JP2013209338A - 殺菌剤 - Google Patents

殺菌剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2013209338A
JP2013209338A JP2012081884A JP2012081884A JP2013209338A JP 2013209338 A JP2013209338 A JP 2013209338A JP 2012081884 A JP2012081884 A JP 2012081884A JP 2012081884 A JP2012081884 A JP 2012081884A JP 2013209338 A JP2013209338 A JP 2013209338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
particle
mother
disinfectant
iodide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012081884A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshie Fujimori
藤森良枝
Yoko Fukui
福井陽子
Tsuruo Nakayama
中山鶴雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NBC Meshtec Inc
Original Assignee
NBC Meshtec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NBC Meshtec Inc filed Critical NBC Meshtec Inc
Priority to JP2012081884A priority Critical patent/JP2013209338A/ja
Publication of JP2013209338A publication Critical patent/JP2013209338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

【課題】十分な殺菌効果を有するとともに、湿式、乾式のいずれでも使用でき、無色で、かつ殺菌効果をより長期間にわたって維持できる殺菌剤を提供する。
【解決手段】 樹脂である第1の粒子と、第1の粒子よりも小さい粒径を有し、その一部分が露出した状態で第1の粒子の表面に埋め込まれている、一価の銅化合物粒子、ヨウ化物粒子、またはそれらの混合物である第2の粒子と、を含むことを特徴とする殺菌剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、殺菌性を有する無機化合物を含む無機系殺菌剤に関する。
近年、病院や介護施設において問題になっているのが、特定の薬剤に対して抵抗力を持ち、効果がなくなるという「薬剤耐性菌」による院内感染である。これらの薬剤耐性菌は、長年、同じ抗生物質を使い続けることで細菌が変異し、耐性を獲得している。具体的には、薬剤耐性菌は、抗生物質を分解する酵素を作り出せるようになったり、薬剤が作用する部分のタンパク構造が変性したりすることで、薬剤に対して耐性を示す。また、薬剤耐性菌が一度獲得した耐性は、遺伝情報により子孫にも伝えられる。
さらにこれらの薬剤耐性菌の感染者に別の抗生物質を投与する事で、またこの抗生物質に対しても耐性を獲得するという、複数の薬剤に対して耐性を持つメチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)や、多剤耐性緑膿菌(MDRP)などの多剤耐性菌も出現している。最近ではこれらの多剤耐性菌に対する唯一の手段であったバンコマイシンにも抵抗性を持つものも出てきており、これらの多剤耐性菌に感染した患者は、敗血症などを起こし、死に至ることもある。
そこで、これらの問題を解決するために、細菌が耐性を獲得しにくいといわれている、殺菌性を示す無機化合物を含む殺菌剤(以下、無機系殺菌剤と称す)についての開発が進められている。無機系殺菌剤の一例としては、水溶性銅化合物、水溶性アンモニウム化合物、塩酸やクエン酸などの酸を水などに溶解させた薬剤耐性菌用殺菌剤や(特許文献1)、銀ブロムとヨード錯体の塩を溶媒に溶解させた薬剤耐性菌用殺菌剤などがある(特許文献2)。
特開2009−519220号公報 特開2002−338481号公報
しかし、両文献とも水や有機溶媒などを必須としており、乾式で用いたい場合には使用できない。また特許文献2では高濃度のヨードが必要となるため着色などの問題も起きる。
さらに、殺菌剤については、処理後もその効果がより長く持続することが好ましい。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、十分な殺菌効果を有するとともに、乾式、湿式のいずれの形態でも使用でき、無色で、かつ殺菌効果をより長期間にわたって維持できる殺菌剤を提供することを目的とする。
すなわち第1の発明は、
樹脂である母粒子と、
前記母粒子よりも小さい粒径を有し、その一部分が露出した状態で前記母粒子の表面に埋没している、一価の銅化合物粒子、ヨウ化物粒子、またはそれらの混合物である子粒子と、を含む殺菌剤である。
また第2の発明は、
上記第1の発明において、前記母粒子の粒径よりも小さい粒径を有し、その一部分が露出した状態で前記母粒子の表面に埋没している無機多孔質粒子をさらに含む請求項1に記載の殺菌剤である。
さらに第3の発明は、
上記第1または第2の発明において、前記一価の銅化合物粒子が、塩化物、酢酸化合物、硫化物、ヨウ化物、臭化物、過酸化物、酸化物、およびチオシアン化物からなる群から少なくとも1種類選択されることを特徴とする殺菌剤である。
第4の発明は、
上記第3の発明において、前記一価の銅化合物粒子が、CuCl、CuBr、Cu(CH3COO)、CuSCN 、Cu2S 、Cu2O、およびCuIからなる群から少なくとも1種選択されることを特徴とする殺菌剤である。
第5の発明は、
上記第1から第4のいずれかの発明において、前記ヨウ化物粒子が、CuI、AgI、SbI3、IrI4、GeI4、GeI2、SnI2、SnI4、TlI、PtI2、PtI4、PdI2、BiI3、AuI、AuI3、FeI2、CoI2、NiI2、ZnI2、HgIおよびInI3からなる群から少なくとも1種類選択されることを特徴とする殺菌剤である。
第6の発明は、上記第1から5のいずれかの発明において、剤形がエアゾール剤であることを特徴とする殺菌剤である。
第7の発明は、上記第1から5のいずれかの殺菌剤を保持していることを特徴とする繊維構造体である。
本発明によれば、細菌に対して十分な殺菌効果を有するとともに、乾式、湿式のいずれの形態でも使用でき、無色で、かつ、殺菌効果をより長期間にわたって維持できる殺菌剤を提供できる。
実施例の殺菌剤に含まれる複合粒子のSEM画像である。 実施例の殺菌剤に含まれる複合粒子の断面のSEM画像である。 実施例の殺菌剤のSEM画像である。 実施例の殺菌剤のSEM画像である。 実施例の殺菌剤の付着性試験結果の画像である。 比較例の殺菌剤の付着性試験結果の画像である。 実施例の殺菌剤の振とう後の画像である。
以下、本実施形態の殺菌剤について詳述する。本実施形態の殺菌剤は、樹脂である母粒子と、該母粒子の粒径よりも小さい粒径を有する子粒子とを含む。子粒子は、母粒子の表面において子粒子の表面の一部分が露出した状態で付着および/または埋没していることにより、母粒子に固定されている。
なお、本明細書においては、子粒子が母粒子の表面に付着および/または埋没していることにより形成されている粒子を複合粒子と称す。当該複合粒子には、子粒子と母粒子に加えて、後述する機能性粒子を含んでいてもよい。機能性粒子は、子粒子と同様に、母粒子の表面に機能性粒子の表面の一部分が露出した状態で付着および/または埋没していることにより、母粒子に固定されている。
殺菌剤をスプレー剤などの剤形としたときに、含有される一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子が凝集すると、ノズルが詰まったり、1度に噴霧できる範囲が狭くなるなど、十分な殺菌効果を発揮できないときがある。
また、部材にスプレー剤である殺菌剤を噴霧した場合や粉体の殺菌剤を基材に保持させた場合に、一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子が凝集すると、殺菌剤を処理した部材や保持させた基材とこれら粒子との密着性が低下し、処理した部材や保持させた基材から粒子が脱離しやすくなる。一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子が脱離してしまうと、殺菌効果が低下してしまう。
これに対し、本実施形態の殺菌剤は、一価の銅化合物粒子またはヨウ化物粒子(子粒子)が樹脂粒子(母粒子)に付着および/または埋没して固定されることにより、一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子の凝集を抑制することができる。したがって、本実施形態の殺菌剤は、スプレー剤とした場合にも、一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子の分散性が高く、十分な殺菌効果を発揮できる。つまり、少量で高い殺菌効果が得られるため、スプレー剤として噴霧しても透明性が高いスプレー剤が提供できるうえ、流動性にも優れているため、粉体のみでもスプレー剤として使用できる。従って、湿式(複合粒子が水や溶媒中に分散等された状態である剤形)に限らず、革製品など、乾式(水や溶媒を含まない状態に構成された剤形)で用いたいものにも適用できる。また、殺菌剤を処理した部材や殺菌剤を保持している基材からの一価の銅化合物粒子やヨウ化物粒子の脱離も抑制できるので、殺菌効果をより長期間にわたって維持することができる。
さらに、本実施形態の殺菌剤は、母粒子を樹脂によって構成し、当該母粒子に子粒子を付着および/または埋没させているので、粒子の大きさの調整を容易に行うことができる。したがって、例えば殺菌剤をスプレー剤の剤形としたときなどに、噴霧時に吸い込んでしまった時の安全性もより高めた殺菌剤を構成することもできる。
本実施形態の殺菌剤に係る母粒子は、樹脂から構成されるものであれば特に限定されず、当業者が適宜設定可能である。具体的には、母粒子を構成する樹脂として、架橋アクリルや、PMMA、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン、セルロースなどが挙げられる。このうち、子粒子との密着性の観点から、ナイロン6やポリエチレンが好適に用いられる。
母粒子を樹脂とすることにより、粒子重量が軽くなる。そのため、殺菌剤に含まれる子粒子との複合粒子を分散媒に分散させたときには、分散媒中において沈降しにくく、従って分散媒中において複合粒子を分散させやすくなる。
母粒子の体積平均粒子径(D50)は1〜5000μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは4〜200μmのものが好適に用いられる。
なお、体積平均粒子径(体積D50)とは、粒径から計算される個々の粒子の体積和から求められる、体積和が50%となるときに対応する粒子の粒径をいう。
当該体積平均粒子径は、例えばゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子(株)社製 ELSZ−2)などを用いて測定することができる。以下の説明においては、体積平均粒子径を、単に、平均粒子径または粒径とも称す。
粒径が1〜5000μmであることが、子粒子や後述する機能性粒子を母粒子の表面に固定しやすいため、好ましい。一方、母粒子の粒径が1μmより小さいと、範囲内である場合と比較して、母粒子に子粒子を固定しにくくなる。また、母粒子の粒子径が5000μmより大きいと、範囲内である場合と比較して、外観のなめらかさが消失してしまう。特に、殺菌剤をエアゾール剤などの剤形とする場合、吸い込みによる人の肺への影響を考えると、粒径4μm以上のものを用いると、より一層安全性を高めた殺菌剤が提供できるので好適である。なお、本実施形態の殺菌剤においては、母粒子として樹脂を用いて構成しているので、このような好ましい範囲の粒径に制御することが容易である。
本実施形態の殺菌剤で用いられる子粒子は、一価の銅化合物の粒子、またはヨウ化物の粒子である。さらに、一価の銅化合物の粒子およびヨウ化物の粒子の混合物も、子粒子として用いることができる。
具体的な一価の銅化合物としては、塩化物、酢酸化合物、硫化物、ヨウ化物、臭化物、過酸化物、酸化物、水酸化物、シアン化物、チオシアン酸塩またはこれらの混合物からなることが好ましく、中でもCuCl、Cu(CH3COO)、CuI、CuBr、Cu2O、CuOH、CuCN、CuSCNからなる群から少なくとも1種以上選択されることが好適である。また、具体的なヨウ化物としては、CuI、AgI、SbI3、IrI4、GeI2、GeI4、SnI2、SnI4、TlI、PtI2、PtI4、PdI2、BiI3、AuI、AuI3、FeI2、CoI2、NiI2、ZnI2、HgIおよびInI3から少なくとも1種類選択されることが好適である。
本実施形態に係る子粒子は、グラム陽性、陰性に係らず細菌を吸着して不活化可能である。また、本実施形態に係る子粒子は、タンパク質や脂質の存在下にあっても細菌を殺菌することができる。
殺菌性を有する子粒子の殺菌機構については現在のところ必ずしも明確ではないが、子粒子が空気中あるいは飛沫中の水分と接触すると、その一部が酸化還元反応により、付着した細菌表面の電気的チャージや遺伝子などに何らかの影響を与えて不活化させるものと考えられる。
ここで、母粒子に付着および/または埋没している子粒子の粒径は、母粒子の粒径より小さい限り特に限定されず、母粒子の粒径等にあわせて適宜決定できる。例えば、子粒子の粒径は、母粒子の粒径の1/10以下であることが好ましい。具体的には平均粒子径が1nm以上、50μm未満であることが好ましい。子粒子を母粒子に埋没させた場合に、粒径は小さい方が、埋没している(表に出ない)体積が少なくて済むため、少量で効率よく殺菌効果を示す。一方で、1nm未満では、範囲内にある場合と比較して、化学的に不安定となりやすいほか、安定して殺菌効果を維持できにくくなる。また、50μm以上である場合は、範囲内にある場合と比較して、埋没させた場合にも、子粒子が母粒子の表面から脱落しやすくなる。
このように、殺菌性を有する子粒子が当該子粒子よりも粒径の大きい母粒子にその一部分を露出した状態で付着および/または埋没していることで、子粒子の表面積を高く保ちつつ凝集を防止できる。
加えて、上述のとおり、本実施形態の子粒子が樹脂である母粒子にその一部分を露出した状態で付着および/または埋没していることで、例えば殺菌剤をスプレー剤の剤形としたときなどに、噴霧時に吸い込んでしまった時の安全性もより高めた殺菌剤を構成することもできる。ここで、殺菌剤が平滑な略球形になるように該子粒子を母粒子に付着および/または埋没させることで、子粒子が直接、人体に接触する面積を減らすことができるため、さらに安全性を高めた殺菌剤が提供できる。
ここで、本実施形態において「平滑」とは、複合粒子において、子粒子が、母粒子の表面からおおむね突出していない状態を示す。また、子粒子とともに後述の機能性粒子も母粒子に埋没している場合には、「平滑」とは、子粒子および機能性粒子が母粒子の表面からおおむね突出していない状態を示す。
後述のように、母粒子と子粒子との複合粒子の形成処理時の回転数や処理時間などの条件を調整することで、表面が平滑な複合粒子を形成することができる。
本実施形態の殺菌剤においては、殺菌性を有する子粒子と共に、他の粒子(当該他の粒子を機能性粒子と総称する)がその一部分が露出した状態で母粒子に付着および/または埋没していてもよい。機能性粒子としては、他の殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、抗アレルゲン剤、触媒、などが挙げられる。このような別の機能を持った機能性粒子が子粒子とともに母粒子に付着および/または埋没していることで、殺菌剤に複数の効果を付与することもできる。
機能性粒子として、例えば、母粒子よりも粒径の小さい、非金属酸化物、金属酸化物、金属複合酸化物などの無機化合物の粒子が母粒子に付着および/または埋没していてもよい。無機化合物の粒子の結晶性は、非晶性あるいは結晶性のどちらでも良い。非金属酸化物としては、酸化珪素が挙げられる。また、金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化バリウム、過酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、過酸化チタン、過酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化タングステンなどが挙げられる。また、金属複合酸化物としては、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイト、アナルサイト、エリナイトなどのゼオライト類、ハイドロキシアパタイトなどのアパタイト類、珪藻土、酸化チタンバリウム、酸化コバルトアルミニウム、TiO−WO3、Al−SiO、WO−ZrO、WO−SnOなどが挙げられる。
また、機能性粒子として、無機多孔質粒子が母粒子の表面にその一部分が露出した状態で付着および/または埋没していてもよい。無機多孔質粒子としては、ゼオライト類や、アパタイト類、珪藻土などが挙げられる。無機多孔質粒子が子粒子とともに母粒子に付着および/または埋没していることで、無機多孔質粒子が持つ消臭効果の発揮が期待できる。よって、殺菌性があり、消臭効果を持つ多機能な殺菌剤を提供することができる。
その他に、無機化合物の粒子として、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物の粒子を用いてもよい。
以上説明した子粒子は、前述の母粒子の表面に付着および/または埋没している。さらに、機能性粒子が用いられる場合には、子粒子および機能性粒子が母粒子の表面に付着および/または埋没している。複合粒子の製造方法は、子粒子がその一部分を外部に露出した状態で母粒子の表面に付着および/または埋没していれば特に限定されないが、例えば、樹脂である母粒子の表面に子粒子を衝突させて、付着させるおよび/または埋め込むことにより製造することができる。このように、母粒子に子粒子を衝突させて、付着させるおよび/または埋め込むことにより製造することで、母粒子の表面において外部に露出(外部と接触)している殺菌性を有する無機化合物粒子の数をより多くして製造することができる。 母粒子の表面に子粒子を衝突させて、付着させるおよび/または埋め込むことにより製造する方法の具体例としては、機械的に母粒子に子粒子をその一部分を露出した状態で埋没させて固定する高速気流衝撃法が挙げられる。
また、乳鉢などで母粒子と子粒子とを混ぜ合わせることでも子粒子が母粒子に付着するおよび/または埋め込まれる。よって、当該方法により、その一部分を露出した状態で付着および/または埋没させて子粒子を母粒子に固定することもできる。
さらに、母粒子と子粒子に強い圧力を加えることにより生じるエネルギーによって母粒子に子粒子を埋め込むことにより母粒子に子粒子を埋没させて固定する表面融合法などのメカノケミカル法によっても形成することができる。
子粒子を母粒子に埋め込んで固定することにより複合粒子を作成可能な装置としては、汎用的なボールミルの他、回転翼式では株式会社カワタのスーパーミキサー、震蕩式では浅田鉄工株式会社のペイントシェーカーなどが例示できる。また、この他にも株式会社奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム(登録商標)やホソカワミクロン株式会社のメカノフュージョン(登録商標)、媒体流動乾燥機などが例示されるが、特にこれらの装置には限定されない。
さらに、他の混合による複合粒子の作成方法として、例えば転動式ボールミル、高速回転粉砕機、高速気流衝撃法粉砕機、媒体攪拌型ミル、機械的融合装置を用いる方法が挙げられる。
子粒子の母粒子への埋め込み度(埋没している深さ)については、子粒子の少なくとも一部分が外部に露出していればよく、付着程度であっても、子粒子が脱落しなければ特に限定されない。埋め込み度は、複合粒子を得るための処理条件を変更することで、当業者が適宜変更可能である。
例えば高速回転粉砕機を用いる場合には、攪拌速度、メディア質量、攪拌時間などの調整などで埋め込み度を調節できる。また、高速気流衝撃法粉砕機を用いる場合には、キャリアガスの圧力、滞留時間などの調整などで埋め込み度を調節できる。
複合粒子を形成させる際における母粒子に対する子粒子の割合は特に限定されず、当業者が適宜設定できる。例えば、母粒子に対する子粒子の割合が、0.5質量%以上、40質量%未満となるように、上述の装置に母粒子と子粒子が投入される。
また、上述の装置による複合粒子を形成させる処理において処理時間などを調整することで、表面が平滑な殺菌剤の複合粒子を形成することができる。つまり、複合粒子の形成処理において、母粒子に子粒子が埋め込まれた後、さらにその複合粒子が互いに衝突することにより、子粒子が母粒子により深く埋め込まれる。その結果、子粒子が母粒子の表面から突出していない滑らかな表面が形成される。
以上のようにして作成した殺菌剤は、そのまま粉体として用いる以外に、例えばエアゾール剤などのスプレー剤の剤形とすることもできる。スプレー剤の剤形とする場合であって、エアゾール剤としたり、また、噴霧器などを用いて殺菌剤を被処理物(噴霧対象物)に噴霧できるように構成する場合、ノズルからの良好な放出性を有していることが好ましい。このような点を考慮すると、本実施形態の殺菌剤に含まれる複合粒子の平均粒子径は、10nm以上、100μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態の殺菌剤は、分散性に優れているが、さらに複合粒子の分散安定性を高めるための分散剤を含んでいてもよい。分散剤としては、例えば界面活性剤や高分子系分散剤を用いることができる。
界面活性剤としては、具体的には、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を使用できる。アニオン系界面活性剤としては、親水基としてカルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものとすることができる。また、カルボン酸系としては、例えば石鹸の主成分である脂肪酸塩やコール酸塩とすることができる。また、スルホン酸系としては合成洗剤に多く使われる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。より具体的には、脂肪酸ソーダ石鹸、オレイン酸カリウム石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などのスルホン酸塩、アルキルリン酸カリウム塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸などがあげられる。これらは単独または複数を組み合わせて用いてもよい。
また、ノニオン系界面活性剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物および高級アルコールエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸エチレンオキシド付加物およびポリエチレングリコール脂肪酸エステル、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物および脂肪酸アミドエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、非イオン界面活性剤グリセリンおよびペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド脂肪酸、アルカノールアミドなどがあげられる。これらは単独または複数を組み合わせて用いてもよい。
さらに、高分子系分散剤としては、ポリウレタンプレポリマー、スチレン・ポリカルボン酸共重合体、リグニンスルホン酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチンが挙げられる。さらに、高分子系分散剤はオリゴマーおよびプレポリマーであってもよく、不飽和ポリエステル、不飽和アクリル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート、マレイミド、ポリエン/ポリチオールや、アルコキシオリゴマーなどが用いられる。
また、スプレー剤の剤形とする場合における殺菌剤の分散媒としては、水および/または低級アルコールを用いることができる。低級アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコールとすることができる。また、これらの分散媒は2種以上混合するようにしてもよい。なお、本実施形態において、含有される構成成分の比率は、殺菌剤の剤形や被処理物の種類等に応じて変更可能である。
また、殺菌剤をスプレー剤などの剤形とする場合、還元剤を添加してもよい。殺菌性を有する子粒子として一価の銅化合物を用いると、分散媒中に溶け出た銅イオンは殺菌性の低い二価の銅イオンとなってしまうため、長期に保管すると殺菌性能が低くなってしまう。しかし、ここで還元剤を添加しておくと、二価の銅イオンが還元作用により一価の銅イオンとなり、殺菌性が高い状態で安定に長期保管できるようになる。また殺菌性を有する子粒子としてヨウ素化合物を用いた場合、還元剤が金属イオンの溶出を促進するため、還元剤を含まない場合と比較すると、短時間での効果が高くなる(即効性が向上する)。
使用可能な還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウムや、次亜燐酸ナトリウムや、ヒドラジンや、2価の錫化合物や、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸などのオキシカルボン酸や、それらの塩などが挙げられる。また、還元剤は、還元糖、糖アルコール類、アルコール類であってもよい。還元糖は、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フルクトース、マルトースなどを挙げることができる。また、糖アルコール類は、例えば、ソルビトールなどを挙げることができる。また、アルコール類は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどを挙げることができる。特に、pH6以下の酸性化において一価の銅化合物の溶出が増える(殺菌性が向上する)ことから、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸などのオキシカルボン酸や、それらの塩などが好適に用いられる。
また、本実施形態の殺菌剤を繊維構造体や樹脂基材などの基材において保持されるようにすることもできる。殺菌剤が基材に保持されるようにする方法としては、特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
例えば、本実施形態の殺菌剤を一般的なバインダーと混合してスラリーを作成し、殺菌効果を付与したい基材表面に、当該スラリーを塗布する方法が挙げられる。スラリーを塗布する方法としては、浸漬法、スプレー法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの方法で塗布する方法が挙げられる。
上記バインダーとしては、基材との密着性が良いものであれば特に限定されず、例えば合成樹脂や天然樹脂を挙げることができる。例えば合成樹脂では、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、繊維素系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂などを用いることができる。また、天然樹脂としては、ひまし油、亜麻仁油、桐油などの乾性油などを用いることができる。
また、本実施形態の殺菌剤を、グラフト重合によって基材に固定するようにしてもよい。例えば、まず、本実施形態の殺菌剤に含まれる複合粒子表面に、シランモノマーを化学結合させたものを溶剤と混合してスラリーを作成し、殺菌効果を付与したい基材表面に塗布する。続いて、加熱乾燥によるグラフト重合や、赤外線、紫外線、電子線、γ線などの放射線照射によるグラフト重合により、基材表面と複合粒子に結合したシランモノマーを化学結合させることにより、複合粒子を基材に固定する。
上記シランモノマーの一例としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、特殊アミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、加水分解性基含有シロキサン、フロロアルキル基含有オリゴマー、メチルハイドロジェンシロキサン、シリコーン第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
本実施形態に係る殺菌剤を繊維構造体等の基材に固定する他の方法としては、例えば繊維を交絡させて製造される不織布や、パルプと結着剤を混抄して製造される混抄紙などを基材として製造する際に本実施形態の殺菌剤を混合することが挙げられる。これにより、本実施形態の殺菌剤を基材内部の空間内において狭持させることができる。
また熱可塑性樹脂や、反応性ホットメルト接着剤や、紫外線や電子線などの粒子線で反応硬化する樹脂により構成される基材に本実施形態の殺菌剤を固定させるようにしてもよい。
例えば、熱可塑性樹脂、反応性ホットメルト接着剤、または、紫外線や電子線などの粒子線で反応硬化する樹脂をノズルより繊維状に吐出し、吐出して形成した繊維の表面が粘着性を有している間に、本実施形態の殺菌剤を接触させる。その後、ホットメルト接着剤を用いる場合は、例えば、室温に戻して固着させる。また、反応性ホットメルト接着剤を用いる場合は、例えば、空気中の水分で反応硬化させる。また、紫外線や電子線で架橋する樹脂を用いる場合は、紫外線や電子線を照射して反応硬化させることにより固定してもよい。
本実施形態に係る基材を構成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂などを主成分とする熱可塑性樹脂が挙げられる。また、本実施形態に係る基材を構成する反応性ホットメルト接着剤としては、ウレタンプレポリマーを主体とする反応性ホットメルト接着剤が挙げられる。本実施形態に係る基材を構成する紫外線や電子線などの粒子線で反応硬化する樹脂としては、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート樹脂などを主成分とする、紫外線や電子線の照射処理によって架橋される樹脂などが挙げられる。
以上のようにして得られた本実施形態に係る殺菌剤が固定された殺菌性部材は、マスク、医療用キャップ、医療用シューズカバー、エアコン用フィルター、空気清浄機用フィルター、掃除機用フィルター、換気扇用フィルター、車両用フィルター、空調用フィルター、衣類、寝具、網戸用ネット、鶏舎用ネット、蚊屋などのネット類、壁紙や窓、ブラインド、病院内などのビル用内装材、電車や自動車などの内装材、車両用シート、ブラインド、椅子、ソファー、細菌を扱う設備、ドア、天井板、床板、窓などの建装材など、様々な分野に利用できる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(殺菌剤の作成)
(実施例1)
ヨウ化銅(I)粉末をジェットミルで粉砕し、殺菌性を有する子粒子として、平均粒子径0.16μmのヨウ化銅(I)粒子を得た。また、母粒子として、平均粒子径10μmのナイロン6粒子(東レ株式会社製TR−1)を用いた。ヨウ化銅(I)粒子600gとナイロン6粒子2000gとを十分に混合した。続いて、ノビルタNOB(ホソカワミクロン株式会社製 登録商標)を用いてナイロン6粒子の表面にヨウ化銅(I)粒子をその一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。得られた殺菌剤に含まれる複合粒子の走査型電子顕微鏡画像を図1に示す。また得られた殺菌剤に含まれる複合粒子の断面図を図2に示す。
(実施例2)
ヨウ化銅(I)粉末と、市販のゼオライト(ユニオン昭和株式会社製ABSCENTS−2000)を一緒にジェットミルで粉砕し、平均粒子径1μmの、ヨウ化銅(I)粒子(殺菌性を有する子粒子に相当する)とゼオライト粒子(多孔質無機粒子に相当する)からなる粒子混合物を得た。また、母粒子として、平均粒子径10μmのナイロン6粒子(東レ株式会社製TR−1)を用いた。ヨウ化銅(I)粒子とゼオライト粒子からなる粒子混合物600gとナイロン6粒子2000gとを十分に混合した。続いて、自動乳鉢(日陶化学株式会社製)を用いてナイロン6粒子にヨウ化銅(I)粒子とゼオライト粒子をそれらの一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。
(実施例3)
ヨウ化銅(I)粉末をジェットミルで粉砕し、殺菌性を有する子粒子として、平均粒子径0.16μmのヨウ化銅(I)粒子を得た。また、母粒子として、平均粒子径10μmのナイロン6粒子(東レ株式会社製TR−1)を用いた。ヨウ化銅(I)粒子50gとナイロン6粒子250gとを十分に混合した。続いて、遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製)を用いてナイロン6粒子にヨウ化銅(I)粒子をその一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。得られた殺菌剤に含まれる複合粒子の走査型電子顕微鏡画像を図3に示す。
(実施例4)
ヨウ化銀(I)粉末をジェットミルで粉砕し、殺菌性を有する子粒子として、平均粒子径1.6μmのヨウ化銀(I)粒子を得た。また、母粒子として、平均粒子径20μmのナイロン12粒子(東レ株式会社製SP−20)を用いた。ヨウ化銀(I)粒子50gとナイロン12粒子250gとを十分に混合した。続いて、メカノフュージョン(ホソカワミクロン株式会社製 登録商標)を用いてナイロン12粒子にヨウ化銀(I)粒子をその一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。
(実施例5)
ヨウ化銅(I)粉末をジェットミルで粉砕し、殺菌性を有する子粒子として、平均粒子径0.16μmのヨウ化銅(I)粒子を得た。また、母粒子として、平均粒子径5μmのナイロン12粒子(ガンツ化成株式会社製ガンツパール(登録商標))を用いた。ヨウ化銅(I)粒子600gとナイロン12粒子2000gとを十分に混合した。続いて、ノビルタNOB(ホソカワミクロン株式会社製 登録商標)を用いてナイロン12粒子にヨウ化銅(I)粒子をその一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。
(実施例6)
ヨウ化銅(I)粉末をジェットミルで粉砕し、殺菌性を有する子粒子として、平均粒子径0.16μmのヨウ化銅(I)粒子を得た。また、母粒子として、平均粒子径11μmの高密度ポリエチレン粒子(住友精化株式会社製HE−4040)を用いた。ヨウ化銅(I)粒子500gと高密度ポリエチレン粒子2000gとを十分に混合した。続いて、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製 登録商標)を用いて高密度ポリエチレン粒子にヨウ化銅(I)粒子をその一部分が露出した状態で埋没させることにより、複合粒子を含む殺菌剤を得た。得られた殺菌剤に含まれる複合粒子の走査型電子顕微鏡画像を図4に示す。
(比較例1)
実施例1で母粒子として用いた平均粒子径10μmのナイロン6微粒子(東レ株式会社製TR−1)のみを比較例1とした。
(比較例2)
実施例4で母粒子として用いた平均粒子径20μmのナイロン12微粒子(東レ株式会社製SP−20)のみを比較例2とした。
(比較例3)
実施例5で母粒子として用いた平均粒子径5μmのナイロン12微粒子(ガンツ化成株式会社製 ガンツパール(登録商標)のみを比較例3とした。
(大腸菌、黄色ぶどう球菌に対する殺菌性評価)
次に、上記の実施例1〜5および比較例1〜3を大腸菌(Escherichia coli)、または黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)と接触させて、殺菌効果を定法により判定した。
具体的には、まず、実施例および比較例の各試料を、各々PBSを用いて懸濁液濃度が1質量%(10mg/mL)となるように希釈した試料を準備した。試料各400μLに、前記の大腸菌あるいは黄色ぶどう球菌の液400μLをそれぞれ加え、マイクロチューブローテーターを用いて攪拌しながら、室温で30分間反応させた。コントロールは、PBS400μLに前記の大腸菌あるいは黄色ぶどう球菌の液400μLを加え、各試料と同様に、ローテーターを用いて30分間攪拌したものとした。所定時間攪拌後、大腸菌あるいは黄色ぶどう球菌と各試料中の化合物との反応を停止させるためにSCDLPを3200μL加えた。その後、上清を回収した。
回収した上清液をSCDLPを用いて10-2〜10-5に希釈した後(10段階希釈)、1mLシャーレに塗布し、続いて溶解したNB培地と混和して37℃培養を行った。形成されたコロニー数(CFU/1mL,Log10);(CFU:colony-forming unit)を算出することで、それぞれの菌に対する殺菌性を評価した。結果を表1に示す。
上記の結果より、全ての実施例において、大腸菌では99.999%以上(検出限界値)、黄色ぶどう球菌では99.998%以上(検出限界値)という非常に高い殺菌効果があることが認められた。これに対し、比較例のサンプルはコントロールとほとんど変わらないか、菌が増殖しているという結果になった。
(剤形がエアゾール剤である殺菌剤の作成)
(実施例7)
実施例1の殺菌剤と噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例8)
実施例1の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのアスコルビン酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)を噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。この時の懸濁液はpH2.0であった。
(実施例9)
実施例5の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのアスコルビン酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)に、アスコルビン酸ナトリウムを加え、pH4.0に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例10)
実施例1の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのクエン酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)に、クエン酸三ナトリウムを加え、pH3.0に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例11)
実施例1の殺菌剤(粉体)と還元剤としての酒石酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)に、酒石酸ナトリウム二水和物を加え、pH5.6に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例12)
実施例1の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのコハク酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)に、コハク酸二ナトリウムを加え、pH5.0に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例13)
実施例5の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのアスコルビン酸と分散媒である水との懸濁液(懸濁液濃度1mg/mL)に、アスコルビン酸ナトリウムを加え、pH4.0に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(実施例14)
実施例6の殺菌剤(粉体)と還元剤としてのクエン酸と分散媒であるエタノールとの懸濁液に、クエン酸三ナトリウムを加え、pH2.0に調整した。次に、噴射剤である液化石油ガスを混合した後、エアゾール容器に充填してエアゾール剤とした。
(比較例4)
実施例1の殺菌剤を用いない以外は、実施例8と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例4のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH2.0であった。
(比較例5)
実施例1の殺菌剤を用いない以外は、実施例9と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例5のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH4.0であった。
(比較例6)
実施例1の殺菌剤を用いない以外は、実施例10と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例6のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH3.0であった。
(比較例7)
実施例1の殺菌剤を用いない以外は、実施例11と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例7のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH5.6であった。
(比較例8)
実施例1の殺菌剤を用いない以外は、実施例12と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例8のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH5.0であった。
(比較例9)
実施例6の殺菌剤を用いない以外は、実施例14と同様の方法により成分をエアゾール容器に充填し、比較例5のエアゾール製品とした。この時の懸濁液はpH2.0であった。
(殺菌性評価)
80g/m2の綿不織布(4cm×4cm)をプラスチックシャーレに入れ、0.1mLの大腸菌、黄色ぶどう球菌の各々の細菌懸濁液を0.1mL滴下した。次に、各々の細菌懸濁液を滴下した当該不織布それぞれの表面全体に、実施例7〜10および比較例5、6のエアゾール製品を1秒間噴霧した。5分後(実施例7のみ30分後)、反応をとめるためにSCDLPを1.8mL滴下後、ピペッティングにより細菌を洗い出した。この細菌溶出液を試料原液として、各反応サンプルが10-2〜10-5になるまでSCDLPを用いて希釈を行った後(10倍段階希釈)、1mLシャーレに塗布し、続いて溶解したNB培地と混和して37℃培養を行った。形成されたコロニー数(CFU/1ml, Log10);(CFU:colony-forming unit)を算出することで、殺菌性を評価した。結果を表2に示す。
(コントロール2)
80g/m2の綿不織布(4cm×4cm)に大腸菌、黄色ぶどう球菌、各々の細菌懸濁液を塗布した後、殺菌剤を塗布せずに細菌性評価を行ったものをコントロール2とした。
上記の結果より、5分の接触時間で、実施例8〜10、12〜14の全てにおいて、大腸菌では99.9997%以上(検出限界値)、黄色ぶどう球菌では99.9978%以上(検出限界値以下)という非常に高い殺菌性が確認できた。実施例11においても大腸菌で99.9993%程度、黄色ぶどう球菌で99.9965%程度と他の実施例と同程度の結果が得られた。これに対し、酸性水溶液である比較例4〜9では一番効果の高いものでも98.0%程度であることから、本発明の殺菌剤は、酸性領域において非常に即効性のある殺菌剤であることが確認できた。
また粉体のみのスプレー剤である実施例7でも、接触時間30分で大腸菌、黄色ぶどう球菌ともに99.99%以上という高い殺菌性が確認できた。このことから本実施形態の殺菌剤は、粉体のみでも高い殺菌効果を示すので、乾式でも使用できることが確認できた。
(殺菌シートの作成)
(実施例11)
まず、反応性ホットメルト接着剤としての積水フーラー株式会社製のTL−0511を、ノードソン株式会社製ALTA400シグレチャースプレーガンを用いて糸状に吐出させ、粘着性を有する繊維構造体を作製した。次に、実施例1の殺菌剤を接触させて、粘着性を有する反応性ホットメルト接着剤からなる繊維構造体の繊維表面に付着させた。続いて、湿度60%、50℃の環境で4時間反応させて繊維構造体を構成する反応性ホットメルト接着剤を硬化させ、実施例11の殺菌シートを得た。この殺菌シートのヨウ化銅(I)の付着量を原子吸光分析法で測定したところ、0.9質量%であった。
(実施例12)
まず、抄紙用繊維原料として、通常のビータなどで処理された木材パルプ(KPパルプ)と、抄紙用の有機合成繊維パルプ(ビニロンパルプ)と、日本板硝子(株)製の径が10μm前後のガラス短繊維を使用した。抄紙性を確保するために、昭和電工(株)製アクリル系高分子凝集剤を微量用いて、実施例4の殺菌剤と、原料と水を混合したスラリーを大量の水で希釈し、定法により丸網抄紙機により漉き上げ、混抄紙としての実施例12の殺菌シートを得た。この殺菌シートのヨウ化銀(I)の付着量を原子吸光分析法で測定したところ、8.5質量%であった。
(比較例6)
平均粒子径0.16μmのヨウ化銅(I)粒子のみを用いて比較例6の殺菌シートを作成した。なお、比較例6の殺菌シートは、使用したのが複合粒子でなくヨウ化銅(I)粒子であること以外は実施例11と同様の方法で作成した。また、この殺菌シートのヨウ化銅(I)の付着量を原子吸光分析法で測定したところ、1.8質量%であった。
(比較例7)
平均粒子径10μmのナイロン6粒子(東レ株式会社製TR−1)のみを用いて比較例7のシートを作成した。なお、比較例7のシートは、使用したのが複合粒子でなくナイロン6粒子であること以外は実施例11と同様の方法で作成した。
(SEM観察による粒子の凝集の有無について)
実施例11、12の殺菌シートと、比較例6、7の殺菌シートを、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−4700)を用いて観察した。実施例11の殺菌シートのSEM画像を図5に、比較例6の殺菌シートのSEM画像を図6に示す。
これらの結果より、実施例11の殺菌シートは母粒子であるナイロン6粒子の表面に子粒子であるヨウ化銅(I)粒子が凝集することなく固定されていた。また、実施例12の殺菌シートも、同様に、母粒子の表面に子粒子であるヨウ化銀(I)が凝集することなく固定されていた。一方、複合粒子でなくヨウ化銅(I)粒子のみを用いて製造した比較例6の殺菌シートは、ヨウ化銅(I)粒子が相当量、凝集して繊維表面に固定されている事が確認できた。
(剥離試験後の殺菌性評価)
次に、殺菌剤の基材への密着性を確認するために、JIS K 5400の碁盤目セロテープ(登録商標)による剥離試験を行った。剥離試験後の実施例11、比較例6について殺菌性能評価を行った。
殺菌シートの殺菌性の測定は、次の手順で行った。剥離試験後の実施例11、12、比較例7の各サンプル(4cm×4cm)をプラスチックシャーレにいれ、大腸菌懸濁液0.2mLを滴下し、室温で60分間作用させた。このとき試験品の上面をPPフィルム(4cm×4cm)で覆うことで、大腸菌懸濁液と試験品の接触面積を一定にして試験を行った。60分間作用させたのち、SCDLPを各シャーレにそれぞれ1800μL添加し、ピペッティングにより大腸菌を洗い出した。各反応サンプルが10-2〜10-5になるまでSCDLPを用いて希釈を行った後(10倍段階希釈)、1mLシャーレに塗布し、溶解したNB培地と混和して37℃培養を行った。形成されたコロニー数(CFU/1ml, Log10);(CFU:colony-forming unit)を算出し、殺菌性を評価した。コントロール3には実施例において母粒子として用いたナイロン6粒子のみを固定したホットメルト不織布を用いた。その結果を表3に示す。
以上の結果より、複合粒子を含む殺菌剤を固定した実施例11については、60分間で99.9996%(検出限界値)以上という非常に高い殺菌効果が認められた。それに対し、比較例6は60分間でも不活化率が99.96%程度と低い値に留まっており、このことから子粒子が凝集したことで基材との密着性が低下し、剥離試験で子粒子が剥離してしまったと推測される。
(アンモニアに対する消臭性評価)
実施例1、2、比較例1の殺菌剤各1gをそれぞれ5Lのテドラーパックに入れた後、100ppmの濃度のアンモニアガス/窒素バランスを同テドラーパック内に注入した。その後、30分おきに2時間後まで、テドラーパック内のアンモニアガス濃度をアンモニアガス検知管(株式会社ガステック製,3La)を用いて測定した。尚、コントロールはサンプルがない場合(実施例および比較例のいずれの試料も加えられていない場合)とした。結果を表4に示す。
上記の結果より、実施例1、2共にテドラーバッグ内のアンモニア濃度の減少が確認できた。特に、子粒子と無機多孔質粒子を埋没させた実施例2で顕著な効果が見られた。以上の結果から、本実施形態の殺菌剤は、細菌を殺菌し、消臭効果もあるマルチな材料として使用する事ができることが確認できた。
(安息角測定による流動特性の評価)
次に、実施例1と実施例3の殺菌剤について流動特性を把握するために、それぞれの安息角を測定した。その結果を表5に示す。また、実際に各サンプルをガラス瓶に入れて30回振った。振とう直後の状態(画像)を図7に示す。振とう後の、ガラス瓶内部側面への殺菌剤の付着の程度を、目視により確認した。
さらに実施例1のSEM画像(図1)と実施例3のSEM画像(図3)より、複合粒子の形態を確認した。図1と図3に示す画像から、実施例1の方が表面が平滑であることが確認できた。また、実施例1の断面のSEM画像(図2)より、子粒子が母粒子へしっかり埋め込まれていることも確認できた。
これらの結果から、表面に凹凸のある実施例3よりも、表面がより平滑である実施例1の方が安息角が低く、さらにガラス瓶への付着も少ないので、複合粒子の表面が平滑であるほど流動性が高い(凝集が起りにくい)ことが確認できた。
以上より、本実施形態の殺菌剤は、含有される複合粒子の表面がより平滑であることにより、子粒子が凝集することをより防ぐことができ、分散性により優れた殺菌剤を提供することができる。従って、表面がより平滑な複合粒子を含む殺菌剤であれば、例えば、スプレーなどで噴霧しても殺菌剤の子粒子がよりばらばらに分散した状態での噴霧が可能である。よって、より広範囲の細菌を殺菌でき、スプレー剤などの剤形にも最適である。

Claims (7)

  1. 樹脂である母粒子と、
    前記母粒子よりも小さい粒径を有し、その一部分が露出した状態で前記母粒子の表面に付着および/または埋没している、一価の銅化合物粒子、ヨウ化物粒子、またはそれらの混合物である子粒子と、を含むことを特徴とする殺菌剤。
  2. 前記母粒子の粒径よりも小さい粒径を有し、その一部分が露出した状態で前記母粒子の表面に付着および/または埋没している無機多孔質粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の殺菌剤。
  3. 前記一価の銅化合物粒子が、塩化物、酢酸化合物、硫化物、ヨウ化物、臭化物、過酸化物、酸化物、およびチオシアン化物からなる群から少なくとも1種類選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌剤。
  4. 前記一価の銅化合物粒子が、CuCl、CuBr、Cu(CH3COO)、CuSCN 、Cu2S 、Cu2O、およびCuIからなる群から少なくとも1種選択されることを特徴とする請求項3に記載の殺菌剤。
  5. 前記ヨウ化物粒子が、CuI、AgI、SbI3、IrI4、GeI4、GeI2、SnI2、SnI4、TlI、PtI2、PtI4、PdI2、BiI3、AuI、AuI3、FeI2、CoI2、NiI2、ZnI2、HgIおよびInI3からなる群から少なくとも1種類選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の殺菌剤。
  6. 剤形がエアゾール剤であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の殺菌剤。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の殺菌剤を保持していることを特徴とする繊維構造体。
JP2012081884A 2012-03-30 2012-03-30 殺菌剤 Pending JP2013209338A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081884A JP2013209338A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 殺菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081884A JP2013209338A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 殺菌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013209338A true JP2013209338A (ja) 2013-10-10

Family

ID=49527562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012081884A Pending JP2013209338A (ja) 2012-03-30 2012-03-30 殺菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013209338A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101625909B1 (ko) * 2014-07-29 2016-05-31 (주)비에스써포트 구리계 화합물에 의해 항균 처리된 미생물 접촉재
WO2019008950A1 (ja) * 2017-07-03 2019-01-10 国立研究開発法人物質・材料研究機構 銅または銅合金の表面処理方法、銅または銅合金の殺菌用表面処理液、および該方法によって処理された銅または銅合金を用いる殺菌方法
JP2019077681A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス・殺菌消毒剤
CN110892109A (zh) * 2017-07-14 2020-03-17 信越化学工业株式会社 含功能剂纤维及其制造方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283029A (ja) * 1985-10-07 1987-04-16 Nara Kikai Seisakusho:Kk 固体粒子の表面改質方法
JPS62298443A (ja) * 1986-06-17 1987-12-25 Nara Kikai Seisakusho:Kk 固体粒子の表面改質方法
JPH04308509A (ja) * 1991-04-05 1992-10-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 抗菌材料
JPH05301967A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Toda Kogyo Corp 無機物粒子と有機物とからなる複合球状物粉体の製造法
JPH11286408A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Daido Steel Co Ltd 抗菌スプレー
US20080102122A1 (en) * 2006-10-31 2008-05-01 Shivkumar Mahadevan Antimicrobial polymeric articles, processes to prepare them and methods of their use
JP2009001759A (ja) * 2007-05-21 2009-01-08 Kri Inc 偏平粒子及びその製造方法
WO2010026730A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 Nbc株式会社 抗ウイルス剤
JP2011057600A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Nbc Meshtec Inc 水生生物付着防止用部材及びその製造方法
JP2011178720A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Nbc Meshtec Inc 無機系抗ウイルス剤及びこの無機系抗ウイルス剤を含有した抗ウイルス部材
JP2011190192A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Univ Of Tokyo 微生物不活化剤
US20120064138A1 (en) * 2009-04-28 2012-03-15 Harman Technology Limited Biocidal composition
JP2013014564A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283029A (ja) * 1985-10-07 1987-04-16 Nara Kikai Seisakusho:Kk 固体粒子の表面改質方法
JPS62298443A (ja) * 1986-06-17 1987-12-25 Nara Kikai Seisakusho:Kk 固体粒子の表面改質方法
JPH04308509A (ja) * 1991-04-05 1992-10-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 抗菌材料
JPH05301967A (ja) * 1992-04-27 1993-11-16 Toda Kogyo Corp 無機物粒子と有機物とからなる複合球状物粉体の製造法
JPH11286408A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Daido Steel Co Ltd 抗菌スプレー
US20080102122A1 (en) * 2006-10-31 2008-05-01 Shivkumar Mahadevan Antimicrobial polymeric articles, processes to prepare them and methods of their use
JP2009001759A (ja) * 2007-05-21 2009-01-08 Kri Inc 偏平粒子及びその製造方法
WO2010026730A1 (ja) * 2008-09-03 2010-03-11 Nbc株式会社 抗ウイルス剤
US20120064138A1 (en) * 2009-04-28 2012-03-15 Harman Technology Limited Biocidal composition
JP2011057600A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Nbc Meshtec Inc 水生生物付着防止用部材及びその製造方法
JP2011178720A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Nbc Meshtec Inc 無機系抗ウイルス剤及びこの無機系抗ウイルス剤を含有した抗ウイルス部材
JP2011190192A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Univ Of Tokyo 微生物不活化剤
JP2013014564A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Nbc Meshtec Inc 抗ウイルス剤

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101625909B1 (ko) * 2014-07-29 2016-05-31 (주)비에스써포트 구리계 화합물에 의해 항균 처리된 미생물 접촉재
WO2019008950A1 (ja) * 2017-07-03 2019-01-10 国立研究開発法人物質・材料研究機構 銅または銅合金の表面処理方法、銅または銅合金の殺菌用表面処理液、および該方法によって処理された銅または銅合金を用いる殺菌方法
JPWO2019008950A1 (ja) * 2017-07-03 2020-04-09 国立研究開発法人物質・材料研究機構 銅または銅合金の表面処理方法、銅または銅合金の殺菌用表面処理液、および該方法によって処理された銅または銅合金を用いる殺菌方法
EP3649861A4 (en) * 2017-07-03 2021-04-07 National Institute for Materials Science METHOD FOR TREATMENT OF THE SURFACE OF COPPER OR A COPPER ALLOY, SURFACE TREATMENT LIQUID FOR STERILIZATION OF COPPER OR OF A COPPER ALLOY, AND STERILIZATION METHODS WITH COPPER OR A COPPER ALLOY THAT COMES WITH
US11535939B2 (en) 2017-07-03 2022-12-27 National Institute For Materials Science Surface treatment method for copper or copper alloy, surface treatment liquid for sterilizing copper or copper alloy, and sterilization method using copper or copper alloy treated by said method
US12071693B2 (en) 2017-07-03 2024-08-27 National Institute For Materials Science Surface treatment method for copper or copper alloy, surface treatment liquid for sterilizing copper or copper alloy, and sterilization method using copper or copper alloy treated by said method
CN110892109A (zh) * 2017-07-14 2020-03-17 信越化学工业株式会社 含功能剂纤维及其制造方法
JP2019077681A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス・殺菌消毒剤
JP7217609B2 (ja) 2017-10-25 2023-02-03 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス・殺菌消毒剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Puspasari et al. ZnO-based antimicrobial coatings for biomedical applications
Massa et al. Synthesis of new antibacterial composite coating for titanium based on highly ordered nanoporous silica and silver nanoparticles
US9108854B2 (en) Biocidal colloidal dispersions of silica particles with silver ions adsorbed thereon
US20080050440A1 (en) Plant epidemic prevention agent, plant epidemic prevention method, plant epidemic prevention system, plant, and plant cultivation method
JP5599470B2 (ja) 抗真菌材料
KR20170039725A (ko) 방부 제품, 이의 제조 방법 및 이의 용도
US9005540B2 (en) Conjugated polyelectrolyte capsules: light activated antimicrobials
Camporotondi et al. Antimicrobial properties of silica modified nanoparticles
CN109689932A (zh) 用于抗微生物应用的氧化还原活性金属/金属氧化物复合物
JP2013209338A (ja) 殺菌剤
CN101664044A (zh) 磁性纳米银抗菌材料及其制备方法
CN104419279A (zh) 一种抗菌亲水涂料
DE102020125922B4 (de) Mobile Vorrichtung zur Reinigung und Desinfizierung von Raumluft
CN107641416A (zh) 一种抗菌粉末涂料
Taheri et al. Silver nanoparticles: synthesis, antimicrobial coatings, and applications for medical devices
JP5603298B2 (ja) 抗ウイルス剤
DE102020125921B4 (de) Durch eine Temperaturdifferenz betreibbare, mobile Vorrichtung zur Reinigung und Desinfizierung von Raumluft
CN101045168A (zh) 抗击禽流感长效空间消毒剂
WO2022098299A1 (en) Copper nanoparticle formulation to promote rapid pathogen inactivation
US20230172292A1 (en) Protective coverings and dry wipes comprising metal nanoparticle agglomerates for infection control applications and formation and use thereof
Perelshtein et al. Making the hospital a safer place by the sonochemical coating of textiles by antibacterial nanoparticles
Hu et al. Facile fabrication of superior antibacterial cotton fabric based on ZnO nanoparticles/quaternary ammonium salts hybrid composites and mechanism study
Murthy et al. Potential of Metal Oxide Nanoparticles and Nanocomposites as Antibiofilm Agents: Leverages and Limitations
US9808548B2 (en) Regeneration of antimicrobial coatings containing metal derivatives upon exposure to vapor-phase hydrogen peroxide
Gedanken et al. Innovative inorganic nanoparticles with antimicrobial properties attached to textiles by sonochemistry

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160920

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170314