JP2013227412A - インクセット、インクジェット記録方法 - Google Patents

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聡一 山崎
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Abstract

【課題】相対速度が0.5m/sec以上の高速プリンターを用いて高速印刷を行う場合においても耐ブリード性に優れた、4色以上のインクを備えるインクセットを提供する。
【解決手段】相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセットである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙などの被記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。その際用いられるインクとしては、一般に各種の水溶性染料を水又は水と水溶性有機溶剤とに溶解させたものが使用されている。
特許文献1は、普通紙記録におけるカラーブリーディングを実質的に解消するため、ブラック染料、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、オクタン、界面活性剤、ニトロセルロース、及び水からなる水性インクを開示している(特許文献1の段落0009、0048の実施例1)。
特開平8−157761号公報
しかしながら、上記のような水溶性染料を含むインクにより形成された画像は、耐水性や耐候性に劣るだけでなく、特に低吸収性の被記録媒体に記録する際、ブリーディングが異常に発生するという問題が生じる。また、特許文献1は、一種単独のインクを普通紙に記録する旨を開示するにすぎず、複数色のインクを組み合わせたインクセットについては何ら開示していない。さらに、家庭用のインクジェットプリンター及び一部のビジネス用のインクジェットプリンターは0.5m/sec以上のキャリッジ速度でキャリッジを移動させる高速プリンターである。当該高速プリンターを用いて、従来のインクより作製した複数色のインクセットを高速で記録(印刷)する場合、被記録媒体上で極めて乾きにくくブリーディングが発生しやすいという問題が生じる。そのため、高速プリンターを用いて高速印刷を行う場合においても耐ブリード性に優れた、4種以上のインクを備えるインクセットが強く求められている。
そこで、本発明は、相対速度が0.5m/sec以上の高速プリンターを用いて高速印刷を行う場合においても耐ブリード性に優れた、4種以上のインクを備えるインクセットを提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、上記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することを目的の一つとする。
本願発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、相対速度が0.5m/sec以上の高速プリンターに用いられるインクセットを構成する4種以上のインクはそれぞれ、視認性に影響を与えるL値において固有の特徴を有するため、当該固有の特徴を踏まえたインク組成とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記のとおりである。
[1]
相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、
脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、
樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、
緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセット。
[2]
2種以上の前記第3インクは、互いに独立して顔料及び緩浸透溶剤を含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、前記緩浸透溶剤を相対的に少なく含有する、[1]に記載のインクセット。
[3]
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、マゼンタインクであり、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料であり、かつ、浸透溶剤をさらに含有し、
前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に少ないインクは、シアンインクであり、かつ、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料である、[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4]
前記緩浸透溶剤は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される一種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクセット。
[5]
前記浸透溶剤は、炭素数4以上の1,2−アルカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及びグリコールエーテル類からなる群より選択される1種以上である、[3]又は[4]に記載のインクセット。
[6]
前記第1インク及び前記第3インクのうち少なくともいずれかが樹脂粒子を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクセット。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載のインクセットを用いて記録する、インクジェット記録方法。
本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
ここで、本明細書において、「ブリード」又は「ブリーディング」とは滲みを意味し、「耐ブリード性」とは、異なる色同士の境界部分に滲みが生じにくい性質を言い、ブリーディング抑制効果と換言することができる。
本明細書において、L値は、規格番号JIS Z 8729:2004で示される明度指数L*であり、Spectrolino/Spectroscan(Gretag Macbeth社製)を用いて測定することができる。L値は、100に近いほど明度が高く(白く)、0(ゼロ)に近いほど明度が低く(黒く)なる。なお、上記JIS Z 8729:2004は、標題が「色の表示方法―L*a*b*表色系及びL*u*v*表色系」であり、対応国際規格がICS 17.180.20である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
本明細書において、「低吸水性の被記録媒体」とは、水性インクの受容層を備えていない、あるいは、水性インクの受容性が乏しい被記録媒体をいう。より定量的には、低吸水性の被記録媒体とは、被記録面が、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
[インクセット]
本発明の一実施形態はインクセットに係る。当該インクセットは4種以上のインクを備え、相対速度が0.5m/sec以上である高速のインクジェットプリンター(インクジェット記録装置)に好適に用いられるものである。高速のプリンターを用いた高速印刷を行う場合、インクが乾きにくくてブリーディングが発生しやすいという問題が生じる。
そこで、本実施形態のインクセットは、高速印刷であっても耐ブリード性を優れたものとするため、第1インク、第2インク、及び第3インクを含み、各インクはそれぞれ所定の組成を有するものである。当該所定の組成は、インクセットを構成する各色のインクが後述する各々の特徴を十分発揮できるよう決められるものであり、主に、顔料の分散型及び含有量と、浸透溶剤の種類と、脂肪酸の有無と、を異ならせるものである。各インクの組成をこのように異ならせることにより、高速のプリンターを用いた高速印刷においてもインク同士が混ざりにくくなり、ブリーディングを抑制できるため耐ブリード性が優れたものとなる。
なお、当該第3インクは、1種単独のインクでなく、第1インク及び第2インクを除く2種以上のインクを含む。また、第1インク、第2インク、及び第3インクはいずれも、同色のインクを複数種有してもよい。
以下、本実施形態のインクセットを構成する各インクの特徴、及び各インクに含まれるか又は含まれ得る添加剤(成分)について詳細に説明する。
〔1.第1インク〕
本実施形態のインクセットに含まれる第1インクは、当該インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も明度が低いものである。第1インクは、普通紙などの白色の被記録媒体において、視認性に優れたテキスト文書(文字)が得られるという特徴を有する。そのため、第1インクには特に優れた耐ブリード性が求められる。上記の特徴は、第1インクが上記インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も低いL値を有することと関係がある。このように、特に優れた耐ブリード性が求められる点及び最も低いL値である点に鑑みて、本実施形態における第1インクは、文字や普通紙の裏抜けの抑制に適した組成を有するものであり、具体的には少なくとも脂肪酸及び自己分散型顔料を含有するものである。第1インクは、カラーインクであってもよいが、ブラックインクが好ましい。
上記の自己分散型顔料は、インクの総質量(100質量%)に対する顔料濃度を高めやすく、発色性に優れた記録物を得ることができる。一方、第1インクが脂肪酸を含むことにより、例えば第1インクが、テキスト文書として好適に利用可能な6質量%以上の顔料を含有する場合においても、優れた吐出安定性が得られる。
また、耐ブリード性を一層優れたものとするため、第1インクは後述の緩浸透溶剤をさらに含有することが好ましい。
〔2.第2インク〕
本実施形態のインクセットに含まれる第2インクは、当該インクセットを構成する4種以上のインクのうち最も明度が高いものである。第2インクは、普通紙などの白色の被記録媒体において視認性があまり良好でない上、第1インクとの間でブリーディングが目立ちやすい。複数種のインク間におけるブリーディングの目立ちやすさは、両者の明度差(L値の差)に起因する。例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを少なくとも含むインクセットにおいて、L値が最も低いブラックインク(第1インク)とL値が最も高いイエローインク(第2インク)との間のブリーディングは目立ちやすいものとなる。
また、本実施形態における第2インクは、カラーインクであることが好ましい。例えば、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクからなるインクセットの場合、当該第2インクはイエローインクである。また、例えば、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトマゼンタインク、及びライトシアンインクからなるインクセットの場合、当該第2インクはイエローインク、ライトマゼンタインク、又はライトシアンインクである。ここで、当該ライトシアンインクとは、色相としてシアンを示し、かつ、シアンインクに含まれる顔料よりも少量の顔料を含むインクである。当該ライトマゼンタインクについても上記ライトシアンインクと同様のことが言える。
上記の特徴に鑑みて、本実施形態における第2インクは、視認性が良好でないことを利用した組成を有するものであり、具体的には、少なくとも樹脂分散型顔料を含有し、かつ、脂肪酸を実質的に含有しない。第2インクがこのような組成を有することにより、第1インクとの間のブリーディングを抑制することができる。ここで、本明細書における「実質的に含有しない」とは、本発明の目的を損なわない程度において含有してもよいという意味であり、定量的に言えば、インクの総質量(100質量%)に対して、好ましくは0.01質量%以下である。
上記第2インクの液滴は、被記録媒体上において、上記第1インクの液滴と混ざりにくいため、本実施形態のインクセットより得られる画像における記録解像度を向上させることができる。さらに、樹脂分散型顔料は画像に優れた光沢を付与することができる。
〔3.第3インク〕
また、本実施形態のインクセットに含まれる第3インクは、第1インク及び第2インクを除く2種以上のカラーインクであることが好ましい。第3インクの種類としては、以下に限定されないが、例えば、マゼンタインク、シアンインク、レッドインク、ブルーインク、オレンジインク、及びグリーンインクからなる群より選択される2種以上が挙げられる。これらの中でも、インク数が少なく色再現性や粒状性に優れるため、マゼンタインク及びシアンインクを少なくとも含むことが好ましく、マゼンタインク及びシアンインクであることがより好ましい。
本実施形態における第3インクは、後述の緩浸透溶剤を含有する。これにより、被記録媒体に浸透しやすいインクの浸透を抑制することができる。このように、2種以上のインクからなる上記第3インクは、それぞれ互いに独立して、顔料及び緩浸透溶剤を含有する。
第3インクに含まれる顔料の含有量は適宜設定してよいが、ブリーディングを効果的に抑制可能なため、第3インクのうち顔料の含有量が相対的に多いインクは、被記録媒体に相対的に浸透しやすいインクであることが好ましい。したがって、第3インクのうち顔料の含有量が相対的に多いインクは、上記緩浸透溶剤を相対的に少なく含有することが好ましい。
以下、インクが含有するか、又は含有し得る各成分(添加剤)を詳細に説明する。なお、以下では、特段の記載がない限り、「インク」は上記の第1〜第3インク等、インクセットを構成する全てのインクを指すものとする。
〔4.顔料〕
本実施形態におけるインクは、顔料を含むものである。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
(4−1.ブラック顔料)
本実施形態におけるブラックインク(好ましくは第1インク)が含むブラック顔料としては、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)が好ましい。当該カーボンブラックとして、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャネルブラック等が挙げられる。
上記カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、ラーベン H20,5750,5250,5000,3500,1255,700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製商品名)、Rega1 400R,330R,660R、Mogul L、Monarch 700,800,880,900,1000,1100,1300,1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1,FW2,FW2V,FW18,FW200,S150,S160,S170、Printex 35,U,V,140U、Special Black 6,5,4A,4等(以上、デグサ(Degussa)社製商品名)、BONJET BLACK M−800(オリエント化学工業社(ORIENT CHEMICAL INDUSTRIES CO., LTD.)製商品名)が挙げられる。
カーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、ブラックインクの総質量(100質量%)に対して、1〜15質量%が好ましい。
カーボンブラックの平均粒径は、50〜500nmの範囲であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好になるためインクとして使用しやすくなる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50〜300nmの範囲がより好ましい。
ここで、本明細書における平均粒径を表す「光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)」は、以下のようにして得られる値である。分散媒中の粒子に光を照射し、当該分散媒の前方・側方・後方に配置されたディテクターによって、発生する回折散乱光を測定する。前記測定値を利用して、本来は不定形である粒子を球形であるものと仮定し、当該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を上記50%平均粒子径(d50)とする。
(4−2.カラー顔料)
本実施形態におけるカラーインク(好ましくは第2インク及び第3インク)が含むカラー顔料の具体例は、得ようとするインクの種類(色)に応じて適宜選択することができる。
本実施形態におけるカラーインクをマゼンタレッド又はレッドインクとする場合の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 2、3、5、6、7、15、16、48:1、48:2、53:1、57:1、112、122、123、139、144、149、166、168、170、177、178、184、194、202、209、222、224、C.I.ピグメントバイオレット 19が挙げられる。
本実施形態におけるカラーインクをイエローレッド又はオレンジインクとする場合の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントオレンジ 31、43、64、C.I.ピグメントイエロー 1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185が挙げられる。
本実施形態におけるカラーインクをシアンレッド、ブルーレッド、又はグリーンインクとする場合の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1,2,3,15:2,15:3,15:4,15:34,16,22,60、C.I.バットブルー 4、60、C.I.ピグメントバイオレット 19、23、32、36、38、C.I.ピグメントグリーン7、36が挙げられる。
カラーインクが含む顔料の平均粒径は、50〜500nmの範囲であることが好ましい。平均粒径が50nm以上であると、発色性がより良好となるため、インクとして使用しやすくなる。一方、平均粒径が500nm以下であると、インクジェット方式で使用しやすくなる。また、上記平均粒径は、インクの保存安定性、吐出安定性、及び沈降性に優れるため、50〜300nmの範囲がより好ましい。
カラーインクに含まれる顔料は、インクごとに、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カラーインクに含まれる顔料の含有量は、得ようとするインクに応じて適宜設定すればよく、インクの総質量(100質量%)に対して、例えば1〜12質量%とすればよい。
例えば、顔料濃度が1〜3質量%であるライトインクとすることで、粒状性が抑制された画像を得ることが可能である。一方、顔料濃度が4〜12質量%であるノーマルインクとすることで、発色性に優れた画像を得ることが可能である。
(4−3.顔料の分散方式)
(4−3−1.自己分散型顔料)
上記第1インクは、自己分散によって分散可能とした自己分散型顔料を含有し、上記第3インクは、自己分散型顔料を含有し得る。
上記自己分散型顔料は、分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を言う。そのため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり印字濃度を十分に高めることが可能になる等、取り扱いが容易である。
上記の親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SO3M、−SO2M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO32、−SO2NHCOR、−NH3、及び−NR3からなる群から選択される一以上の親水基であることが好ましい。なお、これらの式中のMは互いに独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表す。また、これらの式中のRは互いに独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
(4−3−2.樹脂分散型顔料)
上記第2インクは、樹脂分散によって分散可能とした樹脂分散型顔料を含有し、上記第3インクは、自己分散型顔料と共に、又はこれに代えて、樹脂分散型顔料を含有してもよい。つまり、上記第3インクは、自己分散型顔料及び樹脂分散型顔料のうち少なくともいずれかを含む。
上記樹脂分散型顔料に用いられる樹脂(ポリマー)としては、以下に限定されないが、例えば、顔料の分散に用いられる分散ポリマーのTgは、55℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。当該Tgが55℃以下であると、定着性を良好なものとすることができる。当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(スチレン換算)が10,000以上200,000以下であるものを用いることが好ましい。これにより、顔料インクとしての保存安定性が一層良好となる。
ここで、本明細書における重量平均分子量は、日立製作所社製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、スチレン換算重量平均分子量として測定するものとする。
上記ポリマーとして、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであると、定着性及び光沢性に一層優れる。炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の添加成分としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
(4−3−3.ポリマーに被覆された顔料)
また、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れるため、上記樹脂分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料(マイクロカプセル化顔料)が好適に用いられる。
ポリマーに被覆された顔料は、転相乳化法により得られるものである。つまり、上記のポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させる。得られた溶液に顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行うことにより水中油滴型の分散体を調整する。そして、得られた分散体から有機溶媒を除去することによって、水分散体としてポリマーに被覆された顔料を得ることができる。混練・分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、及び高速攪拌型分散機などを用いることができる。
中和剤としては、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等が好ましく、得られる水分散体のpHが6〜10であることが好ましい。
顔料を被覆するポリマーとしては、重量平均分子量が10,000〜150,000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
インクが上記の樹脂(ポリマー)や後述の樹脂粒子を含む場合、当該インクに含まれる顔料の含有量は、樹脂(ポリマー)や樹脂粒子の含有量との関係で決定されるとよい。この関係に基づき、各種顔料の好ましい含有量を説明する。まず、カーボンブラックの含有量は、紙などの被記録媒体の再利用性を良好なものとするため、インクの総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは1〜12質量%である。
特に、イエローインク中のポリマーに被覆された顔料は、好ましくは6質量%以上含まれる。顔料濃度が6質量%以上である場合には、その記録物は発色性に優れたものとなる。
〔5.樹脂粒子〕
本実施形態における第1インク及び第3インクは、少なくとも一方が樹脂粒子を含有することが好ましく、双方が樹脂粒子を含有することがより好ましい。これにより、定着性、光沢性、及び色再現性が一層優れたものとなる。当該樹脂粒子は、主に光沢付与剤としての機能を果たす。つまり、上記のインクが樹脂粒子を含有することにより、光沢ムラの発生を効果的に防止することができる。
上記の樹脂粒子として、特に限定されないが、例えば、にかわ、ゼラチン、及びサポニン等の天然高分子化合物、ポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、(メタ)アクリル酸系重合体(ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン−(メタ)アクリル酸系重合体(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体など)、スチレン−マレイン酸系重合体、及び酢酸ビニル−脂肪酸ビニル−エチレン共重合体などの重合体、並びにこれらの塩などの合成高分子化合物が挙げられる。
上記の中でも、定着性及び光沢性に一層優れるため、(メタ)アクリル酸系重合体及びスチレン−(メタ)アクリル酸系重合体のうち少なくともいずれかが好ましい。当該(メタ)アクリル酸系重合体の中でも、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかが70質量%以上であるモノマーから重合されたものがより好ましい。
上記のより好ましいものの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記以外のモノマーとして、以下に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、並びにウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
樹脂粒子を用いて、顔料を水に分散させた分散体としての平均粒径は、好ましくは20〜500nmであり、より好ましくは50〜300nmである。平均粒径が20nm以上であると、記録物の発色性をより良好なものとすることができる。他方、平均粒径が500nm以下であると、インクの吐出安定性や保存安定性をより良好なものとすることができる。
樹脂粒子の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜200,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。重量平均分子量が上記範囲内であると、顔料を安定的に分散させることができ、インクの吐出安定性や保存安定性をより良好なものとすることができる。
また、上記樹脂粒子は、樹脂エマルジョンの形態であることが好ましい。樹脂エマルジョンは、インクの乾燥に伴い、樹脂粒子同士及び樹脂粒子と着色成分とが互いに融着して顔料を被記録媒体に固着させるため、記録物の画像部分の定着性を一層良好にすることができる。
上記樹脂粒子は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、及びエポキシ系樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。これらの樹脂は、ホモポリマーとして使用してもよく、コポリマーとして使用してもよい。
樹脂粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子は、定着性及び光沢性に一層優れるため、インクの総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.1〜7質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。
〔6.脂肪酸〕
本実施形態における第1インクは脂肪酸を含有し、かつ、第2インクは脂肪酸を実質的に含有しない。本実施形態における第3インクは、脂肪酸を含有してもしなくてもよいが、脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。
上記脂肪酸は、被記録媒体に着弾(付着)後のインク滴表面(気液界面)に界面活性剤のように配列し、ブリーディングを抑制可能な膜を形成する。そのため、上記脂肪酸は疎水性の長鎖炭化水素を有する。炭化水素基の長さは炭素数8以上であるとその効果が発揮されやすくなる。
第1インクは、脂肪酸、金属脂肪酸、及び有機アルカリ脂肪酸のいずれを含有しても同等の効果が発揮される。被記録媒体に付着後にインクの水分が蒸発するとその表面に脂肪酸が析出し界面活性剤の膜ができる。その膜がブリーディングを抑制する。特に、脂肪酸を含有するインクと脂肪酸を実質的に含有しないインクとの間で、優れた耐ブリード性が得られる。
脂肪酸としては、以下に限定されないが、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、及びオクチル酸が挙げられる。
また、脂肪酸の酸化安定性の点で言うと、多くの不飽和脂肪酸は、二重結合が2つ以上あり、二重結合に挟まれたメチレン水素が引き抜かれることで容易に酸化されるため、酸化されやすい。これに対し、オレイン酸のような二重結合が1つの不飽和脂肪酸は、メチレン水素がないため酸化安定性に極めて優れる。さらに、二重結合を持たない飽和脂肪酸は酸化安定性に一層優れる。
また、脂肪酸の融点の点で言うと、脂肪酸がノズル面上に析出した場合、脂肪酸が液体であると、ノズルが詰まってしまう確率が低下する。常温において液体であり、二重結合が1つ以下の脂肪酸としては、オレイン酸が挙げられる。酸化安定性の良好な飽和脂肪酸は、常温で固体のものが多く、インク中への添加には適しないものが多い。よって、上記脂肪酸はオレイン酸であることが好ましい。
脂肪酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸の含有量は、一層優れた耐ブリード性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対し、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。
〔7.緩浸透溶剤〕
本実施形態におけるインクのうち、少なくとも第3インクは緩浸透溶剤を含む。ここで、本明細書における「緩浸透溶剤」とは、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を60mN/m以上73mN/m以下とすることができる有機化合物を意味する(ただし、後述の保湿剤を除く。)。被記録媒体に浸透しやすいインクほど、緩浸透溶剤を相対的に多く含むことが好ましい。より詳しく言えば、ブリーディングが相対的に生じやすい第1インク及び第2インクが、被記録媒体により浸透しやすいインクセットとすることが好ましい。この場合、被記録媒体に浸透しやすいインクの被記録媒体への浸透が抑制され、ブリーディングを効果的に抑制することができる。
なお、本明細書において、表面張力は静的表面張力の測定方法である白金プレート法により測定した値を採用することができる。
また、上述のように、第3インクのうち顔料の含有量が相対的に多いインクは、被記録媒体に浸透しやすいインクの浸透を一層抑制することができるため、緩浸透溶剤を相対的に少なく含有することが好ましい。例えば、第3インクがシアンインク及びマゼンタインクであり、マゼンタ顔料の含有量がシアン顔料の含有量より多い場合、顔料の含有量が相対的に多いマゼンタインクが緩浸透溶剤を相対的に少なく含有することが好ましい。
なお、第3インクが3種以上のインクからなる場合、当該3種以上のインクのうち顔料の含有量が最も多いインクが、緩浸透溶剤を最も少なく含有することが好ましい。
上記の緩浸透溶剤としては、例えば、α,ω−アルカンジオールが挙げられる。当該α,ω−アルカンジオールの中でも、ブリーディングをより効果的に抑制することができるため、炭素数3〜6の直鎖状のものが好ましい。当該炭素数3〜6の直鎖状のものとして、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される一種以上が好ましく挙げられる。ここで、上記のα及びωは、互いに独立した自然数である。
なお、本実施形態における第1インク及び第2インクは、緩浸透溶剤を含んでもよい。
緩浸透溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
緩浸透溶剤の含有量は、一層優れた耐ブリード性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対し、1〜10質量%であることが好ましく、2〜7質量%であることがより好ましい。したがって、上述のように、緩浸透溶剤の含有量を相対的に多くしたり少なくしたりする場合、これらの好ましい数値範囲内で含有量を設定するとよい。
〔8.浸透溶剤(超浸透溶剤)〕
本明細書における「浸透溶剤」とは、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を40mN/m以上60mN/m未満とすることができる有機化合物を意味し、緩浸透溶剤と区別するために本明細書では「超浸透溶剤」と称することもある。
本実施形態における第3インクのうち、顔料の含有量が第3インクの中で相対的に多いインクは、超浸透溶剤をさらに含有することが好ましい。これにより、上述のように、顔料の含有量(顔料量)が比較的多いことに起因する浸透しにくさを避けることができ、浸透性が他のインクと同等になって耐ブリード性が一層優れたものとなる。例えば、第3インクがシアンインク及びマゼンタインクである場合、顔料の含有量が相対的に多いマゼンタインクが超浸透溶剤を相対的に多く含有することが好ましい。
また、本実施形態における第1インク及び第2インクは、超浸透溶剤を含むことが好ましい。第1インク及び第2インクの組み合わせは、ブリーディングが最も目立つ組み合わせである。そのため、第1インク及び第2インクが超浸透溶剤を含むことにより、これらのインクが被記録媒体中に速やかに浸透し、ブリーディングを効果的に抑制可能となる。
上記の超浸透溶剤としては、例えば、α,β−アルカンジオール、α,γ−アルカンジオール、並びにグリコールエーテル類及びその他の多価アルコール類が挙げられる。なお、上記のα、β、及びγは、互いに独立した自然数である。
上記α,β−アルカンジオールとしては、炭素数4以上の1,2−アルカンジオールが好ましく、炭素数4〜8の1,2−アルカンジオールがより好ましい。炭素数4以上の1,2−アルカンジオールの具体例としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、及び1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
上記α,γ−アルカンジオールとしては、炭素数4以上のα,γ−アルカンジオール(但し、上記緩浸透溶剤として挙げたアルカンジオールを除く。)が好ましく、その具体例としては、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が挙げられる。
このように、上記の超浸透溶剤としては、炭素数4以上の1,2−アルカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び後述のグリコールエーテル類からなる群より選択される1種以上が好ましく挙げられる。
また、上記グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルが挙げられる。グリコールエーテル類の中でも、滲みやムラ等の印刷品質を一層良好なものとすることができるため、多価アルコールモノアルキルエーテルが好ましい。当該多価アルコールモノアルキルエーテルとしては、上記グリコールエーテル類のうち、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレンプリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
グリコールエーテル類以外の多価アルコール類の具体例としては、2−ブテンー1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。
超浸透溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
超浸透溶剤の含有量は、一層優れた耐ブリード性が得られるため、インクの総質量(100質量%)に対し、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜6質量%であることがより好ましい。
〔9.界面活性剤〕
本実施形態におけるインクは、界面活性剤を含有してもよい。本明細書における「界面活性剤」は、含有量が1質量%以下の水溶液において、表面張力を40mN/m未満、好ましくは30mN/m程度とすることのできる化合物を意味する。なお、当該表面張力を40mN/m以上とすることのできる化合物は、後述の緩浸透溶剤及び浸透溶剤(超浸透溶剤)に含まれ得る。
上記界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。中でも、発泡・起泡の少ないインクが得られるため、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン界面活性剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併用して使用可能である。
これらの中でも、発泡が少なく、且つ優れた消泡性能を発揮するため、アセチレングリコール系界面活性剤及びポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤のうち少なくとも一方が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられるが、市販品で入手も可能で、例えば、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、エアープロダクツ社(Air Products and Chemicals, Inc.)製商品名)やオルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)等が挙げられる。また、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤の具体例としては、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、UV3530(以上、ビッグケミー・ジャパン(BYK Japan)社製商品名)等を挙げることができる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤は、被記録媒体上でドットがさらに広がりやすくなるため、インクの総質量(100質量%)に対して0.1〜3.0質量%含まれるとよい。
〔10.保湿剤(湿潤剤)〕
本実施形態におけるインクは、保湿剤(湿潤剤)を含有してもよい。本明細書における「保湿剤(湿潤剤)」は、吸湿性を有する化合物、又は水と相溶することにより水分の蒸発を防ぐ化合物を意味する。「水と相溶する」とは、20℃における水100gへの溶解度が10g以上であることを意味する。なお、上述のように、含有量が1質量%の水溶液において、表面張力を60mN/m以上73mN/m以下とすることができる有機化合物のうち、保湿性能(湿潤性能)を有する化合物は、緩浸透溶剤でなく保湿剤に含まれるものとする。
上記保湿剤の具体例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、及びジプロピレングリコール等の3価以上のアルコール類、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びマルトトリオース等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、及び尿素類などのいわゆる固体湿潤剤、アミノ酸(トリメチルグリシン等のベタイン系化合物を含む。)、2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドン等のラクタム系化合物、γ−ブチロラクトン等のラクトン系化合物、並びに1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、及びスルホランが挙げられる。
保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
保湿剤は、インクの適正な物性値(粘度等)、印刷品質、及び信頼性を確保するため、インクの総質量(100質量%)に対して5〜30質量%含まれるとよい。
〔11.水〕
本実施形態におけるインクは、水を含有してもよい。水としては特に制限されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の含有量は特に制限されない。
〔12.pH調整剤〕
本実施形態におけるインクは、pH調整剤を含有してもよい。当該pH調整剤としては、以下に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、並びにアンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。特に、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、及びトリプロパノールアミンからなる群より選択される1種以上のpH調整剤によって、インクがpH6〜10の範囲に調整されることが好ましい。pHが当該範囲内であると、インクジェットプリンターを構成する材料等に劣化などの影響を与えることがなく、目詰まり回復性が優れたものとなる。pH調整剤の含有量は特に制限されず、適宜決定されればよい。
〔13.防腐剤・防黴剤〕
本実施形態におけるインクは、防腐剤・防黴剤を含有してもよい。防腐剤・防黴剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社製のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。防腐剤・防黴剤の含有量は特に制限されず、適宜決定されればよい。
〔14.その他の添加剤〕
本実施形態におけるインクは、上記した添加剤以外の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤として、特に限定されないが、例えば、防錆剤、酸化防止剤、増粘剤、及び表面張力調整剤が挙げられる。
このように、本実施形態によれば、相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置を用いて高速印刷を行う場合に、耐ブリード性に優れたインクセットを提供することができる。さらに言えば、本実施形態のインクセットを構成する各種のインクの組成を、視認性(L値)及び滲み易さ(顔料量)の観点で各種の特徴を生かした組成とすることにより、高速プリンターに用いる場合であっても高画質の記録物が得られる。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録方法に係る。当該インクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」ともいう。)は、上記実施形態のインクセットを用いて記録するものである。
より具体的に言えば、上記記録方法は、インクの液滴を吐出し、加熱した被記録媒体に当該液滴を着弾(付着)させて画像形成を行うものである。各インクの液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ヘッドのノズル部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ヘッドのノズル部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで被記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。上記実施形態のインクセットは、記録方法の中でも電歪素子を用いた記録方法に好ましく用いられる。各インクの液滴の吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させるヘッドにより行われることが好ましい。
なお、好ましい態様として、0.5m/sec以上のキャリッジ速度でキャリッジを移動させるインクジェット記録装置で高速印刷が挙げられるが、相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置を用いた印刷であれば、本実施形態は特に限定されない。「相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット装置を用いた印刷」とは、ヘッド及び被記録媒体のうち少なくとも一方が移動しながら被記録媒体にインクを吐出する際の、当該移動の相対速度が0.5m/s以上である印刷を意味する。
相対速度が0.5m/sec以上の高速印刷になると、着弾ずれの影響が顕著となる。具体的には、着弾ずれが起こるとインク滴同士の接触が起こり、ブリーディングが発生する場合がある。上記実施形態のインクセットを用いることで、上述のとおり耐ブリード性が優れたものとなるため、相対速度が0.5m/sec以上の高速印刷であってもブリーディングが抑制された記録物を得ることができる。
〔被記録媒体〕
また、上記被記録媒体としては、インク低吸収性の被記録媒体が好ましく挙げられる。低吸水性の被記録媒体としては、例えば、塗工紙が挙げられ、より詳細には微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、及びキャスト紙などの記録本紙(印刷本紙)等が挙げられる。また、上記低吸水性の被記録媒体として、インク受容層を設けていない普通紙、並びにインクジェット専用紙(中でもインクジェット記録層の薄いブローシャー用紙及びインクジェット用コート紙)なども挙げられる。
塗工紙は、表面に塗料を塗布し、美感や平滑さを高めた紙である。塗料は、タルク、パイロフィライト、クレー(カオリン)、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの顔料と、デンプン、ポリビニルアルコールなどの接着剤を混合して作ることができる。
塗料は、紙の製造工程の中でコーターという機械を用いて塗布する。コーターには、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式がある。主に記録に用いられ、経済産業省の「生産動態統計分類」では印刷用塗工紙に分類される。
微塗工紙とは、塗料の塗工量が12g/m2以下の記録用紙のことをいう。また、アート紙とは、上級記録用紙(上質紙、化学パルプ使用率100%の紙)に40g/m2前後の塗料を塗工した記録用紙のことをいう。また、コート紙とは、20g/m2〜40g/m2程度の塗料を塗工した記録用紙のことをいう(好ましいコート紙については後記実施例欄を参照)。また、キャスト紙とは、アート紙やコート紙を、キャストドラムという機械で表面に圧力をかけることで、光沢や記録効果がより高くなるように仕上げた記録用紙のことをいう。
低吸水性の被記録媒体として合成紙や印刷本紙(OKT+:王子製紙社製)を用いることが好ましいが、とりわけ、アート紙、POD(プリントオンデマンド)用途に用いられる高画質用紙及びレーザープリンター用の専用紙において、特に低解像度で印刷した場合でも、耐ブリード性に優れた高品質な画像が実現できる。POD用途の高画質用紙としては、例えば、リコービジネスコートグロス100(リコー社製)等が挙げられる。また、レーザープリンター用の専用紙としては、例えばLPCCTA4(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)等が挙げられる。また、耐水紙としては、カレカ(三菱化学メディア社製)や、レーザーピーチ(日清紡ポスタルケミカル社製)等を挙げられる。
なお、上述のとおり、普通紙やPPC用紙のような、インクジェット記録特性について特に考慮されていない紙も低吸水性の被記録媒体である。また、インクジェット記録層の薄いブローシャー用紙なども低吸水性の被記録媒体である。当該ブローシャー用紙の市販品として、例えば、HP社製のBrocher紙、STAPLES社製のinkjet brocher紙、及びセイコーエプソン社製のビジネスインクジェットプリンタ用コート紙 KA4250BC等が挙げられる。
また、上述のインクジェット専用紙は、吸水性に優れ、且つ上質紙等の基材上にインク受容層を設けてなるインクジェット記録用の被記録媒体を意味する。当該インクジェット専用紙は、上記インク受容層中にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を含有するいわゆる「膨潤型」、及び上記インク受容層中に非晶質シリカ等の多孔質材料を含有するいわゆる「吸収型」の何れのタイプも含む。
また、上記インクジェット専用紙の中でも、写真用紙はブリーディングが目立ち易いため、低吸水性の被記録媒体と同様に、優れた耐ブリード性が要求される。そこで、上記実施形態のインクセットを用いれば、低吸水性の被記録媒体上での耐ブリード性に優れるため、吸収性に優れたインクジェット専用紙においても耐ブリード性が良好であるとともに、光沢感に優れた記録物を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、相対速度が0.5m/sec以上であるインクジェット記録装置、中でも0.5m/sec以上のキャリッジ速度でキャリッジを移動させるインクジェット記録装置を用いて高速印刷を行う場合でも、耐ブリード性に優れた上記実施形態のインクセットを用いるインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[使用材料]
〔自己分散型のブラック顔料分散液の調製〕
市販のカーボンブラックであるS170(デグサ社製商品名)20gを水500gに混合して、家庭用ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置付きの3L容のガラス容器に入れ、攪拌機で攪拌しながら、オゾン濃度8質量%のオゾン含有ガスを500mL/分で導入した。その際、オゾン発生器はペルメレック電極社(PERMELEC ELECTRODE LTD.)製の電解発生型のオゾナイザーを用いてオゾンを発生させた。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋社(ADVANTEC MFS,INC.)製商品名)で濾過し、さらに固形分濃度が20質量%になるまで0.1Nの水酸化カリウム溶液を添加しpH9に調整しながら濃縮を行い、自己分散型のブラック顔料分散液を得た。
〔自己分散型のシアン顔料分散液の調製〕
回転子−固定子型高剪断混合機(シルバーソン L4RT−A)に4L容ステンレス鋼製ビーカーを取り付け、氷浴中に浸した。このビーカーに、C.I.ピグメントブルー15:4 約75g及び水1,000gを入れ、7,200rpmにて15分間均質化した。これに2.07g(0.01mol)のo−アセトアニシジドを溶解したイソプロパノール溶液20mLを添加し、さらに15分間撹拌した。
別の容器中で、スルファニル酸 4.35g(0.025mol)、1N−HCl 30mL、及び亜硝酸ナトリウム 1.73g(0.025mol)を5〜10℃で混合して、ジアゾニウム塩を形成させた。次いで、これを上記C.I.ピグメントブルー15:4とo−アセトアニシジドの混合物に撹拌しながら添加し、温度を約10℃に維持した。この混合物を、5M水酸化ナトリウム溶液の滴加によりpH5〜6に調整し、ジアゾニウム塩の存在有無により反応の進行を確認しながら、さらに2時間攪拌した。
なお、ジアゾニウム塩の存在の確認は、ジアゾニウム塩が存在する場合、反応混合物と0.1%アミノサリチル酸を溶解した1M−Na2CO3溶液とをそれぞれ濾紙上に1滴ずつ垂らした際、これら二つの滴の広がりが触れ合うと橙色となることを利用して行った。
混合物をテルソニック流通型音波処理装置に移し、そして2時間超音波処理し、得られた顔料分散液を、50nmダイアフィルトレーション膜カラムを用いて精製後、20質量%の固形分濃度まで濃縮し、自己分散型のシアン顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のシアン顔料分散液の調製〕
水不溶性ポリマーによって被覆された顔料を分散粒子とする顔料分散液を下記の方法によって調製した。
(水不溶性ポリマーの合成)
有機溶媒(メチルエチルケトン)20質量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部、重合開始剤、表1に示す各モノマーを用い、窒素ガス置換を十分に行った反応容器内に入れて75℃攪拌下で重合し、モノマー成分100質量部に対してメチルエチルケトン40質量部に溶解した2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.9質量部を加え、80℃で1時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。なお、表1に示す数値は、モノマー混合物の全量を基準(100質量%)としたときの各モノマーの割合(質量%)を意味する。
なお、表1中、「EO」はエチレンオキサイドを意味し、「PO」はプロピレンオキサイドを意味する。
(顔料分散液の調製)
メチルエチルケトン45質量部に表1の水不溶性ポリマーを7.5質量部溶解させて、その中に20%の水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を所定量加えて塩生成基を中和し、さらにシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)を20質量部加えてビーズミルで2時間混練した。このようにして得られた混練物にイオン交換水120質量部を加えて攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のシアン顔料分散液を得た。
〔自己分散型のマゼンタ顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントレッド122を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のマゼンタ顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてマゼンダ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のマゼンタ顔料分散液を得た。
〔自己分散型のイエロー顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、シアン顔料分散液の場合と同様にして調製し、固形分濃度が20質量%の、自己分散型のイエロー顔料分散液を得た。
〔樹脂分散型のイエロー顔料分散液の調製〕
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、樹脂分散型のブラック顔料分散液と同様にして調製し、固形分濃度が40質量%の、樹脂分散型のイエロー顔料分散液を得た。
〔樹脂エマルジョンの調製〕
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分濃度40質量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂粒子のガラス転移温度は−6℃であった。
〔界面活性剤〕
・オルフィンE1010(日信化学社製商品名、以下では「E1010」と記載した。)
〔脂肪酸〕
・オレイン酸
〔pH調整剤〕
・トリプロパノールアミン
〔緩浸透溶剤〕
・1,3−プロパンジオール
・1,6−ヘキサンジオール
〔浸透溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール
・1,2−オクタンジオール
〔防腐剤・防黴剤〕
・エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
〔水〕
・イオン交換水
[インクの調製]
下記表2及び表3の組成に従い各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、ブラックインク1〜3(K1〜K3)、シアンインク1〜3(C1〜C3)、マゼンタインク1〜4(M1〜M4)、及びイエローインク1〜4(Y1〜Y4)を調製した。なお、下記表2及び表3中の数値はインク中の含有量(質量%)を表し、「合計」は100.00質量%である。また、表中、顔料分散液の欄のカッコ内の数字は各顔料の固形分濃度を表し、樹脂エマルジョンの欄のカッコ内の数字は樹脂エマルジョンの固形分濃度が40質量%であることを表す。
[実施例1〜3、比較例1〜4]
下記表4に示すようなインクの組み合わせに従い、インクセットを調製した。
[評価方法・基準]
〔耐ブリード性〕
調製した各インクセットを、キャリッジ速度を変更できるように改造したインクジェットプリンターPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、以下の被記録媒体及び印刷パターンで印刷を行い、以下の基準に従い評価した。なお、本評価におけるキャリッジ速度を0.7m/secとした。
被記録媒体として、ビジネスインクジェットコート紙(セイコーエプソン社製、型番:KA4250BC)を用いた。なお、ビジネスインクジェットコート紙は、塗工層が設けられた被記録媒体であり、そのインク吸収能は普通紙のものより小さい。
印刷パターンは、インクA及びインクBのうち、一方で背景を印刷し、もう一方で印字を行うことで、これら2色間の評価を行った。具体的に言えば、A色を背景色とし且つB色で「書」の文字をサイズ6ptの大きさで印刷したパターンと、またB色を背景色とし且つA色で「書」の文字を6ptの大きさで印刷したパターンと、を用いて評価を行った。
評価基準は、以下の通りである。評価結果を下記表4に示す。
○:印字物から30cmの距離で、目視により文字を観察してもブリーディングは見られなかった。
×:印字物から30cmの距離で、目視により文字を観察したところ、ブリーディングが見られた。
以上の結果より、脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、最もL値が低いブラックインクと、樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、最もL値が高いイエローインクと、緩浸透溶剤を含有し、かつ、ブラック及びイエロー以外の2種以上である第3インクと、を含む4種のインクセット(各実施例)は、そうでない4種のインクセット(各比較例)に比して、相対速度が0.5m/sec以上の高速印刷において、各色間の耐ブリード性に優れることが分かった。
相対速度が0.5m/sec以上の高速印刷において、互いのインク同士の混色を防止し、耐ブリード性を良好なものとするのは極めて困難である。これに対し、本発明のインクセットによれば、構成する4種のインクがそれぞれの特徴を最大限発揮できるよう、各インク組成を浸透性の観点で異ならせることにより、ブリーディングを抑制可能となることが分かった。4種のインクの特徴を最大限発揮させることに加えた本発明のインクセットは、ブリーディングの生じやすい被記録媒体(低吸収性の被記録媒体)であっても質の高い画像を形成できることも分かった。
なお、相対速度を0.3m/secとした点以外は、各実施例及び各比較例と同様にして耐ブリード性を評価したところ、いずれの結果も「○」となった。したがって、本発明のインクセットは、相対速度0.5m/sec以上の高速印刷に用いる場合、優れた効果をもたらすものであることを確認した。

Claims (7)

  1. 相対速度が0.5m/sec以上のインクジェット記録装置に用いられる、4種以上のインクを備えたインクセットであって、
    脂肪酸と自己分散型顔料とを含有し、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が低い第1インクと、
    樹脂分散型顔料を含有し、脂肪酸を実質的に含有せず、かつ、該4種以上のインクのうち最もL値が高い第2インクと、
    緩浸透溶剤を含有し、かつ、前記第1インク及び第2インク以外の2種以上のインクである第3インクと、を含む、インクセット。
  2. 2種以上の前記第3インクは、互いに独立して顔料及び緩浸透溶剤を含有し、
    前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、前記緩浸透溶剤を相対的に少なく含有する、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に多いインクは、マゼンタインクであり、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料であり、かつ、浸透溶剤をさらに含有し、
    前記第3インクのうち前記顔料の含有量が相対的に少ないインクは、シアンインクであり、かつ、前記顔料が自己分散顔料又は樹脂分散型顔料である、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記緩浸透溶剤は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールからなる群より選択される一種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記浸透溶剤は、炭素数4以上の1,2−アルカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及びグリコールエーテル類からなる群より選択される1種以上である、請求項3又は4に記載のインクセット。
  6. 前記第1インク及び前記第3インクのうち少なくともいずれかが樹脂粒子を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクセットを用いて記録する、インクジェット記録方法。
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