JP2013219918A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】単相交流モータの断続トルクの問題を解消する。
【解決手段】ロータのN極磁極と、ロータのS極磁極と、A相ステータ磁極と、A相巻線と、B相ステータ磁極と、B相巻線、および、C相ステータ磁極で非対称な2相モータを構成する。A相トルクとB相トルクのロータ回転角位相が異なる構成とし、各相のトルク断続領域を補い合うことにより、円周方向の全周においてトルクの発生を可能とする。特に、A相トルクとB相トルクとがロータの回転に伴って急変する領域においては、巻線を持たないC相ステータ磁極へ起磁力が印加するような通電方法により安定したC相トルクの発生を実現する。単相モータに近い簡素な構成で、断続トルクの問題を解消し、トルクリップルの問題を低減し、低コストと高効率と小型を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車やトラック等に搭載されるモータに関する。また、産業用機器、家庭電化製品などへの適用も可能である。
3相交流モータは、従来より各種用途へ広く使用されている。しかし、更なる簡素化、低コスト化、高効率化が求められている。
低コストなモータシステムとして、単相交流モータがファンなどの用途に多く使用されている。単相全波の電圧、電流で制御するか、あるいは、いわゆる2相半波といわれる制御が行われている。ファンなどの用途では、アウターロータタイプのモータで、小型のモータであることが多い。
単相交流モータの断面図の例を図18に示す。モータの電磁気的な作用の理解が容易なように、2極のインナーロータタイプのモータモデルを図示している。製品としては、4極、6極、8極などに多極化した構成で使用することが多い。
D1はA相ステータ磁極で、D2とD3はA相ステータ磁極D1へ巻回したA相巻線である。D4はA/相ステータ磁極で、D5とD6はA/相ステータ磁極D4へ巻回したA/相巻線である。A相とA/相とは図18の紙面で上下に対称に配置していて、単相交流のモータである。前記A相巻線とA/相巻線とは並列あるいは直列に接続して通電、駆動することができる。D9はステータのバックヨークである。図18のロータは、D7がN極磁石、D8がS極磁石で、1Bはロータ軸である。
単相交流のモータは、簡素な構成で低コスト化が図れる特徴がある。しかし欠点として、トルクリップルが大きい問題がある。また、トルクの断続点があるため、モータが停止しているときの起動では、ロータ回転位置によっては起動できない場所も発生する。起動を可能とする種々の方法が提案されている。
図18のモータでは、起動を可能とするため、ロータが回転停止するときに磁石の吸引力により特定回転位置に停止するような構成としている。具体的には、ステータ磁極D1とロータとの間のエアギャップ長が不均一な構成としていて、エアギャップ長の小さな回転位置へロータ磁極が吸引されるような構成としている(特許文献1参照)。
トルクの発生が可能な回転位置にロータが停止していれば、単相交流モータであっても起動することが可能である。起動することができれば、ロータの慣性力を使いながら、連続回転を行うことができる。
図18に示すような単相交流モータは、モータおよびその駆動回路が簡素であり、低コスト化が可能であるという大きな特徴がある。また、単相交流モータは、電磁気的には全磁束が単一の巻線に鎖交する構成であり、(磁束×電流)の平均値は大きく平均電力的には優れた構成である。
また、簡素な構成のモータの例として、例えば、特許文献2に記載された2相交流モータがある。
特開2006−20459号公報(図3) 特開平9−163710号公報
しかし、上記の単相交流モータは、発生トルクが断続的であり、振動、騒音の問題がある。また、停止時の起動についても、負荷の大きさ、負荷側からのトルクによっては起動できない場合も有り、不安が残る。また、起動トルクを発生させるための工夫により、モータのトルク出力平均値が低下するという設計上の問題もある。
また、2相交流モータは、駆動回路の電力素子の数が3相交流モータの電力素子の数よりむしろ多くなり、低コスト化の点では好ましくないという問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたものであり、その目的は、単相モータの特徴を持ち、且つ、単相モータの欠点である断続トルクの問題を解消して連続的なトルク出力が可能なモータを提供することにある。
請求項1に記載のモータは、永久磁石を使用するブラシレスモータであって、ステータに配置するA相ステータ磁極と、前記A相ステータ磁極に巻回するA相巻線Waと、前記A相ステータ磁極と同一の円周上に配置するB相ステータ磁極と、前記B相ステータ磁極に巻回するB相巻線Wbと、前記A相ステータ磁極と同一の円周上に配置していて前記ステータとロータとの間に磁束を通過させるC相ステータ磁極と、前記ロータのN極磁極と、前記ロータのS極磁極とを備えることを特徴とするモータである。
この構成によれば、簡素な構成のモータでありながら、単相モータのようなトルクの断続点が無いのでトルクリップルが小さく、確実に起動することが可能なモータとすることができる。また、平均トルク出力を大きくすることができ、高効率化、小型化、低コスト化が可能である。
請求項2に記載のモータは、請求項1において、前記C相ステータ磁極のロータに面している形状の円周方向幅θcが電気角で90°以下であることを特徴とするモータである。この構成によれば、簡素な構成のモータでありながら、単相モータのようなトルクの断続点が無いのでトルクリップルが小さく、確実に起動することが可能なモータとすることができる。また、平均トルク出力を大きくすることができ、高効率化、小型化、低コスト化が可能である。
なお、ステータ磁極の円周方向にはスロットの開口部の円周方向幅があること、ステータ磁極の円周方向両端形状が製作性や低騒音化などのために単純形状でないことなどにより、ステータ磁極の円周方向幅の定義が難しいことがある。相対的には、A相ステータ磁極とB相ステータ磁極の円周方向幅に対し、C相ステータ磁極の円周方向幅がおおよそ1/2以下の形状とする。C相ステータ磁極の円周方向幅が小さい方がモータのトルク出力平均値を向上でき、モータ効率を向上できる。逆に、C相ステータ磁極の円周方向幅が小さすぎるとトルク低下部のトルク値が低下する。
請求項3に記載のモータは、請求項1において、ロータ表面の前記N極磁極と前記S極磁極との境界部Fnsが前記A相ステータ磁極と前記B相ステータ磁極との境界部Fabに差し掛かる範囲において、前記A相巻線Waと前記B相巻線Wbとの両方へ同一方向の電流を通電することを特徴とするモータである。
この構成によれば、A相のトルクとB相のトルクが増減して移り変わる領域において、安定したトルクが得られるような電流の通電行うモータとすることができる。
請求項4に記載のモータは、請求項1において、ロータ表面の前記N極磁極と前記S極磁極との境界部Fnsが前記C相ステータ磁極へ対向する範囲において、モータへ通電する電流の値を大きくして制御するであることを特徴とするモータである。
この構成によれば、トルクが低下するロータの位置において、電流の振幅を大きくするので、トルクリップルを低減することができる。
請求項5に記載のモータは、請求項1において、前記A相ステータ磁極から円周方向に見て、ステータとロータとのエアギャップの近傍において、前記A相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θax、前記B相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θbx、前記C相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θcxとし、前記A相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Paの円周方向中心角度位置θap、前記B相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θbp、前記C相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θcpとするとき、(θbx−θax)の大きさより(θbp−θap)の大きさの方が大きくなる構成とすることを特徴とするモータである。
この構成によれば、ステータの各スロットの面積を均等に配分することができ、前記A相巻線Waと前記B相巻線Wbと効率よく巻回することができ、占積率を向上することができるのでジュール損を低減でき、モータの効率を向上することができる。
請求項6に記載のモータは、請求項1において、前記A相巻線Waの両端の端子がTa1とTa2であり、前記B相巻線Wbの両端の端子がTb1とTb2であり、両巻線WaとWbの誘起電圧の位相が近い方の端子がTa1とTb1であるとき、これらの両端子を接続し、直流電源PSの正側にトランジスタTR21を配置し、負側にトランジスタTR22を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の両端子Ta1とTb1を接続して、前記A相巻線Waの電流Iaと前記B相巻線Wbの電流Iaとの和である(Ia+ Ib)の電流を通電し、直流電源PSの正側にトランジスタTR23を配置し、負側にトランジスタTR24を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の端子Ta2を接続して、前記A相巻線Waの負の電流(−Ia)を通電し、直流電源PSの正側にトランジスタTR25を配置し、負側にトランジスタTR26を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の端子Tb2を接続して、前記B相巻線Wbの負の電流(−Ib)を通電して駆動することを特徴とするモータである。
この構成によれば、本発明モータの電圧特性、電流特性を配慮した巻線の結線方法とすることができ、従って、駆動回路のトランジスタで効率良く電圧を印加することができ、効率よく電流を通電することができる。その結果、一部トランジスタをA相、B相の両相に共用することにより電力素子の素子数を減少させ、各トランジスタの利用率を高くすることによりインバータ全体の電流容量を低減することができる。そして、モータシステムとしての小型化と低コスト化を実現することができる。
請求項7に記載のモータは、請求項1において、前記A相巻線Waは電気的に独立し、並列に巻回した2個の巻線Wa1とWa2であり、前記B相巻線Wbは電気的に独立し、並列に巻回した2個の巻線Wb1とWb2であることを特徴とするモータである。
この構成によれば、両相の巻線が2個の並列巻線とすることにより電圧の印加、通電と磁気エネルギーの回生とを分離することによりトランジスタの数を半分にすることができる。そして、駆動回路の小型化、コスト低減が可能である。
本発明モータの構成を示す2極モデルの断面図である。 図1のモータを8極にしたモータの断面図である。 正弦波波形の電圧と電流およびパワーあるいはトルクを示す図である。 矩形波波形の電圧と電流およびパワーあるいはトルクを示す図である。 図1に示すロータの回転位置が反時計回転方向CCWへ90°回転したモータ断面図である。 図1に示すロータの回転位置が反時計回転方向CCWへ約180°回転したモータ断面図である。 図6に示すロータの回転位置がCCWへスロットの開口部の角度だけCCWへ回転したモータ断面図である。 図7に示すロータの回転位置がさらにCCWへ回転したモータ断面図である。 図1のモータ構成で、モータの電圧Va、Vb、Vcと電流Ia、IbとトルクTmおよび電流のトルク補償値の例を示す図である。 トルク補償を行ったモータの電圧Va、Vbと電流Ia、Ibの例を示す図である。 図2のモータ構成の拡大図で、A相、B相、C相のステータ磁極とA相巻線、B相巻線の角度と位置の関係を示す図である。 図11のモータ構成で、各巻線の断面積を拡大し、かつ、均一になるように形状を修正したモータの断面図である。 図2のモータ構成の一部のステータ磁極を分割コアの構成としたモータの断面図である。 図13のモータ構成で、分割コアとするステータ磁極を取り除いたステータの形状図である。 8個のトランジスタでA相とB相の2相電流を通電する駆動回路の例である。 6個のトランジスタでA相とB相の2相電流を通電する駆動回路の例である。 4個のトランジスタでA相とB相の2相電流を通電する駆動回路の例である。 従来技術に係る単相交流モータの断面図である。
本発明のモータは、非対称な形状の2相の交流モータである。図18に示した単相交流モータに近いモータ構成であるが、単相交流モータの弱点である断続トルクの問題を解決する。従って、停止状態からの起動、加速が不安定であるというような問題が無く、トルクリップルの問題と振動、騒音の問題も改善する。
また、本発明のモータは、3相交流モータと比較すると、モータ構成が簡素なので製作が容易であること、巻線と磁気回路の利用率が高いので高効率、小型であることなどにより、低コスト、高効率、小型のモータとすることができる。この点は、単相交流モータと同様である。
モータの駆動回路についても、トランジスタなどの電力素子の利用率を高くすることが可能であり、低コスト、小型とすることができる。具体的には後に示すように、3相交流モータの駆動回路に比較してトランジスタの電流容量を低減することができる。
(実施例1)
具体的な本発明のモータ構成を図1の断面図に示す。
12はモータ11のA相ステータ磁極であり、13と14で示すA相の集中巻き巻線を巻回している。15はB相ステータ磁極であり、16と17で示すB相の集中巻き巻線を巻回している。18はC相ステータ磁極で巻線を巻回していない。なお、目的に応じてC相ステータ磁極へ巻線を付加することは可能である。各相のステータ磁極の円周方向角度幅θa、θb、θcは、図1の場合、160°、160°、40°である。
19はロータのN極磁極で、永久磁石により構成している。1AはロータのS極磁極で、永久磁石により構成している。1Bはロータ軸である。特に本発明モータでは、ロータ磁極の円周方向の磁束分布が正弦波状の磁束分布ではなく、台形波状の磁束分布あるいは矩形波状の磁束分布としている。後に示すように、台形波状の磁束分布とすることにより、断続トルクの問題の解消、モータのトルク平均値の向上を実現する。
図2は図1の2極のモータ11を8極に多極化した構成である。
図1のモータ構成は、電磁気的な作用が理解し易いように2極の構成を示したが、実際には、ステータバックヨークの厚み低減のため、磁石厚みの低減、コイルエンド長さの縮小、モータの製作性などの観点で4極、6極、8極などに多極化して設計し、使用することが多い。
図2の21はA相ステータ磁極であり、22と23で示すA相の集中巻き巻線を巻回している。24はB相ステータ磁極であり、25と26で示すB相の集中巻き巻線を巻回している。27はC相ステータ磁極で巻線を巻回していない。他のステータ磁極と巻線は同様である。28はロータのN極磁極で、29はロータのS極磁極で、永久磁石により構成している。
次に、正弦波の電圧Vと正弦波の電流Iおよび電力Pin、トルクTについて図3に示し、説明する。
単相交流モータを想定していて、水平軸はロータ回転角θrの電気角の角度値である。図3の(1)に示すE1は振幅が1の正弦波形状の波形であり、電圧Vおよび電流Iを想定している。図3の(2)のE2に、前記電圧Vと電流Iの積である電力Pinをしめしている。E2は(1)式に示すように、正の値であって平均値が0.5で、振幅が0.5で、2倍の周波数となる。モータが一定回転で回転している場合、トルクTもE2に比例する。
sin(θr)×sin(θr)=0.5−0.5×cos(2θr) (1)
図3のE2は平均値が0.5なので、1.0の直流電圧と1.0の直流電流との積である直流電力1.0に比較すると1/2である。従って、この観点では、正弦波の有効利用率は50%であると見ることができる。
また、単相モータの場合、図3の(2)で、回転位置θrが0°近傍、180°近傍、360°近傍において発生トルクが0になり、断続トルクとなることを示している。
本発明モータでは、この断続トルクの問題を解消し、かつ、前記の有効利用率50%を100%に近づけようとするものである。この有効利用率50%の数字は、モータの高効率化、小型化、低コスト化の余地を示していて、改善の可能性を示している。
なお、3相正弦波の3相交流モータの電力は、図3の(2)に示すE2、E3、E4の和として考えることができ、その和は直流の値で1.5であり、単純理論的にはトルクの脈動が無く、断続トルクの問題は無い。しかし、前記の有効利用率は50%である。また、3相交流モータの構成は、単相交流モータに比較してやや複雑である。
次に、正弦波形状を台形波形状化し改善する方法を図4に示し、説明する。
図4の(1)の正弦波形状F2に対して台形波形状のF1は矩形波に近く、F1が電圧と電流であると仮定した場合の電力は図4の(2)のF3となる。モータの場合、そのトルクはF3に比例した値となる。F7の回転位置領域ではトルクが低下するが、大半の回転位置領域であるF8では前記の有効利用率は100%であり、全回転位置領域で見ても、正弦波の二乗であるF4に比較してF3は大幅に改善している。F6の破線で示す領域では、電力およびトルクが低下するので、後に示す改善策が必要である。
次に、前記のF8の領域における、モータの電磁気的な関係、トルクとの関係について説明する。
今、図4のF8に示すように電力Pinが一定で、電圧Vと電流Iが一定である状態を想定する。また、機械的出力PaはトルクTとロータの回転角速度ωrの積である。モータの内部損失は零であると仮定する。
Pin=V×I (2)
Pa=T×ωr (3)
巻線の巻き回数をNwとし、巻線に鎖交する磁束をφとする。
V=Nw×d(φ)/dt (4)
ロータの回転位置θrと回転角速度ωrとは次式の関係である。
d(θr)/dt=ωr (5)
また、磁束の時間変化率であるd(φ)/dtは次式のように変形することができる。 d(φ)/dt=d(φ)/dθr×dθr/dt
=d(φ)/dθr×ωr (6)
今、モータの入力電力Pinとモータの機械出力Paとが等しいとすると、(2)〜(6)式より次の関係となる。そして、トルクTの式(9)が得られる。
V×I=Nw×d(φ)/dt×I (7)
=Nw×d(φ)/dθr×ωr×I (8)
=T×ωr
T=Nw×d(φ)/dθr×I (9)
(9)式より、各ステータ磁極が発生するトルクは、それぞれのステータ磁極について、その巻線の巻き回数Nwとそのステータ磁極を通過する磁束φの回転変化率d(φ)/dθrとその巻線に通電する電流Iとの積であると言える。また、(9)式は回転角速度ωrには依存せず、停止時、低速回転時、高速回転時にも成立する式である。
なお、(Nw×φ)は、該当する巻線の磁束鎖交数Ψでもあり、(9)式のトルクTは次のようにも書ける。
T=Nw×d(φ)/dθr×I=d(Ψ)/dθr×I (10)
また、(3)式のモータ出力Paは次のようにも書ける。
Pa=T×ωr= d(Ψ)/dt×I (11)
(10)、(11)式は磁束鎖交数Ψと電流Iで示されていて、モータが磁束と電流との相互作用で動作することを示す物理式である。
次に、(9)式で求めたトルク式の考え方をA相ステータ磁極が発生するトルクTaとB相ステータ磁極が発生するトルクTbに適用する。
Ta=Nw×d(φa)/dθr×Ia (12)
Tb=Nw×d(φb)/dθr×Ib (13)
φaはA相ステータ磁極を通過し、A相巻線Waに鎖交する磁束であり、IaはA相巻線Waの電流である。φbはB相ステータ磁極を通過し、B相巻線Wbに鎖交する磁束であり、IbはB相巻線Wbの電流である。
次に、図1に示す本発明モータの作用、特性について説明する。
図5に示すロータ回転位置θrで反時計回転方向CCWの方向のトルクを発生させる場合、(12)式と(13)式の関係からA相鎖交磁束φaとB相鎖交磁束φbについて考える。N極ロータ磁極19とS極ロータ磁極1Aの表面の磁束密度は、ロータ磁極の境界部である41の近傍と42の近傍を除いてほぼ均一な磁束密度Boの大きさであると仮定する。A相ステータ磁極を通過する磁束は、対向するロータ表面部分の磁束が通過すると考える。
今、ロータの半径がRで、モータのロータ軸方向厚みがLで、A相ステータ磁極の円周方向角度幅がθaで、ロータの磁極境界部の回転角位置がA相ステータ磁極の時計回転方向端からθaxであるとする。そして、図5に示すように、ロータ磁極の境界部41と42がそれぞれステータ磁極の円周方向中央部近傍にあると仮定する。
φa=Bo×R×θax×L−Bo×R×(θa−θax)×H
=2×Bo×R×L×(θax−θa/2) (14)
同様に、B相ステータ磁極の円周方向角度幅がθbで、ロータの磁極境界部の回転角位置がB相ステータ磁極の時計回転方向端からθbxであるとする。
φb=2×Bo×R×L×(θbx−θb/2) (15)
なお、従来の3相交流モータではロータ磁極の円周方向磁束密度の分布が正弦波状であると仮定する場合があるが、本発明モータで高効率を追求する場合は、そのロータ磁極磁束分布は正弦波状の磁束分布ではなく、台形状で矩形波に近い形状の磁束分布である。また、ロータ表面の磁束密度は、永久磁石が十分に強力で、巻線電流により変化しないものと仮定する。勿論、本発明モータは、そのロータ磁極磁束分布を正弦波状の磁束分布として使用することもできる。正弦波状と台形状の中間くらいの磁束分布として使用することもできる。
次に、本発明の動作例について、図5から図8のロータ回転位置θrの動作を図9のトルク特性と合わせて説明する。
ロータ回転位置θrは、図1の状態をθr=0°とし、CCW方向の回転に伴って増加する。図5の状態はθr=90°で、この時A相ステータ磁極のトルクTaとB相ステータ磁極のトルクTbおよびモータトルクTmは、(9)式と(14)、(15)式より次式となる。
Ta=2×Bo×R×L×Nw×Ia (16)
Tb=2×Bo×R×L×Nw×Ib (17)
Tm=Ta+Tb=2×Bo×R×L×Nw×(Ia+Ib) (18)
図5の状態でA相巻線13と14へシンボルで図示する方向のA相電流Iaを通電すれば、矢印38の方向へ起磁力が印加され、N極磁石19は吸引され、S極磁石1Aへは反発力が発生し、ロータの矢印で示すようにCCWのA相トルクTaが発生する。定量的には、(16)式の各値をMKS単位系で代入すれば、A相トルクTaの単位はNmである。また、図5に示す磁束φa、φbの向きを正と定義し、図5に示す電流Ia、Ibの向きを正と定義する。同様に、図5の状態でB相巻線16と17へシンボルで図示する方向のB相電流Ibを通電すれば、矢印39の方向へ起磁力が印加され、S極磁石1Aは吸引され、N極磁石19へは反発力が発生し、ロータの矢印で示すようにCCWのB相トルクTbが発生する。定量的には、(17)式の各値をMKS単位系で代入すれば、B相トルクTbの単位はNmである。
このような関係なので、図5のロータ回転位置θr=90°の前後の領域では、A相電流IaとB相電流Ibの値を制御することにより、任意のトルク制御が可能である。
図9は横軸をロータ回転角θrとし、図9の(3)はロータがCCWの方向へ一定回転数で回転している状態でのA相巻線の電圧Vaで、実線の特性で示している。B相巻線の電圧Vbは破線の特性で示している。図9の(2)はロータ回転角θr=180°の前後のA相巻線の電圧VaとB相巻線の電圧Vbを、横軸であるロータ回転角θrの方向へ、4倍程度に拡大した図である。破線の補助線により(3)と(2)との相互の拡大関係を図示している。
A相巻線の電圧VaとB相巻線の電圧Vbの一般式は、(4)式と(5)式から次式のように書ける。
Va=Nw×d(φa)/dt=Nw×d(φa)/dθr×ωr (19)
Vb=Nw×d(φb)/dt=Nw×d(φb)/dθr×ωr (20)
図5のロータ回転位置θr=90°では、(14)、(15)式を代入でき、次式となる。
Va=2×Nw×Bo×R×L×ωr (21)
Vb=2×Nw×Bo×R×L×ωr (22)
図9の(3)のθr=90°の前後では、電圧Vaと電圧Vbは一定値となっている。
次に、図6のロータ回転位置から図7のロータ回転位置までの間の、ロータ磁極の境界部41がA相ステータ磁極12あるいはB相ステータ磁極15に対向せず、スロット開口部近傍に対向するロータ回転位置での発生トルクTmについて説明する。
ロータ磁極の境界部41がスロット開口部近傍に対抗して存在する時は、磁束がスロット開口部近傍の空間とステータ磁極とロータ磁極の間のいわゆるエアギャップの空間を通ってロータ側からステータ側へ通過する。磁束が回転位置に応じて急激に変化する領域であり、(9)式の磁束がロータ回転に伴い急激に変化するので、(16)式、(17)式の様に単純に表現できない。
ここで、A相電流IaとB相電流Ibを図6に示す方向に通電する。すなわち、B相電流Ibは負の値とする。そして、電流の振幅は同じとする。この時、次式の関係とする。 Ia=−Ib (23)
図6のA相巻線13に流れる電流とB相巻線16に流れる電流の和は零となり、同一空間の電流和が零なのでキャンセルされ、これらの巻線電流がモータに与える電磁気的な影響は無いことになる。
そして、反対側のA相巻線14の電流IaとB相巻線の電流Ibとは図示する電流シンボルの方向であり、その方向は同じである。これらの両電流はC相ステータ磁極18の円周方向前後に位置し、結果としてC相ステータ磁極の巻線であるかの様な作用をなし、矢印43で示す方向の起磁力を生成する。この時、C相トルクTcは(23)式の条件で次式となる。
Tc=2×Bo×R×L×Nw×Ia (24)
この(24)式は、ロータ磁極の境界部42がC相ステータ磁極に対向している間は成立するので、ロータ磁極の境界部41がスロット開口部近傍に対向している範囲では成立することになる。すなわち、A相トルクTaとB相トルクTbが不安定な領域では、(24)式で示されるC相トルクが安定して得られることになる。ただし、(24)式のC相トルクTcは、図5の状態で(18)式により得られるトルクの1/2となる。
このように、巻線を巻回していないC相ステータ磁極を電流の通電方法により、仮想的にC相電流を作り出してC相トルクTcを生成することになる。この結果、モータの発生トルクが全周で得られることになり、単相モータの断続的なトルクを連続トルクとすることができる。また、(24)式のC相トルクTcは、C相ステータ磁極の円周方向幅の範囲で得られるので、ある程度の高速回転においても時間的な余裕を持って、A相電流IaとB相電流Ibとを可変して制御することが可能である。
次に、図6のロータ回転位置から図7の回転位置まで回転し、さらにCCWへ回転する回転位置について説明する。
図7よりCCWへ少し回転するとB相トルクTbが得られることになり、(13)式あるいは(17)式のトルクを得ることができる。この時、A相ステータ磁極の鎖交磁束φaの回転変化率d(φa)/dθrは零なのでA相トルクTaは得られない。
さらにCCWへ回転し、図8で示す回転位置まで回転すると、A相トルクTaは零で、C相トルクTcも得られず、B相トルクTbだけがCCW方向のトルクを生成可能な領域となる。
さらにCCWへ回転し、ロータ磁極の境界部42がA相ステータ磁極に差し掛かれば、(16)、(17)、(18)式で示すトルクの生成が可能となり、図5の回転子の状態から180°回転した回転位置までCCWのトルクを生成することができる。図5の回転子の状態を始点として180°から360°間での間のトルク生成は、ロータの磁束方向が逆方向となる関係なので、A相電流IaとB相電流Ibの正負を逆にすることにより、0°から180までと同じ動作を実現できる。
また、CW方向のトルク発生は、A相電流IaとB相電流Ibの正負を前記説明の逆にすることにより、図5の回転角位置からCW方向へ−180°へ、そして−360°までと、逆の動作を実現できる。
以上のロータ回転角θr=180°の前後の動作は図9の電圧Va、Vbと電流Ia、IbとトルクTmで説明することもできる。図5から図8の説明では、磁束φと電流Iで説明したが、(2)式から(9)式に示したように、電圧Vと電流Iで説明することができる。すなわち、磁束φと電圧Vの関係は(4)式であり、同じ物理現象を異なる方法で表現しているといえる。
図9の(2)はロータ回転角θr=180°の前後のA相巻線の電圧VaとB相巻線の電圧Vbをロータ回転角θrの方向へ拡大している。51の点はθr=180°−(θc+2θs)/2であり、52の点はθr=180°−θc/2であり、53の点はθr=180°−θs/2であり、54の点はθr=180°+θs/2であり、55の点はθr=180°+θc/2であり、56の点はθr=180°+(θc+2θs)/2である。なお、上記のθsは、ステータ磁極の円周方向にあるスロット開口部の円周方向幅である。
図9の(2)において、A相巻線の電圧Vaはロータ回転位置θrが53の点までは(21)式の電圧であるが、53の点以降はロータ磁極の境界部41がスロットの開口部へ差し掛かるので急激に磁束の増加率が零となり、ロータがCCWの方向へ一定回転数で回転していても(19)式からVaは零となる。
ロータがさらにCCWへ回転し、55の点に差し掛かると、すなわち、ロータ磁極の境界部42がC相ステータ磁極とA相ステータ磁極の間のスロット開口部へ差し掛かると、A相ステータ磁極へS極磁極1Aの磁束が増加し始め、(19)式からVaは負の電圧となる。
図9の(2)において、B相巻線の電圧Vbはロータ回転位置θrが51の点までは(22)式の電圧であるが、51の点以降はロータ磁極の境界部42がB相ステータ磁極とC相ステータ磁極との間のスロット開口部へ差し掛かるので、S極磁極の磁束の増加がなくなり、ロータがCCWの方向へ一定回転数で回転していても(20)式からVbは零となる。
ロータがさらにCCWへ回転し、53の点に差し掛かると、すなわち、ロータ磁極の境界部41がA相ステータ磁極とB相ステータ磁極の間のスロット開口部へ差し掛かると、B相ステータ磁極へN極磁極19の磁束が増加し始め、(20)式からVbは負の電圧となる。
ここで、C相ステータ磁極には巻線が巻回されていないが、C相巻線が巻回されていると仮定して仮想のC相電圧Vcを求める。C相ステータ磁極を通過する磁束φcを使用して、また、(19)式、(20)式と同様に、C相電圧Vcは次式となる。
Vc=Nw×d(φc)/dt=Nw×d(φc)/dθr×ωr (25)
Vc=−Va+ Vb (26)
このC相の仮想電圧Vcは 図9の(4)にとなる。図1における磁束の方向の定義をステータ側からロータ側の方向としたため、B相電圧Vbが負の値となっている。なお、A相ステータ磁極とB相ステータ磁極とC相ステータ磁極とをロータ側からステータ側へ通過する磁束の総和は零である。
次に、図9の(1)に示す実線のA相電流Iaと破線のB相電流Ibについて説明する。図9の(2)の電圧特性から、53の点から54の点まではA相電圧VaとB相電圧Vbが急激に変化し、不安定であるが、C相電圧Vcは安定している。また、52の点から55の点まではA相電圧VaとB相電圧Vbとの両方を電力的に活用することができない。また、A相電流IaはA相電圧Vaが零の区間で正負の値を切り替えることにより効果的にトルクを得ることができる。これらの条件から、図9の(1)に示す実線のA相電流Iaと破線のB相電流Ibを導くことができる。
そして、モータの発生トルクTmは、(3)式より図9の(6)に示す特性となる。ロータ磁極の境界部の41と42のどちらかがC相ステータ磁極に対向する間はモータトルクTmが1/2となる。しかし、ロータの全周においてトルク発生が可能であり、連続トルクを生成することができる。従って、単相モータに近いモータ構成でありながら、どのような回転位置で停止していても起動トルクを生成することができる。
また、図9の(6)に示す程度の凹凸のトルク特性であっても問題なく使用でき、むしろモータ高率、あるいは、駆動回路を含めたモータシステムのコスト低減の方が重要な用途は少なくない。
前記の凹凸のトルク特性を補償してより均一なトルク特性とすることも可能である。図9の(7)は図9の(6)の凹凸のトルク特性をより均一なトルク特性とする補償特性である。図5、図6、図9に示したように、ロータ表面の前記N極磁極と前記S極磁極との境界部41、42が前記C相ステータ磁極へ対向する範囲において、モータへ通電する電流の値を大きくして制御するものである。
具体的には、図9の(7)の倍率を図9の(5)に示す電流Ia、Ibへ乗じた値の電流として通電することにより、図9の(6)の凹凸のトルク特性をより均一なトルク特性とすることができる。特にモータの低速回転でトルク脈動が目立って図9の(6)の凹凸のトルク特性が有害となることがあるが、モータの低速回転では補償制御の時間的な余裕があり、より正確なトルク補償制御ができるので、効果的な方法である。
図10の(2)に電流振幅を補償制御したA相電流IaとB相電流Ibの例を、ロータ回転角θrが180°前後について拡大して示す。図10の(1)は図9の(1)同じ特性であり、補償する前の電流である。図10の(4)は図9の(7)に示す補償特性と同じである。また、図10の(3)は図9の(2)に示す電圧特性であり、図10の(2)と(3)のA相とB相の電流と電圧の積和が一定値となっている。
現実的なトルク脈動の補償は、図10の(2)に示す形状の電流特性とは限らず、図10の(3)の上部に示すθcの領域で電流振幅を増加させれば、モータのトルク脈動を減少させることが可能である。
ここで、あらためて本発明モータの構成、形状などについて説明する。
例えば、ステータ磁極の円周方向にはスロットの開口部の円周方向幅θsがあること、ステータ磁極の円周方向両端形状が製作性や低騒音化などのために単純形状でないことなどにより、ステータ磁極の円周方向幅の定義が難しいことがある。このステータ磁極の円周方向両端形状は、低騒音化要求が厳しい場合は両端形状の切り上げ、円弧形状化、スキュー、段スキューなどの形状に製作することがある。なお、ロータ磁極の境界部である41の近傍と42の近傍の形状についても、製作性の都合、低騒音化のために、スキュー、凹み形状など図1とは異なる形状とすることも多い。永久磁石の固定、ロータの強度確保、リラクタンス力の活用などの目的のため、鉄心に埋め込んだ形状とすることもある。モータ形状の種々変形が可能である。
本発明モータの基本的な形状は図1、図2に示すような形状であり、C相ステータ磁極幅θcは電気角で90°以下の値である。θc=90°の時、θa=135°、θb=135°である。また、図1に示すように、θc=40°の時は、θa=160°、θb=160°である。
C相ステータ磁極の円周方向幅θcが小さい方がモータのトルク出力平均値を向上でき、モータ効率を向上できる。例えば、図1に示す2極のモータモデル形状の場合、θc=40°で、スロット開口部の円周方向幅θsは5°で作図している。θsが5°であれば、θcは20°程度までは縮小することが十分に可能である。θc=20°の時、A相ステータ磁極幅θaとB相ステータ磁極幅θbは170°となり、さらにモータ効率を向上することが可能である。
逆に、C相ステータ磁極の円周方向幅θcが小さすぎると、漏れ磁束の影響などにより、トルク低下部のトルク値が低下する。従って、モータの要求特性、製作性の都合、ロータ極数などにより適正なC相ステータ磁極の円周方向幅θcをきめることになる。
前記のように、スロットの開口部の円周方向幅θsが小さい値であれば、θsは無視できるが、θsが大きな値であれば異なる表現も必要である。具体的には、ステータ磁極の形状が突極状の形状となる場合である。
ここで、スロット開口部の円周方向幅θsを一定値として、各相ステータ磁極のより正確な円周方向幅を、A相ステータ磁極実幅θar、B相ステータ磁極実幅θbr、C相ステータ磁極実幅θcrとする。これらの値は、図1に示す各相ステータ磁極の円周方向幅θa、θb、θcよりそれぞれθsだけ小さい値となる。
θar=θa−θs (27)
θbr=θb−θs (28)
θcr=θc−θs (29)
θar+θbr+θcr+3×θs=360° (30)
上式より、A相ステータ磁極実幅θar、B相ステータ磁極実幅θbr、C相ステータ磁極実幅θcrの値は、スロットの開口部の円周方向幅θsにも依存することになる。
そこで、現実的な表現として相対的に表現すると、A相ステータ磁極実幅θarとB相ステータ磁極実幅θbrに対し、C相ステータ磁極実幅θcrは、おおよそ1/2以下とも言える。例えば、θcr=θar/2=θbr/2であって、C相ステータ磁極幅θc=90°であると仮定すると、(27)、(28)、(29)、(30)式より、θar=90°、θbr=90°、θcr=45°、θs=45°と計算される。
また、各ステータ磁極の位置関係は、A相ステータ磁極、B相ステータ磁極の間のスロット開口部の円周方向回転角位置に対して、C相ステータ磁極は電気角で180度異なる位置に配置する。そして、A相ステータ磁極とB相ステータ磁極は、ロータ中心に対して点対称ではなく、A相ステータ磁極とB相ステータ磁極との間の境界線である図1の1Cに対して線対称の形状であるとも言える。
(実施例2)
次に、A相巻線WaとB相巻線Wbをより効率よく巻回するためのスロット形状の変形方法について図11と図12に示し、説明する。
図11は図2に示した8極の本発明モータの右上側の約1/4を拡大した図である。
61はA相ステータ磁極で、62と63は集中巻きで巻回したA相巻線である。64はB相ステータ磁極で、65と66は集中巻きで巻回したB相巻線である。67と68はC相ステータ磁極で、巻線は巻回していない。なお、図11において、一点鎖線は、各ステータ磁極の中心、および、各ステータ磁極の境界を示しており、各一点鎖線の角度位置を付記している。
A相ステータ磁極61は26.25°の角度を中心として37.5°の円周方向幅であり、電気角では150°の円周方向幅である。B相ステータ磁極64は63.75°の角度を中心として37.5°の円周方向幅であり、電気角では150°の円周方向幅である。C相ステータ磁極は90°の角度を中心として15°の円周方向幅であり、電気角では60°の円周方向幅である。
図11を見ると、もしC相ステータ磁極の巻線が存在すれば巻回されるべきスペース69、6Aの部分が空きスペースとなっている。この空きスペース69、6Aを活用してA相巻線62、63とB相巻線65、66を巻回すれば巻線の抵抗値を小さくすることができることになる。ただし、電磁気的な特性を維持するためには、ロータと対向する各ステータ磁極の内周側形状は変えない。6B、6Cはロータの永久磁石である。
図12は、前記条件で図11の形状を変形、修正した例である。79は、前記A相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Paの円周方向中心角度位置を時計回転方向CWへ移動した形状である。破線で示す71、73が移動前の磁路Paの形状で、実線で示す72、74が移動後の磁路Paの形状である。この時、ロータと対向するA相ステータ磁極の内周側形状は変えていない。一点鎖線で示す75と77が移動前のA相巻線で、実線で示す76と78が移動後のA相巻線である。前記の空きスペース69を活用しているので、A相巻線の断面積が広くなっている。
B相の磁路と巻線については、一点鎖線で示す45°の中心線に対して、A相の磁路と巻線と完全に対称形状としている。7Jは、前記B相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置をCCWへ移動した形状である。破線で示す7A、7Cが移動前の磁路Pbの形状で、実線で示す7B、7Dが移動後の磁路Pbの形状である。この時、ロータと対向するB相ステータ磁極の内周側形状は変えていない。一点鎖線で示す7Eと7Gが移動前のA相巻線で、実線で示す7Fと7Hが移動後のA相巻線である。前記の空きスペース6Aを活用しているので、B相巻線の断面積が広くなっている。
図11の形状から図12への形状変更は次のようにも言える。すなわち、前記A相ステータ磁極から円周方向に見て、ステータとロータとのエアギャップの近傍において、前記A相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θax、前記B相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θbx、前記C相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θcxとし、前記A相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Paの円周方向中心角度位置θap、前記B相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θbp、前記C相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θcpとするとき、(θbx−θax)の大きさより(θbp−θap)の大きさの方が大きくなる構成とするものである。
なお、前記の変形の主旨、目的は、C相の空きスペースをA相巻線とB相巻線のスペースとして有効に活用することであり、その主旨で異なる形状へ変形することも可能である。また、図12に示す本発明モータの構成では、巻線の断面積を3相交流モータに比較して拡大することができる。ロータの磁束が本発明モータと3相モータでは同一であり、ロータからステータバックヨークまでの歯の磁路幅の合計が同一であると仮定すると、残った空きスペースがスロットとして巻線巻回に利用されることになるので、スロットの合計断面積は両モータで等しいことになる。本発明モータがA相とB相の2相であって、3相交流モータがU相とV相とW相の3相なので、本発明モータの巻線抵抗は相対的に2/3に低減することができる。そして、巻線抵抗のジュール損は2/3に低減できることになる。従ってこの点で、高効率化、小型化、低コスト化が可能である。
(実施例3)
次に、ステータの電磁鋼板を分割し、分割したステータコアを組み合わせてステータコアを構成する例を、図13、図14に示し説明する。
図2に示す8極の本発明モータのステータコアを分割する例である。図13の81、87は分割したA相ステータ磁極である。84、8Aは分割していないA相ステータ磁極である。85、8Bは分割したB相ステータ磁極である。82、88は分割していないB相ステータ磁極である。83、89は分割したC相ステータ磁極である。8C、86は分割していないC相ステータ磁極である。8E、8Dのように2重線で示す部分が完全に分割、あるいは、部分的に分割する部位である。
このように、ステータをいくつかに分割して構成することができる。ステータコアを分割することにより、各ステータ磁極への巻線の巻回が容易となり、ステータ製作を容易にすることができ、巻線の占積率を向上することができる。その反面、組み立てが必要なこと、ステータ磁路の磁気抵抗が増加すること、ステータの剛性が低下することには注意を要する。
図14は、図13で分割したステータコアを破線で示した図である。8E、8Dのように2重線で示す部分は、部分的に分割している例で、図14が一体となった構成の例である。円周方向に1個おきにステータ磁極を分割コアとしている。従って、各ステータ磁極の間には巻線を巻回する時に自由に使えるスペースができているので、巻線巻回を容易にすることができる。なお、分割した各ステータ磁極のコアへは個別に巻線を巻回することができる。
(実施例4)
図15はA相巻線Waの電流IaとB相巻線Wbの電流Ibとを、交流電圧を印加し交流電流を通電する駆動回路の例である。8個の電力素子であるトランジスタを使用した例である。TR1、TR2、TR3、TR4はA相巻線の電圧Va、電流Iaを駆動する。TR5、TR6、TR7、TR8はB相巻線の電圧Vb、電流Ibを駆動する。各トランジスタには逆並列にダイオードを配置している。図15はA相とB相の2組の交流駆動回路を、電気的に独立して構成している。図15の構成はごく自然な構成であるが、改良の可能性はある。
具体的な改良方法は、図16に示すように、トランジスタの数を減少し、6個にする方法である。図9(3)と(5)に示すように、本発明のモータの特性として、A相電圧VaとA相電流IaはB相電圧VbとB相電流Ibに一部の波形形状が異なるが、大半の部分ではほぼ同じ電圧と電流とすることができる。従って、図15のトランジスタTR1とTR5の機能を図16のTR21で機能させ、図15のトランジスタTR2とTR6の機能を図16のTR22で機能させることが可能である。この時、図16の構成では、A相巻線Waの片端とB相巻線の片端とをトランジスタTR21とTR22の接続点である端子B1へ共通に接続する。図15の他のトランジスタTR3、TR4、TR7、TR8は、それぞれ、図16のTR23、TR24、TR25、TR26に相当する。
このように、2相のモータ巻線の駆動用トランジスタを共通化するためには、2巻線それぞれの電圧と電流との両方の位相がある程度揃っていると効果的に構成することができる。A相とB相の電圧と電流の両位相が揃っていれば、電力的に利用率を低下させることなく各トランジスタを活用することができる。
本発明モータは、2相モータであるが単相モータに近い電気的特性としている。そして、図16に示すように、端子B1へA相巻線WaとB相巻線の電圧と電流の位相が揃うように共通に接続している。A相巻線Waの他の端子B2は、TR23とTR24で電圧Vaと電流Iaを制御できるので、B相巻線とは異なった制御が可能である。B相巻線Wbの他の端子B3は、TR25とTR26で電圧Vbと電流Ibを制御できるので、A相巻線とは異なった制御が可能である。
また、図15、図16に示すような回路構成において、トランジスタの数はそのベース回路の数、および、制御の複雑さにも関係し、コストへの依存性がある。勿論、トランジスタの数が少ない方が低コスト化が容易であることが一般的である。また、回路からモータへの接続線の数も4本から3本に低減することができる。これらの観点で、図15に示した回路構成に対して図16の回路構成は、小型化、低コスト化の観点で優れている。
また、3相交流モータのインバータと比較して、図16のインバータの各トランジスタの電流容量について、相対的に評価する。図示しないが、よく使用される3相交流モータとインバータの構成は、図16に示すような6個のトランジスタで構成し、3個の3相巻線Wu、Wv、Wwを星型結線してその各端子UT、VT、WTへ電圧を印加し、3相電流Iu、Iv、Iwを供給する。例えば、3相交流モータの通電状態の一つが、前記端子UTからVTとWTへ均等に電圧を印加し、電流IuとIv=−Iu/2とIw=−Iu/2を通電する状態である。
類似の通電状態を本発明モータの図16で考えると、端子B1から端子B2とB3へ均等に電圧を印加し、電流IaとIbを均等に通電する状態である。図9(3)と(5)のロータ回転角θr=90°における、A相電圧VaとA相電流IaおよびB相電圧VbとB相電流Ibである。この時、本発明モータと3相交流モータの場合を比較して、トランジスタTR21とTR22で流さなければならない電流の大きさ(Ia+ Ib)は、3相交流モータの前記電流Iuとほぼ同じである。端子B2と端子B3に流れる電流はIaとIbであって、端子B1の電流の1/2の大きさである。
本発明モータは単相モータに近い電圧と電流の特性であり、かつ、図9(3)と(5)に示すように、正弦波ではなく矩形波状の電圧と電流である場合、TR23とTR24とTR25およびTR26の電流容量はTR21とTR22の電流容量の1/2とすることができ、トランジスタの電流容量の低減が可能である。電圧、電流の波形を矩形波に近づけると、各トランジスタを活用する割合を利用率とすると、利用率を100%に近づけることが可能である。結局、トランジスタTR21とTR22の電流容量は3相交流モータのトランジスタ電流容量とほぼ同じであるが、TR23とTR24とTR25およびTR26の電流容量は3相交流モータのトランジスタ電流容量の1/2に近づけることができる。従って、全体のトランジスタの電流容量の3相交流に対する相対値は(1+1+1/2+1/2+1/2+1/2)/6=2/3となり、駆動回路の小型化、低コストが可能である。このように、トランジスタの数を8個から6個へ減少し、かつ、トランジスタ電流容量の総和を3相交流モータに比較して2/3へ減少することは、本発明モータの独特の特性であり、特有の効果である。
また、同様の計算により、図15の構成のトランジスタの数は8個であるが、各トランジスタの電流容量の総和は、3相交流モータの場合に比較して2/3へ減少することができる。その観点で、3相交流モータの駆動回路に比較して、本発明モータの駆動回路を小型化、低コストが可能である。
3相交流の場合、図3に示すように正弦波であれば利用率が50%である。さらに、矩形波化しても、モータ巻線の接続が星型結線であれば、3個の端子であることから常に1/3に相当する部分は使用していないことになり、利用率は2/3となり、66.7%であると言える。この利用率の観点では、3相交流交流モータのシステムは、100%へ近づけるような改善の余地があると言える。
なお、従来の単相交流モータの場合、例えば、図15のトランジスタTR1とTR2とTR3およびTR4とモータの巻線Waで構成できる。そして、図4に示すように、矩形波化すれば、巻線とトランジスタの利用率を100%に近づけることが可能である。トランジスタが4個で構成できるので簡素であり、かつ、平均電力的にも優れている。しかし、破線のF6に示すようなトルクを発生できない点が存在する問題がある。モータが停止時に起動できない状態が発生する問題がある。
(実施例5)
次に、並列巻線を使用する本発明モータとその通電方法を図17に示し、説明する。
図1のA相巻線13、14を電気的に独立し、磁気的に並列に巻回した2個の巻線Wa1とWa2とする。B相巻線16、17を電気的に独立し、磁気的に並列に巻回した2個の巻線Wb1とWb2とする。2個の巻線Wa1とWa2は同一の磁束が鎖交し、相互インダクタンスが大きい。2個の巻線Wb1とWb2は同一の磁束が鎖交し、相互インダクタンスが大きい。そして、これらの巻線は、図17に示すように、磁気的な鎖交の方向、電圧の方向が逆向きになるように配置し、それぞれの巻線に電圧を印加し、電流を通電する。
図17に示すように、A相巻線Wa1の片端を電源に接続し、他端をトランジスタTR31へ接続する。A相巻線Wa2はA相巻線Wa1と磁気的に並列に巻回していて、巻線に誘起する電圧方向が逆になるように片端を電源に接続し、他端をトランジスタTR32へ接続する。トランジスタTR31とトランジスタTR32へは逆並列にダイオードD31とダイオードD32をそれぞれ配置している。この時、A相電流Ia=Ia1+Ia2の関係となっている。
このような構成でA相の正の電流Iaを通電する方法は、トランジスタTR31をオンしてA相電流Ia1を増加させる。A相電流Ia1の値が目標値を超えるとトランジスタTR31をオフとすると、A相巻線Wa1に磁気エネルギーEaが溜まっているので、ダイオードD32を通してA相巻線Wa2へA相電流Ia2が流れ始める。前記磁気エネルギーEaはA相電流Ia2により電源PSへ回生されるので、A相電流Ia2の値は徐々に減少する。ここで再度トランジスタTR31をオンすると、A相電流Ia2は零となり、同時にA相電流Ia1は直前のA相電流Ia2と同じ値となる。そして、時間と共にA相電流Ia1が増加する。そして、A相電流Ia1の値が目標値を超えるとトランジスタTR31をオフとする。この動作を繰り返しながら、A相の電流を所望の値に制御することができる。
負のA相電流Iaを通電する方法は、同様に、トランジスタTR32をオン、オフ制御することにより負のA相電流Iaを通電することができる。
B相巻線についても同様に、B相巻線Wb1の片端を電源に接続し、他端をトランジスタTR33へ接続する。B相巻線Wb2はB相巻線Wb1と磁気的に並列に巻回していて、巻線に誘起する電圧方向が逆になるように片端を電源に接続し、他端をトランジスタTR34へ接続する。トランジスタTR33とトランジスタTR34へは逆並列にダイオードD33とダイオードD34をそれぞれ配置している。
正のB相電流Ibを通電する方法は、同様に、トランジスタTR33をオン、オフ制御することにより正のB相電流Ibを通電することができる。そして、負のB相電流Ibを通電する方法は、同様に、トランジスタTR34をオン、オフ制御することにより負のB相電流Ibを通電することができる。
正確には、A相巻線Wa1とA相巻線Wa2とB相巻線Wb1およびB相巻線Wb2の全てに鎖交する磁束成分があり、前記に説明した磁気的な関係、電気的な関係より複雑に作用する。しかし、両相の電流の増加、減少の関係は同じである。
図17の示す構成では、A相巻線Wa1とWa2の各抵抗値が、巻線スペースの関係から、図1のA相巻線Waの約2倍の抵抗値となる。B相巻線についても同様である。その結果、モータ効率は低下することになる。しかし、その駆動回路は、トランジスタの数を4個に減少することができるので、駆動回路のコストは低減できる。図16の構成と図17の構成とでは、効率とコストが背反関係になっている。従って、例えば、短時間のモータ使用であって、モータ効率はさほど気にかける必要が無いような用途では、図17の構成が有利である。また、モータの駆動時間が長時間になり、モータ効率が重視されるような用途では図16の構成が有利である。
以上、本発明の例について説明した。なお、本発明のモータは説明した構成に限らず、発展あるいは変形を行うことも可能であり、本発明に含むものである。例えば、ステータの各部形状の変形、ロータ各部形状の変形、各部コアの分割および組み合わせなどが可能である。巻線いついても、丸線、角線などの巻線形状の種類、切断あるいは溶接などの巻線製作方法の選択が可能である。
アウターロータモータ、2個のモータを内径側と外形側に組み合わせた複合型のモータ、アキシャルギャップ型のモータ、環状巻線と3次元形状磁路で構成するモータ、リニアモータなどへ変形することができる。
ロータについても、表面磁石型のロータを説明したが、磁石内蔵型のロータ、巻線界磁型のロータ、クローポール型のロータなどが可能である。永久磁石の種類についても種々特性の永久磁石使用することができ、いわゆるボンド磁石、他種の永久磁石を組み合わせなども使用することもできる。
駆動回路についても種々変形が可能である。例えば、図示していないが、2個の直列電源が存在する場合は、回路の簡素化が可能である。電圧、電流の制御法についても、いわゆるPWM制御であるパルス幅変調制御を前提に説明したが、種々の電流制御法を適用できる。
高速回転制御の場合などには、巻線を分割するなどの方法により、いわゆる巻線切り替え方式も適用できる。また、界磁磁束の大きさを変更する機械的な磁束量制御の構成とすることも可能である。磁石の強さを可変する、いわゆる磁石可変制御も適用することができる。
ロータの位置検出、速度検出の目的で、エンコーダを使用しない、いわゆるセンサレス制御を適用することができる。モータ電流値を検出するいわゆるセンサレス電流検出も適用することができる。
本発明の制御回路を含むモータは、全周の回転位置においてトルクを発生できるので、モータの停止状態から確実に起動することができ、トルクリップルも小さいという特徴がある。従って、従来の単相モータあるいはいわゆる2相半波モータの弱点である起動の不安定性とトルクリップルの問題を解消、あるいは低減しており、確実な起動が必要な用途あるいはトルクリップルを低減したい用途に好適である。
なお、本発明モータは、単相モータの特徴である簡素な構成、高効率、小型、低コストという特徴も併せ持っている。
一方、起動の問題、トルクリップルの問題が小さい3相交流のブラシレスモータに比較すると、簡素な構成であって製作が容易で、モータ各部の利用率が高いため高効率、小型、低コストという特徴がある。なお、本発明モータは、トルクリップルの点で3相交流のブラシレスモータに比較して原理的に劣る面があるので、超精密なサーボ制御などを必要とする用途ではやや不利な面がある。しかし、本発明モータは自動車用、家電用、産業用などの多くの用途で活用することができ、効率、小型、コストの点で従来の3相交流のブラシレスモータより優れていて好適である。
11 本発明のモータ
12 A相ステータ磁極
13 A相の集中巻き巻線
14 A相の集中巻き巻線
15 B相ステータ磁極
16 B相の集中巻き巻線
17 B相の集中巻き巻線
18 C相ステータ磁極
19 ロータのN極磁極
1A ロータのS極磁極
1B ロータ軸
1C A相ステータ磁極とB相のステータ磁極の境界線
θa A相ステータ磁極の円周方向角度幅
θb B相ステータ磁極の円周方向角度幅
θc C相ステータ磁極の円周方向角度幅

Claims (7)

  1. 永久磁石を使用するブラシレスモータであって、
    ステータに配置するA相ステータ磁極と、
    前記A相ステータ磁極に巻回するA相巻線Waと、
    前記A相ステータ磁極と同一の円周上に配置するB相ステータ磁極と、
    前記B相ステータ磁極に巻回するB相巻線Wbと、
    前記A相ステータ磁極と同一の円周上に配置していて前記ステータとロータとの間に磁束を通過させるC相ステータ磁極と、
    前記ロータのN極磁極と、
    前記ロータのS極磁極とを備えることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載したモータにおいて、
    前記C相ステータ磁極の前記ロータに面している形状の円周方向幅θcが電気角で90°以下であることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1に記載したモータにおいて、
    ロータ表面の前記N極磁極と前記S極磁極との境界部Fnsが前記A相ステータ磁極と前記B相ステータ磁極との境界部Fabに差し掛かる範囲において、前記A相巻線Waと前記B相巻線Wbとの両方へ同一方向の電流を通電することを特徴とするモータ。
  4. 請求項1に記載したモータにおいて、
    ロータ表面の前記N極磁極と前記S極磁極との境界部Fnsが前記C相ステータ磁極へ対向する範囲において、前記モータへ通電する電流の値を大きくして制御することを特徴とするモータ。
  5. 請求項1に記載したモータにおいて、
    前記A相ステータ磁極から円周方向に見て、前記ステータと前記ロータとのエアギャップの近傍において、前記A相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θax、前記B相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θbx、前記C相ステータ磁極の円周方向中心角度位置θcxとし、前記A相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Paの円周方向中心角度位置θap、前記B相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θbp、前記C相ステータ磁極のバックヨークから歯の先端にかける磁路Pbの円周方向中心角度位置θcpとするとき、(θbx−θax)の大きさより(θbp−θap)の大きさの方が大きくなる構成とすることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1に記載したモータにおいて、
    前記A相巻線Waの両端の端子がTa1とTa2であり、
    前記B相巻線Wbの両端の端子がTb1とTb2であり、
    両巻線WaとWbの誘起電圧の位相が近い方の端子がTa1とTb1であるとき、これらの両端子を接続し、
    直流電源PSの正側にトランジスタTR21を配置し、負側にトランジスタTR22を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の両端子Ta1とTb1を接続して、前記A相巻線Waの電流Iaと前記B相巻線Wbの電流Iaとの和である(Ia+ Ib)の電流を通電し、
    直流電源PSの正側にトランジスタTR23を配置し、負側にトランジスタTR24を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の端子Ta2を接続して、前記A相巻線Waの負の電流(−Ia)を通電し、
    直流電源PSの正側にトランジスタTR25を配置し、負側にトランジスタTR26を配置し、これら両トランジスタの接続点に前記の端子Tb2を接続して、前記B相巻線Wbの負の電流(−Ib)を通電して駆動することを特徴とするモータ。
  7. 請求項1に記載したモータにおいて、
    前記A相巻線Waは電気的に独立し、並列に巻回した2個の巻線Wa1とWa2であり、
    前記B相巻線Wbは電気的に独立し、並列に巻回した2個の巻線Wb1とWb2であることを特徴とするモータ。
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