JP2013228159A - ヒートポンプシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】成績係数の低下を招くことなくヒートポンプ式加熱装置に異常が生じた事による湯水の供給能力の低下を抑制するヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】制御部102,202は通常運転と異常時運転とを実行する。通常運転において、全てのヒートポンプ式加熱装置2A,2Bで異常が検知されないときに、沸き上げ運転を実行し、一の温度検出部が温度基準値よりも高い温度を検出したときに沸き上げ運転を終了する。異常時運転において、複数のヒートポンプ式加熱装置2A,2Bのうち少なくとも一つで異常が検知された場合に、異常が検知されないヒートポンプユニット式加熱装置の少なくとも一つを制御して沸き上げ運転を実行し、一の温度検出部よりも湯量が大きい第2の温度検出部が、温度基準値よりも高い温度を検出したときに、沸き上げ運転を終了する。
【選択図】図2
【解決手段】制御部102,202は通常運転と異常時運転とを実行する。通常運転において、全てのヒートポンプ式加熱装置2A,2Bで異常が検知されないときに、沸き上げ運転を実行し、一の温度検出部が温度基準値よりも高い温度を検出したときに沸き上げ運転を終了する。異常時運転において、複数のヒートポンプ式加熱装置2A,2Bのうち少なくとも一つで異常が検知された場合に、異常が検知されないヒートポンプユニット式加熱装置の少なくとも一つを制御して沸き上げ運転を実行し、一の温度検出部よりも湯量が大きい第2の温度検出部が、温度基準値よりも高い温度を検出したときに、沸き上げ運転を終了する。
【選択図】図2
Description
本発明はヒートポンプシステムに関し、特に貯湯タンクと複数台のヒートポンプ式加熱装置とを有するヒートポンプシステムに関する。
ヒートポンプ式の給湯装置は貯湯タンクとヒートポンプ式加熱装置とを備える。ヒートポンプ式加熱装置は貯湯タンクからの湯水を取得し、当該湯水を加熱して貯湯タンクへと戻す。ヒートポンプ式加熱装置は冷媒回路を備え、冷媒回路によって外部から熱量を吸収してこれを当該湯水へと与えることで湯水を加熱する。
また特許文献1のヒートポンプシステムは、タンクと給湯用熱交換器とタンク内に配置されるヒータなどの発熱体とを備えている。特許文献1では、ヒートポンプに異常が生じた場合に、貯湯タンク内の湯水の温度が、予め設定された通常運転時の温度とは別の最高温度となるように、夜間において発熱体に通電を行って貯湯タンク内の湯水を加熱する。
ヒートポンプ式の給湯装置において、貯湯タンクを共用する複数のヒートポンプ式加熱装置を設けることを考える。この場合、複数のヒートポンプ式加熱装置の少なくとも1つに異常が生じ、しかも給湯量が多ければ、ヒートポンプ式の給湯装置の湯水の供給能力が低下する可能性が高まる。
上記のヒートポンプ式の給湯装置において、複数のヒートポンプ式加熱装置のうち1つに異常が生じたとき、特許文献1の技術を参考にして、他の正常なヒートポンプ式加熱装置の1つを用いて、当該ヒートポンプ式加熱装置によって加熱された後の湯水の温度(以下、沸き上げ温度と呼ぶ)を、予め定められた通常の目標値よりも高い目標値に近づけるように湯水を加熱する、ことが考えられる。しかしながら、このように沸き上げ温度についての目標値を高めればヒートポンプ式加熱装置の成績係数が低下する要因となる。
そこで、本発明は、成績係数の低下を招かず、ヒートポンプ式加熱装置に異常が生じた事による湯水の供給能力の低下を抑制できるヒートポンプシステムを提供することを目的とする。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第1の態様は、湯水が蓄えられる貯湯タンク(11)と、貯湯タンクの下部に接続される吐出配管(h2,h21,h22)と、前記貯湯タンクに接続される入湯配管(h3,h31,h32)と、前記吐出配管から供給される前記湯水を加熱して前記入湯配管を介して前記貯湯タンクに戻す沸き上げ運転を実行する複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)と、前記複数のヒートポンプ式加熱装置の各々の異常を検知する異常検知部(103,203)と、前記貯湯タンク内の湯量が異なる複数の位置に設けられた複数の温度検出部(3,3A〜3E,25)と、前記入湯配管に設けられて前記複数のヒートポンプ式加熱装置の各々によって加熱された前記湯水の沸き上げ温度を検出する沸き上げ温度検出部(28)と、前記沸き上げ運転を制御する制御部とを備えるヒートポンプシステムにおいて、前記制御部は、(i)全ての前記複数のヒートポンプ式加熱装置で前記異常が検知されない場合、前記沸き上げ温度と、沸き上げ温度についての目標値との偏差を低減するように少なくとも一つの前記複数のヒートポンプ式加熱装置を制御して第1の前記沸き上げ運転を実行し、前記複数の温度検出部のうちの一つである第1温度検出部が、予め設定された温度基準値よりも高い温度を検出したときに前記第1の前記沸き上げ運転を終了する通常運転を行い、(ii)前記複数のヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つにおいて前記異常が検知された場合、前記沸き上げ温度と前記目標値との偏差を低減するように前記異常が検知されていない前記ヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つを制御して第2の前記沸き上げ運転を実行し、前記複数の温度検出部のうちの一つであり、かつ、前記第1温度検出部よりも前記湯量が大きい位置に設けられた第2温度検出部が、前記温度基準値よりも高い温度を検出したときに、前記第2の前記沸き上げ運転を終了する異常時運転を行う。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第2の態様は、第1の態様にかかるヒートポンプシステムであって、前記制御部(102,202)は、少なくとも一つの前記複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)で前記異常が検知され、且つ前記複数の温度検出部(3,3A〜3E)のうち前記第1温度検出部よりも前記湯量が大きく前記第2温度検出部よりも前記前記湯量が小さい位置に設けられる温度検出部、又は前記第2温度検出部が、前記温度基準値よりも低い温度を検出したときに、前記第2の前記沸き上げ運転を実行する。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第3の態様は、第1又は第2の態様にかかるヒートポンプシステムであって、前記第2温度検出部は前記複数の温度検出部のうち前記湯量が最も大きい位置に設けられる温度検出部である。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第4の態様は、第1から第3の何れか一つの態様にかかるヒートポンプシステムであって、前記制御部(102,202)は、前記異常時運転において、前記異常が生じていない前記複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)の全てを制御して前記第2の前記沸き上げ運転を実行する。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第5の態様は、第1から第4の何れか一つの態様にかかるヒートポンプシステムであって、前記制御部(102,202)と通信可能に設けられるリモートコントローラ(400)を備え、前記リモートコントローラは前記目標値を入力する入力部(402)を備える。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第1の態様によれば、ヒートポンプ式加熱装置の一つに異常が生じたときに沸き上げ運転を実行する。そして、第1温度検出部よりも湯量が大きい位置に設けられた第2温度検出部が温度基準値よりも高い温度を検出するときに、沸き上げ運転を終了する。よって、ヒートポンプ式加熱装置に異常が生じたときに、異常が生じていないヒートポンプ式加熱装置を利用して貯湯タンクに蓄えられる湯水における湯の比率を増大させることができる。しがってヒートポンプ式加熱装置に異常が生じたことによる湯水供給能力の低下を抑制することができる。
しかも通常運転で採用される沸き上げ運転についての目標値が異常時運転でも採用される。したがって、目標値を上げることによるCOP(成績係数)の低下を回避することができる。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第2の態様によれば、不要な第2の沸き上げ運転の実行を抑制することができる。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第3の態様によれば、湯水供給能力を最も大きくできる。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第4の態様によれば、速やかに貯湯タンクの湯水を沸き上げることができる。
本発明にかかるヒートポンプシステムの第5の態様によれば、ユーザが沸き上げ温度についての目標値を設定できる。
<全体構成>
図1に示すように、本ヒートポンプシステムは、貯湯タンク11と、複数のヒートポンプ式加熱装置20A,20Bを備えている。図1の例示では、2台のヒートポンプ式加熱装置が設けられているものの、3台以上のヒートポンプ式加熱装置が設けられていても良い。
図1に示すように、本ヒートポンプシステムは、貯湯タンク11と、複数のヒートポンプ式加熱装置20A,20Bを備えている。図1の例示では、2台のヒートポンプ式加熱装置が設けられているものの、3台以上のヒートポンプ式加熱装置が設けられていても良い。
貯湯タンク11は、例えば円筒状に形成されており、例えば460L(L:リットル)の容量を有している。貯湯タンク11には湯水が蓄えられる。
貯湯タンク11の底面には、貯湯タンク11内に給水するための給水口11aが設けられている。この給水口11aは給水配管h1に接続されており、貯湯タンク11は給水配管h1を介して給水される。後述するように貯湯タンク11から出湯しても、上記の給水によって貯湯タンク11内は常に湯水で満たされる。
貯湯タンク11の下部(図1の例示では底面)には吐出口11bが設けられている。この吐出口11bは吐出配管h2の一端に接続されており、吐出配管h2の他端は吐出配管h21,h22に接続される。言い換えれば吐出配管h2は吐出配管h21,h22に分岐する。ヒートポンプ式加熱装置20Aは吐出配管h2,h21を介して貯湯タンク11から供給される湯水を加熱する。ヒートポンプ式加熱装置20Bは吐出配管h2,h22を介して貯湯タンク11から供給される湯水を加熱する。
貯湯タンク11の例えば上面には入湯口11cが設けられている。この入湯口11cは入湯配管h3の一端に接続されており、入湯配管h3の他端は入湯配管h31,h32に接続される。ヒートポンプ式加熱装置20Aは加熱した湯水を入湯配管h3,h31を介して貯湯タンク11へと戻す。ヒートポンプ式加熱装置20Bは加熱した湯水を入湯配管h3,h32を介して貯湯タンク11へと戻す。
以下ではヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの上述の動作を沸き上げ運転と呼ぶ。このような沸き上げ運転によって、貯湯タンク11の下方側の湯の温度以上の温度を有する湯が、貯湯タンク11の上部側から順に貯湯される。
貯湯タンク11の上面には出湯口11dが設けられている。この出湯口11dは出湯配管h4に接続される。出湯配管h4は不図示の給湯部に接続され、貯湯タンク11からの湯が給湯部へと供給される。
また貯湯タンク11内の湯量(以下、残湯量と呼ぶ)が異なる複数の位置に温度検出部(例えばサーミスタ)3,3A〜3Eが設けられる。ここで残湯量とは、予め定められた温度基準値Tref(例えば45℃〜60℃)よりも高い温度の湯が貯湯タンク11内に貯蔵される量を指す。温度検出部3,3A〜3Eは、自身が設けられる位置において湯水の温度を検出する。
図1の例示では温度検出部3は例えば貯湯タンク11の上部に設けられ、温度検出部3A〜3Eは例えば貯湯タンク11の側面において互いに高さの異なる位置に設けられる。温度検出部3A〜3Eはそれぞれ貯湯タンク11の上部からこの順で配置され貯湯タンク11内の湯水の温度を検出する。
各温度検出部3,3A〜3Eはそれぞれ、貯湯タンク11の残湯量K(例えばK=ゼロL)、残湯量A(例えばA=50L),残湯量B(例えばB=150L),残湯量C(例えばC=230L),残湯量D(例えばD=310L),残湯量E(例えばE=370L)に対応する高さ位置に配設されている。
また吐出配管h2(或いは吐出配管h21,h22)の所定の位置には温度検出部25が設けられる。この温度検出部25によって検出される温度が温度基準値Trefよりも高ければ、貯湯タンク11中には温度基準値Trefよりも温度が高い湯のみが蓄えられることとなる。よって温度検出部25は、貯湯タンク11の容量と同じ残湯量F(例えばF=460L)に対応する位置に設けられる、とも把握できる。
なお温度検出部は次のように設けられればよい。即ち、貯湯タンク11において高さの異なる複数の位置と吐出配管h2,h21,h22における任意の位置とを含む複数の位置のうち、少なくとも2つ以上の位置に、温度検出部を設ければよい。これによって、残湯量が異なる位置に温度検出部が設けられるからである。
入湯配管h31,h32にはそれぞれ沸き上げ温度検出部(以下、単に温度検出部と呼ぶ)28が設けられる。温度検出部28はヒートポンプ式加熱装置20A,20Bで加熱された後の湯水の温度(沸き上げ温度)を検出する。ヒートポンプ式加熱装置20Aは当該沸き上げ温度と、当該沸き上げ温度についての目標値T*(例えば65℃〜90℃)との偏差が低減するように、湯水を加熱する。ヒートポンプ式加熱装置20Bについても同様である。この制御については後に詳述する。
ヒートポンプ式加熱装置20Aはポンプ12Aとヒートポンプユニット2Aとを備え、ヒートポンプ式加熱装置20Bはポンプ12Bとヒートポンプユニット2Bとを備えている。
ヒートポンプユニット2Aは吐出配管h21と入湯配管h31とに接続され、吐出配管h21から流入される湯水を加熱して入湯配管h31へと供給する。ポンプ12Aは例えば吐出配管h21に設けられる。ポンプ12Aは貯湯タンク11からの湯水を、吐出配管h2,h21、ヒートポンプユニット2Aおよび入湯配管h31,h3をこの順に経由して貯湯タンク11へと戻す。
ヒートポンプユニット2Bは吐出配管h22と入湯配管h32とに接続され、吐出配管h22から流入される湯水を加熱して入湯配管h32へと供給する。ポンプ12Bは例えば吐出配管h22に設けられる。ポンプ12Bは貯湯タンク11からの湯水を、吐出配管h2,h22、ヒートポンプユニット2Bおよび入湯配管h32,h3をこの順に経由して貯湯タンク11へと戻す。
ヒートポンプユニット2A,2Bの基本的な構成は同一であるので、図1ではヒートポンプユニット2Aの内部構成のみを例示している。以下では代表的にヒートポンプユニット2Aについて説明する。ヒートポンプユニット2Aは熱交換器21,22と圧縮機23と膨張機構24とを備えている。これらは冷媒配管27によって接続されて冷媒回路を形成する。
圧縮機23は吸入口23aと吐出口23bとを備え、吸入口23aから吸入した冷媒を圧縮して吐出口23bから吐出する。吸入口23aは熱交換器22の一端22aに接続され、吐出口23bは熱交換器21の端21aに接続される。熱交換器21の端21bと熱交換器22の他端22bとは膨張機構24を介して互いに接続される。
熱交換器21は端21d,21cにおいてそれぞれ吐出配管h21および入湯配管h31と接続され、湯水と冷媒との間で熱交換を行う。より詳細には圧縮機23によって圧縮された冷媒が熱交換器21において凝縮され、これに伴って発する熱量が湯水に与えられる。つまり熱交換器21は凝縮器として機能する。
膨張機構24は例えば電子膨張弁であって、熱交換器21からの冷媒を絞り膨張させて熱交換器22へと供給する。熱交換器22は冷媒と例えば外気との間で熱交換を行う。より詳細には膨張機構24からの冷媒が熱交換器22において蒸発し、これに伴って外気から熱量を吸収する。つまり熱交換器22は蒸発器として機能する。熱交換器22からの冷媒は再び圧縮機23によって圧縮されて冷媒回路を循環する。
図1の例示ではヒートポンプユニット2Aにはファン26が設けられる。ファン26は熱交換器22へと送風して熱交換器22の熱交換を促進させる。
なおポンプ12A,12Bと貯湯タンク11とを収納する貯湯タンクユニットを設けても良い。ここでは貯湯タンクユニットが設けられる態様について説明する。
貯湯タンクユニット1は図2に示すように制御部102を有し、ヒートポンプユニット2A,2Bはそれぞれ制御部202を有する。なお図1と同様に図2においてもヒートポンプユニット2Aのみの内部構成の概念的な一例が示される。図2に例示するように制御部102はポンプ12A,12Bを制御し、制御部202はそれぞれ圧縮機23、膨張機構24およびファン26を制御する。
制御部102,202は互いに通信可能に接続される。図2の例示では貯湯タンクユニット1に伝送部101が設けられ、ヒートポンプユニット2A,2Bにはそれぞれ伝送部201が設けられる。制御部102,202は伝送部101,201を介して互いに通信する。そして制御部102,202は互いに協動して貯湯タンクユニット1およびヒートポンプユニット2A,2Bを制御する。これによって、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bは貯湯タンク11からの湯水を取得し、これを加熱して貯湯タンク11に戻す沸き上げ運転を実行する。
制御部102には温度検出部3,3A〜3Eが接続され、制御部202には温度検出部25,28が接続される。また温度検出部25によって検出される温度は制御部202によって制御部102へと送信される。よって制御部102は貯湯タンク11に貯湯された残湯量を把握することができる。例えば温度検出部3Cによって検出された温度が予め定められた温度基準値Trefよりも大きく、温度検出部3Dによって検出された温度が温度基準値Trefよりも小さい場合、残湯量は温度検出部3Cが設けられる高さに対応する残湯量Dと判断できる。
図1の例示では、例えば貯湯タンクユニット1にはリモートコントローラ4が接続される。リモートコントローラ4は伝送部401と入力部402とを備える。伝送部401は貯湯タンクユニット1の伝送部101と通信可能に接続されて貯湯タンクユニット1と通信を行う。入力部402は、例えば貯湯タンク11に貯湯する湯の量を設定するための入力部である。ユーザは、例えば温度検出部3A〜3E,25に対応する残湯量A〜Fのうちから一つ選択することができる。
リモートコントローラ4によって設定された残湯量は伝送部401,101を介して制御部102へと送信され、記憶部104に記憶される。
また入力部402は貯湯タンク11内の湯の温度についての温度基準値Trefも入力されてもよい。リモートコントローラ4によって設定された温度基準値Trefは伝送部401,101を介して制御部102へと送信され、記憶部104に記憶される。
また例えば記憶部104にはヒートポンプユニット2A,2Bについての通信アドレスやヒートポンプユニット2A,2Bの台数などが格納される。
図1に例示するように制御部102,202にはそれぞれ異常検知部103,203が接続される。異常検知部103,203はヒートポンプ式加熱装置20A,20Bにおける沸き上げ運転に関する異常を検知し、異常情報を制御部102,202へと通知する。例えば異常検知部103はポンプ12A,12Bの異常を検知し、異常検知部203は圧縮機23、膨張機構24およびファン26の異常を検知する。もちろん、これ以外の沸き上げ運転に関する異常が検知されても良い。例えば圧縮機23の吐出口23b側を流れる冷媒の圧力が基準値を超えたことを異常として検知してもよい。このような異常検知自体は公知であるので詳細な説明は省略する。
また異常検知部103,203は沸き上げ運転に関する異常として、例えば制御部102と制御部202との間の通信異常を検知してもよい。この場合、制御部102,202の機能の一部として異常検知部103,203が実現されてもよい。例えば制御部102が返信を要求する信号を制御部202へと送り、所定期間の間にその返信を受信できないときに、通信異常と判断する。
このような異常検知部103,203からの異常情報(通信異常を除く)を受け取った制御部102,202は例えば当該異常情報を互いに通信する。これによって、各制御部102,202はシステム全体の異常を了知することができる。或いは、制御部202が異常情報を制御部102に送信し、制御部102が代表して異常情報を記憶しても良い。
なお通信異常を検知した場合はその通信異常が検知された制御部101,202の間の通信はできない。この場合、次のように異常情報を記憶すると良い。まず、ここでは制御部102が全体のシステムを統括するものとする。この場合、制御部102に接続された(或いは制御部102の機能として実現された)異常検知部103が通信異常を検知し、制御部102が記憶部104に通信異常を記憶する。
またここでは、制御部102,202はマイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成される。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read-Only-Memory)、RAM(Random-Access-Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM(Electrically-Erasable-Programmable-ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、制御部102,202はこれに限らず、制御部102,202によって実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
<通常運転>
ここで述べる通常運転は、全てのヒートポンプ式加熱装置20A,20Bに沸き上げ運転に関する異常が検知されないときに実行される。なお以下では、動作の主体を貯湯タンクユニット1、ヒートポンプユニット2A,2Bとして説明するが、実際には制御部102,202である。また制御部102,202を一つの制御部と把握してもよい。
ここで述べる通常運転は、全てのヒートポンプ式加熱装置20A,20Bに沸き上げ運転に関する異常が検知されないときに実行される。なお以下では、動作の主体を貯湯タンクユニット1、ヒートポンプユニット2A,2Bとして説明するが、実際には制御部102,202である。また制御部102,202を一つの制御部と把握してもよい。
例えば貯湯タンクユニット1はヒートポンプ式加熱装置20A,20Bのいずれにも異常が生じていないかどうかを判断する。これは例えばヒートポンプユニット2A,2Bからの異常情報と、異常検知部103から異常情報とに基づいて実行される。なお制御部102とヒートポンプユニット2Aの制御部202との間に通信異常を検知した場合は、ヒートポンプ式加熱装置20Aに沸き上げ運転に関する異常が生じたと判断するとよい。制御部102とヒートポンプユニット2Aとの間で通信ができなければ、ヒートポンプ式加熱装置20Aを用いた沸き上げ運転が実行できないからである。ヒートポンプ式加熱装置20Bについても同様である。
これらのヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの両方に異常が検知されていない場合に、例えば現在時刻が予め設定された時刻になったことを契機として、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bを制御して沸き上げ運転を実行する。なお、現在時刻は周知の計時手段によって取得することができ、予め設定された時刻は例えば夜間の時刻である。夜間の電気代は昼間の電気代よりも安価に設定されるからである。
沸き上げ運転は例えば次のように実行される。即ち、貯湯タンクユニット1はヒートポンプユニット2A,2Bへと沸き上げ運転指示を送信し、またポンプ12A,12Bを駆動する。沸き上げ運転指示を受け取ったヒートポンプユニット2A,2Bはそれぞれ自身に属する圧縮機23、膨張機構24およびファン26を駆動する。
またヒートポンプ式加熱装置20Aは、温度検出部28によって検出された沸き上げ温度と、当該沸き上げ温度についての目標値T*との偏差が低減するように、制御される。例えば貯湯タンクユニット1は当該偏差が低減するように、ポンプ12Aを流れる湯水の流量を増大/低減させる。より詳細には沸き上げ温度が目標値T*よりも低いときに流量を低減させる。ポンプ12Bについても同様である。
なお目標値T*は記憶部104又はヒートポンプユニット2A,2Bに設けられる不図示の記憶部に格納される。目標値T*は例えばリモートコントローラ4などによって設定されてもよい。言い換えれば、入力部402はユーザによって目標値T*が入力されてもよい。リモートコントローラ4によって設定された目標値T*は例えば伝送部401,101を介して制御部102へと送信され、記憶部104に記憶される。或いは目標値T*は、予め設定されていてもよい。
このような沸き上げ運転によって、貯湯タンク11からの湯水がヒートポンプユニット2A,2Bの熱交換器21で加熱されて貯湯タンク11へと戻され、貯湯タンク11の残湯量が増大する。
そして貯湯タンクユニット1は、予め設定された残湯量に対応する一の温度検出部(例えば温度検出部3Cであり、以下では通常時温度検出部と呼ぶ)が予め設定された温度基準値Trefよりも高い温度を検出したときに、沸き上げ運転の終了指示をヒートポンプユニット2A,2Bへと送信する。沸き上げ運転の終了指示を受け取ったヒートポンプユニット2A,2Bは圧縮機23、膨張機構24およびファン26の制御を終了する。また貯湯タンクユニット1はポンプ12A,12Bの駆動を終了する。これにより沸き上げ運転が終了する。
なお通常時温度検出部としてどの温度検出部を採用するかは例えばユーザがリモートコントローラ4を介して設定してもよい。言い換えれば、入力部402は通常時温度検出部として温度検出部3,3A〜3Eのうちどれを採用するのかを入力することができてもよい。或いは、例えば制御部102が過去の湯の使用状況などに鑑みて設定してもよい。この場合、通常時温度検出部は所定期間毎に更新され得る。このような通常時温度検出部は例えば記憶部104に記憶される。
そして例えば夜間に蓄えられた貯湯タンク11内の少なくとも一部の湯は次の日で消費され、再びその日の夜間で湯が沸き上げられる。なお通常運転は夜間の実行に限らず日中に実行されてもよい。例えば日中において貯湯タンク11内の湯が全て消費される、若しくは残湯量が非常に小さくなった場合に、通常運転が実行されてもよい。これによって貯湯タンク11内の湯が不足する状態(いわゆる湯切れ)を抑制する。
また通常運転においてヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの両方が動作するとして説明したが、これは必須要件ではなく、いずれか一方のみで沸き上げ運転を実行してもよい。ここでは代表的に、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの両方が運転することを想定する。
<異常時運転>
次に異常検知部103,203が沸き上げ運転に関する異常を検知した場合の異常時運転について説明する。
次に異常検知部103,203が沸き上げ運転に関する異常を検知した場合の異常時運転について説明する。
異常時運転は、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの一方に異常が検知されたときに実行される。図3を参照して、例えば貯湯タンクユニット1はステップST1にて、ヒートポンプ式加熱装置2A,2Bのいずれか一方に異常が検知されたかどうかを判断する。なお、ステップST1においてヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの他方に異常が検知されないかどうかの判断も併せて実行することが望ましい。これは、後述のように異常が生じていないヒートポンプ式加熱装置20A,20Bを用いて沸き上げ運転を実行するためである。ここではこの判断も併せて実行するものとする。
ステップST1にて否定的な判断がなされれば、再びステップST1を実行する。なおここでいう否定的な判断は、例えばヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの両方に異常が生じ、或いは両方に異常が生じていない場合に実行される。ステップST1にて肯定的な判断がなされれば、ステップST2にて貯湯タンクユニット1はヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの他方(即ち正常なヒートポンプ式加熱装置)を用いて沸き上げ運転を実行する。沸き上げ運転の具体的な実行方法については通常運転と同一であるので詳細な説明は省略する。ただし異常時運転で採用される目標値T*は、通常運転で採用される目標値T*と同一である。
次にステップST3にて、貯湯タンクユニット1は所定の温度検出部によって検出される温度が予め定められた温度基準値Trefよりも高いかどうかを判断する。この所定の温度検出部(例えば温度検出部25であり、以下では異常時終了温度検出部と呼ぶ)が対応する残湯量は通常時温度検出部のそれよりも大きい。なお異常時終了温度検出部としてどの温度検出部が採用されるかは、例えば予め設定されて記憶部104に記憶される。この設定は例えば残湯量で設定されてもよい。またこの設定はリモートコントローラ4によって実行されてもよい。言い換えれば、入力部402は異常時終了温度検出部として温度検出部3,3A〜3E,25のうちどれを採用するのかを入力することができてもよい。或いは、例えば貯湯タンクユニット1が記憶部104に格納された通常時温度検出部を確認し、これよりも残湯量が大きい位置に設けられた温度検出部を異常時終了温度検出部として採用しても良い。要するに、異常が検知された時点で設定されている通常時温度検出部よりも湯量が大きい温度検出部を採用すればよい。
ステップST3にて否定的な判断がなされれば、再びステップST2を実行する。ステップST3にて肯定的な判断がなされれば、ステップST4にて貯湯タンクユニット1は正常なヒートポンプ式加熱装置を制御して沸き上げ運転を終了する。
以上のように、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bのいずれか一方のみに異常が生じた場合、正常なヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの他方を用いて沸き上げ運転を実行する。そして通常運転で設定された残湯量よりも大きい残湯量で沸き上げ運転が終了する。よって、貯湯タンク11に蓄えられる残湯量を通常運転の残湯量よりも増大させることができる。したがってヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの何れか一方に異常が生じたことによる湯水の供給能力の低下を抑制することができる。
例えば本ヒートポンプシステムとは異なって異常時運転を実行しない場合であれば次の状況で湯量の供給能力が不足しえる。即ち、例えば日中において湯水の使用量が増大することを見越して沸き上げ運転を実行する場合がある。この場合、正常なヒートポンプ式加熱装置のみで沸き上げ運転を実行すれば、動作するヒートポンプ式加熱装置が少ないので残湯量を速やかに増大できない。このような状況で貯湯タンク11内の湯が急激に使用されると必要な残湯量を確保できない、いわゆる湯切れが生じ得る。一方、本ヒートポンプシステムでは異常が生じたときには貯湯タンク11内の残湯量を通常運転よりも増大させることができる。よって、例えば日中に沸き上げ運転を実行する場合、その実行初期の残湯量を増大できる。したがって湯切れを抑制することができる。
しかも異常時運転においても通常運転で採用される目標値T*を採用する。よって目標値T*を増大することによる成績係数(COP)の低下を抑制することができる。また目標値T*を増大させれば圧縮機23の吐出口23b側の冷媒の圧力が増大するところ、このような圧力の増大をも回避することができる。
なお異常時運転は通常運転の実行中であっても実行される。例えば通常運転の実行中にヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの一方に異常が検知され、他方に異常が検知されないときに異常時運転が実行される。或いはヒートポンプ式加熱装置20A,20Bが停止中であっても、ヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの一方に異常が検知され、他方に異常が検知される場合には異常時運転が実行される。
<異常時運転の実行条件>
上述の例では、異常時運転の実行条件として異常の検知を採用している。ここでは実行条件として、さらに次で説明する温度検出部(以下、異常時実行温度検出部と呼ぶ)によって検出される温度も採用する。即ち、異常時実行温度検出部は、温度検出部3,3A〜3E,25のうち、例えば通常時温度検出部と異常時終了温度検出部との間の温度検出部(上述のように通常時温度検出部として温度検出部3Cを採用し、異常時終了温度検出部として温度検出部25を採用したときには、例えば温度検出部3E)である。言い換えれば、通常時温度検出部が対応する残湯量よりも大きく、異常時終了温度検出部が対応する残湯量よりも小さい温度検出部が、異常時温度検出部として採用される。あるいは異常時実行温度検出部として異常時終了温度検出部を採用する。
上述の例では、異常時運転の実行条件として異常の検知を採用している。ここでは実行条件として、さらに次で説明する温度検出部(以下、異常時実行温度検出部と呼ぶ)によって検出される温度も採用する。即ち、異常時実行温度検出部は、温度検出部3,3A〜3E,25のうち、例えば通常時温度検出部と異常時終了温度検出部との間の温度検出部(上述のように通常時温度検出部として温度検出部3Cを採用し、異常時終了温度検出部として温度検出部25を採用したときには、例えば温度検出部3E)である。言い換えれば、通常時温度検出部が対応する残湯量よりも大きく、異常時終了温度検出部が対応する残湯量よりも小さい温度検出部が、異常時温度検出部として採用される。あるいは異常時実行温度検出部として異常時終了温度検出部を採用する。
そして、異常時実行温度検出部が温度基準値Trefより低い温度を検出したときに、正常なヒートポンプ式加熱装置を制御して沸き上げ運転を実行する。この判断は、例えば図4に例示するようにステップST1,ST2の間のステップST5にて実行される。即ち、ステップST5にて、貯湯タンクユニット1は、異常時実行温度検出部によって検出される温度が温度基準値Trefよりも低いかどうかを判断する。
上述のとおり異常時実行温度検出部(例えば温度検出部3E)が対応する残湯量は通常温度検出部(例えば温度検出部3C)のそれよりも大きい。したがって本動作によれば、通常運転によって得られる残湯量程度の湯が貯湯タンク11内に貯湯されているときであっても、異常時運転における沸き上げ運転が適切に実行される。
また異常時実行温度検出部の温度が温度基準値Trefよりも低ければ異常時終了温度検出部の温度は温度基準値Trefよりも低い。貯湯タンク11内の湯水の温度は上部ほど高く下部ほど低いからである。したがって本動作によれば、ステップST1で肯定的な判断が得られた場合であっても、異常時終了温度検出部の温度が温度基準値Trefよりも低いときに限って沸き上げ運転が実行される。
これによって異常時運転における不要な沸き上げ運転を抑制することができる。なぜなら、異常時実行温度検出部の検出温度が温度基準値Trefよりも大きければ、貯湯タンク11の残湯量は通常運転で得られる残湯量よりも大きいからである。この場合、必ずしも沸き上げ運転を必要としない。なお異常時実行温度検出部は異常時終了温度検出部に近いことが望ましい。これによって、さらに不要な沸き上げ運転を抑制できる。
なお異常時実行温度検出部としてどの温度検出部を採用するかは、異常時終了温度検出部と同様に例えば予め設定されて記憶部104に記憶される。設定方法についても異常時終了温度検出部と同様であるので繰り返しの説明を省略する。
<異常時運転の終了判定で用いられる温度検出部>
異常時運転において、異常時終了温度検出部としては、最も大きい残湯量に対応する温度検出部(即ち温度検出部25)を採用することが望ましい。言い換えれば、残湯量が最も大きい位置に設けられる温度検出部を採用することが望ましい。ただし、吐出配管h2,h21,h22に温度検出部が設けられる場合、この温度検出部が対応する残湯量は貯湯タンク11の全量である。よって仮に吐出配管h2,h21,h22に複数の温度検出部が設けられる場合、この複数の温度検出部のうち任意の温度検出部を異常時終了温度検出部として採用しても良い。これによって、湯水の供給能力を最も大きくできる。
異常時運転において、異常時終了温度検出部としては、最も大きい残湯量に対応する温度検出部(即ち温度検出部25)を採用することが望ましい。言い換えれば、残湯量が最も大きい位置に設けられる温度検出部を採用することが望ましい。ただし、吐出配管h2,h21,h22に温度検出部が設けられる場合、この温度検出部が対応する残湯量は貯湯タンク11の全量である。よって仮に吐出配管h2,h21,h22に複数の温度検出部が設けられる場合、この複数の温度検出部のうち任意の温度検出部を異常時終了温度検出部として採用しても良い。これによって、湯水の供給能力を最も大きくできる。
また複数のヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つに異常が生じたときに、貯湯タンク11内は全て湯で満たされるので、ユーザが異常時運転の動作を理解しやすいために受け入れやすく、湯切れが生じるかもしれないとの不安を最も解消できる。
<ヒートポンプ式加熱装置の台数>
ここでは2台のヒートポンプ式加熱装置を用いて説明したが、3台以上のヒートポンプ式加熱装置が設けられても良い。またこの場合、少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置に異常が検知されず、少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置に異常が検知されるときに異常時運転としての沸き上げ運転を実行すればよい。さらにその異常時運転において、正常なヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つを制御して沸き上げ運転を実行すればよい。ただし、正常なヒートポンプ式加熱装置の全てを制御して沸き上げ運転を実行すれば、速やかに貯湯タンク11の残湯量を増大させることができる。
ここでは2台のヒートポンプ式加熱装置を用いて説明したが、3台以上のヒートポンプ式加熱装置が設けられても良い。またこの場合、少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置に異常が検知されず、少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置に異常が検知されるときに異常時運転としての沸き上げ運転を実行すればよい。さらにその異常時運転において、正常なヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つを制御して沸き上げ運転を実行すればよい。ただし、正常なヒートポンプ式加熱装置の全てを制御して沸き上げ運転を実行すれば、速やかに貯湯タンク11の残湯量を増大させることができる。
<具体的なフローチャートの一例>
次に貯湯タンクユニット1の具体的な処理手順の一例について述べる。図5に示すように、ステップS1にて、貯湯タンクユニット1は全てのヒートポンプ式加熱装置20A,20Bに異常が生じているかどうかを判断する。これは、ヒートポンプユニット2A,2Bからの異常情報と、異常検知部103からの異常情報とに基づいて判断される。ステップS1にて肯定的な判断がなされれば、ステップS3にて全てのヒートポンプユニット2A,2Bに対して沸き上げ運転を停止する指示を行い、またポンプ12A,12Bの駆動を停止する。なお図5においては、沸き上げ指示というフラグをオフしてこれをヒートポンプユニット2A,2Bへと送信することで、沸き上げ運転を停止する指示を行う。オフの沸き上げ指示を受け取ったヒートポンプユニット2A,2Bは沸き上げの動作を停止する。そして再びステップS1を実行する。
次に貯湯タンクユニット1の具体的な処理手順の一例について述べる。図5に示すように、ステップS1にて、貯湯タンクユニット1は全てのヒートポンプ式加熱装置20A,20Bに異常が生じているかどうかを判断する。これは、ヒートポンプユニット2A,2Bからの異常情報と、異常検知部103からの異常情報とに基づいて判断される。ステップS1にて肯定的な判断がなされれば、ステップS3にて全てのヒートポンプユニット2A,2Bに対して沸き上げ運転を停止する指示を行い、またポンプ12A,12Bの駆動を停止する。なお図5においては、沸き上げ指示というフラグをオフしてこれをヒートポンプユニット2A,2Bへと送信することで、沸き上げ運転を停止する指示を行う。オフの沸き上げ指示を受け取ったヒートポンプユニット2A,2Bは沸き上げの動作を停止する。そして再びステップS1を実行する。
ステップS1にて否定的な判断がなされれば、ステップS2にて貯湯タンクユニット1はヒートポンプ式加熱装置20A,20Bの何れか一方に異常が生じているかどうかを判断する。否定的な判断がなされれば、ステップS3を実行して再びステップS1を実行する。
なおステップS1にて肯定的な判断がなされたとき、又はステップS2にて否定的な判断がなされたときに、全てのヒートポンプユニット2A,2Bが沸き上げ運転を実行していない場合はステップS3は不要である。ただし貯湯タンクユニット1がヒートポンプユニット2A,2Bの運転状態(運転中/停止中)を認識できるように、沸き上げ指示というフラグをオフして記憶部104に格納してもよい。これによって貯湯タンクユニット1は記憶部104に記憶された沸き上げ指示のオン/オフを確認することでヒートポンプユニット2A,2Bの運転状態を知ることができる。この場合、ヒートポンプユニット2Aに対する沸き上げ指示とヒートポンプユニット2Bに対する沸き上げ指示とが記憶部104に記憶される。
ステップS2にて肯定的な判断がなされれば、ステップS4にて貯湯タンクユニット1は変数nをゼロに初期化する。次にステップS5にて貯湯タンクユニット1は変数nがヒートポンプユニット2A,2Bの台数(ここでは2台)と等しいかどうかを判断する。肯定的な判断がなされれば再びステップS1を実行する。
ステップS5にて否定的な判断がなされれば、ステップS6にて貯湯タンクユニット1は変数nに1を加算する。次に、ステップS7〜S14で規定される、n番目のヒートポンプ式加熱装置に対する制御が実行される。ここでは1番目のヒートポンプ式加熱装置がヒートポンプ式加熱装置20Aに対応し、2番目のヒートポンプ式加熱装置がヒートポンプ式加熱装置20Bに対応する。また以下では、n番目のヒートポンプ加熱装置に属するヒートポンプユニットおよびポンプをそれぞれn番目のヒートポンプユニットおよびn番目のポンプと呼ぶ。
まずステップS8にて、貯湯タンクユニット1はn番目のヒートポンプ式加熱装置に異常が生じているかどうかを判断する。肯定的な判断がなされれば、ステップS12にて、貯湯タンクユニット1は沸き上げ指示をオフして、これをn番目のヒートポンプユニットに送信する。
なおn番目のヒートポンプユニットが沸き上げ運転を実行していない場合はステップS12は不要である。ただしステップS3と同様に貯湯タンクユニット1は沸き上げ指示のフラグをオフにして記憶部104に格納してもよい。
ステップS8にて否定的な判断がなされれば、ステップS9にて貯湯タンクユニット1はn番目のヒートポンプユニットに対して既に沸き上げ運転を指示したかどうかを判断する。この判断は任意の方法で行われればよく、例えば記憶部104に記憶された沸き上げ指示のオン/オフを確認することで実行できる。或いは、ヒートポンプユニットが自身の運転状態を貯湯タンクユニット1に送信することで実行されてもよい。
沸き上げ運転が既に指示されていれば、ステップS10にて貯湯タンクユニット1は、異常時終了温度検出部(例えば温度検出部25)が検出する温度が予め定められた温度基準値Trefよりも高いかどうかを判断する。異常時終了温度検出部が対応する残湯量は、通常時温度検出部が対応する残湯量よりも大きい。ステップS10にて否定的な判断がなされれば、再びステップS5を実行する。ステップS10にて肯定的な判断がなされれば、ステップS12にて貯湯タンクユニット1は沸き上げ指示をオフして、これをn番目のヒートポンプユニットへと送信する。また貯湯タンクユニット1はn番目のポンプの駆動を停止する。
ステップS9にて否定的な判断がなされた場合、ステップS11にて貯湯タンクユニット1は、異常時実行温度検出部(例えば温度検出部3E)によって検出された温度が、温度基準値Tref以下であるかどうかを判断する。肯定的な判断がなされた場合にはステップS13にて貯湯タンクユニット1は沸き上げ指示をオンして、これをn番目のヒートポンプユニットに送信する。沸き上げ指示を受け取ったn番目のヒートポンプユニットは自身に属する圧縮機23、膨張機構24およびファン26を駆動する。また貯湯タンクユニット1はn番目のヒートポンプユニットで加熱された沸き上げ温度と目標値T*との偏差が低減するようにn番目のポンプを制御する。これによって、n番目のヒートポンプ式加熱装置を用いた沸き上げ運転が実行される。
ステップS11の次に再びステップS5を実行する。
ステップS11にて否定的な判断がなされた場合には、既に貯湯タンク11には十分な湯が蓄えられているとして、n番目のヒートポンプユニットに沸き上げ運転を指示することなく、再びステップS5を実行する。
以上のように、本処理によれば、ステップS1,S2によって少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置において異常が検知され、少なくとも一つのヒートポンプ式加熱装置において異常が検知されない場合を抽出できる。そして、その場合において実行されるステップS8において正常なヒートポンプ式加熱装置が検出され、ステップS13においてこの正常なヒートポンプ式加熱装置に沸き上げ運転を行わせることができる。またステップS10において、通常運転で採用した温度検出部よりも残湯量の大きい温度検出部が予め定められた温度基準値Trefよりも高いときに、沸き上げ運転を終了する。したがって貯湯タンク11の残湯量を通常運転よりも増大させることができる。
なお図5の例示では、ステップS7〜S14で規定される制御を、ヒートポンプ式加熱装置ごとに繰り返し実行したが、これに限らない。例えばステップS8の判定をn台のヒートポンプ式加熱装置の全てに対して行い、肯定的な判断がなされるヒートポンプ式加熱装置の全てに対してステップS12を実行し、否定的な判断がなされるヒートポンプ式加熱装置の全てに対してステップS9を実行する。またステップS9の判断結果に応じてステップS10〜S13についても同様に実行してもよい。
3,3A〜3E,25 温度検出部
11 貯湯タンク
20A,20B ヒートポンプ式加熱装置
102,202 制御部
103,203 異常検知部
11 貯湯タンク
20A,20B ヒートポンプ式加熱装置
102,202 制御部
103,203 異常検知部
Claims (5)
- 湯水が蓄えられる貯湯タンク(11)と、
貯湯タンクの下部に接続される吐出配管(h2,h21,h22)と、
前記貯湯タンクに接続される入湯配管(h3,h31,h32)と、
前記吐出配管から供給される前記湯水を加熱して前記入湯配管を介して前記貯湯タンクに戻す沸き上げ運転を実行する複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)と、
前記複数のヒートポンプ式加熱装置の各々の異常を検知する異常検知部(103,203)と、
前記貯湯タンク内の湯量が異なる複数の位置に設けられた複数の温度検出部(3,3A〜3E,25)と、
前記入湯配管に設けられて前記複数のヒートポンプ式加熱装置の各々によって加熱された前記湯水の沸き上げ温度を検出する沸き上げ温度検出部(28)と、
前記沸き上げ運転を制御する制御部と
を備えるヒートポンプシステムにおいて、
前記制御部は、
(i)全ての前記複数のヒートポンプ式加熱装置で前記異常が検知されない場合、前記沸き上げ温度と、沸き上げ温度についての目標値との偏差を低減するように少なくとも一つの前記複数のヒートポンプ式加熱装置を制御して第1の前記沸き上げ運転を実行し、前記複数の温度検出部のうちの一つである第1温度検出部が、予め設定された温度基準値よりも高い温度を検出したときに前記第1の前記沸き上げ運転を終了する通常運転を行い、
(ii)前記複数のヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つにおいて前記異常が検知された場合、前記沸き上げ温度と前記目標値との偏差を低減するように前記異常が検知されていない前記ヒートポンプ式加熱装置の少なくとも一つを制御して第2の前記沸き上げ運転を実行し、前記複数の温度検出部のうちの一つであり、かつ、前記第1温度検出部よりも前記湯量が大きい位置に設けられた第2温度検出部が、前記温度基準値よりも高い温度を検出したときに、前記第2の前記沸き上げ運転を終了する異常時運転を行う、ヒートポンプシステム。 - 前記制御部(102,202)は、少なくとも一つの前記複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)で前記異常が検知され、且つ前記複数の温度検出部(3,3A〜3E)のうち前記第1温度検出部よりも前記湯量が大きく前記第2温度検出部よりも前記前記湯量が小さい位置に設けられる温度検出部、又は前記第2温度検出部が、前記温度基準値よりも低い温度を検出したときに、前記第2の前記沸き上げ運転を実行する、請求項1に記載のヒートポンプシステム。
- 前記第2温度検出部は前記複数の温度検出部のうち前記湯量が最も大きい位置に設けられる温度検出部である、請求項1又は2に記載のヒートポンプシステム。
- 前記制御部(102,202)は、前記異常時運転において、前記異常が生じていない前記複数のヒートポンプ式加熱装置(20A,20B)の全てを制御して前記第2の前記沸き上げ運転を実行する、請求項1から3の何れか一つに記載のヒートポンプシステム。
- 前記制御部(102,202)と通信可能に設けられるリモートコントローラ(400)を備え、
前記リモートコントローラは前記温度基準値を入力する入力部(402)を備える、請求項1から4の何れか一つに記載のヒートポンプシステム。
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