JP5751220B2 - 電磁弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通電・非通電が切り換えられることで開弁状態と閉弁状態とが切り換わる電磁弁とその電磁弁に通電する通電制御装置とを含んで構成される電磁弁装置に関する。
下記特許文献1には、複数の電磁弁を含んで構成される電子制御式の車両用液圧ブレーキシステムが記載されている。それら複数の電磁弁の中には、正常時において常時通電されて、システムの電子制御を可能とするとともに、システムへ通電不能な失陥が生じた場合に非通電状態とされることで、機械的にブレーキを作動させるためのものが存在する。液圧ブレーキシステムの他にも、電磁弁とその電磁弁に通電する通電装置とを含んで構成される電磁弁装置が搭載される種々のシステムが存在する。
特開2011−156998号公報
電磁弁装置においては、電磁弁への通電電流が低下している場合、電磁弁を正常に作動させることができないため、電磁弁への通電を停止させることになる。しかしながら、その電流の低下は、継続的に生じるものなのか、瞬間的に生じたものなのかを判断できない。そして、その電流の低下が、瞬間的なものであり、繰り返し生じずに、その時のみ生じたものであることもある。そのような場合、電流の低下が一時的なものであったとしても、電磁弁への通電を復帰させることできないという問題がある。そのような問題に対処することにより、電磁弁装置の実用性を向上させ得ると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い電磁弁装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の電磁弁装置は、(A)単一の電源と電磁弁が有する2つのコイルの各々とを接続する第1接続路および第2接続路を備える構成、あるいは、(B)2つの電源の各々と電磁弁が有する単一のコイルとを接続する第1接続路および第2接続路を備える構成とされ、それら第1接続路と第2接続路との一方において電流の減少が検出された場合に、電磁弁に通電する際にそれら第1接続路と第2接続路との他方のみを利用する通電モードを実現し、そのモードの実現中において第1接続路と第2接続路との一方にプランジャが動かない大きさの電流を継続して流し、その通電中において電流が減少しているか否かの判定結果に基づいて、電流の減少が瞬間的に生じるものか、継続的に生じるものかを判別するように構成される。
本発明の電磁弁装置は、第1接続路と第2接続路との一方において電流の減少が検出された場合であっても、第1接続路と第2接続路との他方のみを利用して電磁弁を正常に作動させることが可能であり、それに併せて、電流減少が検出された第1接続路と第2接続路との一方の状態を判別することが可能である。したがって、例えば、接続路の一部であるコネクタの接触不良等による瞬間的な電流減少や、接続路を形成するケーブルの断線等による継続的な電流減少を判別することが可能である。また、その再判定によって異常が検出されない場合には、第1接続路と第2接続路との少なくとも一方を利用した通常時の通電モードに戻すことも可能である。そのような利点を有することで、本発明の電磁弁装置は、実用性の高いものとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記(1)項および(2)項は、請求可能発明ではなく、請求可能発明の前提となる構成を示した項であり、その(1)項または(2)項に、それ以降に掲げる項のいずれかに記載の技術的特徴を付加した態様が、請求可能発明に相当する。種々の態様とされた請求可能発明のうち、(1)項を引用する(3)項が請求項1に相当し、請求項1に(5)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項1または請求項2に(6)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項3に、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに(7)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項4に、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに(4)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項5に、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに(8)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項6に、請求項6に(9)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項7に、請求項6または請求項7に(10)項に記載の技術的特徴を付加したものが請求項8に、それぞれ相当する。さらに、(2)項を引用する(3)項が請求項9に相当する。
(1)(a)弁座と、(b)その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、(c)そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢機構と、(d)それぞれが、電流の供給を受けて前記プランジャを作動させるための磁界を形成する第1コイルおよび第2コイルとを有し、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
その電磁弁が有する前記第1コイルおよび前記第2コイルの各々に電流を供給するための電源と、
第1駆動回路を有し、前記第1コイルと前記電源とを接続するための第1接続路と、
第2駆動回路を有し、前記第2コイルと前記電源とを接続するための第2接続路と、
前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御して前記電磁弁に通電する通電制御装置と
を備えた電磁弁装置。
(2)弁座と、その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢部材と、通電されることで前記プランジャを作動させるための磁界を形成するコイルとを有し、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
その電磁弁が有する前記コイルに電流を供給するための第1電源および第2電源と、
第1駆動回路を有し、前記コイルと前記第1電源とを接続する第1接続路と、
第2駆動回路を有し、前記コイルと前記第2電源とを接続する第2接続路と、
前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御して前記電磁弁に通電する通電制御装置と
を備えた電磁弁装置。
先にも説明したように、上記2つの項に記載の態様は、請求可能発明の前提となる構成を示した項である。つまり、上記2つの項に記載の態様は、請求可能発明の電磁弁装置の基本的な構成要素を列挙した態様である。前者の項に記載の電磁弁装置は、単一の電源から電磁弁が有する2つのコイルの各々に個別に電流供給可能とされ、後者の項に記載の電磁弁装置は、単一のコイルに2つの電源の各々から個別に電流供給可能とされている。
上記2つの項に記載の「電磁弁」は、いわゆるオンオフ弁であり、コイルが非通電である場合に閉弁状態であり、コイルへ通電されることで開弁状態となるもの、つまり、常閉弁であってもよく、コイルが非通電である場合に開弁状態であり、コイルへ通電されることで閉弁状態となるもの、つまり、常開弁であってもよい。上記2つの項に記載の電磁弁装置は、2つの接続路を利用すること、例えば、電磁弁の作動に必要な電流を分割したり、通電する接続路を切り換えたりすることで、それら接続路の各々が有する駆動回路の発熱を抑制することが可能である。ちなみに、上記2つの項に記載の「駆動回路」は、電源からコイルへの電流の供給を許容・禁止することが可能なものであればよいが、電磁弁への通電電流の大きさを制御可能なものであってもよい。
前者の項に記載の電磁弁は、2つのコイルを有するものであり、それぞれが、付勢部材によって付勢される向きとは逆向きの力をプランジャに作用させるものである。つまり、前者の項に記載の電磁弁装置は、プランジャを作動させるのに必要な電流を、2つのコイルに分割したり、通電するコイルを切り換えたりすることで、2つのコイルの各々の発熱を抑制することが可能であり、ひいては、電磁弁の発熱を抑制することが可能である。また、前者の項に記載の電磁弁装置は、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合であっても、通電可能な2つのコイルの他方のみで、開弁状態と閉弁状態とを切り換えることが可能である。この場合には、2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合であっても、電磁弁を通常通り作動させることが可能である。
(3)前記通電制御装置が、
前記第1接続路と前記第2接続路との各々が、その各々を流れる電流が流れるべき電流よりも減少している状態である電流減少状態にあるか否かを判定する接続路状態判定部と、
(i)前記電磁弁に通電する際に、前記第1駆動駆動回路と前記第2駆動回路との少なくとも一方を制御して前記第1接続路と前記第2接続路との少なくとも一方を利用する通常通電モードを実現するとともに、(ii)前記接続路状態判定部によって、前記第1接続路と前記第2接続路とのうちの前記通常通電モードにおいて前記電磁弁への通電に利用しているもののいずれか一方に電流減少状態が検出された場合に、前記通常通電モードに代え、前記電磁弁に通電する際に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方を利用せず、それら第1接続路と第2接続路との他方のみを利用する失陥通電モードを実現する通電モード切換部と、
前記失陥通電モードの実現中において、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に、前記プランジャが動かない大きさの電流を継続して流すように、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に設けられた前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との一方を制御する電流減少接続路通電部と、
その電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中の、前記接続路状態判定部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に対する判定結果に基き、電流の減少が瞬間的に生じる瞬間減少状態か、あるいは、電流の減少が継続的に生じる継続減少状態かを判別する電流減少状態判別部と
を有する(1)項または(2)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の電磁弁装置においては、2つの接続路のいずれか一方を流れる電流が流れるべき電流より小さい、あるいは、流れていない場合に、通常時の通電モードから失陥時の通電モードに切り換えられるようになっている。つまり、本項の電磁弁装置は、2つの接続路のいずれかに上記電流減少状態が検出された場合であっても、電磁弁を正常に作動させることが可能である。なお、本項に記載の電磁弁装置は、例えば、通常通電モードにおいて、2つの接続路のうちの一方のみを利用して電磁弁に通電し、その2つの接続路の一方に電流減少状態が検出された場合に、失陥通電モードにおいて、2つの接続路の他方を利用して電磁弁に通電する構成とすることができる。また、例えば、通常通電モードは、電磁弁に通電する際に、2つの接続路の各々に、電磁弁の作動に必要な電流を分割したり、電流を流す接続路を切り換えるような制御モードを採用することができる。通常通電モードとして、そのような制御モードを採用すれば、先にも述べたように、接続路の各々が有する駆動回路の発熱を抑制することが可能である。
そして、本項に記載の電磁弁装置は、上記失陥通電モード中に、電流減少状態が検出された接続路について、複数回にわたって接続路の状態を判定する。そして、その判定結果から電流減少状態が、瞬間的に繰り返し生じるものなのか、継続的に生じているものなのかが判別されるようになっている。つまり、本項に記載の電磁弁装置は、接続路におけるコネクタの接触不良などにより生じる瞬間的な電流減少なのか、接続路の一部の断線などにより生じる継続的な電流減少なのかを判別することが可能である。したがって、本項に記載の電磁弁装置によれば、上記の電流減少状態となる原因を、ある程度特定することができるため、その修理時間の短縮を図ることが可能である。
(4)前記通電モード切換部が、
前記電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において、前記接続路状態判定部により前記電流減少状態であることが検出されない状態が設定時間を超えて継続した場合に、前記失陥通電モードから前記通常通電モードに戻すように構成された(3)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、一度、電流減少状態が検出されたものの、その後の接続路の状態に異常が見られない場合の対処方法を具体化し態様である。例えば、通常時の通電モードが、前述したような駆動回路の発熱を抑制する態様である場合には、失陥時の通電モードを継続するより、通常時の通電モードとされることが望ましい。つまり、本項の態様は、通常時の通電モードが、前述したような駆動回路の発熱を抑制する態様である場合に、特に有効である。
(5)前記電流減少接続路通電部が、
前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に、前記プランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流より小さな電流を流すように、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との前記一方を制御するように構成された(3)項または(4)項に記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様は、電流減少状態が検出された接続路を再検査するための電流の大きさを具体化した態様であり、当該電磁弁装置が有する電磁弁が通常時には通電されないようなシステムに搭載される場合に、特に有効な態様である。
(6)前記電流減少状態判別部が、
前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において前記接続路状態判定部により電流低減少状態と判定された時間が閾時間を超えて継続した場合に、継続減少状態にあると判別するように構成された(3)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
(7)前記電流減少状態判別部が、
前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において前記接続路状態判定部により設定時間内に電流減少状態と判定された回数が閾回数を超えた場合に、継続低下状態にあると判別するように構成された(3)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
上記2つの項に記載の態様は、継続減少状態と瞬間減少状態との判別方法を具体化した態様である。なお、電流減少状態判別部が、電流低減少状態と判定された時間と、設定時間内に電流減少状態と判定された回数とのいずれかのみで判別する場合には、電流低減少状態と判定された時間が閾時間以内である場合、もしくは、設定時間内に電流減少状態と判定された回数が閾回数以内である場合に、瞬間継続状態と判別するようにすることができる。また、電流減少状態判別部が、電流低減少状態と判定された時間と、設定時間内に電流減少状態と判定された回数との両者で判別する場合には、電流低減少状態と判定された時間が閾時間以内、かつ、設定時間内に電流減少状態と判定された回数が閾回数以内である場合に、瞬間継続状態と判別するようにすることができる。
(8)前記通電制御装置が、
前記電流減少状態判別部によって瞬間減少状態にあると判定された後に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の減少を生じさせる要因を推定するための電流減少要因推定部と、
その電流減少要因推定部によって推定された要因に関する情報を記憶する電流減少要因記憶部と
を備えた(3)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
本項に記載の態様によれば、電流減少状態となる原因を推定し、それに関する情報を記憶するため、その記憶された情報に基づいて修理を行うことで、修理時間の短縮を図ることが可能である。当該電磁弁装置が、例えば車両等のように、電流減少状態が検出された直後に修理を行うことができないものに搭載された場合には、修理を行う前に失陥の原因を推定しておくことが可能であるため、本項の態様は、そのような場合に、特に有効である。
(9)前記電流減少接続路通電部が、
前記電流減少状態判別部によって瞬間減少状態であると判別された後に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に流す電流を変化させるように、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との前記一方を制御するように構成され、
前記電流減少要因推定部が、
前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方の電流が前記電流減少接続路通電部によって変化させられている際における前記接続路状態判定部の判定結果に基き、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の低下が生じやすい電流の大きさを検出するように構成された(8)項に記載の電磁弁装置。
例えば、コネクタに接触不良が生じると、そのコネクタの部分には、小さな電流は流れずに、大きな電流のみが流れるような場合がある。本項に記載の態様によれば、例えば、コネクタの接触不良が生じている可能性があることを推定することができる。本項に記載の態様においては、再検査のために電流を、段階的に変化させてもよく、連続的に変化させてもよい。本項に記載の態様において、「電流減少要因記憶部」は、例えば、電流を段階的に変化させる場合、電流値毎に電流減少状態が検出された回数を記憶するように構成したり、電流を連続的に変化させる場合には、電流減少状態が検出された電流値を記憶するように構成することができる。また、電流を段階的に変化させる場合、電流減少状態が検出された回数が最も多い電流値を記憶するように構成することもできる。
(10)前記電流減少要因推定部が、
当該電磁弁装置が搭載されたものに生じている振動の激しさの程度と、前記電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中における前記接続路状態判定部の判定結果とに基づいて、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の低下が生じやすい振動の激しさの程度を検出するように構成された(8)項または(9)項に記載の電磁弁装置。
例えば、当該電磁弁装置が搭載されたものが、車両等のように、振動が生じ易いものである場合において、コネクタに接触不良が生じると、振動が激しいほどコネクタは緩んでしまう虞がある。つまり、コネクタに接触不良が生じた場合、振動が激しいほど、電流減少状態となる可能性が高いと考えられる。つまり、本項に記載の態様によれば、例えば、振動が激しいほど電流減少状態が検出され易い場合に、コネクタの接触不良が生じている可能性があることを推定することができる。本項に記載の「振動の激しさの程度」は、例えば、振動の振幅,速度,加速度,周波数など、種々のパラメータを採用することが可能である。
請求可能発明の第1実施例である電磁弁装置を含んで構成される車両用液圧ブレーキシステムの概略図である。 図1に示す連通切換弁の正面断面図である。 図1に示すブレーキ電子制御ユニットの機能を示すブロック図であり、請求可能発明の実施例である電磁弁装置の構成を示す概略図である。 電磁弁の必要電流と2つのコイルの各々への通電電流のタイムチャートである。 電流減少状態を生じさせる要因を推定するために、 図4に示すブレーキ電子制御ユニットにおいて実行される連通切換弁通電制御プログラムを表すフローチャートである。 図6に示す連通切換弁通電制御プログラムにおいて実行される接続路状態判別処理サブルーチンを表すフローチャートである。 請求可能発明の第2実施例である電磁弁装置の概略図である。
以下、請求可能発明を実施するための形態としてのいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
<車両用液圧ブレーキシステムの構成>
図1に、請求可能発明の第1実施例である電磁弁装置を搭載した車両用液圧ブレーキシステム10を、模式的に示す。その車両用液圧ブレーキシステム10は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12と、前後左右の車輪14にそれぞれ設けられた4つのブレーキ装置16と、それら4つのブレーキ装置16に供給する作動液を加圧するマスタシリンダ装置18と、ブレーキ装置16とマスタシリンダ装置18との間に設けられてマスタシリンダ装置18によって加圧された液圧を調整するアンチロック装置20とを備えている。また、マスタシリンダ装置14は、高圧源として作動液の圧力を高圧にするための高圧源装置22と、低圧源として作動液を大気圧下で貯留するリザーバ24とを備えている。
4つのブレーキ装置16は、詳しい説明は省略するが、それぞれ、車輪14とともに回転するブレーキ回転体としてのディスクロータに、非回転体に保持された摩擦材としてのブレーキパッドをブレーキシリンダの液圧によって押し付けて、車輪14に制動力を付与するディスクブレーキである。
アンチロック装置20は、ブレーキ装置16の液圧を増圧および保持するための保持弁と、ブレーキ装置16の液圧を減圧するための減圧弁との各々を、4つの車輪14に対応して4つずつ有している。そのアンチロック装置20は、例えば、車輪14がロックした場合に、保持弁によって、マスタシリンダ装置18からブレーキ装置16への作動液の流れを遮断するとともに、減圧弁によって、ブレーキ装置16からリザーバ24への作動液の流れを許容して、車輪のロックを解除するように構成される。
高圧源装置22は、高圧発生装置30と増減圧装置32とを含んで構成され、高圧発生装置30によって作動液の液圧を高圧とし、その高圧とされた作動液を増減圧装置32によって調圧してマスタシリンダ装置18に供給するものである。高圧発生装置30は、リザーバ24から作動液を汲み上げるポンプ40と、そのポンプ40を駆動するポンプモータ42と、ポンプ40から吐出された作動液を加圧された状態で蓄えるアキュムレータ44とを含んで構成される。ポンプモータ42は、アキュムレータ44に蓄えられている作動液の圧力が、高圧源液圧センサ[Ph]46の検出値に基づいて、予め定められた範囲内にあるように制御される。
増減圧装置32は、高圧発生装置30によって定められた範囲内に高められた作動液の液圧を調圧するレギュレータ50を主体とするものである。そのレギュレータ50は、自身に供給される作動液の液圧(パイロット圧)に応じて機械的に作動するパイロット式の圧力制御弁であり、そのパイロット圧に応じて高圧発生装置30の液圧を調圧し、その調圧した作動液をマスタシリンダ装置18に供給するものである。また、増減圧装置32は、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54を含んで構成される。通常、レギュレータ50は、それら増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54によって調整された作動液の液圧をパイロット圧として利用し、高圧発生装置30の液圧を調圧するようになっている。
マスタシリンダ装置18は、上記の高圧源装置22から供給される作動液の液圧と、ブレーキペダル12に加えられた踏力との少なくとも一方に依拠して、自身が有する2つの加圧室R1,R2の液圧を加圧する。なお、加圧室R1は、2つの前輪14FL,FRに設けられたブレーキ装置16FL,FRに接続され、加圧室R2は、2つの後輪14RL,RRに設けられたブレーキ装置16RL,RRに接続される。マスタシリンダ装置18は、ハウジング60と、そのハウジング60内に摺動可能な3つのピストン62,64,66とを含んで構成される。3つのピストンについて詳しく説明すれば、運転者によりブレーキペダル12に加えられた踏力を入力する入力ピストン62と、第1加圧室R1を加圧するための第1加圧ピストン64と、第2加圧室R2を加圧するための第2加圧ピストン66である。ちなみに、図1は、ブレーキペダル12が操作されていない状態、つまり、マスタシリンダ装置18が作動していない状態を示している。
マスタシリンダ装置18は、ハウジング60内に、上記第1加圧室R1,第2加圧室R2の他にも、いくつかの液室が区画形成されている。なお、第1加圧室R1は、ハウジング60の前端と第1加圧ピストン64とによって区画形成され、第2加圧室R2は、第1加圧ピストン64と第2加圧ピストン66との間に区画形成されている。そして、入力ピストン62と第2加圧ピストン66との間には、ブレーキペダル12の操作に伴う入力ピストン62の移動によって加圧される操作入力室R3が区画形成されている。また、第2加圧ピストン66には、中間部に鍔部70が設けられており、その鍔部70の前方側と後方側との各々に、液室R4,R5が形成されている。鍔部70の後方側の液室R4は、その鍔部70の後方側の面とハウジング60とによって区画形成され、高圧源装置22のレギュレータ50によって調圧された作動液が流入する高圧源入力室である。一方、鍔部70の前方側の液室R5は、その鍔部70の前方側の面,第2加圧ピストン66の前方側外周面,ハウジング60によって区画形成され、操作入力室R3に連通可能な連通室である。なお、第2加圧ピストン66の後端面の面積と、鍔部70の前方側の面の面積とが等しくされている。つまり、操作入力室R3と連通室R5とが連通している場合には、第2加圧ピストン66の後端面に作用する第2加圧ピストン66を前方に移動させる向きの力と、鍔部70の前方側の面に作用する第2加圧ピストン66を後方に移動させる向きの力とが釣り合うようになっている。
操作入力室R3と連通室R5とを連通する連通路78には、常閉の電磁弁80が設けられている。その電磁弁80は、非通電状態において操作入力室R3から連通室R5への作動液の流れを禁止し、通電状態において操作入力室R3から連通室R5への作動液の流れを許容するものである。そのような構成により、電磁弁80が非通電状態、つまり、電磁弁80が閉弁状態においては、第2加圧ピストン66は、操作入力室R3の液圧に応じた力と、高圧源入力室R4の液圧に依拠した力との両者によって動作させられる。つまり、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者が作用するのである。一方、電磁弁80が通電状態、つまり、電磁弁80が開弁状態においては、操作入力室R3の液圧に応じた力は、連通室R5の液圧に応じた力と打ち消し合い、第2加圧ピストン66は、高圧源入力室R4の液圧に依拠した力のみによって動作させられることになる。以下の説明において、電磁弁80を、連通切換弁80と呼ぶ場合がある。
また、上記の連通路78における連通切換弁80の下流側から分岐して、リザーバ24に連通する低圧路88が設けられている。その低圧路88には、非通電状態おいて開弁状態となる常開の電磁弁90が設けられている。つまり、その電磁弁90は、非通電状態において、連通室R5からリザーバ24への作動液の流れを許容し、通電状態において、連通室R5からリザーバ24への作動液の流れを禁止する。また、その低圧路88における電磁弁90の上流側には、ストロークシミュレータ92が設けられている。つまり、連通切換弁80が開弁状態であり、かつ、電磁弁90が閉弁状態である場合に、ブレーキペダル12の操作に対する反力を付与するようになっている。以下の説明において、電磁弁90を、シミュレータ制御弁90と呼ぶこととする。
次に、連通切換弁80の構造について、図2を参照しつつ簡単に説明する。その連通切換弁80は、中空形状のハウジング100と、そのハウジング100内に自身の軸線方向に移動可能に設けられたプランジャ102とを備えている。そのハウジング100は、それの下端部が、有蓋円筒状の弁部材104により形成されており、その弁部材104が、ハウジング100内を第1液室106と第2液室108とに区画している。その弁部材104には、軸線方向に貫通し、第1液室106と第2液室108とを連通する連通穴110が設けられている。
そして、ハウジング102の第2液室108は、下方に開口しており、高圧側の作動液路に接続されている。つまり、第2液室108は、操作入力室R3と連通している。一方、ハウジング100の第1液室106は、低圧側の作動液路に接続されている。つまり、第1液室106は、連通室R5と連通するとともに、シミュレータ制御弁90を介してリザーバ24と連通可能となっている。
プランジャ102は、上記のハウジング100の第1液室106内に収容されており、その第1液室16内において軸線方向に移動可能とされている。そのプランジャ102は、下端側がロッド状のものであり、その先端(下端)が、弁部材104に形成された連通穴110に向かい合うようにされている。つまり、そのプランジャ102の下端が、弁体として機能し、ハウジング100の連通穴110を形成する部分が、弁座として機能する。そして、プランジャ102の下端が、その弁座に着座することで、連通穴110が塞がれる。プランジャ102は、ハウジング100の上端との間に配設されたコイルスプリング120によって、そのハウジング100の上端から離れる方向に向かって付勢されている。つまり、付勢部材としてのコイルスプリング120は、プランジャ102を弁座に接近させる方向に付勢し、連通穴110をプランジャ102によって塞ぐようになっている。
また、連通切換弁80は、プランジャ102を動作させるための電磁力を発生させる2つのコイル130,132(図4参照)を備えている。詳しい図示は省略するが、それら2つのコイル130,132は、2本の導線が一体的に螺旋状に巻かれ、一体的に形成されている。そして、それら2つのコイル130,132は、ハウジング100の上部外周面に固定されたコイルケース134内に収容されている。そして、それら2つのコイル130,132が通電された場合には、コイルケース134,ハウジング100,プランジャ102によって磁界が形成され、2つのコイル130,132は、プランジャ102がコイルスプリング120によって付勢される方向とは逆方向、つまり、プランジャ102を弁座から離間させる方向の電磁力を発生させる。
なお、2つのコイルである第1コイル130,第2コイル132の各々は、半径,長さ,巻き数が同じもの、つまり、同じインダクタンスのものとされている。したがって、第1コイル130および第2コイル132の各々に、同じ大きさの電流が通電されると、同じ大きさの電磁力を発生させるようになっている。
当該液圧ブレーキシステムでは、図1に示すように、ブレーキ電子制御ユニット160(以下、「ECU160」と呼ぶ場合がある。)が設けられている。ECU160は、アンチロック装置20が有する複数の電磁弁,連通切換弁80,シミュレータ制御弁90,および高圧発生装置30が有するポンプモータ42の作動を制御する制御装置であり、各ブレーキ装置16に供給する作動液の液圧を制御するものである。ECU160は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ162と、ポンプモータ42に対応する駆動回路164と、各種電磁弁52,54,80,90等のそれぞれに対応する複数の駆動回路166,168,170,172,174とを有している(図3参照)。それら複数の駆動回路164等には、電源であるバッテリ176が接続されており、そのバッテリ176から電力が供給される。
さらに、複数の駆動回路166等には、コントローラ162が接続されており、コントローラ162が、それら複数の駆動回路164等に各制御信号を送信する。詳しくは、コントローラ166は、ポンプモータ42の駆動回路164にモータ駆動信号を送信し、増圧用リニア弁52,減圧用リニア弁54の駆動回路166,168には、各リニア弁52,54の有するソレノイドが発生させる電磁力を制御するための電流制御信号を送信する。さらに、連通切換弁80,シミュレータ制御弁90のそれぞれの駆動回路170,172に各種電磁弁を開閉するための制御信号を送信する。なお、連通切換弁80は、2つのコイル130,132を有しているため、それら2つのコイル130,132の各々に対応して2つの駆動回路である第1駆動回路170,第2駆動回路172が設けられている。さらにまた、アンチロック装置20が有する複数の電磁弁の複数の駆動回路174には、各種電磁弁の開閉時間を制御するための電流制御信号を送信する。このように、コントローラ162が各駆動回路164等に各制御信号を送信することで、ポンプモータ42、各種電磁弁52等の作動を制御する。
なお、コントローラ162には、上記高圧源液圧センサ46とともに、連通路78における連通切換弁80と操作入力室R3との間に設けられた操作入力圧センサ[PS]180、低圧路88におけるシミュレータ制御弁90と連通切換弁80との間に設けられた反力圧センサ[PR]182、第1駆動回路170に設けられて第1コイル130への通電電流を計測するための第1電流計[A1]184,第1駆動回路172に設けられて第2コイル132への通電電流を計測するための第2電流計[A2]186,ブレーキペダル12の操作量を検出するストロークセンサ[St]188,車体の上下方向の加速度を検出する縦加速度センサ[Gz]190,車体のヨーレートを検出するヨーレートセンサ[γ]192等が接続されており、それらセンサによる検出値は、後に説明する制御において利用される。
<車両用液圧ブレーキシステムの作動>
以上のように構成された液圧ブレーキシステム10の作動について簡単に説明する。まず、液圧ブレーキシステム10は、通常、ブレーキペダル12になされた操作に応じて制動力を発生させるべく、高圧源装置22の制御によって、ブレーキ装置16の液圧が制御される。具体的には、まず、ECU160は、連通切換弁80を通電して開弁状態とするともに、シミュレータ制御弁90を通電して閉弁状態として、ブレーキペダル12に加えられた踏力が打ち消されるようにする。そして、その状態で、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54を制御することで、増減圧装置32から出力される液圧、つまり、高圧源入力室R4の液圧を制御するのである。それにより、第2加圧ピストン66および第1加圧ピストン64を前方に移動させ、第1加圧室R1および第2加圧室R2が加圧され、その加圧された作動液がブレーキ装置16に供給されるのである。
ただし、急ブレーキの場合、つまり、ブレーキペダル12の操作速度が設定値を超えた場合には、高圧源装置22の液圧に依拠した力の入力だけでなく、ブレーキペダル12に加えられた踏力も入力され、大きな制動力を発生させるようになっている。具体的には、ECU160は、連通切換弁80を非通電として閉弁状態とするともに、シミュレータ制御弁90を非通電として開弁状態としするのである。それにより、高圧源入力室R4が高圧源装置22によって加圧されるだけなく、ブレーキペダル12に加えられた踏力によって操作入力室R1も加圧され、第2加圧ピストン66には、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者が作用することになる。つまり、第1加圧室R1および第2加圧室R2が急激に加圧され、ブレーキ装置16の液圧が急激に上昇し、大きな制動力を発生させるのである。
次に、バッテリ172から電力供給を受けることができない失陥が生じた場合を考える。その場合には、各種電磁弁に電力を供給できないため、連通切換弁80が閉弁状態とされるとともに、シミュレータ制御弁90が開弁状態とされる。また、増圧用リニア弁52および減圧用リニア弁54は、ともに閉弁状態となり、作動液の液圧を調整することができなくなる。さらに、ポンプモータ42を駆動することができないため、ポンプ40によって作動液を汲み上げることができない。つまり、アキュムレータ44には、それ以上、作動液を蓄えさせることができないのである。この場合には、レギュレータ50は、第2加圧室R2からブレーキ装置16に供給される作動液の液圧をパイロット圧として利用して、高圧発生装置30の液圧を調圧するようになっている。
したがって、上記のような失陥が生じた場合には、アキュムレータ44に作動液が蓄えられている間は、ブレーキペダル12の操作に依拠した力と、高圧源装置22に依拠した力との両者を利用して、制動力を発生させることが可能である。そして、アキュムレータ44に蓄えられていた作動液が無くなった場合には、ブレーキペダル12の操作に依拠した力のみで、制動力を発生させることとなる。
<電磁弁装置の制御>
本車両用液圧ブレーキシステム10が有する連通切換弁80は、上述したように、2つのコイルを備えており、本車両用液圧ブレーキシステム10においては、その連通切換弁80への通電方法に特徴を有しているため、以下に、連通切換弁80の制御方法について、詳しく説明する。
I)通常通電モード
まず、車両のイグニッションスイッチがON状態とされると、ECU160は、連通切換弁80に通電して開弁状態とするとともに、シミュレータ制御弁90に通電して閉弁状態とする。なお、ECU160は、連通切換弁80へ通電する際には、基本的に、プランジャを移動させるのに必要な電流である移動電流imを通電し、プランジャが移動した後に、プランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流であり、移動電流より小さな保持電流ih(=0.7×im)を通電する。
そして、ECU160は、連通切換弁80への通電においては、プランジャ102を作動させるのに必要な電流である必要電流i*を、第1コイル130と第2コイル132との各々に分担するように制御する。通常は、上記の移動電流imを2つのコイル130,132の各々に分けて通電するとともに、および保持電流ihを2つのコイル130,132の各々に分けて通電することで、必要電流を分担するような通電モードが実現される。具体的には、先に述べたように、第1コイル130と第2コイル132とが同じインダクタンスのものとされているため、ECU160は、図4のタイムチャートに示すように、第1コイル130と第2コイル132との各々に、必要電流の半分の大きさの電流を通電するのである。
II)失陥通電モード
連通切換弁80は、2つのコイルを有しているため、例えば、それら2つのコイルの一方に通電できない失陥が生じた場合には、通電可能なコイルのみで、プランジャを作動させるようになっている。つまり、そのような失陥が生じた状態でプランジャ102を作動させる際には、通電可能なコイルのみに、まず移動電流imを通電し、その後、保持電流ihを通電するのである。したがって、そのような失陥が生じた場合であっても、液圧ブレーキシステム10は、正常時と同様に作動させることが可能である。
i)接続路の状態判定
本液圧ブレーキシステム10は、連通切換弁80が有する第1コイル130,第2コイル132の各々とバッテリ176とを接続する第1接続路200,第2接続路202とを備えている。そして、第1接続路200が、前述の第1駆動回路170aを有するものとされ、第2駆動回路202が、第2駆動回路170bを有するものとなっている。それら2つの接続路200,202のいずれか一方の電流が、実際に流れるべき電流よりも減少している場合には、前述の通常時の通電モードでは電磁弁80を正常に作動させることができないため、その通常通電モードから、上記の失陥通電モードに切り換えられるようになっている。
通常通電モードにおいては、第1接続路200および第2接続路を流れるべき電流は、必要電流i*の1/2である。そして、第1電流計184により計測された第1接続路200を実際に流れる電流i1r、あるいは、第2電流計186により計測された第2接続路202を実際に流れる電流i2rが、必要電流i*の1/2に定められた割合αを乗じた値(α・i*/2)より小さい場合には、通常通電モードから失陥通電モードに切り換えられるようになっている。
ii)電流減少接続路の再判定および瞬断・断線判別
本液圧ブレーキシステム10においては、失陥通電モードに切り換えられた場合に、その電流減少が検出された接続路の再判定が行われる。具体的には、失陥時通電モードに切り換えられた後、その電流減少が検出された接続路に、保持電流ihより小さな電流である判定用電流ijを流すように、駆動回路が制御されるのである。つまり、連通切換弁80がたとえOFF状態の場合であっても、その判定用電流ijの通電により、プランジャ102を動かさないようになっているのである。
その判定用電流ijを通電する制御は、設定時間t0の間、行われる。そして、その間、先に述べた接続路の状態判定、つまり、電流減少状態が検出された接続路を実際に流れる電流irがα・i*/2より小さいか否かの判定が、繰り返し行われるようになっている。その複数回の判定結果において、一度も電流の減少が検出されなかった場合には、電流減少状態が一度は検出されたものの、異常は無かったと判断し、通常通電モードに戻されるようになっている。
また、判定用電流ijの通電中における複数の判定結果において、電流減少状態が検出された場合には、その複数回の判定結果に基づいて、電流減少状態が、電流の減少が瞬間的に生じる瞬間減少状態なのか、電流の減少が継続的に生じる継続減少状態なのかが、判別される。具体的には、まず、電流減少状態が継続して検出された時間tcが、閾時間tc0を超えた場合に、継続減少状態にあると判別される。また、複数回の判定結果のうち、電流減少状態が検出された回数Nが、閾回数N0を超えた場合にも、継続減少状態にあると判別される。そして、電流減少状態が継続して検出された時間tcが閾時間tc0以内、かつ、電流減少状態が検出された回数Nが閾回数N0以内である場合に、瞬間減少状態にあると判別される。そして、継続減少状態あるいは瞬間減少状態にある場合には、インパネに設けられた警告ランプが点灯させられる。また、継続減少状態と判別された場合には、例えば、接続路の一部が断線している虞があり、継続減少状態であることが、ECU160内のRAMに記憶され、瞬間減少状態と判別された場合には、例えば、接続路を形成するワイヤハーネスのコネクタに接触不良が生じている虞があり、瞬間減少状態であることが、ECU160内のRAMに記憶される。
iii)電流減少要因の推定
さらに、瞬間減少状態にあると判別された場合には、電流の減少を生じさせる要因が、推定されるようになっている。詳しく言えば、接続路に流される電流の大きさ、および、車体に生じている振動の激しさの程度と、電流減少の生じやすさとの関連が、調べられるようになっている。具体的には、振動の激しさの程度を指標するパラメータとして、まず、車体の縦加速度Gzが用いられるようになっており、その縦加速度Gzの設定時間内の平均値が、設定加速度Gz0より大きい場合(以下の説明において、「高加速度状態」と呼ぶ場合がある。)と、設定加速度Gz0以下である場合(以下の説明において、「低加速度状態」と呼ぶ場合がある。)とに分けて、それぞれの場合に、電流減少が生じやすいか否かの判定が行われる。さらに、高加速度状態と、低下速度状態との各々において、接続路への通電電流を、0から移動電流imと同じ大きさまで変化させるように、駆動回路が制御されるようになっている。そして、高加速度状態と低加速度状態との各々において、電流が設定電流i0より大きな場合(以下の説明において、「大電流状態」と呼ぶ場合がある。)と、電流が設定電流i0以下である場合(以下の説明において、「小電流状態」と呼ぶ場合がある。)とに分けて、それぞれの場合に、電流減少が生じやすいか否かの判定が行われる。つまり、高加速度状態かつ大電流状態,高加速度状態かつ小電流状態,低加速度状態かつ大電流状態,低加速度状態かつ小電流状態の、図5に示す4つの場合に分けて、電流減少が生じやすいか否かの判定が行われるようになっているのである。
なお、電流減少が生じやすいか否かの判定について、詳しく説明する。まず、高加速度状態,低加速度状態の各々において、接続路への通電電流を0から設定電流i0まで、あるいは、設定電流i0から移動電流imまで変化させる。その間に、電流減少が生じているか否かの判定を繰り返し行い、電流減少状態が検出された回数が、閾回数を超えた場合に、電流減少が生じやすいと判定される。そして、上記の4つの場合のうち、電流減少が生じやすいと判定された場合が、RAMに記憶される。
また、振動の激しさの程度を指標するパラメータとして、ヨーレートγが用いられるようになっており、そのヨーレートγの設定時間内の平均値が、設定値γ0より大きい場合(以下の説明において、「高ヨーレート状態」と呼ぶ場合がある。)と、設定値γ0以下である場合(以下の説明において、「低ヨーレート状態」と呼ぶ場合がある。)とに分けて、それぞれの場合に、電流減少が生じやすいか否かの判定が行われる。より詳しく言えば、上述の縦加速度の場合と同様に、高ヨーレート状態かつ大電流状態,高ヨーレート状態かつ小電流状態,低ヨーレート状態かつ大電流状態,低ヨーレート状態かつ小電流状態の、図5(b)に示す4つの場合に分けて、電流減少が生じやすいか否かの判定が行われるようになっている。そして、それら4つの場合のうち、電流減少が生じやすいと判定された場合が、RAMに記憶される。
iv)記憶された情報の利用
上述のように、本液圧ブレーキシステム10においては、連通切換弁80が有する2つのコイル130,132の各々とバッテリ176とを接続する接続路のいずれかにおいて、継続減少状態あるいは瞬間減少状態にあることがRAMに記憶されるとともに、瞬間減少状態にある場合には電流減少が生じやすい場合がRAMに記憶されるようになっている。それらの記憶された情報は、ディーラ等での修理の際に利用されるのであり、ワイヤーハーネスの断線なのか、コネクタの接触不良なのかなど、電流減少の原因を、ある程度特定されているため、本液圧ブレーキシステムを搭載した車両にいおいては、上記の修理に掛かる時間の短縮が図られているのである。
<制御プログラム>
上述のような電磁弁の制御は、図6にフローチャートを示す連通切換弁通電制御プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、設定された時間間隔ΔtをおいてECU160により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、その制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
なお、そのプログラムの他に、連通切換弁80の必要電流i*を決定するためのプログラムも実行されるが、そのプラグラムのフローチャートは省略し、そのプログラムについて簡単に説明することとする。そのプログラムにおいては、イグニッションスイッチがON状態とされると、連通切換弁80をON状態とし、ブレーキの操作速度に基づいて、ON状態とOFF状態との間で切り換えるべく、必要電流を決定する。また、ブレーキの操作速度に基づく切換条件が成立した時点からの経過時間に基づいて、移動電流から保持電流に変更するようになっている。
図6にフローチャートを示す連通切換弁通電制御プログラムでは、実現する通電モードを示す通電モードフラグFLMが用いられる。その通電モードフラグFLMのフラグ値が0である場合には、通常通電モードを、フラグ値が1である場合には、第1接続路200に電流減少が生じた場合における失陥通電モードを、フラグ値が2である場合には、第2接続路202に電流減少が生じた場合における失陥通電モードを、それぞれ示している。
連通切換弁通電制御プログラムでは、まず、ステップ1において、通電モードフラグFLMのフラグ値が0であるか否かが判定され、そのフラグ値が0である場合に、S2〜S4において、第1接続路200および第2接続路202の各々において電流減少が生じているか否かの判定が行われる。その2つの接続路200,202の両者に異常がない場合には、S5において、第1コイル130および第2コイルへの目標となる通電電流が、必要電流i*の半分とされ、通常通電モードが実現される。
また、第1接続路200に異常はなく、第2接続路202において電流減少状態が検出された場合には、S6において、通電モードフラグFLMのフラグ値が2とされるとともに、S7において、第1コイル130への目標となる通電電流i1 *が必要電流i*とされる。一方、第2接続路202に異常はなく、第1接続路200において電流減少状態が検出された場合には、S8において、通電モードフラグFLMのフラグ値が1とされるとともに、S9において、第2コイル132への目標となる通電電流i2 *が必要電流i*とされる。なお、第1接続路200と第2接続路202との両者において電流減少状態が検出された場合には、連通切換弁80に正常な電流を供給できないため、S10において、第1コイル130への目標通電電流i1 *および第2コイル132への目標通電電流i2 *が0とされ、連通切換弁80への通電が止められるようになっている。
ちなみに、通電モードが失陥通電モードに切り換えられた場合には、次のプログラム実行時には、S2〜S4の判定およびS6,S8のフラグ値の設定がスキップされ、第1コイル130への目標通電電流i1 *、あるいは、第2コイル132への目標通電電流i2 *の決定が行われようになっている。
S7あるいはS9において、失陥通電モードが実現されている場合には、S13において、電流減少状態が検出された接続路の状態を再判定するともに、その接続路の状態が、瞬間減少状態であるか継続減少状態であるかを判別する処理が行われる。その処理は、図7にフローチャートを示す接続路状態判別処理サブルーチンが実行されることによって行われる。そのサブルーチンでは、まず、S21において、このサブルーチンの実行開始からの経過時間tが計測され、その経過時間tが設定時間t0になるまでは、S23以下において、電流減少状態が検出された接続路の再検査が行われる。詳しくは、S23において、電流減少状態が検出された接続路に判定用電流ijを通電し、S24において、その接続路が電流減少状態にあるか否かが判定される。電流減少状態にあると判定された場合には、S25において、電流減少が継続している時間tcがカウントアップされるとともに、S27において、電流減少が検出された回数Nがカウントアップされる。なお、S24において、電流減少状態が検出されなかった場合には、電流減少継続時間tcが0にリセットされる。
そして、経過時間tが設定時間t0に達した場合には、S28において、電流減少検出回数Nが確認される。電流減少検出回数が0である場合には、S36において、通電モードフラグFLMのフラグ値が0とされ、通常通電モードに戻される。一方、電流減少検出回数が0でない場合には、S29において、インパネに設けられた警告ランプが点灯させられる。次いで、S30において、電流減少検出回数Nが閾回数N0を超えているか否かが判定される。閾回数N0を超えている場合には、継続減少状態にあるため、S32において、継続減少状態にあることがRAMに記憶される。また、閾回数N0以下である場合には、瞬間減少状態にあるため、S34において、瞬間減少状態にあることがRAMに記憶される。なお、本プログラムにおいては、接続路の状態を表すフラグである状態フラグFLSが用いられる。その状態フラグFLSのフラグ値は、正常である場合、つまり、初期値が0とされており、瞬間減少状態にある場合に1とされ、継続減少状態にある場合に2とされるものである。上記のように、継続減少状態あるいは瞬間減少状態であると判別された場合には、S33あるいはS35において、状態フラグFLSのフラグ値が変更される。
また、S25において計測された電流減少計測時間tCが閾時間tC0を超えた場合には、経過時間tが設定時間t0に達していなくても、継続減少状態にあると判別され、S32,S33以下の処理が行われるようになっている。以上で、接続路状態判別処理サブルーチンの1回の実行が終了する。
上記の接続路状態判別処理サブルーチンにおいて、継続減少状態あるいは瞬間減少状態にあると判別された場合には、連通切換弁通電制御プログラムのS12の判定によって、接続路状態判別処理がスキップされるようになっている。そして、瞬間減少状態にあると判別され、状態フラグFLSのフラグ値が1である場合には、S15において、電流減少が生じやすい要因を推定するための処理が行われる。その処理を行う電流減少要因推定処理サブルーチンのフローチャートは省略するものとする。簡単に説明すれば、まず、縦加速度センサ190の検出値から得られた設定時間内の平均値GzAと、ヨーレートセンサ192により検出されたヨーレートγとに基づいて、図5に示した場合のうちのいずれの場合に相当するかを判断する。そして、それら複数の場合毎に、電流を0から移動電流imまで徐々に増加させつつ、電流減少が生じるか否かの判定を繰り返し行われるようになっている。そして、その場合毎に、設定時間内における電流減少検出回数が閾回数を超えた場合に、電流減少が生じやすいと判断し、その場合に関する情報がRAMに記憶される用になっている。以上で、1回の連通切換弁通電制御プログラムの実行が終了する。
<電磁弁装置の機能構成>
上述したような制御を実行するECU160は、前述した各種の処理を実行する各種の機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、図3に示すように、ECU160は、第1接続路200と第2接続路と202との各々が電流減少状態にあるか否かを判定する接続路状態判定部250と、その接続路状態判定部250の判定結果に基づいて連通切換弁80への通電モードを切り換える通電モード切換部252とを有している。あの、その接続路状態判定部250は、連通切換弁通電制御プログラムのS2〜S4および接続路状態判別処理サブルーチンのS24を実行する部分が相当し、通電モード切換部252は、S5,S7,S9を実行する部分が相当する。
また、ECU160は、上記の通電モード切換部252によって失陥通電モードの実現中において電流減少状態が検出された接続路にプランジャ102が動かない大きさの電流を通電する電流減少接続路通電部254と、その電流減少接続路通電部254による電流減少状態が検出された接続路への通電中に瞬間減少状態か継続減少状態かを判別する電流減少状態判別部256とを有している。その電流減少接続路通電部254は、接続路状態判別処理サブルーチンのS23を実行する部分が相当し、電流減少状態判別部256は、接続路状態判別処理サブルーチンのS21〜S30を実行する部分が相当する。
さらに、ECU160は、上記の電流減少状態判別部によって瞬間減少状態にあると判別された後に電流の減少を生じさせる要因を推定する電流減少要因推定部258と、その電流減少要因推定部258によって推定された要因に関する情報を記憶する電流減少要因記憶部260とを有している。その電流減少要因推定部258は、連通切換弁通電制御プログラムのS15において図示を省略する電流減少要因推定処理サブルーチンを実行する部分が相当する。また、電流減少要因記憶部260は、ECU160が有するRAMが相当する。
以上のような構成から、液圧ブレーキシステム10は、(a)電磁弁である連通切換分80と、(b)その電磁弁が有する2つのコイル130,132に電流を供給するための電源であるバッテリ176と、(c)第1駆動回路170aを有して第1コイル130とバッテリ176とを接続するための第1接続路200と、(d)第2駆動回路170bを有して第2コイル132とバッテリ176とを接続するための第2接続路202と、(e)それら第1駆動回路170aと第2駆動回路170bとを制御して電磁弁に通電する通電制御装置とを備えた電磁弁装置270を含んで構成されているのである。なお、その電磁弁装置270が有する通電制御装置272は、ECU160が有するコントローラ162が相当する。
第2実施例の電磁弁装置300の概略図を、図8に示す。第2実施例の電位弁装置300は、第1実施例の電磁弁装置270と、電磁弁が有するコイルおよび電源の数を除いて、ほぼ同様の構成であるため、同じ構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、その説明は簡便に行う、あるいは、省略するものとする。
第1実施例の電磁弁装置270は、前述のように、電磁弁80が2つのコイル130,132を有し、それらの各々と単一の電源176とを接続するための2つの接続路200,202を備えるものとされいた。それに対して、本実施例の電磁弁装置300は、電磁弁302は単一のコイル304を有するものであるが、そのコイル304に電流を供給可能な電源を2つ備えている。そして、本電磁弁装置300は、コイル304と第1電源310とを接続するための第1接続路312と、コイル304と第2電源314とを接続するための第2接続路316とを備えている。また、第1接続路312は、第1電源310からコイル304への通電を制御するための第1駆動回路320を有しており、第2接続路316は、第2電源314からコイル304への通電を制御するための第2駆動回路322を有している。
そして、本電磁弁装置270は、通電制御装置330によって、第1駆動回路320および第2駆動回路322を制御され、電磁弁302に通電される。その通電制御装置330は、通常、第1接続路312および第2接続路316の両者を利用して、電磁弁302のコイル304へ電流を供給する。具体的には、コイル304の必要電流の半分ずつを、第1電源310および第2電源314の各々から供給するように、第1駆動回路320および第2駆動回路322が制御されるようになっている。そして、第1接続路312と第2接続路316との一方において電流を正常に供給できない場合に、それら2つの接続路の他方のみを利用して電磁弁302へ通電する失陥時の通電モードに切り換えられるよになっている。そのような制御によって、第1接続路312と第2接続路316とのいずれかが失陥した場合であっても、電磁弁302を作動させることができるとともに、2つの駆動回路320,322の各々の通常時の負担を半減することが可能となってる。
そして、本実施例の電磁弁装置300は、2つの接続路312,316を備えているため、、第1実施例の電磁弁装置270と同様に、失陥時の通電モードの実現中において、その電流減少状態が検出された接続路の再判定,瞬間減少状態と継続減少状態との判別,電流減少要因の推定を行うように構成されているのである。
10:車両用液圧ブレーキシステム 80:連通切換弁〔電磁弁〕 100:ハウジング 102:プランジャ 104:弁部材〔弁座〕 106:第1液室 108:第2液室 110:連通穴 120:コイルスプリング〔付勢部材〕 130:第1コイル 132:第2コイル 160:ブレーキ電子制御ユニット[ECU] 162:コントローラ〔通電制御装置〕 170a:第1駆動回路 170b:第2駆動回路 176:バッテリ〔電源〕 184:第1電流計[A1] 186:第2電流計[A2] 190:縦加速度センサ[Gz] 192:ヨーレートセンサ[γ] 200:第1接続路 202:第2接続路 250:接続路状態判定部 252:通電モード切換部 254:電流減少接続路通電部 256:電流減少状態判別部 258:電流減少要因推定部 260:電流減少要因記憶部 270:電磁弁装置 300:電磁弁装置 302:電磁弁 304:コイル 310:第1電源 312:第1接続路 314:第2電源 316:第2接続路 320:第1駆動回路 322:第2駆動回路 330:通電制御装置

Claims (9)

  1. (a)弁座と、(b)その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、(c)そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢機構と、(d)それぞれが、電流の供給を受けて前記プランジャを作動させるための磁界を形成する第1コイルおよび第2コイルとを有し、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
    その電磁弁が有する前記第1コイルおよび前記第2コイルの各々に電流を供給するための電源と、
    第1駆動回路を有し、前記第1コイルと前記電源とを接続するための第1接続路と、
    第2駆動回路を有し、前記第2コイルと前記電源とを接続するための第2接続路と、
    前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御して前記電磁弁に通電する通電制御装置と
    を備えた電磁弁装置であって、
    前記通電制御装置が、
    前記第1接続路と前記第2接続路との各々が、その各々を流れる電流が流れるべき電流よりも減少している状態である電流減少状態にあるか否かを判定する接続路状態判定部と、
    (i)前記電磁弁に通電する際に、前記第1駆動駆動回路と前記第2駆動回路との少なくとも一方を制御して前記第1接続路と前記第2接続路との少なくとも一方を利用する通常通電モードを実現するとともに、(ii)前記接続路状態判定部によって、前記第1接続路と前記第2接続路とのうちの前記通常通電モードにおいて前記電磁弁への通電に利用しているもののいずれか一方に電流減少状態が検出された場合に、前記通常通電モードに代え、前記電磁弁に通電する際に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方を利用せず、それら第1接続路と第2接続路との他方のみを利用する失陥通電モードを実現する通電モード切換部と、
    前記失陥通電モードの実現中において、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に、前記プランジャが動かない大きさの電流を継続して流すように、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に設けられた前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との一方を制御する電流減少接続路通電部と、
    その電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中の、前記接続路状態判定部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に対する判定結果に基き、電流の減少が瞬間的に生じる瞬間減少状態か、あるいは、電流の減少が継続的に生じる継続減少状態かを判別する電流減少状態判別部と
    を有する電磁弁装置。
  2. 前記電流減少接続路通電部が、
    前記失陥通電モードにおいて前記電磁弁に通電していない場合に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に、前記プランジャを移動させた位置で保持するために必要な電流である保持電流より小さな電流を流すように、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との前記一方を制御するように構成された請求項1に記載の電磁弁装置。
  3. 前記電流減少状態判別部が、
    前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において前記接続路状態判定部により電流低減少状態と判定された時間が閾時間を超えて継続した場合に、継続減少状態にあると判別するように構成された請求項1または請求項2に記載の電磁弁装置。
  4. 前記電流減少状態判別部が、
    前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において前記接続路状態判定部により設定時間内に電流減少状態と判定された回数が閾回数を超えた場合に、継続低下状態にあると判別するように構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  5. 前記通電モード切換部が、
    前記電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において、前記接続路状態判定部により前記電流減少状態であることが検出されない状態が設定時間を超えて継続した場合に、前記失陥通電モードから前記通常通電モードに戻すように構成された請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  6. 前記通電制御装置が、
    前記電流減少状態判別部によって瞬間減少状態にあると判定された後に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の減少を生じさせる要因を推定するための電流減少要因推定部と、
    その電流減少要因推定部によって推定された要因に関する情報を記憶する電流減少要因記憶部と
    を備えた請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の電磁弁装置。
  7. 前記電流減少接続路通電部が、
    前記電流減少状態判別部によって瞬間減少状態であると判別された後に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に流す電流を変化させるように、前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との前記一方を制御するように構成され、
    前記電流減少要因推定部が、
    前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方の電流が前記電流減少接続路通電部によって変化させられている際における前記接続路状態判定部の判定結果に基き、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の低下が生じやすい電流の大きさを検出するように構成された請求項6に記載の電磁弁装置。
  8. 前記電流減少要因推定部が、
    当該電磁弁装置が搭載されたものに生じている振動の激しさの程度と、前記電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中における前記接続路状態判定部の判定結果とに基づいて、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方において電流の低下が生じやすい振動の激しさの程度を検出するように構成された請求項6または請求項7に記載の電磁弁装置。
  9. 弁座と、その弁座に対して着座・離座可能なプランジャと、そのプランジャを前記弁座に接近させる方向と前記弁座から離間させる方向との一方に付勢する付勢部材と、通電されることで前記プランジャを作動させるための磁界を形成するコイルとを有し、前記プランジャが前記弁座に着座した閉弁状態と、前記プランジャが前記弁座から離座した開弁状態とが切り換わるように構成された電磁弁と、
    その電磁弁が有する前記コイルに電流を供給するための第1電源および第2電源と、
    第1駆動回路を有し、前記コイルと前記第1電源とを接続する第1接続路と、
    第2駆動回路を有し、前記コイルと前記第2電源とを接続する第2接続路と、
    前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御して前記電磁弁に通電する通電制御装置と
    を備えた電磁弁装置であって、
    前記通電制御装置が、
    前記第1接続路と前記第2接続路との各々が、その各々を流れる電流が流れるべき電流よりも減少している状態である電流減少状態にあるか否かを判定する接続路状態判定部と、
    (i)前記電磁弁に通電する際に、前記第1駆動駆動回路と前記第2駆動回路との少なくとも一方を制御して前記第1接続路と前記第2接続路との少なくとも一方を利用する通常通電モードを実現するとともに、(ii)前記接続路状態判定部によって、前記第1接続路と前記第2接続路とのうちの前記通常通電モードにおいて前記電磁弁への通電に利用しているもののいずれか一方に電流減少状態が検出された場合に、前記通常通電モードに代え、前記電磁弁に通電する際に、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方を利用せず、それら第1接続路と第2接続路との他方のみを利用する失陥通電モードを実現する通電モード切換部と、
    前記失陥通電モードの実現中において、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に、前記プランジャが動かない大きさの電流を継続して流すように、前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に設けられた前記第1駆動回路と前記第2駆動回路との一方を制御する電流減少接続路通電部と、
    その電流減少接続路通電部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方への通電中の、前記接続路状態判定部による前記第1接続路と前記第2接続路との前記一方に対する判定結果に基き、電流の減少が瞬間的に生じる瞬間減少状態か、あるいは、電流の減少が継続的に生じる継続減少状態かを判別する電流減少状態判別部と
    を有する電磁弁装置。
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