JP2013227412A - インクセット、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセットである。
【選択図】なし
Description
[1]
相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、
脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、
樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、
緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセット。
[2]
2種以上の前記第3インクは、互いに独立して顔料及び緩浸透溶剤を含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、前記緩浸透溶剤を相対的に少なく含有する、[1]に記載のインクセット。
[3]
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、マゼンタインクであり、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料であり、かつ、浸透溶剤をさらに含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に少ないインクは、シアンインクであり、かつ、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料である、[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4]
前記緩浸透溶剤は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される一種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクセット。
[5]
前記浸透溶剤は、炭素数4以上の1,2−アルカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及びグリコールエーテル類からなる群より選択される1種以上である、[3]又は[4]に記載のインクセット。
[6]
前記第1インク及び前記第3インクのうち少なくともいずれかが樹脂粒子を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクセット。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載のインクセットを用いて記録する、インクジェット記録方法。
本発明の一実施形態はインクセットに係る。当該インクセットは4種以上のインクを備え、相対速度が0.5m/sec以上である高速のインクジェットプリンター(インクジェット記録装置)に好適に用いられるものである。高速のプリンターを用いた高速印刷を行う場合、インクが乾きにくくてブリーディングが発生しやすいという問題が生じる。
本実施形態のインクセットに含まれる第1インクは、当該インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も明度が低いものである。第1インクは、普通紙などの白色の被記録媒体において、視認性に優れたテキスト文書(文字)が得られるという特徴を有する。そのため、第1インクには特に優れた耐ブリード性が求められる。上記の特徴は、第1インクが上記インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も低いL値を有することと関係がある。このように、特に優れた耐ブリード性が求められる点及び最も低いL値である点に鑑みて、本実施形態における第1インクは、文字や普通紙の裏抜けの抑制に適した組成を有するものであり、具体的には少なくとも脂肪酸及び自己分散型顔料を含有するものである。第1インクは、カラーインクであってもよいが、ブラックインクが好ましい。
本実施形態のインクセットに含まれる第2インクは、当該インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も明度が高いものである。第2インクは、普通紙などの白色の被記録媒体において視認性があまり良好でない上、第1インクとの間でブリーディングが目立ちやすい。複数種のインク間におけるブリーディングの目立ちやすさは、両者の明度差(L値の差)に起因する。例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを少なくとも含むインクセットにおいて、L値が最も低いブラックインク(第1インク)とL値が最も高いイエローインク(第2インク)との間のブリーディングは目立ちやすいものとなる。
また、本実施形態のインクセットに含まれる第3インクは、第1インク及び第2インクを除く2種以上のカラーインクであることが好ましい。第3インクの種類としては、以下に限定されないが、例えば、マゼンタインク、シアンインク、レッドインク、ブルーインク、オレンジインク、及びグリーンインクからなる群より選択される2種以上が挙げられる。これらの中でも、インク数が少なく色再現性や粒状性に優れるため、マゼンタインク及びシアンインクを少なくとも含むことが好ましく、マゼンタインク及びシアンインクであることがより好ましい。
本実施形態におけるインクは、顔料を含むものである。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態におけるブラックインク(好ましくは第1インク)が含むブラック顔料としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)が好ましい。当該カーボンブラックとして、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック等が挙げられる。
本実施形態におけるカラーインク(好ましくは第2インク及び第3インク)が含むカラー顔料の具体例は、得ようとするインクの種類(色)に応じて適宜選択することができる。
例えば、顔料濃度が1〜3質量%であるライトインクとすることで、粒状性が抑制された画像を得ることが可能である。一方、顔料濃度が4〜12質量%であるノーマルインクとすることで、発色性に優れた画像を得ることが可能である。
(4−3−1.自己分散型顔料)
上記第1インクは、自己分散によって分散可能とした自己分散型顔料を含有し、上記第3インクは、自己分散型顔料を含有し得る。
上記第2インクは、樹脂分散によって分散可能とした樹脂分散型顔料を含有し、上記第3インクは、自己分散型顔料と共に、又はこれに代えて、樹脂分散型顔料を含有してもよい。つまり、上記第3インクは、自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料のうち少なくともいずれかを含む。
また、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れるため、上記樹脂分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料(マイクロカプセル化顔料)が好適に用いられる。
特に、イエローインク中のポリマーに被覆された顔料は、好ましくは6質量%以上含まれる。顔料濃度が6質量%以上である場合には、その記録物は発色性に優れたものとなる。
本実施形態における第1インク及び第3インクは、少なくとも一方が樹脂粒子を含有することが好ましく、双方が樹脂粒子を含有することがより好ましい。これにより、定着性、光沢性、及び色再現性が一層優れたものとなる。当該樹脂粒子は、主に光沢付与剤としての機能を果たす。つまり、上記のインクが樹脂粒子を含有することにより、光沢ムラの発生を効果的に防止することができる。
本実施形態における第1インクは脂肪酸を含有し、かつ、第2インクは脂肪酸を実質的に含有しない。本実施形態における第3インクは、脂肪酸を含有してもしなくてもよいが、脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。
本実施形態におけるインクのうち、少なくとも第3インクは緩浸透溶剤を含む。ここで、本明細書における「緩浸透溶剤」とは、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を60mN/m以上73mN/m以下とすることができる有機化合物を意味する(ただし、後述の保湿剤を除く。)。被記録媒体に浸透しやすいインクほど、緩浸透溶剤を相対的に多く含むことが好ましい。より詳しく言えば、ブリーディングが相対的に生じやすい第1インク及び第2インクが、被記録媒体により浸透しやすいインクセットとすることが好ましい。この場合、被記録媒体に浸透しやすいインクの被記録媒体への浸透が抑制され、ブリーディングを効果的に抑制することができる。
なお、本明細書において、表面張力は静的表面張力の測定方法である白金プレート法により測定した値を採用することができる。
なお、第3インクが3種以上のインクからなる場合、当該3種以上のインクのうち顔料の含有量が最も多いインクが、緩浸透溶剤を最も少なく含有することが好ましい。
なお、本実施形態における第1インク及び第2インクは、緩浸透溶剤を含んでもよい。
本明細書における「浸透溶剤」とは、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を40mN/m以上60mN/m未満とすることができる有機化合物を意味し、緩浸透溶剤と区別するために本明細書では「超浸透溶剤」と称することもある。
本実施形態におけるインクは、界面活性剤を含有してもよい。本明細書における「界面活性剤」は、含有量が1質量%以下の水溶液において、表面張力を40mN/m未満、好ましくは30mN/m程度とすることのできる化合物を意味する。なお、当該表面張力を40mN/m以上とすることのできる化合物は、後述の緩浸透溶剤及び浸透溶剤(超浸透溶剤)に含まれ得る。
本実施形態におけるインクは、保湿剤(湿潤剤)を含有してもよい。本明細書における「保湿剤(湿潤剤)」は、吸湿性を有する化合物、又は水と相溶することにより水分の蒸発を防ぐ化合物を意味する。「水と相溶する」とは、20℃における水100gへの溶解度が10g以上であることを意味する。なお、上述のように、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を60mN/m以上73mN/m以下とすることができる有機化合物のうち、保湿性能(湿潤性能)を有する化合物は、緩浸透溶剤でなく保湿剤に含まれるものとする。
本実施形態におけるインクは、水を含有してもよい。水としては特に制限されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の含有量は特に制限されない。
本実施形態におけるインクは、pH調整剤を含有してもよい。当該pH調整剤としては、以下に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、並びにアンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。特に、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、及びトリプロパノールアミンからなる群より選択される1種以上のpH調整剤によって、インクがpH6〜10の範囲に調整されることが好ましい。pHが当該範囲内であると、インクジェットプリンターを構成する材料等に劣化などの影響を与えることがなく、目詰まり回復性が優れたものとなる。pH調整剤の含有量は特に制限されず、適宜決定されればよい。
本実施形態におけるインクは、防腐剤・防黴剤を含有してもよい。防腐剤・防黴剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社製のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。防腐剤・防黴剤の含有量は特に制限されず、適宜決定されればよい。
本実施形態におけるインクは、上記した添加剤以外の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤として、特に限定されないが、例えば、防錆剤、酸化防止剤、増粘剤、及び表面張力調整剤が挙げられる。
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。当該インクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」ともいう。)は、上記実施形態のインクセットを用いて記録するものである。
また、上記被記録媒体としては、インク低吸収性の被記録媒体が好ましく挙げられる。低吸水性の被記録媒体としては、例えば、塗工紙が挙げられ、より詳細には微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、及びキャスト紙などの記録本紙(印刷本紙)等が挙げられる。また、上記低吸水性の被記録媒体として、インク受容層を設けていない普通紙、並びにインクジェット専用紙(中でもインクジェット記録層の薄いブローシャー用紙及びインクジェット用コート紙)なども挙げられる。
塗料は、紙の製造工程の中でコーターという機械を用いて塗布する。コーターには、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式がある。主に記録に用いられ、経済産業省の「生産動態統計分類」では印刷用塗工紙に分類される。
〔自己分散型のブラック顔料分散液の調製〕
市販のカーボンブラックであるS170(デグサ社製商品名)20gを水500gに混合して、家庭用ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置付きの3L容のガラス容器に入れ、攪拌機で攪拌しながら、オゾン濃度8質量%のオゾン含有ガスを500mL/分で導入した。その際、オゾン発生器はペルメレック電極社(PERMELEC ELECTRODE LTD.)製の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発生させた。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋社(ADVANTEC MFS,INC.)製商品名)で濾過し、さらに固形分濃度が20質量%になるまで0.1Nの水酸化カリウム溶液を添加しpH9に調整しながら濃縮を行い、自己分散型のブラック顔料分散液を得た。
回転子−固定子型高剪断混合機(シルバーソン L4RT−A)に4L容ステンレス鋼製ビーカーを取り付け、氷浴中に浸した。このビーカーに、C.I.ピグメントブルー15:4 約75g及び水1,000gを入れ、7,200rpmにて15分間均質化した。これに2.07g(0.01mol)のo−アセトアニシジドを溶解したイソプロパノール溶液20mLを添加し、さらに15分間撹拌した。
なお、ジアゾニウム塩の存在の確認は、ジアゾニウム塩が存在する場合、反応混合物と0.1%アミノサリチル酸を溶解した1M−Na2CO3溶液とをそれぞれ濾紙上に1滴ずつ垂らした際、これら二つの滴の広がりが触れ合うと橙色となることを利用して行った。
水不溶性ポリマーによって被覆された顔料を分散粒子とする顔料分散液を下記の方法によって調製した。
有機溶媒(メチルエチルケトン)20質量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部、重合開始剤、表1に示す各モノマーを用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内に入れて75℃攪拌下で重合し、モノマー成分100質量部に対してメチルエチルケトン40質量部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.9質量部を加え、80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。なお、表1に示す数値は、モノマー混合物の全量を基準(100質量%)としたときの各モノマーの割合(質量%)を意味する。
メチルエチルケトン45質量部に表1の水不溶性ポリマーを7.5質量部溶解させて、その中に20%の水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を所定量加えて塩生成基を中和し、さらにシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)を20質量部加えてビーズミルで2時間混練した。このようにして得られた混練物にイオン交換水120質量部を加えて攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のシアン顔料分散液を得た。
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントレッド122を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてマゼンダ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のイエロー顔料分散液を得た。
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のイエロー顔料分散液を得た。
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分濃度40質量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂粒子のガラス転移温度は−6℃であった。
〔界面活性剤〕
・オルフィンE1010(日信化学社製商品名、以下では「E1010」と記載した。)
〔脂肪酸〕
・オレイン酸
〔pH調整剤〕
・トリプロパノールアミン
〔緩浸透溶剤〕
・1,3−プロパンジオール
・1,6−ヘキサンジオール
〔浸透溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール
・1,2−オクタンジオール
〔防腐剤・防黴剤〕
・エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
〔水〕
・イオン交換水
下記表2及び表3の組成に従い各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、ブラックインク1〜3(K1〜K3)、シアンインク1〜3(C1〜C3)、マゼンタインク1〜4(M1〜M4)、及びイエローインク1〜4(Y1〜Y4)を調製した。なお、下記表2及び表3中の数値はインク中の含有量(質量%)を表し、「合計」は100.00質量%である。また、表中、顔料分散液の欄のカッコ内の数字は各顔料の固形分濃度を表し、樹脂エマルジョンの欄のカッコ内の数字は樹脂エマルジョンの固形分濃度が40質量%であることを表す。
下記表4に示すようなインクの組み合わせに従い、インクセットを調製した。
〔耐ブリード性〕
調製した各インクセットを、キャリッジ速度を変更できるように改造したインクジェットプリンターPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、以下の被記録媒体及び印刷パターンで印刷を行い、以下の基準に従い評価した。なお、本評価におけるキャリッジ速度を0.7m/secとした。
被記録媒体として、ビジネスインクジェットコート紙(セイコーエプソン社製、型番:KA4250BC)を用いた。なお、ビジネスインクジェットコート紙は、塗工層が設けられた被記録媒体であり、そのインク吸収能は普通紙のものより小さい。
印刷パターンは、インクA及びインクBのうち、一方で背景を印刷し、もう一方で印字を行うことで、これら2色間の評価を行った。具体的に言えば、A色を背景色とし且つB色で「書」の文字をサイズ6ptの大きさで印刷したパターンと、またB色を背景色とし且つA色で「書」の文字を6ptの大きさで印刷したパターンと、を用いて評価を行った。
評価基準は、以下の通りである。評価結果を下記表4に示す。
○:印字物から30cmの距離で、目視により文字を観察してもブリーディングは見られなかった。
×:印字物から30cmの距離で、目視により文字を観察したところ、ブリーディングが見られた。
Claims (7)
- 相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、
脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、
樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、
緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセット。 - 2種以上の前記第3インクは、互いに独立して顔料及び緩浸透溶剤を含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、前記緩浸透溶剤を相対的に少なく含有する、請求項1に記載のインクセット。 - 前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、マゼンタインクであり、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料であり、かつ、浸透溶剤をさらに含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に少ないインクは、シアンインクであり、かつ、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料である、請求項1又は2に記載のインクセット。 - 前記緩浸透溶剤は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される一種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記浸透溶剤は、炭素数4以上の1,2−アルカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及びグリコールエーテル類からなる群より選択される1種以上である、請求項3又は4に記載のインクセット。
- 前記第1インク及び前記第3インクのうち少なくともいずれかが樹脂粒子を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセット。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクセットを用いて記録する、インクジェット記録方法。
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