JP2013226973A - 車両用挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリング切り角を自動で制御して走行する場合に、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することを可能にする。
【解決手段】曲がる方向の異なるカーブ形状要素が連続する連続カーブの走行時でも、1つ目のカーブ形状要素の次には直線形状要素を第1仮設定処理(10、S44)で仮に設定し、1つ目のカーブ形状要素から当該直線形状要素までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の仮想道路境界までの適正境界距離Dcとして、入口側仮想曲線距離D_trans_inを入口側適正境界距離算出処理(10、S302)で算出する。そして、仮想道路境界距離D_bounを入口側仮想曲線距離D_trans_inに合わせるようにEPS_ECU4がステアリング切り角を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のステアリング切り角に関する制御を行う車両用挙動制御装置に関するものである。
従来、走行するカーブ路の曲率半径を求め、求めた曲率半径を利用して車両のステアリング切り角の制御を行う技術が知られている。
例えば、特許文献1には、レーダで検出した自車前方の道路境界や道路付帯物までの距離と、自車の左右にオフセットした位置からの当該道路境界や道路付帯物までの距離とから、カーブ路の曲率半径を算出することが開示されている。また、この算出した曲率半径をもとに、自車先端から自車正面に位置する道路境界までの最適距離を算出し、自車先端から自車正面に位置する道路境界までの実距離を当該最適距離に合わせるように自車のステアリング切り角の制御を行うことが開示されている。特許文献1に記載の最適距離は、自車がカーブ路の適正曲率半径の円軌道上を走行しているときの自車先端から自車正面に位置する道路境界までの距離である。
特許第4596063号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、ステアリング切り角を自動で制御して走行する場合に、滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが出来ない場合があるという問題を有していた。一例として、右回りのカーブ路(以下、右カーブ)に続いて左回りのカーブ路(以下、左カーブ)が、直線路を挟まずに連続する連続カーブの走行時を例に挙げて説明を行う。
上述の連続カーブの走行時においては、右カーブを走行しているのは同じであるのにも関わらず、車両正面に位置する道路境界が、右カーブの外側の境界(自車の左側の境界)から左カーブの外側の境界(自車の右側の境界)に急に切り替わる領域(以下、切り替わり領域)が存在する。よって、この切り替わり領域では、自車先端から自車正面に位置する道路境界までの実距離(以下、境界実距離)が急激に増加することになる。
また、特許文献1に記載の最適距離は、自車がカーブ路の適正曲率半径の円軌道上を走行しているときの自車先端から自車正面に位置する道路境界までの距離であるので、右カーブを走行しているのは同じである切り替わり領域においては、最適距離は急変しない。
特許文献1に開示の技術では、境界実距離を最適距離に合わせるように自車のステアリング切り角の制御を行うが、切り替わり領域では、前述したように最適距離は急変しないにも関わらず境界実距離は急変するので、ステアリング切り角の変化も急激に行われることになる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ステアリング切り角を自動で制御して走行する場合に、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することを可能にする車両用挙動制御装置を提供することにある。
本発明の車両用挙動制御装置は、車両に搭載され、自車の前方に存在する自車の走行可能な道路領域の境界の位置を逐次検出する位置検出センサ(5、10)の検出結果を逐次取得する境界情報取得手段を備えている車両用挙動制御装置(10)であって、自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、境界情報取得手段で取得した位置検出センサの検出結果をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10、S1)と、仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10、S2)と、自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10、S44)と、自車の現在位置と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10、S101)と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10、S302、S403、S602)と、仮想道路境界距離を適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の他の車両用挙動制御装置は、車両に搭載され、車車間通信によって情報を送受信する無線通信装置(6)を介して情報を取得する車両用挙動制御装置(10)であって、自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、車車間通信が可能な先行車から逐次送信される、当該先行車の走行軌跡に応じた仮想的な道路外形を決定することができる情報である先行車情報を、無線通信装置を介して逐次取得する先行車情報取得手段(10)と、先行車情報取得手段で取得した先行車情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10)と、仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10)と、自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10)と、自車の現在位置と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10)と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の前記仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10)と、仮想道路境界距離を適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴としている。
また、本発明のさらに他の車両用挙動制御装置は、車両に搭載され、路側機から路車間通信によって送信される情報を、無線通信装置(7)を介して逐次取得する車両用挙動制御装置(10)であって、自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、路側機から送信される、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定することができる道路外形決定用情報、無線通信装置を介して逐次取得する道路外形決定用情報取得手段(10)と、道路外形決定用情報取得手段で取得した道路外形決定用情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10)と、仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10)と、自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10)と、自車の現在位置と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10)と、現在位置部分から次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10)と、仮想道路境界距離を適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴としている。
これらの構成によれば、曲がる方向の異なるカーブ形状部分が連続する連続カーブの走行時でも、1つ目のカーブ形状部分の次には直線形状部分を第1仮設定手段で仮に設定し、1つ目のカーブ形状部分から当該直線形状部分までの道路外形と自車の現在位置から、仮想道路境界距離を仮想道路境界距離算出手段で算出することになる。
よって、上記連続カーブの走行時でも、仮想道路境界距離算出手段で算出される仮想道路境界距離が、1つ目のカーブ形状部分のカーブ外側の仮想道路境界までの仮想道路境界距離から、2つ目のカーブ形状部分のカーブ外側の仮想道路境界までの仮想道路境界距離に急に切り替わり、仮想道路境界距離が急激に増加することを抑えることができる。詳しくは、1つ目のカーブ形状部分のカーブ外側の仮想道路境界までの仮想道路境界距離から、直線形状部分の、1つ目のカーブ形状部分のカーブ外側と同じ側の仮想道路境界までの仮想道路境界距離にまず切り替わるので、仮想道路境界距離が急激に増加することを抑えることができる。
従って、上記連続カーブの走行時において、仮想道路境界距離を最適距離に合わせるように自車のステアリング切り角の制御を操舵手段で行う場合に、仮想道路境界距離の急変を抑えることができるので、ステアリング切り角の急激な変化を抑えることができる。その結果、ステアリング切り角を自動で制御して走行する場合に、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが可能になる。
運転支援システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 再構成関連処理のフローの一例を示すフローチャートである。 次回位置要素決定処理のフローの一例を示すフローチャートである。 ステアリング切り角制御関連処理のフローの一例を示すフローチャートである。 仮想道路境界距離D_bounの説明を行うための図である。 プロドライバによるワインディング路走行評価結果の一例を示す図である。 操舵開始評価指標の閾値KdB−e_strを説明するための図である。 操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pと閾値KdB_e_strとの関係を示した図である。 操舵開始地点決定処理の説明を行うための図である。 入口移行領域側設定処理のフローの一例を示すフローチャートである。 入口移行領域側始点、入口移行領域側終点、及び入口移行領域側仮想曲線の説明を行うための図である。 入口移行領域側操舵制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。 ステアリング切り角制御のフローの一例を示すフローチャートである。 入口側仮想曲線距離D_trans_inにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 入口側仮想曲線距離D_trans_inにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 入口側仮想曲線距離D_trans_inにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 カーブ内走行処理のフローの一例を示すフローチャートである。 出口移行領域側設定処理のフローの一例を示すフローチャートである。 出口移行領域側始点、出口移行領域側終点、及び出口以降領域側仮想曲線の説明を行うための図である。 出口移行領域側操舵制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。 出口側仮想道路境界距離D_trans_outにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 出口側仮想道路境界距離D_trans_outにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 出口側仮想道路境界距離D_trans_outにより操舵制御が行われている過程を示す図である。 実施形態1の構成における作用効果を説明するための図である。 右カーブに左カーブが連続する連続カーブの一例を示す図である (a)〜(d)は、右カーブに左カーブが連続する連続カーブを走行する場合の問題点を説明するための図である。 (a)及び(b)は、右カーブに左カーブが連続する連続カーブを走行する場合の実施形態1の構成による効果を説明するための図である。 直線路と直線路との間を短い右回りのカーブ路が繋いでいる経路を説明するための図である。 (a)〜(d)は、直線路と直線路との間を短い右回りのカーブ路が繋いでいる経路を走行する場合の問題点を説明するための図である。 (a)〜(d)は、直線路と直線路との間を短い右回りのカーブ路が繋いでいる経路を走行する場合の実施形態1の構成による効果を説明するための図である。 (a)及び(b)は、駐車車両を避けて走行する場合の実施形態1の構成による効果を説明するための図である。 (a)〜(f)は、低速の先行車を避けてレーンチェンジする場合の例を説明するための図である。 低速の先行車を避けてレーンチェンジする場合の例を説明するための図である。 運転支援システム200の概略的な構成を示すブロック図である。 運転支援システム300の概略的な構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、自車が仮想的なカーブ路外の直線形状要素に位置している場合の、自車のステアリング切り角の補正について説明するための図である。 自車が仮想的なカーブ路外の直線形状要素に位置している場合の、自車のステアリング切り角の補正について説明するための図である。 (a)及び(b)は、自車がカーブ形状要素に位置している場合の、自車のステアリング切り角の補正について説明するための図である。 自車がカーブ形状要素に位置している場合の、自車のステアリング切り角の補正について説明するための図である。 自車がオーバーステアによりスピン状態に移行する手前のステアリング操作が可能な状態を示す図である。 自車がアンダーステアによりスピン状態に移行する手前のステアリング操作が可能な状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に示す実施形態は、左側通行が法制化されている地域に対応した実施形態であり、右側が法制化されている地域では、以下の実施形態と左右が逆になる。
(実施形態1)
なお、実施形態1は、本発明の車両用挙動制御装置を運転支援システム100に適用した場合について説明するものである。図1に、実施形態1の運転支援システム100の全体構成を示す。図1に示すように、運転支援システム100は、車輪速センサ1、舵角センサ2、ヨーレートセンサ3、EPS_ECU4、測距センサ5、及び車両制御ECU10を含む。
車輪速センサ1は、各転動輪の回転速度から自車の速度を検出するセンサであり、検出した自車速Voを車内LANに送信する。舵角センサ2は、自車の操舵角Θを検出するセンサであり、検出した操舵角Θを車内LANに送信する。ヨーレートセンサ3は、自車の鉛直軸まわりの角速度(ヨーレート)を検出するセンサであり、検出したヨーレートを車内LANに送信する。
EPS_ECU4は、EPSアクチュエータ11を動作させることで、ステアリング切り角(つまり、操舵角)Θの制御を行う。EPSアクチュエータ11は、EPS_ECU4からの指令信号に基づいてステアリング切り角(つまり、操舵角)Θを変化させる機構であり、たとえばインターミディエイトシャフトと一体回転する減速ギヤとその減速ギヤを回転させるモータからなる。
測距センサ5は、自車の前方に存在する自車の走行可能な道路領域の境界の位置を検出するセンサである。例えば、測距センサ5としては、レーダを用いる構成とすればよい。本実施形態では、測距センサ5としてレーダを用いる場合を例に挙げて説明を行う。
レーダを用いる場合には、レーザ光やミリ波を自車前方の所定範囲に照射し、その反射光を受信して、自車から自車前方の道路の道路境界(例えばガードレールや縁石等)や前方車両等の路上の障害物までの距離を検出する。そして、レーダで得られた上記道路境界や障害物の距離データから、車両制御ECU10が、上記道路境界や障害物の自車に対する位置を検出する。
よって、測距センサ5及び車両制御ECU10が請求項の位置検出センサに相当する。また、車両制御ECU10が請求項の境界情報取得手段に相当する。自車前方の所定範囲とは、自車の左側方や右側方まで拡がる範囲としてもよい。また、測距センサ5を、センシング方向が異なるように複数設ける構成としてもよい。なお、測距センサ5において、上記道路境界や障害物の自車に対する位置の検出までを行う構成としてもよい。
また、測距センサ5としては、レーダ以外にも、カメラを用いる構成としてもよい。カメラを用いる場合には、公知の画像認識技術によって、自車に対する自車前方の道路の道路境界(例えば白線やガードレールや縁石等)や前方車両等の路上の障害物を検出する構成とすればよい。そして、自車から道路境界までの距離については、カメラの設置位置及び光軸の向きが決まれば、撮像画像中の対象の位置から算出することができるので、カメラの設置位置及び光軸の向きと、撮像画像中の対象の位置とから算出する構成とすればよい。
車両制御ECU10は、主にマイクロコンピュータとして構成され、何れも周知のCPU、ROM、RAM、I/O、及びこれらを接続するバスによって構成される。車両制御ECU10は、車輪速センサ1、舵角センサ2、ヨーレートセンサ3、EPS_ECU4、測距センサ5から入力された各種情報に基づき、各種の処理を実行する。車両制御ECU10が請求項の車両用挙動制御装置に相当する。
車両制御ECU10は、ある時点の自車位置を2次元座標上の起点し、自車の車輪速センサ1から逐次取得する自車速Vo、及び自車の舵角センサ2から逐次取得する操舵角Θをもとに、上記2次元座標上の自車の現在位置を逐次算出することで、自車の現在位置を取得する現在位置取得処理を行う。よって、車両制御ECU10が請求項の現在位置取得手段に相当する。
なお、車両制御ECU10が、地磁気を検出する地磁気センサや、衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(global positioning system)のためのGPS受信機といった他のセンサから得られる情報をもとに、自車の現在位置を算出する構成としてもよい。
また、車両制御ECU10は、自車の走行すべき道路領域の外形(以下、仮想道路外形)を決定するとともに、その仮想道路外形を直線形状部分(以下、直線形状要素)と、右回りのカーブ形状部分(以下、右カーブ形状要素)と、左回りのカーブ形状部分(以下、左カーブ形状要素)とに分けて再構成する処理に関連する処理(以下、再構成関連処理)を行う。
ここで、図2のフローチャートを用いて、再構成関連処理について説明を行う。図2
のフローは、例えば車両制御ECU10の電源がオンになったときに開始され、車両制御ECU10の電源がオフになったときに終了するものとする。他にも、図示しない操作スイッチのオンオフに応じて図2のフローの開始及び終了が行われる構成としてもよい。
まず、ステップS1では、道路外形決定処理を行って、ステップS2に移る。道路外形決定処理では、測距センサ5を用いて検出した自車前方の道路の道路境界や障害物の位置から、自車の現在位置を起点とした前方の仮想道路外形を決定する。よって、このステップS1の処理が請求項の仮想道路外形決定手段に相当する。
一例としては、公知のポテンシャルフィールド法によって、検出した道路境界や障害物を避けて走行を行うための走行経路を生成し、この経路の中心線から左右に所定の幅を持たせた道路外形を仮想道路外形とする。一例としては、走行経路を中心線として左右に例えば1.75mの距離に相当する長さだけ幅を持たせた境界線を有する道路外形を推定する。
なお、ポテンシャルフィールド法とは、自車が目的地に向かう方向には引力が、障害物には斥力が働いていると仮定し、目的地に引きつける引力と障害物から跳ね返す斥力との2つを重ねあわせることにより、障害物を回避しつつ目的地へ向かう経路を生成する方法である。
ポテンシャルフィールド法を利用して仮想道路外形及び仮想道路外形の境界線(以下、仮想道路境界)を求める場合には、自車の目的地までの推奨経路を探索する公知のナビゲーション装置からその推奨経路の情報を車両制御ECU10が取得する構成とすればよい。よって、車両制御ECU10が、請求項の経路情報取得手段に相当する。そして、取得した推奨経路に沿った進行方向を自車の目的地に向かう方向として、ポテンシャルフィールド法によって、障害物を回避しつつ目的地へ向かう経路を生成する構成とすればよい。
また、ポテンシャルフィールド法を用いずに、以下のようにして仮想道路外形及び仮想道路境界を求める構成としてもよい。まず、上記道路境界や障害物の位置データの点列を繋ぐことによって、道路境界や障害物の境界線を決定する。続いて、自車中心よりも左寄りに検出された道路境界や障害物の境界線を、仮想道路外形の左側の境界線と決定する。そして、その左側の境界線を、車幅方向の右側へ所定の幅(例えば3.5m)だけずらした線を、仮想道路外形の右側の境界線と決定する。
なお、自車中心よりも左寄りに道路境界の境界線が検出されるだけでなく、自車中心よりも右寄りにも道路境界の境界線が検出された場合には、左右の境界線を仮想道路外形の左右の境界線と決定する構成とすればよい。
以上に述べたいずれの方法によっても、対向車線の存在する2車線の道路を自車が走行中の場合に、自車が走行中の車線の道路領域だけを仮想道路外形とすることが可能になる。また、自車の前方に駐車中の車両や障害物が存在する場合に、この駐車車両や障害物を避ける際に走行すべき道路領域を仮想道路外形とすることが可能になる。さらに、自車の先行車を追い越す場合には、先行車を追い越す際に走行すべき道路領域を仮想道路外形とすることが可能になる。
ステップS2では、再構成処理を行ってステップS3に移る。再構成処理では、道路外形決定処理で決定した仮想道路外形を、直線形状要素と、右カーブ形状要素と、左カーブ形状要素とに分けて再構成する再構成処理を行う。よって、このステップS2の処理が請求項の再構成手段に相当する。
例えば再構成処理では、道路外形決定処理で決定した仮想道路外形の符号付き曲率に応じて、仮想道路外形を直線形状要素、右カーブ形状要素、左カーブ形状要素に分けて再構成する。
具体例としては、符号付き曲率の絶対値が所定値未満の部分については直線形状要素、符号付き曲率が負の所定値以下の部分については右カーブ形状要素、符号付き曲率が正の所定値以上の部分については左カーブ形状要素とする。仮想道路外形の符号付き曲率については、仮想道路外形の境界の線(例えば左側の境界線)をもとに公知の方法を用いて算出する構成とすればよい。
ステップS3では、現在位置要素決定処理を行って、ステップS4に移る。現在位置要素決定処理では、自車が位置する形状要素を現在位置要素として決定する。例えば、自車が位置する形状要素は、現在位置取得処理で取得した自車の現在位置から特定する構成とすればよい。
ステップS4では、次回位置要素決定処理を行って、ステップS5に移る。ここで、図3のフローチャートを用いて、次回位置要素決定処理についての詳細な説明を行う。
ステップS41では、現在位置要素決定処理で決定した現在位置要素が直線形状要素であった場合(ステップS41でYES)には、ステップS42に移る。一方、現在位置要素決定処理で決定した現在位置要素がカーブ形状要素であった場合(ステップS41でNO)には、ステップS43に移る。
ステップS42では、自車が次に位置することになる形状要素を、次回位置要素として決定し、ステップS5に移る。具体的には、自車が次に位置することになる形状要素が右カーブ形状要素である場合には、その右カーブ形状要素を次回位置要素として決定する。また、自車が次に位置することになる形状要素が左カーブ形状要素である場合には、その左カーブ形状要素を次回位置要素として決定する。
次回位置要素は、自車の進行方向から推定する構成とすればよい。自車の進行方向については、現在位置取得処理で取得する自車の現在位置の変遷から推定する構成とすればよい。
ステップS43では、自車が次に位置することになる形状要素が、カーブ形状要素であった場合(ステップS43でYES)には、ステップS44に移る。一方、自車が次に位置することになる形状要素が、直線形状要素であった場合(ステップS43でNO)には、ステップS45に移る。
ステップS44では、第1仮設定処理を行って、ステップS5に移る。第1仮設定処理では、直線形状要素を次回位置要素として仮に設定することで次回位置要素を決定する。つまり、現在位置要素がカーブ形状要素であった場合には、自車が次に位置することになる形状要素がその逆回りのカーブ形状要素であった場合でも、次回位置要素として直線形状要素を仮に設定する。よって、このステップS44が請求項の第1仮設定手段に相当する。
第1仮設定処理での仮の設定は、自車が次回位置要素に達するまで継続されるものとする。よって、このステップS44の処理が請求項の第1仮設定処理に相当する。なお、直線形状要素が請求項の直線形状部分、カーブ形状要素が請求項のカーブ形状部分、現在位置要素が請求項の現在位置部分、次回位置要素が請求項の次回位置部分に相当する。
第1仮設定処理で仮に設定する直線形状要素は、現在位置要素としてのカーブ形状要素の左右の境界線の各終端における接線方向に所定距離だけ直線を延長することで設定を行う構成とすればよい。ここで言うところの所定距離とは、無限遠であってもよいし、数十メートル等の有限の距離であってもよい。
ステップS45では、自車が次に位置することになる直線形状要素を次回位置要素として決定し、ステップS5に移る。
図2に戻って、ステップS5では、次回位置要素決定処理において次回位置要素を直線形状要素と決定した場合(ステップS5でYES)には、ステップS6に移る。一方、次回位置要素決定処理において次回位置要素をカーブ形状要素と決定した場合(ステップS5でNO)には、ステップS7に移る。
ステップS6では、第2仮設定処理を行って、ステップS8に移る。第2仮設定処理では、次回位置要素としての直線形状要素に自車が達するまでは、当該直線形状要素に、当該直線形状要素を延長した延長分を付け加えた直線形状要素(以下、直線形状延長要素)を、次回位置要素として仮に設定する。よって、このステップS6の処理が請求項の第2仮設定手段に相当する。なお、直線形状延長要素が請求項の直線形状延長部分に相当する。
直線形状要素を延長した延長分については、一度に所定距離や無限遠だけ延長される構成としてもよいし、一定時間や一定走行距離ごとに所定距離の延長が繰り返される構成としてもよい。
第2仮設定処理は、次回位置要素が第1設定処理で仮に設定された直線形状要素である場合にも行う構成とすればよい。ただし、第1設定処理において、無限遠や例えば数百メートル等の充分な遠方まで延長した直線形状要素が仮に設定される場合を除くものとする。
なお、第2仮設定処理は、次回位置要素の長さが所定距離未満の場合に行う一方、次回位置要素の長さが所定距離以上の場合には行わない構成としてもよい。本実施形態では、次回位置要素の長さが所定距離未満の場合にのみ第2仮設定処理を行う構成を例に挙げて以降の説明を行う。
ステップS7では、第3仮設定処理を行って、ステップS8に移る。第3仮設定処理では、次回位置要素としてのカーブ形状要素に自車が達するまでは、当該カーブ形状要素に、当該カーブ形状要素を延長した延長分を付け加えたカーブ形状要素(以下、カーブ形状延長要素)を、次回位置要素として仮に設定する。よって、このステップS7の処理が請求項の第3仮設定手段に相当する。なお、カーブ形状延長要素が請求項のカーブ形状延長部分に相当する。
具体的には、次回位置要素が右カーブ形状要素である場合には、当該右カーブ形状要素に自車が達するまでは、当該右カーブ形状要素に、当該右カーブ形状要素を延長した延長分を付け加えた右カーブ形状要素を、次回位置要素として仮に設定する。また、次回位置要素が左カーブ形状要素である場合には、当該左カーブ形状要素に自車が達するまでは、当該左カーブ形状要素に、当該左カーブ形状要素を延長した延長分を付け加えた左カーブ形状要素を、次回位置要素として仮に設定する。
カーブ形状要素を延長した延長分については、一度に所定距離される構成としてもよいし、一定時間や一定走行距離ごとに所定距離の延長が繰り返される構成としてもよい。
なお、第3仮設定処理は、次回位置要素の長さが所定距離未満の場合に行う一方、次回位置要素の長さが所定距離以上の場合には行わない構成としてもよい。本実施形態では、次回位置要素の長さが所定距離未満の場合にのみ第3仮設定処理を行う構成を例に挙げて以降の説明を行う。
ステップS8では、自車が次回位置要素に達したか否かを判定する。自車が次回位置要素に達したか否かは、現在位置取得処理で取得した自車の現在位置が次回位置要素に達したか否かによって判定する構成とすればよい。そして、次回位置要素に達したと判定した場合(ステップS8でYES)には、ステップS1に戻って、フローを繰り返す。一方、次回位置要素に達していないと判定した場合(ステップS8でNO)には、ステップS8のフローを繰り返す。
図1に戻って、車両制御ECU10は、現在位置要素が直線形状要素であって、且つ、次回位置要素がカーブ形状要素である場合に、自車の前方にカーブ路が存在すると判定するカーブ路判定処理を行う。
本実施形態で言うところのカーブ路とは、測距センサ5を用いて検出した自車前方の道路の道路境界や障害物の位置から決定される仮想道路外形からなるものであって、現実のカーブ路だけに限定されるものではない。例えば、駐車車両や路上の障害物を避けたり、先行車を追い越したりする場合の自車の走行すべき道路領域の外形が示すカーブ路も含む、仮想的なカーブ路を示している。
また、車両制御ECU10は、カーブ路判定処理で自車の前方にカーブ路が存在すると判定した場合に、ステアリング切り角制御関連処理を行う。以下では、図4のフローチャートを用いて、ステアリング切り角制御関連処理についての説明を行う。
まず、ステップS101では、仮想道路境界距離算出処理を行って、ステップS102に移る。仮想道路境界距離D_bounは、自車の進行方向の延長線上(つまり、自車正面)に位置する形状要素の仮想道路境界と自車(例えば自車先端)との距離である。仮想道路境界距離D_bounは、前述の2次元座標における自車の現在位置と、現在位置要素から次回位置要素までの仮想道路外形とから算出する構成とすればよい。よって、このステップS101が請求項の仮想道路境界距離算出手段に相当する。
ここで、図5を用いて、仮想道路境界距離D_bounの説明を行う。図5に示すように、仮想道路境界距離D_bounは、自車から自車正面に位置する仮想道路境界までの距離である。なお、図5中のAが自車、Bが決定された仮想道路外形、Cが実際の道路外形を示している。また、図5中のEが自車正面に位置する仮想道路境界を示しており、破線が仮想道路境界を示している。以降では、同一の対象については同じ記号を付して説明を省略する。
ステップS102では、操舵開始地点判定処理を行って、ステップS103に移る。このステップS102の処理が請求項の操舵開始地点判定手段に相当する。操舵開始地点判定処理では、操舵開始評価指標の現在値(以下、KdB_e_p)を算出し、操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pが、仮想道路境界距離D_bounに応じて定まる操舵開始評価指標の閾値(以下、閾値KdB_e_str)を上回る値であるか否かを判定する。よって、このステップS102の処理が、請求項の操舵開始評価指標算出手段、及び操舵開始判定手段に相当する。
ここで、操舵開始評価指標KdB_eについての説明を行う。KdB_eは、自車正面に位置するカーブ路の道路境界の縁石や白線等(以下、カーブ境界物)のドライバの目に映る像を想定し、想定した像の面積の単位時間当たりの変化度合いを表す指標である。また、KdB_eは、自車正面に位置する仮想道路境界に対する接近離間状態を自車の当該仮想道路境界に接近する速度を考慮して表す指標であって、自車が当該仮想道路境界に接近する速度が高くなるほど大きくなるとともに、仮想道路境界距離D_bounが短くなる変化に対する増加勾配が仮想道路境界距離D_bounが短くなるほど急峻になる指標である。この操舵開始評価指標KdB_eは、例えば、下記式1で表される。なお、Voは自車速である。
Figure 2013226973
上記式1に示すように、操舵開始評価指標KdB_eは、自車速Voの値が高くなるほど大きくなる。また、仮想道路境界距離D_bounが短くなるほど大きくなる。また、仮想道路境界距離D_bounは三乗項であることから、仮想道路境界距離D_bounが短くなる変化に対する操舵開始評価指標KdB_eの増加勾配は、仮想道路境界距離D_bounが短くなるほど急峻になる。
一般的にドライバは、カーブ路に進入する手前において、カーブ境界物の視覚的な面積変化から、カーブ路への大まかな進入速度や距離を判断し、そのカーブ路を旋回するためのステアリングの操舵開始のタイミングを判断する。よって、KdB_eを用いれば、カーブ路の手前における実際のドライバの操舵開始のタイミングで操舵開始を行うことが可能になる。
例えば、本願発明者らは、自車速Voが一定の状況において、プロドライバに対して自車正面のカーブ路を旋回可能なタイミングでステアリングの操舵を開始するように教示して実験した。そして、式1から算出される操舵開始評価指標KdB_eを用いることにより、ドライバの操舵開始ポイントが、一つの曲線上に分布することを明らかにした(図6参照)。となった。
また、図7は、図6の曲線を、横軸をlog10D_bounとしてプロットしなおしたものであり、図7中のFで示す直線がこの曲線の近似式である。操舵開始判別式は式2で示され、この近似式を操舵開始評価指標KdB_eの閾値(操舵開始判式)KdB_e_strとする。
Figure 2013226973
上記式2のb、cは定数であって、例えばb=−25.00、c=78.58とすればよい。Δcは、補正項である。この補正項が設けられているのは、補正項のない近似式から定まる閾値KdB_e_strは、ドライバがカーブ路の手前でステアリングの操舵を開始する時点の操舵開始評価指標KdB_eそのものとなってしまうため、これを用いると、制
御が介入しすぎとなり運転者が不快に感じる恐れがあるからである。
図4に戻って、ステップS103では、操舵開始地点決定処理を行って、ステップS104に移る。操舵開始地点決定処理では、操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pが閾値KdB_e_strを上回る値である判定したとき(図8のG参照)の自車の現在位置を操舵開始地点として決定する。よって、このステップS103が請求項の操舵開始地点決定手段に相当する。また、車両制御ECU10は、この操舵開始地点(図9のH参照)で、自車の操舵を開始する。よって、このステップS103が請求項の操舵開始手段に相当する。
ステップS104では、入口移行領域側設定処理を行って、ステップS105に移る。ここで、図10のフローチャートを用いて、入口移行領域側設定処理についての詳細な説明を行う。
まず、S201では、入口移行領域側始点決定処理を行って、ステップS202に移る。入口移行領域側始点決定処理では、上述の操舵開始地点から自車正面方向へ所定距離以上遠方に離れた位置を、カーブ入口移行領域における仮想曲線の始点(以下、入口移行領域側始点)と決定する。よって、このステップS201が請求項の入口移行領域側始点決定手段に相当する。
カーブ入口移行領域とは、現在位置要素としての直線形状要素内における操舵開始地点から、仮想的なカーブ路内(具体的には次回位置要素としてのカーブ形状要素内若しくはカーブ形状延長要素内)の所定の位置までの領域である。ここで言うところの所定の位置とは、後述する入口移行領域側終点が自車正面方向に位置する地点(以下、入口移行領域終点)を示している。また、所定距離以上遠方とは、例えば数百メートル等の充分な遠方であって、無限遠としてもよい。
ステップS202では、入口移行領域側仮想曲線設定処理を行って、ステップS105に移る。このステップS202の処理が請求項の入口移行領域側仮想曲線設定手段に相当する。入口移行領域側仮想曲線設定処理では、例えば以下式10及び式11によって、操舵開始地点を原点としたときのX座標のX_inとY座標のY_inとの集合で表される曲線を、入口移行領域側仮想曲線として設定する。
Figure 2013226973
上記10式の第1項は、クロソイド曲線の定義式のX方向成分であり、第2項はクロソイド曲線上を走行するときのタイヤ切れ角から算出されるX方向距離の補正項であり、第3項は第2領域の開始位置を原点とするための補正項である。
Figure 2013226973
上記11式の第1項は、クロソイド曲線の定義式のY方向成分であり、第2項はクロソイド曲線上を走行するときのタイヤ切れ角から算出されるY方向距離の補正項である。
なお、10式及び11式のAは定数であって、Aは下記12式で求められる。なお、12式のRとしては、次回位置要素としてのカーブ形状要素(カーブ形状延長要素の場合はカーブ形状延長要素、以降も同様)のカーブ外側の曲率半径を用いる構成とすればよい。曲率半径は、カーブ形状要素の曲率から算出する構成とすればよい。また、12式のlは曲線長を示している。
Figure 2013226973
また、10式及び11式のτは螺旋角であって、下記13式で求められる。なお、13式のRとしては、12式と同様の値を用いる構成とすればよい。さらに、10式及び11式のDは、自車正面に仮想的に位置する入口移行領域側仮想曲線と自車との距離(入口側仮想曲線距離D_trans_in)であるものとする。言い換えると、D=D_trans_inである。また、D_inは、操舵開始地点からカーブ路の入口位置までの距離である。
Figure 2013226973
カーブ路の入口位置については、車両制御ECU10での入口決定処理によって決定する構成とすればよい。入口決定処理では、次回位置要素としてのカーブ形状要素の曲率半径をもとに、カーブ路の入口位置を決定する。詳しくは、当該曲率半径が最初に入口判定閾値に達する地点をカーブ路の入口位置と決定する。なお、曲率半径の代わりに曲率を用いる構成としてもよい。入口判定閾値は、直進と言えない程度の曲率半径以上の値であって任意に設定可能な値である
また、入口移行領域側仮想曲線設定処理で設定された入口移行領域側仮想曲線と、次回位置要素としてのカーブ形状要素のカーブ外側の仮想道路境界との交点を、カーブ入口移行領域における仮想道路境界の終点(以下、入口移行領域側終点)と車両制御ECU10で決定する。
図11に、入口移行領域側始点、入口移行領域側終点、及び入口移行領域側仮想曲線の一例を示す。図11中のIが入口移行領域側始点、Jが入口移行領域側終点、Kの点線が入口移行領域側仮想曲線、Lが入口位置を示している。
図4に戻って、ステップS105では、入口移行領域側操舵制御処理を実行し、ステップS106に移る。ここで、図12のフローチャートを用いて、入口移行領域側操舵制御処理についての詳細な説明を行う。
まず、S301では、前述のステップS101と同様にして、仮想道路境界距離D_bounを算出して、ステップS302に移る。ステップS302では、入口側適正境界距離算出処理を行って、ステップS303に移る。入口側適正境界距離算出処理では、入口側仮想曲線距離D_trans_inを算出して、算出した入口側仮想道路境界距離D_trans_inを、適正境界距離Dcと設定する。
よって、このステップS302の処理が請求項の適正距離算出手段に相当する。入口側仮想曲線距離D_trans_inは、自車の進行方向の延長線上(つまり、自車正面)に仮想的に位置する入口移行領域側仮想曲線と、自車(例えば自車先端)との距離である(図11参照)。
入口側仮想曲線距離D_trans_inは、例えば入口移行領域側仮想曲線上の座標(X_in、Y_in)を、前述の2次元座標における座標に置き換えることで算出する構成とすればよい。他にも、前述の2次元座標における自車の現在位置を、座標(X_in、Y_in)の座標系に置き換えることで仮想道路境界距離D_trans_inを算出する構成としてもよい。
ステップS303では、ステアリング切り角適否判定処理を行う。ステアリング切り角適否判定処理では、ステップS301で算出した仮想道路境界距離D_bounと、ステップS302で適正境界距離Dcとして設定した入口側仮想曲線距離D_trans_inとを比較する。
そして、仮想道路境界距離D_bounと適正境界距離Dc(ここでは、入口側仮想曲線距離D_trans_in)とが等しくない場合(D_boun≠D_trans_in)には、ステアリング切り角Θが不適切であると判定し、ステップS304に移る。また、仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dcと等しかった場合(D_boun=D_trans_in)には、ステアリング切り角Θが適切であると判定して、ステップS106に移る。
ステップS304では、ステアリング切り角制御を実行し、ステップS106に移る。ここで、図13のフローチャートを用いて、ステアリング切り角制御についての詳細な説明を行う。図13は、ステアリング切り角制御のフローの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1001では、推定外側曲率半径Raを以下の式3から算出し、ステップS1002に移る。式3において、Dcは適正境界距離、Lは車両幅方向における車両幅方向中心線から仮想道路境界までの距離である。なお、この推定外側曲率半径Raは、ステアリング切り角制御用の外側曲率半径である。また、式3は、直角三角形の三平方の定理から導出できる式である。
Figure 2013226973
ステップS1002では、ステップS401で算出した推定外側曲率半径Ra等を以下の式4に代入することで、タイヤ切れ角θを算出し、ステップS1003に移る。よって、このステップS1002の処理が請求項のタイヤ切れ角算出手段に相当する。なお、式4において、WBは車両ホイールベースである。
Figure 2013226973
ステップS1003では、ステップS402で算出したタイヤ切れ角θを以下の式5に代入することで、当該タイヤ切れ角θに応じた目標ステアリング切り角Θを算出し、ステップS1004に移る。よって、このステップS1003の処理が請求項のステアリング切り角算出手段に相当する。なお、式5において、Nは目標ステアリング切り角Θとタイヤ切れ角θとの比率(定数)である。
Figure 2013226973
ステップS1004では、ステアリング切り角を実際に変化させる。具体的には、ステップS1003で算出した目標ステアリング切り角ΘをEPS_ECU4へ送信する。EPS_ECU4は、舵角センサ2によってステアリング切り角を検出しつつEPSアクチュエータ11を制御して、ステアリング切り角を所定の変化速度で目標ステアリング切り角Θに近づく方向に変化させる。よって、EPS_ECU4が請求項の操舵手段に相当する。
ステップS106では、入口移行領域終点に達したか否かを判定する。一例としては、自車の現在位置と入口移行領域終点との距離が0よりも大きい場合に、入口移行領域終点に達していないと判定する一方、自車の現在位置と入口移行領域終点との距離が0以下の場合に入口移行領域終点に達したと判定する構成とすればよい。
なお、自車が入口移行領域終点に達したときには、自車は次回位置要素としてのカーブ形状要素にも既に達していることになるため、自車が入口移行領域終点に達したときには、現在位置要素がカーブ形状要素となっており、次回位置要素が直線形状要素となっている。
そして、入口移行領域終点に達したと判定した場合(ステップS106でYES)には、ステップS107に移る。一方、入口移行領域終点に達していないと判定した場合(ステップS106でNO)には、ステップS105に戻ってフローを繰り返す。
これにより、カーブ入口移行領域においては、図14、図15、図16に示すように、仮想道路境界距離D_bounが入口側仮想曲線距離D_trans_inに等しく(D_boun=D_trans_in)なるようにステアリング切り角が自動的に変更される。よって、カーブ入口移行領域の走行時に、滑らかにステアリング切り角を自動で変化させながら走行することが可能になる。
ステップS107では、カーブ内走行処理を行って、ステップS108に移る。ここで、図17のフローチャートを用いて、カーブ内走行処理についての詳細な説明を行う。
まず、S401では、前述のステップS301と同様にして仮想道路境界距離D_bounを算出して、ステップS402に移る。
ステップS402では、適正旋回半径Rn−Lを算出して、ステップS403に移る。適正旋回半径Rn−Lは、現在位置要素としてのカーブ形状要素の自車の走行位置における外側曲率半径Rnから、車両幅方向における車幅方向中心線から仮想道路境界までの距離Lを差し引くことで算出する構成とすればよい。
なお、外側曲率半径Rnは、仮想道路外形から逐次算出する。また、Lは仮想道路境界に対する自車の横位置であり、現在位置取得処理で取得した自車の現在位置と仮想道路境界との距離から決定する。
なお、本実施形態では、外側曲率半径Rnから距離Lを差し引くことで適正旋回半径を算出する構成としたが、必ずしもこれに限らない。例えば、内側曲率半径に距離Lを足すことで適正旋回半径を算出する構成としてもよい。
ステップS403では、仮想道路境界までの適正距離である適正境界距離Dcとして、D_radiusを算出して、ステップS404に移る。よって、このステップS403の処理も請求項の適正距離算出手段に相当する。
適正境界距離Dcは、以下の式14により算出する。なお、適正境界距離Dcが請求項の適正距離に相当する。適正境界距離Dcは、自車が適正旋回半径Rn−Lの円軌道上を走行する場合の自車先端から自車正面に位置する仮想道路境界までの距離を意味する。
Figure 2013226973
ステップS404では、ステアリング切り角適否判定処理を行う。ステアリング切り角適否判定処理では、ステップS401で算出した仮想道路境界距離D_bounとステップS403で算出した適正境界距離D_radiusとを比較する。そして、仮想道路境界距離D_bounと適正境界距離D_radiuscとが等しくなかった場合(D_boun≠D_radius)には、ステアリング切り角が不適切であると判定し、ステップS405に移る。また、仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離D_radiusと等しかった場合(D_boun=D_radius)には、ステアリング切り角が適切であると判定して、ステップS108に移る。
ステップS405では、前述のステップS304と同様にして、ステアリング切り角制御を実行し、ステップS108に移る。
仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dcに等しい(D_boun=D_radius)場合には、推定外側曲率半径Raが外側曲率半径Rnに等しくなり(Rn=Ra)、ステアリング切り角を変更しなくても、自車の走行軌道は現在位置要素としてのカーブ形状要素における適切な旋回半径となる。
一方、例えばステアリングの切り遅れが生じて、仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dcよりも小さくなる(D_boun<D_radius)場合には、推定外側曲率半径Raが外側曲率半径Rnよりも小さくなり(Rn>Ra)、車両の走行軌道は現在位置要素としてのカーブ形状要素における適切な旋回半径を外れてしまう。
仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dcと等しくない場合には、前述したように、ステアリング切り角を自動制御して目標ステアリング切り角Θに合わせることで、仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dc(ここではD_radius)となるようにする。その結果、自車の走行軌道を仮想的なカーブ路の適切な旋回半径に自動的に合わせることができ、仮想的なカーブ路の走行中において、適切な旋回半径を保って走行することが可能になる。
ステップS108では、操舵戻し開始地点判定処理を行う。操舵戻し開始地点判定処理では、操舵戻し開始地点に達したか否かを判定する。操舵戻し開始地点は、車両制御ECU10が例えば以下のようにして求める構成とすればよい。
まず、仮想的なカーブ路内(具体的には現在位置要素としてのカーブ形状要素)の仮想道路境界の線と、次回位置要素としての直線形状要素(詳しくは直線形状延長要素)の仮想道路境界の線との交点(以下、出口側交点)を求める。また、現在位置要素としてのカーブ形状要素に達するまで、当該カーブ形状要素を延長したカーブ形状延長要素を仮に設定していた場合には、このカーブ形状延長要素の仮想道路境界の線と、次回位置要素としての直線形状延長要素の仮想道路境界の線との交点を出口側交点として求める。そして、この出口側交点が自車正面に位置する自車の現在位置に相当する地点を、操舵戻し開始地点と決定する。また、仮想的なカーブ路の出口位置を、操舵終了地点と決定する。
仮想的なカーブ路の出口位置の決定については、車両制御ECU10での出口決定処理によって決定する構成とすればよい。出口決定処理では、現在位置要素としてのカーブ形状要素の曲率半径をもとに、カーブ路の出口位置を決定する。また、現在位置要素としてのカーブ形状要素に達するまで、当該カーブ形状要素を延長したカーブ形状延長要素を仮に設定していた場合には、このカーブ形状延長要素の曲率半径をもとに、カーブ路の出口位置を決定する。
詳しくは、当該曲率半径が最初に出口判定閾値に達する地点をカーブ路の出口位置と決定する。なお、曲率半径の代わりに曲率を用いる構成としてもよい。出口判定閾値は、直進と言えない程度の曲率半径以上の値であって、ヒステリシスを考慮して入口判定閾値よりも小さい値が設定される。よって、車両制御ECU10が請求項の出口決定手段、操舵戻し開始地点決定手段、及び操舵終了地点決定手段に相当する。
操舵戻し開始地点判定処理では、一例としては、自車の現在位置と操舵戻し開始地点との距離が0よりも大きい場合に、操舵戻し開始地点に達していないと判定する一方、自車の現在位置と操舵戻し開始地点との距離が0以下の場合に操舵戻し開始地点に達したと判定する構成とすればよい。
そして、操舵戻し開始地点に達したと判定した場合(ステップS108でYES)には、ステップS109に移る。一方、操舵戻し開始地点に達していないと判定した場合(ステップS108でNO)には、ステップS107に戻ってフローを繰り返す。
ステップS109では、出口移行領域側設定処理を行って、ステップS110に移る。ここで、図18のフローチャートを用いて、出口移行領域側設定処理についての詳細な説明を行う。
まず、S501では、出口移行領域側始点決定処理を行って、ステップS502に移る。出口移行領域側始点決定処理では、前述の出口側交点を、カーブ出口移行領域における仮想曲線の始点(以下、出口移行領域側始点)と決定する。よって、このステップS501が請求項の出口移行領域側始点決定手段に相当する。カーブ出口移行領域とは、前述の操舵戻し開始地点から操舵終了地点までの領域である。
ステップS502では、出口移行領域側終点決定処理を行って、ステップS503に移る。出口移行領域側終点決定処理では、出口決定処理で決定した出口位置以降の直線形状要素(具体的には次回位置要素としての直線形状要素)における両側の仮想道路境界から求められる幅方向の中心の線上の、出口位置から自車速Voに応じた距離だけ離れた地点を、カーブ出口移行領域における出口移行領域側終点と決定する。よって、このステップS502が請求項の出口移行領域側終点決定手段に相当する。
カーブ出口移行領域とは、前述の操舵戻し開始地点から操舵終了地点までの領域である。また、出口位置から自車速Voに応じた距離だけ離れた地点は、出口位置から例えば自車速Voに一定時間Tを乗じた距離だけ離れた地点とすればよい。一定時間Tは任意に設定可能な値とする。
ステップS503では、出口移行領域側仮想曲線設定処理を行って、ステップS110に移る。このステップS503の処理が請求項の出口移行領域側仮想曲線設定手段に相当する。出口移行領域側仮想曲線設定処理では、例えば以下式15及び式16によって、仮想的なカーブ路の出口位置を原点としたときのX座標のX_outとY座標のY_outとの集合で表される曲線を、出口移行領域側仮想曲線として設定する。
Figure 2013226973
上記15式の第1項は、クロソイド曲線の定義式のX方向成分であり、第2項はクロソイド曲線上を走行するときのタイヤ切れ角から算出されるX方向距離の補正項であり、第3項は仮想的なカーブ路の出口位置を原点とするための補正項である。
Figure 2013226973
上記16式の第1項は、クロソイド曲線の定義式のY方向成分であり、第2項はクロソイド曲線上を走行するときのタイヤ切れ角から算出されるY方向距離の補正項である。
Aは前述の12式で求められ、τは前述の13式で求められる。さらに、15式及び16式のDは、自車正面に仮想的に位置する出口移行領域側仮想曲線と自車との距離(出口側仮想曲線距離D_trans_out)であるものとする。言い換えると、D=D_trans_outである。
図19に、出口移行領域側始点、出口移行領域側終点、及び出口以降領域側仮想曲線の一例を示す。図19中のMが出口位置、Nが操舵戻し開始地点、Oが出口移行領域側始点、Pの点線が出口移行領域側仮想曲線、Qが出口移行領域側終点を示している。
図4に戻って、ステップS110では、出口移行領域側操舵制御処理を実行し、ステップS111に移る。ここで、図20のフローチャートを用いて、出口移行領域側操舵制御処理についての詳細な説明を行う。
まず、S601では、前述のステップS301と同様にして仮想道路境界距離D_bounを算出して、ステップS602に移る。ステップS602では、出口適正境界距離算出処理を行って、ステップS603に移る。
出口側適正境界距離算出処理では、出口側仮想曲線距離D_trans_outを算出して、算出した出口側仮想道路境界距離D_trans_outを、前述の適正境界距離Dcと設定する。よって、このステップS602も請求項の適正距離算出手段に相当する。出口側仮想道路境界距離D_trans_outは、自車の進行方向の延長線上(つまり、自車正面)に仮想的に位置する出口移行領域側仮想曲線と、自車(例えば自車先端)との距離である(図21参照)。
出口側仮想道路境界距離D_trans_outは、例えば出口移行領域側仮想曲線上の座標(X_out、Y_out)を、前述の2次元座標における座標に置き換えることで算出する構成とすればよい。他にも、前述の2次元座標における自車の現在位置を、座標(X_out、Y_out)の座標系に置き換えることで仮想道路境界距離D_trans_outを算出する構成としてもよい。
ステップS603では、ステアリング切り角適否判定処理を行う。ステアリング切り角適否判定処理では、ステップS601で算出した仮想道路境界距離D_bounとステップS602で適正境界距離Dcと設定した出口側仮想道路境界距離D_trans_outを比較する。
そして、仮想道路境界距離D_bounと適正境界距離Dc(ここでは、出口側仮想道路境界距離D_trans_out)とが等しくない場合(D_boun≠D_trans_out)には、ステアリング切り角が不適切であると判定し、ステップS604に移る。また、仮想道路境界距離D_bounが適正境界距離Dcと等しかった場合(D_boun=D_trans_out)には、ステアリング切り角が適切であると判定して、ステップS111に移る。
ステップS604では、適正境界距離Dcとして出口側仮想道路境界距離D_trans_outを用いる点を除いて、前述のステップS304と同様にして、ステアリング切り角制御を実行し、ステップS111に移る。
ステップS111では、出口移行領域終点に達したか否かを判定する。一例としては、自車の現在位置と出口移行領域終点との距離が0よりも大きい場合に、出口移行領域終点に達していないと判定する一方、自車の現在位置と出口移行領域終点との距離が0以下の場合に出口移行領域終点に達したと判定する構成とすればよい。
そして、出口移行領域終点に達したと判定した場合(ステップS111でYES)には、フローを終了する。一方、出口移行領域終点に達していないと判定した場合(ステップS111でNO)には、ステップS110に戻ってフローを繰り返す。
これにより、カーブ出口移行領域においては、図21、図22、図23に示すように、仮想道路境界距離D_bounが出口側仮想道路境界距離D_trans_outに等しく(Do=D_trans_out)なるようにステアリング切り角が自動的に変更される。よって、カーブ出口移行領域の走行時に、滑らかにステアリング切り角を自動で変化させながら走行することが可能になる。
また、出口移行領域終点に達した後は、操舵を行わずに走行し、カーブ路判定処理で自車の前方にカーブ路が存在すると再度判定した場合に、図4のフローを再度開始する。
ここで、実施形態1の構成における作用効果について、具体的に図24〜図33を用いて説明を行う。なお、図24中のSで示す実線が、仮想的なカーブ路の走行時に実施形態1の車両制御ECU10によってステアリング切り角制御を行った場合の、自車の進行距離に対する操舵角Θの変化を示している。
図24に示すように、実施形態1の車両制御ECU10によってステアリング切り角制御を行った場合には、カーブ入口移行領域の走行時やカーブ出口移行領域の走行時にも、自車の走行軌跡が緩和曲線(実施形態2の例ではクロソイド曲線)を描くようにステアリング切り角(つまり、操舵角)Θを変化させるので、図24に示すように操舵角Θを滑らかに変化させることができる。
なお、実施形態1では、自車から自車正面に位置する仮想的なカーブ路の道路境界までの距離(仮想道路境界距離D_boun)に応じて操舵開始地点を決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車からカーブ路の入口位置までの距離D_aprに応じて操舵開始地点を決定する構成としてもよい。D_aprに応じて操舵開始地点を決定する場合には、前述の式1、式2のD_bounの代わりにD_aprを用いる構成とすればよい。
また、実施形態1の構成によれば、曲がる方向の異なるカーブ路が連続する連続カーブの走行時にも、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが可能になる。ここでは、図25に示すように、右回りのカーブ路(以下、右カーブ)に左回りのカーブ路(以下、左カーブ)が連続する連続カーブを走行する場合を例に挙げて説明を行う。
図25に示す連続カーブの走行時においては、右カーブを走行しているのは同じであるのにも関わらず、車両正面に位置する道路境界が、右カーブの外側の境界(自車の左側の境界)から左カーブの外側の境界(自車の右側の境界)に急に切り替わる領域が存在する(図26(a)〜図26(d)参照)。
なお、図26(a)〜図26(c)が、車両正面に位置する道路境界が右カーブの外側の境界にある状態を示しており、図26(d)が、車両正面に位置する道路境界が左カーブの外側の境界にある状態を示している。また、図26(a)、図26(b)、図26(c)、図26(d)の順で時間が進行しているものとする。図26のTが直線路、Uがカーブ路を示しており、図26の一点鎖線が仮想道路線形の中心線、破線が仮想道路境界線を示している。
車両正面に位置する道路境界が自車の左側の境界から自車の右側の境界に急に切り替わる領域(以下、切り替わり領域)では、仮想道路境界距離D_bounが急激に増加することになる。この場合に、最適境界距離Dcを、自車がカーブ路の適正曲率半径の円軌道上を走行しているときの自車先端から自車正面に位置する道路境界までの距離としてしまうと、以下の問題点が生じる。
詳しくは、自車が右カーブを走行しているのは同じであることから、最適境界距離Dcは急変しないのに対して、仮想道路境界距離D_bounが急激に増加することにより、ステアリング切り角の自動での変化を急激に行わせることになってしまう。また、自車の位置するカーブ路の旋回方向とは逆方向に操舵してしまうこともある。
以上の問題点は、曲がる方向の異なるカーブ路が直線路を挟まずに連続する場合にも、曲がる方向の異なるカーブ路が短い直線路を挟んで連続する場合にも起こり得る。
これに対して、実施形態1の構成によれば、現在位置要素がカーブ形状要素の場合には、次回位置要素が逆方向のカーブ形状要素であった場合にも、次回位置要素として直線形状要素を仮に設定し、自車が次回位置要素に達するまでは、その直線形状要素を延長する。
従って、1つ目の右カーブ外側に対しての仮想道路境界距離D_bounから、直線形状要素の、右カーブ外側と同じ側の仮想道路境界(つまり、左側の仮想道路境界)に対しての仮想道路境界距離D_bounにまず切り替わるので、仮想道路境界距離D_bounが急激に増加することを抑えることができる。
また、仮に設定した直線形状要素や直線形状延長要素により、滑らかな入口移行領域側仮想曲線(図27(a)参照)や滑らかな出口移行領域側仮想曲線(図27(b)参照)が作成され、これらの曲線までの距離を最適境界距離Dcとしてステアリング切り角の自動制御を行うので、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが可能になる。図27のBLが直線形状要素、BLexが直線形状に延長した分の形状要素、BCがカーブ形状要素を示しており、図27の一点鎖線が仮想道路線形の中心線、破線が仮想道路境界線を示している。
さらに、実施形態1の構成によれば、直線路と直線路とを繋ぐカーブ路の距離が短い経路の走行時にも、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが可能になる。ここでは、図28に示すように、直線路と直線路との間を短い右回りのカーブ路が繋いでいる経路を走行する場合を例に挙げて説明を行う。
図28に示す経路の走行時においては、図29(a)〜図29(c)に示すように、右カーブに自車が接近していっているのにも関わらず、右カーブの距離が短いと、右カーブの仮想道路境界が対象とならず、次の直線路の仮想道路境界までの距離を仮想道路境界距離D_bounとしてしまう。右カーブの仮想道路境界が仮想道路境界距離D_bounを算出する対象とならないと、右カーブを旋回するための制御を行うことができないため、右カーブを曲がるのに充分な操舵が行われない問題点が生じる。
なお、図29(a)、図29(b)、図29(c)の順で時間が進行しているものとする。図29のTが直線路、Uがカーブ路を示しており、図29の一点鎖線が仮想道路線形の中心線、破線が仮想道路境界線を示している。
また、この右カーブ内に進入した場合でも、この右カーブの距離が短いと、次の直線路の仮想道路境界までの距離を仮想道路境界距離D_bounとしてしまう。次の直線路の仮想道路境界までの距離を仮想道路境界距離D_bounとしてしまうと、図29(d)のように、仮想道路境界距離D_bounが無限遠や数百メートル以上の充分遠方となってしまうことがあり、カーブ路内を走行中であるのにも関わらず操舵が行われない問題点が生じる。
これに対して、実施形態1の構成によれば、次回位置要素としてのカーブ形状要素の距離が短い場合に、自車が次回位置要素に達するまでは、そのカーブ形状要素を延長することが可能になる。
従って、仮に設定したカーブ形状要素(詳しくは、延長した直線形状延長要素)により、滑らかな入口移行領域側仮想曲線(図30(a)及び図30(b)参照)や滑らかな出口移行領域側仮想曲線(図30(c)及び図30(d)参照)が作成され、これらの曲線までの距離を最適境界距離Dcとしてステアリング切り角の自動制御を行うので、より滑らかにステアリング切り角を変化させながら走行することが可能になる。
なお、図30(a)、図30(b)、図30(c)、図30(d)の順で時間が進行しているものとする。図30のBLが直線形状要素、BCがカーブ形状要素、BCexがカーブ形状要素を延長した分の形状要素を示しており、図30の一点鎖線が仮想道路線形の中心線、破線が仮想道路境界線を示している。
他にも、実施形態1の構成によれば、図31(a)に示すように路肩に駐車車両が存在する場合に、この駐車車両を避けるように、走行車線から追越車線(若しくは対向車線)に移って走行車線に復帰する仮想道路外形が決定される。また、この仮想道路外形を直線形状要素とカーブ形状要素とに再構成する(図31(b)参照)。そして、前方にカーブ路が存在する場合には仮想道路境界距離D_bounを算出し、仮想道路境界距離D_bounに基づいてより滑らかにステアリング切り角を変化させながら、上記駐車車両を避けて自動走行を行わせることが可能になる。
図31(a)のVが仮想道路外形を示し、Wが駐車車両を示し、一点鎖線が仮想道路外形の中心線を示している。図31(b)のBLが直線形状要素、BCがカーブ形状要素を示している。
また、ナビゲーション装置から取得する推奨経路により、自車の走行する予定の経路が判別できる場合には、高速道路等の加速車線から走行車線へ合流する場合や走行車線から分岐路へ移る場合の走行時にも、これらの走行経路に合わせた仮想道路外形を決定する構成とすればよい。この場合にも、決定した仮想道路外形を直線形状要素とカーブ形状要素に再構成し、前方にカーブ路が存在する場合には仮想道路境界距離D_bounを算出し、仮想道路境界距離D_bounに基づいてより滑らかにステアリング切り角を変化させながら、上記走行経路を自動で走行させることが可能になる。
他にも、自車の走行車線を走行中の低速の先行車を追い越すための追越車線へのレーンチェンジ(図32(a)〜図32(f)参照)において、この先行車を避けるように、走行車線から追越車線に移る仮想道路外形を決定する構成としてもよい。この場合には、一定の目標横G(例えば0.5m/s)で旋回可能なカーブ路としてのカーブ形状要素と、直線形状要素とに再構成(図33参照)する構成とすればよい。なお、図32(a)、図32(b)、図32(c)、図32(d)、図32(e)、図32(f)の順で時間が進行しているものとする。図32のXが低速の先行車を示している。また、図33のBLが直線形状要素、BCがカーブ形状要素を示している。
(実施形態2)
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態2も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態2について説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図34に示すように、実施形態2の運転支援システム200は、車輪速センサ1、舵角センサ2、ヨーレートセンサ3、EPS_ECU4、測距センサ5、車車間通信装置6、及び車両制御ECU10を含む。
運転支援システム200は、車車間通信を行うための車車間通信装置6を備える点と、車車間通信によって先行車から取得する車両情報をもとに車両制御ECU10で仮想道路外形を決定する点とを除けば、実施形態1の運転支援システム100と同様である。
車車間通信装置6は、送受信アンテナを備え、自車位置の周囲に存在する他車両との間で、電話網を介さずに無線通信によって自車の情報の配信や他車両の情報の受信(つまり、車車間通信)を行う。例えば、700MHz帯の電波を用いた無線通信の場合には、自車両位置を中心とした例えば半径約1kmの範囲に存在する相手車両との間で車車間通信を行う。また、5.9GHz帯の電波を用いた無線通信の場合には、自車位置を中心とした例えば半径約500mの範囲に存在する相手車両との間で車車間通信を行う。
車車間通信装置6は、自車の情報として、車内LANから得られる例えば自車速Vo、操舵角Θといった車両情報を100msecごとなどの一定の送信周期で送信するものとする。また、車車間通信装置6は、自車以外の車両である他車に搭載されている運転支援システム200に含まれる車車間通信装置6から送信される他車の車両情報を受信するものとする。車車間通信装置6は、受信した情報を車両制御ECU10に出力する。
車両制御ECU10は、車車間通信装置6を介して逐次取得する車両情報(詳しくは、先行車の車速Vp及び操舵角Θ)をもとに、先行車の走行軌跡を決定する走行軌跡決定処理を行う。よって、車両制御ECU10が請求項の先行車情報取得手段に相当する。
一例としては、ある時点の自車位置を2次元座標上の起点とする。続いて、測距センサ5の信号をもとに検出した自車と先行車との距離に相当する長さだけ上記起点の前方に離れた位置を走行車の初期位置とする。そして、逐次取得する先行車の車速及び操舵角Θをもとに、上記初期位置に続く走行軌跡点を逐次算出することで、追従先行車の走行軌跡を決定していく。
また、先行車との距離を求めるのに用いた測距センサ5の信号が得られた時間に対する車車間通信による先行車の車速及び操舵角Θの取得の時間遅れと、取得した当該車速とをもとに、当該時間遅れの間に先行車が走行した距離を推定する。そして、この推定した距離を、測距センサ5の信号をもとに検出した自車と先行車との距離から差し引いて、先行車の初期位置を決定する。
その後は、車車間通信による追従先行車の車速及び操舵角Θの送信間隔と当該車速とをもとに、追従先行車の初期位置からの走行距離を逐次算出するとともに、当該操舵角Θをもとに進行方向を算出することで、走行軌跡点を逐次算出していく。なお、自車位置以外を起点とする構成としてもよい。また、ここで言うところの「相当する長さ」とは、上記2次元座標上の長さに変換した場合の長さを示している。
車両制御ECU10は、走行軌跡決定処理で決定した追従先行車の走行軌跡から、自車の現在位置を起点とした前方の仮想的な道路外形を推定し、推定した道路外形を仮想道路外形として決定する道路外形決定処理を行う。
具体的には、走行軌跡決定処理によって決定した走行軌跡を中心線として、左右に所定の幅を持たせた道路外形を推定する。一例としては、走行軌跡を中心線として左右に1.75mの距離に相当する長さだけ幅を持たせた仮想道路境界を有する道路外形を推定する。なお、走行軌跡を中心線として左右に持たせる幅は、左右で異なる値としてもよい。
また、走行軌跡から車幅方向に所定の距離(例えば1.75m)だけ離れた道路外側の線(つまり、仮想的な道路外側境界)を推定し、この線を仮想道路外形とする構成としてもよい。
仮想道路外形を決定した後は、実施形態1で説明したのと同様の処理を行うものとする。このように、実施形態2の構成は、仮想道路外形を決定するための情報の取得方法が実施形態1と異なる点を除けば実質的な構成の差はないので、実施形態1と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態では、先行車から車車間通信によって得られた車両情報(具体的には追従先行車の速度及び操舵角)をもとに、先行車の走行軌跡の決定、仮想道路外形の決定を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、先行車の運転支援システム200の車両制御ECU10において、先行車の速度及び操舵角をもとに、先行車の走行軌跡の決定、仮想道路外形の決定を行い、これらの情報を車両情報として車車間通信によって送信する構成としてもよい。そして、自車の車両制御ECU10での先行車の走行軌跡の決定、仮想道路外形の決定の一部若しくは全部を省略する構成としてもよい。
また、本実施形態では、先行車の速度及び操舵角をもとに、先行車の走行軌跡や仮想道路外形の決定を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、先行車の内外輪速度比をもとに、追従先行車の走行軌跡や仮想道路外形の決定を行う構成としてもよい。
具体的には、内外輪の角速度が同じであることをもとに、内外輪速度比からカーブ路の曲率半径を公知の方法によって算出し、走行軌跡や仮想道路外形の決定を行う。また、このカーブ路の曲率半径をもとに、カーブ路の入口位置や出口位置を決定する構成としてもよい。操舵角よりも路面に近い内外輪速度比の方が、カーブ路の曲率半径をより正確に推定できるという利点がある。
他にも、先行車のヨーレートをもとに先行車の走行軌跡や仮想道路外形の決定を行う構成としてもよい。また、先行車の速度及び操舵角や内外輪速度比やヨーレートを併用して、走行軌跡や仮想道路外形の決定を行う構成としてもよい。この場合には、異なる方法で算出した値を平均するなどして用いればよい。
(実施形態3)
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態3も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態3について説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図35に示すように、実施形態3の運転支援システム300は、車輪速センサ1、舵角センサ2、ヨーレートセンサ3、EPS_ECU4、測距センサ5、路車間通信装置7、及び車両制御ECU10を含む。
運転支援システム300は、路車間通信を行うための路車間通信装置7を備える点と、路車間通信によって路側機から取得する道路外形決定用情報をもとに仮想道路外形を決定する点とを除けば、実施形態1の運転支援システム100と同様である。
路車間通信装置7は、送受信アンテナを備え、路側機から送信される道路外形決定用情報を受信する。路側機は、例えば700MHz帯の電波を用いた無線通信によって、半径数100m程度の範囲に道路外形決定用情報を送信するものであってもよいし、光ビーコンのように特定の車線を走行中の車両に向けて道路外形決定用情報を送信する構成としてもよい。
道路外形決定用情報は、車両制御ECU10において自車の走行すべき道路領域の仮想道路外形を決定することができるものであれば、どのような情報であってもよい。例えば、対象交差点位置周辺の道路の線形的構造を表す情報であって、対象交差点の位置の情報も含んでいる道路線形情報であってもよい。道路線形情報は、衛星測位システムの測位結果としての対象交差点の位置(緯度・経度)や対象交差点の位置を基点とした所定の構造変化点までの距離や道路線形の寸法等の情報であるものとする。
他にも、複数の車両の過去の走行履歴を収集した走行履歴情報であってもよい。この走行履歴情報は、例えば車速や操舵角の情報であるものとする。
車両制御ECU10は、路車間通信装置7を介して取得する道路外形決定用情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の仮想道路外形を決定する。そして、仮想道路外形を決定した後は、実施形態1で説明したのと同様の処理を行うものとする。よって、車両制御ECU10が請求項の道路外形決定用情報取得手段に相当する。
このように、実施形態3の構成は、仮想道路外形を決定するための情報の取得方法が実施形態1と異なる点を除けば実質的な構成の差はないので、実施形態1と同様の効果を奏する。
(実施形態4)
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態4も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態4について説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4の運転支援システム100は、車両制御ECU10でのステアリング切り角制御関連処理に加えて自車のステアリング切り角を補正する処理を行う点を除けば、実施形態1の運転支援システム100と同様である。
実施形態4の車両制御ECU10では、自車が仮想的なカーブ路外の直線形状要素に位置している場合には、直線路としての実道路の境界に挟まれた幅方向の中心に対する自車の車幅中心の位置ずれである横位置ずれ(C_offset_real)を算出する(図36(a)参照)。
車両制御ECU10は、測距センサ5で得られた道路境界や障害物の距離データから、道路境界や障害物の自車に対する位置を検出し、検出した道路境界や障害物の自車に対する位置を実道路の境界の位置と決定する構成とすればよい。よって、車両制御ECU10が請求項の実道路境界決定手段に相当する。
そして、横位置ずれ(C_offset_real)の分だけ仮想道路外形上(ここでは直線形状要素上)の自車の位置をずらす補正を行う(図36(b)参照)。よって、車両制御ECU10が請求項の横位置ずれ補正手段に相当する。図36(a)のYが実道路を示しており、この実道路を挟む実線が実道路の境界を示している。
仮想道路外形も測距センサ5の検出結果から決定したものであるのにも関わらず、測距センサ5の検出結果から決定した実道路の境界を用いて上記補正を行うのは、仮想道路外形の決定までの演算過程において生じた分の誤差を補正するためである。
また、自車が仮想的なカーブ路外の直線形状要素に位置している場合には、この直線形状要素の両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心に自車を戻すためのステアリング切り角Θを下記の6式、7式、8式、及び9式から算出する。よって、車両制御ECU10が請求項の切り角補正手段に相当する。
Figure 2013226973
式6のNはステアリング切り角Θとタイヤ切れ角θとの比率(定数)である。また、式6のθ_cは、直線形状要素における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心に自車を戻すためのタイヤ切れ角であって、式7によって求められる。
Figure 2013226973
式7のθ_1は、自車と直線形状要素における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心とのなす角度を0とするためのタイヤ切れ角(図37参照)であって、式8によって求められる。式7のθ_2は、自車と直線形状要素における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心との横位置ずれを0とするためのタイヤ切れ角(図35参照)であって、式9によって求められる。ここで言うところのオフセットとは、直線形状要素における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心からの当該幅方向のずれ量である。
Figure 2013226973
Figure 2013226973
式8のLは、前述のLと同様であって、車両幅方向における車両幅方向中心線から仮想道路境界までの距離である。式8及び式9のC_offsetは、自車と直線形状要素における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心とのオフセット(図37参照)である。式8のl_1は、自車から、直線路部分における自車正面に位置する仮想道路境界までの距離(図37参照)である。式9のl_2は、自車速に一定の値(時間T)を乗じることで算出される距離(図37参照)である。
一例としては、前述のカーブ路進入判定処理で仮想的なカーブ路に進入していないと判定した場合や前述のカーブ路脱出判定処理で仮想的なカーブ路を脱出した場合に、自車が仮想的なカーブ路外の直線路部分に位置しているものとすればよい。他にも、入口決定処理で決定した入口位置が自車よりも前方に存在する場合や出口決定処理で決定した出口位置を越えた場合に、自車が仮想的なカーブ路外の直線路部分に位置しているものとしてもよい。
以上の構成によれば、自車が仮想的なカーブ路外の直線形状要素に位置している場合に、上記の6式、7式、8式、及び9式に示したような簡単な演算によって、自車を直線形状要素における両側の仮想道路境界の中心に戻すことが可能になる。
実施形態4の車両制御ECU10では、自車がカーブ形状要素に位置している場合には、実道路としてのカーブ路の両側の境界に挟まれた幅方向の中心に対する自車の車幅中心の横位置ずれ(C_offset_real)を算出する(図38(a)参照)。
そして、横位置ずれ(C_offset_real)の分だけカーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分上の自車の位置をずらす補正を行う(図38(b)参照)。図38(a)のYが実道路を示しており、この実道路を挟む実線が実道路境界を示している。また、長二点鎖線が、カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分の仮想道路境界を示している。
また、実施形態4の車両制御ECU10では、自車がカーブ形状要素に位置している場合には、このカーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分をもとにして、当該直線路部分の両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心に自車を戻すためのステアリング切り角Θを上記の6式、7式、8式、及び9式から算出する。
カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設ける直線路部分は、一例としては、以下のようにして設ける構成とすればよい。まず、自車先端の位置から車幅方向に直線を引き、この直線とカーブ形状要素の両側の仮想道路境界(図39中の破線参照)との交点をそれぞれ求める。続いて、求めたこの交点を通る接線(図39中の長二点鎖線参照)を、カーブ形状要素の両側の仮想道路境界についてそれぞれ引く。そして、カーブ形状要素の両側の仮想道路境界についてそれぞれ引いた接線に挟まれた領域を、カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分とすればよい。
また、カーブ形状要素の両側の仮想道路境界についてそれぞれ引いた接線を、カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分の両側の仮想道路境界とすればよい。
一例としては、前述のカーブ路進入判定処理で仮想的なカーブ路に進入したと判定してから、前述のカーブ路脱出判定処理で仮想的なカーブ路を脱出したと判定するまで、自車が仮想的なカーブ路内に位置しているものとすればよい。他にも、入口決定処理で決定した入口位置を越えた場合や出口決定処理で決定した出口位置が自車よりも前方に存在する場合に、自車が仮想的なカーブ路内に位置しているものとしてもよい。
以上の構成によれば、自車がカーブ形状要素に位置している場合にも、上記の6式、7式、8式、及び9式に示したような簡単な演算によって、カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分における両側の仮想道路境界の中心に自車を戻すことが可能になる。カーブ形状要素の接線方向に仮想的に設けた直線路部分における両側の仮想道路境界の中心に自車を戻すことにより、カーブ形状要素の仮想道路境界の中心側に自車を戻すことが可能になる。
なお、上述したステアリング切り角Θの補正は、前述のステアリング切り角適否判定処理の結果としてステアリング切り角制御が行われるごとに行う構成としてもよいし、一定時間ごとや一定の走行距離ごとに行う構成としてもよい。
以上の構成によれば、低μ路等において、自車がオーバーステア(図40参照)或いはアンダーステア(図41参照)によりスピン状態に移行する手前のステアリング操作が可能な状態において、自車をカーブ形状要素の仮想道路境界の中心側、さらには実道路の幅方向中心に戻すことが可能になる。
実施形態4の構成は、実施形態2や実施形態3の構成と組み合わせることも可能である。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
4 EPS_ECU(操舵手段)、5 測距センサ(位置検出センサ)、6 車車間通信装置(無線通信装置)、10 車両制御ECU(車両用挙動制御装置、位置検出センサ、現在位置取得手段)、S1 仮想道路外形決定手段、S2 再構成手段、S44 第1仮設定手段、S302・S403・S602 適正距離算出手段

Claims (13)

  1. 車両に搭載され、
    自車の前方に存在する自車の走行可能な道路領域の境界の位置を逐次検出する位置検出センサ(5、10)の検出結果を逐次取得する境界情報取得手段を備えている車両用挙動制御装置(10)であって、
    自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、
    境界情報取得手段で取得した位置検出センサの検出結果をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10、S1)と、
    仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10、S2)と、
    自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10、S44)と、
    自車の現在位置と、前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10、S101)と、
    前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の前記仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10、S302、S403、S602)と、
    前記仮想道路境界距離を前記適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  2. 車両に搭載され、
    車車間通信によって情報を送受信する無線通信装置(6)を介して情報を取得する車両用挙動制御装置(10)であって、
    自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、
    前記車車間通信が可能な先行車から逐次送信される、当該先行車の走行軌跡に応じた仮想的な道路外形を決定することができる情報である先行車情報を、前記無線通信装置を介して逐次取得する先行車情報取得手段(10)と、
    先行車情報取得手段で取得した先行車情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10)と、
    仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10)と、
    自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10)と、
    自車の現在位置と、前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10)と、
    前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の前記仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10)と、
    前記仮想道路境界距離を前記適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  3. 車両に搭載され、
    路側機から路車間通信によって送信される情報を、無線通信装置(7)を介して逐次取得する車両用挙動制御装置(10)であって、
    自車の現在位置を逐次取得する現在位置取得手段(10)と、
    前記路側機から送信される、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定することができる道路外形決定用情報、前記無線通信装置を介して逐次取得する道路外形決定用情報取得手段(10)と、
    道路外形決定用情報取得手段で取得した道路外形決定用情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形である仮想道路外形を決定する仮想道路外形決定手段(10)と、
    仮想道路外形決定手段で決定した仮想道路外形を、直線形状部分と、右回りのカーブ形状部分と、左回りのカーブ形状部分とのうちの複数の形状部分に分けて再構成する再構成手段(10)と、
    自車が位置する形状部分である現在位置部分が右回りのカーブ形状部分及び左回りのカーブ形状部分のいずれかであった場合には、自車が次に位置することになる形状部分である次回位置部分がその逆回りのカーブ形状部分であった場合にも、自車が当該次回位置部分に位置するまでは、当該次回位置部分として直線形状部分を仮に設定する第1仮設定手段(10)と、
    自車の現在位置と、前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形とをもとに、自車から自車正面に位置する当該仮想道路外形の境界である仮想道路境界までの距離としての仮想道路境界距離を算出する仮想道路境界距離算出手段(10)と、
    前記現在位置部分から前記次回位置部分までの仮想道路外形をもとに、当該仮想道路外形の前記仮想道路境界までの適正距離を算出する適正距離算出手段(10)と、
    前記仮想道路境界距離を前記適正距離に合わせるようにステアリング切り角を制御する操舵手段(4)とを備えていることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記次回位置部分が前記直線形状部分である場合に、自車が次回位置部分としての当該直線形状部分に位置するまでは、当該直線形状部分を延長した直線形状延長部分を次回位置部分として仮に設定する第2仮設定手段(10、S6)を備えていることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記次回位置部分が前記右回りのカーブ形状部分及び前記左回りのカーブ形状部分のいずれかのカーブ形状部分である場合に、自車が次回位置部分としての当該カーブ形状部分に位置するまでは、当該カーブ形状部分を延長したカーブ形状延長部分を次回位置部分として仮に設定する第3仮設定手段(10、S7)を備えていることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    自車の推奨経路を探索するナビゲーション装置から前記推奨経路の情報を取得する経路情報取得手段(10)を備え、
    前記仮想道路外形決定手段は、経路情報取得手段で取得した前記推奨経路の情報も用いて、自車の走行すべき道路領域の仮想道路外形を決定することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    前記現在位置部分としての前記直線形状部分から前記次回位置部分としての前記右回りのカーブ形状部分及び前記左回りのカーブ形状部分のいずれかのカーブ形状部分に到達するまでの前記直線形状部分に自車が位置する場合における前記仮想道路境界距離に応じて、操舵開始地点を決定する操舵開始地点決定手段(10、S103)と、
    前記操舵開始地点から自車正面方向へ所定距離以上遠方に離れた位置を、前記操舵開始地点から所定の位置までのカーブ入口移行領域における入口移行領域側始点と決定する入口移行領域側始点決定手段(10、S201)と、
    入口移行領域側始点決定手段で決定した入口移行領域側始点と前記カーブ入口移行領域の前記仮想道路境界上の所定の終点とを繋ぐ曲線である入口移行領域側仮想曲線を、自車から自車正面に位置する当該入口移行領域側仮想曲線までの距離を前記適正距離として自車のステアリング切り角を前記操舵手段で制御した場合に自車の走行軌跡が緩和曲線を描くように設定する入口移行領域側仮想曲線設定手段(10、S202)とを備え、
    前記適正距離算出手段は、自車が前記カーブ入口移行領域を走行している間は、自車から自車正面に位置する前記入口移行領域側仮想曲線までの距離を適正距離として算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  8. 請求項7において、
    自車の前記仮想道路境界に対する接近離間状態を自車の当該仮想道路境界に接近する速度を考慮して表す指標であって、自車が当該仮想道路境界に接近する速度が高くなるほど大きくなるとともに、前記仮想道路境界距離が短くなる変化に対する増加勾配が前記仮想道路境界距離が短くなるほど急峻になる指標である操舵開始評価指標KdB_eを算出する操舵開始評価指標算出手段(10、S102)と、
    操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pが、自車正面に位置する仮想道路境界との距離に応じて定まる操舵開始評価指標の閾値KdB_e_strを上回る値であるかどうかを判定する操舵開始判定手段(10、S102)と、
    操舵開始判定手段で操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pが、操舵開始評価指標の閾値KdB_e_strを上回る値であると判定された場合に、自車の操舵を開始させる操舵開始手段(10、S103)とを備え、
    前記操舵開始地点決定手段は、操舵開始判定手段で操舵開始評価指標の現在値KdB_e_pが、操舵開始評価指標の閾値KdB_e_strを上回る値であると判定されたときの自車の現在位置を、前記操舵開始地点として決定することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  9. 請求項8において、
    前記操舵開始評価指標KdB_eは、(1)式から算出し、
    前記操舵開始評価指標の閾値KdB_e_strは、(2)式から算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
    Figure 2013226973
    D_boun:仮想道路境界距離
    Figure 2013226973
    b、c:定数
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、
    前記現在位置部分としてのカーブ形状部分の道路外形をもとに、当該カーブ形状部分の出口位置を決定する出口決定手段(10)と、
    前記現在位置部分としての前記右回りのカーブ形状部分及び前記左回りのカーブ形状部分のいずれかのカーブ形状部分の前記仮想道路境界の線と、前記次回位置部分としての前記直線形状部分の前記仮想道路境界の線との交点が自車正面に位置する地点を、操舵戻し開始地点と決定する操舵戻し開始地点決定手段(10)と、
    前記交点をカーブ出口移行領域における出口移行領域側始点と決定する出口移行領域側始点決定手段(10、S501)と、
    出口決定手段で決定した出口位置を、操舵終了地点と決定する操舵終了地点決定手段(10)と、
    前記出口位置以降の前記直線形状部分における両側の前記仮想道路境界から求められる幅方向の中心の線上の、前記出口位置から自車速に応じた距離だけ離れた地点を、前記操舵戻し開始地点から前記出口位置までのカーブ出口移行領域における出口移行領域側終点と決定する出口移行領域側終点決定手段(10、S502)と、
    出口移行領域側始点決定手段で決定した出口移行領域側始点と出口移行領域側終点決定手段で決定した出口移行領域側終点とを繋いだ曲線である出口移行領域側仮想曲線を、自車から自車正面に位置する当該出口移行領域側仮想曲線までの距離を前記適正距離として自車のステアリング切り角を前記操舵手段で制御した場合に自車の走行軌跡が緩和曲線を描くように設定する出口移行領域側仮想曲線設定手段(10、S503)とを備え、
    前記適正距離算出手段は、自車が前記カーブ出口移行領域を走行している間は、自車から自車正面に位置する前記出口移行領域側仮想曲線までの距離を適正距離として算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項において、
    前記仮想道路境界距離を前記適正距離に合わせるためのタイヤ切れ角θを算出するタイヤ切れ角算出手段(10、S402)と、
    前記タイヤ切れ角θに応じたステアリング切り角Θを算出するステアリング切り角算出手段(10、S403)とを備え、
    前記操舵手段は、前記ステアリング切り角Θを目標としてステアリング切り角を制御することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  12. 請求項11において、
    前記タイヤ切れ角算出手段は、前記適正距離算出手段で算出した適正距離と(3)式とから、自車が旋回すべき推定外側曲率半径Raを算出し、その推定外側曲率半径Raと(4)式とからタイヤ切れ角θを算出し、
    前記ステアリング切り角算出手段は、そのタイヤ切れ角θと(5)式とから、目標とするステアリング切り角Θを算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
    Figure 2013226973
    Dc:適正距離
    L:車両幅方向における車両幅方向中心線から仮想道路境界までの距離
    Figure 2013226973
    WB:車両ホイールベース[m]
    Figure 2013226973
    N:ステアリング切り角Θとタイヤ切れ角θとの比率(定数)
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、
    前記位置検出センサの検出結果をもとに、実道路の境界の位置を決定する実道路境界決定手段(10)と、
    自車が前記直線形状部分に位置している場合には、当該直線形状部分における自車と直線路としての実道路の両側の境界に挟まれた幅方向の中心との当該幅方向の位置ずれ量(C_offset_real)を補正し、自車が前記右回りのカーブ形状部分及び前記左回りのカーブ形状部分のいずれかのカーブ形状部分に位置している場合には、当該カーブ形状部分における自車とカーブ路としての実道路の両側の境界に挟まれた幅方向の中心との当該幅方向の位置ずれである横位置ずれ(C_offset_real)を補正する横位置ずれ補正手段(10)と、
    自車が前記直線形状部分に位置している場合には当該直線形状部分をもとにするとともに、自車が前記カーブ形状部分に位置している場合には当該カーブ形状部分の接線方向に仮想的に設けた直線形状部分をもとにして、当該直線形状部分の両側の前記仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心に自車を戻すためのステアリング切り角Θを(6)式、(7)式、(8)式、及び(9)式から算出する切り角補正手段(10)を備え、
    前記操舵手段は、切り角補正手段で算出したステアリング切り角Θを目標としてステアリング切り角を制御することを特徴とする車両用挙動制御装置。
    Figure 2013226973
    N:ステアリング切り角Θとタイヤ切れ角θとの比率(定数)
    θ_c:直線形状部分における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心に自車を戻すためのタイヤ切れ角
    Figure 2013226973
    θ_1: 自車と直線形状部分における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心とのなす角度を0とするためのタイヤ切れ角
    θ_2: 自車と直線形状部分における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心との横位置ずれを0とするためのタイヤ切れ角
    Figure 2013226973
    Figure 2013226973
    L:車両幅方向における車両幅方向中心線から仮想道路境界までの距離
    C_offset:自車と直線形状部分における両側の仮想道路境界に挟まれた幅方向の中心とのオフセット
    l_1:自車から、直線形状部分における自車正面に位置する仮想道路境界までの距離
    l_2:自車速に一定の値(時間T)を乗じることで算出される距離
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