JP2013212645A - 帯電防止性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステルフィルム上に形成された帯電防止層が、ヒートシール層と接しても、ブロッキングや、ヒートシール層への移行等が起こらない帯電防止性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む帯電防止層を有することを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は帯電防止性ポリエステルフィルムに関するものであり、特に、ヒートシール層と接しても、ブロッキングや、ヒートシール層への移行等が起こらない帯電防止層を有する帯電防止性ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムは、機械的性質、耐熱性および透明性に優れ、包装食品用途のフィルムとして、また工業材料である包装材料、情報記憶材料、建築材料、電子材料、印刷材料などのベースフィルムや工程フィルムとして広く使用されている。
しかし、一般にプラスチックフィルムやその積層体は、加工工程や製品の使用時に接触摩擦や剥離によって静電気が発生しやすく、チリや小さなゴミが付着しやすい。従って、食品類・医薬品の包装材料として利用される場合には、汚染や異物混入の危険がある。また印刷・加工時には、二枚取りや滑り不良等が発生し、給紙・排紙適性が低下するなどの問題がある。
そこで、例えば、キャリアテープカバーテープ等特に帯電を嫌う用途には、帯電防止処理が施された基材フィルムが使用されている。
例えば、特許文献1には、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体と、架橋剤とを含有する帯電防止層が基材フィルム上に形成されたフィルムが開示され、このフィルムは帯電防止性能、耐熱性、密着性に優れることが記載されている。しかしながら、このフィルムをキャリアテープカバーテープ等に使用するために、フィルムの裏面、すなわち帯電防止層が形成されていない面にヒートシール層を形成した場合、このヒートシール層は易接着性を有するものであるため、フィルムをロール状態で高温高湿下保管すると、ブロッキングが生じることがあった。
特開2006−160883号公報
本発明の課題は、ポリエステルフィルム上に形成された帯電防止層が、ヒートシール層と接しても、ブロッキングや、ヒートシール層への移行等が起こらない帯電防止性ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、帯電防止層として、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を有する層を使用し、これをポリエステルフィルムの少なくとも片面に有する帯電防止性ポリエステルフィルムが、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む帯電防止層を有することを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。
(2)スルホン酸基を有する芳香族化合物が、フェノール性水酸基またはアミノ基を有することを特徴とする(1)記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
(3)アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする(1)または(2)記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
(4)帯電防止層が、長鎖アルキル変性体および/またはシリコーン化合物を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
(5)長鎖アルキル変性体が長鎖アルキルペンダントポリマーまたはアルキッド樹脂であり、シリコーン化合物がノニオンまたはアニオン変性シリコーンであることを特徴とする(4)記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
(6)23℃×50%RHにおける表面固有抵抗が1012Ω/□未満であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、帯電防止層がスルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含むため、帯電防止性能に優れ、帯電防止層がヒートシール層と接しても、ブロッキングや、ヒートシール層への移行等が起こらない。したがって、本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、裏面にヒートシール層を形成し、ロール状態に巻き取って、帯電防止層がヒートシール層と接した状態にしても、高温高湿下保管することができる。また、帯電防止層は、微粘着性やヒートシール性を持つ層と接してもブロッキングや移行することがないので、微粘着性やヒートシール性を低下させることがない。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、帯電防止性能、耐ブロッキング性に優れるので、包装材料、情報記憶材料、建築材料、印刷材料、電子材料等に使用することができる。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層を有する。
上記ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、特に限定されないが、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート及びそのブレンド物や共重合体が挙げられ、特にコストや機械強度のバランスという点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
またポリエステルフィルムの融点は、電子部品の封緘(充填後ヒートシール)の高温・高速化に対応するために、220℃以上であることが好ましく、246℃以上であることがより好ましい。ポリエステルフィルムの融点が220℃未満であると、キャリアテープのように高温でヒートシールされる場合には、熱がかかったときにフィルムが長さ方向に延びたり幅方向に収縮したりすることにより、幅が縮んでしまい、適正な幅でシールすることができなくなるおそれがある。
なお、ポリエステルフィルムのハジキなどを防止して良好な塗工性を実現したり、塗膜とフィルムとの接着性を改良したりする目的で、フィルム表面にコロナ放電やイオンブロー等の処理をインラインもしくはオフラインで行ってもよい。
ポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されない。以下、その例を挙げる。まず乾燥したポリエステルチップをエクストルーダーで溶融混合してからTダイで押し出し、急冷した未延伸フィルムを作成する。ポリエステルフィルムは、この未延伸フィルムを、予熱後、縦横同時に延伸する同時二軸延伸法で製造したり、また未延伸フィルムを、予熱後、ロールの速度差を利用してまず長さ方向に延伸したあと、クリップでつかみ幅方向に延伸する逐次二軸延伸法等で製造することができる。延伸倍率やバランスを変更しやすいという点から逐次二軸延伸法を用いることが望ましい。延伸倍率は特に制限されないが、高温シール時に変形しないことを考慮すると、長さ方向3倍以上、幅方向3倍以上であることが好ましく、面倍率として10倍以上であることが好ましく、11倍以上であることがさらに好ましく、12倍以上であることが特に好ましい。ポリエステルフィルムは、延伸後、ひずみを取るために熱セットと熱弛緩を行うことが好ましい。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムを構成する帯電防止層は、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含むことが必要である。
スルホン酸基は縮合物の芳香族部位に導入されておればよく、スルホン酸基を導入する方法は特に限定されないが、スルホン酸基を有する芳香族化合物を使用して、これとアルデヒド化合物とを縮合する方法や、芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合反応終了後、縮合物をスルホン化する方法等が挙げられる。
スルホン酸基を有する芳香族化合物は、芳香族部位にスルホン酸基を有していればよく、また芳香族部位の構造は特に限定されない。芳香族部位の構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンや、トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン誘導体等が挙げられ、フェノール性水酸基またはアミノ基を有するものが好ましい。
フェノール性水酸基とスルホン酸基とを有する芳香族化合物としては、具体的には、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸、スルホン酸基を有するジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられ、なかでもフェノールスルホン酸が特に好ましい。
またアミノ基とスルホン酸基とを有する芳香族化合物としては、クロロアニリン、ニトロアニリン、ニトロソアニリン、メチルニトロソアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジフェニルアミン、1−ナフチルアミン(アルファ−ナフチルアミン)、2−ナフチルアミン、キシリジン、アンフェタミン、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、N−アルキルフェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N−アルキルトリレンジアミン、N,N−ジエチル−3,4−トリレンジアミン等アニリン誘導体やベンゾグアナミンや芳香族ポリアミンのスルホン化物が挙げられる。具体的には、スルファニル酸、メタ−アミノベンゼンスルホン酸が挙げられ、なかでもスルファニル酸が特に好ましい。
なお、縮合物には、スルホン酸基を有しないフェノール類やアニリン類、例えばフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ビスフェノールFを、芳香族化合物類として付加的に使用することもできる。
芳香族部位をスルホン化するためには、スルホン化剤として、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体あるいは亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)、無水硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、濃硫酸、アセチル硫酸などを使用することが好ましい。スルホン基を導入する方法としては、例えば日本化学会編集、新実験講座(14巻 III、1773頁)、特開平2−227403号公報、特開平3−101656号公報などに記載された方法が挙げられる。芳香族部位としてはとくに限定されず、既知のものを使用することができる。芳香族部位のスルホン化率は特に限定されないが、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。芳香族部位のスルホン化率が30%未満の場合には、帯電防止性能が不十分であることがある。
縮合に用いられるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒドおよびその縮合物、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボキシアルデヒド等の芳香族ジアルデヒド、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フェノール類とアルデヒド類の縮合物、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが使用できる。また、前記群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものや、前記群から選ばれる1種以上と前記共縮合物との混合物からなるものも使用できる。アルデヒド化合物としては、コストの点でホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
アルデヒド化合物がホルムアルデヒドである場合、その縮合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜20000程度が好ましく、600〜16000程度がより好ましい。
スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を製造する方法としては、通常、フェノール樹脂やアニリン樹脂を製造するために用いられている方法を適用することができる。
また、芳香族化合物とアルデヒド化合物とを縮合してから、スルホン化する方法としては、スルホン化されていない芳香族化合物を用い、これとアルデヒド化合物とを上記方法で縮合して、スルホン化する方法が挙げられる。
本発明において、帯電防止層は、上記スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含むものである。
帯電防止層における縮合物の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。含有量が50質量%未満であると、表面固有抵抗が上昇し、帯電防止フィルムとしての機能を果たさなくなることがある。
帯電防止層の厚さは、0.01〜0.5μmであることが好ましい。帯電防止層の厚さが0.01μm未満であると、帯電防止性能が発現しないことがあり、厚さが0.5μmを超えると、帯電防止性能が飽和し不経済であり、また帯電防止層の形成に際して塗布する塗工液の濃度や粘度を高く設定するために、外観不良が生じやすくなる。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、帯電防止層が上記組成で形成されるので、その表面固有抵抗値は、23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満とすることができる。
本発明において、帯電防止層には、耐ブロッキング性をさらに向上させ、また滑り性を付与するために、長鎖アルキル変性体および/またはシリコーン化合物を含有させてもよい。
本発明において長鎖アルキル変性体とは、炭素数が10以上、好ましくは14以上、さらに好ましくは18以上のアルキル基を有する化合物を指し、スルホ基、カルボキシル基、エポキシ基、無水物基、水酸基、アミノ基、エステル基、アミド基等を有することが望ましい。
長鎖アルキル変性体としては公知のものを使用することができる。たとえば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ステアリン酸やベヘン酸等の高級脂肪酸、ステアリルエポキシドやパルチミルエポキシド等の長鎖アルキルの末端エポキシド、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリルや4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジステアリル等のエポキシ化合物の長鎖アルキル基変性体、オクテニルコハク酸無水物等のアルケニルコハク酸無水物、ステアリルアルコールやベヘニルアルコール等の高級アルコール、ポリオキシエチレンラウリルアミンやポリポキシエチレンステアリルアミン等のステアリルアミンやベヘニルアミンや硬化油変性アミン等の長鎖アルキルアミン、脂肪酸グリセリドや脂肪酸ソルビタン、脂肪酸ショ糖エステル等の脂肪酸エステル、ステアリルアミドやステアリルビスアミド等の脂肪酸アミド化合物、大豆油エポキシドやひまし油エポキシドのような不飽和脂肪酸酸化物、オクタデシルイソシアネートのような長鎖アルキル基をもつイソシアネートとポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニル鹸化物、デンプンやセルロール等のポリアルコール類との反応物もしくはポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミンと長鎖アルキル基を持つイソシアネート化合物の反応物のように、分子中に長鎖アルキル基を有する長鎖エチレン尿素化合物、アルキッド樹脂、油変性アルキッド樹脂、油変性ウレタン樹脂等の不飽和油変性ポリマー、長鎖アルキルペンダントポリマーが挙げられる。
中でもヒートシール層への移行性が少ないという点で、硬化油変性アミン、アルキッド樹脂、長鎖アルキルペンダントポリマーもしくは長鎖エチレン尿素化合物が好ましい。これらの化合物は単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
シリコーン化合物としては公知のものが使用できる。たとえば、ジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン等からなるシリコーンオイル、エーテル変性シリコーン、ポリシリコンジオール等の水酸基末端シリコーン化合物、アミン変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル基変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン等が挙げられる。移行性が少ないという点で、ノニオンまたはアニオン変性シリコーン、特に高分子タイプのものが望ましい。さらにヒートシール層への移行性を抑えるために、シリコーンの末端基と反応する硬化剤を併用してもよい。
上記長鎖アルキル変性体もしくはシリコーン化合物の含有量またはそれらの合計の含有量は、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることがより好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましい。長鎖アルキル変性体および/またはシリコーン化合物の含有量が5質量部未満であると、耐ブロッキング性をさらに向上させることができないことがあり、また滑り性を付与することができないことがあり、含有量が100質量部を超えると帯電防止性能が低下することがある。
ポリエステルフィルムとの密着性や耐久性を向上する目的で、帯電防止層中には硬化剤を含有することが望ましい。硬化剤としては、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、有機金属塩等公知の物質を使用することができる。中でもエポキシ化合物やメラミン化合物が好適に使用される。これらの化合物を単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
硬化剤の含有量は、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、1〜40質量部であることがより好ましく、1〜30質量部であることがさらに好ましい。硬化剤の含有量が1質量部未満であると、密着性や耐久性の向上が十分でないことがあり、含有量が50質量部を超えるとブロッキングを起こしたり、帯電防止性能が低下することがある。
なお、後述する帯電防止性ポリエステルフィルムの製造において、帯電防止層を、有機溶剤を使用しない塗工液で形成するために、硬化剤は水溶性又は水分散性であることが好ましい。
エポキシ化合物としては、ジエチレングリコールジグリシジールエーテル、グリセリンジグリシジールエーテル、ビスフェノールAジグリシジールエーテル等の2官能誘導体、トリメチロールプロパントリグリシジールエーテル等の3官能誘導体、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、1,2:8,9ジエポキシリモネン、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン、エポキシ化大豆油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化ポリブタジエン、SBSやポリイソプレン、ポリブタジエン等分子内にシクロヘキセン基等の二重結合を持つ化合物・ポリマー等を酸素・過酸化水素・過酢酸等で酸化した化合物が挙げられる。なおエポキシ化合物は、原料にエピクロヒドリンを使用されるものが多いが、塩素イオンの残留が避けられないので、可能な限り塩素イオンを除去したもの、もしくはエピクロロヒドリンを使用せず、二重結合を酸化して得られる化合物を使用することが望ましい。
メラミン化合物としては、特に限定されるものではないが、親水化の点でメラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に、低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を脱水縮合反応させてエーテル化した化合物などが挙げられる。メチロールメラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
イソシアネート化合物としては、特に限定されないが、トルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの誘導体が挙げられ、反応性を調整し塗工液の安定性を高める点でブロックイソシアネート化合物が好ましい。
シランカップリング剤としては、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン類が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基またはオキサジン基を1分子当たり少なくとも1つ以上有するものであれば特に限定されないが、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーを単独で重合、もしくは他のモノマーとともに重合した高分子型のものが好ましい。
付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンを挙げることができる。これらは、1種で使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。これらの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)クリル酸エステル類やアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付加させたもの等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα、β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレン、等のα、β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
カルボジイミド化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表されるカルボジイミド構造を1分子当たり少なくとも1つ以上有するものであれば特に限定されないが、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性などの点で、1分子中に2つ以上を有するポリカルボジイミド化合物が特に好ましい。特に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などのポリマーの末端や側鎖に、複数個のカルボジイミド基を有する、高分子型のイソシアネート化合物を用いると、帯電防止層をポリエステルフィルム上に設け、帯電防止性ポリエステルフィルムとしたときに、帯電防止層の可撓性や強靭性が高まり好ましく用いることができる。
−N=C=N− (1)
ポリカルボジイミド化合物の製造は公知の技術を適用することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物を触媒存在下で重縮合することにより得られる。該ポリカルボジイミド化合物の出発原料であるジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環式ジイソシアネートなどを用いることができ、具体的にはトリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネートなどを用いることができる。更に本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加してもよい。
有機金属系化合物としては、金属原子を含有し、一般的にイソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などの付加反応、重合反応、架橋反応を促進する触媒作用を有する化合物であれば特に限定されないが、含有される金属原子が錫、ビスマス、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、鉄および亜鉛からなる有機金属系化合物から選ばれるものが好ましく、さらにコーティング用組成物への適用を考慮するとキレート化合物が好ましい。特に反応促進効果の高い錫系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物であることが好ましい。
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムの製造方法としては、ポリエステルフィルムに、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む塗工液を塗布した後、乾燥する方法や、2軸配向結晶化終了前のフィルムに塗工液を塗布し乾燥したのち、少なくとも一方向に延伸後、熱処理する方法などが挙げられる。
本発明において、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む塗工液をポリエステルフィルムに塗布して、帯電防止層を形成する際、塗工液は、生産工程での安全性、衛生性の観点から、水溶液、水分散体であることが好ましい。また、塗工液の濃度は5〜30質量%が好ましく、塗工作業性から10〜20質量%がさらに好ましい。
スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物は、特に中和する必要はないが、取り扱いという点で、その水溶液は、中和によりpHを5〜9に調整することが望ましい。中和に使用する化合物は特に限定されないが、アンモニア、酸化ナトリウムや酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物、無機塩基性化合物やその水和物、アルキルアミンやポリアミドアミンのような有機化合物が挙げられる。液の安定性という点で、アンモニア、アルカリ金属酸化物やその水和物を使用することが望ましい。帯電防止層を形成する際に、縮合物中のスルホン酸基を中和せずに完全水系である塗工剤を使用して、これをポリエステルフィルムに塗布する場合、はじきが発生したり、造膜性が低く、帯電防止性能が発現しないことがある。
塗工液に長鎖アルキル変性体を含有させる場合は、長鎖アルキル変性体は、ノニオンもしくはアニオン系の水分散体もしくは水性ポリマーとして使用することが好ましい。長鎖アルキル変性体の水性分散体を、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒドとの縮合物とを混合する場合には、あらかじめpHを5〜9の中性付近に調整しておき混合することが望ましい。pHを調整しない場合には凝集・ゲル化を起こすことがある。pHの調整には既存の塩基性化合物を単独もしくは複数組み合わせて使用することができる。
本発明において、上記塗工液には、必要に応じて、前述の長鎖アルキル変性体、シリコーン化合物、硬化剤を添加して帯電防止層が形成されるが、塗工液には、濡れ剤や消泡剤を添加することが好ましい。塗工液に濡れ剤や消泡剤を添加することによって、極性の高いスルホン酸基を持つ芳香族化合物とアルデヒドとの縮合物を含む塗工液をはじくことなく、塗膜の均一性に優れた帯電防止性ポリエステルフィルムを得ることができる。
濡れ剤や消泡剤としては、特に限定されないが、アニオン系、ノニオン系界面活性剤が挙げられ、シリコーン系化合物や高級脂肪酸系化合物、アセチレングリコール系化合物およびそのエチレンオキシド付加体が好ましい。具体的には、シリコーン系化合物としては、シロキサン鎖の一部がエチレングリコールやプロピレングリコールの付加体で置換されたポリエーテル系シリコーンが挙げられる。また、アセチレングリコール系のものとしては、3,6−ジメチル−4−デシン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、およびこれらにエチレンオキサイドを付加した化合物も有効である。
濡れ剤や消泡剤の添加量は、塗工液100質量部に対して0.1〜2質量部であることが好ましい。
塗工液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、一般的な塗工方法を適用することができ、例えば、メイヤーバーコート、エアーナイフコート、リバースロールコート、リバースグラビアロールコート、グラビアロールコート、リップコート、ダイコートなどの方法が挙げられる。
塗工液の塗布量は1〜10g/mが好ましい。塗布、乾燥後に、フィルムを延伸する場合、塗布後の乾燥条件は50〜90℃、10〜60秒であることが好ましい。さらに延伸温度は110〜130℃、延伸倍率は3〜4倍であることが好ましい。さらに延伸後に、熱処理する場合、熱処理温度は220〜240℃、熱処理時間は5〜15秒間が好ましい。
なお、塗工液やポリエステルフィルムには、本発明の効果を防げない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、滑剤等の添加剤を配合しておいてもよい。
上記製造方法で得られた帯電防止性ポリエステルフィルムは、そのまま使用することもできるが、帯電防止層面もしくは未塗工面に、表面処理としてコロナ放電やイオンブローなどの表面処理を行ってもよい。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例に用いた測定方法、評価方法を以下に示した。
(1)帯電防止性:
帯電防止性は、帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗値をもって評価した。帯電防止性ポリエステルフィルムを温度23℃、湿度50%RH下で3時間放置調湿後、同温度、湿度においてダイアインスツルメンツ社製高抵抗計HT−260測定器を用いて、印加電圧500V−10秒後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。
(2)密着性1:
帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層表面に、ニチバン社製セロテープ「LP−24」を貼り付けた後、90°方向に急激に剥離した。帯電防止層の欠落が見られたものを×、帯電防止層の欠落が見られないものを○として評価した。
(3)密着性2:
帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層表面を、親指で10回強くこすった。帯電防止層の欠落が見られたものを×、帯電防止層の欠落が見られないものを○として評価した。
(4)耐ブロッキング性1〜3:
下記の方法で調製した積層フィルム1〜3を用いて、そのヒートシール層面と、10mm幅に切り取った帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層面とを接触させた状態で、3インチ紙管に貼り付けた後、PETフィルム(ユニチカ社製「PET−12」)を積層フィルムの上から2000m巻き付けて、60℃×3日間熱風乾燥器中で保管した。
冷却後、表層のPETフィルムを除去した後、帯電防止層とヒートシール層の間をピンセットを使って剥離した際の抵抗で耐ブロッキング性を評価した。
なお、積層フィルム1と接触させた場合の評価を耐ブロッキング性1、積層フィルム2と接触させた場合の評価を耐ブロッキング性2、積層フィルム3と接触させた場合の評価を耐ブロッキング性3とした。
○:スムーズに剥がれる。
△:剥がれるが抵抗がある。
×:剥がれるがフィルムが延びてカールする。
××:剥がれない。
(5)移行性:
下記の方法で調製した積層フィルム1のヒートシール層面に、A4サイズの帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層面を接触させた状態で3インチ紙管に貼り付けた後、PETフィルム(ユニチカ社製「PET−12」)を積層フィルムの上から2000m巻き付けて、60℃×3日間熱風乾燥器中で保管した。
冷却後、表層のPETフィルムを除去した後、帯電防止層とヒートシール層の間をピンセットを使って剥離して露出した積層フィルム1のヒートシール層面に、アクリル系帯電防止剤(コニシ社製「ボンディップPA−100」)を、乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、80℃×60秒乾燥させたときの外観を評価した。
○:塗工斑がない。
×:ハジキが発生する。
[耐ブロッキング性、移行性評価用 積層フィルム1の調製]
スチレン含量が30質量%であるスチレン−ブタジエン共重合体45質量部(電気化学工業社製「クリアレン」)、ポリオレフィン樹脂(三井化学社製「タフマー」)45質量部及び耐衝撃性ポリエチレン(東洋スチレン社製「HI−E6」)10質量部からなる樹脂混合物(ヒートシール層用)を作成した。また、ポリオレフィン樹脂(三井化学社製「タフマー」)60質量部と低密度ポリエチレン(宇部興産社製「UBEポリエチレン」)40質量部からなる樹脂混合物(支持層用)を作成した。
これらの樹脂混合物をTダイ法共押出法により、ヒートシール層10μm、支持層20μm、総厚30μmの、ヒートシール層/支持層からなる2層フィルムを作成した。その際、Tダイより押出されたフィルムを、シリコンゴム製のマットロールと、平均表面粗さ(Ra)を0.8μmに調整した金属製の冷却ロール(ヒートシール層側)で挟持して引き取った。得られた2層フィルムのヒートシール層側の表面粗さ(Ra)は0.4μmであった。
この2層フィルムを、厚さ16μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製エンブレットS−16)(基材層)上に、東洋モートン社製アンカー剤EL530を酢酸エチルで希釈し、0.3g/mになるように塗布乾燥した後、該2層フィルムの支持層側の面を積層面として、溶融押出した低密度ポリエチレンを介して押出ラミネーションを行い、ヒートシール層/支持層/低密度ポリエチレン層/基材層からなる構成の積層フィルム1を作成した。
[耐ブロッキング性評価用 積層フィルム2の調製]
積層フィルム1のヒートシール層面に、アクリル系帯電防止剤(コニシ社製「ボンディップPA−100」)を、乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、80℃×60秒乾燥させ、積層フィルム2を得た。
[耐ブロッキング性評価用 積層フィルム3の調製]
ヒートシール層用の樹脂混合物として、スチレン−ブタジエン共重合体スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(JSR社製「STRレジン」スチレン含量40質量%、ブタジエン含量60質量%)85質量部と、粘着付与樹脂としての芳香族系石油樹脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジンSX−100」)15質量部とからなる樹脂混合物を用いた以外は、積層フィルム1と同様にして、積層フィルム3を得た。
また、実施例、比較例で使用した原材料は下記のとおりである。
(1)スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物
・PSA−R:小西化学工業社製 PSA−R(フェノールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物+フェノールスルホン酸、固形分濃度31質量%)
・BS−PSR:小西化学工業社製 BS−PSR(フェノールスルホン酸及びその塩(Na)・ビス(ヒドロキシフエニル)スルホン・ホルムアルデヒド重縮合物、固形分濃度35質量%)
(2)スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物以外の樹脂
・重合体A:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルサルフェート4級化物を、45/5/5/45の質量比で共重合したもの(固形分濃度30質量%)
・PS−1:東ソー有機化学社製 ポリナスPS−1(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液、固形分濃度21質量%)
・PS−100:東ソー有機化学社製 ポリナスPS−100(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液、固形分濃度21質量%)
・GG−1402:DIC社製 フェノライトGG−1402(ノボラック樹脂、固形分濃度70質量%)
(3)長鎖アルキル変性体
(3−1)硬化油変性アミン
・アミート:花王社製 アミート320(固形分濃度100質量%)
(3−2)アルキッド樹脂
・U3000:パーストープ社製 ボルトロンU3000(水酸基含有アルキッド、固形分濃度100質量%)
・W3000:パーストープ社製 ボルトロンW3000(水酸基含有アルキッド、固形分濃度100質量%)
(3−3)長鎖アルキルペンダントポリマー
・P677:中京油脂社製 レゼムP677(長鎖アルキルペンダントポリマー水分散体、固形分濃度21質量%)
(4)シリコーン化合物
・XC−109C:竹本油脂社製 パイオニンXC−109C(シリコーン・アクリル共重合体水分散体、固形分濃度20質量%)
(5)硬化剤・架橋剤
(5−1)エポキシ化合物
・EX1610:ナガセ化成社製 デナコールEX1610(固形分濃度100質量%)
(5−2)メラミン化合物
・M−30WT:長春ジャパン社製 M−30WT(メラミン樹脂、固形分80質量%)
・サイメル:日本サイテック社製 サイメル325(メラミン樹脂、固形分80質量%)
(5−3)ポリエチレンイミン
・P−1000:日本触媒社製 P−1000(ポリエチレンイミン、固形分濃度30質量%)
(6)濡れ剤・消泡剤 他
・E1004:日信化学社製 オルフィンE1004(アセチレングリコール系界面活性剤、固形分濃度100質量%)
・4MAC−30:旭電化社製 アデカミン4MAC−30(固形分濃度30質量%)
・GLIDE482:エボニック デグサ社製 TEGO GLIDE482(エーテル系シリコーン湿潤剤)
(7)ポリエステルフィルム
・S−25:ユニチカ社製ポリエステルフィルム エンブレットS−25
・S−50:ユニチカ社製ポリエステルフィルム エンブレットS−50
・SA−125:ユニチカ社製ポリエステルフィルム エンブレットSA−125
実施例1
固形分が100質量部の縮合物「PSA−R」と、長鎖アルキル変性体「アミート」30質量部と、水3500質量部と、硬化剤「EX1610」20質量部と、濡れ剤・消泡剤「E1004」30質量部とを配合した後、マイヤーバー#2で、ポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例2
固形分が100質量部の縮合物「PSA−R」を、10%水酸化ナトリウム水溶液500質量部で部分中和した後、長鎖アルキル変性体「アミート」30質量部と、濡れ剤・消泡剤「E1004」30質量部と、水3500質量部とを加えた液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例3
長鎖アルキル変性体「U3000」75質量部と、長鎖アルキル変性体「アミート」22質量部と、水を加え、特殊機化工業社製フィルムミクス56−50型を用い、周速50m/分で4分間攪拌し、固形分10質量%の長鎖アルキル変性体の分散体Aを得た。
固形分が100質量部の縮合物「PSA−R」と、上記長鎖アルキル変性体の分散体Aと、濡れ剤・消泡剤「E1004」14質量部と、28%アンモニア水溶液650質量部と、水6500質量部とを加えた液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−50」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例4
長鎖アルキル変性体「U3000」を「W3000」に変更した以外は実施例3と同様にして、長鎖アルキル変性体の分散体Bを得た。
そして、分散体Aを分散体Bに変更した以外は、実施例3と同様にして帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例5
固形分が100質量部の縮合物「BS−PSR」に、水8700質量部を加えた液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例6
固形分が100質量部の縮合物「BS−PSR」に、固形分が26質量部の長鎖アルキル変性体「P677」、固形分が20質量部の硬化剤「M−30WT」、水4700質量部を加えた液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
実施例7
固形分が100質量部の縮合物「BS−PSR」に、固形分が13質量部のシリコーン化合物「XC−109」、固形分が20質量部の硬化剤「サイメル」、パラトルエンスルホン酸19質量部、水4700質量部を加えた液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
比較例1
縮合物の代わりに固形分が100質量部の重合体Aを用い、これに、固形分が10質量部の架橋剤「P−1000」を加えて、プロペラ攪拌機で強く撹拌した後に、固形分が3質量部の界面活性剤「4MAC−30」を添加し撹拌した。次に濡れ剤・消泡剤「E1004」11質量部を添加後、30分間撹拌し、さらに撹拌しながら、2種類目の架橋剤「EX1610」11質量部を添加し、60分間撹拌した。次いで純水で希釈して、総固形分濃度を10質量%の液を調製した。調製した液を水で5倍希釈して2質量%とした液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布した後、180℃で20秒乾燥し、帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
縮合物の代わりに「PS−1」を用い、これに、水を加えて2質量%水溶液を調製した。
調整した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布したが、はじきが発生し、均一なコートフィルムを得ることができなかった。
比較例3
縮合物の代わりに固形分が100質量部の「PS−1」を用い、水1900質量部と、エーテル系シリコーン湿潤剤「GLIDE482」12質量部とを加えて2質量%水溶液を調製した。
調製した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−50」のコロナ面に塗布したが、はじきが発生し均一なコートフィルムを得ることができなかった。
比較例4
「PS−1」の代わりに「PS−100」を用い、また、ポリエステルフィルム「S−50」の代わりに「SA−125」を用いた以外は、比較例3と同様にして、コートフィルムを得た。
比較例5
縮合物の代わりに固形分が100質量部の「GG−1402」を用い、水4900質量部、濡れ剤・消泡剤「E1004」4質量部を加えて2質量%水溶液を調製した。
調整した液をマイヤーバー#4でポリエステルフィルム「S−25」のコロナ面に塗布して、コートフィルムを得た。
実施例、比較例で得られた帯電防止性ポリエステルフィルムについて、帯電防止層の構成、評価結果を表1に示す。
Figure 2013212645
表1に示したように、実施例で得られた帯電防止性ポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルフィルム上に形成された、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む帯電防止層は、表面固有抵抗値が低く、また、ヒートシール層と接してロール状に巻き取っても、ブロッキングや、ヒートシール層への移行等が起こらず、またポリエステルフィルムとの密着性に優れるものであった。
一方、比較例1において、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体と、架橋剤とを含有する帯電防止層を有する特許文献1に記載されたフィルムでは、帯電防止層の密着性に優れ、またヒートシール層への移行がないものの、ヒートシール層と接するとブロッキングが起きていた。
比較例4に示すように、スルホン酸基を有するポリスチレンを使用した場合、濡れ剤・消泡剤を選択することによって、はじきを発生することなく、均一なコートフィルムを得ることができたが、そのコートフィルムは、表面固有抵抗が高く、また耐ブロッキング性、移行性、密着性が十分なものではなかった。
比較例5において、スルホン酸基を有しない縮合物を使用した場合、得られるコートフィルムは、表面固有抵抗が高く、また耐ブロッキング性が十分なものではなかった。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、スルホン酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との縮合物を含む帯電防止層を有することを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。
  2. スルホン酸基を有する芳香族化合物が、フェノール性水酸基またはアミノ基を有することを特徴とする請求項1記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  3. アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項1または2記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  4. 帯電防止層が、長鎖アルキル変性体および/またはシリコーン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  5. 長鎖アルキル変性体が長鎖アルキルペンダントポリマーまたはアルキッド樹脂であり、シリコーン化合物がノニオンまたはアニオン変性シリコーンであることを特徴とする請求項4記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  6. 23℃×50%RHにおける表面固有抵抗が1012Ω/□未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。

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