JP2005218441A - 電子レンジ加熱調理用高粘度長期常温保存可能食品 - Google Patents

電子レンジ加熱調理用高粘度長期常温保存可能食品 Download PDF

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Abstract

【課題】 高粘度の流動可能部分を含む長期常温保存可能食品でありながら、具材(特に野菜類)の鮮やかな色彩を保持し、作りたてのような良好な食味を有する食品を提供すること。
【解決手段】 長期常温保存可能であり、喫食前に電子レンジで加熱される食品セットであって、該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該乾燥食品部は調理水部と混合することにより戻され、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部が電子レンジで加熱される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長期常温保存可能食品に関する。より詳しくは、電子レンジ加熱調理用の長期常温保存可能食品、およびその調理方法に関する。さらに詳しくは、高粘度流動可能部分を含む副食部を主食部に載置して食する長期常温保存可能食品において、これまで実現不可能であった色鮮やかな具材を含む副食部を実現したセット食品、およびその該調理法に関する。
元来、食品は未加工にて放置した場合には微生物の働きにより腐敗する。食品を微生物の活動から保護し、保存する術として、冷凍、冷蔵、加熱殺菌、乾燥、塩蔵、アルコール漬けなど多岐にわたる方法が開発されてきた。これらの食品保存法のうち、食味の良さおよび喫食する際の簡便さから、冷凍保存、冷蔵保存および加圧加熱殺菌に関する技術が目まぐるしい勢いで発達を遂げてきた。
冷凍保存食品は近年最も発達した食品市場の一つである。冷凍保存食品においては、調理済み食品または調理用原料を急速凍結または緩慢凍結することで微生物の働きを停止させ、喫食または加工する際には、自然解凍または電子レンジを用いた解凍を行う。しかし、冷凍保存食品は、保存するために冷凍庫などの特別な保管スペースが必要であるので大量に保存することが困難であるという欠点がある。その上に、温めることによってすぐに喫食できる即食型の冷凍食品であったとしても、電子レンジを用いて解凍し温めるのに5分以上を要するという欠点もある。
冷蔵保存食品では、食品を5℃前後の低温で保存することにより、微生物の活動を低下させて保存期間を延ばしている。冷蔵保存食品も、冷凍食品と同様に、保存のために冷蔵庫などの特別なスペースが必要である。その上、冷蔵保存食品は、通常、長くとも2週間程度の保存しか出来ない。
他方、加圧加熱殺菌食品は、加圧下で120℃といった高温で熱殺菌することにより微生物を完全に死滅させ、かつ外部からの微生物の進入を拒絶することで、常温にて長期間保存が可能となる食品である。加圧加熱殺菌食品は、喫食する際に解凍などの手間が必要なく、そのまま喫食してもよく、必要に応じて湯煎または電子レンジ加熱によって2〜3分間加熱してから喫食してもよい。その上、常温で保存可能であるので特別な保管スペースも必要ない。このように、加圧加熱殺菌食品は種々の利点を有することから、従来より、レトルトカレー、丼の素など数多くの製品が製造されてきた。
これらの利点を有しながらも、加圧加熱殺菌食品は、食品市場として更なる発展を遂げていない。その原因は、高温での加熱に起因した食品の品質低下である。微生物を完全に死滅させるためには、高温による殺菌が必要であり、加圧加熱殺菌食品の製造においては通常120℃4分間以上の加熱殺菌を行うので、加熱による劣化の激しい食品は加圧加熱殺菌食品には不向きである。一般的には、調味液より、具材として含まれる野菜類、卵などの方が加熱による影響を強く受ける。具材として含む野菜類のうち、人参、馬鈴薯、玉葱などの根菜類は、加熱殺菌による品質劣化が比較的少ないが、みつば、青梗菜、ほうれん草などの葉菜(葉物ともいう)は加熱殺菌による品質劣化が激しい。この場合の品質劣化とは、鮮やかな色彩、特に緑色が退色し、黒ずむことを意味している。一般消費者は具材の品質劣化に極めて敏感であり、品質劣化した商品の消費は芳しくない。それゆえ、具材が鮮やかな色彩を保持していることは、消費者に対する非常に重要なアピール点である。また、加熱殺菌した野菜の味は、生鮮野菜と比べて野菜本来の風味がぼやけてしまうことがあるので、味の点でも好ましくない。
従来、加圧加熱殺菌食品のこの欠点を克服しようと試みられてきた大多数の方法は、加圧加熱殺菌食品に含める具材として、加熱殺菌による品質劣化の少ないものを選定することであり、根本的な解決策とはいえない。しかも、鮮やかな緑色を呈する具材として選定された具体的なものには、サヤインゲン、グリンピースなど限られた種類しかない。
具材の退色を防ぐために提案された別の方法としては、特許文献1(特許第2761182号公報)および特許文献2(特開2000−116366号公報)に記載される方法が挙げられる。特許文献1には、天然色素を含有する飲料において、油脂を含有させ、高圧均質化処理することによってこの天然色素の色彩を保持しようとする方法が提案されている。しかし、この方法は、野菜類に対しては有効な手段ではない。特許文献2には、レトルト殺菌時の内容物の変色を防止するためにレトルト殺菌前にレトルト包装容器内の空気を除去する方法が提案されている。しかし、この方法は、野菜類には有効ではなく、特に葉菜に対しては有効な手段ではない。
ところで、野菜類の鮮やかな色彩を長期間保存する技術として、凍結乾燥技術および熱風乾燥技術が知られている。これらの技術はいずれも当業者においては公知の技術である。凍結乾燥技術は、一般に、被対象物を−20℃以下程度で凍結させ、真空乾燥する技術である。熱風乾燥技術は、一般に、およそ60℃〜80℃の熱風によりゆっくりと被対象物の水分を飛ばして乾燥させる技術である。これらの技術はいずれも、被対象物の水分を低下させて水分活性を低下させることによって微生物の繁殖を防止することで、被対象物の長期間の保存を可能としている。これらの技術により作り出された食品は、それぞれ、通常、凍結乾燥食品および熱風乾燥食品と呼ばれ、これらの食品は総称して乾燥食品と呼ばれる。乾燥食品は、ラーメンの具材、ふりかけなどの多数の加工食品に用いられている。乾燥食品は、遮光条件下でかつ乾燥条件下で保存された場合に、野菜の鮮やかな色彩を長期間常温で保存出来るという特徴を有している。しかし、乾燥食品は、ふりかけ等直接喫食する場合以外には、湯戻し調理によるような、自由水の提供が必須である。この場合、自由水とは、乾燥食品の組織の内部に浸透し、乾燥食品を膨潤させ得る水(調理水部ともいう)を意味する。
乾燥食品を用いた高粘度の副食部を提供するための長期常温保存可能食品としては、特許文献3(特開平9−220064号公報)に記載される、粉末あんかけのもとと乾燥食品とを合せたセット食品が提案されている。しかし、特許文献3に記載のセット食品では、粉末あんかけのもとと温水とを混合してあんをつくるため、あんに粉末臭および粉っぽさが残り、あんがだまになりやすく、しかも、レトルト食品(すなわち、加圧加熱殺菌食品)によって提供されるような良好な食味を提供することができない。
加圧加熱殺菌食品および乾燥食品はいずれも長期常温保存可能食品であり、加圧加熱殺菌食品と乾燥食品とはお互いの欠点を補い合える存在と考えられる。しかしながら、加圧加熱殺菌食品の流動可能部分が高粘度である場合、この流動可能部分は糖質、食塩、さらには澱粉などを多く含むことから自由水はほとんど存在しない。そのため、高粘度の流動可能部分を含む加熱加圧殺菌食品に含まれる水分は乾燥食品の膨潤には利用されず、高粘度の流動可能部分を含む加熱加圧殺菌食品と乾燥食品とを併用することはできなかった。また、乾燥食品を別途湯戻しし、温めた高粘度の流動可能部分を含む加圧加熱殺菌食品に添加した場合は、乾燥具材を湯戻しする手間がかかるだけでなく、調理感のない、取ってつけたような食品となってしまう。
これらのことから、高粘度の流動可能部分を含む長期常温保存可能食品でありながら、野菜類などの変色しやすい具材の鮮やかな色彩を保持し、かつ作りたてのような良好な食味を有する食品が望まれていた。
特許第2761182号公報(第1頁) 特開2000−116366号公報(第2頁) 特開平9−220064号公報(第2頁〜第3頁、第1図)
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、高粘度の流動可能部分を含む長期常温保存可能食品でありながら、具材(特に野菜類)の鮮やかな色彩を保持し、作りたてのような良好な食味を有する、食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、変色しやすい具材(特に野菜類)の乾燥物に低粘度調理液を添加してこの乾燥物を戻し、そこに高粘度の流動可能部分を含むレトルト食品を添加して混合し、電子レンジで加熱することによって、具材の鮮やかな色彩を保持しながら、作りたてのような良好な食味を有する食品が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。
本発明の食品セットは、長期常温保存可能であり、喫食前に電子レンジで加熱される食品セットであって、該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該乾燥食品部は調理水部と混合することにより戻され、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部が電子レンジで加熱される。
1つの実施形態では、上記乾燥食品部は、凍結乾燥食品であり得る。
1つの実施形態では、上記乾燥食品部は、野菜または卵の乾燥食品であり得る。
1つの実施形態では、上記凍結乾燥食品は、野菜または卵の凍結乾燥食品であり得る。
1つの実施形態では、上記乾燥食品部は、葉菜の乾燥食品であり得る。
1つの実施形態では、上記凍結乾燥食品は、葉菜の凍結乾燥食品であり得る。
1つの実施形態では、上記レトルト食品部は、さらに固形具材を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の食品セットは、さらに長期常温保存可能な主食部を含み得る。
1つの実施形態では、上記主食部は、麺類であり得る。
1つの実施形態では、上記麺類は、揚げ麺であり得る。
1つの実施形態では、上記主食部は、米飯類であり得る。
1つの実施形態では、上記主食部は、おこげ類であり得る。
1つの実施形態では、上記副食部は流動可能部分を含み得、該流動可能部分の粘度が1,500mPa・s以上15,000mPa・s以下であり得る。
1つの実施形態では、本発明のセットは、さらに調理水部を含み得、該調理水部は自由水を含み得る。
1つの実施形態では、上記調理水部の粘度は、28℃における純水の粘度以上かつ500mPa・s以下であり得る。
1つの実施形態では、本発明のセットは、さらに副食部用容器を含み得、該副食部用容器は、上記乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻し、該戻された乾燥食品部と上記レトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱するために用いられ得る。
1つの実施形態では、本発明のセットは、さらに主食部用容器を含み得る。
1つの実施形態では、本発明のセットは、さらに主食部用容器を含み得、上記副食部用容器は、該主食部用容器の開口部内側に重ねられ得る。
1つの実施形態では、上記主食部用容器および前記副食部用容器の深さおよび形状は、該主食部用容器内に前記主食部を収容し、さらにその上に該副食部容器を重ねた場合、該副食部用容器の底部と該主食部の頂部とが離間するに充分な深さおよび形状であり得る。
1つの実施形態では、上記離間部は、1mm以上でかつ5cm以下であり得る。
1つの実施形態では、上記副食部用容器は、段状の底部を有し得る。
1つの実施形態では、上記段状の底部の最下段は、該底部の中央に位置し得る。
1つの実施形態では、上記段状の底部の最下段は、該底部の周縁部または周縁部付近に位置し得る。
1つの実施形態では、上記最下段により規定される凹部の収容容積は、前記調理水部の体積とほぼ等しい。
1つの実施形態では、上記副食部用容器は、フランジから側方に延びる把持部を有し得る。
1つの実施形態では、上記主食部用容器内に前記主食部を収容し、さらにその上に前記副食部用容器を重ねており、該副食部用容器内に前記乾燥食品部、前記調理水部および前記レトルト食品部を収容し得る。
本発明の1つの調理方法は、長期常温保存可能な食品セットの調理方法であって、該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該方法は、該乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻し、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱する工程を包含する。
本発明の別の調理方法は、長期常温保存可能な食品セットの調理方法であって、該セットは、乾燥食品部と、レトルト食品部と、長期常温保存可能な主食部と、副食部用容器と、主食部用容器とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該方法は、該副食部用容器内で該乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻す工程、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部と、該主食部とが互いに離間するように、該副食部を該副食部用容器に収容した状態で、かつ該主食部を該主食部用容器に収容した状態で、これらの容器を電子レンジ中に配置して該主食部および該副食部を電子レンジで加熱する工程を包含する。
1つの実施形態では、本発明の調理方法は、上記電子レンジによる加熱前に、上記副食部用容器を上記主食部用容器上に重ねる工程をさらに包含し得る。
1つの実施形態では、本発明の調理方法は、上記電子レンジによる加熱後に、上記副食部を上記主食部上に載置する工程をさらに包含し得る。
本発明により、高粘度の流動可能部分を含む長期常温保存可能食品でありながら、具材(特に野菜類)の鮮やかな色彩を保持し、作りたてのような良好な食味を有する食品が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書の全体にわたり、対象物の個数は、特に言及しない限り、1個または2個以上であり得ることが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
本発明の食品セットは、長期常温保存可能であり、喫食前に電子レンジで加熱される食品セットであって、該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該乾燥食品部は調理水部と混合することにより戻され、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部が電子レンジで加熱される。
本明細書中では、「食品セット」とは、少なくとも2つの食品を組合せたものをいう。食品セットには、食品以外にも、容器、使用説明書、包装、食器などを含めることができる。
本発明の食品セットは、容器入り食品として製造され得る。本明細書中では、「容器入り食品」とは、容器内に収容された食品をいう。「収容された」とは、容器内に入れられていることを意味する。食品は、容器内に収容されていさえすれば、容器に必ずしも固定される必要はない。
本明細書中では、「長期常温保存可能」とは、常温において長期にわたって保存可能であることをいう。「常温」とは、好ましくは約3℃〜約40℃であり、より好ましくは約10℃〜約30℃であり、さらに好ましくは約15℃〜約25℃であり、最も好ましくは約20℃である。「長期」とは、約2週間以上であり、好ましくは約1ヶ月間以上、より好ましくは約2ヶ月間以上、より好ましくは約3ヶ月間以上、より好ましくは約4ヶ月間以上、より好ましくは約5ヶ月間以上、より好ましくは約6ヶ月間以上、より好ましくは約7ヶ月間以上、より好ましくは約8ヶ月間以上、より好ましくは約9ヶ月間以上、より好ましくは約10ヶ月間以上、最も好ましくは約12ヶ月間以上である。
<1.食品セットの製造>
本発明の食品セットは、上記のように、乾燥食品部とレトルト食品部とを含む。乾燥食品部およびレトルト食品部のみからなる副食部用食品セットとしてもよいが、本発明の食品セットは好ましくは、長期常温保存可能な主食部をさらに含み、より好ましくはさらに容器を含み、特に好ましくは使用説明書を含む。食品セットは、調理水部を含んでもよい。食品セットは、これらの構成要素を組合せることによって製造される。食品セットは、外包装材によって一体として外包装されることが好ましい。乾燥食品部と、レトルト食品部と、長期常温保存可能な主食部とを含む、本発明の食品セット(この場合、容器入り食品とも呼ばれる)が、外包装材によって一体として外包装された場合の一例を図4に示す。図4では、外包装材を410として示す。図4では、外包装材を模式的に箱状に図示したが、外包装材は、容器入り食品を一体として外包装していれば、どのような形状で包装していてもよい。外包装材の例としては、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、紙が挙げられる。食品セットは、長期常温保存可能である。なお、本明細書中において、「副食部」とは、主食部と副食部とを含む食品セットの場合にはその副食部分を意味し、主食部のない食品セットの場合にはその食品セット全体を意味する。
食品セットに含まれる各構成要素について以下に説明する。
(1.1 乾燥食品部)
本明細書中では、「乾燥食品部」とは、乾燥した食品の部分をいう。乾燥食品部は、微生物の繁殖を妨げるに充分に乾燥している。乾燥食品部は好ましくは、水分量が5重量%以下であり、より好ましくは3重量%以下であり、さらに好ましくは2重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下であり、最も好ましくは0.5重量%以下である。通常、乾燥食品部は、乾燥状態を保持するために、水不透過性の包材または包装容器によってパックされている。乾燥食品部は、例えば、密封可能な水不透過性の小袋中に定量充填されていてもよい。乾燥食品部の概念には、この包材および包装容器は含まれない。
本明細書中では、「水分量」とは、対象物(例えば、乾燥食品部)に含まれる水分の、対象物全体の重量に対する割合をいう。例えば、100gの乾燥食品部中に1gの水分が含まれている場合、その乾燥食品部の水分量は1重量%である。水分量の測定方法は、当業者に公知である。例えば、赤外水分計を用い、まず、乾燥食品部の重量を測定し、次いで乾燥食品部を135℃にて2時間保持し、2時間保持後の乾燥食品部の重量を測定し、保持前と比較して10分間の保持後に減少した重量から水分量を決定し得る。
乾燥食品部は、当該分野で公知の方法によって製造され得る。このような製造方法の例としては、凍結乾燥法および熱風乾燥法が挙げられる。凍結乾燥法は、一般に、被対象物を約−20℃以下で凍結させ、減圧することによって被対象物中の水分が昇華し、真空乾燥される方法である。熱風乾燥法は、一般に、約60℃〜80℃の熱風により、被対象物の過度の変性を予防しながら、ゆっくりと被対象物の水分をとばして乾燥させる方法である。本発明で用いられる乾燥食品部は、凍結乾燥食品であっても熱風乾燥食品であってもよい。凍結乾燥食品は、熱風乾燥食品と比較すると、製造工程が若干複雑であるとはいえ、湯戻りが早く、色彩が極めて鮮明であるという利点がある。他方、熱風乾燥食品は簡便な製造工程により生産出来る反面、凍結乾燥食品と比較して、食品の細胞に与えられるダメージが大きく、湯戻しによる復元性および色彩の鮮明さがやや劣る。本発明の食品セットは、通常、電子レンジにより短時間で加熱調理される。従って、凍結乾燥食品および熱風乾燥食品の上記のような双方の特性を鑑みて、適宜、時々に合せて凍結乾燥食品および熱風乾燥食品を使い分ければよい。乾燥食品部は、凍結乾燥食品と熱風乾燥食品との混合物であってもよい。乾燥食品部は、凍結乾燥食品であることが好ましい。
乾燥させて乾燥食品部とされる食品は、任意の食品であり得るが、好ましくは、レトルト処理によって品質劣化または変色しやすい食品であり、より好ましくは野菜または卵であり、特に好ましくは葉菜であり、最も好ましくは緑色の葉菜である。本発明は、これらの食品の品質劣化および変色を抑制することが可能である点で有利である。例えば、葉菜では、レトルト処理によりしゃきしゃきした食感が損なわれ、ふにゃふにゃになってしまう場合があるが、レトルト処理を行わずに乾燥することにより、しゃきしゃきした食感が保存できる。また、レトルト処理により変色する食品の場合、レトルト処理の際にその食品本来の味が損なわれる傾向があるが、レトルト処理を行わずに乾燥することによりその味の低下が抑制できる。
乾燥させて乾燥食品部とされる食品の例としては、葉菜(葉物野菜類とも呼ばれる)(例えば、ネギ、チャイブス、ほうれん草、青梗菜、キャベツ、みつば、ニラなど);熱変性による影響を受け易いタンパク質含有食品(例えば、かき卵、スクランブルエッグ、豆腐など);フルーツ類(例えば、苺、キウイ、ブルーベリー、バナナなど);海藻(例えば、ワカメ)が挙げられる。凍結乾燥食品とされることが好ましい食品としては、特に、葉菜(例えば、ネギ、チャイブス、ほうれん草、青梗菜、キャベツ、みつば、ニラなど)、タンパク質含有食品(例えば、かき卵、スクランブルエッグ、豆腐など)、フルーツ類(例えば、苺、キウイ、ブルーベリー、バナナなど)が挙げられる。熱風乾燥食品とされることが好ましい食品としては、熱乾燥によるダメージを比較的受けにくい食品が挙げられ、このような食品の例としては、葉菜(例えば、ネギ、ほうれん草、キャベツなど)、ワカメなどが挙げられる。
(1.2 レトルト食品部)
本明細書中では、「レトルト食品部」とは、レトルトパウチに収容される食品部分をいう。レトルト食品部の概念には、食品部を包装している包装容器は含まれない。「レトルトパックされる」とは、耐熱性包装容器(レトルトパウチともいう)中に入れられて密封された後に、レトルト殺菌されることをいう。レトルト殺菌とは、120℃以上の温度で4分間以上で加熱殺菌することをいう。レトルト殺菌に用いられる条件は、殺菌される食品部の量および食品部に予め含まれる細菌量によって種々変化し得る。レトルト殺菌で用いられる条件は、約110℃〜約140℃で約1分間〜約100分間であることが好ましく、約115℃〜約130℃で約3分間〜約50分間であることがより好ましく、約120℃〜約125℃で約4分間〜約30分間であることが最も好ましい。
レトルト食品部は、流動可能部分を含む。「流動可能部分」とは、流動することができる部分であり、好ましくは28℃で流動することができる部分である。流動可能部分は、固体でも気体でもない部分である。流動可能部分は、好ましくは、液体またはゲルである。レトルト食品部の流動可能部分の粘度は、任意であり得るが、好ましくは、約2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、より好ましくは約4,500mPa・s〜15,000mPa・sであり、特に好ましくは約6,000mPa・s〜10,000mPa・s以上であり、最も好ましくは約8,900mPa・s以上である。粘度は、とろみと密接に関係する。粘度が低すぎる場合には、適切なとろみが得られにくい。そのため、とろみの食感が要求される食品においては、適切な粘度が要求される。本発明の食品セットは、喫食前に、乾燥食品部と調理水部とレトルト食品部とを混合して副食部が調製されるが、このとき、乾燥食品部に吸水されなかった水によってレトルト食品部の流動可能部分が薄められ、得られる副食部の流動可能部分の粘度は、レトルト食品部の流動可能部分の粘度よりも低くなる。副食部の流動可能部分は、良好なとろみを有することが好ましい。従って、この粘度の低下を考慮して、レトルト食品部の流動可能部分は、喫食に適切な粘度よりも高粘度であることが好ましい。レトルト食品部の流動可能部分は、調製される副食部の流動可能部分の粘度が、1,500mPa・s以上15,000mPa・s以下となるように、より好ましくは約2,400mPa・s以上13,000mPa・s以下となるように、特に好ましくは約4,500mPa・s以上10,000mPa・s以下となるように、最も好ましくは約8,900mPa・s以上9,000mPa・s以下となるように、設定される。本発明によれば、適切なとろみの食感を有する食品が容易に提供される。「流動可能部分の粘度」という場合、特に断りがない限り、この粘度は、28℃での粘度である。同じゲルであっても、温度が高いほど粘度が低くなり、温度が低いほど粘度が高くなる。
レトルト食品部の流動可能部分には、通常用いられる任意の調味料が含まれ得る。このような調味料の例としては、砂糖、醤油、塩、かつおだし、こんぶだし、チキンエキス、オイスターエキス、エビエキス、ホタテエキス、はくさいエキス、しいたけエキス、ポークエキス、しょうが、にんにくなどが挙げられる。流動可能部分の粘度は、例えば、でん粉、化工でん粉、片栗粉、増粘剤などを用いることによって調整され得る。
レトルト食品部は、さらに固形具材を含み得る。レトルト食品部は、乾燥食品部および調理水部と混合した後、主食部上に載置して喫食されるかまたは米飯と混ぜて喫食されるものであればよく、種類に指定はない。レトルト食品部は、あんかけのあん、丼物の具またはたれであってもよく、カレーライス、ハヤシライスなどの具およびソースであってもよい。なお、このような、主食部上に載置することによって目的の食品が得られるものを、「素」ともいう。例えば、あんかけの具とあんとの組合せは、あんかけの素ともいわれる。レトルト食品部は好ましくは、あんかけの素または丼の素であり、より好ましくはあんかけの素である。あんかけの素とは、乾燥食品部および調理水部と混合した後、麺類(例えば、揚げ麺)である主食部の上に載置することによってあんかけが得られるものをいう。あんかけの例としては、五目あんかけ、中華あんかけ、天津あんかけが挙げられる。丼の素とは、乾燥食品部および調理水部と混合した後、米飯類である主食部の上に載置することによって丼物が得られるものをいう。丼物の例としては、中華丼、天津丼、麻婆丼、親子丼、玉子丼、他人丼、すき焼丼、牛丼、天丼、うな丼、カツ丼が挙げられる。
レトルト食品部は好ましくは、五目あんかけ、中華あんかけまたは天津あんかけの素であり、より好ましくは五目あんかけのもとである。レトルト食品部は別の実施形態では、中華丼、天津丼、麻婆丼、親子丼または玉子丼の素であり、より好ましくは中華丼の素または親子丼の素であり、さらにより好ましくは中華丼の素である。レトルト食品部はさらに別の実施形態では、好ましくは、カレーライスの素、ハヤシライスの素またはシチューの素であり、より好ましくはカレーライスの素である。上記食品の中でも、五目あんかけ、中華あんかけ、天津あんかけ、中華丼、天津丼、麻婆丼、親子丼、玉子丼、カレーライス、ハヤシライスおよびシチューは、とろみが重要な食感である食品であるので、これらの食品に本発明を適用することが好ましい。
レトルト食品部の具材には、通常用いられる任意の具材を用いてもよいが、好ましくは、レトルト加熱殺菌後においても品質劣化の少ない具材を用いる。このような品質劣化の少ない具材の例としては、人参、馬鈴薯、玉葱などの根菜類が挙げられる。
レトルト食品部が流動可能部分および具材からなる場合、流動可能部分と具材との体積の比率、すなわち、比率=(流動可能部分の体積)÷(具材の体積)は、好ましくは約0.1〜約9.0であり、さらに好ましくは約0.4〜約2.3であり、最も好ましくは約0.6〜約1.5である。流動可能部分が少なすぎると副食部に適量の流動可能部分を提供しにくい場合がある。流動可能部分が多すぎると副食部の具材が少なくなり副食部としてのバランスが悪い場合がある。
レトルト食品部の製造方法は、当業者にとっては公知であり、通例に従って製造され得る。レトルト殺菌(加圧加熱殺菌)の条件も、材料の量に応じて当業者によって適切に設定され得る。
(1.3 長期常温保存可能な主食部)
本発明の食品セットは、好ましい実施形態では、さらに長期常温保存可能な主食部分を含む。本明細書中では、「長期常温保存可能な主食部」とは、常温で長期にわたって保存可能な食品部分をいう。長期常温保存可能な主食部の概念には、この主食部をパックしている包装容器は含まれない。この主食部は、主食となり得る任意の食品であり得る。主食部の例としては、麺類、米飯類、シリアル類が挙げられる。
麺類は、揚げ麺(フライ麺ともいう)、ノンフライ麺、フリーズドライ麺、または茹で麺であり得る。揚げ麺とは、生麺、茹で麺または蒸し麺を油脂で揚げることによって得られる麺である。ノンフライ麺とは、生麺、茹で麺または蒸し麺を、油脂で揚げずに高温の熱風(代表的には約80℃〜約100℃)で乾燥させることによって得られる麺である。フリーズドライ麺とは、生麺、茹で麺または蒸し麺を約−20℃以下で凍結させ、減圧することによって水分を昇華させることによって得られる麺である。茹で麺は、生麺または乾麺を茹でもしくは蒸した後、長期保存が可能であるように処理された麺である。茹で麺を長期保存可能にするためには、例えば、茹で麺または蒸し麺を、例えば、酸性水溶液に浸漬してpHを調整した後、約80℃〜約100℃で加熱殺菌される方法、茹で麺または蒸し麺を120℃でレトルト殺菌する方法など、種々の方法が公知である。これらの麺類の製造方法は当該分野で公知である。麺類は、味付けされていてもよく、味付けされていなくてもよい。麺類が味付け麺である場合、味付けには、醤油、塩、砂糖などの調味料が用いられ得る。味付け揚げ麺は、例えば、生麺、茹で麺または蒸し麺を、適切に調味された調味液に通した後に油脂で揚げることによって得られ得る。ノンフライ麺、フリーズドライ麺を味付けする場合も同様である。主食部は、1つの実施形態では、揚げ麺であることが好ましい。揚げ麺は、ノンフライ麺およびフリーズドライ麺と比較して食感および風味が優れている。揚げ麺は、生麺を油脂で揚げることによって得られた揚げ麺であることが好ましい。麺類の原料、太さ、種類などは、目的とするセット食品によって適切に選択され得る。例えば、麺類は、中華麺類、うどん類、素麺類、日本そば類、マカロニ類(例えば、スパゲッティー)などであり得る。麺類は、中華麺類であることが好ましい。中華麺類は、小麦粉、かんすいなどを原料として製造され得る。麺類は、中華麺類の揚げ麺であることが好ましい。麺類の原料には、小麦粉、油脂、かんすいの他、醤油、塩、砂糖などの調味料、および酸化防止剤などを含んでもよい。
主食部は、別の実施形態では、米飯類を含むことが好ましい。この場合、主食部は、好ましくは主に米飯からなる。米飯は、好ましくは主食部の約30重量%以上、より好ましくは約40重量%以上、さらに好ましくは約50重量%以上、さらにより好ましくは約60重量%以上、さらになお好ましくは約70重量%以上、特に好ましくは約80重量%以上、殊に好ましくは約90重量%以上、最も好ましくは約100重量%を占める。米飯類を含む主食部は、無菌主食部、レトルト主食部またはおこげ類であり得る。主食部が米飯100%からなる場合、無菌主食部は、無菌米飯、無菌化米飯、無菌パックされた米飯、無菌パック米飯、パック米飯、無菌包装米飯などともいわれる。主食部が米飯100%からなる場合、レトルト主食部は、レトルト米飯、高圧加熱殺菌米飯などともいわれる。「無菌主食部」の米飯は、「レトルト米飯」とは食品という分野では同じであるが、前処理法が別異であるがゆえに、両者は全く異なり、前者は120℃以上で4分間の加熱処理が施されていないので、レトルト米飯に特有の悪臭がなく、しかも美味である。それゆえ、米飯類を含む主食部は、無菌主食部であることが好ましい。おこげ類とは、米飯を含む主食部を油で揚げたもの、米飯を含む主食部を表面にこげができるまで焼いたものをいう。おこげ類は、焦げ目がついていることによって独特の香ばしい風味がするので好ましい。
米飯を含む主食部(例えば、無菌米飯、レトルト米飯またはおこげ類)は、米飯のみからなっていてもよく、あるいは、米飯に加えて、コメ以外の穀類、豆類、具材、調味料または香辛料を含んでいてもよい。米飯は、米を炊飯したものまたは蒸したものである。米とは、イネの種子から籾殻を除去したもの(すなわち、玄米)およびその加工品をいう。米としては、精白米、玄米、胚芽米、発芽玄米が挙げられる。米は、精白米であることが好ましい。米は、ジャポニカ米であっても、インディカ米であってもよい。米は、ジャポニカ米であることが好ましい。米の品種は任意の品種であり得る。目的とする長期保存用食品に応じて、任意の適切な米が選択され得る。米飯を含む主食部は、白米の米飯であっても、玄米の米飯であっても、発芽玄米の米飯であっても、具材の入らない味付き米飯であってもよい。米飯を含む主食部は、あるいは、具材入り味付き米飯であってもよい。米飯を含む主食部は、具材も調味料も含まない、いわゆる白飯であることが好ましい。コメ以外の穀類としては、コムギ、ライムギ、オオムギ、トウモロコシ、アワ、キビ、ヒエ、ソバ、ハトムギなどが挙げられる。豆類としては、ダイズ、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、ソラマメなどが挙げられる。
特に、主食部がおこげ類である場合、おこげ類は、1つの実施形態では、米飯のみからなることが好ましい。別の実施形態では、おこげ類は、米飯以外に、コメ以外の穀類、豆類などを含むことが好ましい。おこげ類はさらに、具材(例えば、粒状コンニャク)、つなぎ(例えば、澱粉類)、調味料(例えば、しょうゆ類、だし類、エキス類)、食品添加物(例えば、酸化防止剤)などを含み得る。
主食部に含まれ得る具材の例としては、シイタケ、キクラゲ、シメジ、マツタケ、ナラタケ、エリンギ、エノキダケなどのキノコ類;トウモロコシ、ニンジン、ゴボウ、コンニャク、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、タケノコ、トマト、山菜(例えば、ゼンマイおよびワラビ)などの野菜;アズキ、ソラマメ、エンドウマメ、ダイズなどの豆類;牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類;エビ、カニ、サケ、ホタテ、タラコ等の魚介類;鶏卵(例えば、全卵、卵白、卵黄およびそれらの加工品)などの卵類;ソーセージ、ハム、ベーコン、ミンチ肉等の畜産加工品類が挙げられる。このような具材が入った味付き米飯を含む主食部の例としては、五目御飯、山菜御飯、炊き込みご飯、おこわ、赤飯、ピラフ、チャーハン、芋御飯、豆御飯、チキンライスなどが挙げられる。好ましい具材の配合量は、主食部を100重量%として、好ましくは約1〜50重量%であり、より好ましくは約5〜40重量%であり、さらに好ましくは約10〜30重量%である。具材は固形であることが好ましい。具材は水分を含み得るが、米飯と比較して多すぎる水分を含まないことが好ましい。
米飯を含む主食部は必要に応じて調味料により味を付けられていてもよい。このような調味料としては例えば、醤油、ソース、油、酒、食塩、酢、アミノ酸調味料、核酸調味料、コンソメ、砂糖などが挙げられる。調味料の形態は、生、乾燥品、ペースト、ピューレ、粉末等の任意の形態であってよい。米飯を含む主食部に目的とする風味を付与するために必要に応じて1種以上の調味料を選択して用いることができる。本発明の食品セットが、丼物を提供することを目的とする場合、米飯を含む主食部には、予め、副食部(すなわち、丼の具およびつゆ)と同じ味付けが施されてもよい。好ましい調味料の配合量は、主食部を100重量%として、好ましくは約0.1〜30重量%であり、より好ましくは約1〜20重量%であり、さらに好ましくは約5〜10重量%である。
米飯を含む主食部は必要に応じて香辛料により風味を付けられているかまたは着色されていてもよい。このような香辛料の例としては、カレー粉、胡椒、サフラン、ターメリックおよびシナモンが挙げられる。本発明の食品セットが、カレーライスを提供することを目的とする場合、米飯を含む主食部には、予め、副食部(すなわち、カレーの具およびカレーソース)と同じカレー味が味付けされてもよい。好ましい香辛料の配合量は、米飯を含む主食部を100重量%として、好ましくは約0.1〜20重量%であり、より好ましくは約0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは約1〜5重量%である。
米飯を含む主食部は、当該分野で公知の方法に従って製造され得る。無菌米飯、レトルト米飯およびおこげ類の製造方法については、種々の方法が公知である。
無菌主食部は例えば、以下の方法に従って製造され得る。まず、好ましくは、米を含む無菌主食部原料の含む細菌および真菌の数を減少させるような処理が施される。米に付着した細菌および真菌の数を減少させるように精米または洗米することが好ましい。例えば、通常、一般家庭用の米は、約0.90〜約0.92の精米歩合となるように精米される。無菌主食部を製造するためには、精米歩合が約0.88〜約0.90となるまで精米することが好ましい。精米歩合を上げて精米の度合いを上げると、米粒に付着した細菌および真菌の数が減少する。なお、精米歩合とは、玄米の重さを1としたときの、精米後の精米の重さの割合をいう。精米をしながらオゾン殺菌を施してもよい。精米をしながらオゾン殺菌を施す方法は、例えば、特開平11−90245号公報に記載される。
あるいは、米に付着した細菌および真菌の数を減少させるように充分に洗米される。洗米は、一般家庭で行われる洗米と比較して非常に入念に行われる。洗米に用いられる水は、通常の水、無菌水、イオン交換水、酸性水溶液または次亜塩素酸含有水溶液であり得る。酸性水溶液で洗米されることが好ましい。酸性水溶液のpHは、好ましくは約2〜4.5、より好ましくは約2.5〜4.5、さらに好ましくは約3〜4.5に調整される。本明細書では、pHは、好ましくは20℃で測定されるpHである。酸性水溶液は、有機酸または無機酸を用いて調製され、好ましくは有機酸を用いて調製される。有機酸は食用可能な有機酸である。有機酸の例としては、例えば乳酸、酢酸、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、フィチン酸、コハク酸、酒石酸などが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい有機酸は、乳酸、クエン酸およびグルコン酸である。乳酸およびクエン酸は静菌作用が比較的強いという利点を有する。グルコン酸は、食味への影響が比較的少ないという利点を有する。クエン酸およびグルコン酸がさらに好ましく、クエン酸が最も好ましい。無機酸の例としては、塩酸、硫酸、リン酸および炭酸が挙げられる。酸は、好ましくは、食品衛生法別表2の指定添加物リストに記載の酸である。これらの酸は、1種類のみが用いられてもよいし、2種類以上が組み合わされて用いられてもよい。任意のpH値を維持しつつ、酸の濃度を増加させることにより、殺菌作用および静菌作用を高めることも可能である。酸の濃度は、使用される酸の種類に応じて容易に決定され得る。酸性水溶液中の酸の含有量は、約0.01重量%〜約1重量%であることが好ましく、約0.02重量%〜約0.7重量%であることがさらに好ましい。酸性水溶液中の酸の濃度が高すぎると、得られる無菌主食部が酸味または苦味を呈する場合がある。酸性水溶液中の酸の濃度が低すぎると、加熱殺菌の効果が不十分になる場合および保存中の静菌効果が不十分になる場合がある。例えば、超酸性水溶液を用いて洗米を行う方法が、特開平8−173066号公報に記載されている。また、水クラスター数10程度の水とジェット気泡を使った洗米機で細菌を減少させる方法が、特開平7−11866号公報および特開平7−11867号公報に記載されている。
洗米後、炊飯または蒸す前に、酸性水溶液に米を浸漬しておくことが好ましい。この場合、酸性水溶液のpHは、好ましくは約2〜4.5、より好ましくは約2.5〜4.5、さらに好ましくは約3〜4.5に調整される。酸性水溶液については、上記のとおりである。
酸性水溶液に米を浸漬する時間は、任意の時間であり得るが、例えば、約1分間〜約24時間であり得、約5分間〜約10時間がより好ましく、約10分間〜約5時間がさらに好ましく、約30分間〜約3時間が特に好ましく、約1時間〜約2時間が最も好ましい。水温が高いほど米はよく吸水するので、温度に依存して浸漬時間を調整し得る。
酸性水溶液に米を浸漬するときの酸性水溶液の温度は、通常用いられる任意の温度であり得、例えば、約5℃〜約70℃であり得、約10℃〜約50℃がより好ましく、約15℃〜約40℃がさらに好ましく、約20℃〜約30℃が最も好ましい。
酸性水溶液に浸漬した後、米を水切りし、酸味がしないように殺菌水で浸漬後の米を洗浄してもよい。
無菌主食部が、具材、調味料または香辛料を含む場合、これらの無菌主食部原料は、米とは別に、予め高温加熱殺菌されることが好ましい。この高温加熱殺菌の方法は当業者に公知である。高温加熱殺菌の条件は、例えば、約120℃〜約130℃で約4分〜1時間である。
次いで、米を含む無菌主食部原料が炊飯または蒸されて、無菌パック前の無菌主食部原料が得られる。炊飯または蒸しは、通常は常圧下で、必要に応じて加圧されて、好ましくは、約100℃〜約115℃で行われ、より好ましくは約105℃〜約110℃で行われる。炊飯または蒸しにかかる時間は、無菌主食部原料の量に依存するが、例えば、約10分間〜約30分間である。無菌主食部は、レトルト米飯における殺菌工程のような高温で加熱されることがないので、一般家庭での炊飯と比較して過度の熱がかからず、良好な食味および風味の無菌主食部を製造することができる。炊飯する場合、炊飯後に得られる米飯のpHが好ましくは約3.0〜4.5、より好ましくは約3.5〜4.5、さらに好ましくは約4.0〜4.5となるように、炊飯に用いる水(炊き水ともいわれる)のpHがこの範囲内になるように予め調整しておくことが好ましい。pHが低すぎると食味に影響がでる場合がある。pHが高すぎると殺菌効果が下がる場合がある。なお、米飯のpHとは、米飯50gに脱イオン水100ccを加え、10分間以上浸漬した後、マルチブレンダーにより1000rpmで5分間破砕した後に20℃にて測定したpHをいう。pHは、当該分野で公知の種々の測定機器で測定され得る。例えば、掘場製作所製のガラス電極式水素イオン濃度計(型式F−23)が用いられ得る。無菌主食部原料の炊飯は、無菌パック用容器とは別の炊飯用の容器で行われてもよく、無菌パック用の容器中で行われてもよい。米を含む無菌主食部原料は、蒸し器で蒸されてもよい。このように、炊飯または蒸しの際に、無菌主食部原料は、蒸気と直接接触する。
炊飯または蒸した後、炊飯用、蒸し用または無菌パック用の容器中で炊飯または蒸された無菌主食部原料は、無菌パックされ得る。無菌パックの方法および材料は、当該分野で公知である。例えば、無菌パック用容器中に炊飯または蒸された無菌主食部原料を詰めた後、制菌ガス置換をし、次いでこの容器をシールすることによって行われる。無菌パック用容器中で炊飯または蒸された無菌主食部原料の無菌パック化は、例えば、制菌ガス置換をし、次いでこの容器をシールすることによって行われる。制菌ガスは代表的には窒素ガスである。なお、本明細書中で無菌パックとは、長期保存性を得るために何らかの方法で商業的無菌性を確保し、密封包装することをいう。何らかの方法とは、例えば、無菌ルームにおいて製品として最終的にシールして密封包装するか、または最終シールをして密封包装した後にその密封包装したものを殺菌することなどをいう。無菌ルームは好ましくは、アメリカ連邦規格209bのクラス10,000またはそれよりも清浄度の高いクリーンルームであり、より好ましくはアメリカ連邦規格209bのクラス1,000またはそれよりも清浄度の高いクリーンルームであり、さらに好ましくはアメリカ連邦規格209bのクラス100またはそれよりも清浄度の高いクリーンルームである。あるいは、無菌ルームは、アメリカ航空宇宙局(NASA)規格のクラス10,000またはそれよりも清浄度の高いクリーンルームであり、より好ましくはアメリカ航空宇宙局規格のクラス100またはそれよりも清浄度の高いクリーンルームである。殺菌方法としては、例えば、加熱が挙げられる。このようにして、無菌パックに入れられた、長期保存可能な無菌主食部が得られ得る。
本発明で用いられる主食部が常温で長期保存可能であるか否かは、当該分野で公知の方法によって容易に決定され得る。例えば、常温で長期保存可能であるか否かは、常温で密封放置した複数の主食部から経時的に検体をサンプリングし、このサンプリングされた検体1gあたりに含まれる生菌数を測定することにより決定され得る。生菌数は、当該分野で公知の方法によって測定され得る。生菌数の測定方法としては、食品衛生法に基づき、好気性菌用として標準寒天培地平板混釈法、嫌気性菌用としてGAM寒天培地平板混釈法、真菌用としてポテトデキストロース寒天培地平板塗抹法が挙げられる。
本明細書では、20℃で2週間保存しても菌の増殖が実質的にない場合、この主食部は長期保存可能であるという。無菌主食部またはレトルト主食部は、2週間保存した場合の検体1gあたりの生菌数が、好ましくは10個以下であり、より好ましくは1個以下であり、最も好ましくは0個である。無菌主食部またはレトルト主食部は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月または6ヶ月保存した場合の検体1gあたりの生菌数が、好ましくは10個以下であり、より好ましくは10個以下であり、さらに好ましくは1個以下であり、最も好ましくは0個である。
無菌主食部またはレトルト主食部は、20℃で2週間保存しても菌の増殖が実質的にない。「20℃で2週間保存しても菌の増殖が実質的にない」とは、20℃で2週間保存した後の主食部の検体1gあたりの生菌数が、製造直後(すなわち、製造1日目)の主食部の検体1gあたりの生菌数の100倍(すなわち、10倍)以下であることをいう。この比は、好ましくは10倍以下であり、より好ましくは5倍以下であり、さらに好ましくは1倍である。
おこげ類は、当該分野で公知の方法によって製造され得る。おこげ類は、例えば、以下の方法によって製造され得る。まず、コメを炊飯または蒸して米飯を得る。得られた米飯を、軽く押しつぶしながら、薄く(例えば、約5mm〜約2cm)広げる。広げた米飯を、必要に応じて、加熱して表面に焦げを付ける。広げた米飯を適度な大きさに切り分けた後、軽く乾燥させる。軽く乾燥した米飯を約130℃〜約200℃の油で揚げて、おこげ類を得る。あるいは、おこげ類は、広げた米飯を加熱して表面に焦げを付けることによって製造され得る。油で揚げておこげ類を製造することが好ましい。
主食部を直接包装する包装容器(例えば、無菌パックされた無菌主食部を製造するための無菌パック用容器)は、以下の(1.4 容器)で説明する、主食部用の第1容器であっても、副食部用の第2容器であっても、または、第1容器と第2容器とが一体となって単一の複室容器を構成してもよい。例えば、主食部が無菌米飯または無菌麺類であって、第1容器と第2容器とが一体となった単一の複室容器を無菌パック用容器として用いる場合、第1容器に、炊飯または蒸した無菌米飯または無菌麺類を詰めてから、通常用いられる蓋材(例えば、プラスチックフィルム)などをこの容器に重ねてこの蓋材と複室容器との接触面を熱溶着することによって、複室容器を無菌的に密封包装し得る。第1容器を無菌パック用容器として用いる場合、第1容器に炊飯または蒸した無菌米飯または無菌麺類を詰めてから、第2容器を蓋として第1容器上に重ねて、この第1容器と第2容器との間の接触面を熱溶着することによって、第1容器を無菌的に密封包装してもよい。あるいは、第1容器を無菌パック用容器として用いる場合、第1容器に炊飯または蒸した無菌米飯または無菌麺類を詰めてから、通常用いられる蓋材(例えば、プラスチックフィルム)などを第1容器上に重ねてこの蓋材と第1容器との接触面を熱溶着することによって、第1容器を無菌的に密封包装し得る。もちろん、主食部が麺類(例えば、揚げ麺)、おこげ類などである場合、麺類は、ピロー包装されてもよい。
(1.4 容器)
本発明の食品セットは、好ましい実施形態では、上記食品に容器が組み合わされる。容器としては、主食部用の第1容器および副食部用の第2容器の、合わせて2つの容器が用いられ得る。本発明の食品セットは、主食部用の第1容器および副食部用の第2容器のいずれか一方のみを含んでもよいが、これら2つの容器を含むことが好ましい。なお、本明細書中で「主食部用」とは、電子レンジによる加熱の際に主食部を収容するために用いることを目的としていることをいい、例えば保存時には、主食部を収容していなくともよい。同様に、本明細書中で「副食部用」とは、本発明の食品セットの調理の際に、乾燥食品部と調理水部とを混合してこの乾燥食品部を戻し、この戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジにより加熱するために用いることを目的としていることをいい、例えば保存時には、レトルト食品部を収容せずに主食部を収容してもよい。第1容器と第2容器とは、保存時も電子レンジ加熱時も互いに独立して存在してもよく、あるいは、保存時または電子レンジ加熱時に、溶着、接着、嵌合などによってあたかも1つの複室容器であるかのようにされていてもよく、あるいは、保存時および電子レンジ加熱時に、一体となって単一の複室容器を構成していてもよい。
このような容器は、電子レンジ加熱耐性の容器である。本明細書中では、「電子レンジ加熱耐性」とは、電子レンジで加熱を行っても実質的に変形も融解もしないことをいう。「実質的に変形も溶解もしない」とは、肉眼で見て変形も融解もしないことをいう。電子レンジ加熱耐性の容器の材料の例としては、ポリプロピレン、ナイロン、エバール、ポリ塩化ビニリデンおよび紙が挙げられる。容器の材料は、ポリプロピレンの単層体のような単層体であっても、ナイロン/ポリプロピレンの2層体のような2種の材料の積層体であっても、ポリプロピレン/エバール/ポリプロピレンの3層体またはポリプロピレン/ポリ塩化ビニリデン/ポリプロピレンの3層体のような3種の材料の積層体であってもよい。複数の容器を用いる場合、これらは、互いに異なる材料から構成されていてもよい。すなわち、第1容器と第2容器とは、異なる材料から構成されていてもよい。これらの容器のいずれかが、無菌パック用容器としても用いられる場合、これらの容器の材質は、無菌パック容器に必要な特性を備えた材料から構成される必要がある。無菌パック容器に必要な特性を備えた材料の例としては、ポリプロピレン/エバール/ポリプロピレンおよびポリプロピレン/ポリ塩化ビニリデン/ポリプロピレンが挙げられる。
主食部用の第1容器は、主食部を収容するに充分な収容容積を有する。第1容器は、電子レンジ加熱後に主食部上に副食部を載置したものを収容するに充分な収容容積を有することが好ましい。第1容器は、電子レンジ加熱後に主食部上に副食部を載置した後、この第1容器を持って移動する際にこれらの食品をこぼさないに充分なゆとりがあるような収容容積を有することがさらに好ましい。
副食部用の第2容器は、乾燥食品部、調理水部およびレトルト食品部の混合物を収容するに充分な収容容積を有する。第2容器は、電子レンジ加熱後にこの第2容器を持って移動する際に、副食部をこぼさないに充分なゆとりがあるような収容容積を有することがさらに好ましい。第2容器の開口部を上方から見たときの表面積は、乾燥食品部の量と比較して大きすぎないことが好ましい。表面積が大きすぎると、乾燥食品部と調理水部とを混合する際に、乾燥食品部の調理水部への浸漬が不充分となって乾燥食品部の復元が不充分になる場合がある。
第2容器の内側には、調理水部を入れる量の目安を示す目印が付いていてもよい。このような目印の例としては、凹凸、容器内側の開口形状の変化)、印刷、刻印などが挙げられる。調理水部が予め食品セットに含まれている場合は、もちろん、調理水部を入れる量の目安を示す目印を設ける必要はない。
第2容器は、段状の底部を有する形状であってもよい。例えば、この段状の底部の最下段により規定される凹部の収容容積が、入れるべき調理水部の体積とほぼ等しくなるように形成されることが好ましい。この場合、段状の底部の最下段は、底部の中央に位置してもよく、あるいは、底部の周縁部または周縁部付近に位置してもよい。底部の中央に位置している場合を、図5および図6に例示する。底部の周縁部に位置している場合を、図7および図8に例示する。最下段により規定される凹部は、任意の形状であり得る。例えば、円筒状(図2に例示する)、皿状、楕円筒状、お椀状、角型の弁当箱状、円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状(図5に例示する)、四角錘の先端部を切り落とした角錐台の形状(図6に例示する)、リング状(図7および図8に例示する)などが挙げられる。
最下段が底部の中央に位置している場合、最下段により規定される凹部の形状は、好ましくは、円筒状、皿状、円筒状、楕円筒状、お椀状、角型の弁当箱状、円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状などであり、より好ましくは円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状である。これらの場合、凹部の底の部分は、平らであることが好ましい。凹部の底の部分が平らである場合の例を、図5および図6に例示する。
最下段が底部の周縁部または周縁部付近に位置している場合、最下段により規定される凹部の形状は、好ましくはリング状などである。この場合、凹部の底の部分は、平らであっても、丸まっていてもよい。凹部の底の部分が平らである場合の例を、図7に例示する。凹部の底の部分が丸まっている場合の例を、図8に例示する。
第2容器の底部がこのように段状となっていると、入れるべき調理水部の量が極めてわかりやすいという利点がある。
第1容器および第2容器は、任意の形状であり得る。これらの容器が採り得る形状の例としては、皿状、円筒状、楕円筒状、お椀状、角型の弁当箱状および円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状などが挙げられる。第1容器は、皿状または丼状であることが好ましく、皿状であることがより好ましい。特に、主食部が麺類(例えば、揚げ麺)であってレトルト食品部があんかけの素である場合、第1容器は皿状であることが好ましい。別の実施形態では、主食部が米飯類であってレトルト食品部が丼の素である場合、第1容器は丼状であることが好ましい。丼状とは、お椀状および円錐台の形状を含む。また、容器の開口端には、この容器の密封を容易にするために、水平なフランジを設けることができる。このようなフランジは、他の容器のフランジと接触させて熱溶着され得る。例えば、第1容器のフランジの上面と第2容器のフランジの上面または下面とを接触させて、その接触面を熱溶着させ得る。あるいは、接触面は、接着剤によって接着されてもよい。
保存時および電子レンジ加熱時に第1容器と第2容器とが一体となって単一の複室容器を構成している場合、電子レンジで加熱する際に、第1の容器に収容された主食部と第2の容器に収容された副食部とは、離間していることが好ましい。電子レンジで加熱する際に、第1容器に含まれた主食部と、第2容器に含まれた副食部に対して電子レンジのマイクロ波が分散されて加熱むらが抑制されるからである。
第1容器と第2容器とが一体となって単一の複室容器を構成している場合、第1容器と第2容器とは、同一平面上に水平方向または垂直方向に並べて配置され得る。水平方向に並べれば容器の製造が容易となる利点がある。第1容器と第2容器とが同一平面上に水平方向に配置されている場合、第1容器の縁部の一部と第2容器の縁部の一部とは、連続した同一の材料から構成されて融合していてもよく、この場合、融合部には、例えば、ミシン目が1本または2本以上設けられてもよい。ミシン目が存在すると、電子レンジでの加熱後に、第1容器と第2容器とをミシン目から切り離すのが容易である。ミシン目が2本存在すると、第1容器および第2容器を水平状態に保ったままこれら2つの容器を切り離すのが容易になる。もちろん、はさみなどを用いて第1容器の縁部と第2容器の縁部とを切り離してもよい。このようにして切り離された第1容器および第2容器は、保存時および電子レンジで加熱する際に独立した容器として存在する場合と同様に、第2容器に収容されている、加熱された副食部が、第1容器内の加熱された主食部上に載置されるように操作され得る。
本明細書中では、便宜上、1つの材料から一体化して成形された2室容器は、食品セットの保存の際にその一体の状態が保持されていれば、1つと数えられる。2つの容器を別々に作った後に組み合わせたり、重ねたりしたものは、2つと数える。例えば、第1容器に第2容器を嵌合または熱溶着した場合は、容器が2つと数える。しかしもちろん、第1容器と第2容器とが一体化して1つの複室容器であるか、第1容器と第2容器とが別々の容器であるかは本発明の本質とは関係がない。
第1容器と、第2容器とは、同じ形状であっても異なる形状であってもよい。第1容器と第2容器とは、異なる形状であることが好ましい。第2容器は、第1容器上に重ねることが可能な形態であることが好ましい。第1容器上に第2容器を重ねて電子レンジで加熱する場合、第1容器と第2容器とを横に並列して加熱する場合と比較して、第1容器および第2容器を電子レンジ内に配置する際および電子レンジによる加熱後に第1容器および第2容器を取り出す際にこれらの容器を1回で持ち運ぶことができるという利点がある。また、加熱後に、第1容器を持って第1容器および第2容器を取り出して運べば、第1容器はそれほど熱くないので、やけどの危険なく、持ち運ぶことができるという利点もある。また、第1容器と第2容器とを横に並列して加熱する場合と比較して多数の第1容器および第2容器のセットを電子レンジで同時に加熱できるという利点もある。第2容器はまた、第1容器上に重ねて電子レンジで加熱した際に、第1容器内の膨張した空気の一部が第1容器外に逃げやすいように、第1容器と第2容器との接触部が連続しない(すなわち、すき間ができる)形状であることが好ましい。このような形状は、当業者に公知であり、容易に設計され得る。
第1容器上に第2容器を重ねて(例えば、第2容器が第1容器の開口部に蓋をする形態で)電子レンジ加熱することを意図する場合、第1容器の深さおよび形状は、第1容器に無菌主食部を収容し、さらにその上に第2容器を重ねても、第2容器の底部と無菌主食部の頂部とが離間するに充分な深さおよび形状であることが好ましい。この離間部は、好ましくは、約1mm以上あり、より好ましくは約5mm以上あり、さらに好ましくは約1cm以上である。離間部の上限は特になく、任意に設定され得るが、好ましくは5cm以下であり、より好ましくは4cm以下であり、最も好ましくは3cm以下である。離間しすぎると、第1容器上に第2容器を重ねたものが一般家庭の電子レンジ内に入らなくなる場合があるので好ましくない。
第1容器は、無菌パック用容器としても、電子レンジ加熱時の容器としても、また喫食時の容器としても役立ち得る。
第1容器上に第2容器を重ねて(例えば、第2容器が第1容器の開口部に蓋をする形態で)電子レンジ加熱することを意図する場合、第2容器は、第1容器上に重ねることが可能な形状であることが好ましく、第2容器の側面の少なくとも一部が、第1容器の側面の少なくとも一部と入れ子状に嵌合する形状であることがさらに好ましい。第2容器はまた、第1容器上に重ねても、第2容器の底部と主食部の頂部とが離間する深さを有することが好ましい。この離間部は、好ましくは、約1mm以上あり、より好ましくは約5mm以上あり、さらに好ましくは約1cm以上である。離間部の上限は特になく、任意に設定され得るが、好ましくは5cm以下であり、より好ましくは4cm以下であり、最も好ましくは3cm以下である。離間しすぎると、第1容器上に第2容器を重ねたものが一般家庭の電子レンジ内に入らなくなる場合があるので好ましくない。
第1容器上に第2容器を重ねて電子レンジ加熱することを意図する場合、第2容器はまた、第1容器上に重ねることが可能であって、かつ第2容器から側方に伸びる把持部を有することが好ましい。この把持部は、第2容器を第1容器上に重ねて主食部および副食部を電子レンジ加熱した後に、把持部を持ち上げることにより、第1容器から該第2容器を持ち上げることを可能にする形状であることが好ましい。
第2容器はまた、収容部の底面を底面としたまま、あるいは、反転して収容部の底面を上面にして、無菌パック用容器の開口部をおおう蓋として用いることもできる。無菌パック用食品の蓋として用いる場合、組合せ食品がかさばらないように、第2容器の収容部の底面を底面としたまま用いることが好ましい。第2容器を蓋として用いる場合も、第2容器は容器とみなされる。第2容器を蓋として用い、第1容器のフランジと第2容器のフランジとを熱溶着または接着した場合も、上記のように、2つの容器と数える。
第2容器は、副食部用容器としても、無菌パック用容器としても、無菌パック用容器の蓋としても、また、電子レンジ加熱時の容器としても役立ち得る。
(1.5 調理水部)
本発明の食品セットは、さらに調理水部を含み得る。調理水部が食品セットに含まれない場合、調理水部は、本発明の食品セットの加熱調理者によって用意され得る。本明細書中では、「調理水部」とは、乾燥食品部と混合して、乾燥食品部を「戻す」ために用いられるものであって、自由水を含むものをいう。本明細書中では、「戻す」とは、乾燥食品部に自由水を吸水させて、乾燥食品を乾燥前の状態に類似した状態に復元することをいう。調理水部は、乾燥食品部を復元させ得るものであればよく、乾燥食品部を短時間の電子レンジ加熱にて復元させ得るものがより好ましい。調理水部は、自由水を含む水、水溶液、水含有懸濁液または水含有乳液であり得る。調理水部は任意の温度のものであり得る。調理水部の例としては、冷水、常温水、湯、粘度500mPa・s以下の調味液などが挙げられる。調理水部の粘度は、28℃における純水の粘度以上かつ500mPa・s以下であることが好ましい。調理水部は好ましくは、冷水、常温水、湯、28℃における純水の粘度以上かつ500mPa・s以下の粘度の調味液であり、さらに好ましくは常温水である。調理水部が調味液である場合、この調味液は、乾燥食品部を復元するに充分な自由水を含み、そして通常用いられる任意の調味料を含み得る。このような調味料の例としては、かつおだし、こんぶだし、チキンエキス、オイスターエキス、エビエキス、ポークエキス、ホタテエキス、はくさいエキス、しいたけエキスなどが挙げられる。調味料は、調味液中に単独で含まれていてもよく、2種以上組み合わせて含まれてもよい。乾燥食品部を復元するに充分な自由水を調味液が含むような調味料の濃度の決定は、当業者に容易である。自由水の量の尺度は通常、水分活性で示される。調理水部の水分活性は、0.850以上であることが好ましく、0.900以上であることがより好ましく、0.940以上であることが更に好ましく、1.000であることが最も好ましい。
調理水部の温度が低すぎると乾燥食品部への吸水に時間がかかる場合があるので、調理水部の温度は低すぎないことが好ましい。調理水部の粘度が高すぎると、乾燥食品部の復元性に欠ける場合がある。調理水部は、当該分野で公知の方法によって包装され得る。本発明の食品セットに調理水部を含む場合、本発明の調理者は調理水部を自分で準備する必要がなく、簡便であるという利点を有する。
調理水部の重量は、乾燥食品部を復元するに充分な重量である。調理水部の重量は好ましくは、乾燥食品部の重量の約20倍以上であり、より好ましくは約25倍以上である。調理水部の重量に上限はなく、任意に設定され得るが、好ましくは、乾燥食品部を復元した後に残存する調理水部とレトルト食品部とを混合して得られる副食部中の流動可能部分の粘度が適切な粘度となるような重量である。好ましくは約100倍以下の重量であり、より好ましくは約80倍以下の重量であり、さらに好ましくは約50倍以下の重量であり、最も好ましくは約30倍以下の重量である。もちろん、レトルト食品部の流動可能部分の粘度を高くすれば、同じ重量の調理水部を用いても得られる副食部中の流動可能部分の粘度も高くなるので、所望に応じて、レトルト食品部の流動可能部分の粘度と調理水部との比率は、当業者によって任意に設定され得る。調理水部の重量が少なすぎると、乾燥食品部の復元が不十分となり、良好な色彩および食味を得ることが出来ない場合がある。
(1.6 使用説明書)
本発明の食品セットは、使用説明書を含み得る。使用説明書は、この食品セットの調理方法について、乾燥食品部と調理水部とを混合して乾燥食品部を戻し、この戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱することを指示する。使用説明書はさらに、第2容器において乾燥食品部と調理水部とを混合して乾燥食品部を戻し、この戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合して得られた副食部と、主食部とが互いに離間するように、主食部を第1容器に収容し、かつ副食部を第2容器に収容した状態で、これら主食部と副食部とをそれぞれ収容した第1容器と第2容器とを電子レンジ中に配置して主食部および副食部を電子レンジで加熱することを指示し得る。使用説明書はさらに、電子レンジでの加熱後に、上記副食部を上記主食部上に載置することを記載し得る。主食部が麺類(例えば、揚げ麺)であってピロー包装されている場合、使用説明書はまた、電子レンジによる加熱前に、ピロー包装を開封して麺類を第1容器に収容する工程を記載し得る。主食部が米飯類である場合、使用説明書はまた、電子レンジによる加熱前に、主食部を収容した密封された第1容器を開封する工程を記載し得る。
使用説明書は、本発明の食品セットを包装する包装紙に記載されていても、包装容器に記載されていても、上記の(1.4 容器)で説明した容器の外側面に記載されていても、または添付冊子に記載されていてもよい。包装紙に記載されていることが好ましい。
(1.7 他の材料)
本発明の食品セットは、上記の各種部分に加えて、他の材料を含み得る。このような材料としては、包装された乾燥食品、包装された液体食品、包装された固体食品などの他の食品が挙げられる。乾燥食品の例としては、乾燥野菜、乾燥海苔などが挙げられる。液体食品の例としては、醤油、ソース、マヨネーズ、わさび、からしなどが挙げられる。固体食品としては、福神漬け、しょうがなどが挙げられる。
<2.食品セットの加熱調理方法>
主食部中に用いられ得る無菌麺類または無菌米飯類は、主成分としてデンプンを含む。デンプンは、茹でまたは炊飯されるとα化して特有の食感および性質を示す。α化されたデンプンは、冷却されると徐々に構造が変化して老化し、食感が悪化する。それゆえ、無菌麺類または無菌米飯類などの主食部が常温で保存されると、製造直後からデンプンの老化現象が発生し、長期保存中にほぐれ難い物性を示す。従って、常温保存された主食部の喫食前には、無菌麺類または無菌米飯類に含まれるデンプンの再α化のために、主食部を加熱調理することが好ましい。また、揚げ麺などの低水分活性により長期常温保存性を確保している主食部に関しても、老化は起こらないものの、カリッとした食感となることから、加熱調理することが好ましい。また、戻した乾燥食品部をレトルト食品部と混合した後加熱調理しないと適切な調理感が得られない場合があり、また、加熱調理した主食部と副食部とに温度差があると、得られる食品を不味く感じる場合があるので、副食部もまた、喫食前に加熱調理されることが好ましい。加熱調理方法としては、マイクロ波によって水分子を直接振動させて温める電子レンジ加熱調理が適している。
本発明の食品セットは、乾燥食品部と調理水部とを混合して乾燥食品部を戻し、該戻された乾燥食品部と上記レトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱する工程を包含する方法によって調理され得る。例えば、まず、乾燥食品部を副食部用容器に入れ、次いで調理水部を加える。あるいは、まず調理水部を副食部用容器に入れ、次いで乾燥食品部を入れてもよい。本明細書中では、「乾燥食品部と調理水部とを混合する」とは、乾燥食品部と調理水部とを均一に混合することだけでなく、乾燥食品部に調理水部を加えることおよび調理水部に乾燥食品部を加えることをも意味する。調理水部は、本発明の食品セットに含まれる調理水部であってもよく、あるいは、本発明の食品セットの加熱調理者によって用意されてもよい。乾燥食品部に調理水部を加えたら、または調理水部に乾燥食品部を加えたら、これらを箸、フォーク、スプーンなどの任意の手段でかき混ぜてもよく、かき混ぜなくてもよい。かき混ぜると、乾燥食品部がより均一に復元されやすくなる。乾燥食品部と調理水部とを混合したら、続いてレトルト副食部を添加してもよいが、乾燥食品部と調理水部とを混合した後、時間をおいてからレトルト副食部を添加することが好ましい。このような時間は、好ましくは約10秒間〜約15分間であり、より好ましくは約30秒間〜約10分間であり、最も好ましくは約1分間〜約5分間である。乾燥食品部と調理水部とを混合した後放置する時間は長いほど乾燥食品部が復元しやすくなるが、あまりにも長時間放置すると、本発明のセット食品を利用する手軽さが損なわれる場合があるので、ある程度短時間であることが好ましい。
次いで、乾燥食品部と調理水部との混合物(戻された乾燥食品部)に、レトルト食品部が添加され、戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合して、副食部が調製される。レトルト食品部が添加されるときに、乾燥食品部は完全に復元された状態にあってもよく、部分的に復元された状態にあってもよい。完全に復元された状態とは、さらに多くの水を加えて長時間放置したとしてもそれ以上吸水しない状態をいう。添加されたレトルト食品部は、乾燥食品部と調理水部との混合物と均一に混合されてもよく、あるいは、不均一なままであってもよい。乾燥食品部が完全に復元されていないときにレトルト食品部を添加した場合、乾燥食品部の復元を促進するために、乾燥食品部と調理水部との混合物をレトルト食品部と均一に混合しないことが好ましい。乾燥食品部の戻りが不完全な場合に均一に混合してしまうと、調理水部に含まれる自由水が減少してしまい、乾燥食品部の復元が不充分になる場合がある。本明細書中では、「戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合する」とは、戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを均一に混合することだけでなく、戻された乾燥食品部にレトルト食品部を加えることをも意味する。
次いで、副食部を電子レンジで加熱する。副食部用容器中で調製された副食部は、そのまま、この容器のまま電子レンジ中に配置され、加熱される。本発明のセット食品が主食部を含まない場合、副食部を収容した副食部用容器は、単独で電子レンジ中に配置され、加熱され得る。本発明のセット食品が主食部および主食部用容器を含む場合、好ましくは、副食部を収容した副食部用容器は、主食部を収容した主食部用容器とともに電子レンジ中に配置され、電子レンジで加熱される。この場合、好ましくは、主食部と副食部とは、互いに離間した状態で電子レンジ中に配置され、電子レンジで加熱される。
電子レンジでの加熱後、副食部を収容する容器は、電子レンジから取り出される。副食部を収容する容器と主食部を収容する容器とを同時に電子レンジで加熱した場合、副食部を収容する容器および主食部を収容する容器は、同時にまたは別々に電子レンジから取り出される。乾燥食品部と調理水部との混合物をレトルト食品部と均一に混合しないまま副食部として電子レンジで加熱した場合、この加熱後、副食部は、箸、フォーク、スプーンなどの任意の手段でかき混ぜられることが好ましい。もちろん、乾燥食品部と調理水部との混合物をレトルト食品部と均一に混合してから副食部として電子レンジで加熱した場合であっても、これらの任意の手段でかき混ぜてもよい。このようにして加熱された副食部は、好ましくは、主食部の上に載置される。主食部は、副食部とともに電子レンジで加熱された主食部であっても、あるいは、本発明の食品セットの加熱調理者によって用意された主食部であってもよい。好ましくは、副食部とともに電子レンジで加熱された主食部である。
副食部用容器を主食部用容器の上に重ねた状態で電子レンジ中に配置して電子レンジ加熱した場合、主食部用容器ごと取出し、必要に応じて副食部をかき混ぜて均一にし、副食部用容器を持ち上げ、主食部用容器の上で傾斜させるかまたは反転させることによって、加熱された副食部を、加熱された主食部上に載置することが好ましい。
このようにして乾燥食品部と調理水部とを混合して乾燥食品部を戻し、この戻された乾燥食品部とレトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジ加熱することによって、乾燥食品はより良好な状態に復元され、かつ、副食部の高粘度の流動可能部分が、戻した乾燥食品に適度に絡まり、その結果、調理感に優れ、作りたてのような良好な食味を有し、且つ野菜の色彩豊かな副食部(例えば、あんかけ)を実現することが出来る。このようにして調製された副食部は、流動可能部分を含み、この調製された副食部に含まれる流動可能部分の粘度は、任意であり得るが、好ましくは、1,500mPa・s以上15,000mPa・s以下であり、より好ましくは約2,400mPa・s以上13,000mPa・s以下であり、特に好ましくは約4,500mPa・s以上10,000mPa・s以下であり、最も好ましくは約8,900mPa・s以上9,000mPa・s以下である。むろん、副食部に含まれる流動可能部分の粘度は、1,500mPa・s未満であってもよい。粘度は、とろみと密接に関係する。粘度が低すぎる場合には、適切なとろみが得られにくい。そのため、とろみの食感が要求される食品においては、適切な粘度が要求される。本発明によれば、適切なとろみの食感を有する食品が容易に提供される。
電子レンジで加熱する際のワット数および加熱時間は、電子レンジの機種、加熱しようとする乾燥食品部の重量、調理水部の重量およびレトルト食品部の重量ならびにそれらの温度に依存するが、当業者によって適切に設定され得る。例えば、約28℃の乾燥食品部の重量と、調理水部の重量と、レトルト食品部の重量との合計が200gの場合、これらを電子レンジ加熱する際のワット数および加熱時間は、代表的には、約500Wで約1分間〜3分間である。
本発明の食品セットを電子レンジ加熱する際の実施形態をより詳細に例示する。
例えば、本発明の食品セットが、第1容器(主食部用容器)101、第2容器(副食部用容器)102、レトルト食品部104、乾燥食品部106および調理水部107を含み、保存の際に、第2容器102が、第1容器101上に重ねられており、第1容器101のフランジ上面と第2容器102のフランジ下面との間の接触面110が熱溶着されることによって第1容器101が密封されており、主食部103が、密封された第1容器101に収容されている場合(図1に例示)、電子レンジで加熱する前に、この熱溶着部110の少なくとも一部が開封される。熱溶着部110を開封するのは、密封状態で水分を含む食品を収容した容器を電子レンジで加熱すると、加熱によって水分が急激に膨張して容器が破裂するのを防ぐためである。次に、同時に、またはその前に、乾燥食品部106を第2容器102に載置し、そして調理水部107を加える。乾燥食品部106と調理水部107とは、どちらを先に第2容器に載置してもよい。レトルト食品部104を含むレトルトパウチ105を開封して、レトルト食品部104を、第2容器102中の乾燥食品部106および調理水部107に加えて副食部を得る。熱溶着部110を完全に開封して、第2容器102を第1容器101から取り外した場合、レトルト食品部104を第2容器102に添加して副食部を得た後、副食部を収容した第2容器102を、第1容器101上に重ねる。熱溶着部110の一部しか開封していない場合、調製された副食部は、第2容器102が第1容器101上に重ねられた状態で第2容器102に載置されているので、再度重ねる操作は不要である。次いで、第2容器102が重ねられた第1容器を電子レンジ内に載置して、電子レンジで加熱する。電子レンジ加熱後、第2容器102を持ち上げ、第1容器上で傾斜させるかまたは反転させることにより、加熱された副食部が、加熱された主食部103上に載置されて、目的の食品(例えば、皿うどんまたは丼物)が得られる。上記のように、第2容器102が、第2容器102から側方に伸びる把持部210を有し、第2容器102を第1容器上に重ねた際に、この把持部210を持ち上げることにより、第1容器から第2容器102を持ち上げることが可能である形状となっていれば、第2容器102内の副食部104を主食部103上に載置する際にやけどの懸念がより低くなり、かつより簡便な操作が可能となるので好ましい。第2容器102は、図2に示すように、加えられる調理水部の量の目安を示す、段状の側面または目印の線を有することが好ましい。また、熱溶着部110を完全に開封して、第2容器102を第1容器から取り外した場合、レトルト食品部104を第2容器102に載置して副食部を得た後、副食部を収容した第2容器102を、第1容器に重ねずに、電子レンジ内に第1容器と離間するように横に並べて載置し、電子レンジで加熱してもよい。
このようにして加熱されて得られた食品については、第1容器が喫食用の容器として用いられ得る。このようにして得られた食品は、通常の方法に従って喫食され得る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。従って、当業者は、実施例に記載された事項に基づき、特許請求の範囲内において、本発明に任意の改変を施し得る。
(製造例1:乾燥食品部と、レトルト食品部と、主食部との食品セットの製造)
(製造例1A 乾燥食品部の製造)
乾燥食品部を製造した。まず、生の青梗菜(20g)および生のほうれん草(20g)を85℃で1分間ブランチングし、かるく水切りを行ってから3cm×3cmにカットし、−80℃の冷凍庫にて急速冷凍を行った。この冷凍青梗菜および冷凍ほうれん草を、凍結したまま真空凍結乾燥機に入れて常法に従って凍結乾燥を行い、凍結乾燥青梗菜(1.0g)および凍結乾燥ほうれん草(1.0g)を得た。真空凍結乾燥機として、東洋製作所の真空凍結乾燥機VF−350を用いた。それぞれ、凍結乾燥青梗菜(1.0g)および凍結乾燥ほうれん草(1.0g)をアルミ蒸着フィルムを用いて縦10cm、横10cmのサイズとなるようにピロー包装し、包装済み凍結乾燥食品部を得た。
(製造例1B レトルト食品部の製造)
まず、レトルト食品部のうちの調味液部を調製するために、以下に記す材料を以下の配合で用いた:砂糖3重量部、醤油1重量部、胡椒0.1重量部、ポークエキス3重量部、チキンブイヨン3重量部、ごま油3重量部、おろししょうが1重量部、おろしにんにく1重量部、馬鈴薯でん粉5重量部、水79.9重量部。砂糖、醤油、胡椒、ごま油、おろししょうが、おろしにんにくおよび馬鈴薯でん粉として、一般小売品と同等品を用いた。ポークエキス、チキンブイヨンとして、それぞれ、ペースト状の濃縮エキスを用いた。これらの材料を混合して加熱することにより、調味液部を調製した。
レトルト食品部の具材部として、加熱殺菌による品質劣化の少ない具材(たけのこ、白菜、玉葱、人参および豚肉)を用いた。生のたけのこ、生の白菜、生の玉葱、生の人参、および生の豚肉を軽くブランチングし、食べ易い大きさに切った。
上記で調製した調味液部95gを縦14cm、横12cmのレトルトパウチに入れ、次いで、このパウチにブランチング済みで食べやすい大きさに切られた具材部(すなわち、たけのこ(10g/パウチ)、白菜(15g/パウチ)、玉葱(10g/パウチ)、人参(10g/パウチ)、および豚肉(10g/パウチ))を入れて密封した。
密封したレトルトパウチを121℃26分間スチーム加熱(すなわち、滅菌)して、150gのレトルト食品部(中華あんかけの素)を得た。
レトルトパウチを開封し、具を除いた調味液部の粘度の測定を、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで行ったところ、8,900mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(製造例1C 主食部の調製)
(製造例1C−1 揚げ麺の製造)
常法に従って、中力粉(40g)、かんすい(少量)および水(10g)から、1.0mmの太さの中華麺(生麺)を製造した。この中華麺を、ナタネ油で175℃で揚げることにより、中華揚げ麺(50g)を製造した。この中華揚げ麺(50g)を、縦15cm、横15cmのアルミ蒸着フィルムを用いてピロー包装し、包装済み中華揚げ麺を得た。
(製造例1C−2 無菌パック化米飯の製造)
常法に従って、精米を洗米し、酸性水溶液に浸漬し、炊飯を行って、得られた米飯を、直径13cm、高さ4.5cmの円筒形容器(電子レンジ耐性プラスチック製)(図1に断面図を101として示す)を収容した。この円筒形容器101に、クリーンルーム内で、窒素ガス置換しながら、底部の直径11.5cm、開口部の直径13cm、高さ3cmの図2(a)(斜視図)および図2(b)(断面図)の形状(凹形状で開口部上端から側方に約2cm程度の縁部が広がっており、かつその一部が広がって把持部(図2に210として示す)を形成し、調理水部を入れる目安となる線状のコーナー部が設けられている)の電子レンジ耐性プラスチック容器を、この容器の開口部側が円筒形容器の開口部側となるように蓋としてかぶせ、米飯を収容する容器と、凹形状の容器との間を熱溶着し、無菌パック化米飯を得た。この電子レンジ耐性プラスチック容器は、ポリプロピレン単層品製であった。このパックには、110gの米飯が収容されていた。
(製造例1D 調理水部の製造)
市販のオイスターソースを1.0%に希釈し、無水クエン酸(九州化工製)によりpH=3.5に調整した調理水を95℃まで炊き上げ、そのまま85℃以上に保った状態で50ccづつ縦14cm、横11cmのアルミパウチに入れて密封した。密封したアルミパウチを上下反転させて、アルミパウチ内を調理水の熱で殺菌し、アルミパウチ内に密封された調理水部を得た。
このアルミパウチを開封し、東機産業(株)製、B型粘度計DVL−BI I、ローターNo.3、12rpmで調理水部の粘度を測定したところ、250mPa・sであった。また、調理水部の水分活性をro−tronic−hygroskopDT(グンゼ産業製)により測定したところ、0.955であった。これらを測定した際の調理水部の品温は28℃であった。
(製造例1E 食品セットの製造)
(製造例1E−1 揚げ麺を用いた食品セットの製造)
上記のようにして製造された凍結乾燥食品部と、レトルト食品部と、包装済み中華揚げ麺とをそれぞれ1つずつ組合せて食品セットとし、必要に応じて常温(約15℃〜約25℃)で保存した。
具体的には、直径14cm、高さ8.5cmの円筒形容器(紙製)(図1に断面図を101として示す)に、包装済み中華揚げ麺を収容し、その上に蓋として、電子レンジ耐性プラスチック容器を、この容器の開口部側が円筒形容器の開口部側となるようにかぶせた。この電子レンジ耐性プラスチック容器は、底部の直径が11.5cmであり、開口部の直径が13cmであり、高さが3cmであった。この電子レンジ耐性プラスチック容器の形状は、図2(a)(斜視図)および図2(b)(断面図)の形状(皿形状で開口部上端から側方に約2cm程度の縁部が広がっており、かつその一部が広がって把持部(図2に210として示す)を形成し、調理水部を入れる目安の線が設けられている)であった。この電子レンジ耐性プラスチック容器は、ポリプロピレン単層品製であった。さらにこの電子レンジ耐性プラスチック容器の収容部に、製造例1Aで製造した包装済み凍結乾燥食品部および製造例1Bで製造したレトルト食品部を収容し、これらを一体として外包装することにより、食品セットを製造した。
(製造例1E−2 無菌パック化米飯を用いた食品セットの製造)
上記のようにして製造された凍結乾燥食品部と、レトルト食品部と、無菌パック化米飯とをそれぞれ1つずつ組合せて食品セットとし、必要に応じて常温(約15℃〜約25℃)で保存した。
具体的には、製造例1C−2で製造した無菌パック化米飯の蓋として使用している電子レンジ耐性プラスチック容器の収容部に、製造例1Aで製造した包装済み凍結乾燥食品部および製造例1Bで製造したレトルト食品部を収容し、これらを一体として外包装することにより、食品セットを製造した。
(製造例1E−3:調理水部を用いた食品セットの製造)
上記のようにして製造された凍結乾燥食品部と、レトルト食品部と、包装済み中華揚げ麺と、製造例1Dで製造した調理水部とをそれぞれ1つずつ組合せて食品セットとし、必要に応じて常温(約15℃〜約25℃)で保存した。具体的には、製造例1E−1で製造した、中華揚げ麺を用いた食品セットにさらに調理水部を収容し、一体として外包装することにより、食品セットを製造した。
(製造例2 揚げ麺または無菌パック化米飯を用いた別の容器入り食品の製造)
上記の製造例1Aで製造された凍結乾燥食品部と、製造例1Bで製造されたレトルト食品部と、製造例1C−1で製造された包装済み揚げ麺(製造例2Aの場合)または製造例1C−2で製造された無菌パック化米飯(製造例2Bの場合)とをそれぞれ1つずつ組合せて容器入り食品とし、必要に応じて常温(約15℃〜約25℃)で保存した。
具体的には、底部の直径が12cmであり、開口部の直径が15cmであり、高さ7cmである、ほぼ円筒形容器(電子レンジ耐性プラスチック製)(図4に101として示す)に、包装済み中華揚げ麺または無菌パック化米飯を収容し、その上に蓋として、副食部用電子レンジ耐性プラスチック容器を、この容器の開口部側がほぼ円筒形容器の開口部側となる(すなわち、底部がほぼ円筒形容器の内側に入る)ようにかぶせた。この電子レンジ耐性プラスチック容器は、底部が2段の段状であり、底部の最下段が底部の中央に位置していた。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状であり、凹部の底の部分は平らであった。底部の最下段の直径は、6cmであり、底部全体の直径は14cmであった。底部の最下段の高さは1cmであり、副食部用容器全体の高さは3cmであった。この蓋として用いられた電子レンジ耐性プラスチック容器の形状は、図5(a)(斜視図)および図5(b)(断面図)の形状(底部が2段の皿形状で開口部上端から下側に約1.5cm程度の縁部が広がっており、かつその一部がさらに広がって把持部(図5に210として示す)を形成し、最下段とその上の段との境が、調理水部を入れる目安を形成している)であった。この蓋として用いた副食部用容器は、ポリプロピレン単層品製であった。さらにこの副食部用容器の収容部に、製造例1Aで製造した包装済み凍結乾燥食品部および製造例1Bで製造したレトルト食品部を収容し、これらを一体として外包装することにより、容器入り食品を製造した。
(実施例1)
(実施例1A:揚げ麺を用いた食品セットの調理)
調理水部として50ccの水を準備した。製造例1E−1で製造し、20℃で3ヶ月保存した食品セットの外包装を解き、電子レンジ耐性プラスチック容器を副食部用容器として用いた。この副食部用容器の収容部に、包装済み凍結乾燥食品部の内容物1袋分(すなわち、凍結乾燥青梗菜1.0gおよび凍結乾燥ほうれん草1.0g)を入れ、調理水部50ccを加えた。特にかき混ぜなかった。約10秒後、さらに、レトルトパウチを開封して、凍結乾燥食品部と調理水部との混合物にレトルト食品部を加え、副食部を得た。これについても、特にかき混ぜなかった。凍結乾燥野菜類は、調理水部とレトルト食品部との混合物の上に浮いた状態であった。
他方、包装済み揚げ麺を開封して揚げ麺を円筒形容器の収容部に入れ、この円筒形容器の上に、副食部を収容したこの副食部用容器を重ねた。このとき、調副食部用容器の底部と、揚げ麺の頂部との間には、約1cmのすき間ができた。嵌合後の副食部用容器および円筒形容器を電子レンジ(東芝(株)製 ER−VS2(CK))に入れ、500ワットにて2分間の加熱調理を行った。加熱終了後、嵌合した状態で副食部用容器および円筒形容器を電子レンジから取り出し、電子レンジ加熱された副食部をスプーンで軽くかき混ぜた。
なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、5,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
副食部をかき混ぜた後、副食部用容器の把持部を持ってこの副食部用容器を傾斜させるかまたは反転させることによって、円筒形容器に収容されている揚げ麺上に副食部を載置することにより、皿うどんを完成させた。
(実施例1B:無菌パック化米飯を用いた食品セットの調理)
調理水部として50ccの水を準備した。製造例1E−2で製造し、20℃で3ヶ月保存した食品セットの外包装を解き、無菌パック化米飯の蓋(電子レンジ耐性プラスチック容器)を円筒形プラスチック製容器から剥がした。この電子レンジ耐性プラスチック容器を副食部用容器として用いた。この副食部用容器の収容部に、包装済み凍結乾燥食品部の内容物1袋分(すなわち、凍結乾燥青梗菜1.0gおよび凍結乾燥ほうれん草1.0g)を入れ、調理水部50ccを加えた。特にかき混ぜなかった(。約10秒後、さらに、レトルトパウチを開封して、凍結乾燥食品部と調理水部との混合物にレトルト食品部を加え、副食部を得た。これについても、特にかき混ぜなかった。凍結乾燥野菜類は、調理水部とレトルト食品部との混合物の上に浮いた状態であった。その後、円筒形プラスチック製容器(米飯を収容している)の上に、副食部を収容したこの副食部用容器を重ねた。このとき、副食部用容器の底部と、米飯の頂部との間には、約1cmのすき間ができた。嵌合後の副食部用容器および円筒形容器を電子レンジ(東芝(株)製 ER−VS2(CK))に入れ、500ワットにて2分間の加熱調理を行った。加熱終了後、嵌合した状態で副食部用容器および円筒形容器を電子レンジから取り出し、電子レンジ加熱された副食部をスプーンで軽くかき混ぜた。
なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、5,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
副食部をかき混ぜた後、副食部用容器の把持部を持ってこの副食部用容器を傾斜させるかまたは反転させることによって、円筒形プラスチック容器に収容されている米飯上に副食部を載置することにより、中華丼を完成させた。
(実施例2:揚げ麺または無菌パック化米飯を用いた容器入り食品の調理)
製造例2で製造され、20℃で3ヶ月間保存した食品セットの外包装を解き、蓋として使用されていた電子レンジ耐性プラスチック容器の最下段によって規定される凹部に対して、包装済み凍結乾燥食品部の内容物を入れ、調理水部を加えたこと以外は、実施例1Aと同様に調理して、皿うどん(実施例2A)および中華丼(実施例2B)を得た。
なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、5,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(比較製造例1:乾燥食品部を含まない食品セットの製造)
製造例1Aの乾燥食品部を製造する代わりに、製造例1Aで用いた野菜をレトルト食品部の具材に含めたレトルト食品部を調製したこと以外は、製造例1と同様にして、揚げ麺(比較製造例1Aの場合)または無菌パック化米飯(比較製造例1Bの場合)と、レトルト食品部とを含む食品セットを製造した。レトルト食品部の製造は詳細には、以下の通りである。
まず、製造例1Bと同様にレトルト食品部の調味液部を調製し、具材部として、たけのこ、白菜、玉葱、人参、豚肉、青梗菜、ほうれん草を用いた。生のたけのこ、生の白菜、生の玉葱、生の人参、生の豚肉、生の青梗菜、および生のほうれん草を軽くブランチングし、食べ易い大きさに切った。調味液部95gを縦14cm、横12cmのレトルトパウチに入れ、次いで、このパウチに、ブランチング済みで食べやすい大きさに切られた具材部(すなわち、たけのこ(10g/パウチ)、白菜(15g/パウチ)、玉葱(10g/パウチ)、人参(10g/パウチ)、豚肉(10g/パウチ)、青梗菜(20g/パウチ)、およびほうれん草(20g/パウチ)を入れて密封した。
密封したレトルトパウチを121℃26分間スチーム加熱(すなわち、滅菌)して、190gのレトルト食品部を得た。
レトルトパウチを開封し、調味液部の粘度の測定を、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで行ったところ、9,200mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(比較例1:乾燥食品部を含まない食品セットの調理)
食品セットとして、比較製造例1で製造した食品セットを用い、実施例1と重量、粘度を合せる目的で調理水部として10ccの水を準備し、乾燥食品部に関する工程を省略したこと以外は実施例1と同様にして食品セットを調理して、皿うどん(比較例1A)および中華丼(比較例1B)を得た。当然、副食部用容器は、実施例1で用いた容器と同じ容器であり、加熱条件も同様に、500ワットにて2分間であった。なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、5,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(比較例2:乾燥食品部を別途戻す調理方法)
乾燥食品部を別途準備した皿に入れて調理水部で戻したこと以外は、実施例1と同様にして、製造例1E−1または1E−2で製造し、20℃で3ヶ月保存した食品セットを調理した。実施例1との相違点について概略を述べると、乾燥食品部を別途準備した皿に移し、50ccの調理水部を加えた。副食部用容器には、レトルト食品部のみを入れた。レトルト食品部を収容した副食部用容器を、主食部を収容した容器の上に重ねた。この嵌合した状態の2つの容器と、乾燥食品部および調理水部を収容した皿とを電子レンジに入れ、500ワットにて2分間の加熱調理を行った。加熱終了後、嵌合した状態で副食部用容器および主食部収容容器を取り出し、乾燥食品部および調理水部を収容した皿も取り出した。乾燥食品は、電子レンジ加熱調理によって復元されていた。次いで、副食部用容器のレトルト食品部の上から、この復元した青梗菜およびほうれん草を加えてスプーンで軽くかき混ぜ、副食部を得た。
なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、5,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
このようにして得られた副食部を、実施例1と同様にして揚げ麺または米飯上に載置して、皿うどん(比較例2A)および中華丼(比較例2B)を得た。
(比較例3:調理水部を使わずに乾燥食品部を直接レトルト食品部と混合する調理方法)
調理水部を使用せず、乾燥食品部にレトルト食品部を添加して乾燥食品部を戻したこと以外は、実施例1と同様にして、製造例1E−1または1E−2で製造し、20℃で3ヶ月保存した食品セットを調理して、皿うどん(比較例3A)および中華丼(比較例3B)を得た。
なお、電子レンジ加熱後に得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、8,900mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(比較例4:粉末あんの素を用いた食品セットの製造および調理)
まず、レトルト食品部の代わりに粉末あんの素を製造したこと以外は、製造例1と同様にして食品セットを製造した。粉末あんを、以下の原料を、当該分野で公知の方法に従って適量混合造粒することによって製造した:馬鈴薯でん粉、食塩、砂糖、粉末醤油、小麦粉、胡椒およびチキンブイヨン。馬鈴薯でん粉、食塩、砂糖、粉末醤油、小麦粉、胡椒として、一般小売品と同等品を用いた。チキンエキスとして、ペースト状の濃縮エキスを用いた。この粉末あんを常法に従ってピロー包装した。
次いで、20℃で3ヶ月間保存したこの食品セットを、以下の通りに調理した。調理水部は準備せず、その代わりに250mlの熱湯を準備した。まず、副食部用容器に乾燥食品部を入れ、熱湯250mlを加えた後、乾燥食品部を充分に膨潤させることを目的として、30秒間放置した。その後、包装済み粉末あんの包装を開封し、粉末あんを、戻した乾燥食品部に添加して粘度が付くまで撹拌を行い、副食部を得た。この副食部を、温めた揚げ麺または米飯の上に載置することによって、皿うどん(比較例4A)および中華丼(比較例4B)を得た。
なお、得られた副食部のうちの具を除いた部分(すなわち、流動可能部分)を一部採取し、東機産業(株)製 B型粘度計 DVL−BII、ローターNo.3、12rpmで粘度を測定したところ、1,500mPa・sであった。粘度測定時の調味液品温は28℃であった。
(比較例5:粉末あんの素を用いた食品セットの製造および調理)
用いた粉末あんの量を増量し、その結果、得られた副食部のうちの具を除いた部分の粘度が2,000mPa・sであったこと以外は、比較例4と同様にして皿うどん(比較例5A)および中華丼(比較例5B)を得た。
(実施例3:調理水部を用いた容器入り食品の調理例)
製造例1E−3で製造し、20℃で3ヶ月保存した食品セットの外包装を解き、電子レンジ耐性プラスチック容器を副食部容器として用いた。この副食部容器の収容部に、包装済み凍結乾燥食品部の内容物1袋分(すなわち、凍結乾燥青梗菜1.0及び凍結乾燥ほうれん草1.0g)を入れ、調理水部50ccを加えた。特にかき混ぜなかった。以降、実施例1Aと同様に、皿うどんを完成させた。
(評価例1)
3名のパネルにより、上記の実施例および比較例で得た皿うどんおよび中華丼の副食部について、青梗菜、ほうれん草の味、見た目、復元性、あんかけの付着性(絡み具合)、および副食部全体としての食感について官能評価を行った。結果を以下の表1に記す。評価は、○、△、×、××の4段階で行った。○は、極めて良好を示し、△は普通を示し、×は悪いことを示し、××は極めて悪いことを示す。評価出来ないものは−で記した。これらの副食部については、主食部が皿うどんの場合と中華丼の場合とで、副食部の評価結果が一致した。
Figure 2005218441
実施例1A、1B、2A、2Bおよび3では、味、見た目、復元性、付着性、食感いずれも良好であった。実施例3では、特に利便性が優れていた。
比較例1Aおよび1Bでは、青梗菜およびほうれん草の緑色が退色し、黒ずんだ状態であった。また、青梗菜およびほうれん草へのあんかけの付着は良好であったものの、これらはいずれもレトルト殺菌により柔らかくなり過ぎて食感も悪かった。味についてはおおよそ良好であったが、実施例1の味と比べると野菜本来の味が若干失われており、「極めて良好」とは評価できなかった。
比較例2Aおよび2Bでは、見た目、復元性は良好であったが、レトルト副食部の調味液が青梗菜、ほうれん草に沁み込まず、青臭さが感じられた。さらに、あんかけの絡みが悪く味気ないものとなった。野菜単独での食感は良好であったが、副食部全体としては、野菜と調味液とが充分になじんでいないため悪い食感であった。
比較例3Aおよび3Bでは、凍結乾燥青梗菜、凍結乾燥ほうれん草が、まったく復元せず、味、見た目、付着性、食感いずれも粗悪な状態であった。
比較例4Aおよび4Bでは、青梗菜、ほうれん草の見た目、食感、復元性は良好であったが、粉末あんが固まり状のだまになり易く粘度が付き難い欠点があった。その結果、青梗菜、ほうれん草へのあんかけの付着性が悪くなると共に、粉末あん特有の粉末臭により味は良好なものとはならなかった。野菜単独での食感は良好であったが、副食部全体としては、野菜と調味液とが充分になじんでいないため悪い食感であった。
比較例5Aおよび5Bでは、粉末あんの溶解性は若干改善されたが、あんかけの方に水分を取られる事により乾燥食品部の復元性が不十分なものとなった。その結果、見た目、食感が不完全となった。また、粉末あん特有の粉末臭の充分な改善にはならなかった。
(評価例2)
次いで、実施例1A、1B、2A、2Bおよび3、ならびに比較例1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B、5Aおよび5Bのそれぞれを、主食と合わせた食品として試食した。実施例1Aおよび1Bでは味、見た目、主食と副食とのからまり具合、食感などにおいて全体としても極めて良好な食品であった。比較例では、それぞれ副食部に上述した欠点があったため、主食部と合わせても性能の劣る食品であった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明により、電子レンジで加熱することによって、具材の鮮やかな色彩を保持しながら、作りたてのような良好な食味を有する食品セットが得られる。このような食品の電子レンジ調理方法もまた提供される。
図1は、本発明の食品セットを調理する方法の好ましい実施形態を例示する模式図である。 図2は、副食部用容器の形状の好ましい実施形態を例示する模式図である。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。底部の最下段は、底部のほぼ全体を占める。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、円筒状の形状である。凹部の底の部分は、平らである。 図3は、本発明の食品セット(この場合、容器入り食品ともいわれる)の模式図である。この模式図においては、主食部用容器内に主食部が収容されており、さらにその上に副食部用容器が重ねられている。副食部用容器内には、乾燥食品部およびレトルト食品部が収容されている。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。 図4は、外包装材によって一体として包装されている、本発明の食品セット(この場合、容器入り食品ともいわれる)の模式図である。この模式図においては、主食部用容器内に主食部が収容されており、さらにその上に副食部用容器が重ねられている。副食部用容器内には、乾燥食品部およびレトルト食品部が収容されている。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。 図5は、副食部用容器の形状の別の好ましい実施形態を例示する模式図である。(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。底部の最下段は、底部の中央に位置する。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、円錐の先端部を切り落とした円錐台の形状である。凹部の底の部分は、平らである。 図6は、副食部用容器の形状の別の好ましい実施形態を例示する模式図である。(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。底部の最下段は、底部の中央に位置する。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、四角錘の先端部を切り落とした角錐台の形状である。凹部の底の部分は、平らである。 図7は、副食部用容器の形状の別の好ましい実施形態を例示する模式図である。(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。底部の最下段は、底部の周縁部に位置する。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、リング状の形状である。凹部の底の部分は、平らである。 図8は、副食部用容器の形状の別の好ましい実施形態を例示する模式図である。(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。この模式図においては、副食部用容器の底部は、段状になっている。底部の最下段は、底部の周縁部に位置する。底部の最下段によって規定される凹部の形状は、リング状の形状である。凹部の底の部分は、丸まっている。
符号の説明
101 第1容器(主食部用容器)
102 第2容器(副食部用容器)
103 主食部
104 レトルト食品部
105 レトルトパウチ
106 乾燥食品部
107 調理水部
110 接触面(熱溶着部)
210 把持部
410 外包装材

Claims (31)

  1. 長期常温保存可能であり、喫食前に電子レンジで加熱される食品セットであって、
    該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該乾燥食品部は調理水部と混合することにより戻され、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部が電子レンジで加熱される、セット。
  2. 前記乾燥食品部が、凍結乾燥食品である、請求項1に記載のセット。
  3. 前記乾燥食品部が、野菜または卵の乾燥食品である、請求項1に記載のセット。
  4. 前記凍結乾燥食品が、野菜または卵の凍結乾燥食品である、請求項2に記載のセット。
  5. 前記乾燥食品部が、葉菜の乾燥食品である、請求項1に記載のセット。
  6. 前記凍結乾燥食品が、葉菜の凍結乾燥食品である、請求項2に記載のセット。
  7. 前記レトルト食品部が、さらに固形具材を含む、請求項1に記載のセット。
  8. さらに長期常温保存可能な主食部を含む、請求項1に記載のセット。
  9. 前記主食部が、麺類である、請求項8に記載のセット。
  10. 前記麺類が、揚げ麺である、請求項9に記載のセット。
  11. 前記主食部が、米飯類である、請求項8に記載のセット。
  12. 前記主食部が、おこげ類である、請求項8に記載のセット。
  13. 前記副食部が流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が1,500mPa・s以上15,000mPa・s以下である、請求項1に記載のセット。
  14. さらに調理水部を含み、該調理水部が自由水を含む、請求項1に記載のセット。
  15. 前記調理水部の粘度が、28℃における純水の粘度以上かつ500mPa・s以下である、請求項14に記載のセット。
  16. さらに副食部用容器を含み、該副食部用容器が、前記乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻し、該戻された乾燥食品部と前記レトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱するために用いられる、請求項1に記載のセット。
  17. さらに主食部用容器を含む、請求項8に記載のセット。
  18. さらに主食部用容器を含み、前記副食部用容器が、該主食部用容器の開口部内側に重ねられている、請求項16に記載のセット。
  19. 前記主食部用容器および前記副食部用容器の深さおよび形状が、該主食部用容器内に前記主食部を収容し、さらにその上に該副食部容器を重ねた場合、該副食部用容器の底部と該主食部の頂部とが離間するに充分な深さおよび形状である、請求項18に記載のセット。
  20. 前記離間部が、1mm以上でかつ5cm以下である、請求項19に記載のセット。
  21. 前記副食部用容器が、段状の底部を有する、請求項16に記載のセット。
  22. 前記段状の底部の最下段が、該底部の中央に位置する、請求項21に記載のセット。
  23. 前記段状の底部の最下段が、該底部の周縁部または周縁部付近に位置する、請求項21に記載のセット。
  24. 前記最下段により規定される凹部の収容容積が、前記調理水部の体積とほぼ等しい、請求項22に記載のセット。
  25. 前記最下段により規定される凹部の収容容積が、前記調理水部の体積とほぼ等しい、請求項23に記載のセット。
  26. 前記副食部用容器が、フランジから側方に延びる把持部を有する、請求項16に記載のセット。
  27. 前記主食部用容器内に前記主食部を収容し、さらにその上に前記副食部用容器を重ねており、該副食部用容器内に前記乾燥食品部、前記調理水部および前記レトルト食品部を収容している、請求項18に記載のセット。
  28. 長期常温保存可能な食品セットの調理方法であって、該セットは、乾燥食品部とレトルト食品部とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該方法は、該乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻し、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部を電子レンジで加熱する工程を包含する、方法。
  29. 長期常温保存可能な食品セットの調理方法であって、該セットは、乾燥食品部と、レトルト食品部と、長期常温保存可能な主食部と、副食部用容器と、主食部用容器とを含み、該レトルト食品部は、流動可能部分を含み、該流動可能部分の粘度が、2,400mPa・s〜20,000mPa・sであり、該方法は、該副食部用容器内で該乾燥食品部と調理水部とを混合して該乾燥食品部を戻す工程、該戻された乾燥食品部と該レトルト食品部とを混合して得られた副食部と、該主食部とが互いに離間するように、該副食部を該副食部用容器に収容した状態で、かつ該主食部を該主食部用容器に収容した状態で、これらの容器を電子レンジ中に配置して該主食部および該副食部を電子レンジで加熱する工程を包含する、方法。
  30. 前記電子レンジによる加熱前に、前記副食部用容器を前記主食部用容器上に重ねる工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記電子レンジによる加熱後に、前記副食部を前記主食部上に載置する工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
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