十分な発色が認められないことがある。また、患者が病原体に感染して間もないような場合では、検体の採取において十分な抗原量を採取できないことから、本来、陽性を示すようなケースであっても陰性として誤った判断がなされてしまうケースが発生することがある。そのため、検体抽出試薬や抗原抗体反応を視認するための発色剤の検討など、さらなる高感度化を図るための様々な努力が現在も行なわれている。
一方、すでに市販されている検査用カセットにおいては、先に示した問題点の回避を試みようとするあまり、医療機関等において、より多くの抗原量を試験片に滴下しようとする意識が働き、イムノクロマト検査用カセットの多くで定められている、検体滴下の適正量を逸脱し、過剰に滴下孔から滴下するケースがこれまでに認められている。
検体滴下を過剰に行なった場合、カセットの滴下孔から試験片の吸収パッドに速やかに検体が吸収されずに周囲にあふれ出たり、吸収パッドでの吸収力が許容限界を超え、カセット内部に検体が漏れ出てしまうおそれがある。さらには、吸収パッド、コンジュゲートパッドへと検体が移行し、メンブレン上を検体が展開していくという通常の流れが妨げられ、吸収パッドからあふれ出た検体が直接メンブレン上へと移行する現象が認められることも確認されている。この場合、コンジュゲートパッドに包含している標識抗体がメンブレン上に流れないため、陽性を示すサンプルラインはおろか、検体が展開した場合には必ず発色するはずのコントロールラインまでもが発色せずに視認できない状態となり、医療機関からのクレームにつながるなど、大きな問題となっている。
実公平7−14892号公報 特開2010−181346号公報
一般的なイムノクロマト検査においては、多くの場合、検体の適正な滴下量が定められている。しかし、主として人為的な要因により、必ずしも検査時に適正量が滴下されていない。特に過量に滴下した際は、検査結果に影響を及ぼすような様々な問題が発生する可能性をはらんでいるが、そのための十分な対策もなされていないのが実状である。
本発明は、イムノクロマト検査時において、検体滴下量における人為的なばらつき、特に過量に滴下した場合においても本来の性能を発揮することが可能なイムノクロマトグラフィー検査用カセットを提供することを主な課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、イムノクロマト検査用カセットにおいて、上部ハウジングに設けた検体滴下孔と判定窓を備え、滴下孔側の判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有するカセットを構築することにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明として、例えば、以下のものを挙げることができる。
[1]上部ハウジングに検体滴下孔と判定窓を備え、滴下孔側に位置する判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有することを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用カセット。
[2]さらにイムノクロマトグラフィー検査用試験片を内在する、上記[1]に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
[3]患者から採取した検体を、滴下孔を通じて滴下するものである、上記[1]または[2]に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
[4]判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側から5%ないし95%の範囲がメンブレンと接触しない構造を有する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
[5]被検物質(抗原)が、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、A群溶連菌、マイコプラズマ、インスリン様成長因子結合タンパク1である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
[6]上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセットを含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用キット。
[7]上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセットまたは上記[6]に記載のイムノクロマトグラフィー検査用キットを用いることを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査法。
本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査用カセット(以下、「本発明カセット」という。)は、上部ハウジングに検体滴下孔と判定窓を設け、滴下孔側に位置する判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有することで、患者から抽出した検体の滴下量が適正であるか否かに関わらず、本来のイムノクロマトの能力を適正に発揮することが可能である。
イムノクロマト検査法に用いられる試験片の一例を示す。 イムノクロマト検査法に用いられる一般的なカセットの一例を示す。 左図は検査用カセットに適正量の抽出液を滴下した場合の状態を、右図は過量滴下した場合の状態をそれぞれ示す写真である。 検査用カセットの上部ハウジングの裏向き写真であり、上図は加工前の状態を、下図は切削加工後の状態を表す。 過量滴下時におけるCライン異常発生率を表す。横軸は各検体の正常滴下量比を、縦軸はCラインが検出されないという異常が発生した比率(%)をそれぞれ示す。 過量滴下時に判定窓のメンブレンとの接触割合の違いが及ぼすCライン異常発生率を示す。横軸はメンブレン非接触率(%)を、縦軸はCラインが検出されないという異常が発生した比率(%)をそれぞれ示す。
以下、本発明について詳述する。
1 本発明カセット
本発明カセットは、上部ハウジングに検体滴下孔と判定窓を備え、滴下孔側に位置する判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有することを特徴とする。そして、実際のイムノクロマトグラフィーによる検査は、イムノクロマト検査用試験片(以下、単に「試験片」という。)を本発明カセットの所定位置に内在させて行われる。本発明カセットには、試験片が内在されたものも含まれる。
本発明カセットにおいて、滴下孔側に位置する判定窓周縁部とメンブレンとが接触していない部分(長さ)の割合としては、検査用カセットの構造や材質、判定窓の大きさ、サンプル液の粘度などによって異なり特に限定されないが、例えば、長手方向全体の長さに対し、滴下孔側から5%ないし95%の範囲内が適当であり、10%ないし85%の範囲内が好ましく、さらには24%ないし75%の範囲内がより好ましい。
判定窓周縁部とメンブレンとが接触していない部分の隙間幅(クリアランス)としては、検査用カセットの構造や材質、判定窓の大きさ、サンプル液の粘度などによって異なり特に限定されないが、例えば、0.5〜5mmの範囲内が適当であり、0.7〜3mmの範囲内が好ましい。
なお、常法により、判定窓周縁部とメンブレンとが滴下孔側から一部接触していない本発明カセットを作製することができる。判定窓周縁部とメンブレンとが全部接触している、あるいは接触していない部分がない公知の当該検査用カセットを滴下孔側から切削加工することなどにより作製することもできる。
本発明カセットに設置される試験片は、図1に示すように、通常、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、吸収パッド、および支持体(バッキングシート)から構成される。また、図2に示すように、本発明カセットのハウジング上部には、一般の当該検査用カセットと同様に、滴下孔と判定窓が備えられており、それぞれ下記の機能を有する。
(1)滴下孔
滴下孔は、患者等から採取した検体をサンプルパッド部に供給するための供給孔であり、検体を直接、あるいはスポイトや滴下チューブ等で滴下するための部位である。滴下孔を通じて供給された検体はサンプルパッド中に移行しコンジュゲートパッドへ、さらにメンブレン上へと移行することとなる。
(2)判定窓
判定窓は、試験片を構成している部材のうち、メンブレンが露出している部位である。検体中に含まれる被験物質(抗原)とメンブレン上に塗布された固相化抗体とが抗原抗体反応により反応し、標識物質によって陽性を示すためのサンプルラインと、検体がメンブレン上を展開したことを確認するためのコントロールラインを視認することを目的に設けられている。
本発明カセットに内在する試験片は、一般的なイムノクロマトグラフィー検査法で用いられるものであれば特に限定されることはなく、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、吸収パッド、支持体の構成となっているものを挙げることができる。当該検査法で一般に使われる試験片をそのまま用いることができる。また、当該試験片に用いられる各種素材についても一般的な部材であれば良い。
本発明カセットを構成する部材についても特に限定されないが、例えば、アクリル酸ポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリエステルなどを用いることができる。
本発明カセットには、カセットの組み立て時の容易さや手間の軽減のため、下部ハウジング内側に試験片が収まるようなガイドを設けることができる。これにより、本発明カセットは流通時の振動による試験片のずれや偏りを防止することができ、判定窓から確実にメンブレンを見ることができる。
また、本発明カセットの上部ハウジングは、さらに、判定窓の長手方向の周縁部がやや内側に出っ張った構造とすることができる。これにより本発明カセットを組み立てた際に、内在する試験片のメンブレン部分をしっかりと挟み込み、ずれを生じ難い構造とすることができる。
従来の当該検査用カセットの一般的な構造では、判定窓の長手方向周縁部がメンブレンと全部接触している状態にある。この時、検体の過量滴下が行なわれた場合、滴下孔周辺あるいはサンプルパッドからあふれ出た検体が直接メンブレン上に移行してしまい、判定窓周縁部とメンブレン上のわずかな隙間に到達すると、判定窓の枠に沿って毛細管現象により一気に展開方向に液が流れてしまう結果となる。このことは、標識抗体を含むコンジュゲートパッド部を通過しないで検体がメンブレン上を展開してしまうことを意味する。すなわち、コントロールラインが出ない状態を引き起こす(図3参照)。
本発明は、従来の当該検査用カセットの上部ハウジングに位置する判定窓において、検体を滴下する滴下孔が存在する側の周縁部をメンブレンと接触しないようにすることで、過量滴下時にもコンジュゲートパッド、メンブレンという液の流れを生み出し、本来の当該検査用カセットの能力を発揮させるものである。
2 本発明に係るイムノクロマトグラフィー検査用キットと検査法
本発明は、本発明カセットを含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー検査用キット(以下、「本発明キット」という。)を含む。また、本発明には、本発明カセットまたは本発明キットを用いることを特徴するイムノクロマトグラフィー検査法(以下、「本発明検査法」という。)も含まれる。
本発明キットには、本発明カセット(通常、試験片が含まれている)以外に、患者から検体を採取するためのスワブ、検体から被検物質(抗原)を抽出するための抽出液、抽出液を滴下するスポイトや滴下ノズル付のチューブなどが含まれる。
本発明検査法は、一般的なイムノクロマトグラフィー検査法と同様にして行うことができる。
本発明検査法で検査しうる生体試料等の検体としては、通常、イムノクロマトに供される検体であれば特に限定されないが、例えば、鼻汁、鼻汁鼻かみ液、鼻腔吸引液、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、唾液、痰、角結膜拭い液、涙、尿、膣分泌液、羊水、乳頭分泌液、血液、血清、血漿、髄液、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞または糞便からの抽出物、植物の抽出液、食品の抽出液、などが挙げられる。これらの中でも鼻汁、鼻腔拭い液、咽頭拭い液、痰、角結膜拭い液、尿、膣分泌液、などが好適な検体として挙げることができる。生体試料等の検体は、直接ないしスワブや注射器、鼻かみシートなどの手段を用いて採取することができる。
本発明検査法で検出しうる被検物質(抗原)としては、通常、イムノクロマトで検出されるものであれば特に限定されないが、例えば、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス等のウイルス、レジオネラ菌、病原性大腸菌等の病原菌、インスリン様成長因子結合タンパク1、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン等の疾患・バイオマーカー、アレルギー原性物質、毒物、などが挙げられる。これらの中でも、本発明は、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、インスリン様成長因子結合タンパク1、などの検出に使用されることが好ましく、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスに使用されることがより好ましい。
以下、実施例、試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はそれら実施例等に限定されるものではない。
[実施例1]
判定窓周縁部とメンブレンとが接触していない部分がない市販のアデノウイルス検出キットに対し、本発明カセットの特徴である判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を33%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した(図4参照)。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。10回の試験において、すべてコントロールラインは視認され、ラインの発生異常は認められなかった。
[比較例1]
実施例1と同様に市販されているアデノウイルス検出キットに対し、市販のカセットのまま(判定窓周縁部とメンブレンとは全部接触)、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、すべての試験でコントロールラインは認められず、ラインの異常発生率は100%であった。
[比較例2]
比較例1と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.0倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は70%であった。
[比較例3]
比較例1と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の1.75倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は30%であった。
[実施例2]
判定窓周縁部とメンブレンとが接触していない部分がない市販のヒューマンメタニューモウイルス検出キットに対し、本発明カセットの特徴である判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を33%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。10回の試験において、すべてコントロールラインは視認され、ラインの発生異常は認められなかった。
[比較例4]
実施例2と同様の検出キットを市販のカセットのまま(判定窓周縁部とメンブレンとは全部接触)、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は90%であった。
[比較例5]
比較例4と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.0倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は70%であった。
[比較例6]
比較例4と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の1.75倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は30%であった。
[実施例3]
判定窓周縁部とメンブレンとが接触していない部分がない市販のRSウイルス検出キットに対し、本発明カセットの特徴である判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を33%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。10回の試験において、すべてコントロールラインは視認され、ラインの発生異常は認められなかった。
[比較例7]
実施例3と同様の検出キットを市販のカセットのまま(判定窓周縁部とメンブレンとは全部接触)、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は70%であった。
[比較例8]
比較例7と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の2.0倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は10%であった。
[比較例9]
比較例7と同様に市販の検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり、抽出液を適正量の1.75倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は10%であった。
実施例1〜3および比較例1〜9の結果を図5に示す。本発明カセットの特徴を有するように加工した3種類のウイルス検出キットのいずれも抽出液の過量滴下に対するコントロールラインの異常発生は認められず、良好な結果を示した。
[実施例4]
実施例1と同様に、市販されているアデノウイルス検出キットに対し、本発明カセットの特徴である判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を5%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は10%であった。
[実施例5]
実施例4と同様に判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を10%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は30%であった。
[実施例6]
実施例4と同様に判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を14%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は10%であった。
[実施例7]
実施例4と同様に判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を19%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、ラインの異常発生率は10%であった。
[実施例8]
実施例4と同様に判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を24%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、すべてコントロールラインは視認され、ラインの発生異常は認められなかった。
[実施例9]
実施例4と同様に判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下孔側の判定窓周縁部を29%メンブレンと接触しないように、また、当該周縁部とメンブレンとのクリアランスを0.7mmになるように切削加工した。その後、当該検出キットの添付文書に記載の手順にのっとり抽出液を適正量の2.5倍で過量滴下して試験し、15分経過後にコントロールラインに異常がないか確認した。その結果、10回の試験において、すべてコントロールラインは視認され、ラインの発生異常は認められなかった。
実施例4〜9および比較例1の結果を図6に示す。滴下孔側に位置する判定窓周縁部とメンブレンの接触しない割合を変えて試験した結果、本発明カセットの特徴を有することにより、比較例1と比べ、コントロールラインの異常発生率は著しく低く抑えられ、良好な結果が示された。
本発明カセットは、医療機関等で検査を実施される際に発生しうる人為的な検体滴下量の不適正さ、特に過量滴下時の影響を受けることなく、本来有している検査機能を発揮することができるため、診断の正確性を確保できるという点で非常に有用である。
A 試験片
B 検査用カセット
1 メンブレン
11 サンプルライン
12 コントロールライン
2 コンジュゲートパッド
3 サンプルパッド
4 吸収パッド
5 支持体
6 上部ハウジング
7 検体滴下孔
8 判定窓
9 下部ハウジング

Claims (7)

  1. 上部ハウジングに検体滴下孔と判定窓を備え、滴下孔側に位置する判定窓周縁部の一部がメンブレンと接触しない構造を有することを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用カセット。
  2. さらにイムノクロマトグラフィー検査用試験片を内在する、請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
  3. 患者から採取した検体を、滴下孔を通じて滴下するものである、請求項1または2に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
  4. 判定窓の長手方向全体の長さに対し、滴下側から5%ないし95%の範囲がメンブレンと接触しない構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセット。
  5. 被検物質(抗原)が、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、レジオネラ菌、A群溶連菌、マイコプラズマ、インスリン様成長因子結合タンパク1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー用検査カセット。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセットを含むことを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査用キット。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフィー検査用カセットまたは請求項6のイムノクロマトグラフィー検査用キットを用いることを特徴とする、イムノクロマトグラフィー検査法。
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