JP2013225080A - 偏光板一体型光学積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像表示パネルの表示画面側に配置され、偏光素子フィルム上に光学積層体が積層された偏光板一体型光学積層体であって、上記光学積層体は、光透過性基材、該光透過性基材の上記偏光素子フィルムと反対側面の外周に沿って枠状に形成された遮蔽層、上記遮蔽層を被覆する保護層、及び、上記光透過性基材及び上記保護層上に設けられたハードコート層を有し、上記偏光素子フィルム上に上記光学積層体の光透過性基材が設けられていることを特徴とする偏光板一体型光学積層体。
【選択図】図1
Description
ところで、近年、画像表示装置は、薄型化とともに表示画面のフラット化が進められているが、このようなベゼルを備えた構成の画像表示装置では、ベゼルが表示画面から飛び出した状態となり、フラットな表示画面とすることができなかった。
このような構成の偏光板一体型光学積層体は、最表面にドライバICを隠蔽するためのベゼルが不要であるため、表示画面のフラット化を図ることができる。
しかしながら、画像表示装置の薄膜化には、偏光板一体型光学積層体の薄膜化が必須であるところ、このような構成の偏光板一体型光学積層体は、従来の偏光フィルムと光学積層体との間に、更にドライバICを隠蔽するための枠を含む層を形成する必要があるため、薄膜化の要請に充分応えることができないものであった。
また、上記遮蔽層は、厚みが2.0〜5.0μmであり、透過濃度が3.0〜5.6であることが好ましい。
また、上記ハードコート層は、バインダー樹脂と、光透過性基材に対して溶解性又は膨潤性を有する浸透性溶剤とを含有するハードコート層形成用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
また、上記保護層は、上記遮蔽層へ浸透性溶剤が浸透することを抑える材料からなることが好ましい。
本発明の偏光板一体型光学積層体において、上記光透過性基材は、トリアセチルセルロースからなることが好ましい。
本発明はまた、最表面に本発明の偏光板一体型光学積層体を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体を、“樹脂”と記載する。
図1に示したように、本発明の偏光板一体型光学積層体10は、偏光素子フィルム11上に、光透過性基材12及びハードコート層15を有する光学積層体が積層されている。
上記光学積層体は、光透過性基材12の偏光素子フィルム11と反対側面の外周沿って枠状に形成された遮蔽層13、遮蔽層13を被覆する保護層14が形成されており、ハードコート層15は、光透過性基材12及び保護層14上に設けられている。
上記ポリビニルアルコール偏光素子は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着せしめた偏光素子である。
上記ポリビニルアルコール系フィルムとしては特に限定されず、通常使用されているポリビニルアルコール系フィルムを使用することができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合体フィルム等を一軸に延伸したもの等が挙げられる。
上記ポリビニル系フィルムの厚みも特に限定されず、例えば、50〜150μm程度のものが用いられる。
本発明の偏光板一体型光学積層体では、上記偏光素子フィルムに後述する光学積層体が直接貼り付けられるが、このとき、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロース基材)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
このような遮蔽層は、画像表示パネルのドライバICを表示画面から隠蔽する役割を果たす部材であり、表示画面側から観察したときに、画像表示パネルを駆動させるドライバICを隠蔽する領域に形成されていることが好ましい。
上記遮蔽層は、偏光板一体型光学積層体の外周部からの幅(図1に示した遮蔽層13における横幅)は、遮蔽するドライバICの大きさにより適宜決定されるが、厚みは2.0〜5.0μmであることが好ましい。2.0μm未満であると、ドライバICを充分に遮蔽できる程度の黒色濃度が得られないことがあり、5.0μmを超えると、光透過性基剤との段差が大きくなり、ハードコート層との間に気泡噛みが発生しやすくなる。また、薄膜化の要請上好ましくない。上記遮蔽層の厚みのより好ましい下限は3.0μm、より好ましい上限は4.5μmである。
上記遮光性の顔料としては特に限定されないが、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の有機系ブラック顔料、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルト、チタン等を含有した無機系ブラック顔料、アルミニウムや雲母等の燐片状遮蔽物質を混合した黒色染料等が挙げられ、なかでも、カーボンブラックが好適に用いられる。
上記バインダー樹脂は、溶剤乾燥型樹脂、二液反応型樹脂やエネルギー線硬化型樹脂であってもよい。
上記有機溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
このような保護層を構成する樹脂としては、上記ハードコート層用組成物に用いられる溶剤、特に上記遮蔽層へ後述する浸透性溶剤が浸透することを抑える材料からなるものであることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系等の二液反応性インキ等が挙げられる。
また、上記浸透性溶剤の浸透を抑える観点から、上記保護層は体質顔料を含まないことがより好ましい。また、スクリーニング(被印刷物に印刷版の版目が残る状態)を無くしインキのレベルリングをより確実にして隠蔽性を出すために、乾燥の遅い溶剤を含むことがより好ましい。
すなわち、上記浸透性溶剤を用いるのは、後述するように光透過性基材のハードコート層との界面付近に含浸層を形成し、この含浸層によりハードコート層と光透過性基材との界面における反射光とハードコート層表面での反射光との干渉により生じる干渉縞を防止することが主な目的である。上記含浸層を形成することで干渉縞を防止できるのは、光透過性基材とハードコート層との界面での屈折率のジャンピングを無くし、界面反射光が無くなるためである。
そして、上記光透過性基材とハードコート層との界面反射光を無くし、上記干渉縞を防止するためには、上記含浸層を数μmと厚く形成する必要があり、ハードコート層も厚くしなければならない。このため、例えば、上記保護層を形成せずに上記ハードコート層の形成を行うと、遮蔽層上に浸透性溶剤を大量かつ長時間乗せざるを得なくなり、遮蔽層が浸透性溶剤に侵されてしまう。このような浸透性溶剤により遮蔽層が侵されることを防止するため、上記保護層が有効に働くのである。
なお、表面に凹凸形状が設けられたハードコート層(防眩層)の該凹凸形状により防眩性を付与する防眩性フィルムも従来から知られているが、このような防眩性フィルムにおいては、上記干渉縞が生じることがない。すなわち、上記干渉縞は、ハードコート層がクリアハードコート層である場合に顕著な現象である。上記防眩性フィルムでは、光透過性基材とハードコート層(防眩層)との接着強化の目的で数百nm程度の薄い含浸層を形成するのでよく、上記ハードコート層(防眩層)も厚くする必要がない。このため、防眩性フィルムの場合、上記ハードコート層用組成物の溶剤に浸透性溶剤を使用する必要はなく、また、仮に浸透性溶剤を使用し、上記保護層を形成せずに上記ハードコート層(防眩層)の形成を行ったとしても、遮蔽層上に上記浸透性溶剤が大量かつ長時間乗せられることはないため、遮蔽層が浸透性溶剤で侵されてしまうことも殆どない。
このような保護層は、上記保護層を構成する樹脂を用いる以外は上記遮蔽層用組成物と同様にして調製した保護層用組成物を用いて、上記遮蔽層と同様にして形成することができる。
上記ハードコート層は、バインダー樹脂と溶剤とを含有するハードコート層形成用組成物を用いて形成されたものである。
上記ハードコート層用組成物において、上記バインダー樹脂としては、例えば、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂が挙げられる。なかでも、電離放射線硬化型樹脂を含有することが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記熱可塑性樹脂としては一般的に例示されるものが利用される。上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、上記熱可塑性樹脂は、一般的に例示されるものが利用される。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。
好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及び、ゴム又はエラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶剤(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶剤)に可溶な樹脂を使用することが好ましい。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
更に、この15官能重合性化合物は、ヒドロキシル基を有さないために、得られるハードコート層の耐水性が良く、鹸化処理時のアルカリ水溶液に対して耐性を有すると思われる。なぜならば、多官能(メタ)アクリレート化合物として、ヒドロキシル基を1個有するジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)を、ヒドロキシル基を有さないジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)と共に含む、商品名「カヤラッド(登録商標)DPHA」を用いると、充分な耐ケン化性が得られないからである。
上記ヒドロキシル基を分子中に有さない多官能重合性化合物の具体例としては、下記式(2)で表わされる、重合性官能基としてアクリロイル基を3個有する、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が挙げられる。なお、式中、Acはアクリロイル基である。
例えば、上記バインダー樹脂が光透過性基材に対して浸透性がない場合は、光透過性基材に対して浸透性を持つ溶剤を使用することが好ましい。例えば、光透過性基材がTAC基材である場合、浸透性溶剤の具体例としては、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、含窒素化合物;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、ハロゲン化炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン、グリコールエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、その他、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンが挙げられ、またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくはエステル類、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。その他、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類も、上記浸透性溶剤と混合して用いることができる。
また、ハードコート層形成用組成物中において、上記浸透性溶剤は、溶剤全量中10〜100質量%、特に50〜100質量%となることが好ましい。
上記低屈折率化剤を含有する場合、その屈折率は、直下の層の屈折率未満であるが、その直下の層との屈折率差は0.02〜0.3でることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2である。
また、このときのハードコート層の屈折率自体は、1.45以下が充分な反射防止性が得られる点で好ましく、より好ましくは1.40以下、更に好ましくは1.38以下である。
上記中空状シリカ粒子の含有量としては特に限定されず、形成するハードコート層の屈折率が上記範囲となるよう適宜調整される。
上記ハードコート層形成用組成物には、ハードコート層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する、防眩性を付与する等の目的に応じて、樹脂、分散剤、界面活性剤、公知の帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等の添加剤を添加していてもよい。
上記塗布の方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法を挙げることができる。
なお、上記ハードコート層の膜厚は、光透過性基材上に形成されたハードコート層の断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、測定した値である。
上記光透過性基材としては、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。
上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材は、その上に上述したハードコート層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤若しくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
なお、上記画像表示パネルのドライバICとしては特に限定されず、従来公知の画像表示パネルにおいて用いられるものが挙げられる。
上記画像表示装置としては、例えば、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
このような最表面に本発明の偏光板一体型光学積層体を備える画像表示装置もまた、本発明の一つである。
このため、本発明の偏光板一体型光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等に好適に適用することができる。
光透過性基材として厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム、屈折率1.48)の一方の面に、ウレタン樹脂にカーボンブラック顔料、溶剤、添加剤等を混練してなる遮蔽層用組成物(黒色インキ)(製品名:SS805墨、大日精化工業社製)を用い、グラビア印刷法により幅12mmの枠状の遮蔽層を光透過性基材の外周に沿って設けた。なお、黒色インキには、光透過性基材との密着性強化のため、イソシアネート系硬化剤(製品名:ラミックBハードナー、大日精化工業社製)を5部添加した。また、遮蔽層は、蛍光灯が透過して見えないように同じ版で黒色インキを3度重ね印刷して充分隠蔽性のある遮蔽層(厚み3.5μm)とした。
遮蔽層の厚みは、デジマチックインジケーターID−H0530(Mitutoyo社製)を用いて、遮蔽層印刷層上を縦横方向にそれぞれ100mm間隔で3点測定し、その平均値を印刷厚みとした。
次いで、グラビア印刷法により遮蔽層を完全に被覆するように透明な保護層を設けた。
保護層は、後工程のハードコート層塗工の際、含有溶剤によるアタックを抑えるべく、アクリルポリオール樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を混合した保護層用組成物(製品名:VM−Dメヂウム、大日精化工業社製)にイソシアネート系硬化剤(製品名:PTC−L8(改)硬化剤、大日精化工業社製)を10部添加して使用した。保護層の厚みは、遮蔽層同様に測定した結果、1.5μmであった。
また、遮蔽層について、保護層上から透過濃度を測定した。透過濃度は、透過濃度計361T(X−Rite社製)を用い、上記同様に100mm間隔で3点測定し、その平均値を透過濃度とした。透過濃度は、5.0であった。
次いで、電離放射線硬化性樹脂である、M9050(東亞合成社製)、UV1700B(日本合成社製)及び光重合開始剤であるイルガキュア184(BASF社製)を組み合わせたものを、ハードコート層形成用組成物として、光透過性基材及び保護層上に塗布し、紫外線照射で樹脂を半硬化させて、厚み10μmのハードコート被膜を形成した。
次に、形成したハードコート被膜の上に、中空状シリカ粒子、PET−30(日本化薬社製)、X−21−164E(信越化学工業社製)及び光重合開始剤であるイルガキュア127(BASF社製)を組み合わせたものを、低屈折率層用組成物として塗布し、紫外線照射で含有する樹脂を硬化させて、厚み100nmの低屈折率層を形成するとともに、ハードコート被膜も完全に硬化させてハードコート層とし、反射防止性能を備えた光学積層体を作製した。作製した光学積層体については、ハードコート層側から遮蔽層の透過濃度を測定した。透過濃度は、透過濃度計361T(X−Rite社製)を用い、100mm間隔で3点測定し、その平均値を透過濃度とした。その結果、遮蔽層の透過濃度は、5.0であった。
本実施例で作製した光学積層体は、遮蔽層が充分な厚み及び透過濃度を有しており、ドライバIC等を問題なく遮蔽することができた。
黒色インキの印刷回数を1回とした以外は、実施例1と同様にして遮蔽層(厚み1.5μm)を光透過性基材の一方の面に形成した。
その後、実施例1と同様にして、透明保護層、ハードコート層及び低屈折率層を設け、反射防止性能を備えた光学積層体を作製した。
参考例1で作製した光学積層体について実施例1と同様に遮蔽層の透過濃度を測定したところ、透過濃度が1.8しかなく、ドライバIC等を充分遮蔽することができなかった。
その結果、本発明の偏光板を用いた画像表示装置は、フラット性や薄さにおいて、ベゼルを備え付けた市販の画像表示装置より優れていることを確認した。
保護層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
その結果、遮蔽層にハードコート層塗工で使用した、浸透性溶剤が浸透し、遮蔽層が侵食され、外観が悪化した。また、光透過性基材と遮蔽層との密着性も悪化した。
11 偏光素子フィルム
12 光透過性基材
13 遮蔽層
14 保護層
15 ハードコート層
Claims (8)
- 画像表示パネルの表示画面側に配置され、偏光素子フィルム上に光学積層体が積層された偏光板一体型光学積層体であって、
前記光学積層体は、光透過性基材、該光透過性基材の前記偏光素子フィルムと反対側面の外周に沿って枠状に形成された遮蔽層、前記遮蔽層を被覆する保護層、及び、前記光透過性基材及び前記保護層上に設けられたハードコート層を有し、
前記偏光素子フィルム上に前記光学積層体の光透過性基材が設けられている
ことを特徴とする偏光板一体型光学積層体。 - 遮蔽層は、表示画面側から観察したときに、画像表示パネルを駆動させるドライバICを隠蔽する領域に形成されている請求項1記載の偏光板一体型光学積層体。
- 遮蔽層は、厚みが2.0〜5.0μmである請求項1又は2記載の偏光板一体型光学積層体。
- 遮蔽層は、透過濃度が3.0〜5.6である請求項1、2又は3記載の偏光板一体型光学積層体。
- ハードコート層は、バインダー樹脂と、光透過性基材に対して溶解性又は膨潤性を有する浸透性溶剤とを含有するハードコート層形成用組成物を用いて形成されたものである請求項1、2、3又は4記載の偏光板一体型光学積層体。
- 保護層は、遮蔽層へ浸透性溶剤が浸透することを抑える材料からなる請求項5記載の偏光板一体型光学積層体。
- 光透過性基材は、トリアセチルセルロースからなる請求項1、2、3、4、5又は6記載の偏光板一体型光学積層体。
- 最表面に請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の偏光板一体型光学積層体を備えることを特徴とする画像表示装置。
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