JP2016114139A - 炭素繊維強化樹脂材の締結構造 - Google Patents

炭素繊維強化樹脂材の締結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】液体が炭素繊維強化樹脂(以下、「CFRP」と称する)材と金属製のカラーとの間に浸入することを抑制することにより、金属製のカラーの電食を抑制する。
【解決手段】カラー15の第1部材16は、貫通孔14のCFRP材10の表面10a側の周縁部に接着剤18を介して当接するツバ部19と、本体部20と、を有する。カラー15の第2部材17は、貫通孔14のCFRP材10の裏面10b側の周縁部に接着剤23を介して当接する当接部24と、対向部25と、を有する。CFRP材10の貫通孔14にカラー15を装着して、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とを離間して配置する。そして、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接するまで、カラー15の第1部材16と第2部材17とを互いに近接する方向に押圧することにより、カラー15をCFRP材10の貫通孔14の周縁部に固定させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭素繊維強化樹脂(以下、「CFRP」と称する)材の締結構造に関する。
従来から、締結具を用いてCFRP材と被締結物とを締結するCFRP材の締結構造が公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ボルトおよびナットを用いてCFRP材とブラケットとを締結する技術が開示されている。
CFRPを構成する樹脂はクリープ変形する性質を有するので、高強度のボルトを締結具として使用する場合、金属製のカラーをCFRP材に装着して、ボルトの軸力を金属製のカラーで受けるようにすることがある。このようにすることにより、経時的にCFRP材を構成する樹脂材にクリープ変形などによる肉痩せが生じてボルトの軸力が低下して、ボルトのゆるみが発生することを抑制することができる。
特開2007−292106号公報
しかしながら、前述の締結構造では、液体(例えば、雨水や海水など)がCFRP材と金属製のカラーとの間の隙間に浸入し、CFRP材と金属製のカラーとが接触している部分に液体が付着した場合に、金属製のカラーが電食し腐食が発生する可能性があるという問題があった。
そこで、本発明は、液体がCFRP材と金属製のカラーとの間に浸入することを抑制することにより、金属製のカラーの電食を抑制することができるCFRP材の締結構造を提供することを目的とする。
本発明に係るCFRP材の締結構造では、金属製のカラーは、第1部材と、第2部材と、を備える。前記第1部材は、CFRP材の表面または裏面のうち一方の面における貫通孔の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤を介して当接するツバ部と、ツバ部の内周側から貫通孔内をCFRP材の他方の面に向けて延在する本体部と、を有する。前記第2部材は、CFRP材の他方の面における貫通孔の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤を介して当接する当接部と、当接部に結合されると共に第1部材の本体部における端部に対向する対向部と、を有する。CFRP材の貫通孔にカラーを装着して、第1部材の本体部の端部と第2部材の対向部とを離間して配置する。そして、CFRP材を加熱した状態で、第1部材の本体部の端部と第2部材の対向部とが当接するまで、カラーの第1部材と第2部材とを互いに近接する方向に押圧することにより、カラーをCFRP材の貫通孔の周縁部に固定させる。
本実施形態に係るCFRP材の締結構造によれば、カラーの第1部材と第2部材との間を封止し、かつ、CFRP材とカラーとの間も接着剤によって封止することができる。従って、CFRP材と金属製のカラーとの間に液体が浸入することを抑制することにより、金属製のカラーの電食を抑制することができる。
本発明の第1施形態に係るCFRP材の締結構造を示す断面図である。 (a)から(d)は第1実施形態のCFRP材に金属製のカラーを固定する手順を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るCFRP材の締結構造を示す断面図である。 (a)から(d)は第2実施形態のCFRP材に金属製のカラーを固定する手順を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係るCFRP材の締結構造の断面図である。 本発明の第4実施形態に係るCFRP材の締結構造の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面とともに詳述する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るCFRP材10の締結構造を図1および図2に基づいて説明する。
図1および図2に示すCFRP材10は、平板状に形成されているが、CFRP材10全体が平板状に形成されていなくてもよく、少なくとも被締結物11との締結部が平板状に形成されていればよい。また、CFRP材10の図中の上下両面のうち図中上側の面10aを便宜的に「表面」と称し、図中下側の面10bを便宜的に「裏面」と称する。これらの「表面」および「裏面」は、CFRP材10に固定されるカラー15Aの向きを特定するものではなく、いずれか一方の面を示すものである。
図1に示すように、本実施形態に係るCFRP材10の締結構造は、締結物であるCFRP材10と被締結物11とを締結具(本実施形態では、ボルト12およびナット13)を用いて締結するものである。本実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、CFRP材10に表面10aと裏面10bとを貫通する貫通孔(下穴)14を形成し、貫通孔14に筒状に形成された金属製のカラー(金属カラー)15Aを装着する。そして、カラー15Aに被締結物11を重ね合わせた状態でカラー15Aの内方および被締結物11の貫通孔11hにボルト12を挿入したのちボルト12にナット13を締め付けることによって、CFRP材10と被締結物11とを締結する。
CFRP材10は、例えば、フード(ボンネット)、ドアパネル、バンパー、トランクリッド、リアゲート、フェンダパネル、サイドボディパネル、ルーフパネルなど車両用構成部材に適用することができる。また、CFRP材10は、車両用構成部材に限定されず、各種構成部材に適用することが可能である。
CFRP材10は、ホットプレス成形法やオートクレーブ成形法など公知の方法を用いて成形することができる。具体的には、例えば、各層ごとに予めマトリックス樹脂を繊維材に含浸させたプリプレグを用意し、このプリプレグを所定形状に裁断したものを所定枚数積層して、加熱プレスやオートクレーブ内で加圧および加熱することでCFRP材10を成形する。また、各繊維材を所定の配向方向で配列した繊維プリフォームを金型に封入し、金型内にマトリックス樹脂を加圧注入する方法(レジントランスファー成形法)でCFRP材10を成形してもよい。
前記マトリックス樹脂は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂など公知の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。また、前記繊維材を構成する炭素繊維は、特に限定されず、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維を用いることができる。
金属製のカラー15Aは、第1部材16と、第2部材17と、から構成される。
前記第1部材16は、CFRP材10の表面10aにおける貫通孔14の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤18を介して当接するツバ部19と、ツバ部19の内周側から貫通孔14内をCFRP材10の裏面10bに向けて延在する本体部20と、を有する。この第1部材16は、全体としてはツバ付タイプのカラーの形状に形成されており、第1部材16の本体部20に、ボルト12を挿通可能なボルト挿通孔21が形成されている。CFRP材10の表面10aにおける貫通孔14の周縁部と第1部材16のツバ部19との間には、全周に亘って接着剤18による接着剤層が介在している。また、CFRP材10の表面10aと第1部材16のツバ部19の外周面との隅部には、電気的絶縁性を有する接着剤22によるシール部が全周に亘って円環状に形成されている。
前記第2部材17は、CFRP材10の裏面10bにおける貫通孔14の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤23を介して当接する当接部24と、当接部24に結合されると共に第1部材16の本体部20における端部に対向する対向部25と、を有する。この第2部材17は、全体としては円環状に形成されており、第2部材17の対向部25に、ボルト12を挿通可能なボルト挿通孔26が形成されている。CFRP材10の裏面10bにおける貫通孔14の周縁部と第2部材17の当接部24との間には、全周に亘って接着剤23による接着剤層が介在している。また、CFRP材10の裏面10bと第2部材17の当接部24の外周面との隅部には、電気的絶縁性を有する接着剤27によるシール部が全周に亘って円環状に形成されている。
金属製のカラー15Aの二面幅(第1部材16のツバ部19と第2部材17の当接部24との間の間隔)L1(図2(d)参照)は、CFRP材10の厚さ寸法(板厚)L2(図2(a)参照)よりも小さく設定される(L1<L2)。そして、CFRP材10の貫通孔14に装着する際には、カラー15Aの第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接するまで、第1部材16と第2部材17とを互いに近接する方向に押圧する。このため、第1部材16のツバ部19および第2部材17の当接部24は、CFRP材10を構成する樹脂材、すなわち貫通孔14の周縁部に食い込んでいる。
本実施形態では、CFRP材10の貫通孔14とカラー15Aの第1部材16の本体部20とのはめあいは、中間ばめまたはしまりばめであり、好ましくは、しまりばめによる圧入である。しかしながら、CFRP材10の貫通孔14とカラー15Aの第1部材16の本体部20とのはめあいは、すきまばめとし、CFRP材10の貫通孔14と本体部20との間の隙間は、電気的絶縁性を有する接着剤によって埋めるようにしてもよい。
前記接着剤18,22,23,27は、電気的絶縁性を有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤を用いることができる。また、これらの接着剤18,22,23,27は、熱硬化性の接着剤であってもよく、熱可塑性の接着剤であってもよい。
被締結物11の材質は、特に限定されず、金属材料や樹脂材料などを用いることができる。ボルト12およびナット13(締結具)の材質も、特に限定されず、金属材料や樹脂材料などを用いることができる。また、CFRP材10と被締結物11とを締結するのに用いる締結具は、ボルト12およびナット13に限定されず、例えば、ピン、リベット、タッピングボルト、スタッドボルトなどを用いることもできる。
次に、図2に基づいて、CFRP材10に金属製のカラー15Aを固定する方法の一例を説明する。
まず、図2(a)に示すように、成形前のCFRP材10(例えば、プリプレグを所定枚数積層したもの)に貫通孔14を形成し、または、貫通孔14が予め形成されたプリプレグを複数枚積層する。
次に、図2(b)に示すように、カラー15Aの第1部材16のツバ部19におけるCFRP材10の表面10aに対する接着面に、接着剤18,22を塗布する。また、カラー15Aの第2部材17の当接部24におけるCFRP材10の裏面10bに対する接着面にも、接着剤23,27を塗布しておく。
次に、図2(c)に示すように、カラー15Aの第1部材16の本体部20をCFRP材10の貫通孔14に圧入(挿入)して、第1部材16のツバ部19を貫通孔14の表面10a側の周縁部に接着剤18,22を介して当接させる。また、カラー15Aの第2部材17を対向部25が第1部材16の本体部20の端部と対向するようにCFRP材10の裏面10bに重ね合わせて、第2部材17の当接部24を貫通孔14の裏面10b側の周縁部に接着剤23,27を介して当接させる。CFRP材10の加圧加熱成形前の状態では、図2(c)に示すように、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25との間に隙間が設けられている。
次に、図2(d)に示すように、CFRP材10の加圧加熱成形時に、カラー15Aの第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接するまで、第1部材16と第2部材17とを互いに近接する方向に押圧する。このようにすることにより、加圧および加熱によってクリープ変形(塑性変形)をCFRP材10を構成する樹脂材に生じさせて、カラー15Aの第1部材16のツバ部19および第2部材17の当接部24を、CFRP材10を構成する樹脂材に意図的に食い込ませる。
第1部材16のツバ部19におけるCFRP材10の表面10aに対する接着面に塗布した接着剤18,22の一部は隙間から押し出されて、CFRP材10の表面10aと第1部材16のツバ部19の外周面との隅部でシール部を形成する。また、第2部材17の当接部24におけるCFRP材10の裏面10bに対する接着面に塗布した接着剤23,27の一部は隙間から押し出されて、CFRP材10の裏面10bと第2部材17の当接部24の外周面との隅部でシール部を形成する。
そして、カラー15Aの第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25との間の隙間がなくなり、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接した状態で、CFRP材10の加圧加熱成形が完了するようにする。
なお、図2に示すような方法でCFRP材10に金属製のカラー15Aを固定する場合、カラー15Aの第1部材16の本体部20とCFRP材10の貫通孔14との間に隙間を設け、この隙間を接着剤によって埋めるようにしてもよい。すなわち、CFRP材10の貫通孔14とカラー15Aの第1部材16の本体部20とのはめあいは、しまりばめによる圧入とするのではなく、すきまばめとし、第1部材16の本体部20とCFRP材10の貫通孔14とを接着剤によって接着するようにしてもよい。
また、カラー15AをCFRP材10と同時に成形せずにCFRP材10を成形したのち、機械加工や手作業などによりCFRP材10に貫通孔14を形成し、この貫通孔14の周縁部にカラー15Aを固定して、図1に示す締結構造と同様な構造とするようにしてもよい。すなわち、カラー15Aを、図2に示すようにCFRP材10と同時に成形するのではなく、CFRP材10のみを成形したのちに成形するようにしてもよい。ただし、カラー15AをCFRP材10と同時に成形する方が、CFRP材10のみを成形したのちにカラー15Aを成形する場合と比較して、工数低減およびコスト低減を図ることが可能となり有利である。
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
本実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、金属製のカラー15Aは、第1部材16と、第2部材17と、を備える。第1部材16は、CFRP材10の表面10aまたは裏面10bのうち一方の面における貫通孔14の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤18を介して当接するツバ部19と、ツバ部19の内周側から貫通孔14内をCFRP材10の他方の面に向けて延在する本体部20と、を有する。第2部材17は、CFRP材10の他方の面における貫通孔14の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤23を介して当接する当接部24と、当接部24に結合されると共に第1部材16の本体部20における端部に対向する対向部25と、を有する。CFRP材10の貫通孔14にカラー15Aを装着して、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とを離間して配置する。そして、CFRP材10を加熱した状態で、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接するまで、カラー15Aの第1部材16と第2部材17とを互いに近接する方向に押圧することにより、カラー15AをCFRP材10の貫通孔14の周縁部に固定させる。
本実施形態に係るCFRP材10の締結構造によれば、カラー15Aの第1部材16と第2部材17との間を封止し、かつ、CFRP材10とカラー15Aとの間も接着剤18,23によって封止することができる。従って、CFRP材10と金属製のカラー15Aとの間に液体が浸入することを抑制することにより、金属製のカラー15Aの電食を抑制することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るCFRP材10の締結構造を図3および図4に基づいて説明する。
図3に示す第2実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、CFRP材10の裏面10bにおける貫通孔14の周縁部に面取部30を形成することによって、面取部30とカラー15Bの第2部材17の当接部24との間に隙間が設けられている。この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤31が充填されている。このため、CFRP材10の裏面10bにおける貫通孔14の周縁部に形成した面取部30と、カラー15Bの第2部材17の当接部24との間には、全周に亘って接着剤31による接着剤溜まりが介在している。
この接着剤溜まりを形成する接着剤31は、前記接着剤18,22,23,27と同様のものを用いることができる。すなわち、この接着剤31は、電気的絶縁性を有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤を用いることができる。また、この接着剤31は、熱硬化性の接着剤であってもよく、熱可塑性の接着剤であってもよい。
次に、図4に基づいて、CFRP材10に金属製のカラー15Bを固定する手順の一例を説明する。
まず、図4(a)に示すように、成形前のCFRP材10(例えば、プリプレグを所定枚数積層したもの)に貫通孔14を形成すると共に面取部30を形成し、または、貫通孔14および面取部30が予め形成されたプリプレグを複数枚積層する。
次に、図4(b)に示すように、カラー15Bの第1部材16のツバ部19におけるCFRP材10の表面10aに対する接着面に、接着剤18,22を塗布すると共に、CFRP材10の貫通孔14に、接着剤31を塗布する。また、カラー15Bの第2部材17の当接部24におけるCFRP材10の裏面10bに対する接着面にも、接着剤23,27を塗布しておく。
次に、図4(c)に示すように、カラー15Bの第1部材16の本体部20をCFRP材10の貫通孔14に圧入(挿入)して、第1部材16のツバ部19を貫通孔14の表面10a側の周縁部に接着剤18,22を介して当接させる。また、カラー15Bの第2部材17を対向部25が第1部材16の本体部20の端部と対向するようにCFRP材10の裏面10bに重ね合わせて、第2部材17の当接部24を貫通孔14の裏面10b側の周縁部に接着剤23,27を介して当接させる。CFRP材10の加圧加熱成形前の状態では、図4(c)に示すように、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25との間に隙間が設けられている。
次に、図4(d)に示すように、CFRP材10の加圧加熱成形時に、カラー15Bの第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接するまで、第1部材16と第2部材17とを互いに近接する方向に押圧する。このようにすることにより、加圧および加熱によってクリープ変形(塑性変形)をCFRP材10を構成する樹脂材に生じさせて、カラー15Bの第1部材16のツバ部19および第2部材17の当接部24を、CFRP材10を構成する樹脂材に意図的に食い込ませる。
第1部材16のツバ部19におけるCFRP材10の表面10aに対する接着面に塗布した接着剤18,22の一部は隙間から押し出されて、CFRP材10の表面10aと第1部材16のツバ部19の外周面との隅部でシール部を形成する。また、第2部材17の当接部24におけるCFRP材10の裏面10bに対する接着面に塗布した接着剤23,27の一部は隙間から押し出されて、CFRP材10の裏面10bと第2部材17の当接部24の外周面との隅部でシール部を形成する。さらに、CFRP材10の貫通孔14に塗布した接着剤31は、カラー15Bの第1部材16を圧入した際にCFRP材10の裏面10b側に集められて、前記面取部30とカラー15Bの第2部材17の当接部24との間で接着剤溜まりを形成する。
そして、カラー15Bの第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25との間の隙間がなくなり、第1部材16の本体部20の端部と第2部材17の対向部25とが当接した状態で、CFRP材10の加圧加熱成形が完了するようにする。
なお、図4に示すような方法でCFRP材10に金属製のカラー15Bを固定する場合、カラー15Bの第1部材16の本体部20とCFRP材10の貫通孔14との間に隙間を設け、この隙間を接着剤31によって埋めるようにしてもよい。すなわち、CFRP材10の貫通孔14とカラー15Bの第1部材16の本体部20とのはめあいは、しまりばめによる圧入とするのではなく、すきまばめとし、第1部材16の本体部20とCFRP材10の貫通孔14とを接着剤31によって接着するようにしてもよい。
また、カラー15BをCFRP材10と同時に成形せずにCFRP材10を成形したのち、機械加工や手作業などによりCFRP材10に貫通孔14および面取部30を形成し、前記貫通孔14の周縁部にカラー15Bを固定して、図3に示す締結構造と同様な構造とするようにしてもよい。すなわち、カラー15Bを、図4に示すようにCFRP材10と同時に成形するのではなく、CFRP材10のみを成形したのちに成形するようにしてもよい。ただし、カラー15BをCFRP材10と同時に成形する方が、CFRP材10のみを成形したのちにカラー15Bを成形する場合と比較して、工数低減およびコスト低減を図ることが可能となり有利である。
以下に、第2実施形態による作用効果を説明する。
第2実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、CFRP材10の裏面10bにおける貫通孔14の周縁部に面取部30を形成することによって、面取部30とカラー15Bの第2部材17の当接部24との間に隙間が設けられる。そして、この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤31が充填されている。
このようにすることにより、カラー15Bの第1部材16と第2部材17との間からCFRP材10の貫通孔14へと至る液体の浸入経路を接着剤31によって封止することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るCFRP材10の締結構造を図5に基づいて説明する。
図5に示す第3実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、カラー15Cの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部に面取部50を形成することによって、面取部50とカラー15Cの第2部材17の対向部25との間に隙間が設けられている。この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤51が充填されている。このため、カラー15Cの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部に形成した面取部50と、カラー15Cの第2部材17の対向部25との間には、全周に亘って接着剤51による接着剤溜まりが介在している。
この接着剤溜まりを形成する接着剤51は、前記接着剤18,22,23,27と同様のものを用いることができる。すなわち、この接着剤51は、電気的絶縁性を有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤を用いることができる。また、この接着剤51は、熱硬化性の接着剤であってもよく、熱可塑性の接着剤であってもよい。
以下に、第3実施形態による作用効果を説明する。
第3実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、カラー15Cの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部に面取部50を形成することによって、面取部50とカラー15Cの第2部材17の対向部25との間に隙間が設けられる。そして、この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤51が充填されている。
このようにすることによっても、カラー15Cの第1部材16と第2部材17との間からCFRP材10の貫通孔14へと至る液体の浸入経路を接着剤51によって封止することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係るCFRP材10の締結構造を図6に基づいて説明する。
図6に示す第4実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、カラー15Dの第2部材17の対向部25は、当接部24の内周側から貫通孔14内をCFRP材10の表面10aに向けて延在している。すなわち、第2実施形態の第2部材17は、第1部材16と同様に、全体としてはツバ付タイプのカラーの形状に形成されている。
また、第4実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、カラー15Dの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部に、面取部60を形成している。その一方で、カラー15Dの第2部材17の対向部25の端部における外周側の角部に面取部61を形成することによって、これらの面取部60,61間に隙間が設けられる。この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤62が充填されている。このため、カラー15Dの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部に形成した面取部60と、第2部材17の対向部25の端部における外周側の角部に形成した面取部61との間には、全周に亘って接着剤62による接着剤溜まりが介在している。
この接着剤溜まりを形成する接着剤62は、前記接着剤18,22,23,27と同様のものを用いることができる。すなわち、この接着剤62は、電気的絶縁性を有するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤を用いることができる。また、この接着剤62は、熱硬化性の接着剤であってもよく、熱可塑性の接着剤であってもよい。
以下に、第4実施形態による作用効果を説明する。
第4実施形態に係るCFRP材10の締結構造では、カラー15Dの第2部材17の対向部25は、当接部24の内周側から貫通孔14内をCFRP材10の一方の面に向けて延在している。また、カラー15Dの第1部材16の本体部20の端部における外周側の角部と第2部材17の対向部25の端部における外周側の角部とに面取部60,61をそれぞれ形成することによって、これらの面取部60,61間に隙間が設けられる。そして、この隙間には、電気的絶縁性を有する接着剤62が充填されている。
このようにすることによっても、カラー15Dの第1部材16と第2部材17との間からCFRP材10の貫通孔14へと至る液体の浸入経路を接着剤62によって封止することができる。
ところで、本発明のCFRP材の締結構造は前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
10 CFRP材(炭素繊維強化樹脂材)
11 被締結物
12 ボルト(締結具)
13 ナット(締結具)
14 貫通孔
15 カラー
16 第1部材
17 第2部材
18 接着剤
19 ツバ部
20 本体部
23 接着剤
24 当接部
25 対向部
30 面取部
31 接着剤
50 面取部
51 接着剤
60 面取部
61 面取部
62 接着剤

Claims (4)

  1. 締結物である炭素繊維強化樹脂材に表面と裏面とを貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に筒状に形成された金属製のカラーを装着し、このカラーに被締結物を重ね合わせた状態で前記カラーの内方に締結具を挿入したのち締結具を締め付けることによって、前記炭素繊維強化樹脂材と前記被締結物とを締結する炭素繊維強化樹脂材の締結構造であって、
    前記金属製のカラーは、
    前記炭素繊維強化樹脂材の表面または裏面のうち一方の面における貫通孔の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤を介して当接するツバ部、および、このツバ部の内周側から前記貫通孔内を前記炭素繊維強化樹脂材の他方の面に向けて延在する本体部を有する第1部材と、
    前記炭素繊維強化樹脂材の他方の面における貫通孔の周縁部に電気的絶縁性を有する接着剤を介して当接する当接部、および、この当接部に結合されると共に前記第1部材の本体部における端部に対向する対向部を有する第2部材と、を備え、
    前記炭素繊維強化樹脂材の貫通孔に前記カラーを装着して、第1部材の本体部の端部と第2部材の対向部とを離間して配置したのち、
    前記炭素繊維強化樹脂材を加熱した状態で、前記第1部材の本体部の端部と第2部材の対向部とが当接するまで、前記カラーの第1部材と第2部材とを互いに近接する方向に押圧することにより、
    前記カラーを前記炭素繊維強化樹脂材の貫通孔の周縁部に固定させたことを特徴とする炭素繊維強化樹脂材の締結構造。
  2. 前記炭素繊維強化樹脂材の他方の面における貫通孔の周縁部に面取部を形成することによって、この面取部と前記カラーの第2部材の当接部との間に隙間が設けられ、この隙間に電気的絶縁性を有する接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化樹脂材の締結構造。
  3. 前記カラーの第1部材の本体部の端部における外周側の角部に面取部を形成することによって、この面取部と前記カラーの第2部材の対向部との間に隙間が設けられ、この隙間に電気的絶縁性を有する接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維強化樹脂材の締結構造。
  4. 前記カラーの第2部材の対向部は、前記当接部の内周側から前記貫通孔内を前記炭素繊維強化樹脂材の一方の面に向けて延在しており、
    前記カラーの第1部材の本体部の端部における外周側の角部と第2部材の対向部の端部における外周側の角部とに面取部をそれぞれ形成することによって、これらの面取部間に隙間が設けられ、この隙間に電気的絶縁性を有する接着剤が充填されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維強化樹脂材の締結構造。
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