JP2013212700A - スクライブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼り合わせ基板を上下から同時にスクライブするスクライブ装置において、スクライビングホイール同士の直接の接触を防止すること。
【解決手段】上下のスクライブヘッド19,20のスクライビングホイール22,32の両側に一対のローラ23,24,33,34を設ける。ローラの先端とスクライビングホイールの先端との距離を貼り合わせ基板の厚さの1/2未満とする。こうすれば貼り合わせ基板の板厚データの入力ミスや操作ミスがあった場合でも、これによってスクライビングホイールの刃先同士の接触の前にローラと貼り合わせ基板とが接触するため、スクライビングホイールの刃先自体の接触を防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は2枚の脆性材料基板を貼り合わせた貼り合わせ基板等の両面を同時にスクライブするためのスクライブ装置に関するものである。
液晶表示装置等の液晶パネルは2枚のガラス板を貼り合わせた構造となっている。2枚のガラス板を貼り合わせた貼り合わせ基板から液晶パネルを切り出す場合には、貼り合わせ基板の上面及び下面にスクライブラインを形成する必要がある。このため両面を同時にスクライブするためのスクライブ装置として、特許文献1のスクライブ装置が知られている。これは、先端にスクライビングホイールを有する一対のスクライブヘッドを、貼り合わせ基板の面に平行な方向に移動させることによって貼り合わせ基板の両面にスクライブを行うものである。
国際公開WO2009/157440号公報
従来のスクライブ装置でスクライブする際には、まず最初に、先端にスクライビングホイールを有する一対のスクライブヘッドを、貼り合わせ基板の上下両面に接近させ、スクライブ開始位置に待機させる。このとき貼り合わせ基板の板厚データの入力ミスや操作ミスがあった場合には、上下のスクライビングホイールの刃先が衝突し、刃先が傷つくことがあるという欠点があった。スクライビングホイールに損傷が生じた場合には、以後は正常にスクライブすることができなくなり、切り出した液晶パネル等に不良品が生じてしまうという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであって、貼り合わせ基板の両面を同時にスクライブするスクライブ装置において、基板の板厚データの入力ミスや操作ミスなどがあってもスクライビングホイールが相互に接触することがなく、分断後の貼り合わせ基板における不良品の発生を未然に防止できるようにすることを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のスクライブ装置は、脆性材料の貼り合わせ基板の第1の面を上方からスクライブする第1のスクライブヘッドと、前記貼り合わせ基板の第2の面を下方からスクライブする第2のスクライブヘッドとを有し、前記第1,第2のスクライブヘッド及び前記貼り合わせ基板の少なくとも一方を前記貼り合わせ基板の面に平行に相対的に移動させることによって前記貼り合わせ基板の両面から同時にスクライブするスクライブ装置において、前記第1のスクライブヘッドは、前記貼り合わせ基板の第1の面に向けて配置された回転自在の第1のスクライビングホイールと、前記第1のスクライビングホイールを挟んでスクライブ時の相対的な平行移動方向の前後に一対で配置された第1の凸部と、を具備するとともに、前記第1の凸部の先端は、前記貼り合わせ基板の面に垂直な方向において、前記第1のスクライビングホイールの先端よりも、第1の距離だけ上方に位置しており、前記第2のスクライブヘッドは、前記貼り合わせ基板の第2の面に向けて配置された回転自在の第2のスクライビングホイールと、前記第2のスクライビングホイールを挟んでスクライブ時の相対的な平行移動方向の前後に一対で配置された第2の凸部と、を具備するとともに、前記第2の凸部の先端は、前記貼り合わせ基板の面に垂直な方向において、前記第2のスクライビングホイールの先端よりも、第2の距離だけ下方に位置しており、前記第1の距離および第2の距離を、いずれも、スクライブの対象となる前記貼り合わせ基板の厚さの1/2未満とし、前記第1のスクライビングホイールと前記第2のスクライビングホイールを前記貼り合わせ基板の端部よりも外側において対向させるとともに、前記第1の凸部と前記第2の凸部を前記貼り合わせ基板の端部よりも内側において対向させた後、前記第1のスクライブヘッドと前記第2のスクライブヘッドを前記貼り合わせ基板の面に平行に相対移動させて、前記第1のスクライビングホイールおよび前記第2のスクライビングホイールで前記貼り合わせ基板の第1の面および第2の面を同時にスクライブするものである。
ここで前記第1のスクライブヘッドの第1の凸部は、前記第1のスクライビングホイールの回転軸と平行な回転軸を有するローラとしてもよい。
ここで前記第2のスクライブヘッドの第2の凸部は、前記第2のスクライビングホイールの回転軸と平行な回転軸を有するローラとしてもよい。
ここで前記第1,第2の凸部は、前記貼り合わせ基板より低い剛性を有する弾性変形可能な部材により構成されているようにしてもよい。
このような特徴を有する本発明によれば、貼り合わせ基板の両面を同時にスクライブするスクライブ装置において、スクライビングホイールのスクライブ方向の前後に凸部を設け、貼り合わせ基板の面に垂直な方向での凸部とスクライビングホイールまでの第1,第2の距離を基板の厚さに合わせて設定しているため、基板の板厚データの入力ミスや操作ミスがあってもスクライビングホイールが相互に接触することはなくなる。そのためスクライビングホイールの損傷を防止することができ、分断後の貼り合わせ基板に不良品の発生することを未然に防止することができる。
図1Aは本発明の実施の形態によるスクライブ装置の側面図である。 図1Bは本発明の実施の形態によるスクライブ装置の側面図である。 図2は本実施の形態の上下のスクライブヘッドを示す図である。 図3はスクライブ前のスクライブヘッドの位置を示す図である。 図4Aは本実施の形態におけるスクライブ装置のスクライブ時の動作を示す図である。 図4Bは本実施の形態におけるスクライブ装置のスクライブ時の動作を示す図である。 図5はスクライブ前にスクライブヘッドのローラが脆性材料基板に接触した状態を示す図である。 図6はスクライブ終了時のスクライブヘッドとローラの動きを示す図である。 図7は本発明の実施の形態のスクライブヘッドとローラの変形例を示す図である。
図1A,図1Bはこの実施の形態によるスクライブ装置を側面から見た概略図である。これらの図に示されるように、左右一対の支柱10a,10bが台座11及びブロック12a,12b上に取り付けられている。この支柱の間の上部には可動ガイド支柱13a,13bが平行に設けられ、下方には可動ガイド支柱14a,14bが平行に設けられる。可動ガイド支柱13a,13bと14a,14bとは夫々横スライド部材15,16を夫々x軸方向(左右方向)に移動させるものである。横スライド部材15,16には夫々z軸方向(上下方向)にスクライブヘッドを移動させるための縦スライド部材17,18が設けられている。縦スライド部材17の下端部にはスクライブヘッド19が設けられる。縦スライド部材18の上端部には、スクライブヘッド20が設けられる。スクライブヘッド19,20は、その先端にスクライビングホイールを保持するものである。
ここでスクライブヘッド19は第1のスクライブヘッドであり、スクライブヘッド20は第2のスクライブヘッドである。又縦スライド部材17,18はこれらのスクライブヘッドを互いに接近又は離反する方向に移動させる移動部を構成しており、可動ガイド支柱13a,13b,14a,14bと横スライド部材15,16は、スクライブヘッド19,20をx軸方向に移動させる移動部を構成している。
図2はこの上下のスクライブヘッド19,20を詳細に示す図であり、周辺の部材は省略して示している。この実施の形態では上側のスクライブヘッド19の下端には、スクライビングホイール22がその回転軸22aを中心として回転自在に設けられる。スクライビングホイール22の進行方向(x軸方向)の前後には一対のローラ23,24が設けられる。ローラ23,24は夫々スクライビングホイール22の回転軸22aと平行な回転軸23a,24aを有し、回転自在に保持された第1の凸部である。
下方のスクライブヘッド20についても同様に、その上端部にはスクライビングホイール32が回転軸32aを中心として回転自在に設けられている。スクライビングホイール32の進行方向(x軸方向)の前後には一対のローラ33,34が設けられている。ローラ33,34は夫々スクライビングホイール32の回転軸32aと平行な回転軸33a,34aを有し、回転自在に保持された第2の凸部である。
ここでスクライビングホイール22の下端は、左右のローラ23,24の下端よりもわずかに下方となるように構成される。スクライビングホイール22の下端と左右のローラ23,24の下端のz軸方向の間隔を第1の距離d1とする。
下方のスクライブヘッド20については、スクライビングホイール32の上端は左右一対に設けられるローラ33,34の上端よりもわずかに上方となるように構成される。スクライビングホイール32の上端と左右のローラ33,34の上端のz軸方向の間隔を第2の距離d2とする。第2の距離d2はd1と異なってもよいが、ここでは上側のスクライブヘッド19の第1の距離d1と同じ(d1=d2=d)とする。
ここでスクライブすべき貼り合わせ基板の厚さをTとすると、距離dは次の不等式
d<T/2 ・・・(1)
を満たす値に設定しておくものとする。この値dは例えば0.5mmとする。尚、距離d1,d2が異なっている場合には、いずれの距離も厚さTの1/2未満とする。
左右のローラ23,24,33,34は、スクライブの対象となる脆性材料基板よりも低い剛性を有する弾性変形可能な材料、例えばポリアセタール、塩化ビニル、ポリエチルケトン等の合成樹脂材料や硬質ゴム材料等を用いることができる。
さてこのような一対のスクライブヘッドを有するスクライブ装置を用いて貼り合わせ基板をスクライブする際の動作について説明する。まず上下のローラ23と33が貼り合わせ基板40に対向する位置までスクライブヘッド19,20をx軸方向に移動させる。次いで図3に示すように縦スライド部材17を下方向に、縦スライド部材18を上方向に移動させ、スクライブヘッド19,20を貼り合わせ基板40に接近させる。このときに、スクライビングホイール22の下端の位置が貼り合わせ基板40の上面よりもわずかに下方になるように、かつ、、スクライビングホイール32の上端の位置が貼り合わせ基板40の下面よりもわずかに上方になるように、スクライビングホイール22の下端とスクライビングホイール32の上端のz軸方向の位置を設定する。この状態で図4A,図4Bに示すように可動ガイド支柱13a,13b,14a,14bに沿って横スライド部材15,16をx軸方向に移動させる。すると、スクライビングホイール22,23が貼り合わせ基板40に乗り上げ、更にx軸方向に移動させることによって貼り合わせ基板40の上下両面が同時にスクライブされていく。そして横スライド部材15,16が貼り合わせ基板40の右端に達するまでスクライブを終えると、上下各1本のスクライブを終了する。
ここで、貼り合わせ基板40の厚さTと、スクライビングホイールの先端とローラの先端との距離dとの間に前述した不等式(1)が成り立つようにしているため、板厚データの入力ミスや操作ミスによってスクライブヘッド19とスクライブヘッド20が所定の位置よりも接近しすぎた場合であっても、図5に示すように、ローラ22,33が貼り合わせ基板40に先に接するため、スクライビングホイール22,32同士の接触を防止することができる。これにより、スクライビングホイール22,32の刃先の損傷を防止することができる。
又図6に示すように貼り合わせ基板40へのスクライブが終了したときには、速やかにスクライブヘッド19を上昇させるとともにスクライブヘッド20を下降させて、互いに離反させる。しかしこのとき離反させるタイミングが遅れるとスクライビングホイール22,32同士が破線で示すように近づくことがある。この場合であっても後方に設置されているローラ24,34が貼り合わせ基板40に先に接触することとなるため、スクライビングホイール22,32同士の接触を防止することができる。
逆方向にスクライブする場合にはローラ23,33とローラ24,34の機能が逆転し、最初の設定時にローラ24,34でスクライビングホイール22,32の接触を防止することができ、スクライブの終了時にローラ23,33でスクライビングホイール22,32の接触を防止することができる。
尚この実施の形態ではスクライビングホイールの左右に一対のローラを設けるようにしているが、ローラ23,24,33,34に代えて、単なる突起部を設け、その突起部の先端とスクライビングホイールの先端との位置関係が前述した式(1)を満たすようにしてもよい。この場合でもスクライビングホイールが接触する前に突起部と貼り合わせ基板とが接触するため、スクライビングホイールの接触を防止することができる。
又この実施の形態では、スクライビングホイールの左右に一対のローラを設けるようにしているが、これに代えて図7にスクライブヘッド19の変形例の下方からの図を示す。この変形例のように、スクライビングホイール22の回転軸と平行な回転軸を有する左右に夫々一対の4つのローラ23a,23bと24a,24bを配置するようにしてもよい。下方のスクライブヘッド20についても同様である。
又ローラ23,24のz軸方向の位置とローラ33,34のz軸方向の位置はスクライブの対象となる貼り合わせ基板の厚さTに合わせて上下動できるように、高さ調整機構を設けておいてもよい。こうすれば種々の厚さの貼り合わせ基板に対してスクライビングホイールの直接の干渉を防止することができる。
尚本実施の形態では、2枚の脆性材料基板を貼り合せた貼り合せ脆性材料基板を対象として説明した。これには例えば、ガラス基板を互いに貼り合せたプラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等のフラットディスプレイパネルと、シリコン基板、サファイヤ基板等にガラス基板を貼り合せた半導体基板等が含まれる。
本発明は、貼り合わせ基板を上下から同時にスクライブするスクライブ装置に適用することができる。
10a,10b 支柱
13a,13b,14a,14b 可動ガイド支柱
15,16 横スライド部材
17.18 縦スライド部材
19,20 スクライブヘッド
22,32 スクライビングホイール
23,23a,23b,24,24a,24b,33,34 ローラ

Claims (4)

  1. 脆性材料の貼り合わせ基板の第1の面を上方からスクライブする第1のスクライブヘッドと、前記貼り合わせ基板の第2の面を下方からスクライブする第2のスクライブヘッドとを有し、前記第1,第2のスクライブヘッド及び前記貼り合わせ基板の少なくとも一方を前記貼り合わせ基板の面に平行に相対的に移動させることによって前記貼り合わせ基板の両面から同時にスクライブするスクライブ装置において、
    前記第1のスクライブヘッドは、
    前記貼り合わせ基板の第1の面に向けて配置された回転自在の第1のスクライビングホイールと、
    前記第1のスクライビングホイールを挟んでスクライブ時の相対的な平行移動方向の前後に一対で配置された第1の凸部と、を具備するとともに、
    前記第1の凸部の先端は、前記貼り合わせ基板の面に垂直な方向において、前記第1のスクライビングホイールの先端よりも、第1の距離だけ上方に位置しており、
    前記第2のスクライブヘッドは、
    前記貼り合わせ基板の第2の面に向けて配置された回転自在の第2のスクライビングホイールと、
    前記第2のスクライビングホイールを挟んでスクライブ時の相対的な平行移動方向の前後に一対で配置された第2の凸部と、を具備するとともに、
    前記第2の凸部の先端は、前記貼り合わせ基板の面に垂直な方向において、前記第2のスクライビングホイールの先端よりも、第2の距離だけ下方に位置しており、
    前記第1の距離および第2の距離を、いずれも、スクライブの対象となる前記貼り合わせ基板の厚さの1/2未満とし、
    前記第1のスクライビングホイールと前記第2のスクライビングホイールを前記貼り合わせ基板の端部よりも外側において対向させるとともに、前記第1の凸部と前記第2の凸部を前記貼り合わせ基板の端部よりも内側において対向させた後、前記第1のスクライブヘッドと前記第2のスクライブヘッドを前記貼り合わせ基板の面に平行に相対移動させて、前記第1のスクライビングホイールおよび前記第2のスクライビングホイールで前記貼り合わせ基板の第1の面および第2の面を同時にスクライブすることを特徴とするスクライブ装置。
  2. 前記第1のスクライブヘッドの第1の凸部は、前記第1のスクライビングホイールの回転軸と平行な回転軸を有するローラである請求項1記載のスクライブ装置。
  3. 前記第2のスクライブヘッドの第2の凸部は、前記第2のスクライビングホイールの回転軸と平行な回転軸を有するローラである請求項1又は2記載のスクライブ装置。
  4. 前記第1,第2の凸部は、
    前記貼り合わせ基板より低い剛性を有する弾性変形可能な部材により構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載のスクライブ装置。
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