JP2013207142A - プラズマ形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割して配された複数の電極を用いて減圧容器内にプラズマを形成するプラズマ形成装置において、プラズマ密度の不均一さを改善する。
【解決手段】プラズマ形成装置は、減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置であって、基板が配されて減圧される減圧空間を有する前記減圧容器と、前記減圧空間にプラズマを発生させるための、互いに間隔をあけて直列に接続された、一方向に延在する第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極の前記第2の電極側の一端と、前記第2の電極の前記第1の電極側の一端とに高周波電流を供給する高周波電源と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配され、プラズマを形成するためのプラズマ形成用ガスを前記減圧容器内に供給するガス吹出口を有するガス導入部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置に関する。
減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置として、従来より、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)方式のプラズマ形成装置が用いられている。このICP方式のプラズマ形成装置の例として、減圧容器の壁面に設けられた開口部を覆うように取り付けられる板状の高周波アンテナ導体を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
板状の高周波アンテナ導体を備えた上記プラズマ形成装置は、減圧容器の開口部に高周波アンテナ導体が取り付けられた構造によって、広い範囲に亘って均一性の高いプラズマを形成することができる。そして、形成されたプラズマを用いて、減圧容器内に配した基板に薄膜の形成やスパッタリング処理を行うことができる。この種のプラズマ形成装置では、電極としての高周波アンテナ導体は、その周りを囲むように配された絶縁部材によって、金属製の減圧容器に対して絶縁されている。絶縁部材には、例えばアルミナが用いられる。
ところで、近年、薄膜太陽電池パネルのように大型化された基板に対しては、均一なアモルファスSi薄膜や微結晶Si薄膜を形成することが望まれ、成膜時には減圧容器内に高密度なプラズマが均一に形成されている必要がある。このため、一方向に延在した長い形状の電極を用いることによって、より広範囲に高密度で均一なプラズマを形成することが有効と考えられる。
しかし、上述のアルミナからなる絶縁部材は、長辺が1.2m程度のサイズのものしか作製することができず、絶縁部材の大型化が難しい。このため、これより大きな長さを有する電極を用いようとすると、1本の電極の縁を複数の絶縁部材で囲む必要がある。したがって、この場合、減圧容器の気密性を保てず、減圧時に十分な真空度が得られない。そこで、2つの電極を長手方向に配し、電極それぞれの縁を絶縁部材で囲み、かつ、各電極に高周波電流を流すことで、広範囲にプラズマを形成することが考えられる。この場合に、整合回路から電極までの伝送経路を短くして高周波電流の伝送ロスを低減するために、2つの電極の向かい合う一端同士に給電する態様が考えられる。
国際公開第2009/142016号パンフレット
しかし、上述のように、2つの電極の向い合う一端同士に給電した場合、2つの電極の間の部分で電位が高くなることによるプラズマ密度の低下と、2つの電極の間に間隔が存在することによって生じるプラズマ密度の低下とが併せて生じることで、2つの電極間でのプラズマ密度が過度に低下し、大型化された基板に対し均一に成膜を行うのが困難となる。
本発明は、分割して配された複数の電極を用いて減圧容器内にプラズマを形成するプラズマ形成装置において、プラズマ密度の不均一さを改善することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記のプラズマ形成装置を用いることにより、プラズマ密度の不均一さを改善できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置であって、
基板が配されて減圧される減圧空間を有する前記減圧容器と、
前記減圧空間にプラズマを発生させるための、互いに間隔をあけて直列に接続された、一方向に延在する第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極の前記第2の電極側の一端と、前記第2の電極の前記第1の電極側の一端とに高周波電流を供給する高周波電源と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配され、プラズマを形成するためのプラズマ形成用ガスを前記減圧容器内に供給するガス吹出口を有するガス導入部と、を備えることを特徴とするプラズマ形成装置を提供する。
本発明によれば、電極間におけるプラズマ密度が従来に比べ高くなり、プラズマ密度の不均一さが改善される。
本発明の一実施形態であるプラズマ形成装置の構成を表す概略図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いられる電極板及びその周辺に注目して示す断面図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いられるインジェクタ及びその周辺に注目して下方から示す斜視図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いられるインジェクタを示す斜視図である。 図1に示すプラズマ形成装置に用いられる電極板及びインジェクタに注目して示す平面図である。 参考例及び本発明のプラズマ形成装置を用いて測定した電子密度の分布を示すグラフである。
以下、本発明のプラズマ形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるプラズマ形成装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すプラズマ形成装置10は、成膜容器内でプラズマを形成し、ガラス基板に薄膜を形成するCVD装置である。プラズマ形成装置10は、電極板を流れる電流によって生成される磁界によりプラズマを生成するICP方式を採用し、かつ内部電極方式の装置である。この方式は、モノポールアンテナ等のアンテナ素子の共振により発生する高電圧によりプラズマを生成する容量結合プラズマ(Capacitive Coupled Plasma:CCP)方式と異なる。プラズマ形成装置10は、CVD成膜装置の他にPEALD(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)装置にも適用できる。
(プラズマ形成装置)
以下、図1の他に図2も参照して、プラズマ形成装置10について説明する。以降の説明では、薄膜としてアモルファスSi膜あるいは微結晶Si薄膜を形成する例を用いる。図2は、電極板30,31及びその周囲に注目して説明する長手方向断面図である。
プラズマ形成装置10は、給電ユニット12と、成膜容器(減圧容器)14と、ガス供給部16と、ガス排気部18と、を有する。
給電ユニット12は、高周波電源22と、高周波ケーブル24と、マッチングボックス26と、伝送線28,29と、電極板30,31と、絶縁部材34と、インジェクタ(ガス導入部)60,70と、を有する。
高周波電源22は、例えば、100〜3000Wで数MHz〜数10MHzの高周波電力を電極板30,31に給電する。
マッチングボックス26は、高周波ケーブル24を通して提供される電力が電極板30、31の負荷回路に効率よく供給されるように、インピーダンスを整合する。マッチングボックス26から延びる伝送線28は、例えば、一定の幅を備える銅板状の伝送線路であり、途中で2つに分岐して、電極板30,31の互いに向い合う端面30a,31aにそれぞれ接続されている。伝送線28は、電極板30,31の間で、かつ、電極板30,31に隣接した位置で分岐しており、例えば数十アンペアの電流を流すことができる。
伝送線29は、電極板30の、端面30aと反対側の端面30b、及び、電極板31の、端面31aと反対側の端面31bからそれぞれ延び、接地されている。
(電極板)
電極板30,31は、後述する成膜空間40にプラズマを発生させるためのプラズマ源であり、いずれも、隔壁32上に固定された一方向に長い平板状の部材である。なお、電極板30,31は、図1において、長手方向断面が示されている。電極板30,31は、成膜容器14の上部に設けられた開口部41を覆うよう配されている。隔壁32は、成膜容器14の一部を構成する。
電極板30と電極板31は、長手方向に、例えば30cmの間隔をあけて直列に接続されている。この電極板30,31間の間隔は、電極板30,31によって生成する磁場の強さを確保して、プラズマ密度の均一性に与える影響を抑えるとともに、後述するホロー放電が発生しやすくなる点で、30cmを超えないのが好ましい。
電極板30,31には、例えば、銅、アルミニウム等が用いられる。電極板30,31は、それぞれ下面30c,31cを有し、下面30c,31cは、成膜空間40を向いている。下面30c,31cは、電極板30,31の各表面のうち、上面とともに最も広い面である。
電極板30,31の長手方向長さは、特に制限されないが、後述する絶縁部材34の最も長い辺の長さより小さければよく、例えば1.2m未満である。また、電極板30,31の長手方向長さは等しい。なお、電極板30,31の長手方向長さは、異なっていてもよい。
絶縁部材34は、電極板30,31それぞれの周囲を囲むよう形成された枠状の部材であり、電極板30,31を金属製の成膜容器14から絶縁する。絶縁部材34は、例えばアルミナからなる。絶縁部材34のサイズは、例えば、最長の辺(長手方向に延びる辺)の長さが1.2mを超えない。このため、単枚の絶縁部材34で電極板30,31の周囲を囲むことができ、成膜容器14の気密性を保ち、減圧時の十分な真空度を確保できる。
(インジェクタ)
次に、インジェクタ60について、図3及び図4を参照して、説明する。図3は、インジェクタに注目して示す斜視図である。図3において、隔壁32、絶縁部材34等の周辺の部材は、図示を省略する。図4は、インジェクタ60を示す斜視図であり、図1及び図2とは上下方向を逆にして示す。なお、インジェクタ60は、図2において、便宜のため、内側に形成される後述するガスノズル60c等は、図示を省略する。
インジェクタ60は、ガス供給部16から供給される原料ガスや、原料ガスとともに供給されるプラズマ形成用ガスを成膜空間40内に導入するための部分である。インジェクタ60は、隔壁32の、電極板30,31の間に取り付けられている。より具体的には、隔壁32の、電極板30,31をそれぞれ囲む絶縁部材34の長手方向間に、隔壁32を貫通する差込口32a(図2参照)が形成され、インジェクタ60は、この差込口32aに差し込まれる。
インジェクタ60は、原料ガス等が流れる上流側から順に、導入口60aと、貯まり部60bと、複数のガスノズル60cと、が一体に形成された内部空間を有する。
導入口60aは、ガス供給部16からのガスが導入される。インジェクタ60は、成膜容器14の側壁に設けられたガス流路に接続され、このガス流路を通るガスが導入口60aに導入される。
貯まり部60bは、原料ガス等がインジェクタ60から均一な流速で成膜空間40内に吐出するために、導入口60aを通過した原料ガス等を一旦集める。
複数のガスノズル60cは、例えば8本で構成され、互いに隣接して設けられ、電極板30,31の長手方向(図3及び図4のX方向)及び幅方向(図3及び図4のY方向)に沿って並んで配されている。なお、ガスノズル60cの数は、特に制限されず、少なくとも1つあればよい。
成膜プロセスの間、ガスノズル60cは、アルゴンガス等の希ガスあるいは希ガスに加えて原料ガスが流れることにより、一定のガス圧が生じ、減圧された成膜空間40内の圧力に比して、圧力が高くなる。そして、ガスノズル60cは、高い電圧となる電極板30,31の給電点に近接して設けられていることから、強い電磁波が発生し、ガスノズル60cの成膜容器14側の穴部(ガスノズル60c内の成膜容器14に開口する開口端近傍の空間)は、ホロー放電が起きやすい状態になっている。なお、このホロー放電は、電磁波の影響によりガスノズル60c内に局所的に発生する電界が引き起こす放電であり、成膜時に電極板30,31に高周波電流が流れることで成膜容器14内に生成する誘導結合プラズマとは異なる。このようなホロー放電が起きると、成膜容器14内の電子密度が大きく影響を受けて、電極板30,31間の鉛直下方におけるプラズマ密度が増加する。このため、従来問題となっていた電極板30,31間の鉛直下方の成膜空間40内でプラズマ密度が低下して生じるプラズマ密度の不均一さが改善される。
インジェクタ60は、隔壁32に対し着脱自在に取り付けられる。ガスノズル60cの孔径や深さ(図3及び図4において紙面上下方向の長さ)は、プロセス時の圧力に応じて定められる。孔径は、例えば2mmであり、深さは、例えば5mmである。このため、ガスの種類や流量に応じて、最適なガスノズルを有するインジェクタに適宜取り替えることができる。なお、インジェクタ60は、他の実施形態では、隔壁32と一体に形成されてもよい。
上述のインジェクタ60のほか、本実施形態では、図5に示すように、さらに、6個のインジェクタ70が電極板30,31の周囲に配される。図5は、電極板30,31及びインジェクタ60,70に注目して示す平面図である。なお、図5において、絶縁部材34、隔壁32等の周辺の部材は図示を省略する。また、インジェクタ70は、図2において、便宜のため、内側に形成されるガスノズル等は、図示を省略する。なお、インジェクタ70は、図1において、図示を省略する。
6個のインジェクタ70は、インジェクタ60と同様に、導入口70a、貯まり部(図示せず)、ガスノズル(図示せず)が一体に形成された内部空間を有する。6個のインジェクタ70は、電極板30,31を上方から平面視した時、矩形形状の電極板30の4辺と矩形形状の電極板31の4辺のうち、電極板30と電極板31が互いに近接して向かい合うときの電極板30の一辺と電極板31の一辺を除く計6つの辺に沿うようにそれぞれ配され、隔壁32に設けられた差込口に差し込まれ又は隔壁32と一体に形成されている。なお、インジェクタ60には、プラズマ形成用ガスであるアルゴンガスが導入され、あるいはアルゴンガスに加えてモノシランガス及び水素ガス等のプロセスガスが導入され、他の6個のインジェクタ70には、モノシランガス及び水素ガス等のプロセスガスが導入される。
(成膜容器)
成膜容器14は、成膜空間40を有している。なお、図1において、成膜容器14は、断面が示されている。成膜空間40は、ガラス基板20が配されて減圧される空間である。なお、成膜容器14の上方には、上部空間39が隣接して、成膜容器14と一体に形成されている。開口部41は、上部空間39側に開口する。開口部41には、隔壁32が配され、成膜空間40を上部空間39に対してシールしている。成膜容器14は、例えば、アルミニウム等の材質で形成され、成膜空間40を1〜100Paの減圧状態にできるように、密閉されている。
上部空間39には、上述のマッチングボックス26と、伝送線28,29と、電極板30,31と、が配されている。隔壁32の上部空間39に面する側には、電極板30,31が固定されている。隔壁32の成膜空間40に面する側には、誘電体36が、電極板30,31の下面30c,31cに設けられている。誘電体36には、例えば石英板が用いられる。誘電体36を設けるのは、プラズマと電極板30とのアーキングを防ぎ、かつ安定したプラズマの生成を実現するためである。なお、誘電体36は、電極板30,31の下面30c,31c両方に及ぶ大きさの1枚の部材であってもよい。
成膜容器14の成膜空間40には、ヒータ42と、サセプタ44と、昇降機構46と、が設けられている。
ヒータ42は、サセプタ44に載置するガラス基板20を所定の温度、例えば250℃程度に加熱する。
サセプタ44は、ガラス基板20を載置する。
昇降機構46は、ガラス基板20を載置したサセプタ44をヒータ42ともに、成膜空間40内を自在に昇降する。成膜プロセス段階では、電極板30に近接するように、ガラス基板20を所定の位置にセットする。
ガス供給部16は、ガスタンク48と、マスフローコントローラ(流量制御部)50と、を有する。
ガスタンク48は、薄膜用原料ガスであるモノシランガス(SiH4)を貯蔵する。ガス供給部16は、さらに、希釈ガスである水素ガス、プラズマ形成用ガスであるアルゴンガスをそれぞれ貯蔵する図示しない他のガスタンクを有する。プラズマ形成用ガスは、アルゴンガスに制限されず、他の希ガスを用いることができる。
(マスフローコントローラ)
マスフローコントローラ50は、モノシランガスと水素ガスが均一に成膜空間40内に供給されるよう、モノシランガス及び水素ガスの流量を調整する部分である。また、マスフローコントローラ50は、これらプロセスガス(モノシランガス、水素ガス)の流量に加え、アルゴンガスの流量も調整する。アルゴンガスの流量は、ガスノズル60cの成膜容器14側の穴部でホロー放電が発生するように調整される。
ガス(アルゴンガス)の流量は、ガスノズル60c内の圧力が成膜時にホロー放電を起こしやすくなるよう調整され、その際、例えば、形成される膜の膜厚や膜質、さらに、ガスノズル60cの孔径や深さが考慮される。流量の計算に際しては、例えば、パッシェンの法則に従って予め得たホロー放電の発生し易いガスノズル60c内の圧力とガスノズル60cを通過するアルゴンガスの流量の値とを関係付けたテーブルが参照される。
アルゴンガスは、成膜容器14の成膜空間40の側壁のガス流路からインジェクタ60を通って成膜空間40内に供給される。このとき、アルゴンガスに加えてモノシランガス及び水素ガスもインジェクタ60を通って成膜空間40内に供給されてもよい。また、インジェクタ60から、アルゴンガスのみが成膜空間40内に供給されてもよい。モノシランガス及び水素ガスは、上述した他の6個のインジェクタ70を通って成膜空間40内に供給される。モノシランガス及び水素ガスは、6個のインジェクタ70のほか、インジェクタ60も通って成膜空間40内に供給されてもよい。なお、図1において示す、マスフローコントローラ50からインジェクタ60へガスが供給される経路は、アルゴンガスについてのものであり、上述した他の6個のインジェクタに接続されるガスの経路は図示されていない。
ガス排気部18は、成膜空間40内の側壁から延びる排気管と、ターボ分子ポンプ52と、ドライポンプ54と、を有する。ドライポンプ54は、成膜空間40内を粗引きし、ターボ分子ポンプ52は、成膜空間40内の圧力を1×10-4Pa以下に高精度に減圧を維持する。ターボ分子ポンプ52とドライポンプ54とは、排気管で接続されている。
以上のプラズマ形成装置10を用いたアモルファスSi薄膜の成膜プロセスでは、アルゴンガスを用いてプラズマが形成され、モノシランガス及び水素ガスがラジカル化される。このため、プロセスに先立って、成膜空間40の減圧時の圧力、温度や、各ガスの流量、また、高周波電流の大きさ等の条件は、アルゴンガスのプラズマが形成されやすくなるよう、予め定められる。また、インジェクタ60は、アルゴンガスのプラズマを形成しやすいノズル径や深さに設計されたガスノズル60cを有するものが用意され、隔壁32に装着される。
成膜プロセスでは、まず、成膜の対象であるガラス基板20をサセプタ44に載置し、昇降機構46により、電極板30,31に近接するよう所定の高さ位置にセットされる。
次に、成膜空間40が、ホロー放電が生じやすくなるよう、例えば5Pa程度に減圧される。そして、ガラス基板20は、ヒータ42により加熱される。一方、ガス供給部16からモノシランガス、水素ガス及びアルゴンガスが、マスフローコントローラ50により流量を調整されながら、成膜容器14の成膜空間40内に供給される。このとき、減圧の状態(圧力)が維持されるように、排気が同時に行われる。
このとき、高周波電源22から電極板30,31に高周波電流が供給されることにより、成膜空間40内に誘導電界が発生し、この誘導電界によって成膜空間40内のプロセスガスが電離してプラズマが生成し、これにより、モノシランガス及び水素ガスがラジカル化する。そして、ラジカル化した原料ガスがガラス基板20表面に付着して、ガラス基板20表面にアモルファスSi薄膜が形成される。なお、成膜空間40は、プロセスの間、常時、ガス排気部18によって排気され、成膜空間40内で成膜に用いられなかったモノシランガス、水素ガス及びアルゴンガスは排気される。
以上のプロセスの間、成膜容器14内では、インジェクタ60のガスノズル60cの端面にてアルゴンガスに基づくホロー放電が発生する。ホロー放電が起きていることは、例えば、目視によって確認できる。このようなホロー放電は、成膜容器14内の真空度が高い状況で、電極板30,31の給電点に隣接する位置において、ガスノズル60c内を所定の流量でガスが流れることによりガス圧が高くなっていることから、起きると考えられる。ホロー放電によって、成膜容器14内の電子密度が大きく影響を受け、結果、プラズマ密度が増加する。こうして、電極板30,31間の鉛直下方におけるプラズマ密度が増え、電極板30,31の長手方向におけるプラズマ密度の不均一さが緩和される。そして、均一な成膜を行うことができる。
また、このプラズマ形成装置では、ガスノズル60cでホロー放電を発生するように、インジェクタ60から供給される原料ガス及びプラズマ形成用ガスの流量が制御され、インジェクタ60の成膜容器14側の端面において、常に放電しやすい状態を保つことができる。さらに、インジェクタ60には、複数のガスノズル60cが互いに隣接して設けられているので、インジェクタ60の成膜容器14側の端面においてホロー放電の起きる部位を多くし、効率的にプラズマ密度を増加させることができる。
また、このプラズマ形成装置では、アルゴンガスを用いてプラズマを生成するので、原料ガスを用いてプラズマを形成する場合に比べ、ガスノズル60cの穴部でホロー放電を起こし易くできる。さらに、このプラズマ装置は、プラズマを形成するためのガスの種類、圧力に応じて、インジェクタを交換でき、多様なガスを用いてのプラズマ形成に対応できる。
なお、本発明のプラズマ形成装置は、ICP方式であれば、特に制限されず、成膜空間40を画する隔壁の外側にプラズマ源を配置した外部電極方式のものであってもよい。また、直列に接続される電極板の数は、2本に制限されず、3本以上であってもよい。3本以上の場合、インジェクタは各電極板間に配するのが好ましい。
さらに、直列に接続された複数の電極板を1つの電極板ユニットとして、複数の電極板ユニットを電極板の幅方向(長手方向と直交する方向)に並べて配してもよい。この場合、長手方向のみでなく、電極板ユニットの幅方向にも広がって、成膜容器14内でプラズマが形成されるため、さらに大面積化した基板20に対する成膜も行うことができる。
(実験例)
本発明の効果を確認するために、参考例のプラズマ形成装置及び本発明のプラズマ形成装置を用いて、2つの電極板間でのプラズマ密度を測定し、比較した。
参考例のプラズマ形成装置としては、上述のプラズマ形成装置10において、インジェクタ60,70からガスの供給を行わず、成膜容器14の側壁からガスが供給されるよう構成したものを用いた。本発明のプラズマ形成装置としては、上述のプラズマ形成装置10を用いた。
なお、各装置で用いた電極板ユニット(長手方向に直列に接続された2つの電極板)は、1つである。電極板30,31のサイズは、等しく、いずれも幅10cm、縦(長手方向)115cm、厚さ24mmであった。また、電極板30,31間の間隔は30cmであった。さらに、本発明の装置では、インジェクタ60として、ノズル径2mm、ノズル深さ5mmのガスノズル4個が形成されたものを用いた。
以上の要領で用意した各プラズマ形成装置において、電極板に、2kWで13.56MHzの高周波電流を流して、成膜空間内でプラズマを発生させ、2つの電極板間近辺における電子密度の分布を測定した。測定は、電極板間の中央において行うとともに、参考例については、さらに、電極板間の中央から長手方向に離れた複数の位置で行った。電子密度は、ラングミュアプローブを用いて測定した。試料ガスとしては、アルゴンガスを用い、インジェクタ60からアルゴンガスのみを流した。インジェクタ70からプロセスガスを流した。結果を、図6に示す。なお、グラフの縦軸は生成されたプラズマ中の電子密度(個/cm)を示す。横軸は、2つの電極板の中央を0とした場合の、電極中央からの長手方向の位置(cm)を示す。
図6から明らかなように、本発明のプラズマ形成装置では、参考例としてのプラズマ形成装置に比べ、2つの電極板間における電子密度が高い。例えば、本発明のプラズマ形成装置によれば、電子密度が1×1011個/cmであったのに対し(図6の符号Aで示す点)、参考例のプラズマ形成装置によれば、電子密度が3×1010cmであった(図6の符号Bで示す点)。これより、本発明のプラズマ形成装置では、電極板間におけるプラズマ密度が増加し、中央に隣接する長手方向位置のプラズマ密度との差異が小さくなっている。すなわち、プラズマ密度の不均一さが改善されていることが分かる。
以上、本発明のプラズマ形成装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 プラズマ形成装置
14 成膜容器(減圧容器)
20 ガラス基板
22 高周波電源
30 電極板(第1の電極板)
31 電極板(第2の電極板)
40 成膜空間
50 マスフローコントローラ(流量制御部)
60,70 インジェクタ(ガス導入部)
60c ガスノズル

Claims (5)

  1. 減圧容器内でプラズマを形成するプラズマ形成装置であって、
    基板が配されて減圧される減圧空間を有する前記減圧容器と、
    前記減圧空間にプラズマを発生させるための、互いに間隔をあけて直列に接続された、一方向に延在する第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極の前記第2の電極側の一端と、前記第2の電極の前記第1の電極側の一端とに高周波電流を供給する高周波電源と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配され、プラズマを形成するためのプラズマ形成用ガスを前記減圧容器内に供給するガス吹出口を有するガス導入部と、を備えることを特徴とするプラズマ形成装置。
  2. 前記ガス導入部から供給される前記プラズマ形成用ガスの流量を、前記ガス吹出口でホロー放電を発生するように、制御する流量制御部と、をさらに備えた、請求項1に記載のプラズマ形成装置。
  3. 前記ガス吹出口を第1のガス吹出口というとき、前記ガス導入部は、前記第1のガス吹出口に隣接して、前記プラズマ形成用ガスを前記減圧容器内に供給する少なくとも1つの第2のガス吹出口をさらに有する、請求項1または2に記載のプラズマ形成装置。
  4. 前記ガス導入部は、原料ガスと、前記プラズマ形成用ガスとして希ガスと、を前記減圧容器に供給する、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ形成装置。
  5. 前記ガス導入部は、前記減圧容器に着脱自在に取り付けられる、請求項1から4のいずれかに記載のプラズマ形成装置。
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