JP2013209483A - 高屈折率アンチブロッキング層形成組成物 - Google Patents

高屈折率アンチブロッキング層形成組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 視認性に悪影響を及ぼすことなく、樹脂フィルムなどの層状物間におけるブロッキング現象を効果的に防止することができる技術を提供すること。
【解決手段】 第1成分および第2成分を含む、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物であって、第1成分が、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、第2成分が、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート、を含み、第2成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれており、第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜4の範囲内であり、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分および第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物、この高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装することによって得られるアンチブロッキングフィルム、およびこのアンチブロッキングフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された透明導電性積層体に関する。
PETフィルムなどの熱可塑性フィルムにハードコーティングを施す場合、製造工程で、ロール状に巻回しにするなどして保存したりすることがある。ハードコートを形成したPETフィルムなどの基材層上に別の層状体を重ねた場合に、層間に粘着力や化学的な力が働いて、付着状態になり、各層状体を利用するときに、各層状体を剥がすための力が必要であったり、付着力が強くなって剥がすのが困難になったり、あるいはむりやり剥がそうとすると層状体の破壊が起こったりすることがある。なお、このような現象をブロッキングという。
そのような場合、基材のハードコーティングの施されていない反対面に、1μm程度のシリカなどの粒子状物を練り込んだ塗料を塗布してバックコート層を形成して、その表面に凹凸を設けて、各層間の接触面積を小さくすることにより、層状体間の付着を防止することがある。例えば、特開2004−151937号公報(特許文献1)および特開2005−132897号公報(特許文献2)には粒子状物を含有するバックコート層を形成した技術が開示されている。
上述の粒状物質の利用による層状体間の付着を防止する技術は、有効であるが、粒子の凹凸が表面にまで現れなければならないので、塗膜の厚さが粒径より小さく(例えば、0.5μm程度)にしなければならず、バックコート層の機械的強度が低下すると共に、PETフィルムなどの基材層に傷などが付き易く、また、ぎらつき等も生じる。このような欠点は、透明性を要求される熱可塑性樹脂層の場合には、光学特性や透明性が低下し、致命的な欠点となる。
ハードコート層の反対面のバックコート層に透明の樹脂微粒子を混入する方法においては、バックコート層だけではなくハードコート層自体にも樹脂粒子を混入して、表面に凹凸を形成する技術も存在する(特開2004−042653号公報(特許文献3)配合される粒子の平均粒径は0.5〜20μmの範囲)。粒子を混入する場合、表面の凹凸形成の為に膜厚を薄くする必要があり、膜強度が弱くなり傷が付きやすく、塗膜特性が劣化する。また、粒子の粒径が比較的大きいために、特許文献3のように仮に透明の粒子が用いられたとしても光学特性が損なわれることもある。
なお、上記PETフィルム、さらにはPCフィルムが用いられる分野の1つとして、タッチパネルなどに用いられる透明導電性積層体が挙げられる。これらPETフィルム、PCフィルムはいずれも、高い透明性および好適な物性を有する一方で、屈折率が高いという特徴がある。フィルムの屈折率が高いことによって、樹脂層との屈折率差が生じる。この屈折率差によって、干渉縞が発生し、視認性が低下する問題が生じる。ここで干渉縞の発生を防止する手段の1つとして、透明導電性積層体の製造において形成される各種樹脂層を高屈折率化する手段が挙げられる。
特開2004−151937号公報 特開2005−132897号公報 特開2004−042653号公報
本発明は、視認性に悪影響を及ぼすことなく、樹脂フィルムなどの層状物間の付着などの不具合、すなわちブロッキング現象、を効果的に防止することができる技術を提供することを課題とする。
本発明は、
第1成分および第2成分を含む、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物であって、
第1成分が、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、
第2成分が、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート
を含み、
第2成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれており、
第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜4の範囲内であり、
組成物中に含まれる第1成分および第2成分の質量比は、第1成分:第2成分=0.5:99.5〜20:80であり、
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分および第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される、
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 2013209483
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される化合物であるのが好ましい。
また、上記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートであるのが好ましい。
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下であるのが好ましい。
本発明はまた、
透明高分子基材、および、
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を、基材に塗装することによって形成されるアンチブロッキング層、
を有するアンチブロッキングフィルムであって、
アンチブロッキング層は、1.565〜1.620の屈折率を有し、かつ、
アンチブロッキング層は、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.09μmであり、十点平均粗さ(Rz)が0.01〜0.5μmである、
アンチブロッキングフィルム、も提供する。
上記アンチブロッキング層の厚さが0.05〜10μmであるのが好ましい。
上記アンチブロッキングフィルムの好ましい1態様として、
基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
アンチブロッキングフィルムは、20℃において引っ張り速度5m/分の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、アンチブロッキング層にクラックが発生しないことを特徴とするものが挙げられる。
上記アンチブロッキングフィルムの好ましい他の1態様として、
基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
アンチブロッキングフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、アンチブロッキング層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とするものが挙げられる。
上記アンチブロッキングフィルムは、全光線透過率が88%以上であり、かつ、ヘイズ値が2%以下であるのが好ましい。
本発明はさらに、上記アンチブロッキングフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された、透明導電性積層体も提供する。
上記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ、透明導電層の厚さが5〜50nmであるのが好ましい。
上記アンチブロッキング層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmであるのが好ましい。
本発明はまた、上記透明導電性積層体を有するタッチパネルも提供する。
本発明のアンチブロッキング層形成組成物は、基材上に塗布し必要に応じて乾燥させた後に、光硬化させるのみで、表面に凹凸を有する樹脂層であるアンチブロッキング層を提供することができる。得られたアンチブロッキングフィルムは、高い硬度を有しており、傷が付きにくい。また、平均粒子径0.5μmを超える粒子状物を用いていないので、視認性および光学特性などが損なわれることがないという利点がある。本発明のアンチブロッキング層形成組成物を塗装して得られるアンチブロッキングフィルムは、複数枚重ね合わせても、ブロッキング現象(例えば、層間付着)が生じない効果を発揮する。また、得られたアンチブロッキングフィルムを巻回ロールとして保存しても、ブロッキング現象(例えば、巻回ロールからの剥離の困難性)が起こらないという利点がある。
本発明においては、上記のブロッキング現象を抑制する効果に加えて、得られるアンチブロッキング層が高屈折率を有し、かつ、優れた伸長性をも有するという特徴もある。この特徴によって干渉縞の発生をも抑制することができ、極めて高い視認性が達成されるという利点がある。
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、第1成分および第2成分を含む。上記第1成分は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体である。上記第2成分は、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート、を含む。そして、第2成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれることを条件とする。さらに、上記第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜4の範囲内であり、組成物中に含まれる第1成分および第2成分の質量比は、第1成分:第2成分=0.5:99.5〜20:80であることを条件とする。この高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、塗装した後に、第1成分および第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成されることを特徴とする。
第1成分
第1成分として、不飽和二重結合含有アクリル共重合体が用いられる。不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、例えば(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂などにアクリル酸やグリシジルアクリレートなどの不飽和二重結合を有しかつ他の官能基を有する成分を付加させたものなどが挙げられる。これらの不飽和二重結合含有アクリル共重合体は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。この不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、重量平均分子量で2000〜100000であるのが好ましく、5000〜50000であるのがより好ましい。
第2成分
第2成分は、
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート、
を含む。以下、各成分(A)および(B)について詳述する。
(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、第2成分として、(A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレートを含む。高屈折率アンチブロッキング層形成組成物が、第2成分として、フェノールノボラック型アクリレート(A)を含むことによって、得られるアンチブロッキング層が、透明であり、かつ、高い硬度を有する高屈折率層となる。これにより、干渉縞の発生を効果的に防ぐことができる。
フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
Figure 2013209483
(I)
[式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
で示される、フェノールノボラック型アクリレートであるのが好ましい。上記式(I)中、nは2〜4でありmは0〜3であるであるのがより好ましく、nは2〜4でありmは0〜1であるのがさらに好ましい。
フェノールノボラック型アクリレート(A)の重量平均分子量は、400〜2500であるのが好ましく、450〜2000であるのがさらに好ましい。また、フェノールノボラック型アクリレート(A)の水酸基価は、100〜180mgKOH/gであるのが好ましく、120〜160mgKOH/gであるのがさらに好ましい。
本明細書において、各成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができる。重量平均分子量の測定においては、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)などの高速GPC装置などを用いることができる。HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用いた、重量平均分子量の具体的な測定条件として、試験サンプル2gを秤量し、真空乾燥機内にて40℃2時間処理し水分を除去した後、THF溶液にて0.2%の濃度となるように希釈し、カラム注入量:10μl、流速:0.35ml/minの条件で測定する態様が挙げられる。
上記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、第2成分100質量部に対して、60〜85質量部含まれることを条件とする。フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が60質量部未満である場合、および、フェノールノボラック型アクリレート(A)の量が85質量部を超える場合は、いずれも、得られるアンチブロッキング層の硬度が低くなる不具合がある。
(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート化合物
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、第2成分として、(B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレートを含む。この(メタ)アクリレート(B)は、粘度300mPa・s未満であり、かつ屈折率が1.56〜1.64の範囲内であるのが好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2mol含まれることによって、成分(B)の粘度を300mPa・s未満に設計することが可能となる。また、成分(B)の(メタ)アクリレートにおいて、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造が分子中に1〜2mol含まれることによって、得られるハードコート層の伸長性が向上することとなる。ここで「炭素数2または3のアルキレンオキシド構造」として、エチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造が挙げられる。
成分(B)の(メタ)アクリレートはさらに、芳香族基を有することも特徴とする。成分(B)の(メタ)アクリレートが芳香族基を有することによって、例えば1.56〜1.64の範囲の屈折率というような、高屈折率が達成されることとなる。
本発明において成分(B)として好ましく用いることができる芳香族基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、アルキレンオキシ化フェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化メタフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化パラフェニルフェノール(メタ)アクリレート、アルキレンオキシ化クミルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、2個の芳香族基を有する(メタ)アクリレートが、高い屈折率を有する点においてより好ましい。
成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計によって測定することができる。
成分(B)の粘度は、300mPa・s未満であるのが好ましい。成分(B)の粘度が300mPa・sを超える場合は、組成物の硬化反応性が劣ることとなり、得られるハードコート層の硬度が低くなるという問題がある。成分(B)の粘度は1〜300mPa・sの範囲であるのがより好ましく、1〜200mPa・sの範囲であるのがさらに好ましい。
成分(B)の粘度の測定は、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)によって測定することができる。B型粘度計として、例えば、TVB−22L(東機産業株式会社製)などが挙げられる。
成分(B)は、重量平均分子量が150〜600の範囲内であるのが好ましく、200〜400の範囲内であるのがより好ましい。
本発明においては、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物中に含まれる第2成分100質量部に対して、成分(B)は15〜30質量部含まれることを条件とする。上記(メタ)アクリレート(B)が上記質量範囲で高屈折率アンチブロッキング層形成組成物中に含まれることによって、得られるアンチブロッキング層が高硬度かつ高屈折率となる利点がある。成分(B)の量が15質量部より少ない場合、および成分(B)の量が30質量部を超える場合は、いずれも、得られるアンチブロッキング層の硬度が低くなる不具合がある。
他の(メタ)アクリレート類
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物における第2成分は、上記成分(A)および(B)に加えて、他の(メタ)アクリレート類を含んでもよい。このような(メタ)アクリレート類として、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後の活性エネルギー線の照射により、(メタ)アクリロイル基の反応に基づく硬化反応が生じ、高硬度を有するアンチブロッキング層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物は、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するものが好ましい。(メタ)アクリロイル基を2つ以上有することによって、活性エネルギー線照射後に、高硬度を有するアンチブロッキング層が得られるという利点がある。
多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物の具体例として、例えば、ヒドロキシプロピル化トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびこれらのオリゴマーなどが挙げられる。これらのモノマーまたはオリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物に含まれる第2成分が、他の(メタ)アクリレート類を含む場合は、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物に含まれる第2成分100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であるのが好ましく、1〜25質量部の範囲であるのがより好ましい。
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、第1成分および第2成分、そして必要に応じた溶媒、光重合開始剤、触媒、光増感剤などの添加剤を混合することにより調製される。本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物中における第1成分と第2成分との比率は、第1成分:第2成分=0.5:99.5〜20:80である。この比率は、第1成分:第2成分=1:99〜20:80がより好ましく、1:99〜15:85であるのがさらに好ましい。
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、第1成分および第2成分それぞれのSP値の差によって相分離がもたらされる。この相分離によって、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成されることとなる。本発明において、第1成分のSP値と第2成分のSP値との差(△SP)は、1〜4の範囲内であることを条件とする。第1成分のSP値と第2成分のSP値との差が1以上ある場合は、互いの樹脂の相溶性が低く、それによりアンチブロッキング層形成組成物の塗布後に第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。上記△SPは、2.0〜3.5の範囲内であるのがより好ましい。
SP値とは、solubility parameter(溶解性パラメーター)の略であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
測定温度:20℃
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトンなど
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水など
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
樹脂のSP値δは次式によって与えられる。
Figure 2013209483
Figure 2013209483
Figure 2013209483
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、上記第1成分および第2成分に加えて、各種溶媒、光重合開始剤、添加剤などの成分をさらに含んでもよい。
第1成分および第2成分が上記組み合わせである場合に好ましい有機溶媒として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;アニソール、フェネトールプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。溶媒を用いる場合は、第1成分および第2成分の総量(これらを合わせて「樹脂成分」という。)100質量部に対して、例えば1〜9900質量部、好ましくは10〜900質量部加えることができる。
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤として、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1などが挙げられる。光重合開始剤の好ましい量は、上記樹脂成分100質量部に対して、0.01〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤などの常用の添加剤を含んでもよい。これらの添加剤を用いる場合は、樹脂成分100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのが好ましく、1〜10質量部であるのがより好ましい。
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、上記のような第1成分および第2成分を用いることによって、樹脂粒子などを含ませなくても、凹凸を有する樹脂層を形成することができることに特徴がある。そのため、上記アンチブロッキング層形成組成物は、樹脂粒子を含まないのが好ましい。しかしながら、上記アンチブロッキング層形成組成物は、必要に応じて、無機粒子または有機粒子、若しくはそれらの複合物を少なくとも一種以上含んでもよい。これらの粒子は、特に表面に凹凸を形成する目的のために添加されるのではなく、相分離や析出を制御して、より均一で微細な凹凸を形成する為に添加される。これらの粒子の粒径は、平均粒径で0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.3μmである。0.5μmを超えると、若干透明性が低下する。
無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト、雲母、合成雲母、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、スメクタイト、合成スメクタイト、バーミキュライト、ITO(酸化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫、酸化インジウムおよび酸化アンチモンからなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。
有機粒子の例としては、アクリル、オレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ウレタン、ポリエステル、シリコーン、ポリシラン、ポリイミドおよびフッ素粒子からなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。
上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装し、次いで硬化させることによって、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層を形成することができる。アンチブロッキング層形成組成物の塗装方法として、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法などが挙げられる。アンチブロッキング層の厚さとして、例えば、0.01〜20μmの厚さである態様が挙げられる。
高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後、光を照射することによって、相分離および硬化させることができる。照射する光として、例えば露光量0.1〜3.5J/cmの光、好ましくは0.5〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば、360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって、相分離および硬化が生じることとなる。
アンチブロッキングフィルム
本発明はさらに、上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を用いて形成されるアンチブロッキングフィルムも提供する。このアンチブロッキングフィルムは、透明高分子基材、および、上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を、基材に塗装することによって形成されるアンチブロッキング層、を有する。そして本発明におけるアンチブロッキング層は、優れたアンチブロッキング性能を有することに加えて、1.565〜1.620という高い屈折率を有することも特徴とする。
本発明のアンチブロッキングフィルムにおいては、透明高分子基材として、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムが好ましく用いられる。PETフィルムおよびポリカーボネートフィルムは、フィルム強度および透明性が高く、かつ安価であるなどの点から、タッチパネルを構成する、透明導電層を有するフィルムの基材フィルムとして好適に用いられるためである。一方で、これらのフィルムは、一般に、1.5以上と高い屈折率を有する。これらのフィルムの屈折率は、通常用いられるアンチブロッキングフィルムを構成する樹脂成分の屈折率と比較して高いため、アンチブロッキング層との屈折率差が大きくなり、干渉縞の発生頻度が高くなるという問題がある。
ここで干渉縞とは、透明フィルムおよび透明コート層などから構成される多層体において、各界面で反射する光が干渉しあうことによって生じる虹彩状反射をいう。この干渉縞は、特に、3波長発光型蛍光灯の照射下において、顕著に現れる傾向がある。3波長発光型蛍光灯は、ものがハッキリクッキリ見えるということを特徴とする特定の波長の発光強度が強いことを特徴とする蛍光灯である。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、高い屈折率を有するアンチブロッキング層を形成することができることを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの透明基材フィルム上にアンチブロッキング層を形成しても、干渉縞が発生しないという特徴がある。
なお、本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、上記PETフィルムまたはポリカーボネートフィルム以外の基材フィルムに塗装してもよい。このような基材フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムなどが挙げられる。
透明高分子基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に20〜300μm程で用いられる。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物により形成されるアンチブロッキング層は、微細凹凸を有することを特徴とする。このアンチブロッキング層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)は、0.1μm未満であることが好ましく、0.001〜0.09μmであることがさらに好ましく、0.002〜0.08μmであることが特に好ましい。ここで粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−2001において規定されるパラメーターである。アンチブロッキング層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上である場合は、ギラツキの発生、塗膜の白化などの問題が生じるおそれがある。Raの値が前記の特に好ましい範囲を下回ると、ブロッキング現象が発生して好ましくない。なおJIS B 0601−2001は日本工業規格であり、ISO 4288に準拠した規格である。
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2013209483
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物により形成されるアンチブロッキング層は、Rzが0.5μm以下であるのが好ましい。ここでRzとは、粗さ曲線の十点平均粗さであり、JIS B0601−2001において規定されるパラメーターである。Rzが0.3μm以下であるのがより好ましく、0.2μm以下であるのがさらに好ましい。下限は0.01μmであるのが好ましい。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物により形成されるアンチブロッキング層の表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗さ(Rz)は、例えば小坂研究所社製の高精度微細形状測定器、または(株)キーエンス製のカラー3Dレーザー顕微鏡などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物により形成されたアンチブロッキング層は、不規則で微細緻密な凹凸形状を有するため、優れたアンチブロッキング性を発揮する。本発明におけるアンチブロッキング層また、例えば液晶モジュールなどの光源によって表示される画像の鮮明性を低下させることがないという利点もある。特に、近年における高精細液晶表示装置においては、液晶から発せられる光線のピッチがより細かくなっている。そのため、画像鮮明性を保持するためにはより微細で緻密な凹凸形状が求められることとなっている。本発明におけるアンチブロッキング層は、微細で緻密な凹凸形状を有する、コントラスト低下、輝度の低下などの画像鮮明性低下を伴わないという利点がある。
本発明におけるアンチブロッキング層は、高屈折率剤を用いなくても、アンチブロッキング層の屈折率1.565〜1.620と高い屈折率が達成されていることを特徴とする。アンチブロッキング層の屈折率は、例えば、アッベ屈折計を用いて、JIS K7142に準拠して測定することができる。
本発明のアンチブロッキングフィルムは、全光線透過率が85%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。また、本発明のアンチブロッキングフィルムは、ヘイズが2%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましい。
本件発明においては、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOなどの高屈折率剤を含まなくても高屈折率化が達成されているため、このような高屈折率剤を含める必要がない。そのため、上記のように高い全光線透過率および低いヘイズ値を達成することが可能となる。より詳しくは、上記高屈折率アンチブロッキング層形成組成物は、ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下であるのが好ましい。金属酸化物などの高屈折率剤が、アンチブロッキング層中に存在する場合は、樹脂成分のみの層と比較して、一般に伸長性および耐屈曲性が劣ることとなるためである。
全光線透過率(T(%))は、アンチブロッキングフィルムに対する入射光強度(T)とアンチブロッキングフィルムを透過した全透過光強度(T)とを測定し、下記式により算出される。
Figure 2013209483
ヘイズは、JIS K7105に準拠して、下記式より算出される。
Figure 2013209483
H:ヘイズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
全光線透過率およびヘイズ値の測定は、例えばヘイズメーター(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を用いて形成されるアンチブロッキング層は、高い硬度および屈折率を有することに加えて、高い伸長性を有することも特徴とする。そのため、本発明におけるアンチブロッキングフィルムは、例えばタッチパネル等を構成する、透明導電層を有するフィルムの調製において好適に用いることができる。
タッチパネルを搭載するスマートフォンなどの携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末機器などにおいては、機器の小型・薄型化および軽量化が強く求められている。そのため、タッチパネル電極を構成する部材においても、基材フィルムの薄膜化が求められている。一方で、基材フィルムの厚さを薄くすることによって、基材フィルムにアンチブロッキング層を設けた場合においてフィルムの反りまたはカールが生じる不具合の発生頻度が高くなり、作業性・生産性が低下するという問題がある。これらの不具合は、アンチブロッキング層と基材フィルムとの物理的性質(例えば熱収縮率、熱膨張率など)が相違することに依存すると考えられる。本発明におけるアンチブロッキングフィルムは高い伸長性を有するため、種々の基材に対しカールが小さくなる傾向がある。
本発明におけるアンチブロッキングフィルムには、用途に応じて透明導電層、光学干渉により反射率を制御する光学干渉層を必要に応じて適切な順に、組み合わせて用いることができる。これら透明導電層、光学干渉層、高屈折率アンチブロッキング層の積層順は用途に応じて発現を期待される機能を果たしていれば特に限定するものではない。これらの積層順を例えばタッチパネル用基板として用いる場合、透明導電層をA、光学干渉層をB、本発明の対象となる高屈折率アンチブロッキング層をC、透明高分子基材をD、本発明の対象外となるアンチブロッキング層をEとすると、例えばA/B/C/D/E、A/B/C/D/C、A/B/B/C/D/E、A/B/B/C/D/C、A/C/D/E/B、A/C/D/C/B、A/C/D/E/B/B、A/C/D/C/B/Bなどとすることができる。
先に述べた光学干渉層は、高屈折率層と低屈折率層を適宜組み合わせることにより反射光を防止あるいは抑制する層を指す。光学干渉層は少なくとも一層の高屈折率層と少なくとも一層の低屈折率層より構成される。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ単位を二つ以上とすることもできる。光学干渉層が一層の高屈折率層と一層の低屈折率層から構成される場合、光学干渉層の膜厚は30nm〜150nmが好ましく、更に好ましくは50nm〜150nmである。光学干渉層は、湿式法、乾式法のいずれの方法でも形成することができる。例えば湿式法ではドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコータ-等、スプレー法、浸漬法等、乾式法ではスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは印刷法、CVD法などを適応することができる。
タッチパネル等を構成する透明導電性積層体は、一般に、透明導電層を有するフィルムである。この透明導電層は、特に制限はないが、酸化インジウムを含む結晶質層、より具体的にはITO(インジウム−スズ酸化物)およびIZO(インジウム−亜鉛酸化物)などの、インジウムを主成分とする結晶質層が好適に用いられる。透明導電層の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは塗工法、印刷法、CVD法があるが、PVD法またはCVD法が好ましい。
透明導電層を設けるためのこれらの加工処理を行うことによって、アンチブロッキング層を有する基材フィルムに部分的負荷がかかるため、透明導電性積層体の透明導電層、アンチブロッキング層と基材フィルムとの間における熱収縮率・熱膨張率の相違に基づくフィルムのよれが生じることがある。本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を用いて設けられるアンチブロッキング層は、高い視認性および良好な硬度を有すると共に、高い伸長性を有することを特徴とする。得られるアンチブロッキング層が高い伸長性を有することによって、透明導電層を設ける段階における加熱などにより、基材フィルムが局所的に熱膨張した場合であっても、アンチブロッキング層が良好に追随し、その結果、フィルムのよれなどの不具合が発生しないという利点がある。
アンチブロッキング層の伸長性について、より具体的には、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物が塗装される透明高分子基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであるアンチブロッキングフィルムの場合において、このアンチブロッキングフィルムを20℃において、引っ張り速度5mm/秒の条件において、MD方向に15%引き伸ばした際、アンチブロッキング層にクラックが発生しない状態が挙げられる。ここで、アンチブロッキング層の膜厚として、例えば0.05〜10μmである場合が挙げられる。
一般に、高分子基材フィルムの製造は、溶融状態にある樹脂基材を、ロール状に巻き取りながら、縦方向(巻き取り方向:MD方向)と横方向(TD方向:MD方向に対して直交する方向)の2方向に延伸し、均一な厚さのフィルムを製造する、二軸延伸法によって製造される。この製造方法においては、MD方向に高い応力が残ることとなる。そのため、得られたフィルムは、特にMD方向において、熱膨張・熱収縮が生じる傾向がある。得られたアンチブロッキングフィルムを、高分子基材フィルム製造時において巻き取られた方向であるMD方向に引き伸ばす試験を行うことによって、クラック(フィルム割れ)などの発生を効果的に検証することができるという利点がある。
また、アンチブロッキングフィルムを構成する透明高分子基材が、ポリカーボネートフィルムである場合は、アンチブロッキングフィルムの耐屈曲性を検証することによって、形成されたアンチブロッキング層の伸長性能を評価することができる。ポリカーボネートは、耐熱性および耐衝撃性などの物理的性能が優れる素材である一方で、特にフィルム厚が薄いポリカーボネートフィルムの場合においては、折り曲げなどの応力によって、クラック(割れ)が発生することがある。このようにフィルム厚が薄いポリカーボネートフィルムを基材フィルムとして用いる場合において、この基材フィルム上に形成されるアンチブロッキング層の伸長性が高い場合は、アンチブロッキング層を設けることによって、基材フィルムのクラックの発生を防ぐことが可能となる。本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物によって形成されるアンチブロッキング層は、高い伸長性を有している。そのため、フィルム厚が薄いポリカーボネートを基材フィルムとして用いるアンチブロッキングフィルムにおいて、曲げ応力に対する靱性を向上させることができるという利点がある。より具体的には、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物が塗装される透明高分子基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであるアンチブロッキングフィルムの場合において、このアンチブロッキングフィルムを、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた場合であっても、アンチブロッキング層および基材の何れにおいてもクラックが発生しない状態が挙げられる。ここで、アンチブロッキング層の膜厚として、例えば0.05〜10μmある場合が挙げられる。
本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を用いて形成されるアンチブロッキング層は、良好なアンチブロッキング性能および硬度を有すると共に、高い視認性および伸長性を有することを特徴とする。本発明の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物によって形成されるアンチブロッキング層は、屈折率が高いことを特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に、本発明におけるアンチブロッキング層を設けた場合であっても、干渉縞が発生しないという利点がある。本発明におけるアンチブロッキング層は、特に、タッチパネル電極を構成する、透明導電層を有するフィルムにおいて好適に用いることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 不飽和二重結合含有アクリル共重合体(I)の製造
イソボロニルメタクリレート187.2g、メチルメタクリレート2.8g、メタクリル酸10.0gからなる混合物を混合した。この混合物を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管および滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル360gにターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサエート2.0gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの80.0g溶液と同時に3時間かけて等速滴下し、その後、1時間、110℃で反応させた。
その後、ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサエート0.2gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル17g溶液を滴下して、110℃で30分反応させた。
その反応溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド1.5gとハイドロキノン0.1gを含む6gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、さらに4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル24.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を1時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。
数平均分子量5500、重量平均分子量(Mw)18000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、SP値:9.7、Tg:92℃であった。
製造例2 フェノールノボラック型アクリレート(1)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量700〜900、エポキシ当量150〜200)150g及びエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)は、重量平均分子量が950であり、水酸基価は140mgKOH/g、屈折率は1.572であった。またSP値は12.7であった。
製造例3 フェノールノボラック型アクリレート(2)の製造
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流装置のついた反応装置に、フェノールノボラック樹脂(重量平均分子量900〜1100、エポキシ当量150〜200)150g及びエピクロルヒドリン550gを混合し、100℃、100〜200mgの減圧条件下にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液110gを2時間かけて滴下した。反応終了後、温度を室温まで冷却し過剰の水酸化ナトリウム水溶液を酸で中和、減圧下にて加熱し過剰のエピクロルヒドリンを除去した後、生成物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗濾別により副生成塩を除去してフェノールノボラック型のエポキシ樹脂溶液を得た。
得られたフェノールノボラック型のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、メトキノン1000ppm、トリフェニルホスフィン2000ppmを加え、100℃にてアクリル酸を滴下し、酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)を得た。
得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(2)は、重量平均分子量が1200であり、水酸基価は137mgKOH/g、屈折率は1.571であった。またSP値は12.6であった。
実施例1
第1成分として、製造例1で得られた不飽和二重結合含有アクリル共重合体(I)を用いた。第2成分の成分(A)として、製造例2で得られたフェノールノボラック型エポキシアクリレート(1)を、成分(B)として、エトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート(エトキシ構造を分子中に1mol有するアクリレート、25℃における粘度130mPa・s、屈折率1.577、SP値10.6)を用いてアンチブロッキング層形成組成物を調製した。表1に示された原料を、表1に示された固形分質量で順次混合し、撹拌して、アンチブロッキング層形成組成物を得た。
なお、成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレートの粘度測定は、試験サンプルとして成分(B)のエトキシ化オルトフェニルフェノールアクリレート100mlをガラス容器に採取し、20℃に温度調整した後、B型粘度計(TVB−22L 東機産業株式会社製)およびM1Rotorを用いて、60rpmの回転速度にて測定した。
また、成分(B)の屈折率は、JIS K0062に準拠した方法により、アッベ屈折率計を用いて測定した。
なお第2成分のSP値は、第2成分に含まれる成分(A)、成分(B)および他の成分などの各成分のSP値、含有量に対し、重量平均にて算出した。
得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)上に滴下し、バーコーター#12を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
また、得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)上に滴下し、バーコーター#9を用いて塗工した。
塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
実施例2〜5
成分(A)の種類および量を表1に記載されたものに変更し、第2成分に含まれる他の(メタ)アクリレート類としてペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値:12.7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、アンチブロッキング層形成組成物を調製した。得られたアンチブロッキング層形成組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のアンチブロッキングフィルムを得た。
比較例1〜5、9
表2に示された配合により、アンチブロッキング層形成組成物を、実施例と同様にして調製した。得られたアンチブロッキング層形成組成物を用いて、実施例1と同様にして2種類のアンチブロッキングフィルムを得た。
比較例6、10
表2に示された配合により、アンチブロッキング層形成組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#13を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
また、得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#10を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
比較例7、11
表2に示された配合により、アンチブロッキング層形成組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#16を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
また、得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#12を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射し、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。
比較例8、12、13
表2に示された配合により、アンチブロッキング層形成組成物を、実施例と同様にして調製した。
得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人デュポン製188μm光学用PETフィルム(KEFW)に滴下し、バーコーター#20を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のアンチブロッキング層形成組成物を用いた場合においては、PETフィルムおよび膜厚6.5μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。一方で、比較例8および13のアンチブロッキング層形成組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、アンチブロッキング層を設けることができなかった。
また、得られたアンチブロッキング層形成組成物を、帝人化成製100μm光学用PCフィルム(ピュアエース)に滴下し、バーコーター#14を用いて塗工した。塗工後、70℃にて1分間乾燥させ、紫外線照射機(Fusion製)にて350mJの紫外線を照射した。比較例12のアンチブロッキング層形成組成物を用いた場合においては、ポリカーボネートフィルムおよび膜厚5.0μmのアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムを得た。一方で、比較例8および13のアンチブロッキング層形成組成物を用いた場合においては、コーティング組成物が硬化せず、アンチブロッキング層を設けることができなかった。
実施例6
実施例1で得られたアンチブロッキングフィルムを用い、さらにこの硬化樹脂層上に、酸化インジウムと酸化錫が重量比95:5の組成で充填密度98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いるスパッタリング法によって、ITO層を形成し、可動電極基板となる透明導電性積層体を作製した。形成されたITO層の膜厚は約30nm、製膜後の表面抵抗値は約150Ω/□であった。得られた透明導電性積層体の干渉縞は視認されなかった。
上記実施例1〜5および比較例1〜13において得られたアンチブロッキングフィルムについて、下記評価を行った。評価結果を表1および2に示す。
屈折率の測定
アッベ屈折計(アタゴ社製2T 測定範囲 nD=1.3〜1.7)を用いて下記方法にて測定した。
主プリズムに、中間液(モノブロモナフタレンなど)をスポイドで1滴を落とし、測定するサンプルを置いた。サンプル上に中間液をスポイドで1滴を落とし、副プリズムを閉じた。ここで、中間液層に空気が入らないことを条件とした。
副プリズムにランプ光を入射させ、接眼鏡をのぞきながら測定つまみを回して、屈折視野の明暗の境を交点に合わせ、目盛視野の値を小数点以下4桁まで読み取り、屈折率を測定した。
硬度の評価
鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機製作所製 型式P 加圧荷重100g〜1kg)を用いて測定した。
三菱ユニ製 鉛筆引かき値試験用鉛筆(日本塗料検査協会検査済みのもの)を使用し、芯の先端が平滑で円形の断面になるように研磨紙(3M P−1000)にて調整した。試料を測定台に設置後、引掻角度が45°になるよう鉛筆を固定し、荷重750gの条件で試験を行った。試験毎に、芯を平滑にしながら、試験場所をずらして5回試験を繰り返した。
塗膜表面に凹みの発生有無下記評価基準に基づき、目視で確認した。
例えば2Hの鉛筆を用いた試験の場合、
凹みの発生が1本も無い場合、2Hと判断した。
凹みの発生が1〜2本の場合、鉛筆の硬度を1段階下げて評価し、1段階下げて凹みの発生が1本も無い場合は硬度の評価は中間領域(H〜2H等)と判断した。
凹みの発生が3本以上の場合は、H以下と判断し、1段階下げての評価を同様に実施した。
なお、実施例および比較例のアンチブロッキングフィルムの調製において用いられたPETフィルムの硬度はHB〜Fであり、ポリカーボネート(PC)フィルムの硬度は5B〜4Bである。
そのため、PETフィルムおよびアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムにおいては、硬度がH以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、アンチブロッキング層が十分な硬度を有していると判断される。
また、ポリカーボネートフィルムおよびアンチブロッキング層を有するアンチブロッキングフィルムにおいては、硬度が3B以上であれば、硬度が2段階以上高くなっており、アンチブロッキング層が十分な硬度を有していると判断される。
伸びの評価
オートグラフ(島津製作所製 AG−1S)を用いて測定を行った。
試験サンプルを10mm×150mmに切り出し、サンプル長手方向を伸張させる向きにて測定機器の上下のチャックに挟む。室温(20℃)条件下にて、試料サンプルを2cm/secの速さで伸張させた際、破断・クラックの発生しない伸張率を求めた。
耐屈曲試験方法
試料を50mm×50mmに調整し、試料を180°折り曲げた時の評価を行った。下記の評価基準に基づき、目視にて行った。
○ : 塗膜・基材にクラックは生じない。
△ : 塗膜にのみクラック発生が確認できる。
× : 塗膜・基材共にクラック発生が確認できる。
アンチブロッキング(AB)性能の評価
実施例および比較例で得られたアンチブロッキングフィルムを、2×5cmの大きさに切り出し、塗工面をPETフィルム(易接着層未塗布)面に重ね合わせ、ガラス板に挟んで200gf/cm条件にて、室温で24時間放置した。その後、ブロッキング現象(AB性)を、下記基準により目視評価した。
○ : アンチブロッキング性あり
× : アンチブロッキング性なし
干渉縞評価方法
干渉縞(外観評価)
試験片を100×100mmの黒色アクリル板に光学フィルム用粘着剤を用い塗工面が表面にくるように貼り合せた。スタンド式3波長蛍光灯(TWINBARD製 SLH−399型)の蛍光管から垂直下10cmの距離にサンプルを設置して目視観察をし、評価結果が○以上のサンプルについては、更に太陽光下での目視観察を実施し、下記の評価基準に基づき、判定した。
◎ : 干渉縞(干渉模様)が3波長蛍光灯下でも太陽光下でも視認されない。
○ : 3波長蛍光灯下で干渉縞(干渉模様)が視認されないが太陽光下では僅かに視認される
△ : 干渉縞(干渉模様)が僅かに視認される
× : 干渉縞(干渉模様)がはっきりと視認される
干渉縞(透過スペクトル振幅)
試験片の光線透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-2450)によって測定し、
500〜750nmの範囲における透過率の振幅に対し、下記評価基準に基づき、判定した。
○ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%未満
△ : 透過率の最大値と最小値の差が0.5%以上1.0%未満
× : 透過率の最大値と最小値の差が1.0%以上
Figure 2013209483
Figure 2013209483
上記表1、表2中、
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光重合開始剤
ビスフェノールA EO変性ジアクリレート:東亜合成株式会社製、アロニックスM−211B、ビスフェノールA EO(2mol)変性ジアクリレート、SP値11.3
アクリロイルモルフォリン:SP値11.9
2官能ウレタンアクリレート:NV100:CN−9893(サートマー社製)、SP値11.1
高屈折率フィラー1:ジルコニア ZRMIBK30WT%(酸化ジルコニウム、CIKナノテック社製)
高屈折率フィラー2:チタニア TiMIBK15WT%(酸化チタン、(CIKナノテック社製)
を示す。
実施例のアンチブロッキング層形成組成物を用いて形成されたアンチブロッキング層を有するアンチブッキングフィルムは、何れも、良好なアンチブロッキング性能を有し、干渉縞の発生がなく、かつ、高い屈折率、良好な硬度を有していた。さらに得られたアンチブッキングフィルムは、伸長性および耐屈曲性も高いものであった。
比較例1および2は、成分(B)の量が本発明の範囲外である例である。これらの場合は、何れも、得られるフィルムの硬度が低くなる不具合があった。
比較例3は、成分(A)の代わりに、ビスフェノールA骨格を有するジアクリレートを用いた例である。この比較例3では、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、硬度が低くなる不具合があった。
比較例4は、成分(B)の代わりに、アクリロイルモルフォリンを用いた例である。この比較例4でもまた、得られるフィルムの屈折率が低くなり、干渉縞の発生が確認された。また、伸長性も劣っていた。
比較例5〜8は、成分(A)および(B)を用いる代わりに、高屈折率剤である酸化ジルコニアまたは酸化チタンを用いた例である。これらの比較例では、硬度は良好である一方で、アンチブロッキング性および伸長性が大きく劣っていた。なお比較例8の組成物は硬化しなかった。
比較例9〜13は、アンチブロッキング層に伸長性を付与することを目的として、2官能ウレタンアクリレートを用いた例である。これらの比較例では、アンチブロッキング性が劣っていた、また、伸長性が多少向上した例もあるものの、硬度および屈折率のバランスが悪くなった。なお比較例13の組成物は硬化しなかった。
比較例5〜13のアンチブロッキング層形成組成物には、高屈折率フィラーが含まれている。高屈折率フィラーが含まれることによって、得られたアンチブロッキング層の屈折率自体は確かに高くなっている。その一方で、これらの比較例で得られたアンチブロッキング層は、何れも、干渉縞が確認されている。これらの比較例において干渉縞が確認された理由として、アンチブロッキング層を形成する樹脂成分の屈折率が低い一方で、この樹脂成分中に、屈折率の高い高屈折率フィラーが混ざり込んでいる状態であるためと考えられる。このため、アンチブロッキング層の屈折率自体は高くなっても、低屈折率である樹脂成分が悪影響を及ぼしてしまい、優れた干渉縞発生抑制効果が得られないと考えられる。
本発明のアンチブロッキング層形成組成物によって形成されるアンチブロッキング層は、優れたアンチブロッキング性能を有すると共に、良好な硬度、高い視認性および伸長性を有することを特徴とする。本発明のアンチブロッキング層形成組成物によって形成されるアンチブロッキング層はさらに、屈折率が高いことも特徴とする。そのため、PETフィルムまたはポリカーボネートフィルムなどの屈折率が高い基材フィルム上に、本発明におけるアンチブロッキング層を設けた場合であっても、干渉縞が発生しないという利点もある。

Claims (13)

  1. 第1成分および第2成分を含む、高屈折率アンチブロッキング層形成組成物であって、
    第1成分が、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、
    第2成分が、
    (A)2またはそれ以上のアクリレート基を有する、フェノールノボラック型アクリレート、および
    (B)炭素数2または3のアルキレンオキシド構造を分子中に1〜2mol有する、芳香族基含有モノまたはポリ(メタ)アクリレート
    を含み、
    第2成分100質量部に対して、フェノールノボラック型アクリレート(A)は60〜85質量部および(メタ)アクリレート(B)は15〜30質量部含まれており、
    第1成分のSP値(SP1)および第2成分のSP値(SP2)の差△SPが1〜4の範囲内であり、
    組成物中に含まれる第1成分および第2成分の質量比は、第1成分:第2成分=0.5:99.5〜20:80であり、
    高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を塗装した後に、第1成分および第2成分が層分離を生じ、表面に微細な凹凸を有するアンチブロッキング層が形成される、
    高屈折率アンチブロッキング層形成組成物。
  2. 前記フェノールノボラック型アクリレート(A)は、下記式(I)
    Figure 2013209483
    (I)
    [式(I)中、Rは、HまたはCHOHであり、Rは、HまたはOHであり、nは2〜5であり、mは0〜5である。]
    で示される、請求項1記載の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート(B)は、屈折率が1.56〜1.64の範囲内である、芳香族基含有(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物。
  4. ZnO、TiO、CeO、SnO、ZrOおよびインジウム−スズ酸化物の総含有量が組成物中の0.0001質量%以下である、請求項1〜3いずれかに記載の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物。
  5. 透明高分子基材、および、
    請求項1〜4いずれかに記載の高屈折率アンチブロッキング層形成組成物を、基材に塗装することによって形成されるアンチブロッキング層、
    を有するアンチブロッキングフィルムであって、
    アンチブロッキング層は、1.565〜1.620の屈折率を有し、かつ、
    アンチブロッキング層は、算術平均粗さ(Ra)が0.001〜0.09μmであり、十点平均粗さ(Rz)が0.01〜0.5μmである、
    アンチブロッキングフィルム。
  6. 前記アンチブロッキング層の厚さが0.05〜10μmである、請求項5記載のアンチブロッキングフィルム。
  7. 基材が、厚さ20〜300μmのPETフィルムであり、
    アンチブロッキングフィルムは、20℃において引っ張り速度5m/分の条件においてフィルムをMD方向に15%引き伸ばした際、アンチブロッキング層にクラックが発生しないことを特徴とする、
    請求項5または6記載のアンチブロッキングフィルム。
  8. 基材が、厚さ30〜200μmのポリカーボネートフィルムであり、
    アンチブロッキングフィルムは、25℃および60度/秒の条件において180°折り曲げた際、アンチブロッキング層および基材の何れにおいてもクラックが発生しないことを特徴とする、
    請求項5または6記載のアンチブロッキングフィルム。
  9. 前記アンチブロッキングフィルムは、全光線透過率が88%以上であり、かつ、ヘイズ値が2%以下である、請求項5〜8いずれかに記載のアンチブロッキングフィルム。
  10. 請求項5〜9いずれかに記載のアンチブロッキングフィルムの少なくとも一方の面上に透明導電層が形成された、透明導電性積層体。
  11. 前記透明導電層が酸化インジウムを含む結晶質層であり、かつ、透明導電層の厚さが5〜50nmである、請求項10記載の透明導電性積層体。
  12. 前記アンチブロッキング層および透明導電層の間に金属酸化物層が存在し、金属酸化物層の厚さが0.5〜5.0nmである、請求項10または11記載の透明導電性積層体。
  13. 請求項10〜12いずれかに記載の透明導電性積層体を有するタッチパネル。
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