JP2013218168A - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記シランカップリング剤は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし
Description
シール剤の硬化物の透湿性を低下させるためには、無機充填剤を用いることが考えられるが、シール剤の硬化物の透湿性を充分低くするためには多量の無機充填剤を配合する必要があり、多量の無機充填剤を配合するとシール剤の接着性が低下する等の問題があった。
上記シランカップリング剤は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。シランカップリング剤として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、接着性に優れ、かつ、硬化物の透湿性が低いものとなる。
上記硬化性樹脂は、イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。上記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び/又は上記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化物の耐湿性に特に優れるものとなる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。なかでも、硬化物の耐湿性に優れることからエポキシメタクリレート樹脂が好適である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基が付与した樹脂なら特に限定無く使用することができ、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂等が使用できる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。また、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、紫外線等の光が照射されたり加熱されたりすることでラジカルを生成するラジカル重合開始剤、又は、紫外線等の光が照射されたり加熱されたりすることでカチオンを生成するカチオン重合開始剤が挙げられる。上記重合開始剤は、上記硬化性樹脂の種類によって適当なものが選択される。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、イルガキュア184、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア907、イルガキュア2959、イルガキュアOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、イルガキュア651、イルガキュア907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、オプトマーSP−150、オプトマーSP−151、オプトマーSP−170、オプトマーSP−171(いずれもADEKA社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、イルガキュア261(BASF Japan社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、UVIー6990(ユニオンカーバイド社製)、BBIー103、MPIー103、TPSー103、MDSー103、DTSー103、NATー103、NDSー103(いずれもミドリ化学社製)、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481(いずれも日本曹達社製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローヌ・プーラン社製)、CD−1012(サートマー社製)等が挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じてアントラセン系、チオキサントン系等の増感剤を併用しても良い
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜13、比較例1〜3の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られたシール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたシール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、2枚のITO膜付きアルカリガラス試験片(30×40mm)のうち一方に微小滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に張り合わせたものを、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着試験片を得た。得られた接着試験片について、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が20kgf/cm2以上であった場合を「○」、10kgf/cm2以上20kgf/cm2未満であった場合を「△」、10kgf/cm2未満であった場合を「×」として評価した。
「(1)接着性」と同様にして作製した接着試験片について、プレッシャークッカー試験(121℃、100%RH、0.2MPa)を24時間行い、PCT後接着試験片を得た。次いで、得られたPCT後接着試験片について、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が20kgf/cm2以上であった場合を「○」、10kgf/cm2以上20kgf/cm2未満であった場合を「△」、10kgf/cm2未満であった場合を「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られたシール剤を、平滑な離型フィルム状にコーターで厚さ200〜300μmに塗行した後、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって透湿度測定用硬化フィルムを得た。JIS Z 0208の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じた方法で透湿度試験用カップを作製し、得られた透湿度測定用硬化フィルムを取り付け、温度80℃湿度90%RHの高温高湿オーブンに投入して透湿度を測定した。得られた透湿度の値が60g/m2・24hr未満であった場合を「○」、60g/m2・24hr以上80g/m2・24hr未満であった場合を「△」、80g/m2・24hr以上であった場合を「×」として評価した。
透明電極と配向膜とが形成された基板に、得られた液晶滴下工法用シール剤を正方形の枠を描くようにディスペンサーで塗布した。続いて液晶(チッソ社製「JC−5004LA」)の微小滴を透明基盤の枠内全面に滴下塗布し、真空中にて別の透明電極と配向膜とが形成された基板を重ね合わせ、真空解除後、外枠シール部に高圧水銀ランプを用い100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。その後、液晶アニールを120℃にて1時間行い、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させて液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子について、液晶表示素子用遮光シール剤周辺の液晶に生じる色ムラを目視にて観察した。その結果、色ムラが全くなかった場合を「◎」、色ムラがほぼなかった場合を「○」、微かに色ムラがあった場合を「△」、色ムラがかなりあった場合を「×」として評価した。
Claims (8)
- 硬化性樹脂と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
前記シランカップリング剤は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - シランカップリング剤の含有量が、硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレートを含有し、
前記イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレートは、エトキシ化イソシアヌルトリアクリレートであることを特徴とする請求項3記載の液晶滴下工法用シール剤。 - 硬化性樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有し、
前記ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートは、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートであることを特徴とする請求項3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤。 - イソシアヌル骨格を有する(メタ)アクリレート及びジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量が、硬化性樹脂全体100重量部に対して、0.1〜30重量部であることを特徴とする請求項3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5若しくは6記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項7記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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