JP2013221597A - 樹脂部材の締結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂部材の回転及びズレを抑制することができる樹脂部材の締結構造を得る。
【解決手段】貫通孔12Aを備えた板状の金属部材12と、この金属部材12に重ね合わされた板状の樹脂部材14と、を備えている。樹脂部材14に形成された孔部14Aには、金属製のカラー16の筒部16Aが挿入されている。カラー16は、ボルト貫通孔18を備えた筒部16Aの一端に形成された鍔部16Bと、鍔部16Bの樹脂部材14側の面から樹脂部材14側に突出するスパイク状の突起28と、を備えている。樹脂部材14の側からボルト20の軸部20Aをカラー16のボルト貫通孔18及び金属部材12の貫通孔12Aに貫通させ、金属部材12の側からナット22を螺合させて金属部材12と樹脂部材14とを締結固定する。この締結時の軸力でカラー16の突起28が樹脂部材14に食い込む。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂部材を金属部材にボルトとナットにより締結固定するための樹脂部材の締結構造に関する。
下記特許文献1には、合成樹脂製部材のフランジ部にインサート成形によりカラーを嵌合固着させると共に、ボルトの頭部の裏面に環状平面部を有する環状凸部を設け、ボルトを締め付けることで、合成樹脂製部材と金属製のシリンダブロックとを固定した構造が開示されている。この構造では、ボルトを締め付けたときに、ボルトの頭部の環状凸部がフランジ部上面を弾性的に凹ませて押圧し、カラーも押圧することで、締付力が合成樹脂製部材に大きな負荷を与えることを軽減する。
実開平5−12712号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造では、ボルトの頭部の裏面に環状平面部を有する環状凸部が設けられているため、ボルトを締め付けたときに、先端の環状平面部が樹脂部材に鋭く食い込まず、樹脂部材の回転やズレが発生する可能性がある。
また、合成樹脂製部材のフランジ部にインサート成形によりカラーを嵌合固着させるため、例えば、車両用樹脂ドアなどのような大型の成形品に対しては、多数のカラーを嵌合固着しなければならず、コストが上昇する。
本発明は上記事実を考慮し、樹脂部材の回転及びズレを抑制することができる樹脂部材の締結構造を得ることが目的である。
請求項1の発明に係る樹脂部材の締結構造は、貫通孔を備えた板状の金属部材と、前記金属部材に重ね合わされ、孔部を備えた板状の樹脂部材と、ボルト貫通孔が形成されると共に前記樹脂部材の前記孔部に挿入される筒部を備えた金属製のカラーと、一方の側から前記カラーの前記ボルト貫通孔及び前記金属部材の前記貫通孔に貫通され、他方の側からナットを螺合させて前記金属部材と前記樹脂部材とを締結固定するボルトと、前記カラーにおける前記筒部の一端に形成された鍔部の前記樹脂部材側の面に設けられ、前記樹脂部材の側に突出するスパイク状の突起と、を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の樹脂部材の締結構造において、前記突起は、前記カラーの鍔部の最外周に設けられている。
請求項1記載の本発明によれば、貫通孔を備えた板状の金属部材に、孔部を備えた板状の樹脂部材が重ね合わされ、樹脂部材の孔部に金属製のカラーの筒部が挿入されている。ボルトが一方の側からカラーのボルト貫通孔及び金属部材の貫通孔に貫通され、他方の側からナットを螺合させることで、ボルトとナットにより金属部材と樹脂部材とが締結固定される。その際、カラーの筒部の一端に形成された鍔部の樹脂部材側の面には、樹脂部材の側に突出するスパイク状の突起が設けられており、ボルトとナットによる締結時に、突起が樹脂部材に食い込む。これにより、樹脂部材の回転及びズレが抑制される。
請求項2記載の本発明によれば、突起は、カラーの鍔部の最外周に設けられているため、突起の形成時の材料の流れが良くなり、先端が鋭角で、かつ長さの長い突起を形成することが可能となる。これにより、ボルトとナットによる締結時に、突起がより確実に樹脂部材に食い込む。
本発明に係る樹脂部材の締結構造によれば、樹脂部材の回転及びズレを抑制することができる。
一実施形態に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図である。 (A)は、カラーを突起の側から見た状態で示す斜視図であり、(B)は、カラーの軸方向に沿った断面図である。 (A)は、先端が鋭利な突起が樹脂部材に食い込んだ状態を示す断面図であり、(B)は、第1比較例の突起であって、先端に平面部が形成された突起と樹脂部材の接触部付近を示す断面図である。 図1に示すカラーにより、カラーの筒部の外径と樹脂部材の孔部の内径とのバラツキを吸収させる状態を示す断面図である。 図1に示す樹脂部材の締結構造が適用された樹脂製のバックドアの車両幅方向外側端部付近を示す断面図である。 第2比較例に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図である。 (A)は、第3比較例に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図であり、(B)は第3比較例に係る樹脂部材の締結構造に用いられる段付ボルトを示す斜視図である。 図7に示す樹脂部材の締結構造において、樹脂部材がせん断方向にずれた状態を示す断面図である。 第4比較例に係る樹脂部材の締結構造を示す断面図である。
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る樹脂部材の締結構造の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印RRは車両後方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
図1には、一実施形態の樹脂部材の締結構造10が断面図にて示されている。また、図2(A)、(B)には、図1に示す樹脂部材の締結構造10に用いられるカラー16が斜視図及び断面図にて示されている。図1に示されるように、樹脂部材の締結構造10は、金属パネルからなる板状の金属部材12と、この金属部材12の上に重ね合わされた板状の樹脂部材14と、を備えている。
金属部材12には、平面視にて円形の貫通孔12Aが形成されており、貫通孔12Aにボルト20の軸部20Aが貫通される。樹脂部材14には、平面視にて円形の孔部14Aが形成されている。
また、樹脂部材の締結構造10は、樹脂部材14の孔部14Aに挿入される筒部16Aを有する金属製のカラー16を備えている。カラー16の筒部16Aには、軸方向に沿って平面視にて円形のボルト貫通孔18が形成されている。さらに、樹脂部材の締結構造10は、カラー16のボルト貫通孔18及び金属部材12の貫通孔12Aに樹脂部材14の側(一方の側)から軸部20Aが挿通されるボルト20と、金属部材12の側(他方の側)からボルト20の軸部20Aに形成されたねじ部に螺合されるナット22と、を備えている。ボルト20の軸部20Aの軸方向の一端には、平面視にて六角形状の頭部20Bが設けられている。
図1及び図2(A)、(B)に示されるように、カラー16は、ボルト貫通孔18が形成された円筒状の筒部16Aと、筒部16Aの軸方向の一端に形成された鍔部16Bと、を備えている。カラー16は、鍔部16Bが樹脂部材14の上面(表面)側に配置された状態で、筒部16Aが樹脂部材14の孔部14Aに挿入されている。
鍔部16Bは、平面視にて円形状に形成されており、鍔部16Bの裏面(筒部16Aの側を向いた面)26の外周縁(最外周)には、筒部16Aに沿って突出するスパイク状の突起28が形成されている。すなわち、カラー16の筒部16Aが樹脂部材14の孔部14Aに挿入された状態では、鍔部16Bの突起28は樹脂部材14の上面(表面)側に向かって突出している(図1参照)。突起28は、先端が略尖形で鋭利な形状とされており、断面視にて突起28の先端の角部は鋭角となっている。なお、本実施形態では、突起28の先端の角部は、製造上の金型形状により、角部が若干切り欠かれた形状とされている。突起28の先端は、ボルト20の軸部20Aにナット22を螺合させて樹脂部材14と金属部材12とを締結固定したときに、樹脂部材14の上面(表面)に食い込みが可能とされている。突起28は、鍔部16Bの裏面26の外周縁に周方向に沿って連続して形成されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示されるように、カラー16の鍔部16Bに突起28を形成することで、ボルト20の軸部20Aにナット22を螺合させて樹脂部材14と金属部材12とを締結固定したときに、この突起28がボルト20とナット22の締結時の軸力で樹脂部材14の表面に食い込む。これにより、樹脂部材14の厚み方向にバラツキが生じても(例えば、樹脂部材14の孔部14Aの周囲で厚み方向にバラツキが生じても)、突起28が締結時の軸力で樹脂部材14に食い込むことで、樹脂部材14とカラー16とのズレを防止又は抑制することができる。言い換えると、突起28の樹脂部材14への食い込み深さで、樹脂部材14の厚み方向のバラツキを吸収し、樹脂部材14とカラー16とのズレを防止又は抑制することができる。
本実施形態では、カラー16の鍔部16Bの外周縁(最外周)に突起28が設けられており、金属加工(本例では鍛造)により突起28を形成するときに、材料の流れが良くなる。これにより、図2(B)に示されるように、より鋭利な突起28の形状、すなわち、鍔部16Bの裏面26からの高さHが高く、カラー16の半径方向における突起28の幅Wが細い(小さい)形状を形成することが可能である。
鍔部16Bの裏面26からの突起28の高さHが高いことで、樹脂部材14の厚みのバラツキにより確実に対応することができる。言い換えると、同じ厚みバラツキの樹脂部材14であれば、突起28がより深く食い込むようにすることができ、樹脂部材14の固定力がより強くなる。また、カラー16の半径方向における突起28の幅Wが細い(小さい)ことにより、突起28を樹脂部材14に食い込ませるための軸力が小さくてすむ。図3(A)に示されるように、カラー16の半径方向における突起28の幅Wが細いことで、低い軸力で突起28が樹脂部材14に食い込む。
突起28を食い込ませるための軸力は、樹脂部材14のクリープ変形により、いずれ低下するため、部材の固定のためには使われない。つまり、初期の軸力は、「部材を固定するための軸力」と「樹脂部材14に突起28を食い込ませる軸力」であり、「部材を固定するための軸力」は、ボルト20とカラー16と金属部材12とナット22による固定であり、各部品が金属であるため、軸力がほとんど低下しない。これに対し、「樹脂部材14に突起28を食い込ませる軸力」は、樹脂部材14のクリープ変形により低下するため、極力小さくし、部材の固定には使わないようにしている。
ここで、クリープ変形とは、樹脂部材に荷重を加え続けると、長時間連続的に変形が続く現象をいう。例えば、ボルトの頭部で樹脂部材を締め付けると、クリープ現象によって時間の経過によりボルト締めの圧力が低下する。
図3(A)に示されるように、カラー16の半径方向における突起28の幅Wが細い(小さい)ことで、低い軸力で突起28が樹脂部材14に食い込むが、カラーの半径方向における突起の幅Wが大きくなると、突起が樹脂部材14に食い込みにくくなる。
図3(B)に示す第1比較例のカラー116では、カラー116の鍔部16Bの半径方向における突起118の幅W2が大きく、突起118の先端に平面部119が形成されている。このカラー116では、締結時に突起118の平面部119が樹脂部材14の表面に当たり、突起118が樹脂部材14に食い込みにくい。このため、樹脂部材14が回転し、カラー116の軸方向と直交する方向(矢印Dに示すせん断方向)に樹脂部材14がずれる可能性がある。
これに対して、本実施形態の樹脂部材の締結構造10では、図1に示されるように、カラー16の突起28が樹脂部材14に食い込むことで、樹脂部材14の回転や、カラー16に対する樹脂部材14のせん断方向のズレを防止又は抑制することができる。
また、図4に示されるように、カラー16の鍔部16Bの外周縁(最外周)に突起28が形成されていることで、鍔部16Bの半径方向の途中に突起を設けた場合と比較して、カラー16の鍔部16Bの外径Aを小さくすることができる。これにより、カラー16の鍔部16Bがボルト20の頭部20Bから半径方向外側に突出する量が少なくなり、見栄えが良好となる。
また、突起28の樹脂部材14への食い込みにより、カラー16に対する樹脂部材14のせん断方向のズレを防止又は抑制することができる。これにより、図4に示されるように、カラー16の筒部16Aの外壁面と樹脂部材14の孔部14Aの内壁面との間に隙S1を与え、筒部16Aの外径と孔部14Aの内径とのバラツキを吸収させることができる。このため、ボルト20の軸部20Aと、カラー16の筒部16Aの内壁面との間の隙Bを最小とすることができる。これにより、ボルト20とカラー16の中心軸に大きなズレがなく、見栄えが良好である。
なお、本実施形態では、突起28は、鍔部16Bの裏面26の周縁部に周方向に沿って連続して形成されているが、これに限定されず、周方向の一部に不連続な部分があってもよい。
また、本実施形態では、ナット22が用いられているが、ナット22に代えて、金属部材12に溶接等により固着されるウェルドナットを用いてもよい。
次に、樹脂部材の締結構造10が適用された一例として、車両用のバックドア40について説明する。
図5に示されるように、車両のボデー本体60の後端部には、略矩形状のバックドア開口部61が設けられており、バックドア開口部61はバックドア40によって開閉される。バックドア40は、上端部がボデー本体60の後端部にヒンジ(図示省略)によって開閉可能に支持されている。
バックドア40は、車室外側(車両外側)に配置された樹脂製のアウタパネル42と、アウタパネル42の車室内側(車両内側)に配置された樹脂製のインナパネル44と、を備えている。言い換えると、アウタパネル42は、インナパネル44の車両前後方向後方側に配置されている。
インナパネル44の車両幅方向外側の端部は、車両幅方向に沿った平断面が略ハット状に屈曲された凹状部44Aを備えており、凹状部44Aが車両後方側に開口するように配置されている。凹状部44Aの車両幅方向外側には、凹状部44Aの後端部から略車両幅方向外側に延びたフランジ部44Bが形成されている。
アウタパネル42の車両幅方向外側の端部42Aは、インナパネル44のフランジ部44Bよりも車両幅方向外側に延びており、アウタパネル42の端部42Aには、車両前方側に屈曲された屈曲部42Bが形成されている。インナパネル44のフランジ部44Bの後面とアウタパネル42の端部42Aの前面とはポリウレタン等の接着剤48により接合されている。インナパネル44の凹状部44Aの車両幅方向内側には、インナパネル44を覆うようにバックドアトリム58が設けられている。
インナパネル44の凹状部44Aの内部には、金属製(例えば鉄製)のリインフォース46が車両上下方向に沿って配設されている。リインフォース46は、板状部材からなり、断面が略ハット状に屈曲されている。リインフォース46は、車両幅方向外側端部に形成された平面状の壁部46Aがインナパネル44の凹状部44Aの車両幅方向外側端部に形成された平面状の壁部45に面接触状態で配置されている。樹脂製のインナパネル44の壁部(樹脂部材)45と金属製のリインフォース46の壁部(金属部材)46Aとは、本実施形態の樹脂部材の締結構造10により締結固定されている。
樹脂部材の締結構造10には、カラー16とボルト20とウェルドナット50とが用いられている。ウェルドナット50は、リインフォース46のインナパネル44と反対側の面に溶接等により固着されている。ボルト20をウェルドナット50に締結することで、カラー16の突起28がインナパネル44の壁部45に食い込む。これにより、インナパネル44の壁部45のせん断方向のズレを防止又は抑制することができる。
なお、リインフォース46の車両幅方向内側の端部46Bは、インナパネル44の凹状部44Aの車両幅方向内側の壁部と、締結具56を用いて締結固定されている。
また、ボデー本体60は、車室外側に配置されたアウタパネル62と、車両内側に配置された金属製のトルフパネル64と、トルフパネル64の車両内側に配置されたリインフォース66と、を備えている。リインフォース66の両端部はトルフパネル64に接合されて閉断面部を構成している。トルフパネル64とリインフォース66の車両内側の接合部には、バックドア40が閉止時に接触するウェザーストリップ78が取り付けられている。また、ボデー本体60の車両内側には、デッキサイドトリム68が配置されている。
このようなバックドア40では、樹脂製のインナパネル44の壁部45と金属製のリインフォース46の壁部46Aが、カラー16とボルト20とウェルドナット50を用いて締結固定されており、カラー16の突起28がインナパネル44の壁部45に食い込んでいる。これにより、カラー16に対するインナパネル44の壁部45のせん断方向のズレを防止又は抑制することができる。
図6には、第2比較例の樹脂部材の締結構造120が示されている。
図6に示されるように、この樹脂部材の締結構造120では、金属製のカラー122は、樹脂部材14の孔部14Aに挿入される筒部122Aと、筒部122Aに形成されたボルト貫通孔124と、筒部122Aの一端に形成された鍔部122Bとを備えている。カラー122の筒部122Aが樹脂部材14の孔部14Aに挿入された状態で、鍔部122Bの裏面が樹脂部材14の表面に接触している。このカラー122は、鍔部122Bの裏面は平面状とされており、鍔部122Bの外周縁に突起は設けられていない。
このカラー122は、筒部122Aの外壁面と樹脂部材14の孔部14Aの内壁面との間にほとんど隙が設けられておらず、カラー122のせん断方向のズレを樹脂部材14の孔部14Aの内壁面で抑止しようとしている(この場合でも、樹脂部材14の孔部14Aのバラツキ分の隙やガタが残る)。このため、樹脂部材14の孔部14Aとの間のバラツキを吸収するために、ボルト20の軸部20Aとカラー122のボルト貫通孔124の内壁面との間の隙S2を大きくする必要がある。これによって、図6中のB、Cに示されるように、ボルト20とカラー122の偏心が起き、見栄えが悪化する。
これに対して、本実施形態の樹脂部材の締結構造10では、図4に示されるように、カラー16の筒部16Aの外壁面と樹脂部材14の孔部14Aの内壁面との間に隙S1を与え、ボルト20の軸部20Aとカラー16の筒部16Aの内壁面との間の隙Bを最小とすることで、ボルト20とカラー16の中心軸に大きなズレはなく、見栄えが良好である。
図7(A)及び図8には、第3比較例の樹脂部材の締結構造130が示されている。
図7(A)及び図8に示されるように、この樹脂部材の締結構造130では、樹脂部材14と金属部材12とを締結固定するために段付ボルト132が用いられている。図7(B)に示されるように、段付ボルト132は、ねじ部が形成された軸部132Aと、軸部132Aの先端と反対側に軸部132Aの外径より外径が大きく形成された円柱状の段部132Bと、段部132Bの軸部132Aと反対側に隣接して形成されたフランジ部132Cと、フランジ部132Cの段部132Bと反対側に隣接して形成された頭部132Dと、を備えている。
図7(A)に示されるように、この樹脂部材の締結構造130では、金属部材12の下面の貫通孔12Aの縁部にウェルドナット136が溶接等により接合されている。そして、樹脂部材14の側から孔部14Aに段付ボルト132の軸部132Aを挿入し、軸部132Aを金属部材12の貫通孔12Aを貫通させてウェルドナット136に螺合させる。段付ボルト132を締め付けることで、樹脂部材14の孔部14Aに段付ボルト132の段部132Bが挿入され、段部132Bの下面133が金属部材12に当接される。この状態で、段付ボルト132のフランジ部132Cが樹脂部材14の表面に接触し、金属部材12と樹脂部材14とが固定される。
図9には、第4比較例の樹脂部材の締結構造150が示されている。
図9に示されるように、この樹脂部材の締結構造150では、樹脂部材14と金属部材12とを締結固定するためにフランジボルト152と金属製のカラー154とが用いられている。フランジボルト152は、ねじ部が形成された軸部152Aと、軸部152Aの先端と反対側に軸部152Aの外径より外径が大きく形成されたフランジ部152Bと、フランジ部152Bの軸部152Aと反対側に隣接して形成された頭部152Cと、を備えている。カラー154は、樹脂部材14の厚みとほぼ同じ長さの円筒体とされている。
この樹脂部材の締結構造150では、樹脂部材14の孔部14Aにカラー154を挿入し、フランジボルト152の軸部152Aをウェルドナット136に螺合させることで、フランジボルト152のフランジ部152Bが樹脂部材14の表面に接触し、金属部材12と樹脂部材14とが固定される。
上記のような樹脂部材の締結構造130、150では、樹脂部材14のクリープ変形による軸力の低下を防ぐため、段付ボルト132、カラー154及びフランジボルト152を用いることで、樹脂部材14に軸力を伝えない構造となっている。
しかし、上記のような締結構造130、150では、特にせん断方向に大きな荷重が加わる場合、金属部材12と樹脂部材14との間にズレが発生する。すなわち、各部材は、精度バラツキを持っており、例えば、樹脂部材14は、パネルの厚みや孔部14Aの内径、図7(A)に示す段付ボルト132は段部132Bの外径や軸方向の高さのバラツキを持っている。また、図9に示すカラー154は、外径や軸方向の高さのバラツキを持っている。さらに、樹脂部材14と金属部材12は、互いの加工、組付精度を許容する逃がし孔の構造を持っている。
このため、図8に示されるように、締結により一体となっている段付ボルト132及び金属部材12と樹脂部材14との間には、厚み方向の隙(フランジ部132Cと樹脂部材14の表面との間の隙)、及び段部132Bの外壁面と孔部14Aの内壁面との間の隙S3が発生する。これにより、大きな荷重が加わる場合に、樹脂部材14がせん断方向(矢印D方向)にずれる可能性がある。
同様に、締結により一体となっているフランジボルト152、カラー154及び金属部材12と樹脂部材14との間には、厚み方向の隙、及びカラー154の外壁面と孔部14Aの内壁面との間の隙が発生し、大きな荷重が加わる場合に、樹脂部材14がせん断方向にずれる可能性がある。
これに対して、本実施形態の樹脂部材の締結構造10では、図1に示されるように、カラー16の突起28が樹脂部材14に食い込むことで、樹脂部材14の回転や、カラー16に対する樹脂部材14のせん断方向のズレを防止又は抑制することができる。
本実施形態では、カラー16に突起28が設けられているが、第5比較例として、ボルトの頭部に突起を設ける場合も考えられる。この第5比較例では、ボルトの頭部に突起を設けることで、締結時にボルトが回転するため、ボルトに設けられた突起自体が回転しならが樹脂部材を削ることになり、突起の樹脂部材への食い込み状態が良くない。
また、第6比較例として、第5比較例のボルトに代えて、ナットに突起を設けた場合には、突起自体が回転するため、同様に突起の樹脂部材への食い込み状態が良くない。
これに対して、本実施形態では、カラー16に突起28を設けてボルト20を締め付けることにより、締め付けトルクがダイレクトに入ってカラー16の突起28が樹脂部材14に食い込むため、突起28がしっかりと食い込みやすい。
なお、本実施形態において、突起28の形状は、締結時の軸力で樹脂部材14の表面に食い込み可能な形状であれば、先端の角部の角度などの変更が可能である。
また、本実施形態では、樹脂部材14及びカラー16の側からボルト20が貫通され、金属部材12の側からボルト20の軸部20Aにナット22が螺合されているが、これに限定されず、金属部材12の側からボルトが貫通され、樹脂部材14及びカラー16の側からナットがボルトの軸部に螺合されることで、樹脂部材14と金属部材12とを締結固定する構成でもよい。
また、本実施形態では、樹脂部材の締結構造が適用された車両用のバックドアの例を説明したが、バックドアに限定されず、樹脂部材と金属部材とを締結固定する車両用ドア、車両用のボデー本体などにも本発明を適用することができる。
また、車両用部材に限定するものではなく、樹脂部材と金属部材とを締結固定する構造であれば、本発明を適用することができる。
10 樹脂部材の締結構造
12 金属部材
12A 貫通孔
14 樹脂部材
14A 孔部
16 カラー
16A 筒部
16B 鍔部
18 ボルト貫通孔
20 ボルト
22 ナット
28 突起
44 インナパネル(樹脂部材)
45 壁部(樹脂部材)
46 リインフォース(金属部材)
46A 壁部(金属部材)
50 ウェルドナット(ナット)

Claims (2)

  1. 貫通孔を備えた板状の金属部材と、
    前記金属部材に重ね合わされ、孔部を備えた板状の樹脂部材と、
    ボルト貫通孔が形成されると共に前記樹脂部材の前記孔部に挿入される筒部を備えた金属製のカラーと、
    一方の側から前記カラーの前記ボルト貫通孔及び前記金属部材の前記貫通孔に貫通され、他方の側からナットを螺合させて前記金属部材と前記樹脂部材とを締結固定するボルトと、
    前記カラーにおける前記筒部の一端に形成された鍔部の前記樹脂部材側の面に設けられ、前記樹脂部材の側に突出するスパイク状の突起と、
    を有する樹脂部材の締結構造。
  2. 前記突起は、前記カラーの鍔部の最外周に設けられている請求項1に記載の樹脂部材の締結構造。
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