JP2013209544A - インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Tomohiro Yamashita
知洋 山下
Noriyuki Matsumoto
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慎一 袴田
Mikio Sanada
幹雄 真田
Kenji Moribe
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Daiji Okamura
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Abstract

【課題】記録ヘッドの接液部材の溶解が少なく、光学濃度が高い画像を得ることができ、保存安定性にも優れたインクの提供。
【解決手段】インクと接触する部材の少なくとも一部が、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている記録ヘッドから吐出されるインクジェット用のインクであって、ホスホン酸基を含む官能基が結合している自己分散顔料、酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下である樹脂、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
一般式(1)
1−A−R2
(一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
【選択図】図1

Description

本発明はインク及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法にはさらなる高画質化と高速化が要求されており、インクの小液滴化やノズル配列の高密度化、ノズル数の増大に伴うヘッドの長尺化、インク滴の吐出制御など、これまで以上に高い技術が求められてきている。
インクジェット記録方法に用いられるインクの吐出方式としては、サーマル方式やピエゾ方式などが挙げられる。サーマル方式は、熱エネルギーを利用してインクを発泡させて記録媒体にインクを吐出する方式である。サーマル方式に用いられる一般的な記録ヘッドは、インクに熱エネルギーを付与して発泡させるための発熱抵抗体と、発熱抵抗体に電気的接続を行う配線とを配設した記録ヘッド基板を有する。さらに、記録ヘッド基板の上方に配置された流路形成部材により、インクを吐出するための流路が形成されている。発熱抵抗体上には、インクの発泡やその後の泡の収縮に伴うキャビテーション衝撃などの物理的ダメージや、インクによる化学的ダメージに起因する記録ヘッド基板の寿命の低下を抑制するために、保護層が形成されている。
また、ピエゾ方式は、電圧を加えると変形するピエゾ素子を用いて、インクに物理的な圧力を加えて記録媒体にインクを吐出する方式である。ピエゾ方式に用いられる一般的な記録ヘッドは、ピエゾ素子と、それを挟むように配置された2枚の電極が配置された記録ヘッド基板を有し、さらに、その上方にインクを吐出するための流路を有する。この2枚の電極のうち、インク流路に近い一方の電極には、インクによる化学的ダメージに起因する電極の腐食を抑制するために、保護層が形成されている。
上記の保護層は、発熱抵抗体が発生させる熱やピエゾ素子の変形による圧力をインクに効率的に作用させる観点では、熱伝導率が高い方が有利であり、層厚は薄い方が好ましい。一方、発熱抵抗体や電極をインクから保護するという観点では、層厚は厚い方が好ましい。このため、保護層は、エネルギー効率と信頼性の観点から適切な厚さに設定する必要がある。
このことから、記録ヘッド基板の保護層は、絶縁層(インクに接する層)と密着層とからなる積層構造を有している。絶縁層は物理的及び化学的ダメージに対して安定性の高い層であり、タンタル層などを用いることができる。また、密着層は配線を守るための層であり、珪素層、窒化珪素層、酸化珪素層や炭化珪素層を用いることができる。
熱変換効率を向上するためにタンタル層を省略した構成の記録ヘッドに、保護層を溶解する物質と含硫黄化合物を含有するインクを適用して、溶解抑制と異物析出低減を図ることに関する提案がある(特許文献1参照)。一方、自己分散顔料と、アクリル酸とマレイン酸又はその無水物との共重合体を含有し、光学濃度が高く、堅牢性に優れた画像を記録できるインクに関する提案がある(特許文献2参照)。
特開2008−173965号公報 特開2000−169769号公報
本発明者らは、色材として顔料を含有するインクにより得られる画像の光学濃度をより高いレベルとするために、自己分散顔料に着目し、顔料粒子の表面に結合させる親水性基の種類と得られる画像の光学濃度の関係について調べた。その結果、顔料粒子の表面に結合させる親水性基をホスホン酸基にすることにより、得られる画像の光学濃度が向上することがわかった。しかし、これだけでは、依然として十分なレベルの光学濃度を得ることができなかった。
また、その構造内にホスホン酸基を含む官能基が結合している自己分散顔料を含有するインクによって保護層が溶解してしまう場合があることがわかった。特に、インクの吐出によって記録ヘッド基板の温度が上昇すると保護層の溶解が顕著となる。
さらに、保護層がインクにより溶解することで、記録ヘッド内に存在するインク中において、溶解した無機成分の濃度が高くなり、さらに、吐出口からのインクの蒸発によりインク中の無機成分の濃度がその飽和溶解度を超える場合がある。そのために、吐出口近傍に無機成分が析出することで、インクの吐出よれ、さらには不吐出が発生する場合がある。また、流路形成部材と記録ヘッド基板に隙間が生じるため、吐出時の発泡エネルギーが隙間に逃げ、正常な吐出を行うことができない場合がある。同様に、絶縁層についてもインクにより溶解する場合がある。
したがって、本発明の目的は、保護層などの接液部材に特定の材料が含まれている記録ヘッドから吐出された場合において、保護層の溶解が少なく、光学濃度が高い画像を得ることができ、保存安定性にも優れたインクを提供することにある。また、上記のインクを用いるインクジェット記録方法を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、インクと接触する部材の少なくとも一部が、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている記録ヘッドから吐出されるインクジェット用のインクであって、ホスホン酸基を含む官能基が結合している自己分散顔料、酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下である樹脂、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクである。
一般式(1)
1−A−R2
(前記一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
本発明によれば、保護層などの接液部材に特定の材料が含まれている記録ヘッドから吐出された場合において、保護層の溶解が少なく、光学濃度が高い画像を得ることができ、保存安定性にも優れたインクを提供することができる。また、上記のインクを用いるインクジェット記録方法を提供することができる。
記録ヘッドのノズル構造の一例を示す概略図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記の記載で、インクジェット用のインクのことを「インク」、自己分散顔料のことを「顔料」と記載することがある。
本発明で用いる記録ヘッドは、インクと接触する部材の少なくとも一部が、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている。ここで、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている保護層の溶解が生じる例として、保護層が酸化珪素を含む場合を例に挙げて詳細に説明する。
保護層に含まれる酸化珪素は、アルカリ性のインクと接触すると、珪酸塩に加水分解されるため、保護層が溶解する。このとき、酸化珪素は、その全てが珪酸塩にまで加水分解されなくても、一部の酸化珪素はある程度の大きさの珪酸クラスターとしてインク中に溶出し、その後はコロイダルシリカとして安定にインク中に分散すると考えられる。酸化珪素から珪酸塩への加水分解反応は、水酸化物イオンによる珪素原子上の求核置換反応であり、反応速度はpHと溶媒の極性に依存することが知られている。また、珪素、窒化珪素、炭化珪素を含有する保護層においても、既存の半導体製造装置で容易に形成されるものであれば、保護層中に相当量の酸化珪素を含んでいる。このため、珪素、窒化珪素、炭化珪素を含有する保護層においても、保護層中の酸化珪素が優先して加水分解し、コロイドとしてインク中に分散することにより、保護層全体の強度が低下すると考えられる。
通常のインクの場合は、水溶性有機溶剤を含有するため、極性が低いうえ、酸化珪素を含有する保護層の表面は、シラノールの解離によって負に帯電している。このため、インクに含まれる微量の多価金属イオンが保護層表面に吸着して電気二重層を形成し、水酸化物イオンと反応しにくい。このため、保護層の溶解については特段の対策をとる必要はない。
しかし、本発明者らの検討によれば、下記の自己分散顔料及び下記の樹脂を用いたインクの場合は、保護層の溶解が発生してしまう。すなわち、その構造内にホスホン酸基を有する官能基が結合している自己分散顔料(以下、「ホスホン酸型自己分散顔料」ともいう)及び酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下である樹脂(以下、「低酸価樹脂」ともいう)を用いた場合である。その理由について、本発明者らは以下のように推察している。
まず、顔料粒子の表面には、自己分散性を持たせるためにその構造内にホスホン酸基を有する官能基が存在する。ホスホン酸型自己分散顔料は、記録媒体に付与された際に、記録媒体に含まれる多価金属イオンと反応することで凝集し、得られる画像の光学濃度を高めることができる。一方、記録ヘッド内においても同様に、保護層表面の多価金属イオンと反応することで、保護層表面の多価金属イオンを奪い取り、水酸化物イオンが反応しやすい状態を作り出す。さらに、上記のようにして溶解したコロイダルシリカに対して低酸価樹脂が吸着することで、インク中での分散を補助し、保護層表面から多価金属イオンを効果的に除去するため、保護層の溶解が進行する。また、コロイダルシリカが除去された保護層表面には、新たな加水分解反応が生じるサイトが多数存在するため、保護層の溶解が加速される。以上のような要因により、保護層の溶解が発生したものと考えられる。
本発明者らの検討の結果、ホスホン酸型自己分散顔料と低酸価樹脂を含有するインクに下記一般式(1)で表される化合物を添加することで、インクの保存安定性、得られる画像性能を損なうことなく、保護層の溶解を効果的に抑制できることがわかった。
一般式(1)
1−A−R2
(一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
一般式(1)で表される化合物をさらにインクに添加することによって、保護層の溶解を抑制できる理由を、本発明者らは以下のように推測している。
一般式(1)で表される化合物は、水素結合のプロトン供与体であるヒドロキシ基と、水素結合のプロトン受容体である−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−の双方をひとつの分子内に有している。保護層に含まれる酸化珪素もまた、水素結合のプロトン供与体であるシラノール基と、水素結合のプロトン受容体であるシリケート基を有している。このため、一般式(1)で表される化合物は保護層表面の酸化珪素に対して効果的に水素結合を形成して吸着し、保護層表面付近の極性を下げることで、水酸化物イオンによる分解反応を抑制できると考えられる。
さらに、ホスホン酸型自己分散顔料と低酸価樹脂を含有するインクにおいては、低酸価樹脂の疎水性部位が、顔料粒子の表面における、官能基が結合していない部位に物理的に吸着し、顔料の分散を補助することで、吐出安定性を向上させることができる。また、低酸価樹脂を含有するインクが記録媒体に付与されると、インク中の水分が蒸発し、電解質濃度が急激に上昇する。これにより、顔料の凝集が促進され、高い光学濃度の画像を得ることができる。
上記のように、ホスホン酸型自己分散顔料、低酸価樹脂、及び一般式(1)で表される化合物を含有するインクにより、保護層の溶解の抑制が図られ、また、インクの保存安定性、画像の光学濃度の向上のすべてを達成することができる。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(自己分散顔料)
本発明のインクは、自己分散顔料を含有する。顔料の種類としては、例えば、有機顔料や、カーボンブラックなどの無機顔料が挙げられ、インクジェット用のインクに使用可能なものであればいずれも用いることができる。また、調色などの目的のために、顔料に加えてさらに染料などを併用してもよい。本発明においては、顔料として、カーボンブラックを用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクに用いる顔料は、その粒子表面に結合している官能基にホスホン酸基を含む自己分散顔料であることが必要である。このような自己分散顔料を用いることにより、顔料をインク中に分散するための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。
インク中において、ホスホン酸基−PO(OM)2は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。つまり、ホスホン酸基は、−PO32(酸型)、−PO3-+(一塩基塩)、及び−PO3 2-(M+2(二塩基塩)のいずれかの形態を取り得る。ここで、M1はそれぞれ独立に、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
また、ホスホン酸基が官能基の末端にあること、つまり、顔料粒子の表面とホスホン酸基の間に他の原子団が存在することが好ましい。前記他の原子団(−R−)としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基、フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基、アミド基、スルホニル基、アミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基が挙げられる。また、これらの基を組み合わせた基などが挙げられる。さらには、前記他の原子団が、前記アルキレン基及び前記アリーレン基の少なくとも一方と、水素結合性を有する基(アミド基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基)と、を含むことが特に好ましい。
自己分散顔料に結合している官能基の導入量が、0.10mmol/g以上であることが好ましい。0.10mmol/g未満であると、顔料の分散状態が不安定になり、インクの保存安定性が十分に得られない場合がある。また、官能基の導入量は0.38mmol/g以下であることが好ましい。なお、官能基導入量の単位は、顔料固形分1g当たりの官能基のミリモル数である。
自己分散顔料に結合している官能基の導入量は、下記のようにしてリンを定量することで測定することができる。詳しくは、先ず、顔料(固形分)の含有量が0.03質量%程度になるように顔料分散液を純水で希釈してA液を調製する。また、5℃で、80,000rpm、15時間の条件で顔料分散液に対して超遠心分離を行い、顔料が除去された上澄みの液体を採取し、これを純水で80倍程度に希釈してB液を調製する。
得られたA液及びB液について、ICP発光分光分析装置などにより、リンの定量をそれぞれに行い、これらA液及びB液について測定値から求められるリン量の差分から、ホスホン酸基の量を算出することができる。そして、顔料への官能基導入量は、ホスホン酸基の量/n(nは1つの官能基に含まれるホスホン酸基の数を示し、モノなら1、ビスなら2、トリスなら3となる)により算出することができる。ここで、官能基に含まれるホスホン酸基の数が不明である場合には、NMRなどによりその構造を解析することで知ることができる。なお、上記では顔料分散液を用いて測定する方法について述べたが、インクを用いても同様に測定することができるし、勿論、官能基導入量の測定方法は上記のものに限られるものではない。
(樹脂)
本発明のインクは、酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下の樹脂を含有する。樹脂の酸価が100mgKOH/g未満である場合は、その疎水性が高くなりすぎるために、顔料粒子の表面に吸着するよりも、樹脂分子同士がインク中で凝集しやすくなる。結果として、顔料の分散安定性を高めるだけの樹脂が顔料粒子の表面に吸着することができなくなる。
一方、樹脂の酸価が160mgKOH/g超である場合は、顔料粒子の表面へ吸着する樹脂量が少なくなるばかりではなく、インク中の電解質濃度を高めることになる。この結果、顔料の分散安定性を高めるどころか、かえって低下させる。したがって、酸価が100mgKOH/g未満の樹脂、又は、160mgKOH/g超の樹脂は、いずれの場合も、添加したとしてもインクの保存安定性を向上させることはできない。
本発明において使用する樹脂は、水溶性であることが好ましい。なお、本発明において「樹脂が水溶性であること」とは、樹脂を酸価と当量のアルカリ溶液で中和した場合に、粒子径が測定しうる粒子を形成しないものであることを意味する。このような条件を満たす樹脂を、本発明においては水溶性樹脂として記載する。
インク中の上記樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上3.0質量%以下とすることが好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下とすることがさらに好ましい。インクに樹脂を含有させることは、インク中の電解質濃度を高めることに相当するため、樹脂の含有量が必要以上に多くなると、かえって顔料の分散状態を不安定にする場合があり、保存安定性が低下する場合がある。また、樹脂の含有量が過剰であると、先に述べたメカニズムにより保護層の溶解が加速されやすくなる場合がある。
樹脂としては、少なくとも親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有する水溶性樹脂が好ましい。なお、以下の記載における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを示す。
重合により親水性ユニットとなる、親水性基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有する酸性単量体、(メタ)アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有する酸性単量体、これらの酸性単量体の無水物や塩などのアニオン性単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有する単量体;メトキシ(モノ、ジ、トリ、ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド基を有する単量体などが挙げられる。なお、アニオン性単量体の塩を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。
また、重合により疎水性ユニットとなる、疎水性基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有する単量体;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有する単量体などが挙げられる。
樹脂の形態は限定されず、ランダム、ブロック、グラフトなどが挙げられる。また、樹脂は、その重量平均分子量が3,000以上10,000以下のものであることが好ましい。重量平均分子量が3,000未満であると、樹脂が顔料粒子の表面に吸着した際に親水性を高める作用が十分に生じず、顔料の分散状態を安定に保つことができない場合がある。一方、重量平均分子量が10,000を超えると、樹脂の立体障害の影響により、顔料粒子の表面へ樹脂が十分に吸着することができない場合がある。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明のインクには、下記一般式(1)で表される化合物を含有させる。
一般式(1)
1−A−R2
(一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、水素結合のプロトン受容体である。プロトン受容性は孤立電子対により生じ、−S−(チオエーテル基)は2個、−S(=O)−(スルフィニル基)は3個、−S(=O)2−(スルホニル基)は4個の孤立電子対を持つ。また、ヒドロキシアルキル基は水素結合のプロトン供与体である。
一般式(1)におけるR1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。アルキル基やヒドロキシアルキル基の炭素数は1乃至4程度であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、(2−ヒドロキシエチル)メチルスルホン、チオジグリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホキシド、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール及びビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンなどが挙げられる。中でも、Aが−S(=O)2−であり、R1及びR2がヒドロキシエチル基である、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンが特に好ましい。この化合物は、水素結合のプロトン供与体を分子内に2個持ち、プロトン受容体を分子内に4個持つため、酸化珪素を含有する保護層表面と効果的に水素結合が可能である。
インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量が極めて少量であると、保護層の溶解を十分に抑制することが困難である場合がある。一方、含有量があまりに多すぎると、顔料、樹脂などとの組み合わせによっては、インクの吐出安定性を高いレベルで維持することが困難になる場合がある。そのため、インクの吐出安定性を維持し、かつ効果的に保護層の溶解を抑制するためには、インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量を特定の範囲内にすることが好ましい。
具体的には、インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、1.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。含有量が1.0質量%未満であると、保護層の溶解を効果的に抑制することが困難である場合がある。また、含有量が20.0質量%超であると、インクの極性が低くなり、電気二重層が圧縮されるために静電反発力が低下し、顔料の分散状態を不安定にする場合があり、保存安定性が低下する場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水と水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることが好ましい。水としては脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、1種又は2種以上の1価ないしは多価のアルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、必要に応じて、界面活性剤、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、キレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
<記録ヘッド>
以下、本発明のインクを吐出させるためのインクジェット方式の記録ヘッドの構成の一例を説明する。なお、ここでは、インクに熱エネルギーを付与することによりインクを吐出する方式の記録ヘッドを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
図1は記録ヘッドのノズル111の構造の一例を示す概略図であり、(a)は吐出口側から見たノズルの形状、(b)は(a)の破線X−Yに沿って切断した断面を示す。101は記録ヘッド基板、102は蓄熱層、103は層間層、104は発熱抵抗層、105は金属材料で構成される配線としての金属配線層、106は保護層である。発熱部107は発熱抵抗体が発生させる熱により高温に曝されると共に、インクの発泡やその後の泡の収縮に伴うキャビテーション衝撃や、インクによる化学的作用を主に受ける部分であるため、発熱部107を保護するべく保護層106が設けられる。保護層106上には流路形成部材108により、インクを吐出するための吐出口109を有する層が形成される。
保護層106はインクと接触する部材であるため、酸やアルカリなどに対して化学的に安定であり、かつ、キャビテーション衝撃への物理的な耐性が求められると共に、絶縁性も兼ね備えることを要する。このため、保護層106を形成する材料としては、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料を用いる。これらの中でも窒化珪素を用いることが特に好ましい。また、熱変換効率と保護層としての強度の観点から、保護層106の厚さは50〜600nmであることが好ましい。
ノズルの液室110にインクが満たされた状態が続くと、インクは保護層106と接触し続けることになる。したがって、保護層106を形成する珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料が徐々にインクに溶解していく。本発明は、特定の自己分散顔料及び特定の樹脂を含有するインクが、保護層106を形成する材料を溶解させるという現象を、インクにさらに一般式(1)で表される化合物を含有させることにより抑制する。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット方式の記録ヘッドにより上記で説明した本発明のインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式やインクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられ、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液A)
アレンドロン酸ナトリウムを用いて、(4−(4−アミノベンゼンスルホニルアミノ)−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸ナトリウムを合成した。この際、アレンドロン酸ナトリウムには、(4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩(Zentiva製)を用いた。500mLのビーカーを用いて、34g(104mmol)のアレンドロン酸塩を150mLの純水中に加え、濃水酸化ナトリウム水溶液を用いて液体のpHを11に調整して溶解させた。これに、100mLのテトラヒドロフラン中に溶解させた25g(110mmol)のニトロフェニルスルホニルクロライドを滴下した。この際、水酸化ナトリウム水溶液をさらに加えて、液体のpHを10〜11に保った。滴下が終わった後、この液体を室温でさらに2時間撹拌した。
その後、真空中でテトラヒドロフランを蒸発させ、そして、この液体のpHを4になるように調整し、固体を析出させた。4℃にて一晩冷却した後、この固体をろ過して、純水で洗浄、乾燥させた。この乾燥固体を200mLの脱イオン水中に再溶解し、280kPaの水素下で5gの5%Pd/Cにより水素化した。触媒を濾過により除去した後、水のすべてを真空下で蒸発させ、白色固体を集め、(4−(4−アミノベンゼンスルホニルアミノ)−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸ナトリウムを得た。
20g(固形分)のカーボンブラック、10mmolの上記で得た(4−(4−アミノベンゼンスルホニルアミノ)−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸ナトリウム(処理剤)、20mmolの硝酸、及び200mLの純水を混合した。この際、カーボンブラックには、比表面積220m2/g、DBP吸油量105mL/100gのものを用い、混合は、シルヴァーソン混合機を用いて、室温で6000rpmにて行って、混合物を得た。30分後、得られた混合物に少量の水に溶解させた20mmolの亜硝酸ナトリウムをゆっくり添加した。
この混合によって混合物の温度は60℃に達し、この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、混合物のpHを10に調整した。30分後、20mLの純水を加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションを行い、その後、イオン交換法によりナトリウムイオンをカリウムイオンに置換して、顔料の含有量が15.0%となるようにして、分散液を得た。
以上のようにして、顔料粒子の表面に、−C64−SO2−NH−C36−C(OH)(PO(OK)2)(PO(OH)(OK))基が結合している自己分散顔料が水中に分散された状態の顔料分散液Aを得た。顔料分散液AのpHを測定したところ9であった。
得られた顔料分散液Aを、顔料の含有量が0.03%程度になるように純水で希釈してA液を調製した。また、5℃で、80000rpm、15時間の条件で顔料分散液Aに対して超遠心分離を行い、ホスホン酸型自己分散顔料が除去された上澄みの液体を採取し、これを純水で80倍程度に希釈してB液を調製した。
上記のようにして得た測定用試料のA液及びB液について、ICP発光分光分析装置(商品名「SPS5100」、SIIナノテクノロジー製)を用いてリンの定量を行った。そして、得られたA液及びB液におけるリン量の差分からホスホン酸基の量を求め、1つの官能基に含まれるホスホン酸基の数で割ることで、顔料粒子の表面への官能基の導入量を算出した。その結果、官能基の導入量は0.35mmol/gであった。
(顔料分散液B)
5.5gの水に5gの濃塩酸を加えた溶液を5℃に冷却し、1.5g(8.28mmol)の4−アミノフタル酸(処理剤)を加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに2.2g(26mmol)の亜硝酸カリウムを溶かした溶液を加えた。この溶液をさらに15分間撹拌後、6g(固形分)のカーボンブラックを撹拌下で加えた。その後、さらに15分間撹拌し、混合物を得た。この際、カーボンブラックには、比表面積220m2/g、DBP吸油量105mL/100gのものを用い、混合は、シルヴァーソン混合機を用いて、室温で6,000rpmにて行った。
水酸化カリウム水溶液を用いて、得られた混合物のpHを10に調整した。30分後、20mLの純水を加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションを行い、顔料の含有量が15.0%となるようにして、分散液を得た。このようにして、顔料粒子の表面に、−C63−(COOK)2基が結合している自己分散顔料が水中に分散された状態の顔料分散液Bを得た。顔料分散液BのpHを測定したところ、9であった。
得られた顔料分散液Bについて、イオンメータ(東亜DKK製)を用いて、カリウムイオン濃度を測定した。得られたカリウムイオン濃度から換算して、顔料への官能基の導入量を求めた。その結果、官能基の導入量は0.68mmol/gであった。
<樹脂の合成>
表1の上段に示す各単量体(単位:部)を用いて、常法により共重合させ、水溶性の樹脂A〜Eをそれぞれ合成した。得られた各樹脂をそれぞれに用い、下記のようにして、各樹脂水溶液を調製した。具体的には、10.0%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、樹脂中の全ての酸性基を中和し、さらに、イオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が10.0%である樹脂水溶液A〜Eを調製した。
Figure 2013209544
<インクの調製>
表2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、実施例、比較例及び参考例の各インクを調製した。なお、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤であり、ポリエチレングリコールは平均分子量600のものを使用した。
Figure 2013209544
Figure 2013209544
<評価>
(保護層の溶解抑制)
図1に示すノズル111構成において、インクによる保護層106の溶解を想定して、酸化珪素膜をインクに浸漬した前後の膜厚を測定し、膜厚残存率を評価した。ここで用いた酸化珪素膜は、公知のプラズマプロセスを用いて、シリコンウエハ上に、膜厚約700nmの酸化珪素膜を形成した後、このウエハを2cm×2cmのサイズに切断した。次いで、3cm×3cmの石英ガラス上に、このウエハを酸化珪素が表面に位置するように載せ、ウエハの裏面及び切断面をエポキシ系の接着剤にて封止した。これにより、酸化珪素膜で形成される面のみがインクと接する形態の試験片を準備した。
上記で得られた各インク60g中に上記試験片を浸漬し、70℃で24時間保存した。この間、インクの蒸発をできるだけ抑え、試験片が常にインクに浸かっている状態を保った。その後、インクから試験片を取り出して水洗し、乾燥した後、試験片の酸化珪素膜の厚さを光干渉式膜厚測定装置(商品名「ナノスペックM5100」、Nanometrics製)で測定し、試験前の膜厚との差分から膜厚残存率を算出した。本発明においては、下記の評価基準で、AA、A、及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。なお、膜厚残存率は、膜厚残存率=(保存後の膜厚/保存前の膜厚)×100とした。
AA:膜厚残存率が70%以上であった。
A:膜厚残存率が60%以上70%未満であった。
B:膜厚残存率が50%以上60%未満であった。
C:膜厚残存率が50%未満であった。
(光学濃度)
上記で調製した各インクをインクジェット記録装置(商品名「iP4100」、キヤノン製)のブラックインクのポジションにセットし、1辺の長さが2cmのブラックのベタ画像を普通紙(商品名「GF−500」、キヤノン製)上に記録した。その後、1日乾燥させ、記録したベタ画像の濃度を反射濃度計(商品名「マクベスRD−918」、マクベス製)にて測定し、光学濃度の平均値を評価した。評価結果を表3に示したが、本発明においては、下記の評価基準で、A、及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
A:平均値が1.2以上で、かつ、最低値が1.0以上であった。
B:平均値が1.1以上1.2未満で、かつ、最低値が1.0以上であった。
C:平均値が1.1未満であったか、又は、最低値が1.0未満であった。
(保存安定性)
上記で調製した各インクについて、保存前のインクの粘度と顔料の粒子径を測定した。そして、インクをそれぞれ、ポリテトラフルオロエチレン製の容器に入れて密閉した。この容器を、温度60℃のオーブン中で2ヶ月間保存した後、インクを常温に戻した。その後、保存後のインクの粘度及び顔料の粒子径を測定した。なお、顔料の粒子径は、濃厚系粒径アナライザー(商品名「FPAR−1000」、大塚電子製)を用いて測定した。また、インクの粘度は、粘度計(商品名「RE80型粘度計」、東機産業製)を用いて測定した。そして、保存前後のインクの粘度と顔料の粒子径を比較することで、インクの保存安定性を評価した。保存安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示したが、本発明においては、下記の評価基準でA、及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
A:保存後のインクの粘度と顔料の粒子径が、いずれも保存前よりも3%未満高かった。
B:保存後のインクの粘度と顔料の粒子径が、いずれも保存前よりも3%以上5%未満高かった。
C:保存後のインクの粘度と顔料の粒子径が、いずれも保存前よりも5%以上高かった。
Figure 2013209544

Claims (5)

  1. インクと接触する部材の少なくとも一部が、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている記録ヘッドから吐出されるインクジェット用のインクであって、
    ホスホン酸基を含む官能基が結合している自己分散顔料、酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下である樹脂、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインク。
    一般式(1)
    1−A−R2
    (前記一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、又は−S(=O)2−であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上20.0質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(1)中、Aが−S(=O)2−であり、R1及びR2がヒドロキシエチル基である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記樹脂の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上3.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インクと接触する部材の少なくとも一部が、珪素、酸化珪素、窒化珪素、及び、炭化珪素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む材料で形成されている記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録する工程を有するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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