JPWO2014061122A1 - シールワッシャ付きナット - Google Patents
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Abstract
弛みが生ずることがなく、安定した止水機能を有し、締結作業性が良好なシールワッシャ付きナットを提供する。ナット本体1の座面側にシールワッシャ2を取付けたシールワッシャ付きナットである。このシールワッシャ2は、外周部の下面7が内周部の下面8よりも高くなった段付き形状を有する。内周部の下面8を締結時に相手部材とのメタルタッチ面とし、外周部の下面7に内周部の下面8よりも下方に突出する弾性シール材10を設けたものである。
Description
本発明は、ボルトと組み合わせて使用される止水機能を備えたシールワッシャ付きナットに関するものである。
例えば自動車のボディにリアスポイラーのようなパーツを取付けるためには、ボディに貫通孔を形成してボルトを挿通し、ナットで固定している。ボディとボルトの座面との間には表面に止水用のスポンジを貼り付けたワッシャを介在させ、ボルトと貫通孔との隙間からの水の浸入を防止している。その一例が、特許文献1及び特許文献2に示されている。
ところがこのようなスポンジ付きのワッシャは、相手部材であるボディとの間にメタルタッチ部がないため、弛みが生ずる懸念があった。また、弛まないようにボルトを強く締め付けると、止水用のスポンジが締め付け荷重により変形してしまい、止水機能が損なわれる懸念もあった。さらに、ボルト締結時にスポンジ付きのワッシャを嵌め込まねばならず、締結作業性が悪いという問題があった。
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、弛みが生ずることがなく、安定した止水機能を有し、締結作業性が良好なシールワッシャ付きナットを提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、ナット本体の座面側にシールワッシャを取付けたシールワッシャ付きナットであって、このシールワッシャは、外周部の下面が内周部の下面よりも高くなった段付き形状を有し、前記内周部の下面を締結時に相手部材とのメタルタッチ面とし、前記外周部の下面に前記内周部の下面よりも下方に突出する弾性シール材を設けたことを特徴とするものである。
なお、請求項2のように、シールワッシャがナット本体の座面側にかしめ固定されている構造であることが好ましく、また請求項3のように、ナット本体をフランジ付きナットとすることができる。
本発明のシールワッシャ付きナットは、ボルト等の締結具と組み合わせて使用されるものであり、中心孔に挿通されるボルト等によってシールワッシャに軸方向の締結力が加えられると、先ず外周部の下面に設けられた外周部の弾性シール材が圧縮されて相手材の表面に密着する。この状態からさらにシールワッシャに軸方向の締結力が加えられると、シールワッシャの内周部の下面が相手部材とメタルタッチした状態となる。
このように本発明のシールワッシャ付きナットは、締結完了状態においてはシールワッシャの内周部が相手部材とメタルタッチするため、ボルト等に軸力を与えて締結すれば、弛みが生ずることがない。しかも従来とは異なり、外周部の弾性シール材にはそれ以上の圧縮荷重が作用することがないため、外周部の弾性シール材が押し潰されるように変形することもなくなり、止水機能が損なわれることもない。
また本発明のシールワッシャ付きナットは、ナット本体の座面側にシールワッシャを取付けた構造であるので、従来のように締結時にワッシャを嵌め込む必要がなく、締結作業性が良好となる。
また請求項2のように、シールワッシャをナット本体の座面側にかしめ固定した構造とすれば、シールワッシャとナット本体との間から水が浸入しにくくなる。また請求項3のようにナット本体をフランジ付きナットとしておけば、シールワッシャの外周部まで均一に軸力を作用させることができ、外周部の弾性シール材をより確実に圧縮することができる。
以下に本発明の実施形態を説明する。
図1、図2は本発明の第1の実施形態を示す図である。これらの図において、1はナット本体、2はナット本体1の座面側に取付けられたシールワッシャである。この第1の実施形態におけるナット本体1は六角ナットであり、座面3の下方に突設されたリング状のスカート部4の先端をシールワッシャ2の中心孔5の内側で押し拡げるように塑性変形させ、ナット本体1とシールワッシャ2とをかしめ結合している。スカート部4の先端はシールワッシャ2の下面よりも下方に突出しないようにしておく。
図1、図2は本発明の第1の実施形態を示す図である。これらの図において、1はナット本体、2はナット本体1の座面側に取付けられたシールワッシャである。この第1の実施形態におけるナット本体1は六角ナットであり、座面3の下方に突設されたリング状のスカート部4の先端をシールワッシャ2の中心孔5の内側で押し拡げるように塑性変形させ、ナット本体1とシールワッシャ2とをかしめ結合している。スカート部4の先端はシールワッシャ2の下面よりも下方に突出しないようにしておく。
このように、シールワッシャ2がナット本体1の座面側にかしめ固定されている構造とすれば、締結作業性が向上するとともに、シールワッシャ2とナット本体1との間から水が浸入しにくくなる利点がある。なお、シールワッシャ2とナット本体1とを溶接により一体化した構造とすることも可能である。
シールワッシャ2は円形の金属板であり、ナット本体1のめねじ孔6よりも大径の中心孔5を備えている。シールワッシャ2の上面は平面であってナット本体1の座面3と密着しているが、シールワッシャ2の外周部の下面7は、内周部の下面8よりも高くなった(薄くなった)段付き形状となっている。そしてこの外周部の下面7に、内周部の下面8よりも下方に突出するリング状の弾性シール材10が設けられている。後述するように、内周部の下面8は締結時に相手部材とのメタルタッチ面となる。
弾性シール材10の材質は例えばオレフィン系エラストマーであるが、これに限定されるものではなく、ゴム等の一般的なシール材料を使用することができる。また弾性シール材10をシールワッシャ2の外周部の下面7に取付ける手段は任意であり、インサート成形法によって一体成形してもよく、あるいは接着剤で貼り付けることも可能である。
図3は第1の実施形態のシールワッシャ付きナットをボルト20と組み合わせ、2枚の相手部材A,Bの締結を行なった状態を示している。締結開始時にはシールワッシャ2の下方に突出している弾性シール材10が先ず相手部材Aの表面に接触するが、さらにボルト20をナット本体1に捻じ込んで行くと弾性シール材10は次第に圧縮されて行き、最終的には図5に示すように、シールワッシャ2の内周部の下面8が相手部材Aとメタルタッチした状態となる。この締結状態においてボルト20に軸力を与えておけば弛みが生ずることがなくなる。また弾性シール材10はそれ以上圧縮されることもないため、弾性シール材10が押し潰されるように変形することもなくなる。この結果、安定した止水機能を半永久的に維持することが可能となる。
なお、シールワッシャ2の内周部の下面8の面積は、必要とされる締結軸力と、相手部材の強度に応じて決定される。また、外周部の下面7と内周部の下面8との段差は、必要とする弾性シール材10の圧縮率に応じて決定される。
図4、図5は本発明の第2の実施形態を示す図である。この第2の実施形態では、ナット本体1がフランジナットである。この場合にはフランジ11がシールワッシャ2の外周部まで延びているため、第1の実施形態に比べてシールワッシャ2の全面に均一に軸力を作用させることができ、外周部の弾性シール材10をより確実に圧縮することができる利点がある。その他の点は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図6、図7は本発明の第3の実施形態を示す図である。この第3の実施形態では、ナット本体1が角型ナットであり、その側面に形成された凹部12を利用して他の部材に固定することができる構造となっている。その他の点は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上に説明したように、本発明のシールワッシャ付きナットは、締結完了状態においてはシールワッシャ2の内周部の下面8が相手部材とメタルタッチするため、従来のように弛みが生ずることがない。しかも外周部に設けられた弾性シール材10にはそれ以上の圧縮荷重が作用することがないため、弾性シール材10が押し潰されるように変形することもなくなり、止水機能が損なわれることもない利点がある。さらにナット本体1とシールワッシャ2とが一体化されているので、締結作業性を向上させることができる。
1 ナット本体
2 シールワッシャ
3 座面
4 スカート部
5 中心孔
6 めねじ孔
7 外周部の下面
8 内周部の下面
11 フランジ
12 凹部
20 ボルト
2 シールワッシャ
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8 内周部の下面
11 フランジ
12 凹部
20 ボルト
Claims (3)
- ナット本体の座面側にシールワッシャを取付けたシールワッシャ付きナットであって、このシールワッシャは、外周部の下面が内周部の下面よりも高くなった段付き形状を有し、前記内周部の下面を締結時に相手部材とのメタルタッチ面とし、前記外周部の下面に前記内周部の下面よりも下方に突出する弾性シール材を設けたことを特徴とするシールワッシャ付きナット。
- シールワッシャが、ナット本体の座面側にかしめ固定されていることを特徴とする請求項1記載のシールワッシャ付きナット。
- ナット本体が、フランジ付きナットであることを特徴とする請求項1記載のシールワッシャ付きナット。
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- 2012-10-17 JP JP2014541867A patent/JPWO2014061122A1/ja active Pending
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CN113464541A (zh) * | 2020-03-31 | 2021-10-01 | 株式会社托普拉 | 螺纹紧固件 |
CN113464541B (zh) * | 2020-03-31 | 2023-08-08 | 株式会社托普拉 | 螺纹紧固件 |
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WO2014061122A1 (ja) | 2014-04-24 |
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