JP2013217390A - ダブルクラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製作時における材料選択の幅、加工効率および組立効率を向上させることができるとともに製作後におけるメンテナンス性も向上させることができるダブルクラッチ装置を提供する。
【解決手段】ダブルクラッチ装置100は、対を構成する第1のクラッチプレート116aと第1のフリクションプレート117aおよび第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117bを内包するハウジング111が入力軸101にスプライン勘合する噛合い嵌合部113を含めて一体成形されて入力軸101の小径部102上に連結されている。第1のクラッチプレート116aを押圧する第1のクラッチピストン121は、噛合い嵌合部113の外周上を往復変位する。また、第2のクラッチプレート116bを押圧する第2のクラッチピストン122は、入力軸101の大径部103の外周上を所定の内径側隙間Sを介して往復変位する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転駆動する入力軸に対して2つの出力軸側にそれぞれ駆動力を伝達および遮断するダブルクラッチ装置に関する。
従来から、農業用トラクタなどの車両においては、エンジンなどの原動機によって回転駆動する入力軸の回転数の高低や回転方向の正逆を切り替えて車輪などの従動体に対して伝達および遮断するトランスミッション装置としてダブルクラッチ装置が用いられている。
ダブルクラッチ装置は、例えば、下記特許文献1に示されるように、回転駆動する1つの入力軸に対して2つの出力軸側にそれぞれ駆動力を伝達および遮断するための2つのクラッチ装置が入力軸上で互いに背中合わせで一体化されて構成されている。
特開2009−228798号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されたダブルクラッチ装置においては、2つのクラッチ装置が溶接加工によって互いに接合されるとともに、この接合された2つのクラッチ装置が更に溶接加工によって入力軸上に接合されているため溶接加工時における変形やひずみが生じやすく、これらの変形やひずみの修正作業を含めた加工効率および組立効率が低いという問題があった。また、溶接加工により組み付けたダブルクラッチ装置は、故障や整備時における分解および再組立てが困難でメンテナンス性が悪いという問題もあった。また、ダブルクラッチ装置を構成する材料が溶接可能な材料に限定されるという問題もあった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、製作時における材料選択の幅、加工効率および組立効率を向上させることができるとともに製作後におけるメンテナンス性も向上させることができるダブルクラッチ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の特徴は、回転駆動する入力軸の周囲に配置されるリング状の第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートと、第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートにそれぞれ対向配置されて第1の出力軸側および第2の出力軸側にそれぞれ連結される第1のフリクションプレートおよび第2のフリクションプレートと、入力軸に連結されて第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートを入力軸とともに回転可能に保持するハウジングと、第1のクラッチプレートまたは第1のフリクションプレートに対して密着および離隔する方向に往復変位可能な状態でハウジング内における入力軸の周囲に配置されるリング状の第1のクラッチピストン、および第2のクラッチプレートまたは第2のフリクションプレートに対して密着および離隔する方向に往復変位可能な状態でハウジング内における入力軸の周囲に配置されるリング状の第2のクラッチピストンとを備えたダブルクラッチ装置において、ハウジングは、入力軸の外周部に噛み合った状態で嵌合する噛合い嵌合部を有するとともに、この噛合い嵌合部と第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートをそれぞれ保持する部分とが一体的に形成されており、第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンの各内周部は、一方が噛合い嵌合部上を往復変位するとともに、他方が入力軸上を所定の内径側隙間を介して往復変位するように配置されていることにある。
この場合、請求項6に示すように、入力軸上を往復変位する第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンと入力軸上との前記所定の内径側隙間は、0.1mm以上に設定するとよい。
このように構成した請求項1に係る本発明の特徴によれば、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートをそれぞれ保持するハウジングが入力軸に対して噛合って嵌合する噛合い嵌合部と第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートをそれぞれ保持する部分とが一体的に形成されるとともに、このハウジングと入力軸とが噛合い嵌合部を介して互いに嵌合した状態で連結されて構成されている。このため、ダブルクラッチ装置は、製造過程における溶接加工工程による変形やひずみの発生を避けることができるとともに、ハウジングと入力軸との分離も比較的容易に行えるため加工効率および組立効率を向上させることができることに加えてメンテナンス性も向上させることができる。また、ダブルクラッチ装置は、溶接加工に向かない材料、例えば、鋳物やアルミニウム材などにより構成することもでき材料の選択の幅を広げることができる。
さらに、また、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンのうちの一方が前記噛合い嵌合部上を往復変位するとともに、他方が入力軸上を内径側隙間を介して離隔した状態で往復変位するように構成されている。これにより、ダブルクラッチ装置は、入力軸から第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンにそれぞれ伝搬する振動を一方は噛合い嵌合部を介して減衰するとともに他方は前記内径側隙間によって振動の伝搬を抑制している。すなわち、ダブルクラッチ装置は、入力軸から第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンにそれぞれ伝搬する振動の量および質の差を少なくして同等化することにより第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとの間の挙動の差を抑えてクラッチとしての作動精度を向上させることができる。
また、請求項2に係る本発明の他の特徴は、前記ダブルクラッチ装置において、さらに、入力軸の外周部に同外周部から突出した状態でシールリングを備え、入力軸上を往復変位する第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンは、シールリング上を往復変位することにある。
このように構成した請求項2に係る本発明の他の特徴によれば、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンが往復変位する入力軸の外周部上に突出した状態でシールリングを備えている。これにより、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンと入力軸との間にシールリングの突出量に応じた量の内径側隙間を容易かつ安定的に形成することができる。
また、請求項3に係る本発明の他の特徴は、前記ダブルクラッチ装置において、入力軸は、前記所定の内径側隙間を介して第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンが往復変位する外周部が噛合い嵌合部が嵌合する外周部の外径に対して異なる外径に形成されていることある。
このように構成した請求項3に係る本発明の他の特徴によれば、ダブルクラッチ装置は、入力軸における第1のクラッチピストンの内側に位置する外周部と第2のクラッチピストンの内側に位置する外周部とが互いに異なる外径に形成されている。これにより、入力軸における前記2つの外周部の外径を調整することによって入力軸の径方向における第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンの配置位置および第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンの各内径の大きさを任意の位置および大きさに設定することができる。
例えば、第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンの各配置位置を揃えることにより、第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとの部品の共通化が図れるとともに、入力軸の外側において第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとを互いに同様な挙動で作動させてクラッチとしての作動精度を向上させることができる。また、第1のクラッチピストンおよび第2のクラッチピストンの各内径の大きさを異ならせることにより、第1のクラッチプレートおよび第1のフリクションプレートと、第2のクラッチプレートおよび第2のフリクションプレートとを互いに異なる大きさに形成することができ、第1のクラッチピストン側のクラッチとしての容量と第2のクラッチピストン側のクラッチとしての容量を互いに異なる容量にすることができる。
また、請求項4に係る本発明の他の特徴は、前記ダブルクラッチ装置において、入力軸は、前記所定の内径側隙間を介して第1のクラッチピストンまたは第2のクラッチピストンが往復変位する外周部に噛合い嵌合部が嵌合する外周部に対して張り出した大径部が形成されていることにある。
このように構成した請求項4に係る本発明の他の特徴によれば、ダブルクラッチ装置は、入力軸における第1のクラッチピストンの内側に位置する外周部に第2のクラッチピストンの内側に位置する外周部に対して張り出した大径部が形成されている。このため、ハウジングの噛合い嵌合部を入力軸に挿し込む際に前記大径部をストッパとして作用させることにより入力軸上におけるハウジングの位置決めを容易に行うことができる。また、入力軸における前記大径部の張出量を調整することにより第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとを同じ内径および外径の同一形状に形成することができる。これにより、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとの部品の共通化が図れるとともに、入力軸の外側において第1のクラッチピストンと第2のクラッチピストンとを互いに同様な挙動で作動させることによりクラッチとしての作動精度を向上させることができる。
また、請求項5に係る本発明の他の特徴は、前記ダブルクラッチ装置において、第1のクラッチピストンおよび/または第2のクラッチピストンの外周部は、ハウジングの内周部に対して所定の外径側隙間を介して往復変位することにある。
このように構成した請求項5に係る本発明の他の特徴によれば、ダブルクラッチ装置は、第1のクラッチピストンおよび/または第2のクラッチピストンの外周部がハウジングの内周部に対して所定の外径側隙間を介して往復変位するように構成されている。これにより、ダブルクラッチ装置は、入力軸からハウジングを介して第1のクラッチピストンおよび/または第2のクラッチピストンに振動が伝搬することを防止することができクラッチとしての作動精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るダブルクラッチ装置の全体構成を概略的に示す断面図である。 図1の二点鎖線円Aに示す部分の部分拡大図である。
以下、本発明に係るダブルクラッチ装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るダブルクラッチ装置100の全体構成の概略を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す二点鎖線円A内の部分拡大図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このダブルクラッチ装置100は、農業用トラクタなどの車両(図示せず)における原動機であるエンジン(図示せず)の駆動力を従動体である駆動輪(図示せず)に伝達および遮断するための機械装置であり、同エンジンと車輪との間に配置される図示しないトランスミッションケース内に設けられるものである。
(ダブルクラッチ装置100の構成)
ダブルクラッチ装置100は、エンジンに対して図示しないフライホイールを介して接続される入力軸101上に設けられている。入力軸101は、エンジンの作動によって回転駆動する鋼製の軸体である。この入力軸101には、ダブルクラッチ装置100が配置される部分に互いに外径が異なる小径部102と大径部103とがそれぞれ形成されている。小径部102は、ダブルクラッチ装置100が連結される部分であり、ダブルクラッチ装置100が噛合った状態で嵌合する外歯状の外歯スプライン102aが形成されている。
一方、大径部103は、小径部102に対して径方向外側に張り出したフランジ状に形成されている。この場合、大径部103の外径は、後述するハウジング111の噛合い嵌合部113の外径に対して若干小さい外径に形成されている。この大径部103の外周面には、同外周面から突出した状態でシールリング103aが嵌め込まれている。シールリング103aは、大径部103の外周面に対して所定の内径側隙間Sを介して配置される後述する第2のクラッチピストン122が往復変位する変位方向両側間における作動油の流通を阻止するための樹脂製のシール材である。このシールリング103aは、大径部103の外周面と前記第2のクラッチピストン122との間の前記内径側隙間S以上の厚さでかつ第2のクラッチピストン122の内周面が液密的に摺動可能な外径に形成されている。
また、入力軸101には、図示左側の外周面から内部に向かって形成された後、図示右側に向かって延びつつ前記大径部103および小径部102の各外周面上にそれぞれ開口する2つの作動油供給路104a,104bおよび1つの冷却油供給路104cがそれぞれ形成されている。これらのうち、2つの作動油供給路104a,104bは、前記第2のクラッチピストン122および後述する第1のクラッチピストン121をそれぞれ作動させるための図示しない作動油を入力軸101の外側に設けられるハウジング111内との間で流通させるための流路である。より具体的には、作動油供給路104aは第1のクラッチピストン121を後述する第1のクラッチプレート116a側(図示右側)に前進させるための作動油を供給するための流路であり、作動油供給路104bは第2のクラッチピストン122を後述する第2のクラッチプレート116b側(図示左側)に前進させるための作動油を供給するための流路である。
また、1つの冷却油供給路104cは、後述する第1クラッチプレート116a、第2のクラッチプレート116b、第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bをそれぞれ冷却するための図示しない冷却油を入力軸101の外側に設けられるハウジング111内との間で流通させるための流路である。
入力軸101における小径部102および大径部103の各外側には、ハウジング111が設けられている。ハウジング111は、ダブルクラッチ装置100の筐体を構成するとともに前記第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bをそれぞれ内包した状態で保持する円筒状の部材である。このハウジング111の内部には、円筒内における軸方向の中央部から内側に張り出したリング状の隔壁112に支持された状態で噛合い嵌合部113が形成されている。
噛合い嵌合部113は、ハウジング111を入力軸101に噛合わせた状態で連結する部分であり、ハウジンング111と同軸の円筒状に形成されている。この噛合い嵌合部113の内周面には、入力軸101における小径部102の外周面に形成された外歯スプライン102aに噛み合った状態で嵌合する内歯状の内歯スプライン113aが形成されている。また、噛合い嵌合部113には、噛合い嵌合部113の内側と外側とに貫通した状態で油孔114a,114bがそれぞれ形成されている。
これらの油孔114a,114bのうち、油孔114aは、第1クラッチプレート116aおよび第1のフリクションプレート117aをそれぞれ冷却するための前記冷却油を流通させるための流路であり、噛合い嵌合部113における略中央部に形成されている。一方、油孔114bは、第1のクラッチピストン121を作動させるための前記作動油を流通させるための流路であり、噛合い嵌合部113における隔壁112側に形成されている。
これらの油孔114aと油孔114bとの間における噛合い嵌合部113の外周面上には、Oリング115が設けられている。Oリング115は、噛合い嵌合部113上を往復変位する第1のクラッチピストン121の変位方向両側間における前記冷却油および前記作動油の流通をそれぞれ阻止するためのゴム製のシール材である。
また、ハウジング111の内部には、隔壁112に対して軸方向両側方にハウジング111の外周部に保持された状態で第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bがそれぞれ配置されている。第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bは、ハウジング111の回転駆動とともに回転駆動する鋼板製の平板環状の部品であり、外周部に断続的に形成された凸部がハウジング111の内周部に断続的に形成された凹部に嵌合した状態でハウジング111内に複数枚ずつ保持されている。これらの第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bにおける各両側面(表裏面)には、後述する第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bに対する摩擦力を向上させるための図示しない小片状の摩擦材が周方向に沿って貼り付けられている。
そして、このハウジング111は、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bをそれぞれ保持する部分、隔壁112および噛合い嵌合部113が同一材料により一体的に成形されている。本実施形態においては、ハウジング111は、アルミニウム合金をダイカストによる鋳造加工することによって一体的に成形されている。また、ハウジング111は、噛合い嵌合部113が入力軸101の小径部102に嵌合した状態で抜け止めワッシャ105によって固定されている。
ハウジング111に保持された複数の第1のクラッチプレート116a間および複数の第2のクラッチプレート116b間には、第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bがそれぞれ配置されている。第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bは、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bに対してそれぞれ密着および離隔することにより第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bからの回転駆動力を後述する第1の出力ギア118および第2の出力ギア119にそれぞれ伝達および遮断するための鋼板製の平板環状の部品である。これらの第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bは、内周部に断続的に形成された凸部が第1の出力ギア118および第2の出力ギア119の筒状保持部118a,119aにそれぞれ形成された凹部に嵌合することにより第1の出力ギア118および第2の出力ギア119に複数枚ずつ保持されている。
第1の出力ギア118および第2の出力ギア119は、このダブルクラッチ装置100が搭載される車両の駆動輪を回転駆動する図示しない出力軸に選択的に連結されて回転駆動させるための歯車であり、ボールベアリング120aおよびニードルベアリング120bを介して入力軸101上にそれぞれ回転自在に支持されている。第1の出力ギア118および第2の出力ギア119には、それぞれハウジング111の内部に向かって延びた状態で筒状の筒状保持部118a,119aがそれぞれ形成されている。筒状保持部118a,119aは、各外周面に第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bの各内周面が嵌合した状態で第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bをそれぞれ保持している。また、筒状保持部118a,119aには、筒状保持部118a,119aの内側と外側とを貫通した状態で前記冷却油を流通させるための油孔118b,119bがそれぞれ複数ずつ形成されている。
また、ハウジング111内には、隔壁112の両側に隣接した状態で第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122がそれぞれ設けられている。第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、ハウジング111内において第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bに密着および離隔することにより第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bの回転駆動力を第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bに伝達および切断するための部材であり、鋼材をフランジ状に形成して構成されている。
より具体的には、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bに対向する側の面における外周側にリング状に突出した押圧部121a,122aが形成されるとともに内周側にリング状の窪んだ凹部121b,122bがそれぞれ形成されている。押圧部121a,122aは、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bを押圧するための部分である。また、凹部121b,122bは、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122を隔壁112側に押圧するスプリング123を収容する部分である。一方、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122における隔壁112に対向する側の面は略平面状に形成されている。
また、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各内径は、ハウジング111の噛合い嵌合部113の外径および入力軸101の大径部103の外径に対して内径側隙間Sを介する大きさでそれぞれ形成されている。具体的には、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各内径は、ハウジング111の噛合い嵌合部113の外周面に対して摺動変位に最低限必要な隙間を確保する大きさで、かつ入力軸101の大径部103の外径に対して片側約0.2mmだけ小さい外径にそれぞれ形成されている。
すなわち、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、ハウジング111の噛合い嵌合部113および入力軸101の大径部103に対して所謂すきま嵌めの嵌め合いで嵌合するが、入力軸101の大径部103の外周面に対する内径側隙間Sがハウジング111の噛合い嵌合部113の外周面に対する隙間より大きく形成される内径でそれぞれ形成されている。これは、換言すれば、ハウジング111の噛合い嵌合部113および入力軸101の大径部103の各外径が、互いに同一の内径に形成された第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各内径に対して前記すきま嵌めを構成する外径にそれぞれ形成されていることを意味する。
一方、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各外径は、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122をそれぞれ収容するハウジング111内の各内径に対して所定の外径側隙間S2を介する大きさでそれぞれ形成されている。具体的には、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各外径は、ハウジング111の内周面に対して摺動変位に最低限必要な隙間を確保する大きさに形成されている。本実施形態においては、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各外径は、第2のクラッチピストン122の内周面と入力軸101の大径部103の外周面との間の前記内径側隙間Sに相当する隙間を介する外径に形成されている。すなわち、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各外径は、ハウジング111の内周面の内径に対して片側約0.2mmだけ小さい大きさに形成されている。
なお、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の各外周面には、ハウジング111の内周面に対して往復変位する第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の変位方向両側方における作動油の流通を阻止するためのゴム製のシール材であるOリング124がそれぞれ嵌め込まれている。
(ダブルクラッチ装置100の製造)
次に、上記のように構成したダブルクラッチ装置100における製造工程の一部、具体的には、ハウジング111の成形および組立について説明する。なお、この組立工程の説明においては本発明に直接関わる工程についてのみ説明し、本発明に直接関わらないその他の工程についてはその説明を省略する。
まず、作業者は、ハウジング111をダイカストによる鋳造加工を用いて製作する。具体的には、作業者は、溶融したアルミニウム合金を図示しない金型内に流し込むことにより、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bをそれぞれ保持する部分、隔壁112および噛合い嵌合部113を含むハウジング111全体がアルミニウム合金で一体成形されたハウジング111を成形する。次いで、作業者は、鋳造加工したハウジング111に対して噛合い嵌合部113の外形形状、内歯スプライン113aおよび油孔114a,114bなどの鋳造加工のみでは成形できない部分を切削加工などによって成形してハウジング111を完成させる。
次いで、作業者は、入力軸101を用意する。この場合、入力軸101における小径部102、大径部103、作動油供給路104a,104bおよび冷却油供給路104cは、鍛造加工や切削加工などの各種機械加工によって予め成形されている。そして、作業者は、ハウジング111を入力軸101に連結する。具体的には、作業者は、ハウジング111の噛合い嵌合部113内に入力軸101の小径部102を挿し込むことにより、内歯スプライン113aと外歯スプライン102aとを噛合わせた状態で嵌合させた後、抜け止めワッシャ105によりハウジング111を入力軸101上に固定する。これにより、入力軸101上にハウジング111が固定的に連結される。また、この場合、入力軸101における小径部102には小径部102の外周面よりも径方向外側に張り出した大径部103が隣接して形成されている。このため、作業者は、ハウジング111を大径部103に突き当たるまで挿し込むことによりハウジング111の入力軸101上での位置決めを容易に行うことができる。
次いで、作業者は、第1のクラッチピストン121、第2のクラッチピストン122、スプリング123、第1のクラッチプレート116a、第2のクラッチプレート116b、第1のフリクションプレート117a、第2のフリクションプレート117b、第1の出力ギア118、第2の出力ギア119などのその他の部品を用意してそれぞれ組み付けてダブルクラッチ装置100を完成させる。これらその他の組み付け工程については、本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。
一方、ダブルクラッチ装置100のメンテナンス作業時においては、抜け止めワッシャ105を外した後、ハウジング111を入力軸101から引き抜くことによりハウジング111と入力軸101とを容易に分離することができるとともに、前記組付工程と同様の作業によってハウジング111を分解前と同じ状態で入力軸101に組み付けることができる。
このように、本発明に係るダブルクラッチ装置100によれば、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bをそれぞれ保持するハウジング111が入力軸101に対して噛合って嵌合する噛合い嵌合部113と第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bをそれぞれ保持する部分とが一体的に形成されるとともに、このハウジング111と入力軸101とが噛合い嵌合部113を介して互いに嵌合した状態で連結されて構成されている。このため、ダブルクラッチ装置100は、製造過程における溶接加工工程による変形やひずみの発生を避けることができるとともに、ハウジング111と入力軸101との分離も比較的容易に行えるためメンテナンス性も向上させることができる。また、ダブルクラッチ装置100は、溶接加工に向かない材料、具体的には、アルミニウム材や鋳鉄などによって構成することができ材料の選択の幅を広げることができる。
(ダブルクラッチ装置100の作動)
次に、上記のように構成したダブルクラッチ装置100の作動について説明する。このダブルクラッチ装置100は、前記したように車両におけるトランスミッションケース内に組み付けられて用いられる。そして、このダブルクラッチ装置100は、車両の操作者によるクラッチ操作子の操作によってエンジンの駆動力の駆動輪への伝達および遮断を行なう。
すなわち、ダブルクラッチ装置100は、車両の操縦者のクラッチ操作に応じて入力軸101の回転駆動力を第1の出力ギア118および第2の出力ギア119に対して伝達および遮断する。具体的には、ダブルクラッチ装置100は、第1のクラッチピストン121を第1のクラッチプレート116a側に向かって変位させて第1のクラッチプレート116aを押圧することにより第1のクラッチプレート116aと第1のフリクションプレート117aとを密着させて入力軸101の回転駆動力を第1の出力ギア118に伝達する。
また、ダブルクラッチ装置100は、第1の出力ギア118への回転駆動力の伝達と同時に、第2のクラッチピストン122を隔壁113側に向かって変位させて第2のクラッチプレート116bから離隔させることにより第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117bとを離隔させて入力軸101の回転駆動力の第2の出力ギア119への伝達を遮断する。これらにより、ダブルクラッチ装置100は、入力軸101の回転駆動力を第1の出力ギア118を介して駆動輪に伝達する。
一方、ダブルクラッチ装置100は、第2のクラッチピストン122を第2のクラッチプレート116b側に向かって変位させて第2のクラッチプレート116bを押圧することにより第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117bとを密着させて入力軸101の回転駆動力を第2の出力ギア119に伝達する。
また、ダブルクラッチ装置100は、第2の出力ギア119への回転駆動力の伝達と同時に、第1のクラッチピストン121を隔壁113側に向かって変位させて第1のクラッチプレート116aから離隔させることにより第1のクラッチプレート116aと第1のフリクションプレート117aとを離隔させて入力軸101の回転駆動力の第1の出力ギア118への伝達を遮断する。これらにより、ダブルクラッチ装置100は、入力軸101の回転駆動力を第2の出力ギア119を介して駆動輪に伝達することができる。
このような第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122の往復変位作動時を含むダブルクラッチ装置100の作動状態においては、入力軸101からダブルハウジング100に対して機械的振動が伝搬する。具体的には、入力軸101の振動は、主として、小径部102および大径部103をそれぞれ介してダブルクラッチ装置100の全体に伝搬する。すなわち、入力軸101の振動は、小径部102を介してハウジング111の噛合い嵌合部113および同噛合い嵌合部113を介して第1のクラッチピストン121に伝搬するとともに、大径部103を介して第2のクラッチピストン122に直接伝搬する。
この場合、入力軸101の小径部102を介して伝搬する振動は、ハウジング111の噛合い嵌合部113および隔壁112で減衰しつつハウジング111全体および第1のクラッチピストン121にそれぞれ伝搬する。一方、入力軸101の大径部103を介して伝搬する振動は、大径部103の外表面と第2のクラッチピストン122との間に形成された内径側隙間Sによって減衰されて伝搬する。そして、さらに、ハウジング111に伝搬した各振動は、ハウジング111の内壁部の一部を通じて第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122に略同等な経路で伝搬する。すなわち、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122には、結果として入力軸101から略同質同量な振動が伝搬される。これにより、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、入力軸101から受ける振動の相違による挙動のバラツキを抑えて互いに同様な挙動で作動することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ダブルクラッチ装置100は、第1のクラッチピストン121が噛合い嵌合部113上を往復変位するとともに、第2のクラッチピストン122が入力軸101上を前記内径側隙間Sを介して離隔した状態で往復変位するように構成されている。これにより、ダブルクラッチ装置100は、入力軸101から第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122にそれぞれ伝搬する振動を一方は噛合い嵌合部113を介して減衰するとともに他方は前記内径側隙間Sによって伝搬を抑制している。すなわち、ダブルクラッチ装置100は、入力軸101から第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122にそれぞれ伝搬する振動の質および量の差を少なくして均等化することにより第1のクラッチピストン121と第2のクラッチピストン122との間の挙動の差を抑えてクラッチとしての作動精度を向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、第2のクラッチピストン122の内周面と入力軸101の大径部103の外周面との間の所定の内径側隙間Sを約0.2mmに設定した。しかし、第2のクラッチピストン122の内周面と入力軸101の大径部103の外周面との間の内径側隙間Sは、入力軸101からの振動の伝搬を抑えることができる量に設定されればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。本発明者らの実験によれば、第2のクラッチピストン122の内周面と入力軸101の大径部103の外周面との間の所定の内径側隙間Sは、好ましくは約0.1mm以上、より好ましくは約0.1mm〜0.5mmの範囲が好適である。
また、上記実施形態においては、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122とハウジング111の内周面との間の各外径側隙間S2を第2のクラッチピストン122の内周面と入力軸101の大径部103の外周面との間の内径側隙間S1と同じ量に設定した。しかし、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122とハウジング111の内周面との間の各外径側隙間S2は、前記したように、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122がハウジング111の内周面に対して摺動変位に最低限必要な隙間を確保する大きさに形成されていればよい。したがって、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122とハウジング111の内周面との間の各外径側隙間S2は、上記実施形態における0.2mm以下であってもよいし0.2mm以上であってもよい。また、第1のクラッチピストン121とハウジング111の内周面との間の外径側隙間S2と第2のクラッチピストン122とハウジング111の内周面との間の外径側隙間S2とを互いに異なる隙間としてもよい。
また、上記実施形態においては、入力軸101の外周面にハウジング111の噛合い嵌合部113の外周面と略面一となる外径の大径部103を形成して構成した。これにより、第1のクラッチピストン121と第2のクラッチピストン122とを同じ形状で構成することができるため部品の共通化が図れ、結果としてダブルクラッチ装置100を経済的に構成することができる。しかし、入力軸101は、大径部103を省略して小径部102と略同じ外径または小径部102よりも小径に形成することもできる。この場合、第2のクラッチピストン122の内径は、第1のクラッチピストン121の内径よりも小さくなり入力軸101の小径部102の外径に対応したものとなる。すなわち、第1のクラッチピストン121と第2のクラッチピストン122とを互いに異なる形状にしてもよい。これによれば、入力軸101における大径部102の加工工程を省略することができる。
また、第1のクラッチピストン121と第2のクラッチピストン122とを互いに異なる大きさに形成することにより、第1のクラッチプレート116aおよび第1のフリクションプレート117aと、第2のクラッチプレート116bおよび第2のフリクションプレート117bとを互いに異なる大きさに形成することができ、第1のクラッチピストン121側のクラッチとしての容量と第2のクラッチピストン122側のクラッチとしての容量を互いに異なる容量にしたダブルクラッチ装置100を構成することができる。
また、上記実施形態においては、入力軸101とハウジング111とは、噛合い嵌合部113を介してスプライン嵌合により互いに連結されている。しかし、入力軸101とハウジング111とは、互いに噛合って嵌り合う連結形態であれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものでない。例えば、入力軸101とハウジング111とは、スプライン嵌合(セレーション嵌合も含む)以外に、入力軸101における嵌合部分の断面形状を重心から外表面までの距離が異なる形状、例えば、多角形状、楕円形状、および凸部や凹部を有する凹凸形状(キー(機械要素)を含む)に形成するとともにハウジング111における噛合い嵌合部113を前記入力軸101の形状に対応する形状に形成することができる。
また、上記実施形態においては、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、第1のクラッチプレート116aおよび第2のクラッチプレート116bに対して密着および離隔して第1のクラッチプレート116aと第1のフリクションプレート117aおよび第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117bとを互いに密着および離隔させるように構成した。しかし、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122は、第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bに対して密着および離隔するように構成されていてもよい。すなわち、ダブルクラッチ装置100は、第1のクラッチピストン121および第2のクラッチピストン122に対して第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bがそれぞれ対向配置して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、ダブルクラッチ装置100は、第1のクラッチプレート116a、第2のクラッチプレート116b、第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bをそれぞれ複数枚ずつで構成した。しかし、これらの各プレートの枚数は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1のクラッチプレート116a、第2のクラッチプレート116b、第1のフリクションプレート117aおよび第2のフリクションプレート117bをそれぞれ1枚ずつで構成してもよいし、第1のクラッチプレート116aおよび第1のフリクションプレート117a側と第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117b側とで互いに異なる枚数で構成することもできる。
また、更に、第1のクラッチプレート116aおよび第1のフリクションプレート117a側と第2のクラッチプレート116bと第2のフリクションプレート117b側とで互いに異なる大きさで形成することにより、第1のクラッチピストン121側のクラッチとしての容量と第2のクラッチピストン122側のクラッチとしての容量を互いに異なる容量にしたダブルクラッチ装置100を構成することもできる。
…内径側隙間、S2…外径側隙間、
100…ダブルクラッチ装置、101…入力軸、102…小径部、102a…外歯スプライン、103…大径部、103a…シールリング、104a,104bc…作動油供給路、104c…冷却油供給路、105…抜け止めワッシャ、
111…ハウジング、112…隔壁、113…噛合い嵌合部、113a…内歯スプライン、114a,114b…油孔、115…Oリング、116a…第1のクラッチプレート、116b…第2のクラッチプレート、117a…第1のフリクションプレート、117b…第2のフリクションプレート、118…第1の出力ギア、119…第2の出力ギア、118a,119a…筒状保持部、118b,119b…油孔、
120a…ボールベアリング、120b…ニードルベアリング、121…第1のクラッチピストン、122…第2のクラッチピストン、121a,122a…押圧部、121b,122b…凹部、123…スプリング、124…Oリング。

Claims (6)

  1. 回転駆動する入力軸の周囲に配置されるリング状の第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートと、
    前記第1のクラッチプレートおよび前記第2のクラッチプレートにそれぞれ対向配置されて第1の出力軸側および第2の出力軸側にそれぞれ連結される第1のフリクションプレートおよび第2のフリクションプレートと、
    前記入力軸に連結されて前記第1のクラッチプレートおよび前記第2のクラッチプレートを前記入力軸とともに回転可能に保持するハウジングと、
    前記第1のクラッチプレートまたは前記第1のフリクションプレートに対して密着および離隔する方向に往復変位可能な状態で前記ハウジング内における前記入力軸の周囲に配置されるリング状の第1のクラッチピストン、および前記第2のクラッチプレートまたは前記第2のフリクションプレートに対して密着および離隔する方向に往復変位可能な状態で前記ハウジング内における前記入力軸の周囲に配置されるリング状の第2のクラッチピストンとを備えたダブルクラッチ装置において、
    前記ハウジングは、
    前記入力軸の外周部に噛み合った状態で嵌合する噛合い嵌合部を有するとともに、この噛合い嵌合部と前記第1のクラッチプレートおよび第2のクラッチプレートをそれぞれ保持する部分とが一体的に形成されており、
    前記第1のクラッチピストンおよび前記第2のクラッチピストンの各内周部は、
    一方が前記噛合い嵌合部上を往復変位するとともに、他方が前記入力軸上を所定の内径側隙間を介して往復変位するように配置されていることを特徴とするダブルクラッチ装置。
  2. 請求項1に記載したダブルクラッチ装置において、さらに、
    前記入力軸の外周部に同外周部から突出した状態でシールリングを備え、
    前記入力軸上を往復変位する前記第1のクラッチピストンまたは前記第2のクラッチピストンは、
    前記シールリング上を往復変位することを特徴とするダブルクラッチ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載したダブルクラッチ装置において、
    前記入力軸は、
    前記所定の内径側隙間を介して前記第1のクラッチピストンまたは前記第2のクラッチピストンが往復変位する外周部が前記噛合い嵌合部が嵌合する外周部の外径に対して異なる外径に形成されていることを特徴とするダブルクラッチ装置。
  4. 請求項3に記載したダブルクラッチ装置において、
    前記入力軸は、
    前記所定の内径側隙間を介して前記第1のクラッチピストンまたは前記第2のクラッチピストンが往復変位する外周部に前記噛合い嵌合部が嵌合する外周部に対して張り出した大径部が形成されていることを特徴とするダブルクラッチ装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載したダブルクラッチ装置において、
    前記第1のクラッチピストンおよび/または前記第2のクラッチピストンの外周部は、
    前記ハウジングの内周部に対して所定の外径側隙間を介して往復変位することを特徴とするダブルクラッチ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載したダブルクラッチ装置において、
    前記入力軸上を往復変位する第1のクラッチピストンまたは前記第2のクラッチピストンと前記入力軸上との前記所定の内径側隙間は、0.1mm以上であることを特徴とするダブルクラッチ装置。
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