JP2013217409A - 無給油チェーン - Google Patents

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Yoshinori Tsujino
芳範 辻野
Hiroki Ishida
裕樹 石田
Toshihiko Aoki
敏彦 青木
Takashi Nakagawa
貴司 中川
Norihito Iemura
憲仁 家村
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Abstract

【課題】潤滑油の外部漏出を抑制するとともに長期に亘って円滑なチェーン駆動を実現し、部品点数の少ない簡素な潤滑油の封止機構で、しかも、チェーン組立て負担の軽減可能な無給油チェーンを提供すること。
【解決手段】ブシュ110が内プレート120のプレート外側面から外プレート140のプレート内側面に向けて一部突出するブシュ突出端部111を備えているとともに、外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレート140のブシュ端着座面142が、ブシュ110のブシュ突出端部111との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられている無給油チェーン100。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝動用ローラチェーン、搬送コンベヤチェーンなどに用いる無給油チェーン、詳しくは、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に封入した潤滑油の外部漏出を抑制する無給油チェーンに関する。
従来の無給油チェーンとして、ピンに外側鎖要素が取り付けられ、ブシュに内側鎖要素が取り付けられ、ピンが充填可能な潤滑剤溜めを持ち、この潤滑剤溜めが横通路を介してブシュとピンの間の潤滑間隙と接続し、この潤滑間隙が両端で密封片により密封され、これらの密封片が一方では外側鎖要素に、他方ではブシュの端部に潰れのないように支持され、ブシュの端部と外側鎖要素の間に、形状安定性のある支持素子を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の無給油チェーンとして、前後一対のブシュの両端部を左右一対の内プレートのブシュ圧入孔に圧入嵌合してなる内リンクとブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端部を左右一対の外プレートのピン圧入孔に圧入嵌合してなる外リンクとがチェーン長手方向に交互に連結され、ブシュが潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されているとともに、内プレートの外側面から一部突出したブシュ突出端部が外プレートの内側面を凹ませて外側面へ膨出させたオフセット状態のブシュ軸支用環状凹部にそれぞれ囲繞支持され、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に潤滑油を封入したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特表平6−503282号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2009−36276号公報(特許請求の範囲、図1)
しかしながら、前者のような無給油チェーンでは、密封片を外側鎖要素とブシュの端面とで挟持する密封構造であるため、潤滑剤が外部に漏れ易いばかりでなく、両者の屈曲抵抗が大きいため、外側鎖要素と内側鎖要素との間で円滑な屈曲動作を達成できず、しかも、密封片の摩耗や損傷を防ぐため、外側鎖要素の表面粗さを滑らかにする必要があり、その製作コストが高く、部品点数も増えるため、組立て負担を軽減することができないという問題があった。
また、後者のような無給油チェーンでは、ブシュが潤滑油を含浸させた焼結含油金属材料から成形されているため、ブシュの部品コストが嵩み、しかも、ブシュの密度がブシュの強度に相反するため、ブシュの強度と含油率の双方を向上させることができないという問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、潤滑油の外部漏出を抑制するとともに長期に亘って円滑なチェーン駆動を実現し、部品点数の少ない簡素な潤滑油の封止機構で、しかも、チェーン組立て負担の軽減可能な無給油チェーンを提供することである。
本請求項1に係る発明は、前後一対のブシュの両端を左右一対の内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してなる内リンクと前記前後一対のブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端を左右一対の外プレートのピン孔に圧入嵌合してなる外リンクとが前記連結ピンを介してチェーン長手方向に交互に連結され、前記ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に潤滑油が封入されている無給油チェーンにおいて、前記ブシュが、前記内プレートのプレート外側面から外プレートのプレート内側面に向けて一部突出するブシュ突出端部を備えているとともに、前記外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレートのブシュ端着座面が、前記ブシュのブシュ突出端部との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係る無給油チェーンは、請求項1記載の構成に加えて、前記外プレートに設けたブシュ端着座面の最大開口径が、前記ブシュのブシュ外径より大きく設定されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
本請求項3に係る無給油チェーンは、請求項1または請求項2に記載の構成に加えて、前記ブシュのブシュ突出端部と外プレートのブシュ端着座面とが、前記外プレートのプレート内側面と内プレートのプレート外側面との相互接触を阻止した状態で着座するように形成されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
本請求項4に係る無給油チェーンは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の構成に加えて、前記ブシュのブシュ突出端部が、前記ブシュの外周面からブシュ中心軸に向けて漸次縮径したブシュ端突出面を備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
本請求項5に係る無給油チェーンは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の構成に加えて、前記外プレートのブシュ端着座面が、前記外プレートのプレート内側面より内プレートのプレート外側面に向けて少なくとも一部突出した状態で設けられていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
そこで、本発明は、前後一対のブシュの両端を左右一対の内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してなる内リンクと前後一対のブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端を左右一対の外プレートのピン孔に圧入嵌合してなる外リンクとが連結ピンを介してチェーン長手方向に交互に連結され、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に潤滑油が封入されていることにより、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に封入された潤滑油が内プレートと外プレートとの相対的な屈曲動作に伴うブシュの内周面と連結ピンの外周面との間の摺動抵抗を解消して円滑なチェーン駆動を実現することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
すなわち、請求項1に係る本発明の無給油チェーンは、ブシュが内プレートのプレート外側面から外プレートのプレート内側面に向けて一部突出するブシュ突出端部を備えているとともに、外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレートのブシュ端着座面がブシュのブシュ突出端部との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられていることにより、連結ピンとブシュとの間から外プレートと内プレートとの間を経てチェーン外部へ漏出しようとする潤滑油の勢いが、外プレートのピン孔中心寄り油保持部分と連結ピンのピン外周部とブシュのブシュ端面とで囲繞されるピン側油溜まり領域、および、外プレートのピン孔外周寄り油保持部分とブシュの外周面と内プレートのプレート外側面とで囲繞される内プレート側油溜まり領域の2カ所で消失するため、チェーン外部へ漏出しようとする潤滑油がピン側油溜まり領域と内プレート側油溜まり領域の2カ所に滞留し、潤滑油の外部漏出を抑制することができるとともに、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間の良好な潤滑状態が維持されるため、潤滑油が外プレートと内プレートとの相対的な屈曲動作に伴うブシュの内周面と連結ピンの外周面との間の摺動抵抗を解消し、長期に亘って円滑なチェーン駆動を実現することができる。
また、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間で潤滑油の油量が一時的に低下する場合であっても、外プレートのピン孔中心寄り油保持部分に形成されたピン側油溜まり領域と外プレートのピン孔外周寄り油保持部分に形成された内プレート側油溜まり領域の2カ所に留まる潤滑油がブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に再び滲入することでブシュの内周面と連結ピンの外周面との間の潤滑状態を回復するため、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間の油切れに起因するチェーン摩耗伸びを抑制することができる。
また、外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレートのブシュ端着座面がブシュのブシュ突出端部との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられていることにより、従来のようなOリング等の密封片を用いてブシュと外プレートとの間を隙間なく密閉する無給油チェーンと比較すると、Oリング等の密封片が不要になった分だけ部品点数が少なくなるばかりでなく、ブシュのブシュ端面や外プレートのプレート内側面の表面粗さを小さくする表面仕上げ加工が不要となるため、チェーン組立てに要する負担を軽減することができる。
また、外プレートのブシュ端着座面が外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口するように設けたことにより、チェーン駆動時に内リンクがチェーン幅方向へスキュー、揺動、片寄りなどで偏在して外リンクと接近した場合に、内リンクを構成するブシュのブシュ突出端部が接近する側の外プレートのブシュ端着座面に対して円周状に線接触するため、外プレートのブシュ端着座面に沿ってチェーン外部へ漏出しようとする潤滑油の漏出経路と勢いがブシュのブシュ突出端部で確実に遮断され、潤滑油の流れをピン孔側へ指向させてピン側油溜まり領域内で滞留させることができるばかりでなく、外プレートのブシュ端着座面をプレス打ち抜き加工と同時に形成することが可能になるため、プレス打ち抜き加工時に発生する圧縮残留応力を利用して外プレートのプレート強度を確保しつつ潤滑油の封止機構を簡素に形成することができる。
請求項2に係る本発明の無給油チェーンによれば、請求項1に記載の無給油チェーンが奏する効果に加えて、外プレートに設けたブシュ端着座面の最大開口径がブシュのブシュ外径より大きく設定されていることにより、内リンクが外リンクに対してチェーン長手方向に引っ張られた状態で連結ピンとブシュとが偏心状態になった場合であっても、外プレートのブシュ端着座面とチェーン幅方向にスキュー、揺動、片寄りなどで偏在したブシュのブシュ突出端部とが確実に当接するため、潤滑油の封止状態を確保することができる。
請求項3に係る本発明の無給油チェーンによれば、請求項1または請求項2に記載の無給油チェーンが奏する効果に加えて、ブシュのブシュ突出端部と外プレートのブシュ端着座面とが外プレートのプレート内側面と内プレートのプレート外側面との相互接触を阻止した状態で着座するように形成されていることにより、チェーン駆動時に内リンクがチェーン幅方向へスキュー、揺動、片寄りなどで偏在して外リンクと接近した場合であっても、外プレートのプレート内側面と内プレートのプレート外側面との相互接触に起因する屈曲抵抗を回避した円滑なチェーン駆動を達成しつつ、外プレートのブシュ端着座面とブシュのブシュ突出端部との間で潤滑油の封止状態を確保することができる。
請求項4に係る本発明の無給油チェーンによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無給油チェーンが奏する効果に加えて、ブシュのブシュ突出端部がブシュの外周面からブシュ中心軸に向けて漸次縮径したブシュ端突出面を備えていることにより、外プレートのブシュ端着座面に対するブシュのブシュ端突出面との摺接面積が増加して摺動時に両者に生じる面圧が低減されるため、外プレートのブシュ端着座面に対するブシュのブシュ端突出面の摺動が円滑になって外プレートのブシュ端着座面およびブシュのブシュ端突出面に生じがちな摩耗損傷を抑制することができる。
請求項5に係る本発明の無給油チェーンによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無給油チェーンが奏する効果に加えて、外プレートのブシュ端着座面が外プレートのプレート内側面より内プレートのプレート外側面に向けて少なくとも一部突出した状態で設けられていることにより、外プレートのブシュ端着座面が内プレートのプレート外側面に向けて少なくとも一部突出された分だけ外プレートのプレート厚みを損なうことが無くなり、連結ピンを圧入嵌合するピン孔の奥行きも十分に確保されるため、外プレートに起因するチェーン強度の低下を回避することができる。
本発明の第1実施例である無給油チェーンの全体斜視図。 図1に示す無給油チェーンの一部切欠平面図。 図2に示す無給油チェーンの部分拡大図。 図3に示す無給油チェーンの内リンクが外リンクに対してチェーン幅方向に偏在する状態を示す説明図及び一部拡大図。 図3に示す無給油チェーンの寸法説明図。 図3に示す無給油チェーンの第1変形例を示す説明図及び一部拡大図。 図3に示す無給油チェーンの第2変形例を示す説明図及び一部拡大図。 本発明の第2実施例である無給油チェーンの説明図及び一部拡大図。
本発明は、前後一対のブシュの両端を左右一対の内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してなる内リンクと前記前後一対のブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端を左右一対の外プレートのピン孔に圧入嵌合してなる外リンクとが連結ピンを介してチェーン長手方向に交互に連結され、ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に潤滑油が封入されている無給油チェーンにおいて、ブシュが内プレートのプレート外側面から外プレートのプレート内側面に向けて一部突出するブシュ突出端部を備えているとともに、外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレートのブシュ端着座面がブシュのブシュ突出端部との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられ、潤滑油の外部漏出を抑制するとともに長期に亘って円滑なチェーン駆動を実現し、部品点数の少ない簡素な潤滑油の封止機構で、チェーン組立て負担の軽減可能なものであれば、その具体的なチェーン形態は、如何なるものであっても良い。
たとえば、本発明の無給油チェーンで用いられる外プレートのプレート側面形状は、前後一対のピン孔に跨るプレート外縁が直線状を呈する小判型、前後一対のピン孔に跨るプレート外縁が湾曲状に窪んだひょうたん型等のいかなる形状であっても良い。
また、本発明の無給油チェーンで用いられる内プレートのプレート側面形状は、前後一対のブシュ孔に跨るプレート外縁が直線状を呈する小判型、前後一対のブシュ孔に跨るプレート外縁が湾曲状に窪んだひょうたん型等のいかなる形状であっても良い。
また、外プレートに形成するブシュ端着座面の具体的形態については、外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口するものであれば、円錐台状、すり鉢状、ボウル状などの周面を呈するもののいずれであっても良い。
また、外プレートと内プレートとの厚み寸法の大小関係については、チェーン引張強度の観点から、外プレートの厚みを内プレートの厚みより大きく設定するのが好ましく、特に、本発明の場合は、ブシュ端着座面を形成して部分的に薄くなる外プレートのプレート引張強度を確保するために、外プレートの厚みを内プレートの厚みより大きく設定するのが好ましい。
また、ブシュのブシュ突出端部と外プレートのブシュ端着座面の具体的な設置寸法については、ブシュのブシュ突出端部と外プレートのブシュ端着座面とが、内プレートのプレート外側面と外プレートのプレート内側面との相互接触を阻止した状態で着座するように形成されていれば良い。
さらに、外プレートのプレート内側面に対するブシュ端着座面の傾斜角については、外プレートのブシュ端着座面がブシュのブシュ突出端部に当接可能であれば良く、外プレートの厚みとの関係で適宜選択しても構わない。
以下に、本発明の第1実施例である無給油チェーン100について、図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である無給油チェーンの全体斜視図であり、図2は、図1に示す無給油チェーンの一部切欠平面図であり、図3は、図2に示す無給油チェーンの部分拡大図であり、図4は、図3に示す無給油チェーンの内リンクが外リンクに対して偏在する状態を示す説明図及び一部拡大図であり、図5は、図3に示す無給油チェーンの寸法説明図であり、図6は、図3に示す無給油チェーンの第1変形例を示す説明図及び一部拡大図であり、図7は、図3に示す無給油チェーンの第2変形例を示す説明図及び一部拡大図である。
まず、本実施例である無給油チェーン100は、図1に示すように、前後一対のブシュ110、110の両端を左右一対で配置したひょうたん型の内プレート120、120のブシュ孔121に圧入嵌合してなる内リンクと前後一対のブシュ110、110内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピン130、130の両端を左右一対で配置したひょうたん型の外プレート140、140のピン孔141に圧入嵌合してなる外リンクとが連結ピン130を介してチェーン長手方向に交互に連結されている。
また、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間には、潤滑油が封入されている。
なお、図1中の符号150は、ブシュ110の外周に遊嵌するローラである。
上述したブシュ110は、図2及び図3に示すように、内プレート120のプレート外側面120aから外プレート140のプレート内側面140aに向けて一部突出するブシュ突出端部111を備えている。
そして、外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面140aに向けて漸次拡径しながら開口する、いわゆる、円錐台状の周面を呈して開口する外プレート140のブシュ端着座面142は、ブシュ110のブシュ突出端部111との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分142aとピン孔外周寄り油保持部分142bとに二分されるように設けられている。
これにより、図4の矢印に示すように、ブシュ110と連結ピン130との間から内プレート120と外プレート140との間を経てチェーン外部へ漏出しようとする潤滑油の勢いが、外プレート140のピン孔中心寄り油保持部分142aと連結ピン130の外周面130aとブシュ110のブシュ端面110bとで囲繞されるピン側油溜まり領域R1、および、外プレート140のピン孔外周寄り油保持部分142bとブシュ110の外周面110aと内プレート120のプレート外側面120aとで囲繞される内プレート側油溜まり領域R2の2カ所で消失するとともに、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間の良好な潤滑状態が維持される。
また、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間で潤滑油の油量が一時的に低下する場合であっても、外プレート140のピン孔中心寄り油保持部分142aに形成されたピン側油溜まり領域R1と外プレート140のピン孔外周寄り油保持部分142bに形成された内プレート側油溜まり領域R2の2カ所に留まる潤滑油が、図4の矢印に示すように、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間に再び滲入し、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間の潤滑状態を回復するようになっている。
また、従来のようなOリング等の密封片を用いてブシュと外プレートとの間を隙間なく密閉する無給油チェーンと比較すると、Oリング等の密封片が不要になった分だけ部品点数が少なくなるばかりでなく、ブシュ110のブシュ端面110bや外プレート140のプレート内側面140aの表面粗さを小さくする表面仕上げ加工が不要となる。
そして、図4に示すように、チェーン駆動時に内リンクがチェーン幅方向、すなわち、紙面上向きにスキュー、揺動、片寄りなどで偏在して外リンクと接近した場合に、内リンクを構成するブシュ110のブシュ突出端部111は、接近する側の外プレート140のブシュ端着座面142に対して円周状に線接触する。
そして、外プレート140のブシュ端着座面142は、外プレート140事態のプレス打ち抜き加工と同時に形成される。
なお、本実施例では、外プレート140のブシュ端着座面142が外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面140aに向けて直線状に漸次拡径する円錐台状の周面を呈しているが、外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面140aに向けて曲線状に漸次拡径するすり鉢状、ボウル状等の周面を呈するものであっても構わない。
上述したブシュ端着座面142の最大開口径は、図3に示すように、ブシュ110のブシュ外径より大きく設定されている。
これにより、内リンクが外リンクに対してチェーン長手方向に引っ張られた状態でブシュ110と連結ピン130とが偏心状態になった場合であっても、外プレート140のブシュ端着座面142とチェーン幅方向にスキュー、揺動、片寄りなどで偏在したブシュ110のブシュ突出端部111とが確実に当接して、潤滑油の封止状態が確保される。
そして、図3に示すように、ブシュ110のブシュ突出端部111と外プレート140のブシュ端着座面142とは、内プレート120のプレート外側面120aと外プレート140のプレート内側面140aとの相互接触を阻止した状態で着座するように形成されている。詳しくは、図4に示すように、ブシュ110のブシュ突出端部111と外プレート140のブシュ端着座面142とのチェーン幅方向の離間距離をLrとし、内プレート120のプレート外側面120aと外プレート140のプレート内側面140aとの離間距離をLpとしたとき、Lr<Lpの関係式が成り立っている。
これにより、チェーン駆動時に内リンクがチェーン幅方向へスキュー、揺動、片寄りなどで偏在して外リンクと接近した場合であっても、本実施例の無給油チェーン100は、内プレート120のプレート外側面120aと外プレート140のプレート内側面140aとの相互接触に起因する屈曲抵抗を回避した円滑なチェーン駆動を達成しつつ、ブシュ110のブシュ突出端部111と外プレート140のブシュ端着座面142との間で潤滑油の封止状態を確保するようになっている。
なお、上述した左右一対の外プレート140、140に対するブシュ110の具体的な設置形態については、図5に示すように、ブシュ110の長さをDbとし、左右一対の外プレート140、140の内側面140a、140a相互の離間距離をDoとし、ブシュ端着座面142の深さをDrとしたとき、Do<Db<Do+2Drの関係式を満足するように定められている。
これにより、チェーン駆動時に内リンクがチェーン幅方向へ偏在して外リンクと接近した場合であっても、ブシュ突出端部111がブシュ端着座面142内から抜け出ることなく、ブシュ110のブシュ突出端部111と外プレート140のブシュ端着座面142との間で潤滑油の封止状態を確保するようになっている。
このようにして得られた本実施例の無給油チェーン100は、ブシュ110が内プレート120のプレート外側面120aから外プレート140のプレート内側面140aに向けて一部突出するブシュ突出端部111を備えているとともに、外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面140aに向けて漸次拡径しながら開口する外プレート140のブシュ端着座面142がブシュ110のブシュ突出端部111との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分142aとピン孔外周寄り油保持部分142bとに二分されるように設けられていることにより、チェーン外部へ漏出しようとする潤滑油がピン側油溜まり領域R1と内プレート側油溜まり領域R2の2カ所に滞留し、潤滑油の外部漏出を抑制するとともに潤滑油が内プレート120と外プレート140との相対的な屈曲動作に伴うブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間の摺動抵抗を解消して長期に亘って円滑なチェーン駆動を実現して、また、ブシュ110の内周面110aと連結ピン130の外周面130aとの間の油切れに起因するチェーン摩耗伸びを抑制し、チェーン組立てに要する負担を軽減することができる。
また、外プレート140のブシュ端着座面142が外プレート140のピン孔141から外プレート140のプレート内側面140aに向けて漸次拡径しながら開口するように設けたことにより、外プレート140のブシュ端着座面142に沿ってチェーン外部へ漏出しようとする潤滑油の漏出経路と勢いがブシュ110のブシュ突出端部111で確実に遮断され、潤滑油の流れをピン孔側へ指向させてピン側油溜まり領域R1内で滞留させるとともにプレス打ち抜き加工時に発生する圧縮残留応力を利用して外プレート140のプレート強度を確保しつつ潤滑油の封止機構を簡素に形成することができる等、その効果は甚大である。
次に、前述した第1実施例の第1変形例である無給油チェーン200および第1実施例の第2変形例である無給油チェーン300について、図面に基づいて説明する。
そこで、第1変形例の無給油チェーン200および第2実施例の無給油チェーン300は、上述した第1実施例の無給油チェーン100と比較すると、ブシュのブシュ突出端部の具体的形態が異なっており、その他の部品形態については、基本的に何ら変わることがないため、上述した第1実施例の無給油チェーン100と同一の部材について対応する200番台または300番台の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
まず、図6は、前述した第1実施例の第1変形例である無給油チェーン200を示しており、ブシュ210のブシュ突出端部211は、ブシュ210の外周面210cからブシュ中心軸に向けて曲線状に漸次縮径したブシュ端突出面211aを備えている。
これにより、前述したブシュ110の外周面110aをブシュ長手方向に亘って平坦に形成する無給油チェーン100と比較して、外プレート240の直線状に形成されたブシュ端着座面242に対するブシュ210の曲線状に形成されたブシュ端突出面211aの摺接面積が増加し、摺動時に外プレート240のブシュ端着座面242およびブシュ210のブシュ端突出面211aに生じる面圧が低減される。
その結果、外プレート240のブシュ端着座面242に対するブシュ210のブシュ端突出面211aの摺動が円滑になって、外プレート240のブシュ端着座面242およびブシュ210のブシュ端突出面211aに生じがちな摩耗損傷を抑制することができる。
また、図7は、前述した第1実施例の第2変形例である無給油チェーン300を示しており、ブシュ310のブシュ突出端部311は、ブシュ310の外周面310cからブシュ中心軸に向けて外プレート340のブシュ端着座面342と平行状態で直線状に漸次縮径したブシュ端突出面311aを備えている。
これにより、前述したブシュ110の外周面110aをブシュ長手方向に亘って平坦に形成する無給油チェーン100と比較して、互いに平行な外プレート340のブシュ端着座面342およびブシュ310のブシュ端突出面311a相互間の接触面積が増加し、摺動時に外プレート340のブシュ端着座面342およびブシュ310のブシュ端突出面311aに生じる面圧が低減される。
その結果、前述した第1実施例の第1変形例と同様に、外プレート340のブシュ端着座面342に対するブシュ310のブシュ端突出面311aの摺動が円滑になって、外プレート340のブシュ端着座面342およびブシュ310のブシュ端突出面311aに生じがちな摩耗損傷を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施例である無給油チェーン400について、図面に基づいて説明する。
ここで、図8は、本発明の第2実施例である無給油チェーンの説明図及び一部拡大図である。
そこで、本発明の第2実施例である無給油チェーン400は、上述した第1実施例の無給油チェーン100と比較すると、外プレートのブシュ端着座面の具体的形態が異なっており、その他の部品形態については、基本的に何ら変わることがないため、上述した第1実施例の無給油チェーンと同一の部材について対応する400番台の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
すなわち、図8に示すように、外プレート440のブシュ端着座面442は、外プレート440のプレート内側面440aより内プレート420のプレート外側面420aに向けて少なくとも一部突出した状態で設けられている。
これにより、外プレート440のブシュ端着座面442が内プレート420のプレート外側面420aに向けて少なくとも一部突出された分だけ、外プレート440のプレート厚みを損なうことが無くなり、連結ピン430を圧入嵌合するピン孔の奥行きも十分に確保されている。
このようにして得られた本発明の第2実施例である無給油チェーン400は、前述した無給油チェーン100が奏する効果に加えて、外プレート440に起因するチェーン強度の低下を回避することができる等、その効果は甚大である。
100、200、300、400 ・・・ 無給油チェーン
110、210、310、410 ・・・ ブシュ
110a、210a、310a、410a・・・内周面
110b、210b、310b、410b・・・ブシュ端面
110c、210c、310c、410c・・・外周面
111、211、311、411 ・・・ ブシュ突出端部
211a、311a ・・・ブシュ端突出面
120、220、320、420 ・・・ 内プレート
120a、220a、320a、420a・・・プレート外側面
121、221、321、421 ・・・ ブシュ孔
130、230、330、430 ・・・ 連結ピン
130a、230a、330a、430a・・・外周面
140、240、340、440 ・・・ 外プレート
140a、240a、340a、440a・・・プレート内側面
141、241、341、441 ・・・ ピン孔
142、242、342、442 ・・・ ブシュ端着座面
142a、242a、342a、442a・・・ピン孔中心寄り油保持部分
142b、242b、342b、442b・・・ピン孔外周寄り油保持部分
150、250、350、450 ・・・ ローラ

Claims (5)

  1. 前後一対のブシュの両端を左右一対の内プレートのブシュ孔に圧入嵌合してなる内リンクと前記前後一対のブシュ内にそれぞれ貫通する前後一対の連結ピンの両端を左右一対の外プレートのピン孔に圧入嵌合してなる外リンクとが前記連結ピンを介してチェーン長手方向に交互に連結され、前記ブシュの内周面と連結ピンの外周面との間に潤滑油が封入されている無給油チェーンにおいて、
    前記ブシュが、前記内プレートのプレート外側面から外プレートのプレート内側面に向けて一部突出するブシュ突出端部を備えているとともに、
    前記外プレートのピン孔から外プレートのプレート内側面に向けて漸次拡径しながら開口する外プレートのブシュ端着座面が、前記ブシュのブシュ突出端部との当接状態でピン孔中心寄り油保持部分とピン孔外周寄り油保持部分とに二分されるように設けられていることを特徴とする無給油チェーン。
  2. 前記外プレートに設けたブシュ端着座面の最大開口径が、前記ブシュのブシュ外径より大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の無給油チェーン。
  3. 前記ブシュのブシュ突出端部と外プレートのブシュ端着座面とが、前記外プレートのプレート内側面と内プレートのプレート外側面との相互接触を阻止した状態で着座するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無給油チェーン。
  4. 前記ブシュのブシュ突出端部が、前記ブシュの外周面からブシュ中心軸に向けて漸次縮径したブシュ端突出面を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無給油チェーン。
  5. 前記外プレートのブシュ端着座面が、前記外プレートのプレート内側面より内プレートのプレート外側面に向けて少なくとも一部突出した状態で設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無給油チェーン。
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