JP2013214914A - スイッチ素子の温度検出回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズに起因する温度検出ダイオードの温度誤検出を防ぐとともに、半導体スイッチと温度検出ダイオードが短絡故障しても電源からGNDへの貫通電流発生を防ぐ。
【解決手段】スイッチ素子9の外部に配置された温度検出回路1は、温度検出ダイオード2の順方向に定電流を流す定電流手段3と、定電流手段3と温度検出ダイオード2のアノード端子4の間および温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間に配置されたノイズ侵入防止用の2つの抵抗6、7と、この2つの抵抗の両端電圧および温度検出ダイオード2の順方向電圧の総和を検出する電圧検出手段8を備え、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間に配置された抵抗7の定格電力は、スイッチ素子9に供給する電源電圧の最大値の2乗を抵抗値で除して得られる値以上に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、多相モータを通電制御するスイッチ素子の温度検出回路に係わり、特に、外来ノイズ除去とスイッチ素子の故障による貫通電流を防止する温度検出回路に関するものである。
従来、スイッチ素子の温度を検出する方法を記載したものとしては、例えば特許文献1(特開2000−307403号公報)がある。
特許文献1では、スイッチ素子を形成する半導体スイッチと同一チップ上に温度検出用のダイオード(以下、温度検出ダイオードと記す)を設け、ダイオードの「順方向電圧−温度特性」を利用してスイッチ素子の温度を検出している。
そして、温度が高いときにはスイッチ素子の通電を遮断することで、スイッチ素子の熱破壊を防止する方法が提案されている。
なお、インバータ用途では、スイッチ素子に供給する電源電圧および電流と比較して、温度検出ダイオードに流す電流およびダイオードの順方向電圧は小さいので、外来ノイズの影響を受けやすいという課題がある。
この課題に関しても、特許文献1では、外来ノイズ除去を目的としたローパスフィルタを半導体スイッチと同一チップ上に構成する方法が提案されている。
特開2000−307403号公報
しかし、特許文献1では、スイッチ素子内部において、半導体スイッチと温度検出ダイオードとが短絡故障した場合については対策案がなく、スイッチ素子の故障による電源からGND(GROUND:EARTH LEVEL)への貫通電流が危惧される。
仮に特許文献1において前記貫通電流対策を試みる場合、例えば、外来ノイズ対策用の抵抗の抵抗値を高く設定することで電流を制限する方法が考えられる。
しかし、外来ノイズ対策用の抵抗の抵抗値を大きくすると、温度検出ダイオードに流す電流の誤差が抵抗で増幅されて温度検出精度が低下する問題がある。
一方、外来ノイズ対策用の抵抗の抵抗値は変えず、抵抗の電力定格を貫通電流に耐えうるものに設計した場合、スイッチ素子のサイズが大きくなるという課題がある。
さらに、スイッチ素子を使用するシステムの電源電圧ごとに外来ノイズ対策用の抵抗の抵抗値あるいは定格電力を設計する必要があり、スイッチ素子の汎用性に欠けることも課題である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、温度検出ダイオードを備えたスイッチ素子において、外来ノイズの侵入による温度検出ダイオードの温度誤検出を防ぐことができるとともに、スイッチ素子内部において、半導体スイッチと温度検出ダイオードとが短絡故障しても、電源からGNDへの貫通電流を防ぐことができる「スイッチ素子の温度検出回路」を提供することを目的とする。
本発明に係るスイッチ素子の温度検出回路は、電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチおよび温度検出ダイオードを設けたスイッチ素子の内部温度を検出する温度検出回路であって、前記スイッチ素子の外部に配置された前記温度検出回路は、前記温度検出ダイオードの順方向に定電流を流す定電流手段と、前記定電流手段と前記温度検出ダイオードのアノード端子との間および前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間にそれぞれ配置された外来ノイズ侵入防止のための2つの抵抗と、前記2つの抵抗の両端電圧と前記温度検出ダイオードの順方向電圧の総和を検出する電圧検出手段を備え、前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間に配置された抵抗の定格電力は、前記スイッチ素子に供給する電源電圧の最大値の2乗を抵抗値で除して得られる値以上に設定するものである。
本発明によると、温度検出ダイオードへの外来ノイズの侵入を防ぎ、外来ノイズによるスイッチ素子内部の温度誤検出を防止できる。
また、スイッチ素子の外部に外来ノイズ対策用の抵抗を配置すればよく、スイッチ素子のサイズを大きくすることなく抵抗の定格電力を上げることができ、スイッチ素子の内部で半導体スイッチと温度検出ダイオードが短絡故障しても外来ノイズ対策用の抵抗で電源からGNDへの貫通電流を防止できる。
実施の形態1による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。 実施の形態2による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における制御手段の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成の変形例を示すブロック図である。 実施の形態3による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。 実施の形態3における制御手段の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態4による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。 実施の形態4における制御手段の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態5による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。 実施の形態6による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態例について説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
スイッチ素子9(スイッチ素子モジュールとも称す)は、例えば、MOSFETである半導体スイッチ30と、スイッチ素子9の内部温度(すなわち、半導体スイッチ30の周辺温度)を検出するための温度検出ダイオード2で構成されている。(半導体スイッチ30には、例えば多相モータの駆動電流が流れる。)そして、スイッチ素子9の半導体スイッチ30をオン(導通)/オフ(非導通)することにより、例えば多相モータの通電制御を行う。なお、「/」は、「または(あるいは)」を意味する。
温度検出回路1は、スイッチ素子9の外部に配置しており、スイッチ素子9の温度検出ダイオード2の順方向に定電流を流す定電流手段3を備える。
さらに、温度検出ダイオード2への外来ノイズの侵入を防ぐため、温度検出回路1は、定電流手段3と温度検出ダイオード2のアノード端子4との間に抵抗6を、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に抵抗7を備えている。
また、温度検出回路1は、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧ならびに温度検出ダイオード2の順方向電圧の総和を検出する電圧検出手段8を備える。
なお、図1において、半導体スイッチ30は、MOSFETだけでなく、IGBTであってもよい。
また、定電流手段3としては、例えば定電流ダイオードやカレントミラー回路のようなトランジスタを使った定電流回路が考えられる。
電圧検出手段8としては、例えばトランジスタやオペアンプなどを使った作動増幅回路が考えられる。
電圧検出手段8で得られる電圧には、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧が含まれるが、抵抗値および抵抗を流れる電流値が一定なので、抵抗による電圧降下も一定となり、温度検出ダイオード2の「温度−電圧特性」に応じた電圧変化が検出できる。
そして、電圧検出手段8で検出される電圧変化に基づいて、温度検出ダイオード2の温度を求めることができる。
しかし、本実施の形態は、これに限られるものではなく、電圧検出手段8は、温度検出ダイオード2のアノード端子4およびカソード端子5間の電位差を検出する構成であっても良い。温度検出ダイオード2のアノード端子4とカソード端子5との電位差を直接検出することにより、抵抗の誤差成分を排除できる効果がある。
ただし、この場合は、電圧検出手段8は温度検出ダイオード2のアノード端子4およびカソード端子5の直近に配置し、温度検出ダイオード2への外来ノイズの侵入を防止する必要がある。
また、ノイズ対策の観点から、抵抗6および抵抗7は温度検出ダイオード2のアノード端子4およびカソード端子5の直近に配置することが望ましい。
そして、抵抗6および抵抗7の抵抗値の選定については、例えば、温度検出ダイオード2をコイルやコンデンサなどの受動素子を用いて表現し、基板の配線インダクタンスや配線容量と組み合わせた電流ループを考えて、外来ノイズ対策用の抵抗をダンピング抵抗のように電流ループに組み込むことによって、共振周波数の移動やノイズの減衰不足を回避するように定数(すなわち、抵抗6、抵抗7の抵抗値)を選定する方法が考えられる。
一方、抵抗7の定格電力P7については、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、電源からGNDに貫通電流が流れないようにするため、抵抗7の抵抗値R7と電源電圧の最大値VMAXを用いて、以下の式1ように設定する。
P7 ≧ VMAX/R7 ・・・(式1)
なお、素子並列数を増やすことで1素子あたりの電力が低減できるので、抵抗値が小さくても、電源電圧に耐えられる電力定格の回路を構成できる。
さらに、抵抗7は純粋に抵抗素子のみならず、抵抗素子とフェライトビーズを直列接続して組み合わせても使っても良い。
そして、抵抗素子とフェライトビーズを直列接続して組み合わせ使う場合、例えば、抵抗7と直列に組み合わせるフェライトビーズの定格電力PF7は、抵抗値R7と電源電圧の最大値VMAXおよびフェライトビーズのDC抵抗RF7を用いて、以下の式2に示すように設定できる。
PF7 ≧ RF7 × {VMAX/(R7+RF7)} ・・・ (式2)
また、抵抗6の定格電力P6についても、抵抗7と同様に、抵抗6の抵抗値R6と電源電圧の最大値VMAXを用いて、以下の式3に示すように設定すれば、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2のアノード端子4が短絡故障し、かつ定電流手段3が地絡しても貫通電流が流れず安心である。
P6 ≧ VMAX/R6 ・・・ (式3)
さらに、抵抗7と同様に、抵抗6は抵抗素子とフェライトビーズを直列接続して組み合わせても使っても良い。そして、組み合わせ使う場合は、例えば、抵抗6と直列に組み合わせるフェライトビーズの定格電力PF6は、式2と同様に抵抗値R6と電源電圧の最大値VMAXおよびフェライトビーズのDC抵抗RF6を用いて以下の式4に示すように設定できる。
PF6 ≧ RF6 × {VMAX/(R6+RF6)} ・・・ (式4)
以上説明したように、実施の形態1によるスイッチ素子の温度検出回路は、電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチ30および温度検出ダイオード2を設けたスイッチ素子9の内部温度を検出する温度検出回路1であって、
前記スイッチ素子9の外部に配置された前記温度検出回路1は、前記温度検出ダイオード2の順方向に定電流を流す定電流手段3と、前記定電流手段3と前記温度検出ダイオード2のアノード端子4との間および前記温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間にそれぞれ配置された外来ノイズ侵入防止のための2つの抵抗6、7と、前記2つの抵抗6、7の両端電圧および前記温度検出ダイオード2の順方向電圧の総和を検出する電圧検出手段8を備え、前記温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置された抵抗7の定格電力は、前記スイッチ素子9に供給する電源電圧の最大値の2乗を抵抗値で除して得られる値以上に設定する。
実施の形態1によるスイッチ素子の温度検出回路の効果について、以下に述べる。
実施の形態1の構成によれば、温度検出回路1において、スイッチ素子9の温度検出ダイオード2のアノード端子4およびカソード端子5に、それぞれ直列に抵抗6、抵抗7を配置している。
そして、温度検出ダイオード2の周波数特性および配線パターンに応じて抵抗6および抵抗7の抵抗値を選定することによって、温度検出ダイオード2への外来ノイズの侵入を防ぎ、外来ノイズによる温度誤検出を防止できる。
また、スイッチ素子9の外部に外来ノイズ対策用の抵抗(すなわち、抵抗6および抵抗7)を配置するので、スイッチ素子9のサイズを大きくすることなく、外来ノイズ対策用の抵抗の定格電力を上げることができる。
従って、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、外来ノイズ対策用の抵抗によって電源からGNDへの貫通電流を防止できる。
さらに、外来ノイズ対策を目的とした抵抗値の設定と貫通電流対策を目的とした抵抗の定格電力の設定を分けて考えることができるので、貫通電流対策のために抵抗値を大きくすることが無く、従って温度検出精度の低下も招かず、温度検出回路1の設計が容易にできる。
加えて、温度検出回路側で外来ノイズ対策や貫通電流対策を実施するので、スイッチ素子9を使用するシステムの電源電圧や基板の配線パターンが変わっても、スイッチ素子9自体は設計を変更する必要がなく、スイッチ素子9の汎用性を確保できる。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
実施の形態1の構成と比較して、カソード端子5の電圧を検出する第2の電圧検出手段11が追加されている。
また、カソード端子5とGNDの間にスイッチ手段10が追加され、第2の電圧検出手段11で検出した電圧に基づいてスイッチ手段10の導通/非導通を切替える制御手段12が新たに設けられている。
第2の電圧検出手段11は、電圧検出手段8と同じく、例えば、トランジスタやオペアンプを使った作動増幅回路が考えられる。
また、スイッチ手段10は、例えば、トランジスタやMOSFETなどの半導体スイッチが考えられる。
そして、制御手段12としては、例えば、マイコンやASICのようなロジック回路あるいはコンパレータのような比較器などが考えられる。
制御手段12の動作について、図3に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、フローチャートのステップS100において、第2の電圧検出手段11で検出した電圧値を取得する。
そしてステップS101では、ステップS100において取得した電圧値が所定の電圧しきい値以上であれば、ステップS102へ移行し、ステップS102ではスイッチ手段10を非導通に設定して処理を終了する。
一方、ステップS101において、ステップS100において取得した電圧値が所定の電圧しきい値未満であれば、ステップS103へ移行し、ステップS103においてスイッチ手段10を導通に設定して、ステップS100へと戻り、処理を続ける。
なお、ステップS101における所定の電圧しきい値としては、例えば、スイッチ素子9に供給する電源電圧に基づいて設定する方法が考えられる。すなわち、電圧しきい値を電源電圧の最小値とすることでスイッチ素子9の内部において半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2のカソード側が短絡したことが確実に検出できる。
また、電源電圧の最小値から温度検出ダイオードの順方向電圧降下分を差し引いて電圧しきい値を設定すれば、スイッチ素子9の内部において半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2のアノード側が短絡したことも検出できる。
あるいは、ステップS101における所定の電圧しきい値として、抵抗7の定格電圧に基づき設定する方法が考えられる。
すなわち、抵抗7の定格電圧に抵抗7の温度ディレーティングおよび設計安全係数(例えば、0.7とか、0.8)を乗じて、所定の電圧しきい値として設定すれば、スイッチ素子9の内部において、半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2のアノード側が短絡した場合でも、抵抗7が耐圧超過で故障する前に電源からの電流を遮断できる。
以上説明したように、実施の形態2によるスイッチ素子の温度検出回路は、前述した実施の形態1の構成に対して、さらに、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間に配置されたスイッチ手段10と、温度検出ダイオード2のカソード端子5の電圧を検出する第2の電圧検出手段11と、第2の電圧検出手段11が検出した電圧値に基づいてスイッチ手段10の導通/非導通を切替える制御手段12を備え、制御手段12は、第2の電圧検出手段11が検出した電圧値が所定の電圧しきい値以上ならば、スイッチ手段10を非導通にする。
なお、所定の電圧しきい値は、スイッチ素子9に供給する電源電圧に基づいて設定してもよいし、あるいはダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置した抵抗7の定格電圧に基づいて設定してもよい。
実施の形態2によれば、前述した実施の形態1によるスイッチ素子の温度検出回路の効果に加えて、さらに、以下の効果がある。
実施の形態2の構成によれば、スイッチ素子の温度検出回路において、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間にスイッチ手段10を設け、GNDに対する温度検出ダイオード2のカソード端子電圧が電源電圧になった場合は、スイッチ手段10を非導通にすることにより、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流を遮断できるので、抵抗の発熱も抑えられる。
また、GNDに対する温度検出ダイオード2のカソード端子電圧が、抵抗の定格電圧になる前にスイッチ手段10を非導通にすることにより、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流を遮断できる。したがって、抵抗の定格電力を下げても貫通電流が防止できる。
さらに、温度検出ダイオード2のカソード端子5の電圧値に応じてスイッチ手段10を非導通にするので、スイッチ素子9の内部で温度検出ダイオード2のアノード端子4と半導体スイッチ30が短絡故障しても、温度検出ダイオード2を通じてカソード端子電圧に異常電圧を検出できるので、温度検出ダイオード2のアノード端子4側の電圧検出回路が削減できる。
あるいは、温度検出ダイオード2のカソード端子5の電圧値に応じてスイッチ手段10を非導通にするので、異常電圧を検出し、スイッチ手段10を非導通にした後もGNDに対するカソード端子電圧は変わらず、スイッチ手段10のラッチ回路を不要にできる。
ここで、実施の形態2の変形例について、図4を用いて以下に説明しておく。
前述した実施の形態2の説明では、スイッチ手段10を温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に設けた場合について説明したが、これに限らず、図4に示すように、スイッチ手段10は温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間だけでなく、定電流手段3と抵抗6の間にも設けても良い。
そして、制御手段12が出力する切替え信号に応じて、温度検出ダイオード2のアノード側とカソード側の両方のスイッチ手段10の導通/非導通を切替えることで、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流を遮断でき、安心である。
また、定電流手段3が温度検出ダイオード2のアノード端子4の上流側にある回路構成について説明したが、これに限らず、図4のように定電流手段3が温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間にあってもよい。
そして、図4の場合については、例えば、前述したように第2の電圧検出手段11で検出する温度検出ダイオード2のカソード電圧が、スイッチ素子9に供給する電源電圧になった場合は、温度検出ダイオード2のアノード側とカソード側の両方のスイッチ手段10を非導通に切替えることで、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流が遮断でき、安心である。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
実施の形態2の構成と比較して、カソード端子5の電圧を検出する第2の電圧検出手段11がなくなり、代わりに抵抗7を流れる電流を検出する電流検出手段13が新たに追加されている。
電流検出手段13としては、例えば、トランジスタやオペアンプを使った作動増幅回路に抵抗7の両端電圧を入力し、その出力電圧(すなわち、作動増幅回路の出力電圧)を抵抗7の電流値に比例した値として得る方法が考えられる。
そして、制御手段12は、電流検出手段13が検出した電流値に基づいて、スイッチ手段10の導通/非導通を切替える。
以下、実施の形態3における制御手段12の動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図6に示すフローチャートのステップS200において、電流検出手段13で検出した電流値を取得する。そしてステップS201では、取得した電流値が所定の電流しきい値以上であれば、ステップS202へ移行し、取得した電流値が所定の電流しきい値未満であれば、ステップS203へ移行する。
なお、ステップS201における所定の電流しきい値としては、例えば、定電流手段3の定電流値に基づいて設定する方法が考えられる。
すなわち、電流検出手段13が検出する電流値が、定電流手段3が供給する電流の出力誤差を含めた上限値を超えたとき、スイッチ手段10を非導通にすれば、定電流手段3以外からの電流の侵入を検知して、その電流を遮断できる。
また、ステップS201における所定の電流しきい値として、例えば、温度検出ダイオード2の定格電流に基づいて設定する方法も考えられる。すなわち、温度検出ダイオード2の定格電流値にスイッチ素子9の使用温度範囲の最大値に応じた温度検出ダイオード2の温度ディレーティングおよび設計安全係数(例えば、0.7とか、0.8)を乗じた値を所定の電流しきい値として設定すれば、スイッチ素子9の内部において半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2のアノード側が短絡した場合でも、温度検出ダイオード2を破壊することなく、電源からの電流を遮断できる。
さらに、ステップS201における所定の電流しきい値として、例えば、スイッチ手段10の定格電流に基づいて設定する方法が考えられる。すなわち、スイッチ手段10の定格電流値にスイッチ手段10の温度ディレーティングおよび設計安全係数(例えば、0.7とか、0.8)を乗じた値を所定の電流しきい値として設定すれば、スイッチ素子9の内部において半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2とが短絡故障しても、スイッチ手段10が壊れる前に、電源からの電流を遮断できる。
あるいは、ステップS201における所定の電流しきい値として、例えば、温度検出回路1を形成する基板の信号配線の定格電流に基づいて設定する方法が考えられる。
すなわち、基板の信号配線の定格電流値に基板の温度ディレーティングおよび設計安全係数(例えば、0.7とか、0.8)を乗じた値を所定の電流しきい値として設定すれば、スイッチ素子9の内部において半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2とが短絡故障しても、基板の信号配線が過電流で焼き切れる前に、電源からの電流を遮断できる。
以上説明したように、実施の形態3によるスイッチ素子の温度検出回路は、前述した実施の形態1の構成に対して、さらに、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間に配置されたスイッチ手段10と、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置された抵抗7を流れる電流を検出する電流検出手段13と、電流検出手段13が検出した電流値に基づいてスイッチ手段10の導通/非導通を切替える制御手段12を備え、制御手段12は、電流検出手段13が検出した電流値が所定の電流しきい値以上ならば、スイッチ手段10を非導通にする。
実施の形態3の構成によれば、スイッチ素子の温度検出回路において、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に抵抗7を流れる電流を検出する電流検出手段13を設け、抵抗7を流れる電流が定電流値を超えた場合は、スイッチ手段10を非導通にする。従って、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流を遮断でき、抵抗の発熱も抑えられる。あるいは、温度検出回路などの小信号を扱うGNDに対して、電源からの比較的大きな電流を流し続けることがなく、電源からの電流によるGNDの電位浮きも防止できる。
また、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間の抵抗7を流れる電流が温度検出ダイオード2の定格電流になる前にスイッチ手段10を非導通にすることにより、スイッチ素子9の内部で温度検出ダイオード2のアノード端子4と半導体スイッチ30が短絡故障しても、温度検出ダイオード2の過電流破壊を防止できる。
さらに、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間の抵抗7を流れる電流が、スイッチ手段10の定格電流になる前にスイッチ手段10を非導通にすることによって、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ手段10の過電流破壊を防止できる。したがって、スイッチ手段10のサイズも小さくできる。
加えて、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間の抵抗7を流れる電流が、基板パターンの電流容量を超える前にスイッチ手段10を非導通にすることにより、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、電源からの電流による基板パターンの焼損が防止できる。
以上では、スイッチ手段10が温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置する方法について説明したが、本実施の形態はこれに限らず、スイッチ手段10は温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間だけでなく、定電流手段3と抵抗6の間にも設けても良い。
そして、制御手段12が出力する切替え信号に応じて、温度検出ダイオード2のアノード側、カソード側、両方のスイッチ手段10の導通、非導通を切替えることで、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流が遮断でき、安心である。
実施の形態4.
図7は、実施の形態4による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。実施の形態3の構成と比較して、抵抗6を流れる電流を検出する第2の電流検出手段14が新たに追加されている。
第2の電流検出手段14としては、電流検出手段13と同じく、例えば、トランジスタやオペアンプを使った作動増幅回路に抵抗6の両端電圧を入力し、その出力電圧(すなわち、作動増幅回路の出力電圧)を抵抗6の電流値に比例した値として得る方法が考えられる。そして、制御手段12は、電流検出手段13が検出した電流値および第2の電流検出手段14が検出した電流値に基づいて、スイッチ手段10の導通/非導通を切替える。
以下、制御手段12の動作につき、図8に示すフローチャートをもとに説明する。
まず、図8に示すフローチャートのステップS300において、電流検出手段13で検出した抵抗7の電流値i7 を取得する。
次にステップS301では、第2の電流検出手段14で検出した抵抗6の電流値 i6を取得する。
そして、ステップS302では、電流値i6と電流値i7が実質的に等しくなければ、ステップS303へ移行し、それ以外であれば、ステップS304へ移行する。
なお、ここでいう実質的とは、電流検出手段13および第2の電流検出手段14の検出誤差を差し引いても、電流値i6と電流値i7が異なることを意味する。
図7および図8に示すように、実施の形態4によるスイッチ素子の温度検出回路は、前述した実施の形態3の構成に対して、さらに、定電流手段3と前記温度検出ダイオード2のアノード端子4との間に配置された抵抗6を流れる電流を検出する第2の電流検出手段と、電流検出手段13および第2の電流検出手段14が検出した電流値に基づいてスイッチ手段10の導通/非導通を切替える制御手段12を備え、制御手段12は、電流検出手段13において検出された電流値が、第2の電流検出手段14において検出された電流値と実質的に等しくないとき、スイッチ手段10を非導通にする。
実施の形態4の構成によれば、スイッチ素子の温度検出回路において、温度検出ダイオード2のカソード端子5およびアノード端子4に、それぞれ、直列に外来ノイズ対策用の抵抗6、7を配置し、それぞれの抵抗を流れる電流を検出し、電流のアンバランスが生じている場合は、制御手段12はスイッチ手段10を非導通にするので、カソード端子5側の抵抗7が短絡して電流が検出できなくても、貫通電流を遮断できる。
以上では、スイッチ手段10が温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置する方法について説明したが、本実施の形態はこれに限らず、スイッチ手段10は温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間だけでなく、定電流手段3と抵抗6の間にも設けても良い。
そして、制御手段12が出力する切替え信号に応じて、温度検出ダイオード2のアノード側とカソード側の両方のスイッチ手段の導通/非導通を切替えることで、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子9に供給する電源からの電流が遮断でき、安心である。
実施の形態5.
図9は、実施の形態5における「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
以下、実施の形態5では、実施の形態2による「スイッチ素子の温度検出回路」をインバータに適用した場合について述べる。
実施の形態2の構成と比較すると、スイッチ素子9はインバータの下アームを構成しており、上アームを構成するスイッチ素子15は、インバータの制御に応じたゲート駆動信号と制御手段12が出力する信号とのアンド論理に基づいて導通/非導通を切替える。
また、スイッチ手段10が削減されている。
第2の電圧検出手段11は、温度検出ダイオード2のカソード電圧を検出し、制御手段12に出力する。
そして、制御手段12では、図3に示すフローチャートと同様の手順により、上アームを構成するスイッチ素子15に導通/非導通を切替える信号を出力する。
上アームを構成するスイッチ素子15の駆動回路には、ロジックICやトランジスタやダイオードで構成されるアンド回路40が備えられており、制御手段12が非導通信号を出力すると、上アームを構成するスイッチ素子15は非導通に切替える。
したがって、下アームを構成するスイッチ素子9の内部において、半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2とが短絡故障しても、上アームを構成するスイッチ素子15を非導通にすることによって、電源からの貫通電流を防止できる。
以上説明したように、実施の形態5によるスイッチ素子の温度検出回路は、実施の形態2の構成において、さらに、電源とスイッチ素子9の間にインバータの上アームを構成する第2のスイッチ素子15が配置されており、温度検出ダイオード2のカソード端子の電圧を検出する第2の電圧検出手段11と、第2の電圧検出手段11が検出した電圧値に基づいて第2のスイッチ素子15に非導通信号を出力する制御手段12を備え、
制御手段12は、第2の電圧検出手段11が検出した電圧値が所定の電圧しきい値以上ならば、第2のスイッチ素子15に非導通信号を出力する。
実施の形態5の構成によれば、インバータの下アームを構成する温度検出ダイオード2を備えたスイッチ素子9の温度検出回路において、GNDに対する温度検出ダイオードのカソード端子電圧が所定の電圧しきい値以上であれば、インバータの上アームを構成するスイッチ素子15を非導通にするので、電源からの貫通電流を遮断できるとともに、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間のスイッチ手段10を削減できる。
なお、本実施の形態では、温度検出ダイオード2のカソード電圧値に基づいて上アームを構成するスイッチ素子15の導通/非導通を切替える方法を説明したが、本実施の形態は、これに限られるものではなく、例えば、実施の形態3あるいは実施の形態4のように抵抗を流れる電流に基づいて上アームを構成するスイッチ素子15の導通/非導通を切替える方法であってもよい。
本実施の形態と同じく、実施の形態3あるいは実施の形態4のスイッチ手段10を、上アームを構成するスイッチ素子15に置き換えることで、同じ効果が期待できる。
実施の形態6.
図10は、実施の形態6による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
図10において、スイッチ素子は、複数(少なくとも2つ以上)存在し、温度検出回路1は、各スイッチ素子9、91に対応して、定電流手段3、外来ノイズ対策用の抵抗6、抵抗7、電圧検出手段8およびスイッチ手段10を備えている。
また、各スイッチ素子9、91の「温度検出ダイオード2のカソード端子5の電圧」を検出し、その最大値を取り出す最大電圧検出手段50が新たに追加されている。
そして、制御手段12は、最大電圧検出手段50が出力する温度検出ダイオード2のカソード電圧の最大値をもとに、すべてのスイッチ手段10の導通/非導通を切替える。
最大電圧検出手段50としては、例えば、各温度検出ダイオード2のカソード電圧値をワイヤードオア回路で接続する方法が考えられる。
そして、制御手段12は、図3に示したフローチャートと同じように、図3のステップS100において、最大電圧検出手段50で検出した温度検出ダイオード2のカソード電圧の最大値を取得し、ステップS101で所定の電圧しきい値以上であれば、ステップS102に移行し、すべてのスイッチ手段10を非導通に設定する。
ここで、所定の電圧しきい値としては、実施の形態2で説明したように、電源電圧とする方法や、抵抗7の定格電圧とする方法が考えられ、いずれの方法を用いても、電源からの貫通電流を遮断できる。
以上説明したように、実施の形態6によるスイッチ素子の温度検出回路は、電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチ30および温度検出ダイオード2を設けた複数のスイッチ素子9、91に対する温度検出回路1であって、
温度検出回路1は、複数のスイッチ素子9、91のそれぞれに対応して、2つの抵抗6、7の両端電圧と温度検出ダイオード2の順方向電圧の総和を検出する複数の電圧検出手段8と、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDの間に配置された複数のスイッチ手段10と、複数のスイッチ素子9、91の温度検出ダイオード2のカソード電圧を検出し、その最大値を取り出す最大電圧検出手段50と、最大電圧検出手段50が検出する最大値に基づいて、前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、
制御手段12は、温度検出ダイオード2のカソード端子5の電圧の最大値が所定の電圧しきい値以上であれば、全てのスイッチ手段10を非導通にする。
なお、所定の電圧しきい値は、スイッチ素子9に供給する電源電圧に基づいて設定してもよいし、あるいはダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置した抵抗7の定格電圧に基づいて設定してもよい。
実施の形態6の構成によれば、温度検出用のダイオードを備えた少なくとも2つ以上のスイッチ素子9に対する温度検出回路において、各スイッチ素子の温度検出ダイオード2のカソード電圧をワイヤードオア接続し、複数の電圧検出手段8が検出する温度検出ダイオード2のカソード電圧の最大値を検出する。そして、接続点の電圧が所定の電圧しきい値以上であれば、すべてのスイッチ手段を非導通にするので、多数のスイッチ素子を要するインバータにおいて制御手段の数が低減できる。
以上では、スイッチ手段10が温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間に配置する方法について説明したが、本実施の形態はこれに限らず、スイッチ手段10は、温度検出ダイオード2のカソード端子5とGNDとの間だけでなく、定電流手段3と抵抗6の間にも設けても良い。そして、制御手段12が出力する切替え信号に応じて、温度検出ダイオード2のアノード側およびカソード側の両方のスイッチ手段10の導通/非導通を切替えることで、スイッチ素子9の内部で半導体スイッチ30と温度検出ダイオード2が短絡故障しても、スイッチ素子に供給する電源からの電流が遮断でき、安心である。
外来ノイズの侵入によるスイッチ素子内部の温度検出ダイオードの温度誤検出を防げるとともに、スイッチ素子内部において半導体スイッチと温度検出ダイオードとが短絡故障しても、電源からGNDへの貫通電流を防ぐことができる「スイッチ素子の温度検出回路」の実現に有用である。
1 温度検出回路 2 温度検出ダイオード
3 定電流手段 4 アノード端子
5 カソード端子 6、7 抵抗
8 電圧検出手段 9、91 スイッチ素子
10 スイッチ手段 11 第2の電圧検出手段
12 制御手段 13 電流検出手段
14 第2の電流検出手段 15 上アームを構成するスイッチ素子
20 電源端子 30 半導体スイッチ
40 アンド回路 50 最大電圧検出手段
本発明に係るスイッチ素子の温度検出回路は、電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチおよび温度検出ダイオードを設けたスイッチ素子の内部温度を検出する温度検出回路であって、 前記スイッチ素子の外部に配置された前記温度検出回路は、前記温度検出ダイオードの順方向に定電流を流す定電流手段と、前記定電流手段と前記温度検出ダイオードのアノード端子との間および前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間にそれぞれ配置された外来ノイズ侵入防止のための2つの抵抗と、前記2つの抵抗の両端電圧と前記温度検出ダイオードの順方向電圧の総和を検出する第1の電圧検出手段と、前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDの間に配置されたスイッチ手段と、前記温度検出ダイオードのカソード端子の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値に基づいて前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値が所定の電圧しきい値以上ならば、前記スイッチ手段を非導通にするものである。
なお、図1において、半導体スイッチ30は、MOSFETだけでなく、IGBTであってもよい。
また、定電流手段3としては、例えば定電流ダイオードやカレントミラー回路のようなトランジスタを使った定電流回路が考えられる。
電圧検出手段8としては、例えばトランジスタやオペアンプなどを使った差動増幅回路が考えられる。
電圧検出手段8で得られる電圧には、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧が含まれるが、抵抗値および抵抗を流れる電流値が一定なので、抵抗による電圧降下も一定となり、温度検出ダイオード2の「温度−電圧特性」に応じた電圧変化が検出できる。
そして、電圧検出手段8で検出される電圧変化に基づいて、温度検出ダイオード2の温度を求めることができる。
第2の電圧検出手段11は、電圧検出手段8と同じく、例えば、トランジスタやオペアンプを使った差動増幅回路が考えられる。
また、スイッチ手段10は、例えば、トランジスタやMOSFETなどの半導体スイッチが考えられる。
そして、制御手段12としては、例えば、マイコンやASICのようなロジック回路あるいはコンパレータのような比較器などが考えられる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。
実施の形態2の構成と比較して、カソード端子5の電圧を検出する第2の電圧検出手段11がなくなり、代わりに抵抗7を流れる電流を検出する電流検出手段13が新たに追加されている。
電流検出手段13としては、例えば、トランジスタやオペアンプを使った差動増幅回路に抵抗7の両端電圧を入力し、その出力電圧(すなわち、差動増幅回路の出力電圧)を抵抗7の電流値に比例した値として得る方法が考えられる。
そして、制御手段12は、電流検出手段13が検出した電流値に基づいて、スイッチ手段10の導通/非導通を切替える。
実施の形態4.
図7は、実施の形態4による「スイッチ素子の温度検出回路」の構成を示すブロック図である。実施の形態3の構成と比較して、抵抗6を流れる電流を検出する第2の電流検出手段14が新たに追加されている。
第2の電流検出手段14としては、電流検出手段13と同じく、例えば、トランジスタやオペアンプを使った差動増幅回路に抵抗6の両端電圧を入力し、その出力電圧(すなわち、差動増幅回路の出力電圧)を抵抗6の電流値に比例した値として得る方法が考えられる。そして、制御手段12は、電流検出手段13が検出した電流値および第2の電流検出手段14が検出した電流値に基づいて、スイッチ手段10の導通/非導通を切替える。

Claims (12)

  1. 電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチおよび温度検出ダイオードを設けたスイッチ素子の内部温度を検出する温度検出回路であって、
    前記スイッチ素子の外部に配置された前記温度検出回路は、前記温度検出ダイオードの順方向に定電流を流す定電流手段と、前記定電流手段と前記温度検出ダイオードのアノード端子との間および前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間にそれぞれ配置された外来ノイズ侵入防止のための2つの抵抗と、前記2つの抵抗の両端電圧と前記温度検出ダイオードの順方向電圧の総和を検出する電圧検出手段を備え、
    前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間に配置された抵抗の定格電力は、前記スイッチ素子に供給する電源電圧の最大値の2乗を抵抗値で除して得られる値以上に設定することを特徴とするスイッチ素子の温度検出回路。
  2. 前記温度検出ダイオード2のカソード端子とGNDの間に配置されたスイッチ手段と、前記温度検出ダイオードのカソード端子の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値に基づいて前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値が所定の電圧しきい値以上ならば、前記スイッチ手段を非導通にすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  3. 前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDの間に配置されたスイッチ手段と、前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDとの間に配置された抵抗を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段が検出した電流値に基づいて前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した電流値が所定の電流しきい値以上ならば、前記スイッチ手段を非導通にすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  4. 前記所定の電流しきい値は、前記定電流手段の電流値に基づいて設定することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  5. 前記所定の電流しきい値は、前記ダイオードの定格電流に基づいて設定することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  6. 前記所定の電流しきい値は、前記スイッチ手段の定格電流に基づいて設定することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  7. 前記所定の電流しきい値は、前記スイッチ素子の温度検出回路を形成する基板の信号配線の電流定格に基づいて設定することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  8. 前記定電流手段と前記温度検出ダイオードのアノード端子との間に配置された抵抗を流れる電流を検出する第2の電流検出手段と、前記電流検出手段および前記第2の電流検出手段が検出した電流値に基づいて前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記電流検出手段において検出された電流値が、前記第2の電流検出手段において検出された電流値と実質的に等しくないとき、前記スイッチ手段を非導通にすることを特徴とする請求項3に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  9. 電源と前記スイッチ素子の間にインバータの上アームを構成する第2のスイッチ素子が配置されており、
    前記温度検出ダイオードのカソード端子の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値に基づいて前記第2のスイッチ素子に非導通信号を出力する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記第2の電圧検出手段が検出した電圧値が所定の電圧しきい値以上ならば、第2のスイッチ素子に非導通信号を出力することを特徴とする請求項2に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  10. 電源から供給される電流を導通/非導通とする半導体スイッチおよび温度検出ダイオード2を設けた複数のスイッチ素子に対する温度検出回路であって、
    前記温度検出回路は、複数のスイッチ素子のそれぞれに対応して、前記2つの抵抗の両端電圧と前記温度検出ダイオードの順方向電圧の総和を検出する複数の電圧検出手段と、前記温度検出ダイオードのカソード端子とGNDの間に配置された複数のスイッチ手段と、前記各スイッチ素子の前記温度検出ダイオードのカソード端子電圧を検出し、その最大値を取り出す最大電圧検出手段と、前記最大電圧検出手段が検出する最大値に基づいて、前記スイッチ手段の導通/非導通を切替える制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出ダイオードのカソード端子の電圧の最大値が所定の電圧しきい値以上であれば、全ての前記スイッチ手段を非導通にすることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  11. 前記所定の電圧しきい値は、スイッチ素子に供給する電源電圧に基づいて設定することを特徴とする請求項2、9、10のいずれか1項に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
  12. 前記所定の電圧しきい値は、前記ダイオードのカソード端子とGNDとの間に配置した抵抗7の定格電圧に基づいて設定することを特徴とする請求項2、9、10のいずれか1項に記載のスイッチ素子の温度検出回路。
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