JP2013220040A - 食品の包装方法 - Google Patents

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真一郎 木本
Yohei Ueno
洋平 上野
Toshiyuki Miyazaki
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Abstract

【課題】食品包装体の外観を損なうことなく、加熱調理後の食感や色調といった品質を維持しつつ、品質保持期間を14日ほどにする食品の包装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の食品の包装方法は、10℃以下で流通される、固形具材及び液状物からなる食品を容器に盛り付け包装する食品の包装方法であって、温度が35℃〜90℃である食品が盛り付けられた容器の開口部にフィルムを載せてチャンバ内に収納し、チャンバ内を食品の温度における水の飽和蒸気圧よりも低い、食品の温度に応じた所定の圧力以上600mbar以下に減圧した後、800〜1200mbarまで不活性ガスを導入して容器内のガス置換を行い、容器の開口部とフィルムを密封することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品を容器に盛り付け包装する食品の包装方法に関し、特に、固形具材と液状物とからなる高温の加熱済み食品を容器に盛り付け密封包装する食品の包装方法に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店において、惣菜などの加熱調理済みの食品がプラスチック製の容器等に入れられ透明の蓋が被せられたものが販売されている。このような惣菜は、一般に、冷凍食品やレトルト食品に比べて手作り感があり、食感や味も優れている。また、解凍や煮沸をすることなくすぐに食べられるため利便性が高い。さらに、透明な蓋が用いられていることにより、消費者は中身を確認できるため、食べたいものを選ぶのが簡単であり、また安心して購入することができる。言い換えれば、透明蓋を用いた包装容器は、惣菜のおいしさを消費者の視覚に訴えることができる。
一方で、上記のような加熱調理済み食品は、品質保持期間が1〜3日程度と短いので、作り置きすることができない。
そのため、加熱調理済み食品を包装した製品(食品包装体)を製造する工場では、小売店等からの注文があってから生産を開始、又は見込みで生産する必要があり、計画的な生産ができず、注文数が多量であった、又は変動してしまった場合には生産が逼迫してしまうという問題が有る。また、加熱調理済み食品の製造工場から十分な品質保持期間を残して配送できる範囲は限られるため、狭い地域ごとに比較的小規模な工場を配置し、各地域ごとにその限られた地域の生産要求に対応しているのが実状である。さらに、小売店等では、売れ残った商品を廃棄処分としたり、値引きした処分価格で販売したりすることもあり、長期保管可能な冷凍食品やレトルト食品に比べ無駄が多いという問題が有る。
加熱調理済み食品の品質保持期間を延長させる方法として、例えば、特許文献1に記載されるような、調理済み食品を包装容器に盛り付け、その包装容器の開口部全体を透明なフィルムで覆って真空包装し、細菌の増殖を抑える方法が知られている。
また、別の方法として、例えば、特許文献2には、じゃがいも、にんじん、栗等の固形食品が盛り付けられた包装容器内のフリースペース(食品によって占有されていない空間)に不活性ガスをフローし包装容器内をガス置換した後、蓋材で密封包装する方法が示されている。
特開2006−327658号公報 特開2005−341922号公報
しかし、特許文献1の方法は、真空包装する食品が高温である場合、減圧時、固形具材に含まれる水分が突沸して食品の形状が破壊されてしまうという問題がある。また、破裂した食品や突沸液体の飛散により透明フィルムの汚れ、見栄えの低下、商品価値の低下を招くなど、包装された製品(食品包装体)の外観も著しく損われるという問題がある。そのため、真空包装をするにあたり、高温の食品を十分に冷却する必要があるが、加熱調理後の食品を冷却すると、殺菌後の食品の表面に、再度、大気中の浮遊菌が付着し、二次汚染される可能性がある。また、特許文献1に記載の方法で製造された製品は、フィルムが食品に密着しているため、盛付け状態から惣菜食品のおいしさを消費者の視覚に訴えることが難しい。
また、特許文献2に記載されるようなガス置換方法では、95%以上といった高い置換率で包装容器内のガス置換を行うことができないため、従来の品質保持期間をそれほど長く延長することができない。また、高いガス置換ができないことにより、包装する食品(惣菜)が緑色野菜を含む惣菜食品である場合、その出来たて後と遜色のない色調や風味を長く維持することができない。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、食品包装体(商品)の外観を損なうことなく、加熱調理後の食感や色調といった品質を維持しつつ、品質保持期間を14日ほどにすることを可能にする食品の包装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、食品包装体(商品)の外観がよく、出来たての食品の風味、色彩等を維持しつつ、品質保持期間が従来よりも飛躍的に延長された製品を得るために、鋭意、検討を重ねた。その結果、このような製品が得られる包装方法、すなわち、チャンバ内において、高温の食品をガス置換包装する方法、具体的には、チャンバ内の減圧条件および包装される食品の温度条件を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、この発明にかかる食品の包装方法は、10℃以下で流通される、固形具材及び液状物からなる加熱済み食品を容器に盛り付け包装する食品の包装方法であって、温度が35℃〜90℃である前記食品が盛り付けられた前記容器の開口部にフィルムを載せてチャンバ内に収納し、前記チャンバ内を前記食品の温度における水の飽和蒸気圧よりも低い、前記食品の温度に応じた所定の圧力以上600mbar以下に減圧した後、800〜1200mbarまで不活性ガスを導入して前記容器内のガス置換を行い、前記容器の前記開口部と前記フィルムとを密封することを特徴とする。
ここで、前記食品の温度が85〜90℃である場合は、前記チャンバ内を500mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、前記食品の温度が80〜85℃である場合は、前記チャンバ内を400mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、前記食品の温度が70〜80℃である場合は、前記チャンバ内を300mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、前記食品の温度が55〜70℃である場合は、前記チャンバ内を200mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、前記食品の温度が35〜55℃である場合は、前記チャンバ内を100mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましい。
また、前記不活性ガスは、窒素ガス、または、窒素及び二酸化炭素からなる混合ガスであることが好ましい。
本発明によれば、食品の品質保持期間を14日間ほどにすることができるとともに、出来たてと遜色のない色調および風味等も維持することができる。また、商品として外観の良いものを提供することができる。
本発明の一実施の形態で製造される食品包装体を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態で用いられる包装機の一例を示す斜視図である。 図2の包装機のチャンバの動きを説明する図である。 水の飽和蒸気圧曲線を示すグラフである。
以下に、添付の図面に示す好適な実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の実施形態に係る食品の包装方法により製造される食品包装体(製品)について説明する。本発明が対象とするのは、加熱調理済みの惣菜等の食品であって、容器に盛り付けられて包装された状態で、10℃以下で流通されて販売されるものであり、開封してそのまま食べられるものである。
包装される食品としては、固形具材と液状物からなり、食べられる状態にまで加熱調理された加熱調理済みの食品であれば各種の食品を対象とすることができる。固形具材としては、野菜、肉または魚等の、煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物または炒め物や、汁物、米飯、麺類などが例示され、液状物としては、ソース、タレなどが例示される。中でも、固形具材の上に適当量の液状物が掛けられている食品が本発明に適しており、本発明の効果が特に高い。
図1に、本発明の一実施形態で製造される包装容器(食品包装体)3を示す。包装容器3は、容器(本体)1とフィルム2からなり、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを充填し密閉できるものである。
容器1は、フィルム2に熱溶着することが可能な材料によって構成される。また、容器1は、食品の品質保持期間をより長く保つために、密封後、容器外の酸素を透過させにくい材料からなる。また、容器1は、耐熱性を有する材料によって構成されるが、消費者が食品を温めて食することを所望する場合のために、電子レンジによる加熱にも十分耐えるものであることが好ましい。容器1は、透明であっても不透明であってもよい。
容器1の形状は、盛り付けられる内容物(食品)の種類に応じたものが選択されるが、包装時に、容器内のガス交換がしやすい広口のものを用いることが好ましい。また、本発明の実施形態で包装される食品は固形具材と液状物からなるため、包装性及び外観の点から、底の深い容器を用いることが好ましい。また、容器1の底部に仕切りを設け、主菜や複数の副菜をそれぞれ収容する形状であってもよい。
フィルム2は、容器1に熱溶着することが可能な樹脂材料が用いられる。また、フィルム2は、食品の品質保持期間を長く保つために、密封後、容器外の酸素を透過させにくい材料からなる。また、フィルム2は、容器1に盛り付けられた内容物(惣菜)が見えるように、透明であることが好ましい。売り場に並べられたときに包装容器3の内部がよく見えるため、消費者の視覚に訴えることができる。さらに、容器1と同様に電子レンジによる加熱耐性を有することが好ましい。
次に、本発明の実施形態に用いられる包装機4について説明する。
図2に示される包装機4は、加熱調理後の食品が盛り付けられた容器1にフィルム8を被せて、容器内のガス置換を行った後、容器1とフィルム8を熱溶着して密封し、包装容器3の形をした製品(食品包装体)を製造するものである。
このような包装機4は、上部ハウジング5と、下部ハウジング6と、ベルトコンベヤ9と、図示されていない、フィルム8を上部ハウジング5と下部ハウジング6との接合面に配置し搬送するフィルム搬送部と、ガス充填部と、各部材の制御及びチャンバ内の圧力及びガスの制御を行う制御部とから構成される。
上部ハウジング5には、容器1とフィルム8を熱溶着させるためのヒートシール部材及びフィルム8を切り取るカッターが備え付けられている。下部ハウジング6は、上部ハウジング5に向かって上昇及び下降するものであり、上下のハウジングが接合することによりチャンバが形成される。また、下部ハウジング6は、チャンバが形成される際、容器1を収納する部材も有する。ガス充填部は、不活性ガスをチャンバへ導入するガスを充填している部材である。
制御部は、各部材の制御を行うとともに、チャンバ内の圧力の制御及び不活性ガスの導入条件の制御を行う。
次に、本発明の実施形態にかかる食品の包装方法を説明する。
まず、包装される食品のうち、固形具材が容器1へ盛り付けられる。固形具材は、煮る、焼く、蒸す等の調理方法により加熱されたものが用いられる。食材がその内部にまで加熱されることにより、殺菌が同時に行われるからである。
調理後の固形具材は、充填(盛付け)が容易となる程度の温度まで冷却される。冷却後の固形具材は、衛生管理下、人手によって、または充填装置によって、容器1に充填(盛付け)される。
次に、容器1に充填された固形具材を所定の温度まで加温してから、その固形具材の表面に高温の液状物が人手または充填装置によって充填される。充填される液状物の温度は、食品の表面部分に付着した細菌等を殺菌することができる温度であれば特に限定されないが、60〜100℃であることが好ましく、また、固形具材の冷却により二次汚染が発生することを防ぐためにも、固形具材より高温であることが好ましい。また、特に、強い殺菌作用を持つ80℃以上が好ましい。
このように、高温の液状物が固形具材上に充填されることにより、加熱殺菌処理後の固形具材に付着した空気中の浮遊粉塵または浮遊菌を殺菌することができる。また、食品が包装されるまでの間、食品の表面を高温に保つことにより、再度、細菌が食品の表面に付着することを抑えることができる。
このように、液状物が充填された各容器1は、包装機4のベルトコンベア9上に並べられる。
複数(例えば5個)の容器1がベルトコンベア9上に配置されると、包装機4のガイドアーム(図示されていない)が複数の容器1の側面を同時に挟み込み、図3(A)に示されるように、各容器1を下部ハウジング6の所定位置10にそれぞれ配置する。
このとき、容器1内の食品の温度は35〜90℃に維持される。このような範囲の温度を維持することにより、食品の表面部分に付着した細菌等を殺菌することができる。なお、このような温度範囲の中でも強い殺菌作用を有する80℃以上に食品の温度が維持されていることが好ましい。80℃以上であれば、食品の表面に付着する細菌数を最小限に抑えた食品を包装することができる。
次いで、下部ハウジング6が上部ハウジング5に向かって上昇しつつ、図3(B)に示されるように、下部ハウジングの収容部材に容器1が収納されることで、下部ハウジング6と上部ハウジング5が接合し、チャンバ7が形成される。上部ハウジング5と下部ハウジング6が接合することで、両ハウジング間に張られたフィルム8が下部ハウジング6の表面に配置された容器1の開口部を未シール状態で覆った状態となる。
チャンバ7が形成されると、まず、チャンバ7内を食品の温度(中心品温)における水の飽和蒸気圧より低い、食品の温度に応じて定まる所定の圧力以上600mbar以下になるように減圧し、その後、800〜1200mbarになるまでガス充填部から不活性ガスを導入する。
なお、不活性ガスは、除菌のためのフィルターを介してチャンバ7へ導入される。
本発明者らは、食品包装体(商品)の外観がよく、出来たての食品の風味、色彩等を維持しつつ、品質保持期間が従来よりも飛躍的に延長された製品を得るために、鋭意、検討を重ねた。その結果、チャンバ内において、高温の食品をガス置換包装する方法により、品質保持期限を延ばすことができると考えた。しかし、先述したように、包装される食品が高温である場合、チャンバ内の圧力をその食品の温度における水の飽和蒸気圧以下にすると、食品等に含まれる水分の突沸を招き、食品の形状自体が破裂して破壊されたり、またそれに伴い、突沸液体や、食品の破裂片が容器、特に透明蓋(フィルム)等、を汚してしまったりして、食品包装体(商品)の外観を台無しにし、商品価値を著しく袋化させることを知見した。そこで、発明者らはさらに検討を重ね、突沸の影響で食品包装体の外観を損なうことなく、高いガス置換率で食品を包装できるような条件、すなわち、上記に示されるようなチャンバ内の圧力および包装される食品の温度の条件を見出した。
なお、上述したような条件において、食品の温度が85〜90℃である場合は、チャンバ内を500mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、食品の温度が80〜85℃である場合は、前記チャンバ内を400mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、さらに、食品の温度が70〜80℃である場合は、前記チャンバ内を300mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、食品の温度が55〜70℃である場合は、前記チャンバ内を200mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましく、食品の温度が35〜55℃である場合は、前記チャンバ内を100mbar以上600mbar以下に減圧することが好ましい。
上記の範囲でチャンバ内を減圧すれば、内容物(製品)中の水分の突沸に影響されて外観を損ねることもなく、高温の食品(製品)を密封包装することができる。また、包装される食品が強い殺菌作用を有する高温であるため、その表面についた細菌の菌数を所定数以下に抑えたまま食品を包装することができる。そのため、製品の品質保持期間を従来の1〜2日から14日ほどに飛躍的に延長させることができる。
また、高温の食品を包装するため、冷却により食品の表面が空気中の浮遊菌に汚染されることもないので二次殺菌も不要となる。さらに、容器に食品を美しく盛り付けた状態のままで、売り場に商品(製品)を並べることができる。また、突沸により、液状物や固形具材の油脂分がフィルムに付着することで生じる未シール製品の製造を防止することもできる。また、食品が形状破壊されることもないため風味、食感も損なわれることがない。
また、上記の範囲で減圧された後、不活性ガスが導入されることにより、95%以上という高い置換率で容器内のガス交換を行うことができる。特に、包装容器内のガス(空気)は、99.5%以上置換されることが好ましい。このような置換率でガス交換を行えば、包装容器内の酸素濃度を0.1%以下となるように食品を包装することができるため、長期間、食品中の油脂が酸素により劣化され不快な臭いを生じたり、味が劣化したりすることもなく、食品の風味を維持することができる。
ブロッコリーやいんげんといった緑色野菜が有する色彩(緑色)は、新鮮さを示す指標となるものであり、消費者が商品を購入する際、購入の有無を決める重要な判断材料の一つとなるものであるが、従来、このような色彩は製造後1〜2日しか維持することができなかった。しかし、今回、容器内を99.5%以上という高い置換率のガス交換が可能になったことにより、加熱調理後、1週間以上経過しても、出来たてとほぼ遜色のない緑色を維持することができるようになった。
また、チャンバ内を減圧後、800〜1200mbarまで不活性ガスを導入すれば、容器内の空気を95%以上のガス置換することができるとともに、容器1にフィルムが張り付きすぎたり、容器1が凹んだりすることのない、所定の形状を維持した製品(食品包装体)を得ることができる。
不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等及びこれらの混合ガスを用いることができる。本実施形態においては、窒素、または、窒素および二酸化炭素を用いてガス置換を行っている。食品の酸化防止、退色の防止および食感維持のため、窒素ガスを用いることが好ましいからである。
このように、チャンバ内で容器内のガス置換が行われた後、包装機4は、容器1とフィルム2とを上部ハウジング5に備え付けられているヒートシール部材で熱溶着して密閉する。次いで、包装容器の形状に合わせてフィルム8をカッターで切り取り、包装容器3の形状にした後、図3(C)に示されるように、下部ハウジング6が下降し、ベルトコンベア上に包装容器3が搬出される。包装容器3は包装機4から搬出された後、冷却されることが好ましい。
このような方法により製造された製品は、商品として販売するのに十分に外観が良く、包装された食品の品質保持期間を14日間ほどにすることができるとともに、出来たてと遜色のない色調および風味等も維持することができる。
また、このように、食品の品質保持期間が延長されることにより、十分な品質保持期間を残してより広域に配送でき、生産工場の集約化による生産性の効率が可能となり、さらには廃棄ロスの低減が可能となる。
以上、本発明に係る食品の包装方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
[実験例]
所定のサンプルについて、温度及びチャンバ内の減圧時の圧力を所定の条件にしたときの容器内のガス置換率及び外観を調べる試験を行った。
(実験条件)まず、タピオカ澱粉(松谷化学工業)55gと食紅1gを水に加熱溶解させた後、所定の温度で容器1(215×125×32mm)に40g充填したサンプルを作成した。サンプルは、図2に示すようなガス置換包装機( QX-775, Ishida Europe )のチャンバ7内に収納し、フィルムを容器8に被せ、チャンバ7内を所定の圧力まで減圧した後、1000mbarまでガスを導入して容器内のガス置換を行い、密封包装した。
(評価方法)サンプルを密封したもの(包装体)3の外観の評価は、サンプルを密封した後、フィルム内面に澱粉溶液がどの程度付着しているかを目視で評価した。すなわち、フィルムに澱粉溶液が全く付着せず外観に全く影響がないものを◎、突沸が起こりフィルムにわずかに澱粉溶液が付着しているものの外観にほとんど影響がないものを○、突沸が起こりフィルムに多く澱粉溶液が付着し外観が非常に悪いものを×とした。
ガス置換率の評価は、包装容器内のガスが、99.5%以上置換されているものを◎、95%以上置換されているものを○で表した。
表1にこの実験から得られた結果を示す。また、図4は、水の飽和蒸気圧曲線を示すグラフである。
Figure 2013220040
このような実験の結果により、包装体3の外観に関しては、チャンバ内をサンプルの温度における水の飽和蒸気圧以下の圧力よりも低い圧力まで減圧しても、外観に影響のないサンプルが複数あることが確認された。例えば、図4の水の飽和蒸気圧曲線からも明らかなように、約700mbarの圧力下において、水は90℃で沸騰する。しかし、表1に示されるように、温度が90℃のサンプルをチャンバ内に収納し、500mbarまで減圧しても、包装容器の外観が損なわれることはなかった。
また、ガス置換率に関しては、表1に示されるように、いずれのサンプルであっても、チャンバ内の圧力を600mbar以下に減圧した後にガス置換行えば、包装容器内を95%以上ガス置換することができ、さらに、500mbar以下に減圧した後にガス置換を行えば、99.5%以上という高い置換率でガス置換できることが確認された。
(実施例1)
本発明の食品の包装方法を適用して、高温の食品を包装した食品包装体を製造し経時実験を行った。
3穴トレイ(171×127×32mm)の容器1に加熱調理した鶏のから揚げ4個、ブロッコリー2個及び人参のグラッセ1個を充填した。容器1ヘ充填された固形具材は、スチームコンベクションオーブン内で中心品温が80℃以上になるように加熱殺菌処理を行った。
次に、固形具材が盛り付けられた容器1に、その具材が高温のうちに、80℃以上の高温のソースを鶏の唐揚げ上に充填した後、包装機4のベルトコンベア9上に配置した。
包装機4において、容器1は、盛り付けられた食品の中心品温が80℃を維持している間にチャンバ7内に収容され、フィルム8が被せられた。次いで、チャンバ7内が300mbarまで減圧された後、窒素ガス100%が1000mbarまで導入され、容器内がガス置換された後、フィルム2と容器1が熱溶着されて、密封包装された。その後、包装容器3は、冷却後、製品(食品包装体)とされた。
(評価方法)
上記のように製造した食品包装体3は、10℃下で、7日間または14日間保管し、微生物検査及び品質評価を行った。
(1)微生物検査
7日間または14日間保管された食品包装体の食品についてそれぞれ一般生菌数を測定した。本検査においては、「弁当及びそうざいの衛生規範について」に記載された加熱処理済製品の規格から一般生菌数10cfu/g未満のものについて基準を満たしていると判定した。
(2)品質評価
所定の日数保管された食品包装体の食品の色彩について目視で評価するとともに、微生物検査において基準を満たした食品包装体の食品についてのみ、味の劣化を複数のパネラーにより評価した。
(比較例1)
鶏のから揚げ4個、ブロッコリー2個及び人参のグラッセ1個を加熱殺菌処理することなく、容器に充填した後、20℃のソースを鶏のから揚げに充填した。食品が盛り付けられた容器1は、食品の温度が20℃に維持されたまま、包装機4のチャンバ7内に収納し、実施例1と同様の条件で包装して食品包装体を製造した。
(比較例2)
上記実施例1と同様に、鶏のから揚げ4個、ブロッコリー2個及び人参のグラッセ1個を容器に充填し、加熱殺菌処理を行い、その後、80℃のソースを鶏のから揚げに充填した容器1を、食品の温度を80℃に維持したまま、包装機4のチャンバ内に収容し、ガス置換包装を行わず、フィルム8を被せ、包装した食品包装体を製造し、上記の実施例1と同様の微生物検査及び品質評価を行った。
Figure 2013220040
上記表2に示す通り、本発明のように、高温の食品をガス置換包装した場合(実施例1)は、製造後14日間経過した後でも、基準を満たす何ら問題のない生菌数レベルに抑えることができた。また、製造後、日数が経過しても、容器内の食品は一般細菌数が200cfu/g以下という非常に低いレベルに維持され続け、生菌数の増加は見られなかった。また、緑色野菜の色彩を密封包装したときの緑色のままで維持し続けることもできた。また、鶏のから揚げの味の劣化も生じなかった。
包装時に食品の温度が高温でない場合(比較例1)は、製造後14日間経過した後でも、緑色野菜の色彩は維持することができたが、実施例に対して、製造後における生菌数が7日後、14日後と大幅に増加していた。
本発明のガス置換方法を実施しない場合(比較例2)は、実施例1と同様に、製造後の生菌数レベルを維持することができたが、緑色野菜の色彩は退色し、味は劣化した。
1 容器(本体)
2、8 フィルム
3 包装容器(食品包装体)
4 包装機
5 上部ハウジング
6 下部ハウジング
7 チャンバ
9 ベルトコンベア
10 所定位置

Claims (7)

  1. 10℃以下で流通される、固形具材及び液状物からなる加熱済み食品を容器に盛り付け包装する食品の包装方法であって、
    温度が35℃〜90℃である前記食品が盛り付けられた前記容器の開口部にフィルムを載せてチャンバ内に収納し、
    前記チャンバ内を前記食品の温度における水の飽和蒸気圧よりも低い、前記食品の温度に応じた所定の圧力以上600mbar以下に減圧した後、800〜1200mbarまで不活性ガスを導入して前記容器内のガス置換を行い、前記容器の前記開口部と前記フィルムとを密封することを特徴とする食品の包装方法。
  2. 前記食品の温度が85〜90℃である場合は、前記チャンバ内を500mbar以上600mbar以下に減圧することを特徴とする請求項1に記載の食品の包装方法。
  3. 前記食品の温度が80〜85℃である場合は、前記チャンバ内を400mbar以上600mbar以下に減圧することを特徴とする請求項1に記載の食品の包装方法。
  4. 前記食品の温度が70〜80℃である場合は、前記チャンバ内を300mbar以上600mbar以下に減圧することを特徴とする請求項1に記載の食品の包装方法。
  5. 前記食品の温度が55〜70℃である場合は、前記チャンバ内を200mbar以上600mbar以下に減圧することを特徴とする請求項1に記載の食品の包装方法。
  6. 前記食品の温度が35〜55℃である場合は、前記チャンバ内を100mbar以上600mbar以下に減圧することを特徴とする請求項1に記載の食品の包装方法。
  7. 前記不活性ガスは、窒素ガス、または、窒素及び二酸化炭素からなる混合ガスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食品の包装方法。
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