JP2013209717A - 製錬ダストの分離装置、および製錬ダストの分離方法 - Google Patents

製錬ダストの分離装置、および製錬ダストの分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製錬ダストからの銅分の回収率を向上させることができる、製錬ダストの分離装置および製錬ダストの分離方法を提供する。
【解決手段】製錬ダストの分離装置は、製錬ダストを浸出液に導入することによって得られるスラリーが導入される第1分離槽41と、前記第1分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第1上昇流発生装置43と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第1分離装置40と、前記第1分離槽の上部に滞留するスラリーを第2分離槽51に導入する導入経路46と、前記第2分離槽と、前記第2分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第2上昇流発生装置53と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第2分離装置50と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、製錬ダストの分離装置、および製錬ダストの分離方法に関する。
銅製錬の過程で排出される製錬ダストには、銅が5mass%〜25mass%程度含まれている。製錬ダストから銅を回収する場合、例えばこのダストを酸で浸出し、浸出しない硫化銅やメタル銅は、重力による沈降を利用した湿式の分級装置で分離し(例えば、特許文献1参照)、浸出する硫酸銅は、中和もしくは硫化するなどして、鉛、ビスマスなどの不純物と分離され、回収する方法などが取られる。回収された銅は、製錬工程へ繰り返される。
特開2007−231333号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、銅分が鉛を主成分とする未溶解残滓に混入することがある。そこで、希硫酸を用いて銅分を溶解させる方法が考えられる。この場合、希硫酸濃度、温度、時間などの各条件を選択することによって、更なる溶解・回収が可能である。しかしながら、薬剤コストが増加し、大規模設備が必要となってしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、製錬ダストからの銅分の回収率を向上させることができる、製錬ダストの分離装置および製錬ダストの分離方法を提供することを目的とする。
本発明に係る製錬ダストの分離装置は、製錬ダストを浸出液に導入することによって得られるスラリーが導入される第1分離槽と、前記第1分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第1上昇流発生装置と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第1分離装置と、前記第1分離槽の上部に滞留するスラリーを第2分離槽に導入する導入経路と、前記第2分離槽と、前記第2分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第2上昇流発生装置と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第2分離装置と、を備えることを特徴とする。本発明に係る製錬ダストの分離装置によれば、製錬ダストからの銅分の回収率を向上させることができる。
前記第1分離装置におけるスラリーの上昇流の速度は、前記第2分離装置におけるスラリーの上昇流の速度よりも高くてもよい。前記第1分離槽および前記第2分離槽は、下部に滞留するスラリーを排出するための排出口と、前記排出口を所定期間閉にした後に開にさせる開閉手段とを備えていてもよい。
前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるBi化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上としてもよい。前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるBi化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上としてもよい。
前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるPb化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上としてもよい。前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるPb化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上としてもよい。
前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の最大粒径および比重から求まる沈降速度以下としてもよい。前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以下としてもよい。
前記第1上昇流発生装置および前記第2上昇流発生装置は、前記スラリーを攪拌することによって上昇させる装置としてもよい。前記製錬ダストは、銅製錬工程の転炉から排出されるガスに含まれていてもよい。
本発明に係る製錬ダストの分離方法は、製錬ダストを浸出液に導入することによって得られるスラリーが導入される第1分離槽において、前記スラリーに上昇流を生じさせる工程と、前記第1分離槽の上部に滞留するスラリーを第2分離槽に導入する工程と、前記第2分離槽において、前記スラリーに上昇流を生じさせる工程と、を含むことを特徴とする。本発明に係る製錬ダストの分離方法によれば、製錬ダストからの銅分の回収率を向上させることができる。
前記第1分離槽におけるスラリーの上昇流の速度を、前記第2分離槽におけるスラリーの上昇流の速度よりも高くしてもよい。前記第1分離槽および前記第2分離槽の下部に滞留するスラリーを排出する排出配管を、開閉手段を用いて所定期間閉にした後に開にしてもよい。前記スラリーを攪拌することによって前記スラリーを上昇させてもよい。
本発明によれば、製錬ダストからの銅分の回収率を向上させることができる、製錬ダストの分離方法を提供することができる。
銅の製錬炉の1つである転炉の排ガス処理工程を示す図である。 製錬ダストから不純物成分を分離するための分離システムの全体構成を示す模式図である。 第1分離装置および第2分離装置の詳細を示す模式図である。 (a)〜(d)は粒度分布を表す図である。 分離槽が1つだけ備わっている場合のオーバーフローの銅成分濃度と、分離槽が2つ備わっている場合の2段目の分離槽からのオーバーフローの銅成分濃度との比較を表す図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について説明する。
(実施の形態)
まず、本実施形態において対象とする製錬ダストについて説明する。製錬ダストは、銅製錬工程において排出される。図1は、銅の製錬炉の1つである転炉1の排ガス処理工程を示す図である。転炉1で排出された排気ガスは、廃熱ボイラー2で熱を回収した後、サイクロン、乾式電気集塵機などの集塵機3に送られる。集塵機3は、排気ガスに含まれるダストを回収する。集塵機3を通過したガスは、ガス洗浄冷却設備4に送られる。ガス洗浄冷却設備4は、スクラバー、湿式電気集塵機によりガスを洗浄および冷却し、硫酸製造設備に送る。製錬炉の種類によっては、排気ガスの温度に依存して、廃熱ボイラを経由しない場合もある。このように、製錬炉から排出される排気ガスに含まれ、集塵機にて回収されるダストを、製錬ダストと称する。
転炉ダストは、製錬ダストの1種である。転炉の排気ガスから電気集塵機(EP)で捕集されるダストには、銅成分および不純物成分が含まれる。銅成分には、硫化銅CuS、硫酸銅CuSOなどの銅化合物、および、メタル銅が含まれる。不純物成分には、硫酸BiなどのBi化合物、硫酸PbなどのPb化合物などが含まれる。
製錬ダストは、その処理工程へと導入される。図2は、製錬ダストから不純物成分を分離するための分離システム100の全体構成を示す模式図である。図2に示すように、分離システム100は、ダストビン10、浸出槽20、ポンプ30、第1分離装置40、第2分離装置50、バッファタンク60などを備える。
ダストビン10は、回収された製錬ダストの導出口である。製錬ダストは、ダストビン10を介して浸出槽20に導入される。浸出槽20では、希硫酸などの浸出液が貯留している。製錬ダストは、浸出槽20の浸出液で浸出処理される。浸出処理された製錬ダストは、ポンプ30によって、スラリーとして第1分離装置40および第2分離装置50へと導入される。第1分離装置40および第2分離装置50においては、沈降速度の高い成分と沈降速度の低い成分とが分離される。沈降速度の高い成分は、バッファタンク60に回収される。沈降速度の低い成分は、フィルタープレスなどのろ過器で回収される。
図3は、第1分離装置40および第2分離装置50の詳細を示す模式図である。第1分離装置40および第2分離装置50は、上昇流を利用して、沈降速度の高い成分と沈降速度の低い成分とを分離する装置である。図3に示すように、第1分離装置40は、略円柱状の分離槽41を備える。分離槽41には、スラリー導入管42が設けられている。スラリー導入管42の配置箇所は特に限定されるものではないが、排出配管46に対してできるだけ離れた場所に配置されることが望ましい。一例として、スラリー導入管42は、分離槽41の上面から分離槽41の内部まで延びている。スラリー導入管42の出口の向きも特に限定されるものではない。一例として、スラリー導入管42の出口は、鉛直下側に向かっている。それにより、スラリーは、鉛直下側に向かって分離槽41に導入される。
分離槽41内には、撹拌機43が設けられている。撹拌機43は、攪拌力を利用して、分離槽41内のスラリーの上昇流を生じさせる装置である。撹拌機43は、モータなどの動力を利用してスラリーを攪拌する。分離槽41内のスラリーは、撹拌機43によって上昇する。この場合、沈降速度の低い成分(不純物成分)が分離槽41の上部に滞留しやすくなる。
ここで、下記のStokesの式によれば、流体中の粒子の粒径が大きいほど沈降速度が高く、比重が高いほど沈降速度が高くなる。スラリー中の硫酸BiなどのBi化合物および硫酸PbなどのPb化合物は、他の粒子に比べて比重はほとんど変わらないが、比較的小さい粒径を有している。一方で、スラリー中の銅または銅化合物(例えば硫化銅)は、他の粒子に比べて比重はほとんど変わらないが、比較的大きい粒径を有している。それにより、分離槽41では、スラリーは、不純物成分(Bi化合物およびPb化合物)と、銅成分とにおおまかに分離される。
Figure 2013209717
:粒子の終端速度(m/s)
:粒子径(m)
ρ:粒子の密度(kg/m
ρ:流体の密度(kg/m
g:重力加速度(m/s
η:流体の粘度(Pa・s)
分離槽41の底面は、鉛直下に向かって半径が小さくなる円錐の形状に形成されている。それにより、分離槽41において、沈降速度の高い成分(銅分)が底面の中心部に向かって沈降する。分離槽41の底面中心部には、排出配管44が接続されている。排出配管44には、排出弁45が設けられている。排出弁45は、所定期間閉状態を維持し、その後開状態となる開閉手段として機能する。それにより、分離槽41の下部において銅成分を濃縮させてから排出させることができる。排出配管44は、排出弁45よりも下流側において、バッファタンク60に接続されている。排出配管44を介して排出された銅成分は、バッファタンク60に貯留される。
分離槽41の側面上部には、排出配管46が接続されている。排出配管46は第1分離槽から第2分離槽へ流れるように傾斜していることが好ましい。分離槽41の上部に滞留する成分は、排出配管46から排出される。すなわち、スラリー中の不純物成分(Bi化合物およびPb化合物)を排出配管46から排出することができる。排出配管46は、分離槽41の上部に滞留するスラリーを後述する分離槽51に導入する導入経路として機能する。不純物成分が排出配管46から排出されずに沈降することもあるが、当該不純物成分は上昇流に乗って再度上部へと導かれるため、排出配管46から排出されやすくなる。したがって、有価物(本実施形態ではCu)の回収率を下げずに不純物成分の回収率を向上させることができる。その結果、不純物成分の銅製錬炉への繰返し量が減少し、銅製錬で製造される銅アノードの品質が向上する。また、攪拌によって、銅成分と不純物成分とが効率よく分離されるので、上記銅アノードの品質が向上する点に加えて、分離されたBi化合物、Pb化合物からBi,Pb等の金属精製を行うことで外販可能有価金属を製造できる。
第2分離装置50は、第1分離装置40と同様の構造を有する。分離槽51、攪拌機53、排出配管54、排出弁55および排出配管56が、それぞれ、第1分離装置40の分離槽41、攪拌機43、排出配管44、排出弁45および排出配管46に対応する。排出配管46は、分離槽51の上部に接続されている。排出配管54は、排出弁55よりも下流側において、バッファタンク60に接続されている。排出配管54を介して排出された銅成分はバッファタンク60に貯留される。排出配管56は、フィルタープレス等のろ過器に接続されている。
このように、排出配管56からは沈降しないPb化合物やBi化合物のような不純物成分が排出される。一方、排出配管44および54を介して銅成分が排出される。排出配管44,54から排出される銅成分は同一のバッファタンクに貯留して処理してもよいし、別々のバッファタンクに回収してもよい。
ここで、第2分離装置50が設けられていない場合には、Pb化合物、Bi化合物などの不純物と銅成分とが充分に分離されない場合がある。例えば、スラリーの上昇流による成分分離の前に、排出配管46から銅成分が排出される場合がある(ショートカット)。しかしながら、第2分離装置50を備えることによって、ショートカットした銅成分を沈降させることができる。したがって、複数段の分離装置を備えることによって、不純物成分と銅成分との分離性を向上させることができ、バッファタンク60に対する銅成分の回収率を向上させることができる。
また、分離槽41の下部に滞留するスラリー量が多くなると、排出弁45にスラリーが詰まるおそれがある。そこで、排出弁45の径を大きくすることが考えられる。この場合、排出弁45の詰まりを抑制することができる一方で、必要以上のスラリーが排出されてしまう。その結果、銅成分だけでなくPb化合物、Bi化合物などの不純物成分も排出弁45から排出されるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、第1分離装置40におけるスラリーの上昇速度を、第2分離装置50におけるスラリーの上昇速度よりも高く設定する。具体的には、攪拌機43の攪拌速度を攪拌機53の攪拌速度よりも高く設定する。この場合、分離槽41の下部に沈降するスラリーの量を低減させることができ、排出弁45の詰まりを抑制することができる。また、排出弁45の径を大きくする必要がないため、排出配管44からの不純物成分の排出を抑制することができる。それにより、銅成分と不純物成分とを効果的に分離することができる。
第1分離装置40におけるスラリーの上昇速度が高くなることから、排出配管46から銅分が排出される可能性がある。しかしながら、第2分離装置50においてスラリーの上昇速度が低いことから、分離槽51の下部に銅成分を沈降させることができる。それにより、銅成分と不純物成分とを分離することができる。また、第1分離装置40において所定量の銅成分が除去されていることから、排出弁45におけるスラリーの詰まりを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、排出弁45における詰まりを抑制でき、排出配管44からの不純物成分の排出を抑制でき、第2分離装置50においてさらに銅成分と不純物成分とを分離することができる。これらの効果は、分離槽を複数備え、後段の分離槽におけるスラリーの上昇速度を前段の分離槽におけるスラリーの上昇速度よりも低く設定することによって初めて得られるものである。なお、分離槽を3つ以上備える場合には、前段から後段にかけて、スラリーの上昇速度を低くすればよい。
ここで、撹拌機53によって生じる上昇流速度よりも沈降速度の高い成分は、分離槽51の底面側に沈降しやすくなる。一方、撹拌機53によって生じる上昇流速度よりも沈降速度の低い成分は、分離槽51の上部に滞留しやすくなる。したがって、Bi分離の観点から、撹拌機53によって生じる上昇流の上昇速度は、スラリーに含まれるBi化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上であることが好ましく、スラリーに含まれるBi化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上であることがより好ましい。
また、Pb分離の観点から、撹拌機53によって生じる上昇流の上昇速度は、スラリーに含まれるPb化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上であることが好ましく、スラリーに含まれるPb化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上であることがより好ましい。さらに、Cu回収の観点から、撹拌機53によって生じる上昇流の上昇速度は、スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の最大粒径および比重から求まる沈降速度以下であることが好ましく、スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以下であることがより好ましい。
ここで、スラリー中の硫酸Bi(BiSO)の粒径1μm〜10μm(平均粒径が2.75μm)であるとする。硫酸Bi(BiSO)の比重は5.08である。したがって、上記のStokesの式によれば、硫酸Bi(BiSO)の沈降速度は、0.008〜0.780m/hr=0.13〜13mm/min(平均沈降速度=0.98mm/min)となる。
スラリー中の硫酸Pb(PbSO)の粒径1μm〜10μm(平均粒径が2.75μm)であるとする。硫酸Pb(PbSO)の比重は6.2である。したがって、上記のStokesの式によれば、硫酸Pb(PbSO)の沈降速度は、0.01〜1.00m/hr=0.17〜16.7mm/min(平均沈降速度=1.27mm/min)となる。
スラリー中の硫化Cu(CuS)の粒径10μm以上(平均粒径が40μm)であるとする。硫化Cu(CuS)の比重は5.60である。したがって、上記のStokesの式によれば、硫化Cu(CuS)の沈降速度は、0.882m/hr=15mm/min以上(平均沈降速度=235mm/min)となる。なお、スラリー中のCuの比重は硫化Cu(CuS)の比重よりも高いため、撹拌機53によって生じる上昇流の上昇速度は、スラリーに含まれる硫化Cu(CuS)の平均粒径および比重から求まる沈降速度以下であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、上昇流発生装置として撹拌機43,53を用いたが、それに限られない。スラリーを攪拌しなくても上昇させることができる装置であれば用いることができる。また、本実施形態においては製錬ダストの一例として転炉からのダストを用いたが、銅製錬のいずれかの溶錬炉で生じるダストであればよい。例えば、自溶炉からのダストを製錬ダストとして用いてもよい。
以下、実施例について説明する。製錬ダストとして、銅製錬の転炉ダストを用いた。攪拌機43の攪拌速度を60rpmとし、攪拌機53の攪拌速度を20rpmとした。第1分離装置40に導入されるスラリー液の成分を表1に示す。第1分離装置40に導入されたスラリー液のスラリー濃度は、250g/Lであった。排出配管46を経由して第2分離装置50に導入されたスラリー液のスラリー濃度は、230g/Lであった。
Figure 2013209717
図4(a)は、第1分離装置40に導入されるスラリーの粒度分布を示す。図4(a)に示すように、第1分離装置40に導入されるスラリーの粒度は、小さい値から大きい値まで多岐にわたっていた。すなわち、銅成分と、Pb化合物、Bi化合物などの不純物成分とが混在していたことがわかる。図4(b)は、排出配管46を経由して第2分離装置50に導入されるOF(オーバーフロー)に含まれるスラリーの粒度分布を示す。図4(b)に示すように、排出配管46から排出されるスラリーにおいては、粒度の大きい成分が少なくなっていることがわかる。すなわち、銅成分の一部が第1分離装置40の分離槽41に沈降したことがわかる。
図4(c)は、排出配管56から排出されたスラリーの粒度分布を示す。図4(c)に示すように、排出配管56から排出されるOF(オーバーフロー)に含まれるスラリーにおいては、粒度の大きい成分がほとんどなくなっていることがわかる。すなわち、残りの銅成分のほとんどが第2分離装置50の分離槽51に沈降したことがわかる。図4(d)は、図4(a)〜図4(c)を重ね合わせたものである。図4(d)に示すように、スラリーを複数の分離装置に供することにより、スラリーから銅成分が除去されていることがわかる。
表2は、排出配管46から排出されたOF(オーバーフロー)に含まれるスラリーの成分を表す。表3は、排出配管44から排出されたUF(アンダーフロー)に含まれるスラリーの成分を表す。表2に示すように、表1と比較して銅成分が少なくなっている。一方で、表3に示すように、表1と比較して銅成分が多くなっている。すなわち、銅成分の一部が第1分離装置40の分離槽41に沈降したことがわかる。
Figure 2013209717
Figure 2013209717
表4は、排出配管56から排出されたOF(オーバーフロー)に含まれるスラリーの成分を表す。表5は、排出配管54から排出されたUF(アンダーフロー)に含まれるスラリーの成分を表す。表4に示すように、表2と比較して銅成分が少なくなっている。一方で、表5に示すように、表2と比較して銅成分が多くなっている。すなわち、残りの銅成分のほとんどが第2分離装置50の分離槽51に沈降したことがわかる。
Figure 2013209717
Figure 2013209717
図5は、分離槽が1つだけ備わっている場合のオーバーフローの銅成分濃度と、分離槽が2つ備わっている場合の2段目の分離槽からのオーバーフローの銅成分濃度との比較を表す図である。図5において、横軸は日付を表し、縦軸はオーバーフローの銅成分濃度を表す。図5に示すように、分離槽が1つだけ備わっている場合には、オーバーフローの銅成分の平均濃度は、10.7重量%であった。これに対して、分離槽が2つ備わっている場合の2段目の分離槽からのオーバーフローの銅成分の平均濃度は、7.40重量%となった。このように、分離槽を複数にすることによって、Pb化合物、Bi化合物などの不純物成分と銅成分との分離性が高くなったことがわかる。
10 ダストビン
20 浸出槽
30 ポンプ
40 第1分離装置
41,51 分離槽
42,52 スラリー導入管
43,53 攪拌機
44,54 排出配管
45,55 排出弁
46,56 排出配管
50 第2分離装置
60 バッファタンク
100 分離システム

Claims (15)

  1. 製錬ダストを浸出液に導入することによって得られるスラリーが導入される第1分離槽と、前記第1分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第1上昇流発生装置と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第1分離装置と、
    前記第1分離槽の上部に滞留するスラリーを第2分離槽に導入する導入経路と、
    前記第2分離槽と、前記第2分離槽内のスラリーに上昇流を生じさせる第2上昇流発生装置と、を備え、沈降速度の高い粒子と沈降速度の低い粒子とに分離する第2分離装置と、を備えることを特徴とする製錬ダストの分離装置。
  2. 前記第1分離装置におけるスラリーの上昇流の速度は、前記第2分離装置におけるスラリーの上昇流の速度よりも高いことを特徴とする請求項1記載の製錬ダストの分離装置。
  3. 前記第1分離槽および前記第2分離槽は、下部に滞留するスラリーを排出するための排出口と、前記排出口を所定期間閉にした後に開にさせる開閉手段とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の製錬ダストの分離装置。
  4. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるBi化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  5. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるBi化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  6. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるPb化合物の最小粒径および比重から求まる沈降速度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  7. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるPb化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  8. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の最大粒径および比重から求まる沈降速度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  9. 前記第2上昇流発生装置によって生じる上昇流の上昇速度は、前記スラリーに含まれるCuまたはCu化合物の平均粒径および比重から求まる沈降速度以下であることを特徴とする請求項8記載の製錬ダストの分離装置。
  10. 前記第1上昇流発生装置および前記第2上昇流発生装置は、前記スラリーを攪拌することによって上昇させる装置であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  11. 前記製錬ダストは、銅製錬工程の転炉から排出されるガスに含まれていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の製錬ダストの分離装置。
  12. 製錬ダストを浸出液に導入することによって得られるスラリーが導入される第1分離槽において、前記スラリーに上昇流を生じさせる工程と、
    前記第1分離槽の上部に滞留するスラリーを第2分離槽に導入する工程と、
    前記第2分離槽において、前記スラリーに上昇流を生じさせる工程と、を含むことを特徴とする製錬ダストの分離方法。
  13. 前記第1分離槽におけるスラリーの上昇流の速度を、前記第2分離槽におけるスラリーの上昇流の速度よりも高くすることを特徴とする請求項12記載の製錬ダストの分離方法。
  14. 前記第1分離槽および前記第2分離槽の下部に滞留するスラリーを排出する排出配管を、開閉手段を用いて所定期間閉にした後に開にすることを特徴とする請求項12または13記載の製錬ダストの分離方法。
  15. 前記スラリーを攪拌することによって前記スラリーを上昇させることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の製錬ダストの分離方法。
JP2012081192A 2012-03-30 2012-03-30 製錬ダストの分離装置、および製錬ダストの分離方法 Pending JP2013209717A (ja)

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