JP2013214676A - 剥離システム、剥離方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】重合基板から剥離された被処理基板を適切に保持し、当該被処理基板に対する処理を適切に行う。
【解決手段】保持部60は、重合ウェハTから剥離された被処理ウェハWに対して所定の処理を行う際、当該被処理ウェハWを吸引して保持する。保持部60は、複数の孔が形成されたポーラス61と、被処理ウェハWを吸引する吸引部材62とを有している。吸引部材62は、中心領域63と外周領域64とに区画されている。保持部60は、中心領域63と外周領域64毎に被処理ウェハWを吸引する吸引圧力を設定可能になっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離システム、当該剥離システムを用いた剥離方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
近年、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」とする)の大口径化が進んでいる。また、実装などの特定の工程において、ウェハの薄型化が求められている。そして、例えば大口径で薄いウェハを、そのまま搬送したり、研磨処理したりすると、ウェハに反りや割れが生じる恐れがある。このため、ウェハを補強するために、0例えば支持基板であるウェハやガラス基板にウェハを貼り付けることが行われている。そして、このようにウェハと支持基板が接合された状態でウェハの研磨処理等の所定の処理が行われた後、ウェハと支持基板が剥離される。
かかるウェハと支持基板の剥離は、例えば剥離装置を用いて行われる。例えば特許文献1には、熱酸化膜を形成した支持基板に、デバイスが形成されたウェハを直接接合し、その後ウェハの剥離を行う剥離装置が提案されている。この剥離装置は、例えばウェハを保持する第1ホルダーと、支持基板を保持する第2ホルダーと、ウェハと支持基板との間に液体を噴射するノズルとを有している。そして、この剥離装置では、ノズルから接合されたウェハと支持基板との間、すなわちウェハと支持基板との接合面に、当該ウェハと支持基板との間の接合強度より大きい噴射圧、好ましくは接合強度より2倍以上大きい噴射圧で液体を噴射することにより、ウェハと支持基板の剥離が行われている。
特開平9−167724号公報
ところで、ウェハと支持基板が剥離されると、剥離されたウェハは所定の処理装置に搬送され、当該処理装置においてウェハに所定の処理が行われる。この処理が適切に行われるためには、例えば保持部にウェハが水平に保持される必要がある。
しかしながら、ウェハ上にはデバイスが形成されており、しかもウェハは薄型化されているため、ウェハの外周部が反る場合がある。かかる場合、保持部の外周部では外部の空気も吸引するため、ウェハを吸引する力が中心部に比べて弱くなり、外周部が反ったウェハを水平に保持することができない場合がある。そうすると、ウェハに対する所定の処理を適切に行うことができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、重合基板から剥離された被処理基板を適切に保持し、当該被処理基板に対する処理を適切に行うことを目的とする。ことを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に剥離する剥離システムであって、重合基板から剥離された被処理基板に対して所定の処理を行う際、当該被処理基板を吸引して保持する保持部を有し、前記保持部の表面には、複数の孔が形成された多孔質体が設けられ、前記保持部は、少なくとも中心領域と当該中心領域の外側の外周領域とに区画され、当該中心領域と外周領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴としている。
本発明によれば、保持部が被処理基板を保持する際、中心領域と外周領域において異なる吸引圧力で被処理基板を吸引することができる。例えば被処理基板が下方に突出した反り形状を有する場合、中心領域に比べて外周領域における吸引圧力を大きくする。かかる場合、被処理基板の中心部は適切に吸引されると共に、保持部の外周領域において外部の空気を吸引したとしても、被処理基板の外周部を適切に吸引することができる。このため、保持部では、被処理基板の反りを矯正して、被処理基板を適切に保持することができる。なお、保持部の中心領域に比べて外周領域における吸引圧力を大きくしても、実際には被処理基板の中心部に比べて外周部を吸引する力が小さくなることはあるが、被処理基板の反りを矯正できる程度に保持部の外周領域における吸引圧力を設定すればよい。また、例えば被処理基板が上方に突出した反り形状を有する場合においても、被処理基板の反りを矯正できる程度に、中心領域の吸引圧力と外周領域の吸引圧力を設定すればよい。そうすると、保持部によって被処理基板の反りを矯正することができる。また、このように適切な吸引圧力で被処理基板を吸引することによって、被処理基板の位置ずれを抑制することもできる。さらに、このように適切な吸引圧力で被処理基板を吸引することによって、被処理基板の外周部のチッピングを防止することもできる。以上のよう本発明によれば、保持部において被処理基板を適切に保持することができ、当該被処理基板に対する処理を適切に行うことができる。
前記外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であってもよい。
前記剥離システムは、重合基板から剥離された被処理基板を環状のフレームの内側に配置して、テープを介して被処理基板と前記フレームを一体化するマウント装置を有し、前記マウント装置は前記保持部を有していてもよい。
前記剥離システムは、重合基板から剥離された被処理基板の表面を洗浄する洗浄装置を有し、前記洗浄装置は前記保持部を有していてもよい。
前記洗浄装置における前記保持部の前記外周領域の表面は、側面視において、内側から外側に向かって下方に傾斜していてもよい。
重合基板は環状のフレームの内側に配置されて、被処理基板の非接合面と前記フレームの表面に貼り付けられたテープにより保持され、前記外周領域は、第1の外周領域と当該第1の外周領域の外側の第2の外周領域とに区画され、当該第1の外周領域と第2の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、前記第2の外周領域は、被処理基板より外側の前記テープに対応する位置に形成されていてもよい。
前記第1の外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であってもよい。
前記剥離システムは、重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置を備えた処理ステーションと、前記処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有していてもよい。
別な観点による本発明は、被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に剥離する剥離方法であって、重合基板から剥離された被処理基板に対して所定の処理を行う際、当該被処理基板は保持部に吸引されて保持され、前記保持部の表面には、複数の孔が形成された多孔質体が設けられ、且つ前記保持部は、少なくとも中心領域と当該中心領域の外側の外周領域とに区画され、当該中心領域と外周領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、前記保持部が被処理基板を保持する際、前記中心領域と前記外周領域において異なる吸引圧力で被処理基板を吸引することを特徴としている。
前記外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であってもよい。
重合基板から剥離された被処理基板を環状のフレームの内側に配置して、テープを介して被処理基板と前記フレームを一体化するマウント装置において、前記保持部で被処理基板が保持されてもよい。
重合基板から剥離された被処理基板の表面を洗浄する洗浄装置において、前記保持部で被処理基板が保持されてもよい。
前記洗浄装置における前記保持部の前記外周領域の表面は、側面視において、内側から外側に向かって下方に傾斜していてもよい。
重合基板は環状のフレームの内側に配置され、被処理基板の非接合面と前記フレームの表面に貼り付けられたテープにより保持され、前記外周領域は、第1の外周領域と当該第1の外周領域の外側の第2の外周領域とに区画され、当該第1の外周領域と第2の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、前記保持部が被処理基板を保持する際、前記中心領域と前記外周領域において異なる吸引圧力で被処理基板を吸引し、前記第2の外周領域において被処理基板より外側の前記テープを吸引してもよい。
前記第1の外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であってもよい。
また別な観点による本発明によれば、前記剥離方法を剥離システムによって実行させるために、当該剥離システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、重合基板から剥離された被処理基板を適切に保持し、当該被処理基板に対する処理を適切に行うことができる。
本実施の形態にかかる剥離システムの構成の概略を示す平面図である。 被処理ウェハと支持ウェハの側面図である。 保持部の構成の概略を示す縦断面図である。 保持部の構成の概略を示す平面図である。 保持部が下方に突出した被処理ウェハの反りを矯正する様子を示す説明図である。 保持部が上方に突出した被処理ウェハの反りを矯正する様子を示す説明図である。 剥離装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第1の洗浄装置の構成の概略を示す横断面図である。 第2の洗浄装置の構成の概略を示す縦断面図である。 第2の搬送装置の構成の概略を示す側面図である。 反転装置の構成の概略を示す縦断面図である。 検査装置の構成の概略を示す縦断面図である。 検査装置の構成の概略を示す横断面図である。 マウント装置の構成の概略を示す縦断面図である。 剥離処理の主な工程を示すフローチャートである。 重合ウェハを予備加熱する様子を示す説明図である。 重合ウェハを第2の保持部に載置した様子を示す説明図である。 第1の保持部と第2の保持部で重合ウェハを保持した様子を示す説明図である。 第2の保持部を鉛直方向及び水平方向に移動させる様子を示す説明図である。 被処理ウェハと支持ウェハを剥離した様子を示す説明図である。 剥離装置の第1の保持部から第2の搬送装置のベルヌーイチャックに被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。 第2の搬送装置のベルヌーイチャックから第1の洗浄装置のポーラスチャックに被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。 第3の搬送装置のベルヌーイチャックから反転装置の第2の保持部に被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。 反転装置の第2の保持部から第1の保持部に被処理ウェハを受け渡す様子を示す説明図である。 反転装置の第2の保持部から第1の保持部に被処理ウェハが受け渡された状態を示す説明図である。 反転装置の第1の保持部から第3の搬送装置のベルヌーイチャックに被処理ウェハが受け渡された状態を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる保持部の構成の概略を示す平面図である。 他の実施の形態にかかる保持部の構成の概略を示す縦断面図である。 他の実施の形態においてダイシングフレームとダイシングテープに保持された重合ウェハの縦断面図である。 他の実施の形態においてダイシングフレームとダイシングテープに保持された重合ウェハの平面図である。 他の実施の形態にかかる保持部の構成の概略を示す縦断面図である。 他の実施の形態にかかる保持部の構成の概略を示す平面図である。 他の実施の形態にかかる保持部の構成の概略を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる剥離システム1の構成の概略を示す平面図である。
剥離システム1では、図2に示すように被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとが接着剤Gで接合された重合基板としての重合ウェハTを、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを介して支持ウェハSと接合される面を「接合面W」といい、当該接合面Wと反対側の面を「非接合面W」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着剤Gを介して被処理ウェハWと接合される面を「接合面S」といい、当該接合面Sと反対側の面を「非接合面S」という。なお、被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面W上に複数の電子回路等を備えた複数のデバイスが形成されている。また被処理ウェハWは、例えば非接合面Wが研磨処理され、薄型化(例えば厚みが50μm〜100μm)されている。支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と同じ径の円板形状を有し、当該被処理ウェハWを支持するウェハである。なお、本実施の形態では、支持基板としてウェハを用いた場合について説明するが、例えばガラス基板等の他の基板を用いてもよい。
剥離システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション2と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接する後処理ステーション4との間で被処理ウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2と処理ステーション3は、X方向(図1中の上下方向)に並べて配置されている。これら搬入出ステーション2と処理ステーション3との間には、ウェハ搬送領域6が形成されている。インターフェイスステーション5は、処理ステーション3のY方向負方向側(図1中の左方向側)に配置されている。インターフェイスステーション5のX方向正方向側(図1中の上方向側)には、後処理ステーション4に受け渡す前の被処理ウェハWを検査する検査装置7が配置されている。また、インターフェイスステーション5を挟んで検査装置7の反対側、すなわちインターフェイスステーション5のX方向負方向側(図1中の下方向側)には、検査後の被処理ウェハWの接合面W及び非接合面Wの洗浄と、被処理ウェハWの表裏面の反転を行う検査後洗浄ステーション8が配置されている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、Y方向(図1中の左右方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、剥離システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように搬入出ステーション2は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと、欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
またカセット載置台10には、重合ウェハTの水平方向の向きを調節する位置調節装置12が設けられている。なお位置調節装置12は、複数の重合ウェハTを収容してバッファとしても機能している。
ウェハ搬送領域6には、第1の搬送装置20が配置されている。第1の搬送装置20は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。第1の搬送装置20は、ウェハ搬送領域6内を移動し、搬入出ステーション2と処理ステーション3との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
処理ステーション3は、重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離する剥離装置30を有している。剥離装置30のY方向負方向側(図1中の左方向側)には、剥離された被処理ウェハWを洗浄する第1の洗浄装置31が配置されている。剥離装置30と第1の洗浄装置31との間には、第2の搬送装置32が設けられている。また、剥離装置30のY方向正方向側(図1中の右方向側)には、剥離された支持ウェハSを洗浄する第2の洗浄装置33が配置されている。このように処理ステーション3には、第1の洗浄装置31、第2の搬送装置32、剥離装置30、第2の洗浄装置33が、インターフェイスステーション5側からこの順で並べて配置されている。
検査装置7では、剥離装置30により剥離された被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無等が検査される。また、検査後洗浄ステーション8では、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認された被処理ウェハWの洗浄が行われる。この検査後洗浄ステーション8は、被処理ウェハWの接合面Wを洗浄する接合面洗浄装置40、被処理ウェハWの非接合面Wを洗浄する非接合面洗浄装置41、被処理ウェハWの表裏面を上下反転させる反転装置42を有している。これら接合面洗浄装置40、非接合面洗浄装置41、反転装置42は、後処理ステーション4側からY方向に並べて配置されている。
インターフェイスステーション5には、Y方向に延伸する搬送路50上を移動自在な第3の搬送装置51が設けられている。第3の搬送装置51は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、処理ステーション3、後処理ステーション4、検査装置7及び検査後洗浄ステーション8との間で被処理ウェハWを搬送できる。
なお、後処理ステーション4では、処理ステーション3で剥離された被処理ウェハWに所定の後処理を行う。所定の後処理としては、例えば被処理ウェハWをマウントする処理や、被処理ウェハW上のデバイスの電気的特性の検査を行う処理、被処理ウェハWをチップ毎にダイシングする処理などが行われる。そして、後処理ステーション4には、例えば後述する被処理ウェハWをマウントするマウント装置320が設けられている。
ここで、上述した剥離システム1において、重合ウェハTから剥離された被処理ウェハWに対して所定の処理を行う際、当該被処理ウェハWを吸引して保持する保持部について説明する。なお本実施の形態では、上述した所定の処理は、被処理ウェハWをマウントする処理と、被処理ウェハWを洗浄する処理である。
図3及び図4に示すように保持部60には、ポーラスチャックが用いられる。保持部60は、被処理ウェハWの非接合面Wと当接する多孔質体としてのポーラス61と、ポーラス61の下面側に設けられ、被処理ウェハWを吸引する吸引部材62とを有している。
ポーラス61には、複数の孔が形成されている。またポーラス61は、平面視において円形状を有し、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有している。なおポーラス61としては、多孔質であれば種々の材料を用いることができ、例えばカーボン、アルミナ、炭化ケイ素、テフロン(デュポン社の登録商標)が用いられる。但し、被処理ウェハWへの損傷の防止を鑑みると、カーボンを用いるのがより好ましい。
吸引部材62は平面視において円形状を有し、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有している。吸引部材62は、中心領域63と外周領域64とに区画されている。中心領域63は、平面視において円形状を有している。外周領域64は中心領域63の外側に形成され、平面視において環状形状を有している。なお、例えば300mmの径を有する被処理ウェハWを用いた場合、中心領域63と外周領域64の境目は例えば中心からの距離が200mmの位置である。
中心領域63には、吸引管65が設けられている。吸引管65は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置66に接続されている。そして中心領域63では、吸引管65からポーラス61を介して被処理ウェハWの非接合面Wが均一に吸引される。また外周領域64には、吸引管67が設けられている。吸引管67は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置68に接続されている。そして外周領域64では、吸引管67からポーラス61を介して被処理ウェハWの非接合面Wが均一に吸引される。以上のように保持部60では、中心領域63と外周領域64毎に個別の負圧発生装置66、68が設けられ、当該中心領域63と外周領域64毎に被処理ウェハWを吸引する吸引圧力を設定可能になっている。そして、保持部60が被処理ウェハWを保持する際、中心領域63と外周領域64において異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することができる。
例えば図5に示すように被処理ウェハWが下方に突出した反り形状を有する場合、中心領域63に比べて外周領域64における吸引圧力を大きくする。かかる場合、被処理ウェハWの中心部は適切に吸引されると共に、保持部60の外周部において外部の空気を吸引したとしても、被処理ウェハWの外周部を適切に吸引することができる。このため、保持部60では、被処理ウェハWの反りを矯正して、被処理ウェハWを適切に保持することができる。なお、保持部60の中心領域63に比べて外周領域64における吸引圧力を大きくしても、実際に被処理ウェハWの中心部に比べて外周部を吸引する力が小さくなることはあるが、被処理ウェハWの反りを矯正できる程度に保持部60の外周領域64における吸引圧力を設定すればよい。
また例えば図6に示すように、被処理ウェハWが上方に突出した反り形状を有する場合においても、被処理ウェハWの反りを矯正できる程度に、保持部60の中心領域63の吸引圧力と外周領域64の吸引圧力を設定すればよい。
次に、上述した剥離装置30の構成について説明する。剥離装置30は、図7に示すように、内部を密閉可能な処理容器100を有している。処理容器100の側面には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器100の底面には、当該処理容器100の内部の雰囲気を排気する排気口101が形成されている。排気口101には、例えば真空ポンプなどの排気装置102に連通する排気管103が接続されている。
処理容器100の内部には、被処理ウェハWを下面で吸着保持する第1の保持部110と、支持ウェハSを上面で載置して保持する第2の保持部111とが設けられている。第1の保持部110は、第2の保持部111の上方に設けられ、第2の保持部111と対向するように配置されている。すなわち、処理容器100の内部では、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で、重合ウェハTに剥離処理が行われる。
第1の保持部110には、例えばポーラスチャックが用いられている。第1の保持部110は、平板状の本体部120を有している。本体部120の下面側には、多孔質体であるポーラス121が設けられている。ポーラス121は、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有し、当該被処理ウェハWの非接合面Wと当接している。なお、ポーラス121としては、多孔質であれば種々の材料を用いることができ、例えばカーボン、アルミナ、炭化ケイ素、テフロン(デュポン社の登録商標)が用いられる。但し、被処理ウェハWへの損傷の防止を鑑みると、カーボンを用いるのがより好ましい。
また、本体部120の内部であってポーラス121の上方には吸引空間122が形成されている。吸引空間122は、例えばポーラス121を覆うように形成されている。吸引空間122には、吸引管123が接続されている。吸引管123は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。そして、吸引管123から吸引空間122とポーラス121を介して被処理ウェハの非接合面Wが吸引され、当該被処理ウェハWが第1の保持部110に吸着保持される。
また、本体部120の内部であって吸引空間122の上方には、被処理ウェハWを加熱する加熱機構124が設けられている。加熱機構124には、例えばヒータが用いられる。
第1の保持部110の上面には、当該第1の保持部110を支持する支持板130が設けられている。支持板130は、処理容器100の天井面に支持されている。なお、本実施の形態の支持板130を省略し、第1の保持部110は処理容器100の天井面に当接して支持されてもよい。
第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを吸着保持するための吸引管140が設けられている。吸引管140は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置(図示せず)に接続されている。
また、第2の保持部111の内部には、支持ウェハSを加熱する加熱機構141が設けられている。加熱機構141には、例えばヒータが用いられる。
第2の保持部111の下方には、第2の保持部111及び支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向に移動させる移動機構150が設けられている。移動機構150は、第2の保持部111を鉛直方向に移動させる鉛直移動部151と、第2の保持部111を水平方向に移動させる水平移動部152とを有している。
鉛直移動部151は、第2の保持部111の下面を支持する支持板160と、支持板160を昇降させて第1の保持部110と第2の保持部111を鉛直方向に接近、離隔させる駆動部161と、支持板160を支持する支持部材162とを有している。駆動部161は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。また、支持部材162は、鉛直方向に伸縮自在に構成され、支持板160と後述する支持体171との間に例えば4箇所に設けられている。なお、複数の支持部材162はそれぞれ個別に昇降可能に構成され、これら支持部材162を個別に昇降させることで支持板160、すなわち第2の保持部111の表面の平面度を調節してもよい。
水平移動部152は、X方向(図7中の左右方向)に沿って延伸するレール170と、レール170に取り付けられる支持体171と、支持体171をレール170に沿って移動させる駆動部172とを有している。駆動部172は、例えばボールネジ(図示せず)と当該ボールネジを回動させるモータ(図示せず)とを有している。
なお、第2の保持部111の下方には、重合ウェハT又は支持ウェハSを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは第2の保持部111に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、第2の保持部111の上面から突出可能になっている。
次に、上述した第1の洗浄装置31の構成について説明する。第1の洗浄装置31は、図8に示すように内部を密閉可能な処理容器180を有している。処理容器180の側面には、被処理ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器180内の中央部には、被処理ウェハWを保持して回転させるチャック190が設けられている。チャック190は、平板状の本体部191を有している。本体部191の上面側には、上述した保持部60が配置されている。保持部60は、被処理ウェハWの非接合面Wを吸着保持する。
チャック190の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部192が設けられている。チャック190は、チャック駆動部192により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部192には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、チャック190は昇降自在になっている。
チャック190の周囲には、被処理ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ193が設けられている。カップ193の下面には、回収した液体を排出する排出管194と、カップ193内の雰囲気を真空引きして排気する排気管195が接続されている。
図9に示すようにカップ193のX方向負方向(図9中の下方向)側には、Y方向(図9中の左右方向)に沿って延伸するレール200が形成されている。レール200は、例えばカップ193のY方向負方向(図9中の左方向)側の外方からY方向正方向(図9中の右方向)側の外方まで形成されている。レール200には、アーム201が取り付けられている。
アーム201には、図8及び図9に示すように被処理ウェハWに洗浄液、例えば有機溶剤を供給する洗浄液ノズル203が支持されている。アーム201は、図9に示すノズル駆動部204により、レール200上を移動自在である。これにより、洗浄液ノズル203は、カップ193のY方向正方向側の外方に設置された待機部205からカップ193内の被処理ウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該被処理ウェハW上を被処理ウェハWの径方向に移動できる。また、アーム201は、ノズル駆動部204によって昇降自在であり、洗浄液ノズル203の高さを調節できる。
洗浄液ノズル203には、例えば2流体ノズルが用いられる。洗浄液ノズル203には、図8に示すように当該洗浄液ノズル203に洗浄液を供給する供給管210が接続されている。供給管210は、内部に洗浄液を貯留する洗浄液供給源211に連通している。供給管210には、洗浄液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群212が設けられている。また、洗浄液ノズル203には、当該洗浄液ノズル203に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する供給管213が接続されている。供給管213は、内部に不活性ガスを貯留するガス供給源214に連通している。供給管213には、不活性ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群215が設けられている。そして、洗浄液と不活性ガスは洗浄液ノズル203内で混合され、当該洗浄液ノズル203から被処理ウェハWに供給される。なお、以下においては、洗浄液と不活性ガスを混合したものを単に「洗浄液」という場合がある。
なお、チャック190の下方には、被処理ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられていてもよい。かかる場合、昇降ピンはチャック190に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、チャック190の上面から突出可能になっている。そして、チャック190を昇降させる代わりに昇降ピンを昇降させて、チャック190との間で被処理ウェハWの受け渡しが行われる。
なお、上述した検査後洗浄ステーション8の接合面洗浄装置40と非接合面洗浄装置41の構成は、この第1の洗浄装置31の構成と同様であるので説明を省略する。
また、第2の洗浄装置33の構成は、上述した第1の洗浄装置31の構成とほぼ同様である。第2の洗浄装置33には、図10に示すように第1の洗浄装置31のチャック190に代えて、スピンチャック220が設けられる。スピンチャック220は、水平な上面を有し、当該上面には、例えば支持ウェハSを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、支持ウェハSをスピンチャック220上に吸着保持できる。第2の洗浄装置33のその他の構成は、上述した第1の洗浄装置31の構成と同様であるので説明を省略する。
なお、第2の洗浄装置33において、スピンチャック220の下方には、支持ウェハSの裏面、すなわち非接合面Wに向けて洗浄液を噴射するバックリンスノズル(図示せず)が設けられていてもよい。このバックリンスノズルから噴射される洗浄液によって、支持ウェハSの非接合面Sと支持ウェハSの外周部が洗浄される。
次に、上述した第2の搬送装置32の構成について説明する。第2の搬送装置32は、図11に示すように被処理ウェハWを保持するベルヌーイチャック230を有している。ベルヌーイチャック230は、支持アーム231に支持されている。支持アーム231は、第1の駆動部232に支持されている。この第1の駆動部232により、支持アーム231は水平軸周りに回動自在であり、且つ水平方向に伸縮できる。第1の駆動部232の下方には、第2の駆動部233が設けられている。この第2の駆動部233により、第1の駆動部232は鉛直軸周りに回転自在であり、且つ鉛直方向に昇降できる。
なお、第3の搬送装置51は、上述した第2の搬送装置32と同様の構成を有しているので説明を省略する。但し、第3の搬送装置51の第2の駆動部232は、図1に示した搬送路50に取り付けられ、第3の搬送装置51は搬送路50上を移動可能になっている。
次に、上述した反転装置42の構成について説明する。反転装置42は、図12に示すように、内部を密閉可能な処理容器240を有している。処理容器240の側面には、被処理ウェハWの搬入出を行うための搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口(図示せず)には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器240の底面には、当該処理容器240の内部の雰囲気を排気する排気口250が形成されている。排気口250には、例えば真空ポンプなどの排気装置251に連通する排気管252が接続されている。
処理容器240の内部には、被処理ウェハWを下面で保持する第1の保持部260と、被処理ウェハWを上面で保持する第2の保持部261とが設けられている。第1の保持部260は、第2の保持部261の上方に設けられ、第2の保持部261と対向するように配置されている。第1の保持部260及び第2の保持部261は、例えば被処理ウェハWをほぼ同じ直径を有している。また、第1の保持部260及び第2の保持部261にはベルヌーイチャックが用いられている。これにより、第1の保持部260及び第2の保持部261は、被処理ウェハWの片面の全面をそれぞれ非接触で保持することができる。
第1の保持部260の上面には、第1の保持部260を支持する支持板262が設けられている。なお、本実施の形態の支持板262を省略し、第1の保持部260は処理容器240の天井面に当接して支持されていてもよい。
第2の保持部261の下方には、当該第2の保持部261を鉛直方向に移動させる移動機構270が設けられている。移動機構270は、第2の保持部261の下面を支持する支持板271と、支持板271を昇降させて第1の保持部260と第2の保持部261を鉛直方向に接近、離間させる駆動部272を有している。駆動部272は、処理容器240の底面に設けられた支持体273により支持されている。また、支持体273の上面には支持板271を支持する支持部材274が設けられている。支持部材274は、鉛直方向に伸縮自在に構成され、駆動部272により支持板271を昇降させる際に、自由に伸縮することができる。
次に、上述した検査装置7の構成について説明する。検査装置7は、図13及び図14に示すように処理容器280を有している。処理容器280の側面には、被処理ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器280内には、被処理ウェハWを保持するベルヌーイチャック290が設けられている。なお、被処理ウェハWはベルヌーイチャック290によって非接触の状態で保持される。
ベルヌーイチャック290の下方には、チャック駆動部291が設けられている。このチャック駆動部291により、ベルヌーイチャック290は回転自在になっている。また、チャック駆動部291は、処理容器280内の底面に設けられ、Y方向に沿って延伸するレール292上に取付けられている。このチャック駆動部291により、ベルヌーイチャック290はレール292に沿って移動できる。すなわち、ベルヌーイチャック290は、被処理ウェハWを処理容器280の外部との間で搬入出するための受渡位置P1と、被処理ウェハWのノッチ部の位置を調整するアライメント位置P2との間を移動できる。
アライメント位置P2には、ベルヌーイチャック290に保持された被処理ウェハWのノッチ部の位置を検出するセンサ293が設けられている。センサ293によってノッチ部の位置を検出しながら、チャック駆動部291によってベルヌーイチャック290を回転させて、被処理ウェハWのノッチ部の位置を調節することができる。
処理容器280のアライメント位置P2側の側面には、撮像装置300が設けられている。撮像装置300には、例えば広角型のCCDカメラが用いられる。処理容器280の上部中央付近には、ハーフミラー301が設けられている。ハーフミラー301は、撮像装置300と対向する位置に設けられ、鉛直方向から45度傾斜して設けられている。ハーフミラー301の上方には、照度を変更することができる照明装置302が設けられ、ハーフミラー301と照明装置302は、処理容器280の上面に固定されている。また、撮像装置300、ハーフミラー301及び照明装置302は、ベルヌーイチャック290に保持された被処理ウェハWの上方にそれぞれ設けられている。そして、照明装置302からの照明は、ハーフミラー301を通過して下方に向けて照らされる。したがって、この照射領域にある物体の反射光は、ハーフミラー301で反射して、撮像装置300に取り込まれる。すなわち、撮像装置300は、照射領域にある物体を撮像することができる。そして、撮像した被処理ウェハWの画像は、後述する制御部350に出力され、制御部350において被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無が検査される。
次に、上述した後処理ステーション4のマウント装置の構成について説明する。マウント装置は、後処理ステーション4の構成の一部であって、一連の後処理工程のうち、重合ウェハTから剥離された被処理ウェハWを環状のダイシングフレームの内側に配置して、ダイシングテープを介して被処理ウェハWとダイシングフレームを一体化する。
図15に示すようにマウント装置320は、被処理ウェハWとダイシングフレームFを載置する載置台321を有している。載置台321の上面には、上述した被処理ウェハWを保持する保持部60が配置される。保持部60は、被処理ウェハWの非接合面Wを吸着保持する。また載置台321の上面であって保持部60の外側には、ダイシングフレームFを載置するフレーム保持部322が配置されている。ダイシングフレームFは、平面視において略円形状を有し、且つ内側に重合ウェハTの外周部に沿った開口部が形成された環状形状を有している。そして、フレーム保持部322は、このダイシングフレームFの形状に対応して環状形状を有している。なおダイシングフレームFには、例えばステンレス鋼が用いられる。
載置台321の上方には、ダイシングフレームFを昇降させて、当該ダイシングフレームFを載置台321のフレーム保持部322に載置する昇降機構(図示せず)が設けられている。
さらに、ダイシングフレームFの昇降機構の上方には、ダイシングテープPを巻き取った一対のロール323、323が設けられている。また、ロール323、323には昇降機構(図示せず)が設けられている。このロール323、323と昇降機構等を用いて、ダイシングテープPがダイシングフレームFの表面と被処理ウェハWの非接合面Wに貼り付けられる。なお、このダイシングテープPの貼り付け方法は、一般的な機構を用いて一般的な行うことができる。ここでは、その説明を省略する。そして、マウント装置320では、ダイシングフレームFの内側の開口部に被処理ウェハWが配置された状態で、ダイシングテープPを介して被処理ウェハWとダイシングフレームFが一体化される。
以上の剥離システム1には、図1に示すように制御部350が設けられている。制御部350は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、剥離システム1における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、剥離システム1における後述の剥離処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部350にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成された剥離システム1を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理方法について説明する。図16は、かかる剥離処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の重合ウェハTを収容したカセットC、空のカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。第1の搬送装置20によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、位置調節装置12に搬送される。このとき、重合ウェハTは、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で搬送される。そして、位置調節装置12において、重合ウェハTのノッチ部の位置を検出しながら当該重合ウェハTの向きが調節される。その後、重合ウェハTは第1の搬送装置20によって処理ステーション3の剥離装置30に搬送される。
剥離装置30に搬入された重合ウェハTは、予め上昇していた昇降ピン(図示せず)に受け渡される。そして、図17に示すように重合ウェハTは、第1の保持部110と第2の保持部111との間で、当該第1の保持部110と第2の保持部111のいずれにも接触しない位置に配置される。この状態で所定の時間経過後、重合ウェハTは加熱機構124、141によって予備加熱される。かかる予備加熱によって、後述するように第1の保持部110で被処理ウェハWを吸着保持して加熱しても、当該被処理ウェハWの熱膨張を抑制することができる。このため、常温の被処理ウェハを第1の保持部で加熱する従来の場合に比べて、本実施の形態の方が、被処理ウェハWの反りを抑制すると共に、被処理ウェハWと第1の保持部110が擦れ合って発生するパーティクルを抑制することができる。
その後、図18に示すように重合ウェハTは、第2の保持部111に吸着保持される。そして、所定の時間経過後、重合ウェハWは加熱機構124、141によって所定の温度、例えば200℃〜250℃に加熱される。そうすると、重合ウェハT中の接着剤Gが軟化する。その後、移動機構150により第2の保持部111を上昇させて、図19に示すように第1の保持部110と第2の保持部111で重合ウェハTを挟み込んで保持する。このとき、第1の保持部110に被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持され、第2の保持部111に支持ウェハSの非接合面Sが吸着保持される。
続いて、加熱機構124、141によって重合ウェハTを加熱して接着剤Gの軟化状態を維持しながら、図20に示すように移動機構150によって第2の保持部111と支持ウェハSを鉛直方向及び水平方向、すなわち斜め下方に移動させる。そして、図21に示すように第1の保持部110に保持された被処理ウェハWと、第2の保持部111に保持された支持ウェハSとが剥離される(図16の工程A1)。
工程A1において、第2の保持部111は、鉛直方向に100μm移動し、且つ水平方向に300mm移動する。ここで、本実施の形態では、重合ウェハT中の接着剤Gの厚みは例えば30μm〜40μmであって、被処理ウェハWの接合面Wに形成されたデバイス(バンプ)の高さは例えば20μmである。したがって、被処理ウェハW上のデバイスと支持ウェハSとの間の距離が微小となる。そこで、例えば第2の保持部111を水平方向にのみ移動させた場合、デバイスと支持ウェハSが接触し、デバイスが損傷を被るおそれがある。この点、本実施の形態のように第2の保持部111を水平方向に移動させると共に鉛直方向にも移動させることによって、デバイスと支持ウェハSとの接触を回避し、デバイスの損傷を抑制することができる。なお、この第2の保持部111の鉛直方向の移動距離と水平方向の移動距離の比率は、被処理ウェハW上のデバイス(バンプ)の高さに基づいて設定される。
その後、剥離装置30で剥離された被処理ウェハWは、第2の搬送装置32によって第1の洗浄装置31に搬送される。ここで、第2の搬送装置32による被処理ウェハWの搬送方法について説明する。
図22に示すように第2の搬送装置32の支持アーム231を伸長させて、ベルヌーイチャック230を第1の保持部110に保持された被処理ウェハWの下方に配置する。その後、ベルヌーイチャック230を上昇させ、第1の保持部110における吸引管123からの被処理ウェハWの吸引を停止する。そして、第1の保持部110からベルヌーイチャック230に被処理ウェハWが受け渡される。その後、ベルヌーイチャック230を所定の位置まで下降させる。なお、被処理ウェハWはベルヌーイチャック230によって非接触の状態で保持される。このため、被処理ウェハWの接合面W上のデバイスが損傷を被ることなく被処理ウェハWが保持される。なお、このとき、第2の保持部111は第1の保持部110に対向する位置まで移動する。
次に図23に示すように、第2の搬送装置32の支持アーム231を回動させてベルヌーイチャック230を第1の洗浄装置31のチャック190の上方に移動させると共に、ベルヌーイチャック230を反転させて被処理ウェハWを下方に向ける。このとき、チャック190をカップ193よりも上方まで上昇させて待機させておく。その後、ベルヌーイチャック230からチャック190の保持部60に被処理ウェハWが受け渡され吸着保持される。このように保持部60が被処理ウェハWを保持する際、被処理ウェハWの反りを矯正するように中心領域63と外周領域64において異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引する。
このようにチャック190の保持部60に被処理ウェハWが吸着保持されると、チャック190を所定の位置まで下降させる。続いて、アーム201によって待機部204の洗浄液ノズル202を被処理ウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、チャック190によって被処理ウェハWを回転させながら、洗浄液ノズル202から被処理ウェハWの接合面Wに洗浄液を供給する。供給された洗浄液は遠心力により被処理ウェハWの接合面Wの全面に拡散されて、当該被処理ウェハWの接合面Wが洗浄される(図16の工程A2)。
ここで、上述したように搬入出ステーション2に搬入された複数の重合ウェハTには予め検査が行われており、正常な被処理ウェハWを含む重合ウェハTと欠陥のある被処理ウェハWを含む重合ウェハTとに判別されている。
正常な重合ウェハTから剥離された正常な被処理ウェハWは、工程A2で接合面Wが洗浄された後、非接合面Wが下方を向いた状態で第3の搬送装置51によって検査装置7に搬送される。なお、この第3の搬送装置51による被処理ウェハWの搬送は、上述した第2の搬送装置32による被処理ウェハWの搬送とほぼ同様であるので説明を省略する。
検査装置7に搬送された被処理ウェハWは、受渡位置P1においてベルヌーイチャック290上に保持される。続いて、チャック駆動部291によってベルヌーイチャック290をアライメント位置P2まで移動させる。次に、センサ293によって被処理ウェハWのノッチ部の位置を検出しながら、チャック駆動部291によってベルヌーイチャック290を回転させる。そして、被処理ウェハWのノッチ部の位置を調整して、当該被処理ウェハWを所定の向きに配置する。
その後、チャック駆動部291によってベルヌーイチャック290をアライメント位置P2から受渡位置P1に移動させる。そして、被処理ウェハWがハーフミラー301の下を通過する際に、照明装置302から被処理ウェハWに対して照明を照らす。この照明による被処理ウェハW上での反射光は撮像装置300に取り込まれ、撮像装置300において被処理ウェハWの接合面Wの画像が撮像される。撮像された被処理ウェハWの接合面Wの画像は制御部350に出力され、制御部350において、被処理ウェハWの接合面Wにおける接着剤Gの残渣の有無が検査される(図16の工程A3)。
検査装置7において接着剤Gの残渣が確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51により検査後洗浄ステーション8の接合面洗浄装置40に搬送され、接合面洗浄装置40において接合面W上の接着剤Gが除去される(図16の工程A4)。なお、この工程A4は、上述した工程A2と同様であるので説明を省略する。また、例えば検査装置7において接着剤Gの残渣がないと確認された場合、工程A4を省略してもよい。
接合面Wが洗浄されると、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって反転装置42に搬送され、反転装置42により表裏面を反転、すなわち上下方向に反転される(図16の工程A5)。ここで、反転装置42による被処理ウェハWの反転方法について説明する。
接合面洗浄装置40で接合面Wが洗浄された被処理ウェハWは、図24に示すように、第3の搬送装置51のベルヌーイチャック230により接合面Wを保持された状態で反転装置42に搬送される。そして、被処理ウェハWは、反転装置42の第2の保持部261に接合面Wを上方に向けた状態で受け渡され、第2の保持部261により被処理ウェハWの非接合面Wの全面が保持される。
次いで、第3の搬送装置51のベルヌーイチャック230を第2の保持部261の上方から退避させ、その後、駆動部283により第2の保持部261を上昇、換言すれば、図25に示すように第1の保持部260に接近させる。そして、第1の保持部260により被処理ウェハWの接合面Wを保持すると共に、第2の保持部261による被処理ウェハWの保持を停止して、被処理ウェハWを第1の保持部260に受け渡す。これにより図26に示すように、被処理ウェハWが第1の保持部260により、非接合面Wを下方に向けた状態で保持される。
その後、第2の保持部261を下降させて第1の保持部260と第2の保持部261を離隔し、次いで退避していた第3の搬送装置51のベルヌーイチャック230を水平軸回りに回動させる。そして、ベルヌーイチャック230が上方を向いた状態で、当該ベルヌーイチャック230を第1の保持部260の下方に配置する。次いでベルヌーイチャック230を上昇させ、それと共に第1の保持部260による被処理ウェハWの保持を停止する。これにより、接合面洗浄装置40に搬入される際にベルヌーイチャック230により接合面Wを保持されていた被処理ウェハWは、図27に示すように、ベルヌーイチャック230により非接合面Wが保持された状態となる。すなわち、ベルヌーイチャック230により保持される被処理ウェハの面の表裏が反転した状態となる。その後、被処理ウェハWの非接合面Wを保持した状態で、ベルヌーイチャック230を反転装置42から退避させる。
なお、検査装置7において接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは接合面洗浄装置40に搬送されることなく反転装置42にて被処理ウェハWの反転が行われるが、反転の方法については、上述の方法と同様である。
その後、被処理ウェハWを保持した状態で第3の搬送装置51のベルヌーイチャック230を水平軸回りに回動させ、被処理ウェハWを上下方向に反転させる。そして、被処理ウェハWは、非接合面Wが上方を向いた状態でベルヌーイチャック230により再び検査装置7に搬送され、非接合面Wの検査が行われる(図16の工程A6)。そして、非接合面Wにパーティクルの汚れが確認された場合、被処理ウェハWは第3の搬送装置51によって非接合面洗浄装置41に搬送され、非接合面洗浄装置41において非接合面Wが洗浄される(図16の工程A7)。なお、この工程A7は、上述した工程A2と同様であるので説明を省略する。また、例えば検査装置7において接着剤Gの残渣がないと確認された場合、工程A7を省略してもよい。
次いで、洗浄された被処理ウェハWは、第3の搬送装置51によって後処理ステーション4に搬送される。なお、検査装置7で接着剤Gの残渣が確認されなかった場合には、被処理ウェハWは非接合面洗浄装置41に搬送されることなくそのまま後処理ステーション4に搬送される。
その後、後処理ステーション4において被処理ウェハWに所定の後処理が行われる(図16の工程A8)。すなわち、マウント装置320において、ダイシングテープPを介して被処理ウェハWとダイシングフレームFが一体化された後、処理ウェハW上のデバイスの電気的特性の検査が行われ、被処理ウェハWがチップ毎にダイシングされる。こうして、被処理ウェハWが製品化される。なお、マウント装置320において保持部60が被処理ウェハWを保持する際、被処理ウェハWの反りを矯正するように中心領域63と外周領域64において異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引する。
一方、欠陥のある重合ウェハTから剥離された欠陥のある被処理ウェハWは、工程A2及びA3で接合面Wが洗浄された後、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、欠陥のある被処理ウェハWは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図16の工程A9)。
被処理ウェハWに上述した工程A2〜A9が行われている間、剥離装置30で剥離された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって第2の洗浄装置33に搬送される。そして、第2の洗浄装置33において、支持ウェハSの接合面S上の接着剤が除去されて、接合面Sが洗浄される(図16の工程A10)。なお、工程A10における支持ウェハSの洗浄は、上述した工程A2における被処理ウェハW上の接着剤Gの除去と同様であるので説明を省略する。
その後、接合面Sが洗浄された支持ウェハSは、第1の搬送装置20によって搬入出ステーション2に搬送される。その後、支持ウェハSは、搬入出ステーション2から外部に搬出され回収される(図16の工程A11)。こうして、一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、保持部60が被処理ウェハWを保持する際、中心領域63と外周領域64において異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することができる。上述したように被処理ウェハWが下方に突出した場合や上方に突出したいずれの場合でも、被処理ウェハWの反りを矯正できる程度に保持部60の中心領域63の吸引圧力と外周領域64の吸引圧力を適切に設定することで、被処理ウェハWの反りを矯正することができる。また、このように適切な吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することによって、被処理ウェハWの位置ずれを抑制することもできる。さらに、このように適切な吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することによって、被処理ウェハWの外周部のチッピングを防止することもできる。したがって、保持部60において被処理ウェハWを適切に保持することができ、当該被処理ウェハWに対する処理を適切に行うことができる。
また本実施の形態において、保持部60は、処理ステーション3の第1の洗浄装置31と、後処理ステーション4のマウント装置320とに設けられている。すなわち、剥離装置30で重合ウェハTが被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離された以降の処理において、被処理ウェハWを保持部60で適切に保持することができる。したがって、処理ウェハWに対する処理を適切に行うことができる。なお、剥離装置30以降のその他の処理、例えば検査装置7における被処理ウェハWの検査や、反転装置42における被処理ウェハWの表裏面の反転では、被処理ウェハWはベルヌーイチャックで保持されるので、保持部60による保持は不要である。
また以上の実施の形態の剥離システム1によれば、剥離装置30において重合ウェハTを被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離した後、第1の洗浄装置31において、剥離された被処理ウェハWを洗浄すると共に、第2の洗浄装置33において、剥離された支持ウェハSを洗浄することができる。このように本実施の形態によれば、一の剥離システム1内で、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄までの一連の剥離処理を効率よく行うことができる。また、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において、被処理ウェハWの洗浄と支持ウェハSの洗浄をそれぞれ並行して行うことができる。さらに、剥離装置30において被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離する間に、第1の洗浄装置31と第2の洗浄装置33において別の被処理ウェハWと支持ウェハSを処理することもできる。したがって、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離を効率よく行うことができ、剥離処理のスループットを向上させることができる。
また、このように一連のプロセスにおいて、被処理ウェハWと支持ウェハSの剥離から被処理ウェハWの後処理まで行うことができるので、ウェハ処理のスループットをさらに向上させることができる。
以上の実施の形態の保持部60において、図28に示すように外周領域64は複数、例えば4つの外周領域64a〜64dに区画されていてもよい。各外周領域64a〜64には、負圧発生装置68に連通する吸引管67がそれぞれ設けられている。そして、保持部60が被処理ウェハWを保持する際、外周領域64a〜64d毎に被処理ウェハWを吸引する吸引圧力を設定可能になっており、各外周領域64a〜64dにおいて異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することができる。なお外周領域64を区画する数は、本実施の形態に限定されず、任意に設定することができる。
ここで、例えば被処理ウェハWの外周部において、その反り状態が異なる場合がある。すなわち、例えば被処理ウェハWの外周部において一の場所では反り量が大きいが、他の場所では反り量が小さい場合がある。かかる場合、本実施の形態では、被処理ウェハWの外周部の反り量に応じて、各外周領域64a〜64dにおける吸引圧力を設定することができる。したがって、保持部60は、より効率よく被処理ウェハWの反りを矯正して、当該被処理ウェハWをより適切に保持することができる。
また以上の実施の形態において、第1の洗浄装置31における保持部60の外周領域64の表面、すなわちポーラス61の表面は、図29に示すように側面視において、内側から外側に向かって下方に傾斜していてもよい。第1の洗浄装置31では、上述したようにチャック駆動部192によって保持部60は回転する。保持部60が回転すると、当該保持部60に保持された被処理ウェハWの外周部には遠心力が作用し、外周領域64が被処理ウェハWの外周部をより吸引し難くなる。また保持部60が回転することによって、外周領域64に乱流が生じ易くなる。このため、被処理ウェハWの外周部の反りを矯正し難くなる。この点、本実施の形態では、保持部60のポーラス61の表面を内側から外側に向かって下方に傾斜させることによって、当該ポーラス61の表面に倣い、被処理ウェハWの外周部は内側から外側に向かって下方に吸引され易くなる。したがって、被処理ウェハWの反りをより適切に矯正することができる。
以上の実施の形態の剥離システム1において、図30及び図31に示すようにダイシングテープPを介してダイシングフレームFと一体化された重合ウェハTを剥離してもよい。
ダイシングフレームFは、平面視において略円形状を有し、且つ内側に重合ウェハTの外周部に沿った開口部が形成された環状形状を有している。そして重合ウェハTは、ダイシングフレームFの内側の開口部に配置される。またダイシングテープPは、ダイシングフレームFの表面Fと被処理ウェハWの非接合面Wに貼り付けられている。こうして、重合ウェハTはダイシングフレームFとダイシングテープPに保持されている。なおダイシングフレームFには、例えばステンレス鋼が用いられる。また本実施の形態において、ダイシングフレームFは円環状の構成を有していたが、ダイシングフレームFの外周部は例えば略矩形状等の種々の形状を取り得る。
そして剥離システム1において、重合ウェハTは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持された状態で、被処理ウェハWと支持ウェハSに剥離される。また、剥離された被処理ウェハWは、ダイシングフレームFとダイシングテープPに保持された状態で搬送され、後続の処理が行われる。
かかる場合、本発明における所定の処理は、剥離された被処理ウェハWを洗浄する処理である。そして第1の洗浄装置31では、上記実施の形態の保持部60に代えて、例えば図32に示す保持部400が用いられる。
保持部保持部400には、ポーラスチャックが用いられる。保持部400は、被処理ウェハWの非接合面Wと当接する多孔質体としてのポーラス401と、ポーラス61の下面側に設けられ、被処理ウェハWを吸引する吸引部材402とを有している。
ポーラス401には、複数の孔が形成されている。またポーラス401は、平面視において円形状を有し、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有している。なおポーラス401としては、多孔質であれば種々の材料を用いることができ、例えばカーボン、アルミナ、炭化ケイ素、テフロン(デュポン社の登録商標)が用いられる。但し、被処理ウェハWへの損傷の防止を鑑みると、カーボンを用いるのがより好ましい。
吸引部材402は平面視において円形状を有し、例えば被処理ウェハWとほぼ同じ径を有している。吸引部材402は、中心領域403、第1の外周領域404、第2の外周領域405に区画されている。中心領域403は、平面視において円形状を有している。第1の外周領域404は中心領域403の外側に形成され、平面視において環状形状を有している。中心領域403と第1の外周領域404は、被処理ウェハWに対応する位置に形成されている。また、第2の外周領域405は第1の外周領域404のさらに外側に形成され、平面視において環状形状を有している。第2の外周領域405は、被処理ウェハWより外側のダイシングテープPに対応する位置に形成されている。
中心領域403には、吸引管406が設けられている。吸引管406は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置407に接続されている。そして中心領域403では、吸引管406からポーラス401を介して被処理ウェハWの非接合面Wが均一に吸引される。また第1の外周領域404には、吸引管408が設けられている。吸引管408は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置409に接続されている。そして第1の外周領域404では、吸引管408からポーラス401を介して被処理ウェハWの非接合面Wが均一に吸引される。また第2の外周領域405には、吸引管410が設けられている。吸引管410は、例えば真空ポンプなどの負圧発生装置411に接続されている。そして第2の外周領域405では、吸引管410からポーラス401を介して被処理ウェハWの非接合面Wが均一に吸引される。以上のように保持部400では、中心領域403、第1の外周領域404、第2の外周領域405毎に個別の負圧発生装置407、409、411が設けられ、当該中心領域403、第1の外周領域404、第2の外周領域405毎に被処理ウェハWを吸引する吸引圧力を設定可能になっている。そして、保持部400が被処理ウェハWを保持する際、中心領域403、第1の外周領域404、第2の外周領域405において異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することができる。
かかる場合、保持部400は、中心領域403と第1の外周領域404で被処理ウェハWを吸引して保持しつつ、第2の外周領域405で被処理ウェハWより外側のダイシングテープPを吸引して保持することができる。このように第2の外周領域405でダイシングテープPも保持することによって、当該ダイシングテープPが被処理ウェハW又はダイシングフレームFから剥離するのを防止することができる。また保持部400は、上記実施の形態の保持部60と同様に、被処理ウェハWの反りを矯正して当該被処理ウェハWを保持することができる。なお、保持部400における被処理ウェハWの吸引方法は、保持部60と同様であるので説明を省略する。但し、保持部400の外周領域は第1の外周領域404と第2の外周領域405に分割されている分、保持部400ではより適切に被処理ウェハWの反りを矯正することができる。
以上の実施の形態の保持部400において、図34に示すように第1の外周領域404は複数、例えば4つの外周領域404a〜404dに区画されていてもよい。各外周領域404a〜404には、負圧発生装置409に連通する吸引管408がそれぞれ設けられている。そして、保持部400が被処理ウェハWを保持する際、外周領域404a〜404d毎に被処理ウェハWを吸引する吸引圧力を設定可能になっており、各外周領域404a〜404dにおいて異なる吸引圧力で被処理ウェハWを吸引することができる。なお第2の外周領域404を区画する数は、本実施の形態に限定されず、任意に設定することができる。
かかる場合、図28で示した保持部60の外周領域64を4つの外周領域64a〜64dに区画した場合と同様に、保持部400はより効率よく被処理ウェハWの反りを矯正して、当該被処理ウェハWをより適切に保持することができる。
以上の実施の形態では、剥離装置30において第2の保持部121を鉛直方向及び水平方向に移動させていたが、第1の保持部120を鉛直方向及び水平方向に移動させてもよい。あるいは、第1の保持部120と第2の保持部121の両方を鉛直方向及び水平方向に移動させてもよい。
また、以上の実施の形態では、剥離装置30において第2の保持部121を鉛直方向及び水平方向に移動させていたが、例えば被処理ウェハW上のデバイスと支持ウェハSとの間の距離が十分大きい場合には、第2の保持部121を水平方向にのみ移動させてもよい。かかる場合、デバイスと支持ウェハSとの接触を回避できると共に、第2の保持部121の移動の制御が容易になる。さらに、第2の保持部121を鉛直方向にのみ移動させて被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離させてもよい。
以上の実施の形態の剥離装置30において、第1の保持部120と第2の保持部121との間の処理空間を覆うカバー(図示せず)を設けてもよい。かかる場合、処理空間を不活性ガスの雰囲気にすることにより、被処理ウェハWが加熱処理されても、当該被処理ウェハWの接合面W上のデバイスに酸化膜が形成されるのを抑制することができる。
また、以上の実施の形態の剥離装置30において、第2の保持部121に追従して水平方向に移動可能であって、複数の孔から不活性ガスを供給するポーラスプレート(図示せず)を設けてもよい。かかる場合、重合ウェハTを剥離するために第2の保持部121を移動させる際、第2の保持部121に追従してポーラスプレートを移動させながら、剥離により露出した被処理ウェハWの接合面Wに不活性ガスを供給する。そうすると、被処理ウェハWが加熱処理されても、被処理ウェハWの接合面W上のデバイスに酸化膜が形成されるのを抑制することができる。
なお、以上の実施の形態の剥離装置30では、被処理ウェハWを上側に配置し、且つ支持ウェハSを下側に配置した状態で、これら被処理ウェハWと支持ウェハSを剥離していたが、被処理ウェハWと支持ウェハSの上下配置を反対にしてもよい。
以上の実施の形態では、第1の洗浄装置31、第2の洗浄装置32、接合面洗浄装置40、非接合面洗浄装置41の洗浄液ノズル242には2流体ノズルが用いられていたが、洗浄液ノズル242の形態は本実施の形態に限定されず種々のノズルを用いることができる。例えば洗浄液ノズル242として、有機溶剤を供給するノズルと不活性ガスを供給するノズルとを一体化したノズル体や、スプレーノズル、ジェットノズル、メガソニックノズルなどを用いてもよい。また、洗浄処理のスループットを向上させるため、例えば80℃に加熱された洗浄液を供給してもよい。
また、第1の洗浄装置31、第2の洗浄装置32、接合面洗浄装置40、非接合面洗浄装置41において、洗浄液ノズル242に加えて、IPA(イソプロピルアルコール)を供給するノズルを設けてもよい。かかる場合、洗浄液ノズル242からの洗浄液によって被処理ウェハW又は支持ウェハSを洗浄した後、被処理ウェハW又は支持ウェハS上の洗浄液をIPAに置換する。そうすると、被処理ウェハW又は支持ウェハSの接合面W、Sがより確実に洗浄される。
また、検査装置7の構成は上記実施の形態の構成に限定されない。検査装置7は、被処理ウェハWの画像を撮像して、当該被処理ウェハW上の接着剤Gの残渣の有無と酸化膜の残渣の有無が検査できれば、種々の構成を取り得る。
以上の実施の形態の剥離システム1において、剥離装置30で加熱された被処理ウェハWを所定の温度に冷却する温度調節装置(図示せず)が別途設けられていてもよい。かかる場合、被処理ウェハWの温度が積極的に適切な温度に調節されるので、後続の処理をより円滑に行うことができる。
以上の実施の形態では、後処理ステーション4において被処理ウェハWに後処理を行い製品化する場合について説明したが、本発明は、例えば3次元集積技術で用いられる被処理ウェハを支持ウェハから剥離する場合にも適用することができる。なお、3次元集積技術とは、近年の半導体デバイスの高集積化の要求に応えた技術であって、高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置する代わりに、当該複数の半導体デバイスを3次元に積層する技術である。この3次元集積技術においても、積層される被処理ウェハの薄型化が求められており、当該被処理ウェハを支持ウェハに接合して所定の処理が行われる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
1 剥離システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
4 後処理ステーション
20 第1の搬送装置
30 剥離装置
31 第1の洗浄装置
40 接合面洗浄装置
41 非接合面洗浄装置
60 保持部
61 ポーラス
62 吸引部材
63 中心領域
64 外周領域
320 マウント装置
350 制御部
400 保持部
401 ポーラス
402 吸引部材
403 中心領域
404 第1の外周領域
405 第2の外周領域
F ダイシングフレーム
G 接着剤
P ダイシングテープ
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ

Claims (17)

  1. 被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に剥離する剥離システムであって、
    重合基板から剥離された被処理基板に対して所定の処理を行う際、当該被処理基板を吸引して保持する保持部を有し、
    前記保持部の表面には、複数の孔が形成された多孔質体が設けられ、
    前記保持部は、少なくとも中心領域と当該中心領域の外側の外周領域とに区画され、当該中心領域と外周領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴とする、剥離システム。
  2. 前記外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴とする、請求項1に記載の剥離システム。
  3. 重合基板から剥離された被処理基板を環状のフレームの内側に配置して、テープを介して被処理基板と前記フレームを一体化するマウント装置を有し、
    前記マウント装置は前記保持部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の剥離システム。
  4. 重合基板から剥離された被処理基板の表面を洗浄する洗浄装置を有し、
    前記洗浄装置は前記保持部を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の剥離システム。
  5. 前記洗浄装置における前記保持部の前記外周領域の表面は、側面視において、内側から外側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする、請求項4に記載の剥離システム。
  6. 重合基板は環状のフレームの内側に配置されて、被処理基板の非接合面と前記フレームの表面に貼り付けられたテープにより保持され、
    前記外周領域は、第1の外周領域と当該第1の外周領域の外側の第2の外周領域とに区画され、当該第1の外周領域と第2の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、
    前記第2の外周領域は、被処理基板より外側の前記テープに対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の剥離システム。
  7. 前記第1の外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴とする、請求項6に記載の剥離システム。
  8. 重合基板を被処理基板と支持基板に剥離する剥離装置を備えた処理ステーションと、
    前記処理ステーションに対して、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、
    前記処理ステーションと前記搬入出ステーションとの間で、被処理基板、支持基板又は重合基板を搬送する搬送装置と、を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の剥離システム。
  9. 被処理基板と支持基板が接着剤で接合された重合基板を、被処理基板と支持基板に剥離する剥離方法であって、
    重合基板から剥離された被処理基板に対して所定の処理を行う際、当該被処理基板は保持部に吸引されて保持され、
    前記保持部の表面には、複数の孔が形成された多孔質体が設けられ、且つ前記保持部は、少なくとも中心領域と当該中心領域の外側の外周領域とに区画され、当該中心領域と外周領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、
    前記保持部が被処理基板を保持する際、前記中心領域と前記外周領域において異なる吸引圧力で被処理基板を吸引することを特徴とする、剥離方法。
  10. 前記外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴とする、請求項9に記載の剥離方法。
  11. 重合基板から剥離された被処理基板を環状のフレームの内側に配置して、テープを介して被処理基板と前記フレームを一体化するマウント装置において、前記保持部で被処理基板が保持されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の剥離方法。
  12. 重合基板から剥離された被処理基板の表面を洗浄する洗浄装置において、前記保持部で被処理基板が保持されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の剥離方法。
  13. 前記洗浄装置における前記保持部の前記外周領域の表面は、側面視において、内側から外側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする、請求項12に記載の剥離方法。
  14. 重合基板は環状のフレームの内側に配置され、被処理基板の非接合面と前記フレームの表面に貼り付けられたテープにより保持され、
    前記外周領域は、第1の外周領域と当該第1の外周領域の外側の第2の外周領域とに区画され、当該第1の外周領域と第2の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であり、
    前記保持部が被処理基板を保持する際、前記中心領域と前記外周領域において異なる吸引圧力で被処理基板を吸引し、前記第2の外周領域において被処理基板より外側の前記テープを吸引することを特徴とする、請求項9に記載の剥離方法。
  15. 前記第1の外周領域は複数の領域に区画され、当該複数の領域毎に被処理基板を吸引する吸引圧力を設定可能であることを特徴とする、請求項14に記載の剥離方法。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載の剥離方法を剥離システムによって実行させるために、当該剥離システムを制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
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