JP2013206994A - 薄膜トランジスタおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に金属材料からなるゲート電極2と、ゲート絶縁膜3と、酸化物材料からなる半導体層4と、保護層と、ソース電極6およびドレイン電極7とを有する薄膜トランジスタであって、この薄膜トランジスタは、ゲート電極2の長手方向と半導体層4のチャネル長方向が平面視で直交している。
【選択図】図1
Description
現在商品化されている薄膜トランジスタにおいて、半導体層としてアモルファスファスシリコンや多結晶シリコンなどのシリコン材料を使用したものが主流となっている。しかし、アモルファスシリコンは移動度が1cm2/Vs以下と低く、また、多結晶シリコンは大面積での成膜が困難であるという問題がある。
その問題を解決するために、大面積に成膜可能であり、非晶質シリコンの〜10倍程度の移動度を持つといわれる酸化物材料を半導体層として使用する酸化物薄膜トランジスタの開発が盛んに行われている。
しかし、IGZOを半導体層に用いた酸化物半導体薄膜トランジスタでは、可視光領域の短波長側の光および紫外光が照射されることによって、しきい値のシフトやS値の劣化などの特性変化が生じるという問題が指摘されている(非特許文献2)。
このような問題を解決するために、一般的には酸化物半導体層に光が照射されるのを防ぐために遮光層が用いられる。しかしながら、遮光層を使用することにより、画像表示装置の開口率が低下するという問題がある。
本発明は、以上の点を鑑み、酸化物半導体薄膜トランジスタの遮光層と半導体層の形状を工夫することにより、半導体層への光照射を防ぎつつ、開口率の低下を抑えた酸化物半導体薄膜トランジスタを提供する。
第一の発明によれば、金属材料からなるゲート電極の長手方向と半導体層のチャネル長方向が平面視で直交することにより、ゲート電極が半導体層への光照射を防ぐ遮光層として機能する。さらに、両者が平面視で直交していることにより、半導体層のチャネル領域の特にチャネル幅方向から照射される光を効果的に遮光することが可能であり、光照射による薄膜トランジスタの特性変化を抑制することができる。
また、本発明のうち第四の発明は、第一乃至第三の発明のいずれか一に係る薄膜トランジスタをマトリクス状に配置した構造を有する画像表示装置であって、前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜と、前記ドレイン電極と接続された画素電極と、表示要素と、対向電極と、対向基板とを有することを特徴とする。
図1は本発明の実施の形態に係る薄膜トランジスタを示す概略平面図である。図2は本発明の実施の形態に係る薄膜トランジスタを示す概略断面図であり、図1のA−A'は図2のA−A'に対応する。
本発明の薄膜トランジスタは、図2に示すように、基板1に上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成されたゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上に形成された半導体層4と、半導体層4を保護するための保護層5と、半導体層4に接続されたソース電極6およびドレイン電極7とを備えている。
本発明の実施の形態に係る基板1としては、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロース、ポリビニルフルオライドフィルム、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂、耐候性ポリエチレンテレフタレート、耐候性ポリプロピレン、ガラス繊維強化アクリル樹脂フィルム、ガラス繊維強化ポリカーボネート、透明性ポリイミド、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ガラスおよび石英等を使用することができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。これらは単独で使用してもよいが、二種以上を積層した複合の基板1として使用することもできる。
本発明の実施の形態に係る電極であるゲート電極2、及びそれらに接続される配線には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)などの導電性材料を用いることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。また、これらの材料は単層で用いても構わないし、積層および合金等として用いても構わない。
ゲート電極2は、真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法やゾル−ゲル法、スクリーン印刷、凸版印刷、インクジェット法などのウェット成膜法で形成することができるが、これらに限定されず、公知一般の方法を用いることができる。パターニングは、例えばフォトリソグラフィ法を用いてパターン形成部分をレジストなどにより保護し、エッチングによって不要部分を除去して行うことができるが、これについてもこの方法に限定されず、公知一般のパターニング方法を用いることができる。
半導体層4のパターニングには、例えばフォトリソグラフィ法を用いてパターン形成部分をレジストなどにより保護し、エッチングによって不要部分を除去して行うことができるが、印刷法などを用いて成膜とパターニングを同時に行っても良い。これについてもこの方法に限定されず、公知一般のパターニング方法を用いることができる。
本発明の実施の形態に係る保護層5に使用される材料としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、ハフニウムアルミネート、酸化ジルコニア、酸化チタン等の無機材料、または、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のポリアクリレート、PVA(ポリビニルアルコール)、PVP(ポリビニルフェノール)等の絶縁材料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。保護層5の材料の抵抗率は1011Ωcm以上、より好ましくは1014Ωcm以上であることが望ましい。
層間絶縁膜8は、ドレイン電極7上に開口部を有しており、ドレイン電極7と画素電極9を接続させることができる。開口部は層間絶縁膜8の形成と同時または形成後にフォトリソグラフィ法やエッチング等の公知の方法を用いて設けられる。層間絶縁膜8を用いることにより、ソース電極6上にも画素電極を形成することが可能になるため、画像表示装置の開口率を向上させることができる。
さらに、画素電極9上に表示要素10、対向電極11および対向基板12を設けることで、図3に示したような本発明の画像表示装置とすることができる。表示要素の例としては、液晶、有機エレクトロルミネッセンス、および電気泳動方式(電子ペーパー)の表示要素等が挙げられる。表示要素10、対向電極11および対向基板12の積層方法としては、画素電極上に対向基板12、対向電極11、表示要素10の形成された積層体を貼り合わせる方法や、画素電極上に表示要素、対向電極、対向基板を順次積層する方法等、表示要素の種類により適宜選択すればよい。
本発明の実施の形態に係るキャパシタ電極13、及びそれらに接続される配線には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、インジウムスズ酸化物(ITO)などの導電性材料を用いることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。また、これらの材料は単層で用いても構わないし、積層および合金等として用いても構わない。
基板1としてコーニング社製無アルカリガラスEAGLE XGを用いた。基板1上に、DCマグネトロンスパッタ法を用いてMoを200nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングを行った。具体的には、感光性ポジ型フォトレジストを塗布後、マスク露光、アルカリ現像液による現像を行い、所望の形状のレジストパターンを形成した。さらにMoエッチング液によりエッチングを行い、不要なMoを溶解させた。その後、レジスト剥離液によりフォトレジストを除去し、所望の形状のゲート電極2およびキャパシタ電極13を形成した(以下、このようなパターニング方法をフォトリソグラフィ法として省略する)。
その後、スパッタリング法により酸化亜鉛インジウムガリウム(In−Ga−Zn−O)を50nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、半導体層4とした。半導体層4は、チャネル領域のチャネル長方向Cが、ゲート電極2の長手方向Lと平面視で直交し、ゲート電極2と半導体層4とが交差する部分の幅Wが、半導体層4のチャネル長Sと同じになるよう配置した。
次に、ネガ型の感光性樹脂を塗布し、マスク露光、アルカリ現像、焼成を行い、層間絶縁膜8を形成した。層間絶縁膜8上にITOを100nmの膜厚で成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、画素電極9とした。その後、表示要素10、対向電極11、対向基板12として、電気泳動表示要素である電子ペーパ前面板を貼り付け、実施例の画像表示装置とした。
2・・・ゲート電極
3・・・ゲート絶縁膜
4・・・半導体層
5・・・保護層
6・・・ソース電極
7・・・ドレイン電極
8・・・層間絶縁膜
9・・・画素電極
10・・・表示要素
11・・・対向電極
12・・・対向基板
13・・・キャパシタ電極
C・・・半導体層のチャネル長方向
L・・・ゲート電極の長手方向(延設方向)
S・・・半導体層のチャネル長
W・・・ゲート電極と半導体層とが交差する部分の幅
Claims (4)
- 基板上に金属材料からなるゲート電極と、ゲート絶縁膜と、酸化物材料からなる半導体層と、保護層と、ソース電極およびドレイン電極と、を有する薄膜トランジスタであって、
前記ゲート電極の長手方向と前記半導体層のチャネル長方向が平面視で直交していることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 基板上に金属材料からなるゲート電極と、ゲート絶縁膜と、酸化物材料からなる半導体層と、保護層と、ソース電極およびドレイン電極と、を有する薄膜トランジスタであって、
前記ゲート電極の長手方向と前記半導体層のチャネル長方向が平面視で直交しており、
前記ゲート電極と前記半導体層とが交差する部分の幅は、少なくとも前記半導体層のチャネル長と同じであることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 基板上に金属材料からなるゲート電極と、ゲート絶縁膜と、酸化物材料からなる半導体層と、保護層と、ソース電極およびドレイン電極と、を有する薄膜トランジスタであって、前記ゲート電極の長手方向と前記半導体層のチャネル長方向が平面視で直交しており、
前記ゲート電極と前記半導体層とが交差する部分の幅は、前記半導体層のチャネル長以上であることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 請求項1乃至3に記載の薄膜トランジスタをマトリクス状に配置した構造を有する画像表示装置であって、
前記薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜と、前記ドレイン電極と接続された画素電極と、表示要素と、対向電極と、対向基板とを有することを特徴とする画像表示装置。
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