JP2013221676A - 制御装置、及び、この制御装置を備えた冷熱機器システム - Google Patents

制御装置、及び、この制御装置を備えた冷熱機器システム Download PDF

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Abstract

【課題】同一の空調対象空間に設けられた複数の冷熱機器を制御する制御装置において、空調対象空間の要求負荷に見合うだけの空調能力を確保しながらシステム全体としてのCOPを大きくでき、かつ、当該制御時に参照すべきデータ量を少量に抑制できる制御装置を得る。
【解決手段】制御装置10は、各冷熱機器ごとに、空調能力と消費電力との関係を表す第一の多項式の係数を少なくとも含む性能モデルデータが記憶される性能モデルデータ記憶手段と、全体冷熱負荷を求める全体冷熱負荷演算手段と、第一の多項式に基づき、運転台数切替の判定値となる切替負荷を求める切替負荷演算手段と、全体冷熱負荷と切替負荷との大小を比較することにより、運転させる冷熱機器の台数を決定する運転機決定手段と、運転、停止及び運転する際の空調能力に関する制御信号を、冷熱機器のそれぞれに送出する制御信号送出手段と、を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の冷熱機器を制御する制御装置、及び、この制御装置を備えた冷熱機器システムに関するものである。
従来より、冷凍倉庫や大型店舗等のような大きな空調対象空間に対して、複数の冷熱機器を設置する冷熱機器システムが提案されている。このような複数の冷熱機器を備えた冷熱機器システムには、省エネルギーの観点から、各冷熱機器を高効率で運転するために、冷熱機器のそれぞれを共通の制御装置で制御するものがある。具体的には、制御装置は、負荷側の要求を満たすように各冷熱機器を制御する際、各冷熱機器の成績係数(COP)(換言すると、システム全体のCOP)が大きくなるように各冷熱機器を制御する。例えば、特許文献1には、各熱源機が運転状況(例:冷却水入口温度or外気温)ごとのCOPと負荷率の関係(COPマップ)をあらかじめ保持していて、各熱源機が台数制御装置に所定値以上のCOPとなる適正運転範囲を送信し、台数制御装置が現在の要求負荷と適正運転範囲の上下限値とを比較して適正な運転台数を判断する冷熱機器システム(特許文献1では、熱源システムと記載)が開示されている。
特開2011−106699号公報(段落[0007],[0031],[0035]〜[0040]、図4〜6)
同一空間を空調対象として、冷熱機器システムを構成する複数の冷熱機器が設置される場合がある。このとき、室温等といった室内側の環境(つまり空調対象空間内の環境)や外気温度といった室外側の環境は時々刻々と変化する。このため、各冷熱機器のそれぞれが単独で運転制御を行う冷熱機器システムの場合、各冷熱機器がこれら室内側の環境や室外側の環境の影響を受け、各冷熱機器の効率がそれぞれ独立に変化する。したがって、システム全体として見た場合、負荷側の要求熱量に応じつつ高効率な運転を実現することができないという問題点があった。つまり、システム全体としての省エネルギー化を図ることができないという問題点があった。
また、システム全体としての省エネルギー化を図るために冷熱機器システムを構成する複数の冷熱機器を共通の制御装置で制御する技術も従来より提案されているが、当該技術は、計算メモリ量に限界のあるマイコン(CPU)を使用して実現することが困難であるという問題点があった。換言すると、従来技術に係る制御装置として計算メモリ量に限界のあるマイコンを使用する場合、各冷熱機器が対象とする要求負荷に対して、オンライン運転中に適切な運転状態を決定すること(つまり、柔軟な運転を行うこと)ができないという問題点があった。すなわち、従来技術に係る制御装置として計算メモリ量に限界のあるマイコンを使用する場合、オンライン運転中に外部環境変化を反映して複数の冷熱機器を制御することができず、システム全体としてのCOPを大きくすることができないという問題点があった。
例えば、前記特許文献1に開示された技術では、各熱源機が運転状況(例:冷却水入口温度or外気温)ごとのCOPと負荷率の関係(COPマップ)を保持し、各熱源機が台数制御装置に所定値以上のCOPとなる適正運転範囲を送信することにより、台数制御装置が現在の要求負荷と適正運転範囲の上下限値とを比較し、適正な運転台数を判断する。
しかしながら、COPマップによる外部環境変化への対応では、適正な運転台数の判断のために大きな容量のデータを保持する必要がある。また、代表的な外部環境を想定した限定数のデータでは離散的な対応しかできず、制御精度が低下する。限定数のデータの間を補間することも可能であるが、同様に制御精度の低下があり、制御精度を向上するには補間するデータ間の距離を縮小する必要がある。しかし、これはデータ容量の増加に他ならない。代表的なデータで外部環境変化にきめ細かく対応しようとすると、さらにデータ容量が必要になる。しかしながら、計算メモリ量に限界のあるマイコンを使用した制御装置では、実用上の制限からデータの容量を削減する必要があり、外部環境変化を精度よく反映できなくなるという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、同一空間となる空調対象空間の要求負荷に見合うだけの空調能力を確保しながらシステム全体としてのCOPを大きくでき、かつ、当該制御時に参照すべきデータ量を少量に抑制できる制御装置、及びこの制御装置を備えた冷熱機器システムを得ることを目的とする。
本発明に係る制御装置は、同一空間を空調対象空間として設置された複数の冷熱機器を制御する制御装置であって、複数の前記冷熱機器ごとに、空調能力と消費電力との関係を表す第一の多項式の係数を少なくとも含む性能モデルデータが記憶される性能モデルデータ記憶手段と、複数の前記冷熱機器の冷熱負荷の合計値である全体冷熱負荷を求める全体冷熱負荷演算手段と、前記第一の多項式の係数により表現された数式に前記第一の多項式の係数を代入し、「現在運転中の前記冷熱機器全体の成績係数」と「現在運転中の前記冷熱機器に運転する前記冷熱機器を1台加えた場合の成績係数」とが等しくなる全体冷熱負荷である第一の切替負荷と、「現在運転中の前記冷熱機器全体の成績係数」と「現在運転中の前記冷熱機器から運転する前記冷熱機器を1台減少させた場合の成績係数」とが等しくなる全体冷熱負荷である第二の切替負荷と、を求める切替負荷演算手段と、前記全体冷熱負荷と前記第一の切替負荷及び前記第二の切替負荷との大小を比較することにより、運転させる前記冷熱機器の台数を決定する運転機決定手段と、運転、停止及び運転する際の空調能力に関する制御信号を、複数の前記冷熱機器のそれぞれに送出する制御信号送出手段と、を備えたものである。
また、本発明に係る冷熱機器システムは、同一空間を空調対象空間として設置された複数の冷熱機器と、本発明に係る制御装置と、を備えたものである。
本発明によれば、切替負荷を運転台数切替の判定値として、全体冷熱負荷に見合うだけの空調能力を確保しつつ、かつ、システム全体としてCOPを大きく維持することができる冷熱機器の好適な運転台数を決定することができる。このとき、本発明においては、全体冷熱負荷の変化に対応して運転する冷熱機器の台数の変更が必要か否かを判断する際、参照すべきデータ量が少量でよい。このため、制御装置として記憶容量の小さいマイコンを用いた場合でも、全体冷熱負荷の変化に応じた精度の高い切替負荷をオンライン運転中に演算することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷熱機器システムの全体構成図である。 本発明の実施の形態1に係る制御装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る冷熱機器の冷媒回路を概略的に示す図である。 冷熱機器の空調能力と消費電力との関係を表す代表的なグラフである。 本発明の実施の形態1に係る性能モデルデータのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る運転情報データのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る冷熱負荷データのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る運転台数切替制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る制御装置の機能ブロック図である。 実施の形態2に係る温度センサによる計測値データのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る係数aと計測値CT,ETとの関係を示す特性図の一例である。 本発明の実施の形態2に係る環境変化演算多項式の係数データのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る制御処理の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷熱機器システムの全体構成図である。
本実施の形態1に係る冷熱機器システム200は、同一空間である対象空間1を空調対象として設置された複数の冷熱機器を、制御装置10で制御するものである。
複数の冷熱機器は、それぞれ、室内機2と、熱源機3とを備えている。各室内機2は、対象空間1の中に配置される。各熱源機3は、対象空間1の外に配置される。室内機2と熱源機3は冷媒配管により接続される。これら冷熱機器は、制御装置10からの制御により、冷媒配管中を流れる冷媒の圧力を変化させて、冷媒の吸熱、放熱によって対象空間1の冷却を行うものである。
なお、以下の説明において、4台の冷熱機器を区別するときは、冷熱機器No1〜No4に応じた添え字を各符号の末尾に付するものとする。例えば、図1では、室内機2を室内機2−1〜2−4と示し、熱源機3を熱源機3−1〜3−4と示している。
また、図1では例として、4台の冷熱機器からなる冷熱機器システムの全体構成を示しているが、一般的に、冷熱機器はN(≧2)台であればよい。
制御装置10は、各室内機2と通信線で接続されている。制御装置10は、室内機2及び熱源機3に設置されているセンサ等によりセンシングされた計測値データや運転状態に関する情報を入力情報として受け取る。また、制御装置10は、ユーザが設定する冷熱機器に関する設定情報や、当該制御装置10内部で演算した結果データ等を室内機2及び熱源機3へ制御信号として送出する。
本実施の形態1では、通常のコントロール機能も併せ持ったリモコンによって、制御装置10を構成している。しかしながら、これに限らず、通常のリモコンとは別に制御装置10を設けてもよい。一般的にリモコンは演算能力に乏しいマイコンを内蔵しており、大量の参照データをあらかじめ記憶させておくことや、演算負荷の高い数値演算を行うことは実用上厳しい。しかしながら、本実施の形態1の制御装置10は、冷熱機器を制御する際に参照すべきデータを少量にできるため、演算能力に乏しいマイコンを内蔵したリモコンで構成することが可能となっている。
なお、制御装置10と各冷熱機器(室内機2及び熱源機3)との通信は無線通信であってもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る制御装置の機能ブロック図である。
図2に示すように、制御装置10は、データ格納部101、性能モデルデータ記憶部102、データ設定部103、冷熱負荷演算部104、切替負荷演算部105、運転機決定部106、及び制御信号送出部107を備えている。
なお、「性能モデルデータ記憶部102」が、本発明における「性能モデルデータ記憶手段」に相当する。また、「冷熱負荷演算部104」が、本発明における「全体冷熱負荷演算手段」に相当する。また、「切替負荷演算部105」が、本発明における「切替負荷演算手段」に相当する。また、「運転機決定部106」が、本発明における「運転機決定手段」に相当する。また、「制御信号送出部107」が、本発明における「制御信号送出手段」に相当する。
データ格納部101は、ユーザから入力された設定データ、通信線を通じて入力される冷熱負荷データ(暖房負荷データ、冷房負荷データ)や運転情報データ、演算終了後に得られる制御用の出力データを格納する。各データの内容は後述する。
性能モデルデータ記憶部102は、切替負荷演算部105が演算に使用するデータ等を記憶し、演算で必要なときに参照される。性能モデルデータ記憶部102に記憶されるデータとしては、例えば、空調能力と消費電力との関係を定義した冷熱機器の性能モデルを表す多項式の係数データが、冷熱機器ごとに記憶される。データの内容は後述する。
データ設定部103は、演算に関する必要な種々のデータをセットしたり、初期化処理を実行する。
冷熱負荷演算部104は、次の制御タイミングにおける各冷熱機器の冷熱負荷(暖房負荷、冷房負荷)の合計値である全体冷熱負荷を演算して求める。そして、実行後に得られる全体冷熱負荷データをデータ格納部101に書き込む。
切替負荷演算部105は、性能モデルデータ記憶部102から係数データ等を参照する。そして、現在運転中の冷熱機器(以下、運転機とも称する)の台数から運転台数を増減させたときにシステム全体のCOPの低下を回避するための運転台数の切替点を指し示す切替負荷を演算して求める処理を実行する。そして、実行後に得られる切替負荷をデータ格納部101に書き込む。詳細は後述する。
運転機決定部106は、データ格納部101から切替負荷データと全体冷熱負荷データを読み出し、全体冷熱負荷データを切替負荷データと比較する。そして、運転機決定部106は、次の制御タイミングで運転機の増減が必要かどうかを判定し、各冷熱機器の運転/停止状態及び運転機の運転能力を決定する。そして、運転機決定部106は、実行後に得られる各冷熱機器の運転/停止状態及び運転機の運転能力をデータ格納部101に書き込む。詳細は後述する。
制御信号送出部107は、演算結果として得られた各冷熱機器の運転/停止状態及び運転機の運転能力をデータ格納部101より読み出し、当該運転/停止状態と当該能力を指示する制御信号を、通信線を通じて各冷熱機器に送出する処理を実行する。
なお、冷熱負荷演算部104、切替負荷演算部105、運転機決定部106及び制御信号送出部107は、これらの機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで実現することもできるし、マイコンやCPU等の演算装置(コンピュータ)上で実行されるソフトウェアとして実現することもできる。また、データ格納部101、性能モデルデータ記憶部102及びデータ設定部103は、例えばフラッシュメモリ等の記憶装置で構成することができる。
図3は、本発明の実施の形態1に係る冷熱機器の冷媒回路を概略的に示す図である。
図3に示すように、各冷熱機器は、室内機2と熱源機3とが液接続配管及びガス接続配管を介して接続されている。
なお、ここでは、1つの冷熱機器の室内機2及び熱源機3が1台である場合を説明するが、本発明はこれに限らず、室内機2及び熱源機3のうちの少なくとも一方を複数備える構成であってもよい。
室内機2は、室内熱交換器21、室内送風機22及び温度センサ23を備えている。また、熱源機3は、圧縮機31、四方弁32、室外熱交換器33、室外送風機34、絞り装置35及び温度センサ36を備えている。これら圧縮機31、室外熱交換器33、絞り装置35及び室内熱交換器21は環状に接続され、冷媒回路を構成する。
なお、「温度センサ23」が、本発明における「第一の温度検出手段」に相当する。また、「温度センサ36」が、本発明における「第二の温度検出手段」に相当する。
室内熱交換器21は、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。この室内熱交換器21は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内の空気を冷却する。また、室内熱交換器21は、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内の空気を加熱する。
室内送風機22は、室内熱交換器21に付設され、室内熱交換器21に供給する空気の流量を可変することが可能なファン等からなる。この室内送風機22は、室内機2内に室内空気を吸入し、室内熱交換器21により冷媒との間で熱交換した空気を供給空気として対象空間1内に供給する。
温度センサ23は、例えばサーミスタにより構成される。この温度センサ23は、室内熱交換器21内の気液二相状態の冷媒の温度を検出する。すなわち、暖房運転時における凝縮温度、冷房運転時における蒸発温度を検出する。
圧縮機31は、運転容量を可変することが可能であり、例えばインバータにより制御されるモータ(図示せず)によって駆動される容積式圧縮機を用いる。この圧縮機31は、制御装置10により制御される。
なお、本実施の形態では、圧縮機31が1台のみの場合を説明するが、これに限定されず、室内機2の接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機31が直列又は並列に接続されたものであってもよい。
四方弁32は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。この四方弁32は、冷房運転時には、圧縮機31の吐出側と室外熱交換器33とを接続し、圧縮機31の吸入側と室内熱交換器21とを接続するように、冷媒流路を切り換える。また、四方弁32は、暖房運転時には、圧縮機31の吐出側と室内熱交換器21とを接続し、圧縮機31の吸入側と室外熱交換器33とを接続するように、冷媒流路を切り換える。
室外熱交換器33は、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。この室外熱交換器33は、そのガス側が四方弁32に接続され、その液側が絞り装置35に接続される。室外熱交換器33は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。
室外送風機34は、室外熱交換器33に付設され、室外熱交換器33に供給する空気の流量を可変することが可能なファン等からなる。この室外送風機34は、熱源機3内に室外空気を吸入し、室外熱交換器33により冷媒との間で熱交換した空気を室外に排出する。
絞り装置35は、熱源機3の液側配管に接続配置されている。この絞り装置35は、絞り開度が可変であり、冷媒回路内を流れる冷媒の流量の調節等を行う。
温度センサ36は、例えばサーミスタにより構成される。この温度センサ36は、室外熱交換器33内の気液二相状態の冷媒の温度を検出する。すなわち、冷房運転時における凝縮温度、暖房運転時における蒸発温度を検出する。
以上、本実施の形態における空気調和機の制御装置10の構成を説明した。
次に、データ格納部101、性能モデルデータ記憶部102に格納される各種データについて説明する。
[性能モデルデータ]
図4は、冷熱機器の空調能力と消費電力との関係を表す代表的なグラフである。また、図5は、本発明の実施の形態1に係る性能モデルデータのデータ形式を示す図である。
冷熱機器の消費電力は、主に圧縮機消費電力、電子基盤入力電力、室内送風機入力電力及び室外送風機入力電力等からなる。冷熱機器における空調能力と消費電力の関係は図4に示すようになり、例えば次式(1)のような二次式で十分に近似できる。
Figure 2013221676
ここで、kは冷熱機器Noを示す。Wk (kW)は冷熱機器k(k=1,2,3…)の消費電力を示す。Qk (kW)は冷熱機器kの空調能力を示す。また、ak ,bk ,ck は係数データを示す。
各冷熱機器に対する式(1)の係数データを各冷熱機器の最大能力値Qmax (kW)と併せて、性能モデルデータと定義する。
この性能モデルデータは、それぞれの冷熱機器ごとに、例えば図5に示すデータ形式で性能モデルデータ記憶部102に記憶される。
[運転情報データ]
図6は、本発明の実施の形態1に係る運転情報データのデータ形式を示す図である。
各冷熱機器に対する運転情報データは、現在の運転状態を表す。例えば、運転中の場合に「1」、停止中の場合に「0」と定義して、図6に示すデータ形式でデータ格納部101に格納する。
[冷熱負荷データ]
各冷熱機器に対する冷熱負荷データは、各冷熱機器に具備されているセンサによる計測情報に基づいて決定される、次の制御タイミングで出力すべき空調能力である。本実施の形態1では、当該空調能力を次の制御タイミングにおける各冷熱機器の冷熱負荷(kW)とする。例えば、冷熱機器の設定温度と室内温度との差(ΔT)に応じて圧縮機31の回転数(Hz)を決定し、この回転数に応じて空調能力(kW)を求め、これを当該冷熱機器の冷熱負荷(kW)とする。この冷熱負荷の演算は、各冷熱機器によって行われる。そして、冷熱負荷データは、通信線を通じて制御装置10に送信され、図7に示すデータ形式でデータ格納部101に格納される。なお、制御装置10が冷熱負荷の演算を行ってもよい。
図7は、本発明の実施の形態1に係る冷熱負荷データのデータ形式を示す図である。
図7は、例えば図6に示す運転情報データのもとで得られた冷熱負荷データであり、運転停止状態である冷熱機器No4以外の冷熱負荷Lk (≧0)を表す。例えば、ここでは運転停止状態である冷熱機器に対しては冷熱負荷を「−1」と表現する。
次に、複数台の冷熱機器による切替負荷の処理内容について説明する。
切替負荷演算部105は、式(1)の二次式で表される能力と消費電力との関係を使用して、次の制御タイミングtの冷熱負荷に対してCOPを高く維持することのできる冷熱機器運転台数の増減を判定するための切替負荷を求める。ここでは、システム全体の冷熱負荷Lt に対して、1台の冷熱機器が運転している場合に2台に切り替える場合を例に切替負荷を求める。詳しくは、対象とする冷熱機器をNo1,2とし、No1のみの運転をNo1とNo2の運転に切り替える場合を例に説明する。
式(1)を用いて、1台運転(冷熱機器No1を運転)時の消費電力1tは次式(2)ように表わされる。
Figure 2013221676
次に2台の冷熱機器(No1,2)が運転している場合を考える。このとき、全体冷熱負荷Lt に対して、運転する2台の冷熱機器に同一容量比で空調能力を割り当てる。ある冷熱機器iの空調能力の最大値がQi,MAX で与えられるとき、同一容量比rは次の式で与えられる。
Figure 2013221676
このとき、冷熱機器No1の空調能力Q1 は次式(4)となり、冷熱機器No2の空調能力Q2 は次式(5)となる。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
したがって、2台運転(No1とNo2を運転)時の消費電力2tは次式(6)のように表わされる。なお、全体冷熱負荷は上記と同一とし、2台運転時の能力配分を決定する同一容量比を上記のようにrとする。
Figure 2013221676
上記式(6)の新しい係数A,Bは次式(7)〜(10)となる。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
また、次の制御タイミングtのCOP(成績係数)を空調能力Qt と消費電力Pt で書くと、次式(11)のようになる。
Figure 2013221676
ある全体冷熱負荷L’t のとき、各冷熱機器の空調能力の総和がL’t となるように、各冷熱機器に空調能力が割り当てられている。
このため、1台運転の場合のCOPである1COPtは次式(12)のようになり、2台運転の場合のCOPである2COPtは次式(13)のようになる。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
運転台数を1台から2台へ切替える条件は、次式(14)に示すように1台運転と2台運転時のCOPが等しくなることである。
Figure 2013221676
この条件式(14)に上記の式(12),(13)を代入すると、運転台数の切替え条件は次式(15)のようになる。本条件式(15)は、ある全体冷熱負荷L’t のときに1台運転と2台運転時のCOPが等しくなることを意味する。
Figure 2013221676
この切替え条件式(15)を整理し、切替え条件を満たす全体冷熱負荷L’t を求めると次式(16)のような解析解が求まる。
Figure 2013221676
求解した全体冷熱負荷L’t に相当するときに、1台運転と2台運転を切り替えればよい。このときの冷熱負荷L’t を切替負荷と呼ぶ。台数を増やすときは、全体冷熱負荷が増大する場合である。逆に、2台運転時に全体冷熱負荷が減少するときは、L’t に相当するときに2台運転から1台運転へ切り替えればよい。
一般的な解を求めると、M台運転からN台運転(N>M)へ切り替える場合の切替負荷は次式(17)の通りとなる。逆にN台運転からM台運転に切り替える場合も同様に求めることができる。
Figure 2013221676
ただし、上記式(17)の係数A,Bは次式(18)〜(21)となる。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
また、このときM台運転からN台運転に切り替える場合の各冷熱機器の空調能力は次式(22)となる。逆に、N台運転からM台運転に切り替える場合も下式のNをMとすることにより、同様に求めることができる。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
次に、実施の形態1における運転台数切替制御処理の動作を具体的に説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る運転台数切替制御処理の動作を示すフローチャートである。
以下、図8に示すフローチャートに沿って、運転中の冷熱機器に対して台数切替を指令する制御装置10で実行される処理について説明する。制御装置10による制御は、ある時間間隔(例えば1分)をもった制御実施時刻を示すインデックスとして、制御タイミングt、t+1、t+2、…と表すものとする。
(S101)
現在、制御タイミングtであったとする。冷熱負荷演算部104は、冷熱負荷データD102から次の制御タイミングt+1の全体冷熱負荷Lを求める。
具体的には次のように演算して求める。まず、運転情報データD103に基づいて運転中の冷熱機器を得る。そして、冷熱負荷データD102から、運転中の冷熱機器の冷熱負荷を得て、その合計値を全体冷熱負荷Lとしてメモリ上の変数に求める。得られた全体冷熱負荷Lをデータ格納部101の変数に書き込む。
例えば、運転情報データD103が、例えば図6であったとする。そして、冷熱負荷データD102が、例えば図7のようにL1 ,L2 ,L3 ,−1であるとする。冷熱負荷の計測可能な状態の冷熱機器No1〜3から求められる全体冷熱負荷は、L=L1 +L2 +L3 である。
(S102)
現在の冷熱機器の運転台数から冷熱機器を1台増加させる場合の切替負荷Linc ’と切替後の運転機それぞれの空調能力Qk,inc を求める。ここで、Linc ’が、本発明における第一の切替負荷に相当する。
詳しくは、データ設定部103が、性能モデルデータ記憶部102に予め記憶されている性能モデルデータD101を参照する。また、データ設定部103が、データ格納部101に格納されている、運転中の各冷熱機器が計測した、次の制御タイミングt+1における全体冷熱負荷L((S101)で求めた)を参照する。また、データ設定部103が、運転中の冷熱機器の運転情報データD103を参照する。そして、データ設定部103が、参照した性能モデルデータD101及び運転情報データD103を、初期データとして設定して演算の初期化を実行する。このとき、前述のあらかじめ求めておいた解析解(式(17)と式(22))に基づいた演算を実行するように用意されたLt 、Qk,MAX 、ak 、bk 、ck に相当する変数も初期化を実行する。
これらの準備を行ってから、切替負荷演算部105が、切替負荷Linc ’と切替後の各冷熱機器の空調能力Qk (k=1,2,3…)を、解析解(式(17)と式(22))に基づいた演算を実行するように用意されたLt 、Qk,MAX 、ak 、bk 、ck (k=1,2,3…)に相当する変数に、上記で用意した性能モデルデータ、運転情報データ、全体冷熱負荷データの値を代入して求める。そして、切替負荷演算部105は、得られた結果をデータ格納部101の変数に書き込む。
具体的には、データ設定部103は、運転情報データD103より現在の運転台数3台(冷熱機器No1,2,3)を1台増加させたときの運転台数(4台、本例では冷熱機器No4を運転に切り替えることに相当)をメモリ上の変数にセットし、運転台数分の性能モデルデータを冷熱機器No1,2,3,4ごとにメモリ上の変数にセットする。このとき、切替負荷Linc ’及び各冷熱機器の空調能力Qk,inc (k=1、2、3、4)に対するメモリ上の変数を「0」に初期化しておく。また、切替負荷Linc ’及び各冷熱機器の空調能力Qk,inc (k=1、2、3、4)を格納するデータ格納部101の変数を「0」に初期化しておく。また、解析解(式(17)と式(22))に基づいた演算を実行するように用意されたLt 、Qk,MAX 、ak 、bk 、ck (k=1、2、3、4)に相当する変数を「0」に初期化しておく。
そして、切替負荷Linc ’を求めるために、切替負荷演算部105が、式(17)に、図5に示す冷熱機器No1,2,3,4の値(a1 ,b1 ,c1 、a2 ,b2 ,c2 、a3 ,b3 ,c3 、a4 ,b4 ,c4 、Q1,MAX ,Q2,MAX ,Q3,MAX ,Q4,MAX )と(S101)で求めてデータ格納部101の変数に格納されている全体冷熱負荷Lを読み出して代入する。同様に、切替負荷演算部105が、各冷熱機器の空調能力Qk,inc (k=1、2、3、4)を求めるために、全体冷熱負荷LとQ1,MAX ,Q2,MAX ,Q3,MAX ,Q4,MAX を式(22)に代入する。そして、切替負荷演算部105は、演算の結果として得られたLinc ’及びQk,inc (k=1、2、3、4)をデータ格納部101の変数に書き込む。
(S103)
現在の冷熱機器の運転台数から冷熱機器を1台減少させる場合の切替負荷Ldec ’と切替後の運転機の空調能力Qk,dec を求める。(S102)と同様の手順で、式(17)と式(22)に基づいた演算により求める。ここで、Ldec ’が、本発明における第二の切替負荷に相当する。
具体的には、データ設定部103は、運転情報データD103より現在の運転台数3台(冷熱機器No1,2,3)から1台減少させたときの運転台数(2台、本例では例えば冷熱機器No3を停止に切り替えることとする)をメモリ上の変数にセットし、演算に必要な運転台数分の性能モデルデータ(3台→2台のとき3台分のデータが必要)を冷熱機器No1,2,3ごとにメモリ上の変数にセットする。このとき、切替負荷Ldec ’及び各冷熱機器の空調能力Qk,dec (k=1、2)に対するメモリ上の変数を「0」に初期化しておく。また、切替負荷Ldec ’及び各冷熱機器の空調能力Qk,dec (k=1、2)を格納するデータ格納部101の変数を「0」に初期化しておく。また、解析解(式(17)と式(22))に基づいた演算を実行するように用意されたLt 、Qk,MAX 、ak 、bk 、ck (k=1、2、3)に相当する変数を「0」に初期化しておく。
そして、切替負荷Ldec ’を求めるために、切替負荷演算部105が、式(17)に、図5に示す冷熱機器No1,2,3の値(a1 ,b1 ,c1 、a2 ,b2 ,c2 、a3 ,b3 ,c3 、Q1,MAX ,Q2,MAX ,Q3,MAX )と(S101)で求めてデータ格納部101の変数に格納されている全体冷熱負荷Lを読み出して代入する。同様に、切替負荷演算部105が、各冷熱機器の空調能力Qk,dec (k=1、2)を求めるために、全体冷熱負荷LとQ1,MAX ,Q2,MAX を式(22)に代入する。そして、切替負荷演算部105は、演算の結果として得られたLdec ’及びQk,dec (k=1、2)をデータ格納部101の変数に書き込む。
(S104)
運転機決定部106が、データ格納部101に格納されている全体冷熱負荷Lと運転台数1台増加時の切替負荷Linc ’を読み出してメモリ上の変数にセットし、次式(24)の評価を行う。式(24)が成立するときは(S105)へ遷移し、不成立のときは(S106)へ遷移する。
Figure 2013221676
(S105)
制御信号送出部107が、データ格納部101に格納されている運転台数1台増加時の各冷熱機器の空調能力Qk,inc (k=1、2、3、4)を読み出して、冷熱機器No1,2,3,4に対して運転指令(例えば1)及びQ1,inc ,Q2,inc ,Q3,inc ,Q4,inc を、次の制御タイミングt+1の制御信号として送出する。
(S106)
運転機決定部106が、データ格納部101に格納されている全体冷熱負荷Lと運転台数1台減少時の切替負荷Ldec ’を読み出してメモリ上の変数にセットし、次式(25)の評価を行う。式(25)が成立するときは(S107)へ遷移し、不成立のときは(S108)へ遷移する。
Figure 2013221676
(S107)
制御信号送出部107が、データ格納部101に格納されている運転台数1台減少時の各冷熱機器の空調能力Qk,dec (k=1、2)を読み出して、冷熱機器No1,2に対しては運転指令(例えば1)及びQ1,dec ,Q2,dec を、制御タイミングtで運転していた冷熱機器No3に対しては停止指令(例えば0)を次の制御タイミングt+1の制御信号として送出する。
(S108)
制御信号送出部107が、運転台数切替の必要性がないため、制御タイミングtの運転状態を継続するための制御信号(例えば−1)を次の制御タイミングt+1の制御信号として送出する。
(S109)
制御タイミングtの一連の処理を終了して、次の制御タイミングt+1の処理に向けて(S101)に戻る。
以上、本実施の形態1のような制御装置10において冷熱機器システム200を構成する複数の冷熱機器を制御することにより、切替負荷を運転台数切替の判定値として、対象空間1に必要な全体冷熱負荷に見合うだけの空調能力を確保しつつ、かつ、システム全体としてCOPを大きく維持することができる冷熱機器の好適な運転台数を決定することができる。このとき、あらかじめ設定した各冷熱機器の性能データから構成された代入式を使用して切替負荷を求めるため、記憶容量が小さく演算能力の低いマイコンを主体としたリモコン上でもオンライン運転中に簡便に切替負荷を求めることができる。
なお、実施の形態1では、図8で示すフローチャートを用いて運転台数切替制御処理を説明したが、このフローチャートは実質的に運転台数切替制御処理内容を実行するプログラムにより実現してもよい。このプログラムは、制御装置10としてのリモコンのマイコンに搭載されるが、もちろん制御装置10としてリモコンを使用せずに計算機で構成してもよい。その場合には、例えば、記録媒体であるハードディスク等に格納されているものが考えられる。また、このプログラムを記録したコンピュータ読取可能な媒体は、ハードディスクの他にCD−ROMやMO等であってもよい。さらには、記録媒体を介することなくプログラム自体を、電気通信回線を介して取得するようにすることもできる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る制御装置10は、実施の形態1よりもさらに精度良く運転台数を選択することによって一層の省エネルギー化を実現するため、室内機2及び熱源機3の設置環境の温度を反映した性能曲線を高精度に推定する機能を具備したことを特徴とする。
なお、本実施の形態2に係る制御装置10に必要な冷熱機器システム200の全体構成は図1に示す構成図と同じである。
図9は、本発明の実施の形態2に係る制御装置の機能ブロック図である。
図9に示すように、本実施の形態2における制御装置10は、上記実施の形態1の構成から性能モデルデータ記憶部102を環境変化演算多項式係数記憶部108に変更し、さらに性能モデル多項式係数演算部109を備えている。つまり、本実施の形態2に係る制御装置10は、実施の形態1に示した性能モデルデータ記憶部102として、環境変化演算多項式係数記憶部108及び性能モデル多項式係数演算部109を備えている。
なお、データ格納部101、データ設定部103、冷熱負荷演算部104、切替負荷演算部105、運転機決定部106及び制御信号送出部107は、実施の形態1の機能ブロックと同じである。ここで、「環境変化演算多項式係数記憶部108」が、本発明における「環境変化演算多項式係数記憶手段」に相当する。また、「性能モデル多項式係数演算部109」が、本発明における「性能モデル多項式係数演算手段」に相当する。
環境変化演算多項式係数記憶部108は、室内機2及び熱源機3の設置環境の温度情報を反映した性能モデル多項式(式(17))の係数a,b,cを作成するための近似非線形多項式の係数を記憶する。この近似非線形多項式は、室内機2及び熱源機3の設置環境の温度を関数とした少なくとも2次以上の項を含む近似非線形多項式である。また、本実施の形態2では、この近似非線形多項式の係数を、複数の温度領域に合わせて複数セット記憶している。なお、実施の形態1において性能モデルデータ記憶部102に記憶されていた各冷熱機器の最大能力値Qmax (kW)は、環境変化演算多項式係数記憶部108に記憶されている。各冷熱機器の最大能力値Qmax (kW)を環境変化演算多項式係数記憶部108以外の記憶部に記憶させても勿論よい。
具体的には、各冷熱機器kにおいて、室内機2及び熱源機3の設置環境の温度を、例えば、それぞれ温度センサ23と温度センサ36により計測された冷媒温度で代表させる。このとき、冷却時の室内機2側の冷媒温度の計測値をETk 、熱源機3側の冷媒温度の計測値をCTk とする。計測値は通信線を通じて制御装置10に送信され、各冷熱機器k毎に図10に示すようなデータ形式でデータ格納部101に格納される。
このとき、各冷熱機器kの性能モデル多項式の係数ak ,bk ,ck は次式(26),(27),(28)のような2次以上の近似非線形多項式で、ET、CTを変数として近似できる。ここでは、例として7項から成る最高4次の多項式とする。多項式は定数項を含み2項以上で2次以上から成り、精度良く近似できるものであれば何項でもよい。下記例では、係数をγで表し、ak ,bk ,ck のそれぞれに対して同じ多項式を与えたが、それぞれに異なる多項式を使用してもよい。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
また、熱源機3の構成等によっては、冷熱機器システム200の動作温度領域を一つの近似多項式で精度良く近似できない場合がある。例えば、熱源機3として、複数の圧縮機31を備えた熱源機を用いる場合がある。このような熱源機は、動作温度領域の変化等に伴って、圧縮機31の駆動台数を変更する場合がある。このような熱源機を使用する場合、冷熱機器システム200の動作温度領域を一つの近似多項式で精度良く近似できない場合がある。また、冷熱機器システム200の動作温度領域によっては、例えば図11に示すように、性能モデル多項式の係数a,b,cは、線形に近い変化を示す部分があったり、指数関数的な変化を示す部分があったりする。このような場合も、冷熱機器システム200の動作温度領域を一つの近似多項式で精度良く近似できない場合がある。このため、本実施の形態2では、複数の温度領域に対応した複数の近似多項式を用意することにより一層近似精度を向上させている。つまり、本実施の形態2に係る環境変化演算多項式係数記憶部108では、冷熱機器システム200の動作温度領域を複数に分割し、それぞれの温度領域ごと、冷熱機器ごとに、例えば図12に示すデータ形式で各係数γを格納する。各温度領域はET上下限値及びCT上下限値の組合せにより特定されており、温度領域Noが割り振られている。各温度領域Noのデータは4行で1セットとなっており、1行目にET上下限値、CT上下限値、使用する近似多項式Noと各係数の項数を格納する。2行目は係数aに関する近似多項式の係数を、3行目は同様に係数b、4行目は同様に係数cに関するデータが格納されている。各温度領域の係数a,b,cに対する近似多項式に基づいた演算を実行するように制御装置に演算式を構築しておく。本例では、例えば、温度領域No1,3では、上記の式(26),(27),(28)に示す7項から成る近似多項式を近似多項式No1として与える。また、温度領域No2,4では、係数a用として7項から成る次式(29)の近似多項式を、係数b用として5項から成る次式(30)の近似多項式を、係数c用として4項から成る次式(31)の近似多項式を、近似多項式No2として与える。
Figure 2013221676
Figure 2013221676
Figure 2013221676
計測したET、CTに基づいて、これらの各温度領域に対応する近似多項式Noに相当する近似多項式に、あらかじめ格納されている各係数γと計測したET、CTを代入することにより、設置環境の温度を反映した性能モデルデータの係数a,b,cを作成することができる。
図13は、本発明の実施の形態2に係る制御処理の動作を示すフローチャートである。実施の形態1に係るフローチャート(図8)と異なる点は、演算ステップ(S111)が追加されている点である。また、入力データとしてD103が削除され、環境変化演算多項式係数データD104と温度データD105が追加された点にある。
以下、フローチャートにしたがって説明をする。
(S101)
前記、実施の形態1で説明した内容と同じである。
(S111)
まず、データ設定部103は、環境変化演算多項式係数記憶部108にあらかじめ記憶されている環境変化演算多項式係数データD104と温度データD105を参照する。そして、データ設定部103が、参照した環境変化演算多項式係数データD104と温度データD105を、初期データとして設定して演算の初期化を実行する。このとき、近似多項式に基づいた演算を実行するように用意された代入のためのETk 、CTk 、γk 、及び、結果として得られるak ,bk ,ck (k=1、2、3、4)に相当する変数も初期化を実行する。
具体的には、データ設定部103は、環境変化演算多項式係数データD104より、各冷熱機器k毎に各温度領域の係数データ、温度領域を表すET/CT上下限データ及び近似多項式Noデータを参照し、これらをメモリ上の変数にそれぞれセットする。また、データ設定部103は、温度データD105より計測した各冷熱機器kのETk 、CTk データを参照し、メモリ上の変数にそれぞれセットする。そして、データ設定部103は、結果として得られるak ,bk ,ck に相当するメモリ上の変数を「0」に初期化する。また、データ設定部103は、それらak ,bk ,ck を格納するデータ格納部101の変数を「0」に初期化しておく。
その後、データ設定部103は、各冷熱機器k毎に、上記計測したETk 、CTk の値と、ET/CT上下限データとの大小をそれぞれ比較して温度領域を特定して、その温度領域Noに該当する係数データ及び近似多項式Noを選定する。例えば、ここで選定した温度領域Noが1であったとすると、近似多項式No1に相当する式(26),(27),(28)に基づいた演算を実行するように用意されたETk 、CTk 、γk にメモリ上の変数を代入してak ,bk ,ck を演算し、演算結果をメモリ上の変数に書き込み、最終的にデータ格納部101の変数に書き込む。
これ以降の演算ステップ(S102)〜(S109)は、性能モデルデータの係数ak ,bk ,ck としてデータ格納部101に格納されている(S111)で求めたak ,bk ,ck の値を参照して使用する点、及び最大能力値Qmax (kW)として環境変化演算多項式係数記憶部108に保存したものを使用する点以外は、実施の形態1で述べた処理と同じである。
以上、本実施の形態2のような制御装置10においては、性能モデル多項式の係数a,b,cを室内機2及び熱源機3の設置環境の温度情報に基づいて求めているので、切替負荷(対象空間1に必要な全体冷熱負荷に見合うだけの空調能力を確保しつつ、かつ、システム全体としてCOPを大きく維持することができる冷熱機器の好適な運転台数を決定する際の判定値)をより精度よく求めることができ、冷熱機器システム200をより省エネルギー化できる。
また、性能モデル多項式の係数a,b,cを作成するための近似非線形多項式の係数を複数の温度領域に合わせて複数セット記憶しているので、設置環境により本来変化する性能モデル多項式を連続的に精度良く決定することが可能となる。また、これにより決定した性能モデル多項式を使用することにより、全体冷熱負荷に応じて成績係数を高く維持するための運転台数の増減を決定する切替負荷もさらに精度良く求めることが可能となるため、冷熱機器システム200をさらに省エネルギー化できる。
なお、実施の形態2では、図13で示すフローチャートを用いて運転台数切替制御処理説明したが、このフローチャートは実質的に運転台数切替制御処理内容を実行するプログラムにより実現してもよい。このプログラムは、制御装置10としてのリモコンのマイコンに搭載されるが、もちろん制御装置10としてリモコンを使用せずに計算機で構成することもできる。その場合には、例えば、記録媒体であるハードディスク等に格納されているものが考えられる。また、このプログラムを記録したコンピュータ読取可能な媒体は、ハードディスクの他にCD−ROMやMO等であってもよい。さらには、記録媒体を介することなくプログラム自体を、電気通信回線を介して取得するようにすることもできる。
1 対象空間、2 室内機、3 熱源機、10 制御装置、21 室内熱交換器、22 室内送風機、23 温度センサ、31 圧縮機、32 四方弁、33 室外熱交換器、34 室外送風機、35 絞り装置、36 温度センサ、101 データ格納部、102 性能モデルデータ記憶部、103 データ設定部、104 冷熱負荷演算部、105 切替負荷演算部、106 運転機決定部、107 制御信号送出部、108 環境変化演算多項式係数記憶部、109 性能モデル多項式係数演算部、200 冷熱機器システム。

Claims (4)

  1. 同一空間を空調対象空間として設置された複数の冷熱機器を制御する制御装置であって、
    複数の前記冷熱機器ごとに、空調能力と消費電力との関係を表す第一の多項式の係数を少なくとも含む性能モデルデータが記憶される性能モデルデータ記憶手段と、
    複数の前記冷熱機器の冷熱負荷の合計値である全体冷熱負荷を求める全体冷熱負荷演算手段と、
    前記第一の多項式の係数により表現された数式に前記第一の多項式の係数を代入し、「現在運転中の前記冷熱機器全体の成績係数」と「現在運転中の前記冷熱機器に運転する前記冷熱機器を1台加えた場合の成績係数」とが等しくなる全体冷熱負荷である第一の切替負荷と、「現在運転中の前記冷熱機器全体の成績係数」と「現在運転中の前記冷熱機器から運転する前記冷熱機器を1台減少させた場合の成績係数」とが等しくなる全体冷熱負荷である第二の切替負荷と、を求める切替負荷演算手段と、
    前記全体冷熱負荷と前記第一の切替負荷及び前記第二の切替負荷との大小を比較することにより、運転させる前記冷熱機器の台数を決定する運転機決定手段と、
    運転、停止及び運転する際の空調能力に関する制御信号を、複数の前記冷熱機器のそれぞれに送出する制御信号送出手段と、
    を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 前記冷熱機器のそれぞれは、前記空調対象空間に設置された室内機、及び、前記空調対象空間の外部に設置された熱源機を備えたものであり、
    前記室内機の設置環境の温度を計測する第一の温度検出手段と、
    前記熱源機の設置環境の温度を計測する第二の温度検出手段と、
    を備え、
    前記性能モデルデータ記憶手段は、
    前記室内機の設置環境の温度及び前記熱源機の設置環境の温度を変数として前記第一の多項式の係数を演算する少なくとも二次以上の項を含む第二の多項式の係数を記憶する環境変化演算多項式係数記憶手段と、
    前記第一の温度検出手段の計測値データ、前記第二の温度検出手段の計測値データ及び前記第二の多項式の係数を前記第二の多項式に代入することにより、前記第一の多項式の係数を演算する性能モデル多項式係数演算手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 第二の多項式の係数は、
    前記室内機の設置環境の温度及び前記熱源機の設置環境の温度に基づいて分割された複数の領域ごとに記憶されていることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 同一空間を空調対象空間として設置された複数の冷熱機器と、
    複数の前記冷熱機器を制御する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の制御装置と、
    を備えたことを特徴とする冷熱機器システム。
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