JP2013215770A - 熱延鋼板の冷却方法及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超微細粒鋼を製造する際に必要となる冷却速度、冷却量の大きな強冷却をおこなう際にも、最終圧延機とピンチロールとの間の張力変動を抑制して歩留まりを向上させるとともに、製造停止に至るトラブルも回避することが可能な熱延鋼板の冷却方法を提供する。
【解決手段】仕上げ圧延機列の最終圧延機の直後に設置され、圧延方向の一定区間に複数のノズルを備えた冷却装置と、該冷却装置の出側に設置されて熱延鋼板の上下両面に当接するピンチロールと、を備えた製造装置を用いて熱延鋼板を製造する際に、熱延鋼板の先端がピンチロールに到達して仕上げ圧延機列の最終圧延機及びピンチロール間の熱延鋼板の張力が確立した後の予め定められたタイミングで冷却装置による冷却を開始するにあたり、該冷却を開始してから各ノズルの冷却液流量が所定値に達するまでの時間がピンチロールに近い側に位置するノズルほど長くなるようにする、熱延鋼板の冷却方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼板の冷却方法、及び、該冷却方法を用いる熱延鋼板の製造方法に関する。
自動車用や構造材用等として用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、熱延鋼板の結晶粒を微細化することが有効である。また、結晶粒を微細化すれば、合金元素の添加量を削減しても優れた機械的性質を具備した高強度熱延鋼板を製造することが可能になる。
熱延鋼板の結晶粒の微細化方法としては、熱間仕上げ圧延の特に後段において、高圧下圧延(後段スタンドの圧下率を高めた仕上げ圧延)をおこなってオーステナイト粒を微細化するとともに粒内に圧延歪を蓄積させ、仕上げ圧延直後に急冷することにより、得られるフェライト粒の微細化を図る方法が知られている。この方法で超微細結晶粒(例えば、平均粒径が2μm以下の結晶粒をいう。以下において同じ。)を有する熱延鋼板(以下において、「超微細粒鋼」という。)を製造するためには、熱間圧延ラインにおけるタンデム仕上げ圧延機の直後に鋼板を高圧力、高流量で急速に冷却できる冷却装置を設置し、圧延直後の鋼板を強冷却する必要がある。
しかし、鋼板に張力がかかっていない状態では鋼板の平坦度不良が顕在化しているため、その状態で強冷却すると冷却ムラが生じてしまう問題がある。そこで、特許文献1には、冷却装置の下流側にピンチロールを設置し、鋼板の先端がピンチロールに達してタンデム仕上げ圧延機の最終圧延機と該ピンチロールとの間で鋼板に張力が付与された状態になってから冷却を開始する技術、及び、その際の張力制御方法が開示されている。この張力制御方法は、ピンチロールの電流をもとに鋼板の張力を推定し、推定された張力に基づいてピンチロール速度を操作するフィードバック制御である。
特開2003−136108号公報
特許文献1に開示されている技術はフィードバック方式の張力制御であるため、張力変動を引き起こす外乱である温度変化が速い場合には制御が間に合わず、十分な張力制御効果が得られないという問題があった。鋼板の先端がピンチロールに到達して最終圧延機とピンチロールとの間で鋼板を拘束した状態になってから鋼板を強冷却すると、温度低下による熱収縮や相変態による膨張によって、最終圧延機及びピンチロール間の鋼板張力は変動する。この張力変動は、冷却速度が速いほど速く、温度変化が大きいほど大きくなるため、結晶粒の微細化を図ろうと冷却速度、冷却量を大きくすればするほど激しくなり、従来のフィードバック方式の張力制御では制御不可能となる。そして、張力が高くなりすぎると、板幅の狭窄部が生じたり、ピンチロールがスリップして鋼板にスリップ痕が付いたりするため、その部分は製品とすることができずに歩留まりが低下する。また、張力が低下すると鋼板の平坦度不良が顕在化して冷却ムラが生じるだけでなく、さらに進んで無張力に至ると、鋼板がアコーデオン状になって通板できないトラブルとなり製造停止に至る。
そこで、本発明は、超微細粒鋼を製造する際に必要となる冷却速度、冷却量の大きな強冷却をおこなう際にも、最終圧延機とピンチロールとの間の張力変動を抑制して歩留まりを向上させるとともに、製造停止に至るトラブルも回避することが可能な熱延鋼板の冷却方法、及び、該冷却方法を用いる熱延鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明における冷却方法について説明する。鋼板が仕上げ圧延機列の最終圧延機とピンチロールとの間で拘束されているときに冷却を開始した場合の張力変化Δσ(t)は、(1)式で表される。
Figure 2013215770
ここで、Eは鋼板のヤング率、Lは冷却前の最終圧延機とピンチロールとの間の鋼板長さ、ΔVは張力制御によって操作されるピンチロールの速度変化量、ΔLは冷却によって生じる最終圧延機とピンチロールとの間の鋼板の長さ変化量(収縮を正とする。)、Vは冷却開始前のピンチロールの速度である。
(1)式の右辺第1項は、ピンチロールに引き込まれる鋼板の速度が変化することにより生じる張力変化であり、右辺第2項は、冷却による鋼板の長さ変化を弾性変形で吸収することにより生じる張力変化である。したがって、冷却による鋼板の長さ変化量ΔL(t)が急激に変化するように冷却を開始すると、張力制御によって操作されるピンチロールの速度変化ΔV(t)が間に合わず、張力変化Δσ(t)は急激に大きくなる。逆に、ΔL(t)が緩慢に変化するように冷却を開始すれば、張力制御によって操作されるピンチロールの速度変化ΔV(t)によって、張力変化Δσ(t)は抑制される。
ΔL(t)の変化を緩慢にするには、一定の長さを有する冷却装置内の各位置で生じる長さ変化のタイミングを分散させるように冷却を開始すればよく、これには2つの方法が考えられる。1つの方法は、図2に示したように、各ノズルの冷却液の噴射開始時間をずらす方法であり、もう1つの方法は、図3に示したように、各ノズルの冷却液の噴射開始時間は揃えるが、流量調節をおこなって各ノズルの冷却液流量が所定値に達するまでの時間をずらす方法である。図2及び図3において、1、2、3、…、nは、ノズルと最終圧延機との間の距離と関連しており、最終圧延機に近い側に位置するノズルほど小さい数で表している。いずれの方法においても、圧延方向に隣接するノズルのうち最終圧延機に近い側のノズルの冷却液流量が所定値に達するまでの時間が短い方が、冷却装置全体として所望の冷却が実施された鋼板の部位が鋼板全体に占める割合が大きくなるので、歩留まりが良い。したがって、前者の方法では、図2に示したように圧延方向に隣接するノズルのうちピンチロールに近い側のノズルの冷却液の噴射開始を遅らせ、後者の方法では、図3に示したように圧延方向に隣接するノズルのうちピンチロールに近い側のノズルの冷却液流量が所定値に達するまでの時間が長くなるようにする。本発明者らは、以上の知見に基づいて、本発明を完成させた。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、仕上げ圧延機列の最終圧延機(1)の直後に設置され、圧延方向の一定区間に複数のノズル(6、6、…)を備えた冷却装置(2)と、該冷却装置(2)の出側に設置されて熱延鋼板(S)の上、下両面に当接するピンチロール(3)と、を備えた製造装置(100)を用いて熱延鋼板を製造する際に、熱延鋼板(S)の先端がピンチロール(3)に到達して仕上げ圧延機列の最終圧延機(1)及びピンチロール(3)間の熱延鋼板(S)の張力が確立した後の予め定められたタイミングで冷却装置(2)による冷却を開始するにあたり、該冷却を開始してから各ノズル(6、6、…)の冷却液流量が所定値に達するまでの時間がピンチロール(3)に近い側に位置するノズル(6、6、…)ほど長くなるようにすることを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法である。
ここで、図2に示した方法と図3に示した方法とを比較すると、図3に示した方法を実現するためには細かな流量調整をおこなわなければならないので、流量調節弁やそれを用いた高度な流量制御が必要になる。そこで、上記本発明の第1の態様において、冷却液の噴射の開始を、最終圧延機(1)に近い側に位置するノズル(6、6、…)からピンチロール(3)に近い側に位置するノズル(6、6、…)に向けて順におこなうこと(図2に示した方法)が簡便で望ましい。
また、図2に示した方法を具体的に実現し、且つ、冷却液の噴射開始時間をずらすことによる歩留まりロスが生じないようにする観点から、冷却液の噴射の開始を、最終圧延機(1)に近い側に位置するノズル(6、6、…)からピンチロール(3)に近い側に位置するノズル(6、6、…)に向けて順におこなう上記本発明の第1の態様において、最終圧延機(1)に最も近いノズル(6、6、…)からの冷却を受け始めた熱延鋼板(S)の部位を圧延方向にトラッキングし、該部位が到達した位置のノズル(6、6、…)から順に冷却液の噴射を開始することが望ましい。
ここで、「該部位が到達した位置のノズル(6、6、…)」とは、圧延方向に移動する熱延鋼板(S)の部位の垂直方向上面側及び下面側に位置するノズル(6、6、…)をいう。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかる熱延鋼板の冷却方法を用いて熱延鋼板(S)を冷却する工程を有する、熱延鋼板の製造方法である。
本発明の熱延鋼板の冷却方法及び本発明の熱延鋼板の製造方法では、冷却開始タイミングから各ノズル(6、6、…)の冷却液流量が所定値に達するまでの時間が、ピンチロール(3)に近い側に位置するノズル(6、6、…)ほど長くなるようにしているので、熱延鋼板(S)の長さ変化が緩慢になり、熱延鋼板(S)の張力変動が抑制される。これにより、板幅の狭窄、スリップ痕、冷却ムラによる歩留まりロスを改善でき、また、無張力状態によるトラブルも回避できる。また、従来以上の強冷却が可能となり、従来以上の微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造が可能となる。
本発明の熱延鋼板の冷却方法が適用される熱延鋼板の製造装置100の形態例を示す図である。 本発明の熱延鋼板の冷却方法を実施する一つの方法例を示す模式図である。 本発明の熱延鋼板の冷却方法を実施する一つの方法例を示す模式図である。 冷却ノズル6、6、…の構成を示す模式図である。 本発明の熱延鋼板の冷却方法を適用した場合の圧延状態を示すグラフである。 本発明以外の熱延鋼板の冷却方法を適用した場合の圧延状態を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面では、繰り返される符号の一部を適宜省略している。
図1は、本発明にかかる熱延鋼板の冷却方法を適用可能な製造装置100の形態例を示す図である。図1に示した製造装置100は、仕上げ圧延機列の最終圧延機1と、最終圧延機1の直後に設置された冷却装置2と、冷却装置2の出側に設置されて熱延鋼板Sの上、下両面に当接するピンチロール3とを備えるとともに、冷却装置2とピンチロール3との間に水切りロール4が設置され、水切りロール4とピンチロール3との間にルーパ5が設置されている。ルーパ5はルーパ角度(水平面に対する角度)を変更することにより、熱延鋼板Sの幾何学的な長さを調整できるように構成されている。また、ルーパ5にはルーパ角度の検出器(不図示)が備えられているととともに、ルーパ5の熱延鋼板Sと接触して回転する部分にはロードセルが内蔵されており、熱延鋼板Sにかかる張力を測定することができる。
冷却装置2は、熱延鋼板Sの上面側及び下面側に多数のノズル6、6、…を配した装置であり、熱延鋼板Sの幅方向(図1の紙面奥/手前方向)にも所定の間隔を開けて複数配置されている各ノズル6、6、…には、図示しない開閉弁が備えられている。開閉弁の動作は冷却制御装置10によって制御され、開閉弁が開いたノズル6、6、…からは多量の冷却液が噴射され、最終圧延機1から出てきた熱延鋼板Sを急速に冷却する。
また、ルーパ5の角度実績値はルーパ角度制御装置20に入力され、ルーパ角度制御装置20によって、ルーパ角度が目標値に一致するようにルーパ5の駆動トルクが修正される。また、ピンチロール3の速度は速度制御装置30で制御されており、ルーパ5に内蔵されたロードセルで検出された熱延鋼板Sの張力は、張力フィードバック制御装置40へ入力される。張力フィードバック制御装置40では、熱延鋼板Sの張力が目標値に一致するようなピンチロール3の速度修正量が算出され、算出した速度修正量を速度制御装置30へと出力する。
トラッキング装置50は、熱延鋼板Sの圧延方向の各部位が製造装置全体のどの位置にあるかを追跡する装置であり、その結果を冷却制御装置10へと出力する。また、計算機60は、予め定められた熱延鋼板Sの冷却指示温度に基づいて、どのノズル6、6、…の開閉弁を開にするかを計算し、その結果を冷却制御装置10へと出力する。冷却制御装置10は、トラッキング装置50から与えられるトラッキング結果と、計算機60から与えられる冷却水量とをもとに、ノズル6、6、…の開閉弁の動作を制御し、これにより所望の冷却が実行される。
以下、図1を参照しつつ、本発明の熱延鋼板の冷却方法(以下において、「本発明の冷却方法」ということがある。)を具体的に説明する。
まず、熱延鋼板Sの圧延を開始する前に、計算機60は予め定められた熱延鋼板Sの冷却指示温度に基づいて、どのノズル6、6、…の開閉弁を開にするかを計算し、その結果を冷却制御装置10へと出力する。
次に、熱延鋼板Sの圧延を開始して熱延鋼板Sの先端がピンチロール3に到達すると、ルーパ角度制御装置20によってルーパ角度が制御されるルーパ5が振り上げられ、ルーパ5の角度制御が開始される。ルーパ5の角度制御は、ルーパ5から入力されるルーパ角度実績値が予め定められた角度目標値に一致するようにルーパ5の駆動トルクを修正することによっておこなわれ、公知の比例積分制御を用いることができる。
また、振り上げられたルーパ5が熱延鋼板Sと接触すると、ルーパ5に内蔵されたロードセルによって測定された熱延鋼板Sの張力実績値が張力フィードバック制御装置40に入力され、張力フィードバック制御装値40は、張力フィードバック制御を開始する。その動作は、張力実績値を予め定められた張力目標値に一致させるピンチロール3の速度修正量を求めて速度制御装置30に出力するものであり、公知の比例積分制御を用いることができる。速度制御装置30は速度修正量に基づいてピンチロール3の速度を修正し、これによって熱延鋼板Sの張力がフィードバック制御される。
ルーパ5によって測定された熱延鋼板Sの張力が冷却を開始してもよい状態(冷却開始タイミングと呼ぶ)になると、冷却制御装置10は最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…の開閉弁の動作を、計算機60から与えられた指示通りに制御する。それと同時に、トラッキング装置50は、開閉弁が開かれたノズル6、6、…からの冷却を受け始めた熱延鋼板Sの部位に追跡点を設定し、この追跡点が製造装置100のどの位置にあるかを判断するトラッキング動作を開始する。
その後、トラッキング装置50は、各ノズル6、6、…から噴射された冷却液が到達すべき位置(以下において、「冷却位置」ということがある。)に追跡点が到達するたびに、冷却制御装置10にそのタイミングを通知し、冷却制御装置10はそのタイミングを受けて、ノズル6、6、…の開閉弁の動作を計算機60から与えられた指示通りに制御する。この動作を最終圧延機1に近い側のノズル6、6、…からピンチロール3に近い側のノズル6、6、…まで順に繰り返すことにより、最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…からの冷却を受け始めた熱延鋼板Sの部位を圧延方向にトラッキングし、該部位が到達した位置のノズル6、6、…から順に冷却液の噴射を開始するという冷却をおこなうことができる。
上述した冷却方法では、冷却装置2の各ノズル6、6、…に開閉弁が備えられているものとして説明したが、図4に示したように幾つかのノズル6、6、…を組にした単位毎にしか開閉弁7、7、…がついていない冷却装置2’を備える製造装置に本発明の熱延鋼板の冷却方法を適用することも可能である(図4では5つのノズル6、6、…を1組にして開閉弁7、7、…がついている)。このような場合は、その開閉弁7、7、…が備えられているノズル6、6、…の組の中で最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…の冷却位置に追跡点が到達したタイミングで、最終圧延機1に最も近い開閉弁7、7を計算機60から与えられた指示通りに制御し、以後、冷却位置に追跡点が到達する度にノズル6、6、…に接続された開閉弁7、7を開くように動作を制御すればよい。
また、本発明の冷却方法に関する上記説明では、最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…からの冷却を受け始めた熱延鋼板Sの部位を圧延方向にトラッキングし、この部位が到達した位置のノズル6、6、…から順に冷却液の噴射を開始する形態について言及したが、本発明の冷却方法は当該形態に限定されない。本発明の冷却方法は、熱延鋼板Sの先端がピンチロール3に到達して最終圧延機1及びピンチロール3間の熱延鋼板Sの張力が確立した後の予め定められたタイミングで冷却装置2による冷却を開始する場合に、冷却を開始してから各ノズル6、6、…の冷却液流量が所定値に達するまでの時間がピンチロール3に近い側に位置するノズル6、6、…ほど長くなるようにすればよい。ただし、冷却液の流量調整を簡便にしつつ本発明の課題を解決可能な形態にする等の観点からは、冷却液の噴射の開始を、最終圧延機1に近い側に位置するノズル6、6、…からピンチロール3に近い側に位置するノズル6、6、…に向けて順におこなう形態とすることが好ましい。そして、冷却液の流量調整を簡便にし、且つ、歩留まりロスが生じないようにする等の観点からは、最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…からの冷却を受け始めた熱延鋼板Sの部位を圧延方向にトラッキングし、該部位が到達した位置のノズル6、6、…から順に冷却液の噴射を開始する形態とすることが望ましい。
以上説明したように、本発明の冷却方法によれば、熱延鋼板Sの長さ変化が緩慢になり、熱延鋼板Sの張力変動が抑制されるので、板幅の狭窄、スリップ痕、冷却ムラによる歩留まりロスを改善でき、また、無張力状態によるトラブルも回避できる。また、従来以上の強冷却が可能となり、従来以上の微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造が可能となる。したがって、このような本発明の冷却方法を用いて熱延鋼板を冷却する工程を有する、本発明の熱延鋼板の製造方法によれば、板幅の狭窄、スリップ痕、冷却ムラによる歩留まりロスを改善でき、また、無張力状態によるトラブルも回避できるほか、従来以上の強冷却が可能になるので、従来以上の微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造が可能となる。
シミュレーションの結果を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
図1に示した製造装置100において、10.5m/sの速度で走行する板厚2mm、板幅1000mmの熱延鋼板を、最終圧延機1とピンチロール3との間の張力が付与された状態で、板厚方向の断面平均温度を850℃から600℃に冷却するシミュレーションをおこなった。
本発明の冷却方法を適用し、最終圧延機1に最も近いノズル6、6、…からの冷却を受け始めた熱延鋼板の部位を圧延方向にトラッキングし、該部位が到達した位置のノズル6、6、…から順に冷却液の噴射を開始した場合(実施例)の圧延状態を図5に示す。比較として、全てのノズル6、6、…で一斉に冷却液の噴射を開始した場合(従来法)の圧延状態を図6に示す。
実施例及び比較例のいずれも、熱延鋼板の張力を検出してピンチロール3の速度を修正する張力フィードバック制御をおこなっている。また、時間0において冷却を開始しており、冷却開始とともに温度低下による収縮と相変態による膨張が入り交じり,最終圧延機1からピンチロール3までの鋼板の長さは最終的には3.3mm収縮する。
しかし、そこに至る0.6秒までの過渡状態を比較すると、図6に示した従来法では激しい板長さ変化が生じているのに対し、図5に示した実施例では緩慢になっている。これにより、張力変動も、実施例は従来法に比べて大幅に抑制されている。
以上より、本発明によれば、最終圧延機直後で強冷却を実施した際でも張力変動を抑制することができるので、板幅の狭窄、スリップ痕、冷却ムラによる歩留まりロスを改善でき、また、無張力状態によるトラブルも回避できる。さらに、従来以上の強冷却が可能となり、従来以上の微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造が可能となる。
本発明は、超微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造等に用いることができる。
S…熱延鋼板
1…最終圧延機
2、2’…冷却装置
3…ピンチロール
4…水切りロール
5…ルーパ
6…ノズル
7…開閉弁
10…冷却制御装置
20…ルーパ角度制御装置
30…速度制御装置
40…張力フィードバック制御装置
50…トラッキング装置
60…計算機
100…製造装置

Claims (4)

  1. 仕上げ圧延機列の最終圧延機の直後に設置され、圧延方向の一定区間に複数のノズルを備えた冷却装置と、該冷却装置の出側に設置されて熱延鋼板の上、下両面に当接するピンチロールと、を備えた製造装置を用いて熱延鋼板を製造する際に、前記熱延鋼板の先端が前記ピンチロールに到達して前記仕上げ圧延機列の最終圧延機及び前記ピンチロール間の前記熱延鋼板の張力が確立した後の予め定められたタイミングで前記冷却装置による冷却を開始するにあたり、該冷却を開始してから各ノズルの冷却液流量が所定値に達するまでの時間が前記ピンチロール側に位置する前記ノズルほど長くなるようにすることを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法。
  2. 前記冷却液の噴射の開始を、前記最終圧延機側に位置する前記ノズルから前記ピンチロール側に位置する前記ノズルに向けて順におこなうことを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼板の冷却方法。
  3. 前記最終圧延機に最も近い前記ノズルからの冷却を受け始めた前記熱延鋼板の部位を前記圧延方向にトラッキングし、該部位が到達した位置のノズルから順に前記冷却液の噴射を開始することを特徴とする、請求項2に記載の熱延鋼板の冷却方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱延鋼板の冷却方法を用いて熱延鋼板を冷却する工程を有する、熱延鋼板の製造方法。
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