JP2013217388A - 電磁弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実用性の高い電磁弁装置を提供する。
【解決手段】(a)第1コイル130および第2コイル132とを有し、それら2つのコイル130,132の少なくとも一方への通電・非通電が切り換えられることで、閉弁状態と開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁80と、(b)開弁状態と閉弁状態との一方から他方に切り換えるために2つのコイル130,132の少なくとも一方に通電する装置であって、第1コイル130と第2コイル132とに個別に通電可能に構成された通電装置272とを備えさせる。正常時には、プランジャを作動させるのに必要な電流を、2つのコイル130、132に分担させることで発熱を抑制し、2つのコイル130,132の一方が断線した場合には、失陥が生じていないコイルだけで、プランジャを作動させることが可能である。
【選択図】図4

Description

本発明は、通電・非通電が切り換えられることで開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる電磁弁とその電磁弁に通電する通電装置とを含んで構成される電磁弁装置に関する。
下記特許文献1には、複数の電磁弁を含んで構成される電子制御式の液圧ブレーキシステムが記載されている。それら複数の電磁弁の中には、正常時において常時通電されて、システムの電子制御を可能とするとともに、システムへ通電不能な失陥が生じた場合に非通電状態とされることで、機械的にブレーキを作動させるためのものが存在する。液圧ブレーキシステムの他にも、電磁弁とその電磁弁に通電する通電装置とを含んで構成される電磁弁装置が搭載される種々のシステムが存在する。
特開2011−156998号公報
例えば、電磁弁装置が、電磁弁に常時通電するような構成のものである場合、その電磁弁の発熱、詳しく言えば、電磁弁が有するコイルの発熱が問題となる。また、例えば、上記特許文献1の液圧ブレーキシステムのように、システムへ通電不能な失陥に対処するための電磁弁が設けられている場合、その電磁弁にのみ通電できない失陥が生じた場合であっても、システムへ通電不能な場合と同様に対応せざるを得ないという問題がある。そのような問題に対処することにより、電磁弁装置の実用性を向上させ得ると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い電磁弁装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、第1の発明の電磁弁装置は、(a)通電されることでプランジャを作動させるための電磁力を発生させる第1コイルおよび第2コイルとを有し、それら2つのコイルの少なくとも一方への通電・非通電が切り換えられることで、閉弁状態と開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、(b)開弁状態と閉弁状態との一方から他方に切り換えるために2つのコイルの少なくとも一方に通電する装置であって、第1コイルと第2コイルとに個別に通電可能に構成されるともに、プランジャを移動させるために必要な電流である移動電流を2つのコイルの少なくとも一方に通電し、そのプランジャが移動した後に、そのプランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流を2つのコイルの少なくとも一方に通電するように構成された通電装置とを備えさせる。
また、第2の発明の電磁弁装置は、電磁弁のコイルに通電する通電装置が、プランジャの先端に作用する高圧側の液圧に基づいて、移動電流と保持電流との少なくとも一方を変更する通電電流変更部を有し、その通電電流変更部が、プランジャの先端に作用する高圧側の液圧が高い場合に、低い場合に比較して、移動電流と保持電流との少なくとも一方を小さくするように構成される。
本発明の電磁弁装置によれば、電磁弁の発熱を抑制することが可能である。詳しく言えば、第1の発明の電磁弁装置は、移動電流,保持電流等のプランジャを作動させるのに必要な電流を、2つのコイルに分担させることで、2つのコイルの各々の発熱を抑制し、電磁弁体の発熱を抑制することが可能である。また、第2の発明の電磁弁装置は、プランジャを動作させる際に高圧側の液圧に依拠した力を利用することで、コイルへの通電電流を小さくすることができ、電力消費を抑えるとともに、コイルの発熱を抑え、電磁弁の発熱を抑制することが可能である。また、第1の発明の電磁弁装置によれば、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合であっても、失陥していない方のコイルのみで、開弁状態と閉弁状態とを切り換えることが可能であり、電磁弁を通常通り作動させることが可能である。そのような利点を有することで、本発明の電磁弁装置は、実用性の高いものとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項は、請求可能発明ではなく、請求可能発明の前提となる構成を示した項であり、その(1)項に、それ以降に掲げる項のいずれかに記載の技術的特徴を付加した態様が、請求可能発明に相当する。種々の態様とされた請求可能発明のうち、(1)項を引用する(3)項が請求項1に相当し、請求項1に(4)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項2に(5)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項3に(14)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項4に、それ増相当する。請求項3または請求項4に(8)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項5に、請求項5に(10)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項6に、請求項6に(11)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項7に、請求項5ないし請求項7のいずれか1つに(9)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項8に、請求項5ないし請求項8のいずれか1つに(12)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項9に、請求項5ないし請求項9のいずれか1つに(13)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項10に、それぞれ相当する。また、請求項3または請求項4に(6)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項11に、請求項11に(7)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項12に、請求項3ないし請求項12のいずれか1つに(15)項および(16)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項13に、それぞれ相当する。さらに、(1)項,(15)項,(16)項を合わせたものが請求項14に相当する。
(1)(a)弁座と、(b)その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、(c)そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢部材と、(d)通電されることで前記プランジャを作動させるための電磁力を発生させるコイルとを有し、そのコイルへの通電・非通電が切り換えられることで、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
前記開弁状態と前記閉弁状態との一方から他方に切り換えるために前記コイルに通電する装置であって、前記プランジャを移動させるために必要な電流である移動電流を前記コイルに通電し、そのプランジャが移動した後に、そのプランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流を前記コイルに通電するように構成された通電装置と
を備えた電磁弁装置。
先にも説明したように、本項は、請求可能発明の前提となる構成を示した項である。つまり、本項に記載の態様は、請求可能発明の電磁弁装置の基本的な構成要素を列挙した態様である。
本項に記載の「電磁弁」は、いわゆるオンオフ弁であり、コイルが非通電である場合に閉弁状態であり、コイルへ通電されることで開弁状態となるもの、つまり、常閉弁であってもよく、コイルが非通電である場合に開弁状態であり、コイルへ通電されることで閉弁状態となるもの、つまり、常開弁であってもよい。また、本項に記載の「通電装置」は、例えば、電源とコイルとの間に配設されて電源からコイルへの通電を許容する駆動回路と、その駆動回路を制御するコントローラとを含んで構成されたものを採用することができる。なお、その通電装置がコイルに通電する移動電流と保持電流とは、互いに異なる大きさの電流である必要はなく、同じ大きさの電流であってもよい。ただし、プランジャを移動させるために必要な力は、プランジャを移動させた位置で保持するために必要な力より小さいため、消費電力を抑えるという観点からすれば、保持電流は移動電流より小さい方が望ましい。
ちなみに、本項に記載の「プランジャを作動させる」とは、プランジャを実際に動かしていることを意味するだけでなく、プランジャを移動させた位置で保持することをも意味する文言である。つまり、本明細書において、「電磁弁のコイルに通電している状態」は、「プランジャを作動させている状態」に相当する。
(2)前記保持電流が、前記移動電流より小さな電流とされた(1)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、上述のように、保持電流が移動電流より小さくされており、消費電力を抑えることができるとともに、コイルの発熱を抑えることが可能である。
(3)前記電磁弁が、それぞれが前記コイルである第1コイルおよび第2コイルを有し、
前記通電装置が、前記第1コイルと前記第2コイルとに個別に通電可能に構成された(1)項または(2)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の電磁弁装置は、電磁弁に2つのコイルを設け、それら2つのコイルの各々への通電電流を独立して制御可能に構成されている。なお、本項の態様は、通電された場合に2つのコイルの各々が発生させる電磁力の向きが、同じ向きであってもよく、逆向きであってもよい。
2つのコイルの各々が発生させる電磁力の向きが同じ向きに構成された電磁弁装置は、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合であっても、通電可能な2つのコイルの他方のみで、開弁状態と閉弁状態とを切り換えることが可能である。つまり、この場合には、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合であっても、電磁弁を通常通り作動させることが可能である。したがって、本項に記載の電磁弁装置は、フェールセーフという観点において優れたものとなる。また、この構成の電磁弁装置は、正常時、つまり、2つのコイル両者に通電可能な場合には、後に詳しく説明するが、移動電流,保持電流等のプランジャを作動させるのに必要な電流を、2つのコイルに分割したり、通電するコイルを切り換えたりすることで、2つのコイルの各々の発熱を抑制することが可能であり、ひいては、電磁弁の発熱を抑制することが可能である。
また、2つのコイルの各々が発生させる電磁力の向きが逆向きに構成された電磁弁装置は、例えば、電磁弁を常閉弁とした場合、2つのコイルの一方への通電によってプランジャを動作させ閉弁状態から開弁状態に切り換えることができる。一方、2つのコイルへの通電によって、プランジャには弁座に接近させる方向の力を付与することができる。その力によって、高圧側の液圧が高くなった場合であっても、閉弁状態を確実に維持することが可能である。また、その力によって、開弁状態から閉弁状態に切り換える場合に、プランジャの移動に対して減衰力を付与することができ、プランジャが着座する時のプランジャと弁座との接触音を低減することが可能である。
(4)前記第1コイルおよび前記第2コイルの各々が、
前記プランジャをそれが前記付勢部材によって付勢される方向とは逆方向に移動させるための電磁力を発生させるものである(3)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、2つのコイルの各々が発生させる電磁力の向きが同じ向きに構成された電磁弁装置に限定されている。本項に記載の電磁弁装置は、上述したように、電磁弁自体の発熱を抑制するとともに、フェールセーフという観点において優れたものとなる。以下に、本項の態様に、さらに限定を加えた態様を、詳しく説明する。
(5)前記通電装置が、
前記移動電流と前記保持電流とを、前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分担する分担通電制御を実行するように構成された(4)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、2つのコイルの各々が発生させる電磁力の向きが同じ向きに構成された電磁弁装置において、通常時の制御手法についての限定が加えられている。本項に記載の「分担通電制御」は、2つのコイルの両者に通電することで分担してもよく、2つのコイルのうちの通電するものを時間や作動態様毎に切り換えることで分担してもよい。本項の態様によれば、2つのコイルに負担を分散させることができ、2つのコイルの各々の発熱を抑制することが可能である。ひいては、電磁弁の発熱を抑制し、耐久性に優れた電磁弁装置が実現する。
(6)前記通電装置が、
前記分担通電制御として、前記移動電流を前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分けて通電するとともに、前記保持電流を前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分けて通電する制御を実行する(5)項に記載の電磁弁装置。
(7)前記通電装置が、
前記第1コイルへに通電電流と、前記第2コイルへの通電電流とが同じになるように制御する(6)項に記載の電磁弁装置。
上記2つの項に記載の態様は、分担通電制御を具体化した態様であり、プランジャを作動させるのに必要な電磁力を、2つのコイルの両者によって発生させる態様である。それら2つの項に記載の態様は、例えば、2つのコイルの負担が同程度となるように、2つのコイルの各々への通電電流をそれらの各々のインダクタンスに応じて決定する態様とすることができる。具体的に言えば、プランジャを作動させるのに必要な電磁力を、2つのコイルの各々のインダクタンスに応じて分割して、2つのコイルの各々が発生させるべき電磁力を決定し、その電磁力に基づいて、2つのコイルの各々への通電電流を決定するような態様とすることができる。なお、2つのコイルの各々を同じインダクタンスのものとした場合、つまり、同じものを用いた場合には、2つのコイルの各々の通電電流を、移動電流および保持電流の半分とすることができる。
(8)前記通電装置が、
前記分担通電制御として、前記第1コイルと前記第2コイルとの一方に前記移動電流を通電するとともに、前記第1コイルと前記第2コイルとの他方に前記保持電流を通電し、通電するコイルを変更する制御を実行する(5)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、分担通電制御を具体化した態様であり、移動電流から保持電流に切り換える際に、通電するコイルを変更する態様である。なお、本項の態様は、移動電流を通電するコイル,保持電流を通電するコイルが固定された態様に限定されない。つまり、本項の態様は、第1コイルに移動電流を通電するとともに、第2コイルに保持電流を通電し、プランジャを作動させて、そのプランジャの作動を停止させた後、次のプランジャの作動において、第2コイルに移動電流を通電するとともに、第1コイルに保持電流を通電するように構成することが可能である。
(9)前記通電装置が、
前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記移動電流の通電を停止する前に、前記第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を開始する(8)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、移動電流と保持電流とをラップさせる態様である。本項の態様によれば、移動電流から保持電流への切り換え、つまり、2つのコイルの一方への通電から他方への通電の切り換え時に、電流が途切れることなく、確実に通電することが可能である。ちなみに、移動電流と保持電流とをラップさせている間は、プランジャに作用する電磁力が大きくなるが、プランジャの作動に必要な最低限の電磁力さえ発生させれば、電磁力が大きくなっても問題はない。
(10)前記通電装置が、
前記第1コイルと第2コイルとの他方の負担が設定された程度を越えた場合に、その第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を停止し、前記第1コイルと第2コイルとの一方に前記保持電流を通電する(8)項または(9)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、保持電流を通電するコイルを負担が大きくなりすぎる前に切り換える態様である。本項の態様は、例えば、コイルへの通電時間が設定時間を超えた場合や、コイルの温度が設定値を超えた場合等に、通電するコイルを切り換える態様とすることができる。本項の態様は、電磁弁が長時間継続して通電状態とされるような場合に、有効な態様である。
(11)前記通電装置が、
前記第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を停止する前に、前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記保持電流の通電を開始する(10)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、保持電流の切り換え時に、第1コイルへの通電と第2コイルへの通電とをラップさせる態様である。本項の態様によれば、2つのコイルの一方から他方への切り換え時に、電流が途切れることなく、確実に通電することが可能である。ちなみに、第1コイルへの通電と第2コイルへの通電とをラップさせている間は、プランジャに作用する電磁力が大きくなるが、プランジャを保持するのに必要な最低限の電磁力さえ発生させれば、電磁力が大きくなっても問題はない。
(12)前記通電装置が、
前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記移動電流の通電を開始する前に、前記第1コイルと第2コイルとの他方に、前記プランジャが移動し始めない大きさの電流である予備電流を通電する(8)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
電磁弁は、コイルに通電されると、その通電により発生する電磁力によって、コイルはそのコイルを収容するハウジング内で移動し、コイルとハウジングとが接触して接触音が生じる場合がある。本項の態様は、移動電流を通電する前に予備電流を通電して、電磁力を段階的に大きくすることで、通電時のコイルの速度を抑え、ハウジングへの接触音を低減することが可能である。
(13)前記通電装置が、
前記プランジャの作動を停止させる際に、前記付勢部材の付勢力による前記プランジャの移動に対して減衰力を発生させるために、前記第1コイルと前記第2コイルとのうちの前記保持電流が通電されていないものに、前記保持電流より小さな電流である減衰電流を通電する(8)項ないし(12)項に記載の電磁弁装置。
プランジャの動作を停止させる際、つまり、保持電流の通電を停止する際には、プランジャには付勢部材の付勢力によって移動させられることになる。本項に記載の態様は、その付勢力によるプランジャの移動に減衰力を付与して、そのプランジャの移動を減衰させることができる。したがって、本項の態様によれば、例えば、電磁弁が常閉弁である場合に、プランジャが着座する際のプランジャと弁座との接触音を低減することが可能である。
また、コイルが、ハウジング内において、そのハウジングを構成する部材に挟持されている場合、そのコイルは、通電によって発生する電磁力によって、その挟持する力に逆らって移動させられることがある。その場合、コイルの通電が停止されると、コイルは、通電される前の位置に戻ることになり、ハウジングと接触してしまうことがある。本項の態様によれば、そのコイルへの通電停止に伴うコイルとハウジングとの接触音を低減することが可能である。
(14)前記通電装置が、
前記第1コイルと前記第2コイルとのうちの1つのものに通電できない失陥が生じた場合に、それら第1コイルと第2コイルのうちの失陥が生じていないなものだけに、前記移動電流と前記保持電流とを通電する失陥時通電制御を実行するように構成された(5)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
2つのコイルを有する電磁弁を備えた電磁弁装置は、2つのコイルの一方が使用不能となった場合であっても、1つのコイルのみでプランジャを作動させることが可能である。つまり、上記のような失陥が生じた場合であっても、電磁弁を通常通り作動させることが可能であるため、本項に記載の電磁弁装置は、フェールセーフという観点において優れたものとなる。
(15)前記通電装置が、
前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧に基づいて、前記移動電流と前記保持電流との少なくとも一方を変更する通電電流変更部を有する(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
プランジャには、付勢部材による付勢力と、当該電磁弁が流れを制御している液体の圧力とが常時作用している。そして、その液体の圧力は変化しているため、プランジャを動作させるのに必要な電磁力も変化する。本項に記載の態様によれば、その液体の圧力に基づいて、移動電流と保持電流とを変更するため、プランジャに作用させる電磁力を適切な大きさとすることが可能である。
(16)前記付勢部材が、前記プランジャを前記弁座に接近させる方向に付勢するものであり、
前記通電電流変更部が、
前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧が高い場合に、低い場合に比較して、前記移動電流と保持電流との少なくとも一方を小さくするように構成された(15)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、電磁弁が常閉弁とされているため、液圧によって、プランジャにはそれを開弁させる方向の力が作用する。つまり、本項に記載の電磁弁装置においては、液圧が大きい場合には、小さい場合に比較して、プランジャを移動させる力、および、プランジャを移動させた位置で保持するための力を小さくすることができる。したがって、本項の態様によれば、その液圧の変化に応じて、発生させる電磁力を適切な大きさとして、コイルへの通電電流を小さくすることができ、電力消費を抑えるとともに、コイルの発熱を抑えることが可能である。
請求可能発明の実施例である電磁弁装置を含んで構成される車両用液圧ブレーキシステムの概略図である。 図1に示す連通切換弁の正面断面図である。 図1に示すシミュレータ制御弁の正面断面図である。 図1に示すブレーキ電子制御ユニットの機能を示すブロック図であり、請求可能発明の実施例である電磁弁装置が有する通電装置の構成を示す図である。 必要電流分割通電制御における必要電流と2つのコイルの各々への通電電流のタイムチャートである。 通電コイル変更制御における必要電流と2つのコイルの各々への通電電流のタイムチャートである。 操作入力圧と必要電流を補正するための補正係数との関係を示すグラフである。 図4に示すブレーキ電子制御ユニットにおいて実行される連通弁通電制御プログラムを表すフォローチャートである。 図4に示すブレーキ電子制御ユニットにおいて実行されるシミュレータ制御弁通電制御プログラムを表すフォローチャートである。
以下、請求可能発明を実施するための形態としての実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
<車両用液圧ブレーキシステムの構成>
図1に、請求可能発明の実施例である電磁弁装置を搭載した車両用液圧ブレーキシステム10を、模式的に示す。その車両用液圧ブレーキシステム10は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12と、前後左右の車輪14にそれぞれ設けられた4つのブレーキ装置16と、それら4つのブレーキ装置16に供給する作動液を加圧するマスタシリンダ装置18と、ブレーキ装置16とマスタシリンダ装置18との間に設けられてマスタシリンダ装置18によって加圧された液圧を調整するアンチロック装置20とを備えている。また、マスタシリンダ装置14は、高圧源として作動液の圧力を高圧にするための高圧源装置22と、低圧源として作動液を大気圧下で貯留するリザーバ24とを備えている。
4つのブレーキ装置16は、詳しい説明は省略するが、それぞれ、車輪14とともに回転するブレーキ回転体としてのディスクロータに、非回転体に保持された摩擦材としてのブレーキパッドをブレーキシリンダの液圧によって押し付けて、車輪14に制動力を付与するディスクブレーキである。
アンチロック装置20は、ブレーキ装置16の液圧を増圧および保持するための保持弁と、ブレーキ装置16の液圧を減圧するための減圧弁との各々を、4つの車輪14に対応して4つずつ有している。そのアンチロック装置20は、例えば、車輪14がロックした場合に、保持弁によって、マスタシリンダ装置18からブレーキ装置16への作動液の流れを遮断するとともに、減圧弁によって、ブレーキ装置16からリザーバ24への作動液の流れを許容して、車輪のロックを解除するように構成される。
高圧源装置22は、高圧発生装置30と増減圧装置32とを含んで構成され、高圧発生装置30によって作動液の液圧を高圧とし、その高圧とされた作動液を増減圧装置32によって調圧してマスタシリンダ装置18に供給するものである。高圧発生装置30は、リザーバ24から作動液を汲み上げるポンプ40と、そのポンプ40を駆動するポンプモータ42と、ポンプ40から吐出された作動液を加圧された状態で蓄えるアキュムレータ44とを含んで構成される。ポンプモータ42は、アキュムレータ44に蓄えられている作動液の圧力が、高圧源液圧センサ[Ph]46の検出値に基づいて、予め定められた範囲内にあるように制御される。
増減圧装置32は、高圧発生装置30によって定められた範囲内に高められた作動液の液圧を調圧するレギュレータ50を主体とするものである。そのレギュレータ50は、自身に供給される作動液の液圧(パイロット圧)に応じて機械的に作動するパイロット式の圧力制御弁であり、そのパイロット圧に応じて高圧発生装置30の液圧を調圧し、その調圧した作動液をマスタシリンダ装置18に供給するものである。また、増減圧装置32は、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54を含んで構成される。通常、レギュレータ50は、それら増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54によって調整された作動液の液圧をパイロット圧として利用し、高圧発生装置30の液圧を調圧するようになっている。
マスタシリンダ装置18は、上記の高圧源装置22から供給される作動液の液圧と、ブレーキペダル12に加えられた踏力との少なくとも一方に依拠して、自身が有する2つの加圧室R1,R2の液圧を加圧する。なお、加圧室R1は、2つの前輪14FL,FRに設けられたブレーキ装置16FL,FRに接続され、加圧室R2は、2つの後輪14RL,RRに設けられたブレーキ装置16RL,RRに接続される。マスタシリンダ装置18は、ハウジング60と、そのハウジング60内に摺動可能な3つのピストン62,64,66とを含んで構成される。3つのピストンについて詳しく説明すれば、運転者によりブレーキペダル12に加えられた踏力を入力する入力ピストン62と、第1加圧室R1を加圧するための第1加圧ピストン64と、第2加圧室R2を加圧するための第2加圧ピストン66である。ちなみに、図1は、ブレーキペダル12が操作されていない状態、つまり、マスタシリンダ装置18が作動していない状態を示している。
マスタシリンダ装置18は、ハウジング60内に、上記第1加圧室R1,第2加圧室R2の他にも、いくつかの液室が区画形成されている。なお、第1加圧室R1は、ハウジング60の前端と第1加圧ピストン64とによって区画形成され、第2加圧室R2は、第1加圧ピストン64と第2加圧ピストン66との間に区画形成されている。そして、入力ピストン62と第2加圧ピストン66との間には、ブレーキペダル12の操作に伴う入力ピストン62の移動によって加圧される操作入力室R3が区画形成されている。また、第2加圧ピストン66には、中間部に鍔部70が設けられており、その鍔部70の前方側と後方側との各々に、液室R4,R5が形成されている。鍔部70の後方側の液室R4は、その鍔部70の後方側の面とハウジング60とによって区画形成され、高圧源装置22のレギュレータ50によって調圧された作動液が流入する高圧源入力室である。一方、鍔部70の前方側の液室R5は、その鍔部70の前方側の面,第2加圧ピストン66の前方側外周面,ハウジング60によって区画形成され、操作入力室R3に連通可能な連通室である。なお、第2加圧ピストン66の後端面の面積と、鍔部70の前方側の面の面積とが等しくされている。つまり、操作入力室R3と連通室R5とが連通している場合には、第2加圧ピストン66の後端面に作用する第2加圧ピストン66を前方に移動させる向きの力と、鍔部70の前方側の面に作用する第2加圧ピストン66を後方に移動させる向きの力とが釣り合うようになっている。
操作入力室R3と連通室R5とを連通する連通路78には、常閉の電磁弁80が設けられている。その電磁弁80は、非通電状態において操作入力室R3から連通室R5への作動液の流れを禁止し、通電状態において操作入力室R3から連通室R5への作動液の流れを許容するものである。そのような構成により、電磁弁80が非通電状態、つまり、電磁弁80が閉弁状態においては、第2加圧ピストン66は、操作入力室R3の液圧に応じた力と、高圧源入力室R4の液圧に依拠した力との両者によって動作させられる。つまり、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者が作用するのである。一方、電磁弁80が通電状態、つまり、電磁弁80が開弁状態においては、操作入力室R3の液圧に応じた力は、連通室R5の液圧に応じた力と打ち消し合い、第2加圧ピストン66は、高圧源入力室R4の液圧に依拠した力のみによって動作させられることになる。以下の説明において、電磁弁80を、連通切換弁80と呼ぶ場合がある。
また、上記の連通路78における連通切換弁80の下流側から分岐して、リザーバ24に連通する低圧路88が設けられている。その低圧路88には、非通電状態おいて開弁状態となる常開の電磁弁90が設けられている。つまり、その電磁弁90は、非通電状態において、連通室R5からリザーバ24への作動液の流れを許容し、通電状態において、連通室R5からリザーバ24への作動液の流れを禁止する。また、その低圧路88における電磁弁90の上流側には、ストロークシミュレータ92が設けられている。つまり、連通切換弁80が開弁状態であり、かつ、電磁弁90が閉弁状態である場合に、ブレーキペダル12の操作に対する反力を付与するようになっている。以下の説明において、電磁弁90を、シミュレータ制御弁90と呼ぶこととする。
次に、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の構造について、簡単に説明する。まず、連通切換弁80について、図2を参照しつつ説明する。その連通切換弁80は、中空形状のハウジング100と、そのハウジング100内に自身の軸線方向に移動可能に設けられたプランジャ102とを備えている。そのハウジング100は、それの下端部が、有蓋円筒状の弁部材104により形成されており、その弁部材104が、ハウジング100内を第1液室106と第2液室108とに区画している。その弁部材104には、軸線方向に貫通し、第1液室106と第2液室108とを連通する連通穴110が設けられている。
そして、ハウジング102の第2液室108は、下方に開口しており、高圧側の作動液路に接続されている。つまり、第2液室108は、操作入力室R3と連通している。一方、ハウジング100の第1液室106は、低圧側の作動液路に接続されている。つまり、第1液室106は、連通室R5と連通するとともに、シミュレータ制御弁90を介してリザーバ24と連通可能となっている。
プランジャ102は、上記のハウジング100の第1液室106内に収容されており、その第1液室16内において軸線方向に移動可能とされている。そのプランジャ102は、下端側がロッド状のものであり、その先端(下端)が、弁部材104に形成された連通穴110に向かい合うようにされている。つまり、そのプランジャ102の下端が、弁体として機能し、ハウジング100の連通穴110を形成する部分が、弁座として機能する。そして、プランジャ102の下端が、その弁座に着座することで、連通穴110が塞がれる。プランジャ102は、ハウジング100の上端との間に配設されたコイルスプリング120によって、そのハウジング100の上端から離れる方向に向かって付勢されている。つまり、付勢部材としてのコイルスプリング120は、プランジャ102を弁座に接近させる方向に付勢し、連通穴110をプランジャ102によって塞ぐようになっている。
また、連通切換弁80は、プランジャ102を動作させるための電磁力を発生させる2つのコイル130,132(図4参照)を備えている。詳しい図示は省略するが、それら2つのコイル130,132は、2本の導線が一体的に螺旋状に巻かれ、一体的に形成されている。そして、それら2つのコイル130,132は、ハウジング100の上部外周面に固定されたコイルケース134内に収容されている。そして、それら2つのコイル130,132が通電された場合には、コイルケース134,ハウジング100,プランジャ102によって磁界が形成され、2つのコイル130,132は、プランジャ102がコイルスプリング120によって付勢される方向とは逆方向、つまり、プランジャ102を弁座から離間させる方向の電磁力を発生させる。
なお、2つのコイルである第1コイル130,第2コイル132の各々は、半径,長さ,巻き数が同じもの、つまり、同じインダクタンスのものとされている。したがって、第1コイル130および第2コイル132の各々に、同じ大きさの電流が通電されると、同じ大きさの電磁力を発生させるようになっている。
上記の連通切換弁80は、常閉弁であったが、シミュレータ制御弁90は、常開弁であり、そのシミュレータ制御弁90を、図3を参照しつつ説明する。なお、シミュレータ制御弁90の説明においては、連通切換弁80と同じ構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
シミュレータ制御弁90は、連通切換弁80と同様に、ハウジング140と、そのハウジング140内に軸線方向に移動可能に設けられたプランジャ142と、そのプランジャ142を動作させるための電磁力を発生させる第1コイル144および第2コイル146とを備えている。プランジャ142は、弁部材104との間に配設されたコイルスプリング148によって、その弁部材104から離れる方向に向かって付勢されている。つまり、付勢部材としてのコイルスプリング148は、プランジャ142を弁座から離間させる方向に付勢するものとなっている。シミュレータ制御弁90においては、2つのコイル144,146は、通電された場合に、プランジャ142がコイルスプリング148によって付勢される方向とは逆方向、つまり、プランジャ102を弁座に接近させる方向の電磁力を発生させる。なお、シミュレータ制御弁90が有する2つのコイル144,146は、連通切換弁80が有する2つのコイル130,132と同様に、同じインダクタンスのものとされており、同じ大きさの電流が通電された場合に同じ大きさの電磁力を発生させるようになっている。
当該液圧ブレーキシステムでは、図1に示すように、ブレーキ電子制御ユニット160(以下、「ECU160」と呼ぶ場合がある。)が設けられている。ECU160は、アンチロック装置20が有する複数の電磁弁,連通切換弁80,シミュレータ制御弁90,および高圧発生装置30が有するポンプモータ42の作動を制御する制御装置であり、各ブレーキ装置16に供給する作動液の液圧を制御するものである。ECU160は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ162と、ポンプモータ42に対応する駆動回路164と、各種電磁弁52,54,80,90等のそれぞれに対応する複数の駆動回路166,168,170,172,174とを有している(図4参照)。それら複数の駆動回路164等には、バッテリ176が接続されており、そのバッテリ176から電力が供給される。
さらに、複数の駆動回路166等には、コントローラ162が接続されており、コントローラ162が、それら複数の駆動回路164等に各制御信号を送信する。詳しくは、コントローラ166は、ポンプモータ42の駆動回路164にモータ駆動信号を送信し、増圧用リニア弁52,減圧用リニア弁54の駆動回路166,168には、各リニア弁52,54の有するソレノイドが発生させる電磁力を制御するための電流制御信号を送信する。さらに、連通切換弁80,シミュレータ制御弁90のそれぞれの駆動回路170,172に各種電磁弁を開閉するための制御信号を送信する。なお、連通切換弁80は、2つのコイル130,132を有しているため、それら2つのコイル130,132の各々に対応して2つの駆動回路170a,170bが設けられている。また、同様に、シミュレータ制御弁90は。2つのコイル144,146の各々に対応して2つの駆動回路172a,172bが設けられている。さらにまた、アンチロック装置20が有する複数の電磁弁の複数の駆動回路174には、各種電磁弁の開閉時間を制御するための電流制御信号を送信する。このように、コントローラ162が各駆動回路164等に各制御信号を送信することで、ポンプモータ42、各種電磁弁52等の作動を制御する。なお、コントローラ162には、上記高圧源液圧センサ46とともに、連通路78における連通切換弁80と操作入力室R3との間に設けられた操作入力圧センサ[PS]180、低圧路88におけるシミュレータ制御弁90と連通切換弁80との間に設けられた反力圧センサ[PR]182、連通切換弁80の第1コイル130および第2コイル132の各々の温度を検出するための2つの温度センサ[TC]184,186、シミュレータ制御弁90の第1コイル144および第2コイル146の各々の温度を検出するための2つの温度センサ[TS]188,190、ブレーキペダル12の操作量を検出するストロークセンサ[St]192等が接続されており、それらセンサによる検出値は、後に説明する制御において利用される。
<車両用液圧ブレーキシステムの作動>
以上のように構成された液圧ブレーキシステム10の作動について簡単に説明する。まず、液圧ブレーキシステム10は、通常、ブレーキペダル12になされた操作に応じて制動力を発生させるべく、高圧源装置22の制御によって、ブレーキ装置16の液圧が制御される。具体的には、まず、ECU160は、連通切換弁80を通電して開弁状態とするともに、シミュレータ制御弁90を通電して閉弁状態として、ブレーキペダル12に加えられた踏力が打ち消されるようにする。そして、その状態で、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54を制御することで、増減圧装置32から出力される液圧、つまり、高圧源入力室R4の液圧を制御するのである。それにより、第2加圧ピストン66および第1加圧ピストン64を前方に移動させ、第1加圧室R1および第2加圧室R2が加圧され、その加圧された作動液がブレーキ装置16に供給されるのである。
ただし、急ブレーキの場合、つまり、ブレーキペダル12の操作速度が設定値を超えた場合には、高圧源装置22の液圧に依拠した力の入力だけでなく、ブレーキペダル12に加えられた踏力も入力され、大きな制動力を発生させるようになっている。具体的には、ECU160は、連通切換弁80を非通電として閉弁状態とするともに、シミュレータ制御弁90を非通電として開弁状態としするのである。それにより、高圧源入力室R4が高圧源装置22によって加圧されるだけなく、ブレーキペダル12に加えられた踏力によって操作入力室R1も加圧され、第2加圧ピストン66には、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者が作用することになる。つまり、第1加圧室R1および第2加圧室R2が急激に加圧され、ブレーキ装置16の液圧が急激に上昇し、大きな制動力を発生させるのである。
次に、バッテリ172から電力供給を受けることができない失陥が生じた場合を考える。その場合には、各種電磁弁に電力を供給できないため、連通切換弁80が閉弁状態とされるとともに、シミュレータ制御弁90が開弁状態とされる。また、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54は、ともに閉弁状態となり、作動液の液圧を調整することができなくなる。さらに、ポンプモータ42を駆動することができないため、ポンプ40によって作動液を汲み上げることができない。つまり、アキュムレータ44には、それ以上、作動液を蓄えさせることができないのである。なお、この場合には、レギュレータ50は、第2加圧室R2からブレーキ装置16に供給される作動液の液圧をパイロット圧として利用して、高圧発生装置30の液圧を調圧するようになっている。
したがって、上記のような失陥が生じた場合には、アキュムレータ44に作動液が蓄えられている間は、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者を利用して、制動力を発生させることが可能である。そして、アキュムレータ44に蓄えられていた作動液が無くなった場合には、ブレーキペダル12の操作に依拠した力のみで、制動力を発生させることとなる。
<電磁弁装置の制御>
当該車両用液圧ブレーキシステム10が有する連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90は、上述したように、2つのコイルを備えているため、それら連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90への通電方法に特徴を有しているため、以下に、それら連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の制御方法について、詳しく説明する。なお、それら連通切換弁80,シミュレータ制御弁90は、それぞれ、常閉弁,常開弁であるため、通電によって、開弁状態,閉弁状態となるが、それらの各々が有する第1コイル,第2コイルへの通電方法は、ほぼ同様であるため、両者の説明が必要のない場合には、連通切換弁80を代表して説明することとする。
I)分担通電制御
i)必要電流分割通電制御
まず、車両のイグニッションスイッチがON状態とされると、ECU160は、連通切換弁80に通電して開弁状態とするとともに、シミュレータ制御弁90に通電して閉弁状態とする。なお、ECU160は、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の各々への通電する際には、基本的に、プランジャを移動させるのに必要な電流である移動電流imを通電し、プランジャが移動した後に、プランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流であり、移動電流より小さな保持電流ih(=0.7×im)を通電する。
そして、ECU160は、連通切換弁80(シミュレータ制御弁90)への通電においては、プランジャ102(142)を作動させるのに必要な電流である必要電流i*を、第1コイル130(144)と第2コイル132(146)との各々に分担するように制御する。通常は、上記の移動電流imを2つのコイル130,132の各々に分けて通電するとともに、および保持電流ihを2つのコイル130,132の各々に分けて通電することで、必要電流を分担する必要電流分割通電制御を実行する。具体的には、先に述べたように、第1コイル130と第2コイル132とが同じインダクタンスのものとされているため、ECU160は、図5のタイムチャートに示すように、第1コイル130と第2コイル132との各々に、必要電流の半分の大きさの電流を通電するのである。
ii)通電コイル変更制御
ただし、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の各々において、第1コイル130(144)の温度と、第2コイル132(146)の温度との差が大きくなった場合には、ECU160は、上記の必要電流分割通電制御に代えて、通電するコイルを、第1コイルと第2コイルとの間で切り換えつつ変更することで、必要電流を分担する通電コイル変更制御を実行する。その通電コイル変更制御は、移動電流imを通電するコイルと保持電流ihを通電するコイルとを変更するとともに、保持電流ihを通電するコイルを途中で切り換える制御である。
具体的には、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の各々においては、移動電流imを通電する時間より保持電流ihを通電する時間の方が長くなるため、連通切換弁80(シミュレータ制御弁90)の第1コイル130(144)の温度T1と第2コイル132(146)の温度T2とを比較して、温度が高い方のコイルに移動電流imを通電してプランジャ102(142)を移動させ、その後、温度が低い方のコイルに保持電流ihを通電するようになっている。図6に、必要電流、および、通電コイル変更制御を実行した場合における第1コイル130の通電電流,第2コイル132の通電電流のタイムチャートを示している。その図6は、第1コイル130の温度が第2コイル132より高くなっている場合のものであり、第1コイル130に移動電流imが通電され、その後、第2コイル132に保持電流ihが通電されている。
なお、通電コイル変更制御においては、図6に示すように、第1コイル130への移動電流imの通電を停止する前に、第2コイル132への保持電流ihの通電を開始するようになっている。それにより、電磁弁への通電が途切れることなく、通電するコイルを確実に切り換えることが可能である。また、図6に示すように、第1コイル130への移動電流imの通電を開始する前に、プランジャ102が移動し始めない大きさの電流である予備電流ip(=0.7×im)を、第2コイル132に通電するようになっている。それにより、プランジャ102に作用する力を段階的に上昇させることで、プランジャ102の速度を抑えて、プランジャ102ハウジング100との接触音(シミュレータ制御弁90の場合には、プランジャ142と弁座との接触音)を低減することが可能である。
また、通電コイル変更制御においては、第1コイル130あるいは第2コイル132のいずれかに保持電流ihが通電されている場合、その保持電流ihが通電されているコイルの負担が大きくならないように、保持電流ihを通電するコイルが切り換えられようになっている。詳しくは、ECU160は、保持電流ihを通電しているコイルの温度が、通電していないコイルの温度に比較して、設定温度ΔT以上高くなった場合に、保持電流ihを通電するコイルを切り換えるようになっている。図6に示すように、ECU160は、第1コイル130と第2コイル132とに、交互に保持電流ihを通電するのである。なお、その保持電流ihを通電するコイルを切り換える際にも、電磁弁への通電が途切れないように、第1コイル130への通電と、第2コイル132への通電とをラップさせるようになっている。
さらに、通電コイル変更制御においては、プランジャ102(142)の作動を停止させる際に、つまり、保持電流ihの通電を停止する際には、保持電流ihが通電されていない方のコイルに、保持電流ihより小さな電流ia(=0.5×im)を通電するようになっている。その保持電流より小さな電流を通電することにより発生する電磁力は、プランジャ102の移動に対する抵抗力、つまり、減衰力となる。したがって、その保持電流ihより小さな電流である減衰電流iaを通電することによって、プランジャ102と弁座との接触音(シミュレータ制御弁90の場合には、プランジャ142とハウジング140との接触音)を低減することが可能である。
さらにまた、常閉弁である連通切換弁80においては、プランジャ102の先端には、操作入力室R3の液圧に依拠して弁座から離間させる方向の力が作用する。そのため、その操作入力室R3の液圧が高い場合には、低い場合に比較して、プランジャ102を作動させるための電磁力を小さくすることができる。したがって、上記の必要電流分割通電制御および通電コイル変更制御においては、操作入力圧センサ180の検出値に応じて、プランジャ102への通電電流を低減するようになっている。詳しく言えば、まず、検出された操作入力圧Pに基づいて、必要電流P*を補正するための補正係数αが決定される。なお、補正係数αと操作入力圧Pとは、図7に示すような関係にあり、その図7に示すマップデータを参照して補正係数αが決定されるようになっている。そして、その補正係数αを必要電流i*に乗じた補正必要電流i’を連通切換弁80に供給するように、第1コイル130および第2コイル132の各々への通電電流が、実行されている制御に応じて決定される。
具体的には、必要電流分割通電制御においては、第1コイル130および第2コイル132の各々への通電電流が、移動電流imに補正係数αを乗じた値の半分、あるいは、保持電流ihに補正係数αを乗じた値の半分とされるのである。また、通電コイル変更制御においては、第1コイル130および第2コイル132の各々への通電電流が、移動電流im,保持電流ih,予備電流ip,減衰電流iaに補正係数αを乗じた値とされるのである。
II)失陥時通電制御
連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90は、2つのコイルを有しているため、例えば、断線等によって、それら2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合には、通電可能なコイルのみで、プランジャを作動させるようになっている。つまり、そのような失陥が生じた状態でプランジャを作動させる際には、通電可能なコイルのみに、移動電流imを通電し、その後、保持電流ihを通電するのである。したがって、そのような失陥が生じた場合であっても、液圧ブレーキシステム10は、正常時と同様に作動させることが可能である。
<制御プログラム>
上述のような電磁弁の制御は、図8にフローチャートを示す連通切換弁通電制御プログラムと、図9にフローチャートを示すシミュレータ制御弁通電制御プログラムとが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、設定された時間間隔をおいてECU160により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、それら制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
なお、それら2つのプログラムの他に、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90の必要電流を決定するためのプログラムも実行されるが、そのプラグラムのフローチャートは省略し、そのプログラムについて簡単に説明することとする。そのプログラムにおいては、イグニッションスイッチがON状態とされると、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90をON状態とし、ブレーキの操作速度に基づいて、ON状態とOFF状態との間で切り換えるべく、必要電流を決定する。また、ブレーキの操作速度に基づく切換条件が成立した時点からの経過時間に基づいて、移動電流から保持電流に変更するようになっている。
図8にフローチャートを示す連通切換弁通電制御プログラムでは、まず、ステップ1(以下、ステップを「S」と略す)において、操作入力圧センサ180によって検出された操作入力圧PSを取得し、S2において、その操作入力圧に基づき、図7に示したマップデータを参照して補正係数αが決定される。次いで、S3において、その補正係数αに基づいて、必要電流i*が補正され、補正必要電流i’(=α・i*)が決定される。続いて、S4において、第1コイル130と第2コイル132とのうちの一方が断線しているか否かの判定が行われる。それら2つのコイル130,132の両者が断線しておらず正常な場合には、S5以下の分担通電制御が実行され、2つのコイル130,132のいずれかが断線している場合には、S9以下の失陥時通電制御が実行される。
分担通電制御においては、まず、S5において、温度センサ184,186によって検出された2つのコイル130,132の温度TC1,TC2が取得される。次いで、S6において、それら2つのコイル130,132の温度TC1,TC2の差が設定値ΔTより大きいか否かが判定される。それらの温度差がΔT以下である場合には、S6において必要電流分割通電制御が実行され、図5に示したように、第1コイル130への目標通電電流i1および第2コイル132への目標通電電流i2が、補正必要電流i’の半分に決定される。一方、温度差がΔTを超えた場合には、S8において通電コイル変更制御が実行される。その通電コイル変更制御においては、図6に示したように、プランジャ102を作動させるために通電するコイルを、第1コイル130と第2コイル132との間で切り換えるようにして、それら第1コイル130への目標通電電流i1および第2コイル132への目標通電電流i2が決定される。
また、S4において、第1コイル130と第2コイル132とのうちの一方が断線していると判定された場合には、先にも説明したように、S9において、失陥時通電制御が実行される。その失陥時通電制御においては、断線していると判定された方のコイルへの目標通電電流が0とされ、断線していない方のコイルへの目標通電電流が補正必要電流i’に決定される。
上述のように、第1コイル130への目標通電電流i1および第2コイル132への目標通電電流i2が決定された後には、S10において、駆動回路170a,170bに制御信号が送信され、1回の連通切換弁通電制御プログラムの実行が終了する。
また、図9にフローチャートを示すシミュレータ制御弁通電制御プログラムは、上述の連通切換弁通電制御プログラムと類似のプログラムであるが、連通切換弁通電制御プログラムのS1〜S3において実行された操作入力圧PSに基づく必要電流iの補正は行われず、シミュレータ制御弁90が有する第1コイル144への目標通電電流i1および第2コイル146への目標通電電流i2が、必要電流i*に基づいて決定されるようになっている。
<電磁弁装置の機能構成>
上述したような制御を実行するECU160のコントローラ162は、前述した各種の処理を実行する各種の機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、図4に示すように、コントローラ162は、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90が正常な場合に、プランジャを作動させるのに必要な電流である必要電流を、2つのコイルの各々に分担する制御を実行する分担通電制御実行部250と、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合に、通電可能なコイルだけで、電磁弁を開閉させる制御を実行する失陥時通電制御実行部252とを有している。その分担通電制御実行部250は、必要電流を分割するようにして2つのコイルの各々に分けて通電する制御を実行する必要電流分割通電制御部254と、2つのコイルの一方に移動電流を通電するとともに、他方に保持電流を通電して、通電するコイルを変更する制御を実行する通電コイル変更制御部256とを含んで構成される。
なお、必要電流通電制御部254は、連通切換弁通電制御プログラムのS7と、シミュレータ制御弁通電制御プログラムのS14とを実行する部分が相当し、通電コイル変更制御部256は、連通切換弁通電制御プログラムのS8と、シミュレータ制御弁通電制御プログラムのS15とを実行する部分が相当する。また、失陥時通電制御実行部252は、連通切換弁通電制御プログラムのS9と、シミュレータ制御弁通電制御プログラムのS16とを実行する部分が相当する。
また、コントローラ162は、プランジャの先端に作用する高圧側の液圧(操作入力圧PS)に基づいて、必要電流を変更する通電電流変更部258を有しており、その通電電流変更部258は、連通切換弁通電制御プログラムのS1〜S3を実行する部分が相当する。
以上のような構成から、液圧ブレーキシステム10は、電磁弁とその電磁弁のコイルに通電する通電装置とを備えた電磁弁装置270を含んで構成されている。その電磁弁装置270が有する通電装置272は、連通切換弁80およびシミュレータ制御弁90のコイルに、開弁状態と閉弁状態とを切り換えるために通電するものであり、上述した分担通電制御実行部250、失陥時通電制御実行部252、連通切換弁80の2つのコイル130,132に対応する2つの駆動回路170a,170b、シミュレータ制御弁90の2つのコイル144,146に対応する2つの駆動回路172a,172bを含んで構成されているのである。
10:車両用液圧ブレーキシステム 80:連通切換弁〔電磁弁〕 90:シミュレータ制御弁〔電磁弁〕 102:プランジャ 104:弁部材〔弁座〕 120:コイルスプリング〔付勢部材〕 130:第1コイル 132:第2コイル 142:プランジャ 144:第1コイル 146:第2コイル 148:コイルスプリング〔付勢部材〕 160:ブレーキ電子制御ユニット[ECU] 162:コントローラ 164〜174:駆動回路 176:バッテリ 250:分担通電制御実行部 252:失陥時通電制御実行部 254:必要電流分割通電制御部 256:通電コイル変更制御部 258:通電電流変更部 270:電磁弁装置 272:通電装置
m:移動電流 ih:保持電流 i*:必要電流 ip:予備電流 ia:減衰電流 α:補正係数 i’:補正必要電流

Claims (14)

  1. (a)弁座と、(b)その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、(c)そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢部材と、(d)通電されることで前記プランジャを作動させるための電磁力を発生させる第1コイルおよび第2コイルとを有し、それら第1コイルと第2コイルとの少なくとも一方への通電・非通電が切り換えられることで、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
    前記開弁状態と前記閉弁状態との一方から他方に切り換えるために前記第1コイルと前記第2コイルとの少なくとも一方に通電する装置であって、前記第1コイルと前記第2コイルとに個別に通電可能に構成されるともに、前記プランジャを移動させるために必要な電流である移動電流を前記第1コイルと第2コイルとの少なくとも一方に通電し、そのプランジャが移動した後に、そのプランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流を前記第1コイルと前記第2コイルとの少なくとも一方に通電するように構成された通電装置と
    を備えた電磁弁装置。
  2. 前記第1コイルおよび前記第2コイルの各々が、
    前記プランジャをそれが前記付勢部材によって付勢される方向とは逆方向に移動させるための電磁力を発生させるものである請求項1に記載の電磁弁装置。
  3. 前記通電装置が、
    前記移動電流と前記保持電流とを、前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分担する分担通電制御を実行するように構成された請求項2に記載の電磁弁装置。
  4. 前記通電装置が、
    前記第1コイルと前記第2コイルとのうちの1つのものに通電できない失陥が生じた場合に、それら第1コイルと第2コイルのうちの失陥が生じていないなものだけに、前記移動電流と前記保持電流とを通電する失陥時通電制御を実行するように構成された請求項3に記載の電磁弁装置。
  5. 前記制御装置が、
    前記分担通電制御として、前記第1コイルと前記第2コイルとの一方に前記移動電流を通電するとともに、前記第1コイルと前記第2コイルとの他方に前記保持電流を通電し、通電するコイルを変更する制御を実行する請求項3または請求項4に記載の電磁弁装置。
  6. 前記通電装置が、
    前記第1コイルと第2コイルとの他方の負担が設定された程度を越えた場合に、その第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を停止し、前記第1コイルと第2コイルとの一方に前記保持電流を通電する請求項5に記載の電磁弁装置。
  7. 前記通電装置が、
    前記第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を停止する前に、前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記保持電流の通電を開始する請求項6に記載の電磁弁装置。
  8. 前記通電装置が、
    前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記移動電流の通電を停止する前に、前記第1コイルと第2コイルとの他方への前記保持電流の通電を開始する請求項5ないし請求項7のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  9. 前記通電装置が、
    前記第1コイルと第2コイルとの一方への前記移動電流の通電を開始する前に、前記第1コイルと第2コイルとの他方に、前記プランジャが移動し始めない大きさの電流である予備電流を通電する請求項5ないし請求項8のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  10. 前記通電装置が、
    前記プランジャの作動を停止させる際に、前記付勢部材の付勢力による前記プランジャの移動に対して減衰力を発生させるために、前記第1コイルと前記第2コイルとのうちの前記保持電流が通電されていないものに、前記保持電流より小さな電流である減衰電流を通電する請求項5ないし請求項9のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  11. 前記通電装置が、
    前記分担通電制御として、前記移動電流を前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分けて通電するとともに、前記保持電流を前記第1コイルと前記第2コイルとの各々に分けて通電する制御を実行する請求項3または請求項4に記載の電磁弁装置。
  12. 前記通電装置が、
    前記第1コイルへに通電電流と、前記第2コイルへの通電電流とが同じになるように制御する請求項11に記載の電磁弁装置。
  13. 前記通電装置が、
    前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧に基づいて、前記移動電流と前記保持電流との少なくとも一方を変更する通電電流変更部を有し、
    前記付勢部材が、前記プランジャを前記弁座に接近させる方向に付勢するものであり、
    前記通電電流変更部が、
    前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧が高い場合に、低い場合に比較して、前記移動電流と保持電流との少なくとも一方を小さくするように構成された請求項3ないし請求項12のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  14. (a)弁座と、(b)その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、(c)そのプランジャをプランジャを前記弁座に接近させる方向に付勢する付勢部材と、(d)通電されることで前記プランジャを作動させるための電磁力を発生させるコイルとを有し、そのコイルへの通電・非通電が切り換えられることで、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
    前記閉弁状態から前記開弁状態他方に切り換えるために前記コイルに通電する装置であって、前記プランジャを移動させるために必要な電流である移動電流を前記コイルに通電し、そのプランジャが移動した後に、そのプランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流を前記コイルに通電するように構成された通電装置と
    を備え、
    前記通電装置が、
    前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧に基づいて、前記移動電流と前記保持電流との少なくとも一方を変更する通電電流変更部を有し、
    その通電電流変更部が、
    前記プランジャの先端に作用する高圧側の液圧が高い場合に、低い場合に比較して、前記移動電流と保持電流との少なくとも一方を小さくするように構成された電磁弁装置。
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