JP4877153B2 - 繊維強化複合材料成形方法 - Google Patents

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本発明は、繊維強化複合材料成形方法及び繊維強化複合材料に係り、特に、樹脂含浸した繊維束を巻回部材に巻回することにより繊維強化複合材料を成形する繊維強化複合材料成形方法及び繊維強化複合材料に関する。
圧縮水素ガスや圧縮天然ガス(CNG)等を貯蔵する、例えば、車両用の高圧タンク等には、軽量化のために、繊維強化複合材料が用いられている。このような繊維強化複合材料には、例えば、強化繊維としての炭素繊維等に、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等を含浸させて成形した繊維強化複合材料が用いられる。繊維強化複合材料を成形するための繊維強化複合材料成形方法には、例えば、フィラメントワインディング(Filament Winding:FW)法等が使用される。フィラメントワインディング法は、樹脂含浸した繊維束をマンドレル等に連続して巻き付けて積層することにより繊維強化複合材料を成形する方法である。
特許文献1には、繊維強化複合材料製管状体であり、炭素繊維およびマトリックス樹脂で構成され、その内部において、炭素繊維およびマトリックス樹脂を共に含む複合層と、隣り合う複合層の間に炭素繊維を含まない層間領域とを形成し、その層間領域の厚みが所定の範囲であることが記載されている。
特許文献2には、熱可塑性樹脂をマトリックスとしたFRP成形品の成形方法であり、マンドレル上に張力を印加された補強繊維と、この補強繊維に絡まし保持された熱可塑性樹脂の繊維又はテープとを巻き付けた後、この熱可塑性樹脂の繊維又はテープを加熱溶融させて補強繊維に浸透させ、次いで、熱可塑性樹脂を冷却固化させることが記載されている。
特許文献3には、フィラメントワインディング成形方法であり、熱可塑性樹脂繊維と強化用繊維とを混合して複合繊維を形成し、この複合繊維を上層に、熱可塑性樹脂フィルムを下層に配置して同時にマンドレルに巻付けるとともにこのマンドレルへの巻付時に、巻き付け済みの複合繊維および熱可塑性樹脂フィルムを加熱して、複合繊維中の熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂フィルムを溶融して強化用繊維に含浸させ、冷却後にマンドレルを成形物から抜き取る事により形成することが記載されている。
特開2002−307565号公報 特開平5−458号公報 特開平8−183105号公報
ところで、繊維強化複合材料を、例えば、フィラメントワインディング法で成形する場合には、樹脂含浸した繊維束は、マンドレル等の巻回部材に所定の張力で巻き付けられて積層される。樹脂含浸した繊維束に含まれる樹脂は、未硬化樹脂であるため樹脂粘度が低く流動性を有している。そのため、マンドレル側である内側に巻き付けられた樹脂含浸した繊維束に含まれる樹脂は、樹脂含浸した繊維束をマンドレル等に巻き付けるときの巻き締め効果により、表層側である外側に向けて流動する場合がある。このような場合には、成形された繊維強化複合材料において、マンドレル側では樹脂体積含有率がより低下し、繊維強化複合材料における樹脂体積含有率の制御が困難な可能性がある。
そこで、本発明の目的は、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を、より精度良く制御することができる繊維強化複合材料成形方法及び繊維強化複合材料を提供することである。
本発明に係る繊維強化複合材料成形方法は、樹脂含浸した繊維束を巻回部材に巻回することにより繊維強化複合材料を成形する繊維強化複合材料成形方法であって、巻回部材に、樹脂含浸した第1繊維束を巻回する第1巻回工程と、樹脂含浸した第1繊維束が巻回された巻回部材に、樹脂含浸した第2繊維束を巻回する第2巻回工程と、を備え、第1繊維束と第2繊維束とは、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、第1繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率は、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きいことを特徴とする。
本発明に係る繊維強化複合材料成形方法は、樹脂含浸した第2繊維束が巻回された巻回部材に、樹脂含浸した第3繊維束を巻回する第3巻回工程を備え、第3繊維束は、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率は、第3繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きいことを特徴とする。
上記のように本発明に係る繊維強化複合材料成形方法及び繊維強化複合材料によれば、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を、より精度よく制御することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。まず、繊維強化複合材料を成形する繊維強化複合材料成形装置について説明する。図1は、繊維強化複合材料成形装置10の構成を示す図である。
繊維供給装置12は、繊維束14を送り出す機能を有している。繊維供給装置12には、例えば、クリールスタンド(Creel Stand)等を用いることができる。繊維供給装置12は、繊維束14を巻き付けるための複数のボビン16と、複数の繊維束14に負荷される張力を調整するための複数の繊維張力調整装置18とを有している。それにより、ボビン16等から送り出された複数の繊維束14を、繊維張力調整装置18で所定の張力に調整して供給することができる。勿論、他の条件次第では、繊維束14の本数は、複数本に限定されることはなく、1本でもよい。なお、繊維束14の代わりに、予め繊維束14に樹脂を含浸させたプリプレグを使用することができる。
繊維張力測定装置20は、繊維供給装置12から送り出された複数の繊維束14に負荷された張力を測定する機能を有している。繊維張力測定装置20には、一般的に、炭素繊維等の張力測定に用いられている張力測定装置を使用することができる。
樹脂含浸装置22は、繊維張力測定装置20で張力測定された繊維束14に、樹脂等を含浸する機能を有している。樹脂含浸装置22は、繊維束14に含浸する樹脂を溜める樹脂槽24と、繊維束14に樹脂を付着させる樹脂含浸ローラ26と、第1テンションローラ28と、第2テンションローラ30と、を備えている。また、樹脂含浸装置22は、樹脂粘度を調整するために樹脂温度を測定する樹脂温度計と、樹脂含浸量を調整するために繊維束14に付着した樹脂膜厚を測定する樹脂膜厚計32とを有している。そして、樹脂含浸ローラ26を回転させて、ローラ面を樹脂槽24に溜めた樹脂に浸漬した後、樹脂が付着したローラ面を繊維束14に接触させることで樹脂含浸することができる。
フィラメントワインディング装置36は、樹脂含浸装置22から送り出された樹脂含浸した繊維束34を、型または心金であるマンドレル38(Mandrel)等の巻回部材に巻き付ける機能を有している。フィラメントワインディング装置36は、樹脂含浸した繊維束34をマンドレル38等の円周方向や軸方向に巻き付けることができる。フィラメントワインディング装置36は、例えば、マンドレル38等の回転軸方向に対して略垂直に巻き付けるフープ巻き(Hoop Winding)や、マンドレル38等の回転軸方向に対して所定の角度で巻き付けるヘリカル巻き(Helical Winding)等により樹脂含浸した繊維束34を巻き付けることができる。
圧力容器、例えば、高圧タンク等を製造する場合には、マンドレル38の代わりにポリアミド樹脂等により成形された樹脂ライナまたはアルミニウム等により成形された金属ライナ等を使用することができる。そして、樹脂含浸した繊維束34は、フィラメントワインディング装置36により、所定の張力を与えられつつ樹脂ライナまたは金属ライナに巻き付けられる。
制御装置40は、繊維張力測定装置20と、樹脂含浸装置22に配置される樹脂温度センサと、樹脂膜厚計32等とにリード線とコネクタ等を用いて接続される。制御装置40は、繊維張力測定装置20から出力される繊維束14の張力データの電気信号を入力し、繊維束14の張力を制御することができる機能を有している。そして、制御装置40は、樹脂含浸装置22に配置された樹脂温度センサから出力される樹脂温度データの電気信号を入力し、樹脂温度を制御することができる機能を有している。更に、制御装置40は、樹脂膜厚計32から出力される樹脂膜厚データの電気信号を入力して、基準となる所定の樹脂量が樹脂含浸ローラ26に付着されているか否かを検知することができる機能を有している。かかる制御装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)で構成することができる。また、制御装置40と接続されたデータロガ42には、上述した繊維束14の張力データ、樹脂温度データ、樹脂膜厚データ等が記憶されて保存される。
次に、繊維強化複合材料の成形方法について説明する。図2は、繊維強化複合材料成形方法を示すフローチャートである。繊維強化複合材料成形方法は、第1巻回工程(S10)と、第2巻回工程(S12)と、第3巻回工程(S14)とを含んで構成される。
第1巻回工程(S10)は、マンドレル38に、樹脂含浸した第1繊維束を巻回する工程である。図3は、第1繊維束50の構成を示す図である。第1繊維束50は、補強繊維52と熱硬化性樹脂繊維54とを含んで構成される。
補強繊維52には、高強度繊維または高弾性繊維である炭素繊維等を使用することができる。そして、炭素繊維には、レーヨン系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile:PAN)系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維等が用いられる。勿論、補強繊維52には、炭素繊維に限定されることはなく、ガラス繊維またはアラミド繊維等を用いることができる。補強繊維52には、繊維径が、例えば、1μmから5μmの単繊維であるフィラメントを束ねたヤーン、ストランド、ロービング等を用いることができる。例えば、補強繊維52には、炭素繊維フィラメントを1万本〜5万本束ねた炭素繊維ストランドを用いることができる。
熱硬化性樹脂繊維54には、エポキシ樹脂繊維、フェノール樹脂繊維または不飽和ポリエステル樹脂繊維等の熱硬化性樹脂繊維54を使用することができる。勿論、熱硬化性樹脂繊維54は、上記樹脂繊維に限定されることはない。熱硬化性樹脂繊維54には、ヤーン、ストランド、ロービング等を用いることができる。また、熱硬化性樹脂繊維54には、数mm以下に切断されたチョップド糸等を用いることができる。
第1繊維束50には、補強繊維52と熱硬化性樹脂繊維54とを一方向に揃えて組み合わせた一方向材を用いることができる。また、第1繊維束50には、補強繊維52と熱硬化性樹脂繊維54と平織や朱子織等で織ったハイブリッドクロス等の織物材等を使用してもよい。勿論、他の条件次第では、第1繊維束50は、上記材料に限定されることはない。
第1繊維束50に含浸される樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂または不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。勿論、第1繊維束50に含浸される樹脂は、上記合成樹脂に限定されることはない。また、第1繊維束50に含浸される樹脂と、熱硬化性樹脂繊維54を形成する樹脂は、同種類の合成樹脂を用いることが好ましい。例えば、第1繊維束50に含浸される樹脂にエポキシ樹脂を用いる場合には、熱硬化性樹脂繊維54にはエポキシ樹脂繊維を用いることが好ましい。
第1繊維束50が巻き付けられたボビン16は、繊維供給装置12にセットされる。そして、第1繊維束50は、繊維供給装置12から所定の張力が負荷されて送り出される。第1繊維束50は、樹脂含浸装置22によりエポキシ樹脂等で樹脂含浸される。樹脂含浸した第1繊維束50は、フィラメントワインディング装置36でマンドレル38に巻回されて積層される。
第2巻回工程(S12)は、樹脂含浸した第1繊維束50を巻回したマンドレル38に、樹脂含浸した第2繊維束を巻回する工程である。第2繊維束は、第1繊維束50と同様に、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含んで構成される。
第1繊維束50と第2繊維束とは、第1繊維束50に含まれる熱硬化性樹脂繊維54の含有率が、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きくなるように、補強繊維52と熱硬化性樹脂繊維54とが混合されて形成される。ここで、熱硬化性樹脂繊維54の含有率とは、補強繊維52と熱硬化性樹脂繊維54との合計質量に対する熱硬化性樹脂繊維54の質量の割合である。これにより、樹脂含浸した第2繊維束をマンドレル38に巻回中に、樹脂含浸した第1繊維束50に含まれる含浸樹脂がマンドレル38側と反対側である表層側に染み出して流出した場合でも、第1繊維束50に熱硬化性樹脂繊維54をより多く含ませることにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率低下が抑制される。
第2繊維束が巻き付けられたボビン16は、繊維供給装置12にセットされる。そして、第2繊維束は、繊維供給装置12から所定の張力が負荷されて送り出される。第2繊維束は、樹脂含浸装置22によりエポキシ樹脂等で樹脂含浸される。樹脂含浸された第2繊維束は、フィラメントワインディング装置36で、樹脂含浸した第1繊維束50が巻回されたマンドレル38に巻回されて積層される。
第3巻回工程(S14)は、樹脂含浸した第2繊維束を巻回したマンドレル38に、樹脂含浸した第3繊維束を巻回する工程である。第3繊維束は、第1繊維束50と同様に、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含んで構成される。
第2繊維束と第3繊維束とは、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率が、第3繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きくなるように、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とが混合されて形成される。これにより、樹脂含浸した第3繊維束をマンドレル38に巻回中に、樹脂含浸した第2繊維束に含まれる含浸樹脂がマンドレル38側と反対側である表層側に染み出して流出した場合でも、第2繊維束に熱硬化性樹脂繊維54をより多く含ませることにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率低下を抑制できる。
第3繊維束が巻き付けられたボビン16は、繊維供給装置12にセットされる。そして、第3繊維束は、繊維供給装置12から所定の張力が負荷されて送り出される。第3繊維束は、樹脂含浸装置22によりエポキシ樹脂等で樹脂含浸される。樹脂含浸した第3繊維束は、フィラメントワインディング装置36で、樹脂含浸した第2繊維束が巻回されたマンドレル38に巻回されて積層される。
図4は、マンドレル38に第1繊維束50と、第2繊維束と、第3繊維束とを巻回して積層した積層体60を示す断面図である。積層体60は、第1層62と、第2層64と、第3層66とを含んで構成される。第1層62は、マンドレル38に樹脂含浸した第1繊維束50を巻回して形成された層であり、第2層64は、樹脂含浸した第2繊維束を巻回して形成された層であり、第3層66は、樹脂含浸した第3繊維束を巻回して形成された層である。第1繊維束50と第2繊維束と第3繊維束とは、いずれも所定の張力を負荷されてマンドレル38に巻回される。そのため、第1繊維束50に含浸された未硬化樹脂の一部が、第1層62から、第2層64または第3層66へ流動して流出し、第2繊維束に含浸された樹脂が、第2層64から第3層66へ流動して流出する。そして、積層体60は樹脂硬化炉等で加熱硬化され、繊維強化複合材料が成形される。
ここで、第1繊維束50に含まれる熱硬化性樹脂繊維54の含有率は、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率よりも大きいので、第1繊維束50に含浸された未硬化樹脂の一部が、第1層62から、第2層64または第3層66へ流動して流出した場合でも、硬化した第1層62の樹脂体積含有率の低下を抑えることができる。また、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維54の含有率は、第3繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率よりも大きいので、第2繊維束に含浸された樹脂の一部が、第2層64から第3層66へ流動して流出した場合でも、硬化した第2層64の樹脂体積含有率の低下を抑えることができる。そのため、積層体60を硬化して成形した繊維強化複合材料において、マンドレル38側における繊維強化複合材料の樹脂体積含有率低下が抑えられる。このように、各々繊維束に熱硬化性樹脂繊維を含ませて、熱硬化性樹脂繊維の含有率を調整することにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を制御することができる。
上記構成によれば、マンドレルに、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含む樹脂含浸した第1繊維束を巻回し、樹脂含浸した第1繊維束が巻回されたマンドレルに、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、第1繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率よりも小さい含有率を有する樹脂含浸した第2繊維束を巻回し、樹脂含浸した第2繊維束が巻回されたマンドレルに、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率よりも小さい含有率を有する樹脂含浸した第3繊維束を巻回して繊維強化複合材料を成形することにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を制御して、マンドレル側の樹脂体積含有率低下を抑えることができる。
次に、他の繊維強化複合材料成形方法について説明する。図5は、繊維強化複合材料成形方法を示すフローチャートである。繊維強化複合材料成形方法は、第1巻回工程(S20)と、第2巻回工程(S22)とを含んで構成される。なお、繊維強化複合材料成形方法には、上述した繊維強化複合材料成形装置10が使用される。
第1巻回工程(S20)は、マンドレル38に、樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シートとを巻回する工程である。図6は、マンドレル38に、樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シート72とを巻回する工程を示す模式図である。
補強繊維束には、炭素繊維、ガラス繊維またはアラミド繊維等が使用される。補強繊維束に含浸される樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂または不飽和ポリエステル樹脂等が使用される。
熱硬化性樹脂シート72には、エポキシ樹脂シート、フェノール樹脂シート、不飽和ポリエステル樹脂シート等が使用される。熱硬化性樹脂シート72は、シート状の材料に限定されることなく、例えば、テープ状の材料を用いることができる。熱硬化性樹脂シート72を形成する樹脂は、補強繊維束に含浸される樹脂と同種類の合成樹脂を用いることが好ましい。例えば、補強繊維束に含浸される樹脂にエポキシ樹脂を用いる場合には、熱硬化性樹脂シート72にはエポキシ樹脂シートを用いることが好ましい。
第2巻回工程(S22)は、樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シート72とが巻回されたマンドレル38に、更に、樹脂含浸した補強繊維束70を巻回する工程である。樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シート72とが巻回されたマンドレル38に、更に、樹脂含浸した補強繊維束70が巻回されて積層される。
図7は、マンドレル38に、樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シートとを巻回した後、更に、樹脂含浸した補強繊維束70を巻回して積層した積層体80を示す図であり、図7(A)は、X−X方向における積層体80の断面図であり、図7(B)は、Y−Y方向における積層体80の断面図である。積層体80は、第1層82と第2層84とを含んで構成される。第1層82は、マンドレル38に、樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シート72とを巻回して形成された層であり、第2層84は、更に、樹脂含浸した補強繊維束70を巻回して形成された層である。樹脂含浸した補強繊維束70と、熱硬化性樹脂シート72とは、いずれも所定の張力を負荷されてマンドレル38に巻回される。そのため、第1層82における補強繊維束に含浸された未硬化樹脂の一部が、第1層82から第2層84へ流動して流出する。そして、積層体80は樹脂硬化炉等で加熱硬化され、繊維強化複合材料が成形される。
ここで、第1層82には熱硬化性樹脂シート72が含まれているので、補強繊維束に含浸された未硬化樹脂の一部が第1層82から第2層84へ流動して流出した場合でも、硬化した第1層82における樹脂体積含有率低下を抑えることができる。そのため、積層体80を硬化して成形した繊維強化複合材料において、マンドレル38側における繊維強化複合材料の樹脂体積含有率低下が抑えられる。このように、樹脂含浸した補強繊維束70と熱硬化性樹脂シート72とを合わせて巻回することにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を制御することができる。
上記構成によれば、マンドレルに、樹脂含浸した補強繊維束と熱硬化性樹脂シートとを巻回し、樹脂含浸した補強繊維束と熱硬化性樹脂シートとが巻回されたマンドレルに、樹脂含浸した補強繊維束を巻回して繊維強化複合材料を成形することにより、繊維強化複合材料の樹脂体積含有率を制御して、マンドレル側における繊維強化複合材料の樹脂体積含有率低下を抑えることができる。
本発明の実施の形態において、繊維強化複合材料成形装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、繊維強化複合材料成形方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、第1繊維束の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、マンドレルに第1繊維束と、第2繊維束と、第3繊維束とを巻回して積層した積層体を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、繊維強化複合材料成形方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、マンドレルに樹脂含浸した補強繊維束と熱硬化性樹脂シートとを巻回する工程を示す模式図である。 本発明の実施の形態において、マンドレルに、樹脂含浸した補強繊維束と、熱硬化性樹脂シートとを巻回した後、更に、樹脂含浸した補強繊維束を巻回して積層した積層体を示す図である。
符号の説明
10 繊維強化複合材料成形装置、12 繊維供給装置、14 繊維束、16 ボビン、18 繊維張力調整装置、20 繊維張力測定装置、22 樹脂含浸装置、24 樹脂槽、26 樹脂含浸ローラ、28 第1テンションローラ、30 第2テンションローラ、34 樹脂含浸した繊維束、36 フィラメントワインディング装置、38 マンドレル、40 制御装置、42 データロガ、50 第1繊維束、52 補強繊維、54 熱硬化性樹脂繊維、60、80 積層体、62、82 第1層、64、84 第2層、66 第3層、70 樹脂含浸した補強繊維束、72 熱硬化性樹脂シート。

Claims (2)

  1. 樹脂含浸した繊維束を巻回部材に巻回することにより繊維強化複合材料を成形する繊維強化複合材料成形方法であって、
    巻回部材に、樹脂含浸した第1繊維束を巻回する第1巻回工程と、
    樹脂含浸した第1繊維束が巻回された巻回部材に、樹脂含浸した第2繊維束を巻回する第2巻回工程と、
    を備え、
    第1繊維束と第2繊維束とは、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、
    第1繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率は、第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きいことを特徴とする繊維強化複合材料成形方法。
  2. 請求項1に記載の繊維強化複合材料成形方法であって、
    樹脂含浸した第2繊維束が巻回された巻回部材に、樹脂含浸した第3繊維束を巻回する第3巻回工程を備え、
    第3繊維束は、補強繊維と熱硬化性樹脂繊維とを含み、
    第2繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率は、第3繊維束に含まれる熱硬化性樹脂繊維の含有率より大きいことを特徴とする繊維強化複合材料成形方法。
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