JP2013206943A - 樹脂含浸コイル及びその製造方法 - Google Patents

樹脂含浸コイル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013206943A
JP2013206943A JP2012071473A JP2012071473A JP2013206943A JP 2013206943 A JP2013206943 A JP 2013206943A JP 2012071473 A JP2012071473 A JP 2012071473A JP 2012071473 A JP2012071473 A JP 2012071473A JP 2013206943 A JP2013206943 A JP 2013206943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coil
fiber
impregnated
insulating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012071473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6017810B2 (ja
Inventor
Yuji Mizutani
雄二 水谷
Takanori Ichikawa
貴則 市川
Isato Suzuki
勇人 鈴木
Yusuke Tsujimura
祐介 逵村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Industrial Products and Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp filed Critical Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp
Priority to JP2012071473A priority Critical patent/JP6017810B2/ja
Publication of JP2013206943A publication Critical patent/JP2013206943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6017810B2 publication Critical patent/JP6017810B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)

Abstract

【課題】含浸した樹脂の流出を防止することができると共に生産性を向上させることができる絶縁特性、機械的特性に優れた樹脂含浸コイル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態の樹脂含浸コイルは、コイルと、樹脂含浸性を有し、少なくとも前記コイルの外周を覆うように設けられ、前記コイルと共にコイル素体を構成する絶縁材と、前記コイル素体に含浸して硬化した含浸樹脂とを備え、前記絶縁材は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されると共に、予め硬化促進剤を付着させた状態で前記含浸樹脂に含浸される。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、樹脂含浸コイル及びその製造方法に関する。
従来より、変圧器やリアクトル等の電気機器用のコイルを、絶縁性を有する樹脂でモールドしたものが供されている。この種の電気機器(例えば乾式変圧器)では、予めそのコイルを配置したモールド型内に樹脂を注入(注型)して成形される樹脂モールドコイルとして、或はコイル全体を含浸槽内の樹脂に浸してコイル内部まで樹脂を含浸させた樹脂含浸コイルとして構成したものがある。
含浸法による樹脂含浸コイルは、注型法による樹脂モールドコイル特有のクラックが発生しにくい。しかしながら、樹脂含浸コイルは前記含浸槽から取り出した後、乾燥炉内で乾燥させる際に、ゲル化中あるいは硬化前の樹脂が流出し、コイルの絶縁特性や機械的特性が低下する虞がある。このように、含浸法ではゲル化時点の管理が難しく、粘度が高い樹脂を用いて含浸すると、含浸槽内における含浸時間を長くしても未含浸となり、所望の絶縁特性を得ることができない事態が生じうる。
特開昭57−132312号公報
そこで、含浸した樹脂の流出を防止することができると共に生産性を向上させることができる絶縁特性、機械的特性に優れた樹脂含浸コイル及びその製造方法を提供することである。
本実施形態の樹脂含浸コイルは、コイルと、樹脂含浸性を有し、少なくとも前記コイルの外周を覆うように設けられ、前記コイルと共にコイル素体を構成する絶縁材と、前記コイル素体に含浸して硬化した含浸樹脂とを備え、前記絶縁材は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されると共に、予め硬化促進剤を付着させた状態で前記含浸樹脂に含浸されることを特徴とする。
また、本実施形態の樹脂含浸コイルの製造方法は、導体を巻回してコイルを形成する工程と、予め硬化促進剤を付着させた樹脂含浸性を有する絶縁材を、前記コイルの外周絶縁物及び/又は内周絶縁物として巻回する工程と、前記コイルと前記絶縁体とで構成されるコイル素体を、樹脂含浸槽内に収納して含浸樹脂を含浸する工程とを含み、前記絶縁材は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されていることを特徴とする。
本実施形態の樹脂含浸コイルの平面図 樹脂含浸コイルを一部破断して示す側面図 コイル素体を含浸する工程を説明するための模式図 絶縁テープのかさ密度とガラス転移点(Tg)の関係を示す図 樹脂の示差走査熱量測定(DSC測定)による測定結果を示す図 触媒量と硬化開始温度(℃)との関係を示す図
以下、電気機器用のコイルとして変圧器に用いられる樹脂含浸コイルに適用した一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1、図2に示すように、樹脂含浸コイル1は全体として略円筒状に形成され、同心状をなす二次コイル3と一次コイル5を備える。前記二次コイル3は、円筒状の巻枠2の外周に二次導体3aを巻回することにより形成された低圧コイルであり、その外周に絶縁材6aが巻回されている。絶縁材6aの外周には、軸方向から見て波形状をなすダクト材4が配置されている。前記ダクト材4は、冷却用空気がコイル3,5間を通ることで樹脂含浸コイル1の冷却上の要求を満たすように形成されている。前記一次コイル5は、一次導体5aが層間絶縁物7を介して多層に巻回されることにより形成した高圧コイルであり、その内周側(ダクト材4外周)に絶縁材6bが巻回されると共に、当該コイル5の外周に絶縁材6cが巻回されている。
上記した絶縁材6a,6b,6c(以下、これらの総称を絶縁材6とする)のうち、絶縁材6aは、二次コイル3の外周絶縁物として、絶縁材6bは、一次コイル5の内周絶縁物として、絶縁材6cは、一次コイル5の外周絶縁物として夫々構成されている。絶縁材6は、例えば、無機繊維としてのガラス繊維と、有機繊維としてのポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)繊維とを含む繊維系材料からテープ状に形成されている。尚、これら繊維系材料は、ガラス繊維やポリエチレンテレフタレート(PET)繊維に限らず、有機繊維として、他のポリエステル繊維や、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維のうちの1種を用いて構成してもよい。
前記ガラス繊維の繊維径は例えば5μmφ、ポリエチレンテレフタレート繊維の繊維径は例えば10μmφであり、ガラス繊維は、図示しないエポキシシランで表面処理されている。これらガラス繊維とポリエチレンテレフタレート繊維とを混抄し、バインダとしてのエポキシ接着剤により両繊維を互いに結合して不織布が形成される。この場合、絶縁材6は、前記不織布がテープ状に形成されると共に、その厚さが例えば約0.5mmに設定された不織布テープとして構成される。
前記不織布テープは、例えば坪量が200g/m、かさ密度が0.5g/cmとなるように加工されている。この不織布テープには、予めエポキシ樹脂の硬化促進剤が付着される。具体的には例えば、硬化促進剤である1ベンジル2メチルイミダゾール(以下、1B2MZと略す)をエチルアルコールに10重量%溶解させた液を、不織布テープに対して、図示しないロール回転式塗布装置を用いて塗布する。当該溶液を、不織布テープに対して含浸させるようにしてもよい。こうして、絶縁材6は、当該溶液を塗布(含浸でもよい)させた後、例えば100℃の乾燥炉で1時間乾燥させることにより、硬化促進剤が付着される。
絶縁材6a,6b,6cは、上記したように二次コイル3や一次コイル5の内周絶縁物或は外周絶縁物として、例えば当該テープの幅方向に1/2ずつ重ねるようにして3層の巻回層たる絶縁層を夫々形成する。この場合、各絶縁材6a,6b,6cは、耐熱性と機械的特性に優れたガラス繊維(高強度繊維)を含むことから、絶縁や機械的に必要な厚さの分だけ巻回すればよい。こうして、一次コイル5及び二次コイル3は、絶縁材6と共にコイル素体8を構成する。
図3は、コイル素体8に樹脂10を含浸させる工程を説明するための模式図である。同図に示すように、真空加圧タンク11内には樹脂含浸槽12が設けられ、真空加圧タンク11の外部には、樹脂含浸槽12へ樹脂10を流し込む樹脂注入装置13が設けられている。
先ず、真空加圧タンク11を85℃に保温しておき、90℃に予熱したコイル素体8を、真空加圧タンク11へ搬入して樹脂含浸槽12内に配置する。樹脂10は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に酸無水物硬化剤を化学当量反応させたものである。この樹脂10を90℃に予熱し、樹脂注入装置13により樹脂含浸槽12内に流し込む。このとき、樹脂注入装置13は、樹脂含浸槽12における樹脂10液面が非常に小さい速度(例えば5mm/minの液面上昇速度)で上昇するように樹脂10を流入させる。コイル素体8全体が樹脂10に浸漬されると樹脂10の注入を止め、真空加圧タンク11内の空気を例えば0.5MPaに加圧し、その加圧状態を2時間保持する。
樹脂含浸槽12内の樹脂10は、各コイル3,5における上下の端面、ダクト材4の内周及び外周に位置する絶縁材6a,6b、並びにコイル5外周の絶縁材6cを通して含浸する。詳しくは後述するように、絶縁材6は、かさ密度が前記の値に設定されているため、樹脂10が比較的速やかに含浸すると共に、樹脂10の未含浸部分が生じないようになっている。また、絶縁材6に含まれるガラス繊維はエポキシシランで表面処理されているため、絶縁材6に含浸した樹脂10との密着性が大きくなる。そして、絶縁材6に硬化促進剤が付与されているため、前述した真空加圧タンク11内の温度(或はコイル素体8や樹脂10の予熱温度)と相俟ってゲル化を始める。
その後、樹脂含浸槽12内の樹脂10は、当該含浸槽12底部の図示しないバルブから排出され、樹脂10を含浸保持したコイル素体8が取り出される。上記のようにゲル化した樹脂10は、自身の粘度が高まることでコイル素体8(絶縁材6)に保持されるため、含浸した樹脂10のコイル素体8からの流出が防止される。このコイル素体8は、例えば160℃に加熱した図示しない乾燥炉に収納して10時間加熱する。これにより、コイル素体8に含浸した未硬化の樹脂10も完全に硬化することで、樹脂含浸コイル1が得られる。
さて、樹脂10の健全性はガラス転移点Tgの値から判断することができる。本実施形態の樹脂10では、ガラス転移点Tgを例えば90℃以上とすることで、電気機器用のコイル(樹脂含浸コイル1)として所期の物性が得られ、信頼性を高めることができる。そこで、発明者らは樹脂含浸コイル1、特には絶縁材6の構成の妥当性を検証すべく、不織布テープのかさ密度(g/cm)を異ならせた場合における樹脂のガラス転移点Tg(℃)を求める実験を行った。図4は、その実験結果を示している。尚、当該実験では、各不織布テープについて、絶縁材6と同様に硬化促進剤たる1B2MZを予め付与する等、かさ密度以外の条件は同じものとする。
同図に示すように、ガラス転移点Tgは、不織布テープのかさ密度が高まるにつれ上昇し、かさ密度が1g/cm以降になるとその上昇度合いは小さくなり、2g/cm近傍では略横ばいとなる。また、不織布テープのかさ密度が0.2g/cm以上になるとガラス転移点Tgについて所定の値(90℃以上)が得られた。この結果から、不織布テープのかさ密度は、0.2g/cm〜2g/cmとなるような範囲に設定することが好ましく、0.2g/cm〜1g/cmとなる範囲がより好ましいことがわかる。また、不織布テープのかさ密度が0.2g/cm以上であれば、その絶縁材6(或は樹脂含浸コイル1)に含浸する樹脂に対して、ガラス転移点Tgが90℃以上となる硬化促進剤の所望の添加量になると考えられる。換言すれば、かさ密度が比較的低いと、エポキシ樹脂中の1B2MZの濃度が相対的に低くなる結果、ガラス転移点Tgを所定の値まで高めることができず、樹脂の硬化の度合いも不十分になるものと解せられる。
そこで、このことを裏付けるために、前記樹脂:100部に対して前記1B2MZを0.1部〜2部、つまり0.1phr〜2phr(前記100部あたりの重量部:phr)まで添加した場合の硬化開始温度を求める実験を行った。この実験において、示差走査熱量計を用いて得られた硬化発熱特性を図6に示す。ここで、硬化開始温度は、示差走査熱量計を使用して昇温速度10℃/min(度/分)の条件で得られる値であり、以下のように定義される。即ち、図5に示すように、エポキシ樹脂に上記のような温度変化を与えて吸熱、発熱を観測して得られるDSC曲線において、低温側のベースラインを高温側に延長した線と、ピークの低温側の曲線に勾配が最大となる点で引いた接線(同図で1phrの当該接線を破線で示す)との交点の温度を硬化開始温度とする。
この硬化開始温度は、図6に示すように1B2MZの添加量が増加するにつれ低下し、2phr近傍ではその低下度合いは小さくなり、2phr以降では略横ばいになるものと解せられる。また、同図に示すように、1B2MZが0.1phr以上の時、硬化開始温度は160℃以下となる。従って、上記したかさ密度ひいては1B2MZの濃度を適宜設定して、所定温度でゲル化を開始させることにより樹脂10の粘度が上昇し、当該樹脂10がコイル素体8(絶縁材6)に保持されるため、含浸した樹脂10のコイル素体8からの流出が防止される。
一方、かさ密度が2g/cmを超えると樹脂10の含浸に長時間を要し、絶縁材6に樹脂10の未含浸部分(空洞たるボイド)が生じ、これが絶縁の欠陥になることが実験により判明した。このように絶縁材6中の樹脂10を安定にし、且つボイドのような絶縁欠陥の無い樹脂含浸コイル1を製造するためには、樹脂10中の触媒濃度と絶縁材6中の空間量(かさ密度)が特に重要であると言える。これらの要素は、樹脂10のゲル化開始温度と含浸速度に密接な関係があり、上記した所定の値に設定することで、含浸した樹脂10の流出を防止することができると共に生産性を向上させることができる。
また、本実施形態とは異なり、絶縁材としての不織布テープの繊維系材料をガラス繊維のみで構成した場合、各繊維の剛性が比較的高いことから、当該テープにおける繊維間の空間(隙間)が比較的大きくなる。このため、前記樹脂の保持性に劣るだけでなく、予め硬化促進剤を付着させた不織布テープを樹脂に含浸させても、十分な触媒濃度が得られず、樹脂のガラス転移点Tgが低くなる結果、所望の物性が得られない。そこで、不織布テープを押さえつけるように圧力を加えて成形しても、ガラス繊維同士の絡み合い基づく反発力(弾性)により元の状態に戻り、当該テープにおける繊維間の空間を小さくすることができない。より高い圧力を不織布テープに加えると、ガラス繊維が破断し、その強度は著しく低下することになる。更には、ガラス繊維間の隙間を小さくするために、接着剤を少量含浸させて繊維間同士を接着により固定しても、その接着剤により当該テープにおける樹脂の含浸経路が遮られる。このため、含浸パスが不連続となり、樹脂の含浸性が低下する。
これに対し、上記した樹脂含浸コイル1の製造方法にあっては、導体3a,5aを巻回してコイル3,5を形成する工程と、予め硬化促進剤を付着させた樹脂含浸性を有する絶縁材6を、コイル3,5の外周絶縁物及び/又は内周絶縁物として巻回する工程と、コイル3,5と絶縁材6とで構成されるコイル素体8を、樹脂含浸槽12内に収納して樹脂10を含浸する工程とを含む。そして、絶縁材6は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されている。
この構成によれば、有機繊維は、ガラス繊維等のような無機繊維に比し弾性率が低く且つ延性が大きい(引張破断伸び大きい)ため、無機繊維となじむことで繊維間の空間を小さくすることができる。これにより、絶縁材6に含浸した樹脂10の触媒濃度(硬化促進剤の濃度)を向上させることが可能となり、所望の物性つまり規定のガラス転移点Tgを得ることができる。また、絶縁材6に含浸した樹脂10の硬化反応による粘度上昇速度を高めることができ、含浸した樹脂10のコイル素体8からの流出を防止することができる。従って、樹脂含浸コイル1として、良好な機械的強度と所望の物性を得ることができると共に、生産性を向上させることができる。
前記絶縁材6は、前記有機繊維としてのポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維のうちの1種と、前記無機繊維としてのガラス繊維とを含む。これら有機繊維は、引張破断伸びがガラス繊維の10倍〜100倍と大きいため、絶縁材6における繊維間の空間をより小さくすることができると共に、ガラス繊維により機械的強度を高めることができる。また、有機繊維としてポリエステル繊維を用いることにより安価な構成とすることができる。
前記絶縁材6のかさ密度が0.2g/cm〜2g/cmである。上記したように、かさ密度が0.2g/cm以上の場合に規定のガラス転移点Tgを得ることが可能となり、2g/cmを超えると樹脂10の含浸に長時間を要し、絶縁材6に樹脂10の未含浸部分が生じるおそれがある。従って、かさ密度を前記の範囲に設定することで、含浸した樹脂10について所期の物性を得ることができ、生産性を向上させることができる。
前記絶縁材6は、エポキシシランで表面処理された前記無機繊維としてのガラス繊維を含む。これによれば、エポキシシランで表面処理されたガラス繊維は、絶縁材6に含浸した樹脂10との密着性が大きくなる。このため、樹脂含浸コイル1の耐湿絶縁特性を良好なものとすることができる。
絶縁材6を構成する繊維系材料のかさ密度や繊維径は、上記した値に限定するものではない。実験によれば、繊維径が6μmφで重量比が60%のガラス繊維と、繊維径が15μmφ(又は6μmφ)で重量比が40%のポリエチレンテレフタレート繊維を用い、かさ密度を0.2g/cm〜2g/cmに設定した絶縁材6についても、上記した実施形態と同様の効果を得た。また、この場合、ガラス繊維の繊維径を1μmφ〜6μmφに設定し、ポリエチレンテレフタレート繊維の繊維径を6μmφ〜15μmφに設定した場合も、同様の効果を奏する。
このように、絶縁材6について無機繊維の繊維径を1μm〜6μm、有機繊維の繊維径を6μm〜15μmに設定する。夫々の範囲に満たない小さい繊維径の場合、繊維の破断を招く等、機械的特性に劣り、夫々の範囲を超える大きい繊維径の場合、剛性が比較的高くなり繊維間の隙間も大きくなる。無機繊維と有機繊維の繊維径を前記の夫々の範囲に設定することで、樹脂含浸コイル1の機械的強度を確保しながらも、繊維間に所望の大きさの空間を形成することができ、好適な絶縁材6を構成することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略,置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、絶縁材6は、樹脂含浸性を有し、少なくとも前記コイルの外周を覆うように設けられる構成であればよく、二次コイル3の内周側に配設してもよい。
図面中、3,5はコイル、6は絶縁材、8はコイル素体、10は含浸樹脂、12は樹脂含浸槽を示す。

Claims (6)

  1. コイルと、
    樹脂含浸性を有し、少なくとも前記コイルの外周を覆うように設けられ、前記コイルと共にコイル素体を構成する絶縁材と、
    前記コイル素体に含浸して硬化した含浸樹脂とを備え、
    前記絶縁材は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されると共に、予め硬化促進剤を付着させた状態で前記含浸樹脂に含浸されることを特徴とする樹脂含浸コイル。
  2. 前記絶縁材は、前記有機繊維としてのポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維のうちの1種と、前記無機繊維としてのガラス繊維とを含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂含浸コイル。
  3. 前記絶縁材のかさ密度が0.2g/cm〜2g/cmであることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂含浸コイル。
  4. 前記絶縁材は、エポキシシランで表面処理された前記無機繊維としてのガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の樹脂含浸コイル。
  5. 前記絶縁材は、前記有機繊維の繊維径が6μm〜15μmであり、前記無機繊維の繊維径が1μm〜6μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の樹脂含浸コイル。
  6. 導体を巻回してコイルを形成する工程と、
    予め硬化促進剤を付着させた樹脂含浸性を有する絶縁材を、前記コイルの外周絶縁物及び/又は内周絶縁物として巻回する工程と、
    前記コイルと前記絶縁材とで構成されるコイル素体を、樹脂含浸槽内に収納して含浸樹脂を含浸する工程とを含み、
    前記絶縁材は、有機繊維と無機繊維を含む複数種類の繊維系材料を用いて形成されていることを特徴とする樹脂含浸コイルの製造方法。
JP2012071473A 2012-03-27 2012-03-27 樹脂含浸コイル及びその製造方法 Active JP6017810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071473A JP6017810B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 樹脂含浸コイル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071473A JP6017810B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 樹脂含浸コイル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013206943A true JP2013206943A (ja) 2013-10-07
JP6017810B2 JP6017810B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=49525774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012071473A Active JP6017810B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 樹脂含浸コイル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6017810B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017149796A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 東芝産業機器システム株式会社 コイル及びコイルの製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5249459A (en) * 1975-10-17 1977-04-20 Nitto Electric Ind Co Sheath insulation processing method for coil
JPS56158409A (en) * 1980-05-13 1981-12-07 Toshiba Corp Insulating coil
JPS5752107A (en) * 1980-09-16 1982-03-27 Toshiba Corp Resin-immersed molded coil
JPS5842211A (ja) * 1981-09-04 1983-03-11 Mitsubishi Electric Corp 合成樹脂成形コイルの製造方法
JPS6053007A (ja) * 1983-09-02 1985-03-26 Toshiba Corp 樹脂モ−ルドコイルの製造方法
JPS61160920A (ja) * 1985-01-10 1986-07-21 Toshiba Corp 樹脂モ−ルドコイルの製造方法
JPH02142013A (ja) * 1988-11-24 1990-05-31 Teijin Ltd ガス絶縁変圧器用プレスボード
JPH03110818U (ja) * 1990-02-28 1991-11-13
JPH0911430A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Teijin Ltd 耐熱性ボード
JPH11335535A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Toray Ind Inc 難燃性強化ポリブチレンテレフタレート製トランス部材用樹脂組成物およびそれからなるトランス部材

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5249459A (en) * 1975-10-17 1977-04-20 Nitto Electric Ind Co Sheath insulation processing method for coil
JPS56158409A (en) * 1980-05-13 1981-12-07 Toshiba Corp Insulating coil
JPS5752107A (en) * 1980-09-16 1982-03-27 Toshiba Corp Resin-immersed molded coil
JPS5842211A (ja) * 1981-09-04 1983-03-11 Mitsubishi Electric Corp 合成樹脂成形コイルの製造方法
JPS6053007A (ja) * 1983-09-02 1985-03-26 Toshiba Corp 樹脂モ−ルドコイルの製造方法
JPS61160920A (ja) * 1985-01-10 1986-07-21 Toshiba Corp 樹脂モ−ルドコイルの製造方法
JPH02142013A (ja) * 1988-11-24 1990-05-31 Teijin Ltd ガス絶縁変圧器用プレスボード
JPH03110818U (ja) * 1990-02-28 1991-11-13
JPH0911430A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Teijin Ltd 耐熱性ボード
JPH11335535A (ja) * 1998-05-25 1999-12-07 Toray Ind Inc 難燃性強化ポリブチレンテレフタレート製トランス部材用樹脂組成物およびそれからなるトランス部材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017149796A1 (ja) * 2016-03-02 2017-09-08 東芝産業機器システム株式会社 コイル及びコイルの製造方法
CN108701522A (zh) * 2016-03-02 2018-10-23 东芝产业机器系统株式会社 线圈及线圈的制造方法
US11232892B2 (en) 2016-03-02 2022-01-25 Toshiba Industrial Products and Systems Corp. Coil and method for manufacturing coil

Also Published As

Publication number Publication date
JP6017810B2 (ja) 2016-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8790476B2 (en) Mold-free resin-insulated coil windings
JP5238577B2 (ja) 複合容器及び複合容器の製造方法
JP6099039B2 (ja) 複合容器の製造方法
JP2017072244A (ja) 高圧タンク
JP2018100768A (ja) 高圧タンク、高圧タンクの製造方法
CN101615455A (zh) 无气隙真空浸胶绝缘管及制造方法
CN106910575B (zh) 一种高性能支柱复合绝缘子用芯棒及其制造方法
JP2009222195A (ja) ガス容器製造方法、ガス容器製造装置、及びガス容器
JP6017810B2 (ja) 樹脂含浸コイル及びその製造方法
JP2016072301A (ja) 絶縁材、この絶縁材を用いた絶縁コイル、これらの製造方法、ならびにこの絶縁コイルを具備する装置
KR101157330B1 (ko) 가공송전선용 섬유 강화 플라스틱 중심 인장선의 제조방법
CN102360834A (zh) 用于制造用于干式变压器的绕组的方法
JP6341425B2 (ja) 高圧タンクの製造方法
JPH07161521A (ja) 超電導電磁石及びそれに用いる自己融着超電導線の巻線機
US11148351B2 (en) Manufacturing method for tank
JP5027576B2 (ja) 高圧トランスおよびその製造方法
US20210370577A1 (en) Method of manufacturing high-pressure tank
JP2000170050A (ja) 炭素繊維束の製造方法
JP2018069645A (ja) フィラメントワインディング成形品の製造方法
JP2011140966A (ja) 複合容器
JP2011230398A (ja) 高圧ガスタンクの製造方法と製造装置
JP2018161821A (ja) 高圧タンクの製造方法
RU2359353C1 (ru) Витки катушки с изоляцией из смолы, не предусматривающие пресс-форм
JP4877153B2 (ja) 繊維強化複合材料成形方法
KR20110078089A (ko) 가공송전선의 중심 인장선용 섬유강화 플라스틱 제조용 조성물 및 이를 이용하여 제조된 가공송전선

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20140318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6017810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250