JP6989428B2 - 前処理剤、前処理キット、抗原検査キット及び抗原検査方法 - Google Patents
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Description
<1>チオール基のアルキル化剤を含み、免疫学的手法による検査においてチオール基を有する化合物を添加した検体の前処理に用いられる、前処理剤。
<2>前記アルキル化剤が、ハロカルボン酸、ハロカルボン酸の誘導体及び活性二重結合を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載の前処理剤。
<3>前記ハロカルボン酸又は前記ハロカルボン酸の誘導体がモノハロ酢酸又はモノハロ酢酸アミドである、<2>に記載の前処理剤。
<4>前記モノハロ酢酸又は前記モノハロ酢酸アミドがヨード酢酸ナトリウム又はヨードアセトアミドである、<3>に記載の前処理剤。
<5>前記活性二重結合を有する化合物がマレイミド化合物である、<2>に記載の前処理剤。
<6>前記マレイミド化合物がN−メチルマレイミド及びN−エチルマレイミドの少なくともいずれかである、<5>に記載の前処理剤。
<7>前記チオール基を有する化合物がN−アセチル−L−システインを含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の前処理剤。
<8>前記免疫学的手法がイムノクロマト法である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の前処理剤。
<9>前記検査が結核菌に特異的な抗原の有無の検査である、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の前処理剤。
<10>前記抗原がMPT64である、<9>に記載の前処理剤。
<11><1>〜<10>のいずれか1項に記載の前処理剤と、チオール基を有する化合物と、を備える前処理キット。
<12><1>〜<10>のいずれか1項に記載の前処理剤又は<11>に記載の前処理キットと、抗原検査デバイスと、を備える抗原検査キット。
<13>検体にチオール基を有する化合物を添加する工程と、前記チオール基を有する化合物を添加した前記検体に<1>〜<10>のいずれか1項に記載の前処理剤を添加する工程と、前記前処理剤を添加した前記検体が抗原を含むか否かを免疫学的手法で検査する工程と、を備える抗原検査方法。
本開示の前処理剤は、チオール基のアルキル化剤を含み、免疫学的手法による検査においてチオール基を有する化合物(以下、チオール化合物とも称する)を添加した検体の前処理に用いられる、前処理剤である。
具体的には、例えば、チオール基のアルキル化剤の量が検体に含まれるチオール基1モルに対して0.8モル以上となる添加量が好ましく、1モル以上となる添加量がより好ましく、1.5モル以上となる添加量がさらに好ましい。
本開示の前処理キットは、上述した前処理剤と、チオール化合物と、を備える。
前処理キットの具体的な構成は特に制限されない。例えば、前処理剤を収容した容器と、チオール基を有する化合物を収容した容器との組合せであってよい。この場合、前処理剤を収容した容器と、チオール基を有する化合物を収容した容器とは分離していても一体化していてもよい。
本開示の抗原検査キットは、上述した前処理剤又は前処理キットと、抗原検査デバイスと、を備える。
抗原検査デバイスの具体的な構成は特に制限されないが、免疫学的手法による検査に用いるものであることが好ましい。例えば、イムノクロマト法による検査に一般的に使用される試験片であってもよく、その他の構成を有するデバイスであってもよい。
本開示の抗原検査方法は、検体にチオール化合物を添加する工程と、前記チオール化合物を添加した前記検体に上述した前処理剤を添加する工程と、前記前処理剤を添加した前記検体が抗原を含むか否かを免疫学的手法で検査する工程と、を備える。
抗酸菌が含まれていないことを確認した健常人の喀痰に、MPT64抗原(160ng/mL)を添加して検体を作製した。この検体(30μL)に、0.5%(w/v)のNALCと、50mMのクエン酸ナトリウムと、0.1M NaOHとを含む水溶液(75μL)を加え、ボルテックスミキサーで数秒間混合し、5分間静置した。このときの検体のpHは12であった。その後、検体にNaH2PO4(1.68M)を加えてpHが7.2となるように中和し、遠心分離して上清を得た。
吸光度(ABS)=log(a/b)
なお、1ABSは1000mABSである。
ニトロセルロース膜(Immunopore RP、GEヘルスケアジャパン社)を25mm×300mmのサイズに切断した。次いで、2%(w/v)のスクロースを含むリン酸バッファ(pH7.4)で1.0mg/mLになるように、標識抗体の作製に用いた抗体と異なるマウス由来抗MPT64モノクローナル抗体を希釈して、検出ライン用の抗体溶液を調製した。この抗体溶液を、ニトロセルロース膜の長辺の一端から12mmの位置に、1μL/cmの塗布量となるように塗布して検出ラインを作製した。
比較例1において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にヨード酢酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社)0.51mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例1と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例1において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にヨードアセトアミド(和光純薬工業株式会社)0.45mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例1と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例1において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にN−メチルマレイミド(東京化成工業株式会社)0.53mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例1と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例1において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にN−エチルマレイミド(東京化成工業株式会社)0.6mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例1と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。結果を図1に示す。
また、実施例1〜4のいずれにおいてもNALCの添加により低下した検体の粘性は再び上昇せず、比較例1と同程度の十分量の検体を検出ラインまで展開することができた。
比較例1において、抗体のSH基にALPを標識した標識抗体に替えて抗体のNH2基にALPを標識したALP標識抗体(10μL)を使用したこと以外は比較例1と同様にして、検体のイムノクロマト試験を行った。ALP標識抗体は、市販のALP標識試薬(同仁化学社のAlkaline Phosphatase Labeling Kit−NH2)を用いて、マウス由来抗MPT64モノクローナル抗体のNH2基にALPを標識して作製した。
比較例2において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にヨード酢酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社)0.51mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例2と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例2において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にヨードアセトアミド(和光純薬工業株式会社)0.45mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例2と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例2において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にN−メチルマレイミド(東京化成工業株式会社)0.53mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例2と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。
比較例2において、NALCを添加して5分間静置した後の検体にN−エチルマレイミド(東京化成工業株式会社)0.6mgを加えてさらに5分間静置したこと以外は比較例2と同様にして得た上清を用いてイムノクロマト試験を行った。結果を図2に示す。
また、実施例5〜8のいずれにおいてもNALCの添加により低下した検体の粘性は再び上昇せず、比較例2と同程度の十分量の検体を検出ラインまで展開することができた。
抗酸菌が含まれていないことを確認した健常人の喀痰に、MPT64抗原(30ng/mL)を添加して検体を作製した。この検体(40μL)に、0.5%(w/v)のNALCと、50mMのクエン酸ナトリウムと、0.1M NaOHとを含む水溶液(100μL)を加え、ボルテックスミキサーで数秒間混合し、5分間静置した。このときの検体のpHは12であった。その後、実施例9及び実施例10の検体と体積を等しくするためにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を16.2μL添加して5分間静置した。その後、検体にNaH2PO4(1.68M)を加えてpHが7.2となるように中和し、遠心分離して上清を得た。得られた上清90μLを用いて検体を4種(検体A〜D)準備し、比較例1と同様にしてイムノクロマト試験を行った。結果を図3に示す。
検体にNaH2PO4を加える前に、PBSに替えて、PBSに溶解したヨード酢酸ナトリウム(200mM、ナカライテスク株式会社)を16.2μL添加(チオール基1モルに対して1モル)して5分間静置したこと以外は比較例3と同様にしてイムノクロマト試験を行った。
検体にNaH2PO4を加える前に、PBSに替えて、PBSに溶解したヨード酢酸ナトリウム(400mM、ナカライテスク株式会社)を16.2μL添加(チオール基1モルに対して2モル)して5分間静置したこと以外は比較例3と同様にしてイムノクロマト試験を行った。
また、検体A〜Dのいずれにおいても実施例9、10でNALCの添加により低下した検体の粘性は再び上昇せず、比較例3と同程度の十分量の検体を検出ラインまで展開することができた。
Claims (12)
- チオール基のアルキル化剤を含み、免疫学的手法による結核菌に特異的な抗原の有無の検査においてチオール基を有する化合物を添加した喀痰の前処理に用いられる、前処理剤。
- 前記アルキル化剤が、ハロカルボン酸、ハロカルボン酸の誘導体及び活性二重結合を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の前処理剤。
- 前記ハロカルボン酸又は前記ハロカルボン酸の誘導体がモノハロ酢酸又はモノハロ酢酸アミドである、請求項2に記載の前処理剤。
- 前記モノハロ酢酸又は前記モノハロ酢酸アミドがヨード酢酸ナトリウム又はヨードアセトアミドである、請求項3に記載の前処理剤。
- 前記活性二重結合を有する化合物がマレイミド化合物である、請求項2に記載の前処理剤。
- 前記マレイミド化合物がN−メチルマレイミド及びN−エチルマレイミドの少なくともいずれかである、請求項5に記載の前処理剤。
- 前記チオール基を有する化合物がN−アセチル−L−システインを含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の前処理剤。
- 前記免疫学的手法がイムノクロマト法である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の前処理剤。
- 前記抗原がMPT64である、請求項8に記載の前処理剤。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の前処理剤と、チオール基を有する化合物と、を備える前処理キット。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の前処理剤又は請求項10に記載の前処理キットと、抗原検査デバイスと、を備える抗原検査キット。
- 検体にチオール基を有する化合物を添加する工程と、前記チオール基を有する化合物を添加した前記検体に請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の前処理剤を添加する工程と、前記前処理剤を添加した前記検体が抗原を含むか否かを免疫学的手法で検査する工程と、を備える抗原検査方法。
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