JP2013226685A - ポリプロピレンシートおよびその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンシートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャパシタフィルムとして用いた場合、キャパシタを作成する時に、巻き易く、耐電圧特性の良好なポリプロピレン二軸延伸フィルムを製造できるポリプロピレンシート、該ポリプロピレンシートの製造方法を提供することにあり、また、該ポリプロピレンシートを二軸延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数が400〜4400個/mm2であるポリプロピレンシート。また、ポリプロピレンを加熱溶融し、Tダイから押出す工程と、押出されたポリプロピレンをキャストロールに静電密着法により密着させる工程と、密着させたポリプロピレンを該キャストロールにて引取速度3〜20m/分で引取る工程を含む該ポリプロピレンシートの製造方法。そして、該ポリプロピレンシートを二軸延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレンシート、該ポリプロピレンシートの製造方法、および該ポリプロピレンシートを二軸延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルムに関するものである。
さらに詳細には、キャパシタフィルム等に用いた場合、キャパシタを作成する時に、フィルムが巻き易く、耐電圧特性の良好なポリプロピレン二軸延伸フィルムを製造できるポリプロピレンシート、該ポリプロピレンシートの製造方法に関するものであって、また、該ポリプロピレンシートを二軸延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルムに関するものである。
従来から、ポリプロピレン二軸延伸フィルムは、キャパシタフィルムとして用いられている。二軸延伸フィルムは、ポリプロピレンを加熱溶融して押出し、キャストロールにて冷却固化したポリプロピレンシートを延伸して製造される。
例えば、特許文献1には、表面粗化度がコントロールされたポリプロピレン二軸延伸フィルムを得ることを目的として、ポリプロピレンのβ晶量が15%以上、ポリプロピレンのβ晶の単位面積当たりの個数が10000/cm2以上という要件を満たす延伸前原反シート、およびその製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、キャパシタフィルム用原反シートのβ晶分率の改良、およびキャパシタフィルムのアンチブロッキング性と電気絶縁性の改良を目的として、分子量分布が広いポリプロピレン樹脂から製造されるキャパシタフィルム用原反シート、およびその製造方法が記載されている。
そして、特許文献3には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの巻き加工適性の改良を目的として、メルトフローインデックス(MFR)が1〜5g/10分であるアイソタクチックポリプロピレンの単独重合体に、MFRが前記単独重合体より1〜30g/10分大きいアイソタクチックポリプロピレンの単独重合体を添加してなる樹脂混合体から得られるキャスト原反シートと、それを二軸延伸する粗面化二軸延伸ポリプロピレンフィルムの製造方法が記載されている。
特開平11−147962号公報 特開2009−57473号公報 特開2010−254794号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜3に記載されているキャパシタ用ポリプロピレン原反シートや、ポリプロピレン二軸延伸フィルムにおいても、フィルムの巻き易さや耐電圧特性については、さらなる改良が求められている。
かかる状況の下、本発明の目的は、キャパシタフィルムとして用いた場合、キャパシタを作成する時に、巻き易く、耐電圧特性の良好なポリプロピレン二軸延伸フィルムを製造できるポリプロピレンシート、該ポリプロピレンシートの製造方法を提供することにあり、また、該ポリプロピレンシートを二軸延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供することにある。
すなわち、本発明は、少なくとも一方の表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数が400〜4400個/mm2であるポリプロピレンシートに係るものである。
また、本発明は、ポリプロピレンを加熱溶融し、Tダイから押出す工程と、押出されたポリプロピレンをキャストロールに静電密着法により密着させる工程と、密着させたポリプロピレンを該キャストロールにて引取速度3〜20m/分で引取る工程を含む該ポリプロピレンシートの製造方法に係るものである。
そして、本発明は、該ポリプロピレンシートを135〜155℃でシートの引取方向に延伸し、その後、引取方向に延伸する時の温度より高い温度で、引取方向に対してシート面上で垂直な方向へさらに延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルムに係るものである。
本発明によれば、キャパシタフィルムとして用いた場合、キャパシタを作成する時に、巻き易く、耐電圧特性の良好なポリプロピレン二軸延伸フィルムを製造するための、ポリプロピレンシートを得ることができる。
本発明で用いられるポリプロピレンの具体例としては、
(1)プロピレン単独重合体、
(2)プロピレンと、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1のコモノマーとのプロピレン共重合体
が挙げられる。好ましくは、プロピレン単独重合体(1)である。
プロピレン共重合体(2) に含まれるコモノマーの含有量としては、
例えばエチレンの場合、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下であり、炭素数4以上のα−オレフィンの場合、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。好ましくは1−ブテンである。
本発明に用いられるポリプロピレンの13C−NMRで測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は、耐熱性および延伸加工性の観点から、好ましくは0.92〜0.98であり、より好ましくは0.93〜0.97であり、さらに好ましくは0.93〜0.94である。なお、アイソタクチック・ペンタッド分率は、プロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、ポリプロピレンのアイソタクチック・ペンタッド分率が1に近いほど、そのポリプロピレンは高い立体規則性を有する高結晶性の重合体であることを表す指標である。ペンタッド分率の測定は、A.ZambelliらによってMacromolecules,第13巻、第687〜689頁(1975年)に記載されている方法、すなわち13C−NMRを使用する方法によって行う。
また、ポリプロピレンが、プロピレンと、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1のコモノマーとの共重合体である場合には、共重合体中のプロピレン単位の連鎖について測定される値を用いる。
本発明に用いられるポリプロピレンは、シートの成形性またはフィルムの延伸加工性の観点から、230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは1〜5g/10分であり、より好ましくは、2〜4g/10分である。
本発明に用いられるポリプロピレンは、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒に、有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分を組み合わせた触媒系を用いてプロピレンを重合して製造される。
重合方法としては、不活性炭化水素溶媒を用いるスラリー重合法や溶媒重合法、液体プロピレンを溶媒として用いる液相重合法、または、気相重合法等が挙げられ、それらを連続的に行う液相−気相重合法等も挙げられる。好ましくは、スラリー重合法または液相重合法である。
本発明で用いられるポリプロピレンの製造は、耐電圧特性の観点から、触媒残渣を除去するための洗浄工程を含むことが好ましい。
本発明に用いられるポリプロピレンは、必要に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、中和剤等が挙げられる。酸化防止剤としては、好ましくは、フェノール系酸化防止剤である。中和剤としては、好ましくは、高級脂肪酸金属塩である。
その他の樹脂としては、本発明で用いられるポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂で、ポリエチレン、ポリブテン、エラストマー等が挙げられる。エラストマーとしては、エチレンとα−オレフィンの共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体を水添したスチレン系共重合体エラストマー等が挙げられる。
本発明のポリプロピレンシートの少なくとも一方の表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数は、400〜4400個/mm2であり、好ましくは2600〜4400個/mm2である。β球晶とは、ポリプロピレンの結晶形態の一つであるβ晶からなる球晶であり、X線回折測定において、格子面間隔d=5.5Å近傍に回折ピークを示すという特徴を有する。
ここで、シートの表面に存在するβ球晶とは、シート表面に露出したβ球晶であり、その単位面積当たりの個数は、以下の方法により観察し、観察された画像から算出されるものである。
(I)観察用シートのエッチング方法
(I−1)ポリプロピレンシートから2.5cm×2.5cmの試験片を切り出す。
(I−2)試験片を、90℃のキシレン400mlに浸漬し、ビーカー壁面に触れないように固定する。
(I−3)試験片を浸漬した状態で、キシレンを300rpmで30分間攪拌した後、キシレンから試験片を取り出す。
(I−4)取り出した試験片の表面を、80℃のキシレン200mlで洗浄した後、室温のメタノールにてさらに洗浄する。
ポリプロピレンシートに、上記(I−1)〜(I−4)の処理を施すことによって、シート表面に露出しているβ球晶が溶解する(このβ球晶を溶解させることを、エッチングと呼ぶ)。シート表面のエッチングされた箇所が、シート表面に露出したβ球晶が存在していた箇所である。
(II)エッチングシートの観察方法
エッチング後のシートの表面を、以下の方法によって観察する。観察する表面は、シートを製造する時、キャストロールに密着させた面と反対の面である。
(II−1)表面形状観察方法
KEYENCE社製超深度形状測定顕微鏡VK−8500を使用し、カラー超深度測定により、プロピレンシートの表面を観察する。具体的には、まず、倍率50倍で、シート表面のエッチングされた箇所にピントを合わせる。その後、対物レンズとシート表面との距離を短くしてピントが外れたときの対物レンズの位置と、シート表面との距離を長くしてピントが外れたときの対物レンズの位置を確認し、この2つの位置の間を観察範囲とする。この観察範囲を、1μm毎に観察する。この1μm毎の観察結果から、エッチング後のシート表面の形状画像を得る。
(II−2)画像処理方法
VK解析アプリケーションによって、上記(II−1)で得られた形状画像から、その形状画像が含有する光量データを取り出す。次に、その取り出された光量データを用いて、曲面補正法によって(II−1)で得られた形状画像の傾きを補正する。続いて、傾きが補正された画像を、グラデーションパレットモードの色設定ボックスの白色と黒色を選択して、エッチングされた箇所が暗部になるように処理を行う。
(II−3)単位面積当たりのβ球晶の算出方法
ナノシステム社製画像処理ソフトNanoHunterNS2KProを用いて、(II−2)で処理された画像から、単位面積当たりのβ球晶の個数を算出する。具体的には、上記(II−2)で処理された画像の任意の領域の画像をモノクロ変換する。その後、モノクロ変換された画像を判別分析法により二値化処理する。二値化処理された画像の明暗を反転させ、エッチングされた箇所を白色、その他の箇所を黒色とする。エッチングされた箇所の穴埋め処理を行い、穴埋め処理された箇所の面積が、直径3μmの円の面積以上である箇所を選択する。穴埋め処理された箇所の面積が、直径3μmの円の面積より小さい箇所は、ノイズとして除去する。4近傍の面積計測により、先に選択した任意の領域の単位面積当たりの穴埋め処理された箇所の個数を計測する。得られた穴埋め処理された箇所の単位面積当たりの個数を、表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数とする。
本発明のポリプロピレンシートの、X線回折測定により表されるβ晶含量(K値)は、キャパシタを作成する時のフィルムの巻き易さおよび耐電圧特性の観点から、好ましくは0.1〜0.4である。K値は、Turner−JonesらによってMakromol.Chem.、第75巻、第134〜158頁(1964年)に記載の方法により求めることができる。
本発明のポリプロピレンシートの製造方法は、ポリプロピレンを加熱溶融し、Tダイから押出す工程と、押出されたポリプロピレンをキャストロールに静電密着法により密着させる工程と、密着させたポリプロピレンを該キャストロールにて引取速度3〜20m/分で引取る工程を含む方法である。
ポリプロピレンの加熱溶融は、ポリプロピレンの融点以上に設定された押出機により行われる。加熱溶融温度は、好ましくは180〜300℃であり、β球晶の生成に適することから、より好ましくは180〜250℃である。
溶融したポリプロピレンは、Tダイから溶融状態で押出され、一定速度で回転するキャストロールに密着させることで冷却固化される。
キャストロールとしては、循環水により温度制御された金属製のロールが使用される。キャストロールの温度は、β球晶の生成に適することから、好ましくは50〜120℃であり、より好ましくは70〜100℃である。
また、本発明のポリプロピレンシートの製造方法では、溶融状態のポリプロピレンをキャストロールに接触させ冷却固化する工程の後に、該キャストロールに接触していない表面を、他の温度制御されたロールに接触させて冷却する工程を含んでもよい。該ロールの温度は、好ましくはキャストロールの温度より10℃低い温度からキャストロールの温度より10℃高い温度の範囲にある温度である。
本発明のポリプロピレンシートの製造方法では、ポリプロピレンを静電密着法によりキャストロールに密着させる。静電密着法とは、溶融状態のポリプロピレンがキャストロールに接触する付近で、該ポリプロピレンのキャストロールに接触させた面の反対の面の近傍に設置した電極に電圧を印加することによって、ポリプロピレンを帯電させ、ポリプロピレンとキャストロールを密着させる方法である。
ポリプロピレンの引取速度は、キャストロールの回転数により制御される。本発明のポリプロピレンシートを製造する際の引取速度は、3〜20m/分である。引取速度を遅くすると、β球晶個数を減少させ、二軸延伸後のフィルムの静摩擦係数を低下させることができる。引取速度を速くすると、β球晶個数を増大させ、二軸延伸後のフィルムの中心面谷深さを小さくすることができる。
二軸延伸フィルムの静摩擦係数が増大すると、キャパシタを作成する時、キャパシタフィルムと電極を巻き合わせる巻取り工程において、しわ発生等の巻取り不良を引き起こす場合がある。また、二軸延伸フィルムの最大谷深さが大きくなると、巻取り工程後のキャパシタフィルムをオイル含浸する際に、フィルム間に気泡が残り易くなり、キャパシタの耐電圧特性の低下をもたらす場合がある。
本発明のポリプロピレンシートの厚みは、好ましくは0.1〜1.0mmであり、より好ましくは0.2〜0.5mmである。
本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルムは、本発明のポリプロピレンシートを二軸延伸してなるフィルムである。シートを延伸する方法としては、例えば、ロール延伸法、ロール圧延法、テンター延伸法等が挙げられる。二軸延伸方法としては、これらの手法を組み合わせた方法を用いることができる。好ましくは、本発明のポリプロピレンシートを、シートの引取方向に延伸し、その後、引取方向に延伸する時の温度より高い温度で、引取方向に対してシート面上で垂直な方向へさらに延伸する逐次二軸延伸法である。
本発明のシートを、シートの引取方向に延伸する方法としては、シートを加熱ロールにて予熱した後、周速の異なる2つのロールを用いて、周速差を利用して延伸する方法が望ましい。引取方向に延伸する時の温度は、135〜155℃であり、好ましくは140〜150℃である。引取方向に延伸する時の倍率は、3〜10倍が好ましい。
本発明のシートを、引取方向に対してシート面上で垂直な方向に延伸する方法としては、上記手法で引取方向に延伸されたシートの両端を、引取方向に沿って並んだ2列のチャックでそれぞれ掴み、予熱部、延伸部、および熱処理部からなる加熱炉にて、前記2列のチャック間隔を広げることにより延伸する方法が望ましい。引取方向に対してシート面上で垂直な方向に延伸する時の温度は、引取方向に延伸する時の温度より高温である。好ましくは155〜180℃であり、より好ましくは155〜170℃である。引取方向に対してシート面上で垂直な方向に延伸する時の倍率は、5〜12倍が好ましい。
ポリプロピレン二軸延伸フィルムの厚みは、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは1〜6μmである。二軸延伸フィルムの厚みは、ポリプロピレンシートの厚みおよび延伸倍率により制御できる。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて説明する。なお、発明の詳細な説明および実施例および比較例における各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)アイソタクチック・ペンタッド分率
A.ZambelliらによってMacromolecules,第13巻、第687〜689頁(1975年)に発表された論文に基づいて、BRUKER社製EX−270を用いて13C−NMR測定を行い、得られたメチル基の炭素のシグナルを用いて定量した。溶媒は重水素化o−ジクロロペンゼンを用い、135℃において測定した。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
ポリプロピレンのMFRは、JIS K7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(4)滑り性(静摩擦係数μS)
測定には、東洋精機製作所社製摩擦測定器TR−2を使用した。
本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルムから、ポリプロピレン二軸延伸フィルムの引取方向と、長辺方向を一致させて、幅75mm×長さ100mmの長方形の試験片を2枚切り出した。該試験片2枚を用いて、シートを製造する時にキャストロールに密着させた面と反対の面同士を重ね合わせ、上側のフィルムをロードセルに固定し、下側のフィルムを可動ステージに固定した。該試験片の略中央に、スレッドと試験片の接触面積が63mm×63mmである200gのスレッドを乗せ、3秒間保持した。その後、可動ステージを試験片の長辺方向に移動速度10mm/分にて移動させて、測定を行った。
(5)中心面谷深さ(SRv、単位:μm)
測定には、小阪研究所社製サーフコーダSE−30Kを使用した。
本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルムから、ポリプロピレン二軸延伸フィルムの引取方向と、長辺方向を一致させて、幅2mm×長さ20mmの長方形の試験片を切り出した。ポリプロピレンシートを製造する時にキャストロールに密着させた面と反対の面において、中心面谷深さを測定した。
(6)単位面積当たりのβ球晶の個数(単位:個/mm2
シートの表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数は、以下の方法により観察した。
(I)観察用シートのエッチング方法
(I−1)ポリプロピレンシートから2.5cm×2.5cmの試験片を切り出した。
(I−2)試験片を、90℃のキシレン400mlに浸漬し、ビーカー壁面に触れないように固定した。
(I−3)試験片を浸漬した状態で、キシレンを300rpmで30分間攪拌した後、キシレンから試験片を取り出した。
(I−4)取り出した試験片の表面を、80℃のキシレン200mlで洗浄した後、室温のメタノールにてさらに洗浄した。
ポリプロピレンシートに、上記(I−1)〜(I−4)の処理を施すことによってエッチングされた箇所が、シート表面に露出したβ球晶が存在していた箇所である。
(II)エッチングシートの観察方法
エッチング後のシートの表面を、以下の方法によって観察する。観察する表面は、シートを製造する時、キャストロールに密着させた面と反対の面である。
(II−1)表面形状観察方法
KEYENCE社製超深度形状測定顕微鏡VK−8500を使用し、カラー超深度測定により、プロピレンシートの表面を観察した。具体的には、まず、倍率50倍で、シート表面のエッチングされた箇所にピントを合わせた。その後、対物レンズとシート表面との距離を短くしてピントが外れたときの対物レンズの位置と、シート表面との距離を長くしてピントが外れたときの対物レンズの位置を確認し、この2つの位置の間を観察範囲とした。この観察範囲を、1μm毎に観察した。この1μm毎の観察結果から、エッチング後のシート表面の形状画像を得た。
(II−2)画像処理方法
VK解析アプリケーションによって、上記(II−1)で得られた形状画像から、その形状画像が含有する光量データを取り出した。次に、その取り出された光量データを用いて、曲面補正法によって(II−1)で得られた形状画像の傾きを補正した。続いて、傾きが補正された画像を、グラデーションパレットモードの色設定ボックスの白色と黒色を選択して、エッチングされた箇所が暗部になるように処理を行った。
(II−3)単位面積当たりのβ球晶の算出方法
ナノシステム社製画像処理ソフトNanoHunterNS2KProを用いて、(II−2)で処理された画像から、単位面積当たりのβ球晶の個数を算出した。具体的には、上記(II−2)で処理された画像の60505.559μm2の領域の画像をモノクロ変換した。その後、モノクロ変換された画像を判別分析法により二値化処理した。二値化処理された画像の明暗を反転させ、エッチングされた箇所を白色、その他の箇所を黒色とした。エッチングされた箇所の穴埋め処理を行い、穴埋め処理された箇所の面積が、直径3μmの円の面積以上である箇所を選択した。穴埋め処理された箇所の面積が、直径3μmの円の面積より小さい箇所は、ノイズとして除去した。4近傍の面積計測により、60505.559μm2の領域の単位面積当たりのエッチング箇所の個数を計測した。得られたエッチング箇所の単位面積当たりの個数を、表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数とした。
(7)β晶含量(K値)
Turner−JonesらによってMakromol.Chem.、第75巻、第134〜158頁(1964年)に発表された論文に基づいて、リガク社製UltraX−18を用いてX線回折測定を行い、得られたα晶およびβ晶に由来する回折ピークから定量した。
[実施例1]
特開2010−59262号公報の実施例1に記載の触媒を用いて、液体プロピレンの存在下でプロピレンを重合することによって、ポリプロピレン単独重合体([mmmm]=0.934、MFR=3.1g/10分)の粉末を得た。ポリプロピレン単独重合体100重量部に対し、ステアリン酸カルシウム0.005重量部、Irg1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5重量部を添加し、溶融混練してポリプロピレンペレットを得た。
得られたポリプロピレンペレットを50mmφの単軸押出機に供給し、加熱溶融温度220℃にて押出し、静電密着法により85℃のキャストロールに密着させた後、引取速度3.4m/分にて引取り、続いてキャストロールに密着させた面と反対の面を75℃のロールに接触させることで、厚さ400μmのポリプロピレンシートを得た。静電密着は、春日電機株式会社製PSD−2010Nを用いて、0.15mmφのタングステン電極に5kVの電圧を印加することで行った。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、三菱重工製テンター式逐次二軸延伸機を用いて延伸し、厚み10μmのポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。シートの引取方向に延伸する時の温度は145℃、延伸倍率は5倍とした。シートの引取方向に対してシート面上で垂直な方向に延伸する時の温度は157℃、延伸倍率8倍とした。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[実施例2]
加熱溶融温度を240℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[実施例3]
加熱溶融温度を200℃、キャストロールの温度を75℃、キャストロールに密着させた面と反対の面を冷却するロールの温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[実施例4]
引取速度を3.3m/分、キャストロールの温度を90℃、キャストロールに密着させた面と反対の面を冷却するロールの温度を85℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[実施例5]
引取速度を10.0m/分に変更した以外は、実施例4と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[比較例1]
引取速度を1.0m/分に変更した以外は、実施例4と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
[比較例2]
ポリプロピレンペレットを加熱溶融して押出した溶融状態のシートを、エアーナイフによりキャストロールに密着させた以外は、実施例4と同様の方法で押出し加工を行い、ポリプロピレンシートを得た。得られたポリプロピレンシートの単位面積当たりのβ球晶の個数およびK値を表1に示した。
得られたポリプロピレンシートを、実施例1と同様の方法で二軸延伸を行い、ポリプロピレン二軸延伸フィルムを得た。得られたポリプロピレン二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSおよび中心面谷深さSRvを表1に示した。
Figure 2013226685
表1から、引取速度が3〜20m/分を満たさない比較例1では、二軸延伸フィルムの中心面谷深さSRvが高いことから、キャパシタフィルムとして用いた場合に耐電圧特性に劣り、溶融状態のポリプロピレンシートをエアーナイフによりキャストロールに密着させた比較例2では、二軸延伸フィルムの静摩擦係数μSが高いことから、キャパシタを作成する時に、巻き難いものであることが分かる。

Claims (3)

  1. 少なくとも一方の表面に存在するβ球晶の単位面積当たりの個数が400〜4400個/mm2であるポリプロピレンシート。
  2. ポリプロピレンを加熱溶融し、Tダイから押出す工程と、押出されたポリプロピレンをキャストロールに静電密着法により密着させる工程と、密着させたポリプロピレンを該キャストロールによって、引取速度3〜20m/分で引取る工程を含む請求項1に記載のポリプロピレンシートの製造方法。
  3. 請求項1に記載のポリプロピレンシートを、135〜155℃でシートの引取方向に延伸し、その後、引取方向に延伸する時の温度より高い温度で、引取方向に対してシート面上で垂直な方向へさらに延伸して得られるポリプロピレン二軸延伸フィルム。
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