JP2013212648A - 製本装置、及び製本システム - Google Patents

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Abstract

【課題】糊タンクの清掃作業を不要とし、且つ糊の塗布作業を効率的に行うことができる製本装置、及び当該製本装置を備える製本システムを提供する。
【解決手段】糊塗布部50は、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する塗布ローラー52Aを備え、塗布ローラー52Aは、当該塗布ローラー52Aの中央部に位置し、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する糊保持部521と、塗布ローラー52Aの両端部に設けられた糊非付着部522と、糊保持部521と糊非付着部522との境界に沿って糊保持部521と糊非付着部522とを隔てるように設けられた隔壁部523と、を備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、PUR系ホットメルトを利用した製本装置、及び当該製本装置を備える製本システムに関する。
従来、画像が形成された用紙を積み重ねて用紙束を形成し、この用紙束の背部に熱溶融タイプの糊を塗布して表紙を接着させる綴じ処理を行い、冊子を作製する製本装置が知られている。
上記の製本装置において用いられる熱溶融タイプの糊は、「ホットメルト」と呼称され、常温では白色の固体状であるが、加熱されることにより流体となるため、ローラー等により塗布することができるようになっている。従来は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エチレンビニルアセテート)からなるホットメルト(以下、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)系ホットメルト)が主流であったが、EVA系ホットメルトが抱える問題点を解決するものとして、反応性ポリウレタン樹脂からなるホットメルト(以下、PUR(Poly Urethane Reactive Resin)系ホットメルト)が新たに開発され、このPUR系ホットメルトを利用した製本装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
PUR系ホットメルトは、EVA系ホットメルトに比べ、接着強度が高く、普通紙、上質紙に対してのみならず、コート紙に対しても十分な接着強度を確保することができるので、塗布層の厚みを薄くすることができることとなって、本の見開き角を大きくすることができる。
また、PUR系ホットメルトは、EVA系ホットメルトに比べ、耐熱、耐寒性があり、且つ柔軟性もあるので、背割れしたりすることがなく、製本後の管理を容易に行うことができる。
また、PUR系ホットメルトは、EVA系ホットメルトに比べ、リサイクルの溶剤に溶解されることがないので、本のリサイクルを容易に行うことができる。
さらに、PUR系ホットメルトは、EVA系ホットメルトに比べ、塗布時の温度が低いので、電力消費を節約できる他、塗布部分の紙の水分量に殆ど影響を与えることがなく、表紙の脊部を波打たないように平滑に仕上げることができる。
一方、PUR系ホットメルトは、所定時間以上空気にさらされると、空気中の水分を吸収して硬化するという性質を有している。しかも、PUR系ホットメルトは、一度硬化すると再加熱しても溶融しないため、硬化したPUR系ホットメルトが付着した塗布ローラーを含む糊タンクは、そのままの状態で使用することができない。この状態から製本装置を再動作させるためには、糊タンクの清掃又は交換作業が必要である。糊タンクの清掃作業は、そのままの状態で行うよりも糊タンクを製本装置から取り外して装置外で行う方が容易である。
特開2001−347772号公報 特開2009−83392号公報 特開2004−209742号公報
しかしながら、特許文献1〜3記載の製本装置は、糊タンクに温度センサー及びヒーターが内蔵されていて構造が複雑であるため、糊タンクを容易に取り外すことができず、糊タンクの清掃作業に時間を要するという問題がある。
本発明は、糊タンクの清掃作業を不要とし、且つ糊の塗布作業を効率的に行うことができる製本装置、及び当該製本装置を備える製本システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
複数の用紙から構成される用紙束の背部にPUR系ホットメルトから成る糊を塗布する糊塗布部を備え、前記糊塗布部により前記糊を塗布された前記用紙束の背部に表紙を接着させて冊子を作製する製本装置であって、
前記糊塗布部は、前記用紙束の背部に前記糊を塗布する塗布ローラーを備え、
前記塗布ローラーは、
当該塗布ローラーの中央部に位置し、前記用紙束の背部に前記糊を塗布する糊保持部と、
前記塗布ローラーの両端部に設けられた糊非付着部と、
前記糊保持部と前記糊非付着部との境界に沿って前記糊保持部と前記糊非付着部とを隔てるように設けられた隔壁部と、を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の製本装置において、
前記糊塗布部は、前記塗布ローラーにより塗布される糊の厚みを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、前記隔壁部に当接することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の製本装置において、
前記糊塗布部は、前記塗布ローラーにより前記用紙束の背部に塗布された糊が所定の厚みになるように掻き取る掻き取り部材を備え、
前記掻き取り部材は、前記隔壁部に当接することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製本装置において、
前記塗布ローラーは、表面に保持された糊を加熱するヒーターを備え、
前記糊非付着部には、前記糊保持部に保持された糊の温度を計測する温度センサーが当接され、
前記温度センサーにより計測された温度に基づいて、前記ヒーターの温度を制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製本装置において、
前記隔壁部には、隔壁部用ブレードが当接し、
前記糊非付着部には、糊非付着部用ブレードが当接していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の製本装置において、
前記規制部材及び前記掻き取り部材は、ローラー形状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の製本装置において、
前記規制部材及び前記掻き取り部材は、前記規制部材と前記糊保持部の表面との間隔が、前記掻き取り部材と前記糊保持部の表面との間隔よりも狭くなるように設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の製本装置において、
前記掻き取り部材は、前記糊保持部と対向する部分が他の部分よりも径が細く形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の製本装置において、
前記規制部材は、前記糊保持部と対向する部分が他の部分よりも径が太く形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、
製本システムであって、
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置から供給された複数の用紙から構成される用紙束の背部にPUR系ホットメルトから成る糊を塗布する糊塗布部を備え、前記糊塗布部により前記糊を塗布された前記用紙束の背部に表紙を接着させて冊子を作製する請求項1〜9のいずれか一項に記載の製本装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、突出部が、糊保持部の表面に保持された糊が糊非付着部に広がらないように壁として機能し、糊が糊非付着部の端部から軸方向に垂れることを防止することができることとなって、糊の塗布作業を効率的に行うことができる。
本実施形態に係る製本システムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係る製本装置の構成を示す図である。 用紙束搬送部と表紙支持部の位置を示す概念図である。 表紙用紙の接合工程を示す図である。 糊塗布部の構成及び移動を示す図である。 図5の糊塗布部近傍の拡大図である。 糊塗布部の構成を示す図である。 糊除去部材の動作を示す図である。 糊塗布部を制御する構造を示す機能ブロックを示す図である。 糊塗布部の構成の一変形例を示す図である。 図10の糊除去部材の動作を示す図である。 規制部材及び掻き取り部材と糊保持部との間隔を説明する図である。 糊除去部材の構成の一変形例を示す図である。 図12の一変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本実施形態に係る製本システムSの概略構成について説明する。
図1に示すように、製本システムSは、画像形成装置Aと、製本装置Bと、を備えて構成される。画像形成装置Aにより画像が形成された用紙Pは、画像形成装置Aから製本装置Bへと供給され、製本装置Bにおいて製本処理がなされる。なお、本実施形態においては、上記の製本装置Bに、製本された冊子P3を収容する冊子収容装置Cが接続されている。
<画像形成装置A>
画像形成装置Aは、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備える複合機であり、電子写真方式により画像を形成した用紙Pを製本装置Bに供給する。
画像形成装置Aは、回転する像担持体1の周囲に、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写部5A、除電部5B、及びクリーニング部6を配置した画像形成部aを備える。また、画像形成装置Aの上部には、表示部及び操作部を備えた操作表示部9が配置されている。
画像形成部aは、帯電部2によって像担持体1の表面に一様帯電を行った後、像露光部3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データ、又はコンピュータからの印字データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、当該潜像を現像部4により反転現像して像担持体1の表面にトナー像を形成する。
像担持体1の表面に形成されたトナー像は、転写位置において転写部5Aにより、用紙収納部7Aから給紙された用紙P上に転写される。トナー像が転写された用紙Pは、除電部5Bにより裏面の電荷が消去されて像担持体1から分離され、搬送部7Bにより搬送される。そして、定着部8によりトナー像が用紙P上に加熱定着される。トナー像が加熱定着された用紙Pは、排紙ローラー7Cにより画像形成装置Aの外へと排出され、製本装置Bに送出される。
用紙Pの両面に画像形成を行う場合には、定着部8により加熱定着された用紙Pを搬送路切り替え板7Dにより通常の排紙通路から分岐させ、反転搬送部7Eにおいてスイッチバックさせて表裏反転させる。表裏反転された用紙Pは、再び画像形成部aを通過して裏面に画像が形成され、定着部8を経た後、排紙ローラー7Cにより画像形成装置Aの外へと排出され、製本装置Bに送出される。
クリーニング部6は、上記の画像形成処理が行われた後、像担持体1の表面に残留している現像剤を除去し、次の画像形成に備える。
<製本装置B>
製本装置Bは、用紙搬送部10と、排紙部20と、用紙束収容部30と、用紙束搬送部40と、糊塗布部50と、表紙供給部60と、表紙断裁部70と、表紙支持部80と、を備えて構成される。また、製本装置Bの上部には、表示部90a及び操作部90bを備えた操作表示部90が配置されている。
用紙搬送部10は、例えば、複数の搬送ローラー、ベルト、ガイド、搬送路切替ゲート等により構成され、画像形成装置Aの排紙ローラー7Cを介して導入された用紙Pを、搬送路切替ゲートの設定により排紙部20、用紙束収納部30、又は表紙支持部80の何れかに分岐させて搬送する。例えば、製本装置Bに対して製本処理の指定がない場合には、画像形成装置Aから排出された用紙Pを排紙部20の固定排紙台22に直接排出する。
排紙部20は、例えば、排紙ローラー21、固定排紙台22等により構成され、用紙搬送部10により搬送されてきた用紙Pを、排紙ローラー21によって装置最上部に設けられた固定排紙台22上に排出して収容する。本実施形態では、固定排紙台22上に、画像形成装置Aから排出された用紙Pを直接受容して、最大約200枚を積載することができるようになっている。
用紙束収容部30は、図2に示すように、傾斜配置された用紙載置台31、移動可能な用紙後端位置決め部材32、用紙Pの幅方向の整合を行う整合部材33等を備える。
用紙束収容部30は、用紙搬送部10により一枚ずつ搬送されてきた用紙Pを用紙載置台31に順次整合しながら積載し、所定枚数の用紙Pから成る用紙束P1を形成する。
用紙束搬送部40は、例えば、用紙束収容部30の用紙載置台31上に整合されながら積載された用紙束P1を把持する把持部41等により構成される。用紙束収容部30は、用紙束搬送部40の把持部41による用紙束P1の把持がなされると、図示しない駆動部により用紙後端位置決め部材32を移動させて用紙載置台31の下方に待避させる。
用紙束P1を把持した把持部41は、図示の破線で示す斜め下方に移動した後旋回して、用紙束P1に糊塗布処理をする背部Paが下側になるように用紙束P1を直立状態に保持して、所定位置に停止する。
糊塗布部50は、例えば、移動体51、塗布ローラー52等により構成され、把持部41により用紙束P1を直立に保持させた状態で紙面に直角な方向に往復移動し、塗布ローラー52により用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布させる。本実施形態では、糊Nとして、PUR系ホットメルトから成るものを使用する。
なお、糊塗布部50の詳細については後述する(図5〜図9参照)。
表紙供給部60は、例えば、表紙積載部61、給紙部62、搬送ローラー63,64,65等により構成され、表紙積載部61内に収容された表紙用紙P2を、給紙部62により分離、給送させ、搬送ローラー63,64,65を介して表紙支持部80に搬送させる。
表紙断裁部70は、搬送ローラー65の図示右方に配置され、表紙用紙P2が用紙束P1に対してくるみ製本処理を行う際に必要な長さよりも長い場合には、表紙用紙P2の断裁を行い、あらかじめ余分な部分を取り除く。
表紙支持部80は、例えば、搬送ローラー81,82、加圧部材83、移動筐体84、昇降部85、一対の折曲部材86等により構成され、表紙供給部60の搬送ローラー63,64,65を介して導入された表紙用紙P2を、搬送ローラー81,82によって所定位置まで搬送させる。表紙支持部80は、糊塗布部50による用紙束P1への糊塗布工程終了後、図3及び図4に示すように、図示しない駆動部により昇降部85を制御して移動筐体84を所定位置としての上昇位置に移動させる。この上昇位置において、加圧部材83上に載置された表紙用紙P2の中央部は、用紙束P1の糊塗布面に圧接され接着される。
表紙支持部80は、糊Nが塗布された用紙束P1の背部Paに表紙用紙P2を接着した後、図3に示す表紙支持部80の上昇状態において、図示しない駆動部によって一対の折曲部材86を駆動させる。そして、表紙支持部80は、用紙束P1を把持した把持部41を下降させて用紙束P1を下降させることにより、表紙用紙P2を一対の折曲部材86に挟持させて下降させ、用紙束P1の糊塗布面の側縁部から湾曲させる。
その後、表紙支持部80は、一対の折曲部材86を用紙束P1の糊塗布面側へ向かって水平方向に移動させ、用紙束P1の両側面を圧迫させて整形させることにより、冊子P3を形成させる。
表紙支持部80により形成された冊子P3は、図1に示す冊子収容装置Cの昇降可能な搬送ベルト91上に載置され、搬送ベルト91の回動によって順次排出され、排紙台92上に積載収容される。
操作表示部90は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence:EL)ディスプレイ等による表示部90aを備え、制御部100の処理内容に応じた各種の表示出力を行う。また、操作表示部90は、表示部90aの表示領域に対する入力操作(例えば、接触や近接)を検知し、入力操作が検知された位置(座標)を示す検知信号を制御部100に入力する操作部90bを備える。制御部100は、検知信号により示された位置と当該位置に対応する表示部90aの表示内容とを対応付けて、ユーザーによる入力操作を受け付ける。なお、操作表示部90は、操作部90bに限らず、各種の入力のためのスイッチやボタン等を備えるようにしてもよい。
次に、糊塗布部50について、図5〜図9を用いて詳細に説明する。
糊塗布部50は、糊塗布部移動モーターM1(図9参照)により、製本装置Bの奥側と前側とを結ぶ移動レールR上を往復移動して、用紙束P1に対して糊塗布を行う。具体的には、糊塗布部50は、図5におけるホームポジションHP(製本装置Bの奥側)から移動を開始して用紙束P1に対して糊塗布を行い、塗布完了ポジションAP(製本装置Bの前側)まで移動して停止した後、反転してホームポジションHPまで移動する。
また、糊塗布部50は、ユーザーによる清掃指示を受け付けると、図5におけるホームポジションHPから、塗布完了ポジションAPよりも更に製本装置Bの前側である交換ポジションCPまで移動する。
なお、本実施形態では、製本装置Bは、糊塗布部50がホームポジションHPで停止していることを検出するホームポジションセンサーHPSと、糊塗布部50が交換ポジションCPで停止していることを検出する交換ポジションセンサーCPSと、を備えている。
糊塗布部50は、移動体51と、軸52aを介して移動体51に取り付けられ、軸52aを中心に回転可能な塗布ローラー52と、移動体51の上面に設けられたスクレープ部材(規制部材)53及び掻き取り部材54と、移動体51の底面に載置された廃棄容器55と、移動体51の塗布ローラー52よりも奥側に設けられた糊除去ブレード(糊除去部材)56と、を備えて構成される。
また、糊塗布部50のホームポジションHPの上方には、用紙束P1の背部Paに塗布する糊Nを溶融した状態(例えば、約120℃)で貯留する溶融糊補給部としての溶融糊補給タンクTが設けられている。溶融糊補給タンクTは、塗布ローラー52の表面に糊Nを補給する際、塗布ローラー52の上方から糊Nを溶融した状態で供給する(図6参照)。
移動体51は、製本装置Bの奥側と前側とを結ぶ移動レールR上を往復移動可能に構成され、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する塗布ローラー52を上面に支持している。
塗布ローラー52は、塗布ローラー駆動モーターM2(図9参照)により軸52aを中心に回転し、表面に補給されて保持されている糊Nを用紙束P1の背部Paに塗布する。塗布ローラー52の表面には、溶融糊補給タンクTから溶融した状態で糊Nが補給され、糊Nが有する粘性により糊Nが保持されるようになっている。なお、本実施形態では、塗布ローラー52は、表面がフッ素樹脂加工されており、塗布処理後に残留する糊Nを容易に除去できるようになっている。
また、移動体51の上面には、塗布ローラー52の上方の位置に、スクレープ部材53及び掻き取り部材54が設けられている(図6及び図7(C)参照)。
スクレープ部材53は、金属を薄く平らな形状に形成した板金構造をなしており、塗布ローラー52により用紙束P1の背部Paに塗布される糊Nの厚みを規制する部材である。即ち、図6に示すように、スクレープ部材53と塗布ローラー52の表面との間隔をD1とすることにより、用紙束P1の背部Paに塗布される糊Nの厚みがD1となるようになっている。
掻き取り部材54は、スクレープ部材53同様、板金構造をなしており、塗布ローラー52を挟んでスクレープ部材53の反対側に配置されている。また、図6に示すように、掻き取り部材54と塗布ローラー52の表面との間隔をD2とすることにより、スクレープ部材53を通過するまで塗布ローラー52の表面に保持される糊Nの厚みがD2となるようになっている。
なお、本実施形態では、スクレープ部材53及び掻き取り部材54は、D2>D1となるように設けられている。ここで、スクレープ部材53及び掻き取り部材54をD2>D1となるように設けるようにしたのは、塗布ローラー52の表面に保持される糊Nがスクレープ部材53を通過する際に、用紙束P1の背部Paに塗布される厚み(D1)を確保するためである。
また、掻き取り部材54は、塗布ローラー52により用紙束P1の背部Paに塗布された糊Nが所定の厚みになるように掻き取る。具体的には、掻き取り部材54は、糊塗布部50の往動時に塗布ローラー52により用紙束P1の背部Paに塗布された糊Nを、糊塗布部50の復動時に掻き取ることにより、用紙束P1の背部Paに塗布された糊Nの厚みを調整する。
また、移動体51の底面には、塗布ローラー52の下方の位置に、廃棄容器55を載置することができるようになっている。廃棄容器55は、例えば、段ボール紙や樹脂により形成された箱型の容器であり、糊除去ブレード56により除去された糊Nを収容することができるようになっている。なお、廃棄容器55は、容易に廃棄・交換可能である構成であることが好ましい。
また、移動体51は、塗布ローラー52よりも奥側に糊除去部材としての糊除去ブレード56を備えて構成されている。糊除去ブレード56は、例えば、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)等の耐熱樹脂により形成された板状の部材であり、バネ56aにより塗布ローラー52から離間された位置で支持されている(図8(A)参照)。バネ56aの一端は、図8に示すように、軸56cを中心に図中左右方向に揺動可能な揺動部材56bに連結され、揺動部材56bの略中央部には、枠体56dが取り付けられている。枠体56dの内部には、圧着解除カム駆動モーターM3(図9参照)により軸56eを中心に回転可能な圧着解除カム56fが備えられている。図8(A)の状態から、圧着解除カム56fが半回転することにより、枠体56dが右方向に押圧されることに伴い、枠体56dが取り付けられた揺動部材56bが右方向に揺動する。揺動部材56bの右方向への揺動によりバネ56aが右方向に収縮することにより、糊除去ブレード56が右方向に移動し、先端部が塗布ローラー52の表面に当接する(図8(B)参照)。即ち、圧着解除カム駆動モーターM3及び圧着解除カム56fは、糊除去ブレード56を塗布ローラー52の表面に当接させる駆動手段として機能する。このように、糊除去ブレード56の先端部を塗布ローラー52の表面に当接させることで、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを除去することができるようになっている。
次に、本実施形態に係る製本装置Bの糊塗布部50を制御する構造を示す機能ブロックについて説明する。
製本装置Bは、図9に示すように、制御手段としての制御部100を備えている。
制御部100は、例えば、CPU、RAM、ROM等を備えて構成され、ROMや図示しない記憶装置等に記憶されたソフトウェア及び各種のデータ等を読み出して処理し、製本装置Bによる糊塗布部50に係る各種の処理を行うため、操作表示部90、糊塗布部移動モーターM1、塗布ローラー駆動モーターM2(塗布ローラー駆動手段)、圧着解除カム駆動モーターM3、溶融糊補給タンクT等の動作制御を行う。また、制御部100は、操作表示部90、ホームポジションセンサーHPS、交換ポジションセンサーCPS等から各種信号を受け付ける。
例えば、制御部100は、糊塗布部移動モーターM1を制御することにより、糊塗布部50に、製本装置Bの奥側と前側とを結ぶ移動レールR上を往復移動させて、用紙束P1に対して糊塗布を行わせる。
また、制御部100は、塗布ローラー駆動モーターM2を制御することにより、塗布ローラー52を、軸52aを中心に回転させ、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを用紙束P1の背部Paに塗布させる(塗布モード)。
また、制御部100は、圧着解除カム駆動モーターM3を制御することにより、圧着解除カム56fを半回転させ、糊除去ブレード56の先端部を塗布ローラー52の表面に当接させ、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを除去させる(除去モード)。
また、制御部100は、糊溶融補給タンクTを制御することにより、塗布ローラー52の表面に糊Nを補給させる。
また、制御部100は、糊塗布部50により用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布させる塗布モードと、糊塗布部50に残留する糊Nを除去する除去モードと、を切り替える。
次に、本実施形態に係る製本システムSの塗布ローラー52の糊塗布処理、糊除去処理、及び交換処理について説明する。
まず、制御部100は、塗布モードに切り替え、塗布ローラー駆動モーターM2(図9参照)により塗布ローラー52を回転させた状態で、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の上方から塗布ローラー52の表面に糊Nを補給させる(図6参照)。塗布ローラー52への糊Nの補給は、予め糊Nが溶融された状態で供給され、塗布ローラー52の表面全体に行き渡る所定の分量の補給が行われる。なお、制御部100は、除去モード時に糊除去ブレード56により塗布ローラー52の表面に残留する糊Nが除去された場合も同様に、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の表面全体に行き渡る所定の分量の糊Nを補給させる。
制御部100は、塗布ローラー52への糊Nの補給が完了したことを検出すると、糊塗布部50を、糊塗布部移動モーターM1により移動レールR上を往復移動させ、用紙束P1の背部Paに対して糊塗布を行わせ、冊子P3を形成させる。
制御部100は、糊塗布部50が糊塗布動作を完了し、ホームポジションHPまで移動したことを示すホームポジションセンサーHPSからの検出信号を受け付けると、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の表面に糊Nを補給させる。ここでは、直前の冊子形成に使用された分を補充する量の糊Nの補給が行われる。
なお、本実施形態では、制御部100は、冊子P3が作製される毎に溶融糊補給タンクTを制御して糊Nを補給させる。即ち、制御部100は、冊子P3が作製される毎に、溶融糊補給タンクTを制御して直前の冊子形成に使用された分量の糊Nを補給させ、除去モード時に糊除去ブレード56により塗布ローラー52の表面に残留する糊Nが除去された場合は、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の表面全体に行き渡る所定の分量の糊Nを補給させる。
制御部100は、塗布ローラー52への糊Nの補給が完了したことを検出すると、糊塗布部50を、糊塗布部移動モーターM1により移動レールR上を往復移動させ、用紙束P1の背部Paに対して糊塗布を行わせ、冊子P3を形成させる。以下、冊子形成のジョブが完了するまで、糊塗布と糊補給を繰り返す。
制御部100は、冊子形成の全てのジョブが完了して所定時間以上経過したことを検出すると、除去モードに切り替え、塗布ローラー駆動モーターM2を制御して塗布ローラー52を回転させた状態で、圧着解除カム駆動モーターM3を制御して圧着解除カム56fを半回転させ、糊除去ブレード56の先端部を塗布ローラー52の表面に当接させる。糊除去ブレード56の先端部が、回転中の塗布ローラー52の表面に当接すると、塗布ローラー52の表面に残留している糊Nが除去され、塗布ローラー52の下方に載置された廃棄容器55内に収容される。
制御部100は、廃棄容器55の交換時期であることを検出すると、操作表示部90の表示部90aに廃棄容器55の交換を促す旨の表示(廃棄容器交換表示)を行わせるとともに、製本装置Bの動作を禁止させる。なお、廃棄容器55の交換時期については、例えば、前回の交換時から所定の時間が経過したときと設定してもよいし、糊除去ブレード56による糊除去処理が所定の回数行われたときと設定してもよい。
ユーザーは、表示部90aに表示された廃棄容器交換表示に従い、操作部90bを操作して廃棄容器55の交換指示を入力する。
制御部100は、操作部90bから送られた交換指示の入力信号を受け付けると、糊塗布部移動モーターM1を制御することにより、糊塗布部50をホームポジションHPから交換ポジションCPまで移動させる。
制御部100は、糊塗布部50が交換ポジションCPまで移動したことを示す交換ポジションセンサーCPSからの検出信号を受け付けると、表示部90aに廃棄容器55の交換が可能である旨の表示(交換可能表示)を行わせる。
ユーザーは、表示部90aに表示された交換可能表示に従い、交換対象である廃棄容器55を移動体51から取り外し、新しい廃棄容器55を移動体51に取り付けた後、操作部90bを操作して廃棄容器55の交換を完了した旨を示す入力を行う。
制御部100は、操作部90bから送られた交換完了の入力信号を受け付けると、糊塗布部移動モーターM1を制御することにより、糊塗布部50を交換ポジションCPからホームポジションHPまで移動させ、製本装置Bの動作を復帰させる。
以上のように、本実施形態に係る製本システムSの製本装置Bによれば、糊Nを溶融した状態で貯留する溶融糊補給タンクTを備え、糊塗布部50は、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する塗布ローラー52を備え、溶融糊補給タンクTは、塗布ローラー52の上方から塗布ローラー52の表面に、溶融した状態の糊Nを補給するので、糊タンクを設けずに冊子を作製することができることとなって、糊タンクの清掃作業を行う必要がなくなり、製本装置Bの稼働率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、塗布ローラー52を回転させる塗布ローラー駆動モーターM2と、塗布ローラー駆動モーターM2を制御して塗布ローラー52を回転させた状態で、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の上方から糊Nを補給させる制御部100と、を備えるので、糊Nが有する粘性を利用して塗布ローラー52の表面に糊Nを保持できることとなって、糊Nの補給から塗布までの作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、制御部100は、冊子P3が作製される毎に溶融糊補給タンクTを制御して糊Nを補給させるので、冊子形成時に糊Nが不足することがなくなり、冊子形成作業を滞りなく行うことができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、塗布ローラー52により塗布される糊Nの厚みを規制するスクレープ部材53を備えるので、糊塗布時に糊Nを塗布しすぎることがなくなり、糊Nを効率的に使用することができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、塗布ローラー52により用紙束P1の背部Paに塗布された糊Nが所定の厚みになるように掻き取る掻き取り部材54を備えるので、冊子形成に不要な糊Nを除去することができることとなって、作製される冊子P3の品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを除去する糊除去ブレード56と、糊除去ブレード56により除去された糊Nを収容する廃棄容器55と、を備えるので、塗布処理後に塗布ローラー52の表面に残留した糊Nを除去して廃棄容器55毎交換することができることとなって、塗布ローラー52の清掃作業を容易に行うことができる。
特に、本実施形態に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50により用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布させる塗布モードと、糊塗布部50に残留する糊Nを除去する除去モードと、を切り替える制御部100を備え、糊塗布部50は、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する塗布ローラー52と、塗布ローラー52と離間した位置に設けられ、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを除去する糊除去ブレード56と、糊除去ブレード56を塗布ローラー52の表面に当接させる駆動手段(圧着解除カム駆動モーターM3及び圧着解除カム56f)と、塗布ローラー52の下方に載置され、糊除去ブレード56により除去された糊Nを収容する廃棄容器55と、を備え、制御部100は、除去モードに切り替えた際に、駆動手段を制御して糊除去ブレード56を塗布ローラー52の表面に当接させるので、塗布処理後に塗布ローラー52の表面に残留した糊Nを除去して廃棄容器55毎交換することができることとなって、塗布ローラー52の清掃作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、塗布ローラー52は、表面がフッ素樹脂加工され、糊除去ブレード56は、耐熱樹脂で形成されているので、塗布処理後に塗布ローラー52の表面に残留する糊Nを容易に除去できるとともに、除去処理時に塗布ローラー52の表面に傷が付くことを防止することができる。
また、本実施形態に係る製本装置Bによれば、糊Nを溶融した状態で貯留し、塗布ローラー52の表面に糊Nを溶融した状態で補給する溶融糊補給タンクTを備え、制御部100は、冊子P3が作製される毎に、溶融糊補給タンクTを制御して直前の冊子形成に使用された分量の糊Nを補給させ、除去モード時に糊除去ブレード56により塗布ローラー52の表面に残留する糊Nが除去された場合は、溶融糊補給タンクTを制御して塗布ローラー52の表面全体に行き渡る所定の分量の糊Nを補給させるので、常時冊子形成に必要な分量だけ糊Nが補給されることとなって、糊Nを効率的に使用することができる。
(変形例1)
変形例1は、図10及び図11に示すように、実施形態と比べ、糊塗布部50を構成する塗布ローラー52A、スクレープ部材53A、掻き取り部材54A、及び糊除去ブレード56Aの形状等が異なっている。なお、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付することとし、詳細な説明は省略する。
塗布ローラー52Aは、塗布ローラー52Aの中央部に位置する糊保持部521と、塗布ローラー52Aの両端部に設けられた糊非付着部522と、糊保持部521と糊非付着部522との境界に沿って糊保持部521と糊非付着部522とを隔てるように設けられた隔壁部523と、を備えて構成されている。なお、本変形例1では、塗布ローラー52A(糊保持部521、糊非付着部522、及び隔壁部523)は、表面がフッ素樹脂加工されており、塗布処理後に残留する糊Nを容易に除去できるようになっている。
糊保持部521は、表面に溶融糊補給タンクTから溶融した状態で補給された糊Nを保持し、用紙束P1の背部Paに塗布する。また、糊保持部521には、糊除去時に糊除去ブレード56Aが当接するようになっている。
隔壁部523は、糊保持部521及び糊非付着部522よりも径方向に突出するように構成されている。即ち、隔壁部523は、糊保持部521の表面に保持された糊Nが糊非付着部522に広がらないように、壁として機能するようになっている。
また、隔壁部523には、隔壁部523に付着した糊Nを除去するための隔壁部用ブレード523Aが常時当接するようになっている(図10(A)参照)。
糊非付着部522は、隔壁部523により、糊保持部521に保持された糊Nが付着しないように構成されている。また、糊非付着部522の一方側には、センサー圧着バネ57aを介して温度センサー57が圧接されている。
温度センサー57は、糊非付着部522に当接することにより、糊保持部521の表面に保持された糊Nの温度を計測することができるようになっている。
また、糊非付着部522の温度センサー57が圧接されている側には、糊塗布時に糊非付着部522に付着した糊Nを除去するための糊非付着部用ブレード522Aが常時当接するようになっている(図10(A)参照)。
また、塗布ローラー52Aは、実施形態の軸52aの代わりにヒーター58が設けられ、塗布ローラー駆動モーターM2(図9参照)によりヒーター58を中心に回転するように構成されている。
ヒーター58は、塗布ローラー52Aの表面に保持された糊Nを加熱することにより、糊Nを糊塗布に最適な状態(例えば、約120℃)となるように加熱する。制御部100は、温度センサー57により計測された糊Nの温度に基づいて、ヒーター58の温度を制御する。
糊除去ブレード56Aは、対向する糊保持部521の幅と略同一の幅になるように形成され、糊除去時には糊保持部521の表面にのみ当接するようになっている。
なお、変形例1では、制御部100は、糊除去ブレード56による糊除去時、即ち、除去モードに切り替えた際に、ヒーター58を制御して塗布ローラー52Aの表面に保持された糊Nの温度を、塗布モード時の温度と異なる所定の温度にさせることで、塗布ローラー52の表面に残留している糊Nの粘度を下げて除去し易くするようにしている。
スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aは、それぞれ圧着バネ531、圧着バネ541により、塗布ローラー52Aの隔壁部523に圧接するように構成されている(図10(C)及び図11参照)。また、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aは、ローラー形状に形成されたローラー構造をなしており、塗布ローラー52Aの回転に合わせて回転することができるようになっている。
また、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aは、スクレープ部材53Aと塗布ローラー52の糊保持部521の表面との間隔D3が、掻き取り部材54Aと糊保持部521の表面との間隔D4よりも狭くなるように設けられている(図12参照)。具体的には、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aをローラー形状に形成し、掻き取り部材54Aのうち糊保持部521と対向する部分541Aを他の部分よりも径が細くすることで、D4>D3となるようにしている。ここで、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54AをD4>D3となるように設けるようにしたのは、糊保持部521の表面に保持される糊Nがスクレープ部材53Aを通過する際に、用紙束P1の背部Paに塗布される厚み(D3)を確保するためである。
以上のように、変形例1に係る製本装置Bによれば、塗布ローラー52Aは、表面に保持された糊Nを加熱するヒーター58を備え、塗布ローラー52Aの表面には、保持された糊Nの温度を計測する温度センサー57が当接され、温度センサー57により計測された糊Nの温度に基づいて、ヒーター58の温度を制御する制御部100を備えているので、塗布ローラー52Aの表面に保持された糊Nの温度を制御することができることとなって、糊Nの塗布処理や除去処理を効率的に行うことができるようになる。
特に、変形例1に係る製本装置Bによれば、制御部100は、除去モードに切り替えた際に、ヒーター58を制御して塗布ローラー52Aの表面に保持された糊Nの温度を塗布モード時の温度よりも高い所定の温度にさせるので、塗布ローラー52の表面に残留している糊Nの粘度を下げることができることとなって、糊Nの除去処理を行い易くすることができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する塗布ローラー52Aを備え、塗布ローラー52Aは、当該塗布ローラー52Aの中央部に位置し、用紙束P1の背部Paに糊Nを塗布する糊保持部521と、塗布ローラー52Aの両端部に設けられた糊非付着部522と、糊保持部521と糊非付着部522との境界に沿って糊保持部521と糊非付着部522とを隔てるように設けられた隔壁部523と、を備えているので、隔壁部523が、糊保持部521の表面に保持された糊Nが糊非付着部522に広がらないように壁として機能し、糊Nが糊非付着部522の端部から軸方向に垂れることを防止することができることとなって、糊Nの塗布作業を効率的に行うことができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、塗布ローラー52Aにより塗布される糊Nの厚みを規制するスクレープ部材53Aを備え、スクレープ部材53Aは、隔壁部523に当接するので、スクレープ部材53Aと隔壁部523とにより更に壁としての機能を向上させることができることとなって、糊Nが糊非付着部522の端部から軸方向に垂れることを防止することができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、糊塗布部50は、塗布ローラー52Aにより用紙束P1の背部Paに塗布された糊Nが所定の厚みになるように掻き取る掻き取り部材54Aを備え、掻き取り部材54Aは、隔壁部523に当接するので、掻き取り部材54Aと隔壁部523とにより更に壁としての機能を向上させることができることとなって、糊Nが糊非付着部522の端部から軸方向に垂れることを防止することができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、塗布ローラー52Aは、表面に保持された糊Nを加熱するヒーター58を備え、糊非付着部522には、糊保持部521に保持された糊Nの温度を計測する温度センサー57が当接され、温度センサー57により計測された温度に基づいて、ヒーター58の温度を制御する制御部100を備えているので、表面に糊Nが付着していない糊非付着部522を利用して糊Nの温度を計測することができることとなって、より正確な温度制御を行うことができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、隔壁部523には、隔壁部用ブレード523Aが当接し、糊非付着部522には、糊非付着部用ブレード522Aが当接しているので、隔壁部523及び糊非付着部522においても、表面に付着した糊Nを除去することができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aは、ローラー形状に形成されているので、塗布ローラー52Aの回転に合わせて回転することができることとなって、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aと隔壁部523との接点の摩耗を防止することができる。
また、変形例1に係る製本装置Bによれば、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aは、スクレープ部材53Aと糊保持部521の表面との間隔D3が、掻き取り部材54Aと糊保持部521の表面との間隔D4よりも狭くなるように設けられているので、糊保持部521の表面に保持される糊Nがスクレープ部材53Aを通過する際に、用紙束P1の背部Paに塗布される厚み(D3)を確保することができることとなって、より確実に糊Nの塗布作業を行うことができる。
特に、変形例1に係る製本装置Bによれば、掻き取り部材54Aは、糊保持部521と対向する部分541Aが他の部分よりも径が細く形成されているので、スクレープ部材53Aと糊保持部521の表面との間隔D3を、掻き取り部材54Aと糊保持部521の表面との間隔D4よりも狭くすることができる。
(変形例2)
変形例2は、図13に示すように、実施形態と比べ、糊除去ブレード56の代わりに、糊除去ローラー56Bを設けている点で異なっている。なお、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付することとし、詳細な説明は省略する。
糊除去ローラー56Bは、例えば、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)等の耐熱樹脂により形成されたローラー形状の部材であり、バネ56aにより塗布ローラー52から離間された位置で支持されている。糊除去ローラー56Bは、糊除去ブレード56同様、圧着解除カム駆動モーターM3(図9参照)により圧着解除カム56fが半回転することにより、枠体56d、揺動部材56b、及びバネ56aを介して右方向に移動し、先端部が塗布ローラー52の表面に当接する(図13参照)。このように、糊除去ローラー56Bを塗布ローラー52の表面に当接させることで、塗布ローラー52の表面に保持された糊Nを除去することができるようになっている。
また、移動体51には、廃棄容器55の上方の位置に補助ブレード561が設けられている。
補助ブレード561は、例えば、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)等の耐熱樹脂により形成された板状の部材であり、一端が糊除去ローラー56Bの表面に常時当接するように構成されている。このように、補助ブレード561を糊除去ローラー56Bの表面に常時当接させることにより、糊除去ローラー56Bが除去した糊Nを廃棄容器55に収容させることができるようになっている。
以上のように、変形例2に係る製本装置Bによれば、糊除去部材は、ローラー形状に形成された糊除去ローラー56Bであり、糊除去ローラー56Bには、廃棄容器55の上方に設けられた補助ブレード561が当接しているので、糊除去ローラー56B及び補助ブレード561の配置を工夫することにより、廃棄容器55の配置の自由度を増すことができる。
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、スクレープ部材53及び掻き取り部材54を板金構造にしているが、これに限定されるものではなく、例えば、変形例1のスクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aのように、ローラー構造にすることも可能である。一方で、変形例1のスクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aを、実施形態のスクレープ部材53及び掻き取り部材54のように板金構造にすることも可能である。
また、図14に示すように、変形例1のスクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aの代わりに、スクレープ部材53B及び掻き取り部材54Bを設けるようにしてもよい。
スクレープ部材53B及び掻き取り部材54Bは、スクレープ部材53Bと塗布ローラー52の糊保持部521の表面との間隔D5が、掻き取り部材54Bと糊保持部521の表面との間隔D6よりも狭くなるように設けられている。具体的には、スクレープ部材53B及び掻き取り部材54Bをローラー形状に形成し、スクレープ部材53Bのうち糊保持部521と対向する部分531Bを他の部分よりも径が太くすることで、D6>D5となるようにしている。なお、スクレープ部材53Bと糊保持部521の表面との間隔D5は、スクレープ部材53Aと糊保持部521の表面との間隔D3と同一の長さであり、掻き取り部材54Aと糊保持部521の表面との間隔D4は、掻き取り部材54Bと糊保持部521の表面との間隔D6と同一の長さである。
このように、変形例2に係る製本装置Bによれば、スクレープ部材53Bは、糊保持部521と対向する部分531Bが他の部分よりも径が太く形成されているので、塗布ローラー52Bの隔壁部523Bの径方向の長さを、塗布ローラー52Aの隔壁部523の径方向の長さよりも長くすることができる(図12及び図14参照)こととなって、スクレープ部材53A及び掻き取り部材54Aを設けたときよりも、糊保持部521の表面に保持された糊Nを糊非付着部522に広がらないようにすることができる。
また、上記実施形態では、全ての冊子形成が完了して所定時間以上経過したときに糊除去ブレード56による糊除去処理を行うようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、形成したい冊子P3が分厚い場合、糊Nの塗布動作等に時間を要するため、 全ての冊子P3を形成する前に残留糊の硬化が始まることがあるが、このような場合は、一つの冊子P3を形成する度に糊除去処理を行うようにしてもよい。即ち、制御部100に、冊子形成前の用紙束P1の厚みを検出させるようにし、用紙束P1の厚みが所定の厚みよりも厚いと判定した場合は、冊子P3を作製する毎に除去モードに切り替え、用紙束P1の厚みが所定の厚みよりも以下と判定した場合は、冊子P3を所定数作製する毎に除去モードに切り替えるようにすることも可能である。
その他、製本システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
S 製本システム
A 画像形成装置
B 製本装置
C 冊子収容装置
10 用紙搬送部
20 排紙部
30 用紙束収容部
40 用紙束搬送部
50 糊塗布部
51 移動体
52、52A 塗布ローラー
521 糊保持部
522 糊非付着部
522A 糊非付着部用ブレード
523 隔壁部
523A 隔壁部用ブレード
53、53A、53B スクレープ部材(規制部材)
54、54A、54B 掻き取り部材
55 廃棄容器
56、56A 糊除去ブレード(糊除去部材)
56B 糊除去ローラー(糊除去部材)
56f 圧着解除カム(駆動手段)
561 補助ブレード
57 温度センサー
58 ヒーター
60 表紙供給部
70 表紙断裁部
80 表紙支持部
90 操作表示部
100 制御部(制御手段)
M1 糊塗布部移動モーター
M2 塗布ローラー駆動モーター(塗布ローラー駆動手段)
M3 圧着解除カム駆動モーター(駆動手段)
T 溶融糊補給タンク(溶融糊補給部)
N 糊
P 用紙
Pa 背部
P1 用紙束
P2 表紙用紙
P3 冊子
HP ホームポジション
AP 塗布完了ポジション
CP 交換ポジション

Claims (10)

  1. 複数の用紙から構成される用紙束の背部にPUR系ホットメルトから成る糊を塗布する糊塗布部を備え、前記糊塗布部により前記糊を塗布された前記用紙束の背部に表紙を接着させて冊子を作製する製本装置であって、
    前記糊塗布部は、前記用紙束の背部に前記糊を塗布する塗布ローラーを備え、
    前記塗布ローラーは、
    当該塗布ローラーの中央部に位置し、前記用紙束の背部に前記糊を塗布する糊保持部と、
    前記塗布ローラーの両端部に設けられた糊非付着部と、
    前記糊保持部と前記糊非付着部との境界に沿って前記糊保持部と前記糊非付着部とを隔てるように設けられた隔壁部と、を備えていることを特徴とする製本装置。
  2. 前記糊塗布部は、前記塗布ローラーにより塗布される糊の厚みを規制する規制部材を備え、
    前記規制部材は、前記隔壁部に当接することを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  3. 前記糊塗布部は、前記塗布ローラーにより前記用紙束の背部に塗布された糊が所定の厚みになるように掻き取る掻き取り部材を備え、
    前記掻き取り部材は、前記隔壁部に当接することを特徴とする請求項2に記載の製本装置。
  4. 前記塗布ローラーは、表面に保持された糊を加熱するヒーターを備え、
    前記糊非付着部には、前記糊保持部に保持された糊の温度を計測する温度センサーが当接され、
    前記温度センサーにより計測された温度に基づいて、前記ヒーターの温度を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製本装置。
  5. 前記隔壁部には、隔壁部用ブレードが当接し、
    前記糊非付着部には、糊非付着部用ブレードが当接していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製本装置。
  6. 前記規制部材及び前記掻き取り部材は、ローラー形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の製本装置。
  7. 前記規制部材及び前記掻き取り部材は、前記規制部材と前記糊保持部の表面との間隔が、前記掻き取り部材と前記糊保持部の表面との間隔よりも狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の製本装置。
  8. 前記掻き取り部材は、前記糊保持部と対向する部分が他の部分よりも径が細く形成されていることを特徴とする請求項7に記載の製本装置。
  9. 前記規制部材は、前記糊保持部と対向する部分が他の部分よりも径が太く形成されていることを特徴とする請求項7に記載の製本装置。
  10. 用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置から供給された複数の用紙から構成される用紙束の背部にPUR系ホットメルトから成る糊を塗布する糊塗布部を備え、前記糊塗布部により前記糊を塗布された前記用紙束の背部に表紙を接着させて冊子を作製する請求項1〜9のいずれか一項に記載の製本装置と、を備えることを特徴とする製本システム。
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CN104723718A (zh) * 2013-12-24 2015-06-24 赵中奎 胶装机不停机边胶截胶长度调整装置

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