JP2013217545A - 果実乾燥装置 - Google Patents

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千治 細谷
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Abstract

【課題】 果実を乾燥させる際の表面の硬化を抑制することができる果実乾燥装置を提供すること。
【解決手段】 果実乾燥装置1において、内部に果実Pが収容される収容部9を有する筐体3と、収容部9と筐体3の外部とを連通し、筐体3の外部の空気である外気が収容部9に向かって流れる外気供給管7と、外気供給管7に接続され、外気を収容部9に向かって送る送気手段(ファン10)と、収容部9と筐体3の外部とを連通し、収容部9の空気が筐体3の外部に向かって流れる排気管8と、収容部9を加温する加温手段(ヒーター11)とを有し、ファン10は、収容部9に収容された果実Pの周囲に0.3cm/s以上4.0cm/s以下の空気の流れを発生させ、ヒーター11は、収容部9内の空気を40℃以上50℃以下に加温すること。
【選択図】 図6

Description

本発明は、果実乾燥装置に関する。
従来、乾燥果実(ドライフルーツ)の製造にあたり、果実の乾燥を促すために果実用の乾燥装置を用いることがある。果実用の乾燥装置として、特許文献1,2に開示される構成のものが知られている。
特開平9−107878号 実用新案特開2003−19447号
乾燥果実は、食感を良くするため、出来るだけ表面の硬化を抑えることが好ましい。
そこで、本発明は、果実を乾燥させる際の表面の硬化を抑制することができる果実乾燥装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の果実乾燥装置は、内部に果実が収容される収容部を有する筐体と、収容部と筐体の外部とを連通し、筐体の外部の空気である外気が収容部に向かって流れる外気供給管と、外気供給管に接続され、外気を収容部に向かって送る送気手段と、収容部と筐体の外部とを連通し、収容部の空気が筐体の外部に向かって流れる排気管と、収容部を加温する加温手段とを有し、送気手段は、収容部に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/s以下の空気の流れを発生させ、加温手段は、収容部内の空気を40℃以上50℃以下に加温することとする。
上述の果実乾燥装置は、排気管と外気供給管とを接続し、排気管内の空気の少なくとも一部が外気供給管に向かって流れる接続管を備えることが好ましい。
上述の果実乾燥装置は、外気供給管に備えられ、筐体の外部から収容部に流れる外気の量を変えることができる外気制御弁と、排気管に備えられ、収容部から筐体の外部に流れる空気の量を変えることができる排気制御弁と、接続管に備えられ、排気管から外気供給管に流れる空気の量を変えることができる環流制御弁とを有することが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の果実乾燥装置は、内部に果実が収容される収容部を有する筐体と、収容部と筐体の外部とを連通し、筐体の外部の空気である外気が収容部に向かって流れる外気供給管と、外気供給管に接続され、外気を収容部に向かって送る送気手段と、収容部と筐体の外部とを連通し、収容部の空気が筐体の外部に向かって流れる排気管と、収容部を加温する加温手段と、排気管と外気供給管とを接続し、排気管内の空気の少なくとも一部が外気供給管に向かって流れる接続管と、外気供給管に備えられ、筐体の外部から収容部に流れる外気の量を変えることができる外気制御弁と、排気管に備えられ、収容部から筐体の外部に流れる空気の量を変えることができる排気制御弁と、接続管に備えられ、排気管から外気供給管に流れる空気の量を変えることができる環流制御弁とを有することとする。
上述の果実乾燥装置において、送気手段は、収容部に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/s以下の空気の流れを発生させ、加温手段は、収容部内の空気を40℃以上50℃以下に加温することが好ましい。
上述の果実乾燥装置において、外気供給管は、収容部に収容される果実の配置領域が配置されていない方向に向けて空気を吹き出す空気吹出部を有することが好ましい。
上述の果実乾燥装置において、配置領域が配置されていない方向は、配置領域と筐体の内側面との間隙に沿う方向であることが好ましい。
上述の果実乾燥装置において、配置領域が配置されていない方向は、配置領域と筐体の内側面との間隙に沿う方向に加えて、収容部の底面と配置領域との間隙に沿う方向を有することが好ましい。
上述の果実乾燥装置において、配置領域が配置されていない方向は、配置領域が複数の場合には、配置領域と配置領域との間隙に沿う方向を有することが好ましい。
上述の果実乾燥装置において、空気吹出部は、収容部内に複数の果実が連ねられた連体が複数の列状に配列される配列のピッチと同一ピッチで空気を吹き出すことが好ましい。
柿乾燥装置の外観の構成を示す外観図である。 図1に示す柿乾燥装置の扉を開放した状態を示す図である。 図2に示す柿乾燥装置内に果実として柿を収容した状態を示す図である。 図1に示す柿乾燥装置を背面から見た構成を示す図である。 図1に示す柿乾燥装置の筐体内に備えられる空気吹出管の構成を示す図である。 図1に示す柿乾燥装置の空気の流路を示す図である。 空気吹出管の開口部から吹き出る空気の吹き出し方向について説明する図である。 柿乾燥装置内に配置領域が複数ある場合の管体と開口部の配置を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明に係る果実乾燥装置の実施の形態について説明する。本実施の形態では、果実乾燥装置の一例として、柿を乾燥させることができる柿乾燥装置1について説明する。図1は、柿乾燥装置1の外観の構成を示す外観図である。図2は、図1に示す柿乾燥装置1の扉2を開放した状態を示す図である。図3は、図2に示す柿乾燥装置1内に果実として柿Pを収容した状態を示す図である。図4は、図1に示す柿乾燥装置1を背面から見た構成を示す図である。図5は、図1〜4に示す柿乾燥装置1の筐体3内に備えられる空気吹出管4の構成を示す図である。空気吹出管4に設けられる開口部5A〜5Eから筐体3内に空気が吹き出す。図6は、図1〜4に示す柿乾燥装置1の空気の流路を示す図である。
以下の説明において、図1に示す矢印X1方向を前方(前側)、矢印X2方向を後方(後側)、矢印Y1方向を左方(左側)、矢印Y2方向を右方(右側)、矢印Z1方向を上方(上側)、そして矢印Z2方向を下方(下側)として説明を行う。なお、柿乾燥装置1の扉2が設けられる側が柿乾燥装置1の正面(前方)であり、正面側から柿乾燥装置1に向かって左手方向(Y1方向)が左方、右手方向(Y2方向)が右方である。
(柿乾燥装置1の全体構成)
図1〜4に示すように、柿乾燥装置1は、筐体3と、空気給排出機6と、外気供給管7(図4参照)と、排気管8(図4参照)等を備える。筐体3の内部は、柿Pが収容される収容部9として形成される。空気給排出機6は、筐体3の背面側の外部に配置され、外気供給管7および排気管8を介して収容部9に接続されている。
図6に示すように、空気給排出機6は、送気手段としてのファン10と、加温手段としてのヒーター11と、外気供給管7と排気管8とを接続する接続管12と、外気制御弁13と、排気制御弁14と、環流制御弁15と、熱交換器16等をユニットの形態で備えている。空気給排出機6は、外気供給管7を介して、収容部9に筐体3の外部(以下、単に、外部と記載する)の空気(以下、該外部の空気を外気と記載する。)を供給する(送り込む)ことができる共に、排気管8を介して、収容部9内の空気を外部に排出することができる。また、空気給排出機6は、収容部9から排出された空気を再び収容部9に戻すことができ、さらに、収容部9に供給する空気を加温することができる。なお、空気給排出機6は、ファン10、ヒーター11、外気供給管7等をユニットの形態で備えない構成としてもよい。
(筐体3の構成)
筐体3は、外気供給管7および排気管8を介して行われる空気の供給および排気を除いて、収容部9を外部(筐体3の外側)に対して密閉された空間とすることができる。筐体3は、外観形状において略直方体を呈している。筐体3は、複数のパネルが組み合わされて構成されるものである。そのため、筐体3の設置場所でパネルを組み合わせて筐体3を完成させる、いわゆるプレハブ工法にて、筐体3の組み立てを行うことができる。パネル同士の接合部は、たとえばコーチボルトにより連結される。
筐体3の外側寸法は、たとえば、高さ2.16m、前後の厚さ1.3m、左右の幅1.6mの略直方体を呈している。また、収容部9は、たとえば、高さ2.0m、奥行き(前後長)1.2m、左右の幅1.5mの略直方体の空間を呈している。
筐体3は、床パネル17と、左右および背面に配置される側壁パネル18と、天井パネル19と、枠パネル20と、扉2を構成する扉パネル21とを組み合わせて構成される。筐体3は基台22の上に載置されている。すなわち、基台22の上に床パネル17が載置され、床パネル17の左端、右端および後端にそれぞれ側壁パネル18が立設されている。そして、床パネル17の前端には枠パネル20が立設されている。
枠パネル20には、扉2により開閉される開口部23が形成されている。枠パネル20の右側の枠部24には、ヒンジ25により扉パネル21(扉2)が回動可能に支持されている。扉パネル21がヒンジ25の周りに回動することで、扉パネル21により開口部23を開閉することができる。扉パネル21には、枠パネル20側に備えられるラッチ26に係合することができるドアレバー27が備えられている。ドアレバー27がラッチ26に係合することで、扉パネル21は開口部23を閉鎖状態に保つことができる。
枠パネル20の開口部23の周囲には扉枠28が備えられている。扉パネル21の背面(開口部23を閉鎖したとき枠パネル20と対向する面)には、パッキン29が備えられている。パッキン29は、扉パネル21が開口部23を閉鎖したときに扉枠28に当接し、扉パネル21と扉枠28との間を密閉する。また、床パネル17、側壁パネル18、天井パネル19および枠パネル20の互いの繋ぎ部は気密状態に結合されている。そのため、開口部23を扉パネル21により閉鎖した状態で、筐体3内に設けられる収容部9は、空気給排出機6による空気の給排気を除いて、外部に対して密閉された状態となる。
パネル(床パネル17、側壁パネル18、天井パネル19、枠パネル20と、扉パネル21)は、発泡硬質ポリウレタンフォームをアルミニウム等の金属板にて挟み込んだサンドイッチパネルにて構成されたものを用いることができる。パネルは、発泡硬質ポリウレタンフォームがサンドイッチされているため断熱性を有している。そのため、収容部9内の保温を行うことができる。
筐体3は、工場内で筐体として完成されたものであってもよい。つまり、筐体3は、上述のようにパネルを組み合わせて構成することができるプレハブ型のものに限らない。しかしながら、筐体3が工場内で完成されるものである場合は、筐体3が、建物や部屋のドアの開口よりも大きい場合には、筐体3を建物内や室内に搬入することが難しいという問題が生じる。これに対し、上述したように、筐体3をプレハブ工法にて完成することができる構成とした場合には、設置場所(建物内や室内)への搬入をパネルの状態で行い、設置場所にて筐体3を組み立てることができる。このため、柿乾燥装置1の設置場所の自由度を向上させることができる。
(空気給排出機6の構成)
図6に示すように、空気給排出機6は、ファン10と、ヒーター11と、接続管12と、外気制御弁13と、排気制御弁14と、環流制御弁15と、熱交換器16等とを有する。空気給排出機6は、外気供給管7を介して、収容部9に外気を供給する給気機能と、排気管8を介して、収容部9内の空気を外部に排出する排気機能と、収容部9から排出された空気を再び収容部9に戻す機能とを有する。また、空気給排出機6は、収容部9に対して加温された空気を供給する機能を有する。
外気制御弁13は外気供給管7に備えられ、排気制御弁14は排気管8に備えられる。また、環流制御弁15は接続管12に備えられる。接続管12の外気供給管7との接続部30は、外気供給管7の外気制御弁13が配置される位置よりもファン10側に配置されている。また、接続管12の排気管8との接続部32は、排気管8の排気制御弁14が配置される位置よりも排気口31側に配置されている。
外気制御弁13は、給気路33から外気供給管7に流れる空気の量を調整することができる。すなわち、外気の取り込み量を調整することができる。排気制御弁14は、排気管8から排気路34に流れる空気の量を調整することができる。外気供給管7と排気管8とは、接続管12を介して接続されている。したがって、排気口31から排出された空気を、外気供給管7の空気吹出管4(図5参照)から再び収容部9内に戻すことができる。接続管12には、環流制御弁15が備えられている。環流制御弁15は、排気管8から外気供給管7に流れる空気の量を調整することができる。
外気供給管7には、ファン10およびヒーター11が備えられれている。ファン10は、熱交換器16の給気路33から吸い込んだ外気を空気吹出管4に向けて送るように回転駆動させられる。ファン10は、たとえば、電気モーターにより駆動されるブロワーあるいはシロッコファン等を用いることができる。ヒーター11は、熱交換器16から吸い込まれた外気を加温する機能を有する。ヒーター11は、電流により発熱する電熱線ヒーター、セラミックヒーター等を用いることができる。
ファン10を駆動(回転)すると、外気供給管7内の空気を給気路33および接続管12側から収容部9の側に向けて移動させることができる。つまり、ファン10の駆動により、空気吹出管4から収容部9内に空気を供給することができる。ヒーター11を発熱状態とした場合には、ファン10の駆動により収容部9内に供給される空気が加温される。収容部9内に、ヒーター11により加温された空気を供給することで、収容部9内の雰囲気を加温することができる。つまり、ヒーター11は収容部9内(筐体3内)を加温する加温手段として構成されている。
熱交換器16は、外気を外気供給管7に供給する給気路33と、収容部9からの排気を外部に放出する排気路34とを有する。排気路34と給気路33とは伝熱部(図示外)を挟んで配置される空気の流路であり、排気路34内の空気の熱が伝熱部を介して給気路33内の空気に移動することができる。
(外気供給管7の構成)
図5に示すように、外気供給管7は、収容部9内に配置される空気吹出管4を備えている。つまり、外気供給管7は、図6に示すように、一端側が空気吹出管4を介して収容部9内に連通している。外気供給管7の他端側は、熱交換器16の給気路33に接続されている。空気吹出管4は、管体35と、管体36と、管体37と、管体38とを有している。管体35〜38は、左右にそれぞれ備えられている。管体35から管体38は連通していて、管体35から管体38に空気を送ることができる。
管体35は、収容部9の後面39と左右の側面40L,40Rとの角部41L,41Rに、管体35の延伸方向(長手方向)を上下方向に沿わせて配置されている。管体36は、収容部9の天井面42と左右の側面40L,40Rとの角部43L,43Rに、管体36の延伸方向(長手方向)を前後方向に沿わせて配置されている。管体37は、収容部9の前面44と左右の側面40L,40Rとの角部45L,45Rに、管体37の延伸方向(長手方向)を上下方向に沿わせて配置されている。管体38は、収容部9の床面46と左右の側面40L,40Rとの角部47L,47Rに、管体38の延伸方向(長手方向)を前後方向に沿わせて配置されている。つまり、管体35〜38は、収容部9の左右の側面40L,40Rの周囲4方の角部の内側に配置されている。
外気供給管7は、左側の管体35と右側の管体35の下端部に接続する接続管48を有している。したがって、空気給排出機6から外気供給管7に供給される空気は、接続管48を介して空気吹出管4(管体35〜38)に流れる。なお、各管体35〜38および接続管48は、取り付けステー49により筐体3に対して固定されている。
空気吹出管4には、空気吹出部としての開口部5A〜5Eが形成されている。各管体35には、前方に向けて開口する複数の開口部5Aと左右方向内側(左右の管体35同士が対向する側)に向けて開口する複数の開口部5B(右側の管体35については図示外)が形成されている。また、各管体37には、後方に向けて開口する複数の開口部5C(図示外)と左右方向内側(左右の管体37同士が対向する側)に向けて開口する複数の開口部5D(右側の管体37については図示外)が形成されている。さらに、各管体38には、左右方向内側(左右の管体38同士が対向する側)に向けて開口する複数の開口部5E(右側の管体38については図示外)が形成されている。したがって、空気給排出機6から外気供給管7および接続管48を介して左右に配置される管体35から管体38に流れ込んだ空気は、開口部5A〜5Eから収容部9内に吹き出る。
管体38の先端部38A、すなわち管体37に接続される端部とは反対側の端部は、閉塞されている。また、管体35〜38の内周面の総面積に対する開口部5A〜5Eの開口部の総面積に対する割合(開口率)は、0.1%〜2%に設定される。開口部5A〜5Eの管体35〜38の内周面に対する開口率を上記の範囲とすることで、管体35から管体38内が加圧された状態となる。管体35から管体38内が加圧された状態となることで、管体35から管体38内の内圧が全体的に均一になり、開口部5A〜5Eのそれぞれから吹き出す風量の均一化を図ることができる。
後述するように、収容部9内を移動する空気の速度は、0.6cm/s程度のゆっくりした速度である。そのため、開口部5A〜5Eから吹き出る空気の速度を遅くする必要があり、管体35〜38の内圧も吹き出る空気の速度に併せて、収容部9内の圧力(気圧)よりも僅かに高い程度とする必要がある。開口部5A〜5Eの管体35〜38の内周面に対する開口率を上記の範囲とすることで、吹き出す風量の均一化を図りながら、収容部9内を移動する空気の速度が低く(たとえば、0.6cm/s程度)なるように開口部5A〜5Eから空気を吹き出すことができる。
なお、図6に示すように、排気管8の一端は収容部9内に設けられる排気口31とされ、他端側は熱交換器16の排気路34に接続されている。
(柿乾燥装置1の動作と細部の構成)
続いて、上述した柿乾燥装置1の動作と細部の構成について説明する。
(吊るし枠50)
柿乾燥装置1は、図3に示すように、複数の果実としての柿Pが、収容部9内に収容された状態で使用される。
柿Pは、吊るし枠50に、すだれ状に吊り下げられた状態で、収容部9内に収容される。吊るし枠50の上部には、左右方向に張られる竿体51(図3参照。最前列の1つのみ図示)が前後方向に複数設けられている。柿Pは、複数個(たとえば、15個前後)を紐52で一繋がりとされた連体53とされ竿体51に吊り下げられる。竿体51は、たとえば、前後に8本設けられ、また、各竿体51には連体53が左右に、たとえば10列下げられている。前後に配置される竿体51は互いに等間隔で配置され、また、竿体51に下げられる複数の連体53も左右方向に等間隔に配置されている。したがって、吊るし枠50に下げられる連体53は、前後左右に格子状に配置される。
吊るし枠50は、筐体3の開口部23を通して、筐体3内に出し入れすることができる。したがって、吊るし枠50に柿Pを下げる作業を筐体3の外側で完了させた後、柿Pが下げられた吊るし枠50を収容部9内に搬入することができる。収容部9(筐体3)外で吊るし枠50に柿Pを下げる作業を行うことで、収容部9内で吊るし枠50に柿Pを下げる作業を行う場合に比べて、該作業を効率的に行うことができる。
(乾燥処理)
収容部9内に柿Pを収容した後、扉2を閉じ開口部23を閉鎖し、ドアレバー27をラッチ26に係合させ開口部23を閉鎖状態に保つ。開口部23が扉2により閉鎖された状態で、収容部9内は、開口部5A〜5Eおよび排気口31を除いてほぼ密閉された状態となる。この状態でファン10を駆動すると、熱交換器16の給気路33から外気が取り込まれ、この外気が外気供給管7を介して空気吹出管4に送り込まれる。空気吹出管4に送り込まれた外気は、開口部5A〜5Eから収容部9内に吹き出る。
排気口31は、排気管8および排気路34を介して外部(筐体3の外側)に連通している。したがって、開口部5A〜5Eから収容部9内に吹き出た空気は、収容部9内を移動し(流れて)、排気口31から排気管8側に流れ外部に排出される。つまり、ファン10が駆動されることにより収容部9内には、開口部5A〜5Eから排気口31に向かう空気の流れが発生する。
複数の柿Pが収容されている収容部9内は、柿Pから蒸発する水分により、湿度が高くなり易い。したがって、収容部9内に外気を取り込むことで、収容部内の湿度を下げることができ、柿Pの水分の蒸発(乾燥)を促すことができる。また、柿Pの周りに空気の流れが発生することで、柿Pから蒸発した水分が柿Pの表面に滞留することなく移動するため、柿Pから更なる水分の蒸発が促される。
また、ファン10の駆動に併せてヒーター11を駆動することで、加温された空気が収容部9内に送り込まれる。つまり、収容部9内の雰囲気が加温される。収容部9内の雰囲気が加温されることで、柿Pが加温されると共に、収容部9内の空気の飽和水蒸気量が増し、柿Pの水分の蒸発が促される。
干し柿の製造に当たり、柿Pに乾燥処理が施され、柿の含有水分量が60〜80重量%に減少するまでの間は、柿Pにカビが発生し易い。一般に、柿を天日干しとした場合には、含有水分量が60〜80重量%になるまでに1週間程度を要し、その間に柿にカビが発生し易い。そのため、カビの発生を抑える対策として、天日干しに先だって硫黄による燻蒸が行われることがある。また、天日干しを開始した後、カビの発生状況を見ながら燻蒸処理が施されることがある。これに対し、天日干しに先だって、柿乾燥装置1を用いて柿Pの乾燥を促し、含有水分量が60〜80重量%に減少するまでの時間を短くすることで、カビの発生を抑制することができる。そのため、燻蒸処理を省略出来たり、あるいは燻蒸の程度や時間を短縮することができる。
本実施の形態の柿乾燥装置1においては、収容部9内の温度が約44℃となるようにヒーター11が駆動される。また、開口部5A〜5Eから吹き出した空気が収容部9内を約0.6cm/sの速さで移動(流れ)し、排気口31から収容部9外に排出されるようにファン10が駆動される。柿乾燥装置1の収容部9の容量は、3.6m(高さ2.0m×奥行き(前後長)1.2m×左右の幅1.5m)であり、この場合、ファン10を送風量40m/hで駆動することで、開口部5A〜5Eから吹き出した空気を収容部9内を約0.6cm/sの速さで移動させることができる。
上述のように、収容部9内の空気を44℃程度に加温することで、収容部9内の空気の飽和水蒸気量が増し、柿Pの乾燥が促される。また、収容部9内が加温されることで、柿P自体も加温される。柿Pに含まれる可溶性タンニンは、加温されることで不溶性タンニンへの変化が促される。したがって、収容部9内が加温され、柿Pが加温されることにより、柿Pに含まれる可溶性タンニンの不溶性タンニンへの変化を促すことができる。なお、発明者が実験したところ、柿は、41℃〜45℃で24時間程度加温することで、食べたときにほとんど渋みを感じない程度まで渋抜き(可溶性タンニンの不溶性タンニンへの変化)がされることが判った。
また、柿Pは加温されることで、柿P内部の水分が表面に移動し易くなり、柿Pの乾燥が促される。柿P内部の水分の移動と一緒に可溶性タンニンも表面に移動すると推測できる。したがって、柿Pを加温し、柿P内部の水分が表面に移動し易くなることで、可溶性タンニンが水分と一緒に表面に移動し易くなり、可溶性タンニンが水分と一緒に柿Pの外に蒸発すると推測できる。柿Pに含まれる可溶性タンニンの量が減ることで、柿Pの甘さを増すことができる。
収容部9内の空気は、開口部5A〜5Eから排気口31に向かって移動している。そのため、柿Pの表面に出た水分は、収容部9内を移動する空気によって排気口31に移動し、排気口31から外部に排出される。柿Pの周囲の空気が移動することによって、柿Pから蒸発した水分が柿Pの表面から除去され、これにより柿Pからの水分の蒸発が一層促される。
一般に、収容部9内の温度が高いほど、柿Pの乾燥は速くなる。しかしながら、収容部9内の温度が高くなりすぎると柿Pが軟弱化したり(熟したり)あるいは表面が硬化してしまい風味が損なわれ易い。また、逆に収容部9内の温度が低いと乾燥が促進されず、また、カビの繁殖が促進されてしまう場合もある。
一般にカビは25℃〜30℃程度で繁殖し易く、40℃を超えると繁殖能力が大きく低下する。表1に、温度に対するカビの繁殖のし難さと、温度に対する柿Pの乾燥し易さの概略を示す。気温が35℃以上のときは、カビの発生が効果的に抑えられる。また、気温が40℃以上であれば、柿Pの乾燥を効果的に促すことができる。ただし、50℃を超えると、柿Pが乾燥し過ぎたりあるいは過熱され風味が大きく損なわれる。

Figure 2013217545
したがって、カビの繁殖し易さと柿Pの乾燥の程度を考慮し、収容部9内の温度を40℃以上50℃以下の範囲とすることが好ましい。かかる温度とすることで、カビの発生を効果的に抑制できると共に柿Pの乾燥を効果的に促すことができる。より好ましくは、収容部9の温度を42℃以上46℃以下の範囲とすることが好ましい。かかる温度とすることで、カビの発生をより効果的に抑制できると共に柿Pの風味を損なうことなく乾燥を効果的に促すことができる。より一層好ましくは、収容部9の温度を43℃以上46℃未満の範囲とすることが好ましい。かかる温度とすることで、より柿Pの風味を損なうことなく乾燥を効果的に促すことができる。
また、一般に、収容部9内を移動する空気の移動速度が速いほど、柿Pの乾燥は速くなる。しかしながら、移動速度が速すぎると、柿Pの表面の水分が急速に奪われ、表面が硬化し易くなる。表面が硬化してしまうことで、柿P内部の水分が柿Pの外部に出難くなり、柿Pが乾燥し難くなる。逆に、収容部9内を移動する空気の速度が0になると、柿Pから蒸発した水蒸気が柿Pの周囲に滞留し、柿Pの乾燥が著しく低下する。
具体的には、空気の移動速度が0.3cm/s未満になると、柿Pの周囲に水蒸気が滞留し易くなり、柿Pの乾燥速度が低下する。空気の移動速度が0.3cm/s以上4.0cm/s以下の範囲の場合には、柿Pの周囲に水蒸気が滞留し難くなり、また、柿Pの表面の硬化も起こり難い。空気の移動速度が0.4cm/s以上1.0cm/s以下の範囲の場合には、柿Pの表面の硬化を抑えながら好適に水分の蒸発が促される。空気の移動速度が1.0cm/sを超えると、1.0cm/s以下のときに比べて柿Pの表面が硬化し易くなるが、4.0cm/s以下であれば、食感を大きく落とすことなく乾燥速度を速くすることができる。
したがって、開口部5A〜5Eから吹き出した空気が、0.3cm/s以上4.0cm/s以下の速度で収容部9内を移動するようにファン10を駆動することが好ましい。より好ましくは、0.4cm/s以上1.0cm/s以下の速度で開口部5A〜5Eから吹き出した空気が収容部9内を移動するようにファン10を駆動することで、柿Pの表面の硬化を抑えながら好適に水分の蒸発を促すことができる。
なお、上述した、温度に対するカビの繁殖のし難さの関係、温度に対する柿Pの乾燥し易さの関係、および収容部9内の空気の移動速度に対する柿Pの乾燥速度と表面硬化の程度の関係は、柿Pの大きさや種類、肉質の固さ等の要因で変化するものであり厳密なものではない。
なお、排気口31は収容部9の上部に配置されている。収容部9にはヒーター11により加温された空気が供給される。そのため、収容部9内の空気は上方に移動し易い。したがって、排気口31を収容部9の上方に配置することで、開口部5A〜5Eから排気口31に向かう空気の流れをスムーズなものにすることができる。
(外気制御弁13、排気制御弁14、環流制御弁15)
外気制御弁13の開度を調整することで、給気路33から外気供給管7に流れる空気の量を調整することができる。また、排気制御弁14の開度を調整することで、排気管8から排気路34に流れる空気の量を調整することができる。そして、環流制御弁15の開度を調整することで、排気管8から外気供給管7に流れる空気(以下、環流空気と記載する。)の量を調整することができる。
つまり、外気制御弁13、排気制御弁14および環流制御弁15の開度を調整することで、排気口31から排出され再び収容部9に戻る環流空気の量と、外気を収容部9に供給する量とを調整できる。たとえば、環流制御弁15を閉じ、外気制御弁13および排気制御弁14を開いた状態とすると、排気口31から排気管8に排出された空気はすべて、排気路34から外部に排出される。したがって、開口部5A〜5Eから吹き出る空気は全て外気となる。
環流制御弁15を開くと、その開度に応じて、排気管8側から外気供給管7側に空気が流れる。つまり、収容部9から排出された空気が外気供給管7に流れ、再び収容部9に戻る。このとき、環流制御弁15の開状態に併せて外気制御弁13の開度を調整することで、収容部9内に供給される空気の外気と環流空気の混合割合を制御することができる。
また、排気制御弁14の開度を調整することで、給気路33から取り込まれる外気の量と、排気路34から外部に排出される空気の量との割合を制御できる。つまり、給気路33から取り込まれる外気の量に比べて、排気路34から外部に排出される空気の量を少なくすることができる。給気路33から取り込まれる外気の量に比べて、排気路34から外部に排出される空気の量を少なくすることで、収容部9内を加圧状態にすることができる。
環流制御弁15を開き、収容部9内の空気を環流空気として再び収容部9に戻すことにより、収容部9内の湿度を上げた状態で柿Pの乾燥処理を行ったところ、柿Pの表面の硬化を抑えながら乾燥させることができた。
収容部9内の空気には、柿Pから蒸発した水蒸気が含まれているため、外気に比べて湿度が高い。したがって、環流制御弁15を開き、収容部9内の空気を環流空気として再び収容部9に戻すことで、収容部9内の湿度を上げることができる。柿Pの乾燥を急速に行うと表面が硬化し易いが、収容部9内の湿度を上げることで、柿Pの乾燥速度が抑えられ、柿Pの表面の硬化を抑えながら乾燥させることができたと考えられる。つまり、環流制御弁15の開度を調整することで、収容部9に供給する環流空気の量を調整することができ、収容部9内の湿度を柿Pの乾燥に適した湿度にすることができる。
また、環流空気により収容部9内の湿度が上げられた状態に加えて、給気路33から取り込まれる外気の量に比べて、排気路34から外部に排出される空気の量を少なくし、収容部9内が加圧された状態で柿Pの乾燥処理を行ったところ、加圧しないときに比べて、柿P内部の乾燥が促され、かつ、柿Pの表面の硬化が抑えられた乾燥を行うことができた。収容部9内を加圧状態とすることで、柿P内部の水分が表面に出易くなると考えられる。そして、収容部9内が加圧状態とされ、柿P内部の水分が表面に出易くなる状態でありながら、環流空気により収容部9内の湿度が上げらた状態では、柿P内部から表面に移動した水分が柿Pが蒸発する際に柿Pの表面に留まる時間が長くなり、これにより、柿Pの表面の硬化が抑えられた乾燥が行われると考えられる。
また、表面の硬化が抑えられることで、柿P内部の水分が蒸発し易くなると考えられる。表面が硬化してしまうことで、この硬化した部分により柿P内部の水分の蒸発が阻害されてしまう。したがって、柿Pの表面の硬化が抑えられることで乾燥が促される。
(空気吹出管4)
図5に示すように、収容部9に収容された柿Pが配置される領域を柿Pの配置領域54とする。上述したように、吊るし枠50には、たとえば、15個前後の柿Pが1つの連体53とされ、この連体53が前後に8本備えられる竿体51にそれぞれ10列下げられる。このように、複数の柿Pが配置される領域を配置領域54とする。
管体35は、角部41L,41Rに、管体35の延伸方向(長手方向)を上下方向に沿わせて配置され、開口部5Aは前方に向けて開口し、開口部5Bは左右方向内側に向けて開口している。したがって、左側の管体35の開口部5Aからは、矢印W1で示すように、前方に向かって側面40Lに沿う方向に空気が吹き出され、右側の管体35の開口部5Aからは矢印W2で示すように、前方に向かって側面40Rに沿う方向に空気が吹き出される。また、左右の管体35それぞれの開口部5Bからは左右方向内側に向かって矢印W3,W4で示すように、後面39に沿う方向に空気が吹き出される。
管体37は、角部45L,45Rに、管体37の延伸方向(長手方向)を上下方向に沿わせて配置され、開口部5C(図示外)は後方に向けて開口し、開口部5Dは、左右方向内側に向けて開口している。したがって、左側の管体37の開口部5Cからは、矢印W5で示すように、後方に向かって側面40Lに沿う方向に空気が吹き出され、右側の管体37の開口部5Cからは矢印W6で示すように、後方に向かって側面40Rに沿う方向に空気が吹き出される。また、左右の管体37それぞれの開口部5Dからは左右方向内側に向かって矢印W7,W8で示すように、前面44に沿う方向に空気が吹き出される。
管体38は、角部47L,47Rに、管体38の延伸方向(長手方向)を前後方向に沿わせて配置されている。したがって、左右の管体38それぞれの開口部5Eからは左右方向内側に向かって矢印W9,W10で示すように、床面46に沿う方向に空気が吹き出される。
すなわち、空気吹出管4に形成される開口部5A〜5Eからは、配置領域54と収容部9を囲む内側面(側面40R、側面40L、後面39、床面46、前面44)との間隙に沿う方向に向けて空気が吹き出される。つまり、開口部5A〜5Eからは、配置領域54が配置されていない方向に空気が吹き出される。言い換えれば、開口部5A〜5Eからは、配置領域54に配置される柿Pに直接当たり難いように空気が吹き出される。このように、開口部5A〜5Eから吹き出された空気が柿Pに直接当たらないようにすることで、柿Pの表面の急激な乾燥を抑えることができ、表面の硬化を防止できる。なお、開口部5A〜5Eにおける空気の吹き出し方向とは、図7に示すように、たとえば、開口部5Aを例にとれば、開口部5Aから空気が吹き出る角度の範囲Qの中心Tの方向を言う。
配置領域54と収容部9を囲む側面(側面40R、側面40L、後面39、床面46、前面44)との間の間隙に沿う方向は、配置領域54の側面や収容部9を囲む側面(側面40R、側面40L、後面39、床面46、前面44)に平行である必要はない。配置領域54の側面や収容部9を囲む側面に対して斜めであっても、開口部5A〜5Eの空気の吹き出し方向に配置領域が配置されていなければよい。
開口部5Aと開口部5Cから吹き出る矢印W1と矢印W5で示す空気は互いに対向する方向に吹き出る。また、矢印W2と矢印W6で示す空気についても互いに対向する方向に空気が吹き出る。左右の管体35の開口部5Bから吹き出る矢印W3と矢印W4で示す空気も互いに対向する方向に吹き出る。さらに、左右の管体37の開口部5Dから吹き出る矢印W7と矢印W8で示す空気も互いに対向する方向に吹き出る。そして、左右の管体38の開口部5Eから吹き出る矢印W9と矢印W10で示す空気も互いに対向する方向に吹き出る。上述のように互いに対向する方向に吹き出された空気は、互いにぶつかり合い収容部9の内側に向かって流れやすくなる。
配置領域54内に空気の移動のない滞留部が発生すると、この滞留部に配置される柿Pの乾燥が進み難い。しかしながら、上述のように管体35〜管体38から互いに対向する方向に吹き出る空気を互いにぶつかり合わせ、収容部9の内側に向かって流れ易くすることで、配置領域54内に空気の流れの滞留部が発生することを抑制できる。つまり、滞留部の発生が抑制されることで、配置領域54内の位置により柿Pの乾燥に斑が発生することを防止できる。
空気吹出管4から吹き出される空気はヒーター11により加温されているため、上方に移動し易い。そのため、開口部5Eから配置領域54と床面46との間に向けて床面46に沿う方向に吹き出された空気(矢印W9,W10)は、連体53と連体53との間を通って配置領域54内を下方から上方に上昇し易い。したがって、配置領域54で空気が滞留するのを効果的に防止できる。つまり、配置領域54内における柿Pの乾燥に斑が発生することを防止できる。
また、開口部5A〜5Eの各開口部の形成ピッチは、竿体51の配置ピッチと同一となっている。そのため、開口部5A〜5Eから吹き出た空気は連体53と連体53との間に流れ込み易く、配置領域54内で空気が滞留するのを効果的に防止できる。配置領域54内における柿Pに乾燥斑が発生することを防止できる。
なお、開口部5Eについては、開口部5A〜5Dに比べて、開口面積(開口部1つについての開口面積)が大きいことが好ましい。開口部5Eの開口面積を開口部5A〜5Dの開口面積よりも大きくすることで、管体38から吹き出る空気の吹き出し量を多くすることができる。管体38から吹き出る空気の吹き出し量を多くすることで、配置領域54内を下方から上方に抜ける空気の量を増やすことができる。これにより、配置領域54内で空気が滞留するのをより効果的に防止できる。
(柿乾燥装置1の利用方法の例)
上述した柿乾燥装置1は、たとえば、次のようして利用する。皮むきされた柿Pを吊るし枠50に掛け、収容部9内に収容する。そして、上述のように、たとえば、収容部9内の温度を44℃、収容部9内の空気の移動速度を0.6cm/sとなるように、ファン10およびヒーター11の駆動状態を調整する。そして、柿Pの含有水分量が60〜80重量%に減少するまで柿Pを乾燥させる。柿P100kgの柿Pに対して、収容部9内の温度を44℃、収容部9内の空気の移動速度を0.6cm/sとした場合、概ね24時間で、柿Pの含有水分量が60〜80重量%となる。
この乾燥を行う間、収容された柿Pの乾燥速度や表面の硬化の程度に応じて、外気制御弁13、排気制御弁14、環流制御弁15を調整することで、収容部9内の湿度や加圧状態を調整することができる。収容部9内の湿度や加圧状態を調整することで、柿P内部の水分の表面への移動を促す一方で、表面からの水分の急激な蒸発を抑えて柿P表面の硬化を抑制することができる。
柿乾燥装置1により、含有水分量が60〜80重量%に減少するまで乾燥された柿Pは天日干しにて、所望の乾燥状態とされる。柿Pは、柿乾燥装置1によりカビの発生し難い含有水分量60〜80重量%まで乾燥された状態で天日干しとされるため、天日干し処理の間にカビが発生し難い。柿乾燥装置1により乾燥される際には、収容部9内がカビが繁殖し難い44℃となっている。そのため、柿乾燥装置1による乾燥の間に柿Pにカビが発生することも抑制される。また、含有水分量が60〜80重量%まで乾燥された状態で天日干しとされるため、天日干しの期間を短縮できる。
(本実施の形態の主な効果)
果実乾燥装置としての柿乾燥装置1は、内部に果実としての柿Pが収容される収容部9を有する筐体3と、収容部9と筐体3の外部とを連通し、筐体3の外部の空気である外気が収容部9に向かって流れる外気供給管7と、外気供給管7に接続され、外気を収容部9に向かって送る送気手段としてのファン10と、収容部9と筐体3の外部とを連通し、収容部9の空気が筐体3の外部に向かって流れる排気管8と、収容部9を加温する加温手段としてのヒーター11とを有する。
かかる構成を有する柿乾燥装置1においては、ファン10を駆動することで収容部9内に空気の移動(流れ)を発生させることができ、また、ヒーター11を駆動することで、収容部9内を加温することができる。収容部9内の空気を移動させると共に、収容部9内を加温することで、柿Pの乾燥を促すことができる。
また、柿乾燥装置1は、ファン10により、収容部9に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/sの空気の流れを発生させ、ヒーター11により、収容部9内の空気を40℃以上50℃以下に加温することができる。
収容部9内の空気を40℃以上50℃以下とすることで、カビの発生を抑制しながら柿Pの乾燥を促すことができる。また、収容部9に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/sの空気の流れを発生させることで、柿Pの表面の硬化を抑えながら好適に水分の蒸発を促すことができる。
収容部9内に加温手段としてのセラミックヒーターやストーブ等の発熱器を配置し、発熱器の発熱により収容部9内の空気を加温することとしてもよい。しかしながら、収容部9内に発熱器を配置した場合には、発熱器との距離により温度に差が生じ易く、また、発熱器の対面する柿Pが過熱状態となってしまう虞がある。一方、上述のように、収容部9内に供給される空気をヒーター11により加温する構成とする場合には収容部9内を均一に加温し易い。
柿乾燥装置1は、排気管8と外気供給管7とを接続し、排気管内の空気の少なくとも一部が外気供給管7に向かって流れる接続管12を備える構成を有している。
かかる構成を有することで、柿Pから蒸発した水分を含み湿度が高められた空気を収容部9に戻すことができ、収容部9内の湿度が低下し過ぎることを防止できる。収容部9内に湿度加えることで、柿Pの乾燥速度を抑えられ、柿Pの表面の硬化を抑えながら乾燥させることができる。
柿乾燥装置1は、外気供給管7に備えられ、筐体3の外部から収容部9に流れる外気の量を変えることができる外気制御弁13と、排気管8に備えられ、収容部9から筐体3の外部に流れる空気の量を変えることができる排気制御弁14と、接続管12に備えられ、排気管から外気供給管7に流れる空気の量を変えることができる環流制御弁15とを有している。
かかる構成を有することで、環流空気が収容部9内に供給する量を調整でき、収容部9内の湿度を調整することができる。また、外気制御弁13および排気制御弁14の開度を調整することで、収容部9内を加圧状態とすることができ、柿P内部の水分が表面に出易くなることができる。
柿乾燥装置1の外気供給管7に備えられる空気吹出管4は、収容部9に収容される柿Pの配置領域54が配置されていない方向に向けて空気を吹き出す空気吹出部としての開口部5A〜5Eを有する。
開口部5A〜5Eから配置領域54が配置されていない方向に向けて空気を吹き出されることで、開口部5A〜5Eから吹き出された空気が柿Pに直接当たらないようにすることができる。これにより、柿Pの表面の急激な乾燥を抑えることができ表面の硬化を防止できる。
上述の配置領域54が配置されていない方向は、配置領域54と筐体3の内側面(側面40R、側面40L、後面39、床面46、前面44)との間隙に沿う方向であることが好ましい。
かかる間隙に沿う方向に向けて空気を吹き出すことで、空気が柿Pに直接当たらないようにしながら配置領域54内に空気を流すことができる。
上述の配置領域54が配置されていない方向は、配置領域54と筐体3の内側面との間隙に沿う方向に加えて、収容部9の底面である床面46と配置領域54との間隙に沿う方向を有することが好ましい。
空気吹出管4から吹き出される空気はヒーター11により加温されているため、上方に移動し易い。そのため、開口部5Eから配置領域54と床面46との間に向けて床面46に沿う方向に吹き出された空気(矢印W9,W10)は、連体53と連体53との間を通って配置領域54内を下方から上方に上昇し易い。したがって、配置領域54で空気が滞留するのを効果的に防止できる。
図8に示すように、配置領域55A,55Bのように収容部9内に配置領域が複数ある場合には、配置領域55A,55Bが配置されていない方向には、配置領域55Aと配置領域55Bとの間隙56に沿う方向を有することが好ましい。
このように構成することで、配置領域55Aと配置領域55Bとの間隙にも空気の流れを発生させることができ、配置領域内での乾燥斑の発生を抑制できる。
空気吹出部としての開口部5A〜5Fは、収容部9内に複数の柿Pが連ねられた連体53が複数の列状に配列される配列のピッチと同一ピッチで空気を吹き出すことが好ましい。かかる構成とすることで、開口部5A〜5Fから吹き出た空気は連体53と連体53との間に流れ込み易く、配置領域55A,55B内で空気が滞留するのを効果的に防止できる。配置領域55A,55B内に配置される柿Pに乾燥斑が発生することを防止できる。
なお、開口部5E,5Fについては、開口部5A〜5Dに比べて、開口面積(開口部1つについての開口面積)が大きいことが好ましい。開口部5E,5Fの開口面積を開口部5A〜5Dの開口面積よりも大きくすることで、管体38,57から吹き出る空気の吹き出し量を多くすることができる。管体38,57から吹き出る空気の吹き出し量を多くすることで、配置領域55A,55B内を下方から上方に抜ける空気の量を増やすことができる。これにより、配置領域55A,55B内で空気が滞留するのをより効果的に防止できる。
本実施の形態の柿乾燥装置1の主な効果として、柿表面の硬化を防止できることを説明した。果実は乾燥に伴い、表面に皺が発生する。商品価値を高める観点から、かかる皺の発生をできるだけ抑えることが好ましい。柿乾燥装置1を用いて柿Pの乾燥を行うことで、柿表面の硬化の抑制に併せて皺の発生を抑制することもできる。
また、上述では、果実乾燥装置の例として柿乾燥装置1について説明したが、柿以外の果実、たとえば、リンゴ、イチジク、トマト等の乾燥にも利用できる。この場合には、収容部9内の温度、収容部9内を移動する空気の速度等については、乾燥する対象に応じて適宜変更することが好ましい。
P … 柿(果実)
1 … 柿乾燥装置(果実乾燥装置)
3 … 筐体
5A〜5F … 開口部(空気吹出部)
7 … 外気供給管
8 … 排気管
9 … 収容部
10 …ファン(送気手段)
11 … ヒーター(加温手段)
12 … 接続管
13 … 外気制御弁
14 … 排気制御弁
15 … 環流制御弁
39 … 後面(内側面)
40L,40R … 側面(内側面)
44 … 前面(内側面)
46 … 床面(内側面)
53 … 連体
54,55A,55B … 配置領域

Claims (10)

  1. 果実乾燥装置において、
    内部に果実が収容される収容部を有する筐体と、
    前記収容部と前記筐体の外部とを連通し、前記筐体の外部の空気である外気が前記収容部に向かって流れる外気供給管と、
    前記外気供給管に接続され、前記外気を前記収容部に向かって送る送気手段と、
    前記収容部と前記筐体の外部とを連通し、前記収容部の空気が前記筐体の外部に向かって流れる排気管と、
    前記収容部を加温する加温手段と、
    を有し、
    前記送気手段は、前記収容部に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/s以下の空気の流れを発生させ、
    前記加温手段は、前記収容部内の空気を40℃以上50℃以下に加温する、
    ことを特徴とする果実乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の果実乾燥装置において、
    前記排気管と前記外気供給管とを接続し、前記排気管内の空気の少なくとも一部が前記外気供給管に向かって流れる接続管を備える、
    ことを特徴とする果実乾燥装置。
  3. 請求項2に記載の果実乾燥装置において、
    前記外気供給管に備えられ、前記筐体の外部から前記収容部に流れる外気の量を変えることができる外気制御弁と、
    前記排気管に備えられ、前記収容部から前記筐体の外部に流れる空気の量を変えることができる排気制御弁と、
    前記接続管に備えられ、前記排気管から前記外気供給管に流れる空気の量を変えることができる環流制御弁と、
    を有することを特徴とする果実乾燥装置。
  4. 果実乾燥装置において、
    内部に果実が収容される収容部を有する筐体と、
    前記収容部と前記筐体の外部とを連通し、前記筐体の外部の空気である外気が前記収容部に向かって流れる外気供給管と、
    前記外気供給管に接続され、前記外気を前記収容部に向かって送る送気手段と、
    前記収容部と前記筐体の外部とを連通し、前記収容部の空気が前記筐体の外部に向かって流れる排気管と、
    前記収容部を加温する加温手段と、
    前記排気管と前記外気供給管とを接続し、前記排気管内の空気の少なくとも一部が前記外気供給管に向かって流れる接続管と、
    前記外気供給管に備えられ、前記筐体の外部から前記収容部に流れる外気の量を変えることができる外気制御弁と、
    前記排気管に備えられ、前記収容部から前記筐体の外部に流れる空気の量を変えることができる排気制御弁と、
    前記接続管に備えられ、前記排気管から前記外気供給管に流れる空気の量を変えることができる環流制御弁と、
    を有することを特徴とする果実乾燥装置。
  5. 請求項4に記載の果実乾燥装置において、
    前記送気手段は、前記収容部に収容された果実の周囲に0.3cm/s以上4.0cm/s以下の空気の流れを発生させ、
    前記加温手段は、前記収容部内の空気を40℃以上50℃以下に加温する、
    ことを特徴とする果実乾燥装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の果実乾燥装置において、
    前記外気供給管は、前記収容部に収容される果実の配置領域が配置されていない方向に向けて空気を吹き出す空気吹出部を有する、
    ことを特徴とする果実乾燥装置。
  7. 請求項6に記載の果実乾燥装置において、
    前記配置領域が配置されていない方向は、前記配置領域と前記筐体の内側面との間隙に沿う方向であることを特徴とする果実乾燥装置。
  8. 請求項7に記載の果実乾燥装置において、
    前記配置領域が配置されていない方向は、前記配置領域と前記筐体の内側面との間隙に沿う方向に加えて、前記収容部の底面と前記配置領域との間隙に沿う方向を有することを特徴とする果実乾燥装置。
  9. 請求項7または8に記載の果実乾燥装置において、
    前記配置領域が配置されていない方向は、前記配置領域が複数の場合には、前記配置領域と前記配置領域との間隙に沿う方向を有することを特徴とする果実乾燥装置。
  10. 請求項6から9のいずれか1項に記載の果実乾燥装置において、
    前記空気吹出部は、前記収容部内に複数の果実が連ねられた連体が複数の列状に配列される配列のピッチと同一ピッチで空気を吹き出す、
    ことを特徴とする果実乾燥装置。
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