JP2018069645A - フィラメントワインディング成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、簡便かつ安価に、フィラメントワインディング(FW)成形品に生じる空隙を低減させることが可能なFW成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法は、液状の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻芯に巻き付けることにより、繊維強化樹脂層を形成して成形品中間体を準備する工程(a)と、前記の成形品中間体を5℃〜35℃の温度で保持し、前記の熱硬化性樹脂を流動させる工程(b)と、前記の成形品中間体を加熱して、前記の熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)とを備えてなるフィラメントワインディング成形品の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィラメントワインディング(以下、「FW」と称することがある。)成形品の製造方法に関するものである。詳しくは、本発明は、強化繊維パッケージから強化繊維束(以下、「強化繊維」と称することがある。)を解舒して、樹脂を含浸させながら巻芯に巻き取り、硬化させるFW成形法による成形品の製造方法に関するものである。
従来、FW成形法は、圧力容器、ロール、プロペラシャフト、フライホイール、釣竿およびゴルフクラブシャフトをはじめ、航空宇宙用途、レジャー用途および一般産業用途などに広く使用されており、その優れた成形性および成形品の機械特性の高さが認められている。特に、近年では、天然ガス自動車や燃料電池車の燃料を充填することを想定した圧力容器用途に注目が集まっている。このような圧力容器は、その使用において、従来に比して高い圧力に曝されるものであり、FW成形品の強度に対する要求が高まっている。
ここで、FW成形法では、樹脂が含浸された繊維が積層されて成る繊維強化樹脂層に気泡が入り込み、樹脂が硬化した際に、空隙として残ってしまうという課題があった。この空隙は、FW成形品の強度を低下させることが一般に知られている。
このような空隙の発生を抑制することができる方法として、例えば、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻き付けて容器中間体を用意する工程、前記の容器中間体の周囲を減圧する工程、前記の減圧により空気が除かれた空間に樹脂を流動させる工程、および前記の中間体を加熱硬化する工程を備えてなる圧力容器の製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。
また別に、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻き付けて容器中間体を用意する工程と、前記の中間体を加熱硬化しつつ気泡抑制処理を複数の段階で実行する工程を備えてなる圧力容器の製造方法が開示されている(特許文献2参照。)。具体的には、前記の気泡抑制処理は、熱硬化性樹脂の粘度変化に合わせて実行される外力付与、回転速度制御、液体噴射、溶剤塗布、および樹脂溶液塗布等として実行される。
また、特許文献3では、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻き付けて容器中間体を用意する工程と、前記の中間体を加熱硬化する工程を備え、前記の加熱硬化工程は、熱硬化性樹脂の粘度を低下させ、かつ熱硬化性樹脂のゲル化時間が加熱硬化工程に含まれるように加熱方法が制御される圧力容器の製造方法が提案されている(特許文献3参照。)。
特開2015―110307号公報 再表2013/057753号公報 特開2016−107408号公報
しかしながら、上記の従来の提案では、空隙を低減するために特別な設備や、加熱硬化工程における複雑な処理と制御を要し、FW成形品のコストが増大するという課題があった。
そこで本発明の目的は、簡便かつ安価に、FW成形品に生じる空隙を低減させることが可能なFW成形品の製造方法を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決せんとするものであって、本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法は、液状の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻芯に巻き付けることにより、繊維強化樹脂層を形成して成形品中間体を準備する工程(a)と、前記の成形品中間体を5℃〜35℃の温度で保持し、前記の熱硬化性樹脂を流動させる工程(b)と、前記の成形品中間体を加熱して、前記の熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)とを備えてなることを特徴とするフィラメントワインディング成形品の製造方法である。
本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法の好ましい態様によれば、前記の工程(b)において、前記の成形品中間体が回転しつつ保持されていることである。
本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法の好ましい態様によれば、前記の工程(b)が、前記の熱硬化性樹脂のゲル化時点までに完了され、前記の熱硬化性樹脂の粘度が0.01mPa・s以上VmPa・s以下の状態を、ある時間T以上ゲル化時間以下保持する過程を含み、前記の時間Tが前記の粘度Vに応じて決定されることである。
本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法の好ましい態様によれば、前記の粘度Vは4000mPa・であり、前記の時間Tは90分であることである。
本発明によれば、熱硬化前の成形品中間体を保持することのみによって繊維強化樹脂層に入り込んだ気泡の少なくとも一部を除去することができ、簡便かつ安価に、FW成形品に生じる空隙を低減させることが可能なFW成形品を得ることができる。
図1は、本発明に係るFW成形品の製造方法を説明する工程図である。 図2は、FW成形品中間体の保持時間と、液状熱硬化性樹脂の粘度および繊維強化樹脂層に残留する気泡の量の関係を示す図である。G110は、FW成形品中間体の保持時間と、液状熱硬化性樹脂の粘度の関係をプロットしたグラフである。G120は、FW成形品中間体の保持時間と、繊維強化樹脂層に残留する気泡の量の関係をプロットしたグラフである。 図3は、FW成形品中間体の保持時間とFW成形品の空隙率の関係を示す図である。G210は、FW成形品中間体の保持時間とFW成形品の空隙率の関係をプロットしたグラフである。
次に、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るフィラメントワインディング成形品の製造方法を説明する工程図である。
図1において、本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法は、液状の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻芯に巻き付けることにより、繊維強化樹脂層を形成して成形品中間体を準備する工程(a)と、前記の成形品中間体を常温で保持し、前記の熱硬化性樹脂を流動させる工程(b)と、前記の工程(b)の後、前記の成形品中間体を加熱して、前記の熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)によって構成される。本発明において、常温とは、5℃〜35℃の範囲の温度のことをいうものとする。
ここで、本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法において用いられる樹脂と繊維について説明する。
本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法において用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、およびメラミン樹脂等が挙げられる。好ましくは、接着強度の高さからエポキシ樹脂が用いられるが、液状熱硬化性樹脂であれば、使用する樹脂は特に制限されない。
用途に応じてあらゆる種類の液状熱硬化性樹脂を用いることが可能であるが、プロセスへの適合性の観点から、調製後1分経過時の20℃における粘度が0.01〜5000mPa・sの樹脂が好ましく用いられる。ここで、粘度はJIS Z 8803(2011)に記載の円すい―板形回転粘度計による粘度測定によって測定するものとする。
また、本発明のフィラメントワインディング成形品の製造方法において用いられる繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維および炭化ケイ素繊維等が挙げられる。種々の強化繊維を単体または複数種の組合せで使用することが可能である。好ましくは、強度と剛性面の要求から、ガラス繊維、アラミド繊維炭素繊維が用いられる。
用途に応じてあらゆる種類の強化繊維を用いることが可能であるが、高強度を有する成形品を得られることから、JIS R 7601(1986)に記載の方法によるストランド引張試験における引張強度が3〜30GPaの炭素繊維が好ましく用いられる。
強化繊維の形態は、パッケージから引き出すことができれば、特に限定されるものではなく、クロスやロービングが好ましく用いられる。特に、高強度が要求される用途には、強化繊維が単一方向に引き揃えられたロービングを使用することが特に好ましい態様である。
成形品中間体を準備する工程(a)では、上記のような繊維を引き出し、樹脂に浸含させ、その後巻芯に巻き取る。樹脂含浸の方法としては、繊維をパッケージから巻き出して、巻芯に巻き取るまでの間繊維が走行する任意の領域において、樹脂を連続的に繊維に含浸させることが好ましい態様である。特に、表面に樹脂が連続供給されるロールに繊維を接触させながら走行させる方法や、樹脂が満たされた容器中で繊維を走行させる方法が好適に用いられる。
繊維を巻き取る巻芯は、FW成形品の用途に応じて自由に選択することができる。例えば、中空パイプ部材の製造においては、成形品を硬化させた後に脱芯が可能な円筒状の巻芯や、加熱等によって溶融させることにより、脱芯が可能な各種形状の巻芯等が使用可能である。圧力容器の製造においては、所定の収容物に対するシール性が確保された金属製あるいは樹脂製の巻芯(ライナーとも呼ばれる。)等が使用可能である。
繊維を巻芯に巻き取る方法としては、成形性や成形品の機械特性等の観点から、巻芯に対して相対的に自由に動かすことが可能なヘッド部より繊維を供給し、FW成形品の要求性能を満たすように繊維を配置することが好ましい。
成形品中間体を常温で保持する工程(b)では、前記の成形品中間体が常温で保持されることによって、少なくとも工程の一部において、樹脂が流動性を有した状態が保たれる。樹脂の流動が可能な状態において、前記の工程(a)で前記の繊維強化樹脂層に入り込んだ気泡は、気泡に働く浮力や、繊維を巻芯に巻きまわした際に繊維に残留した張力に起因する巻き締まり等によって、前記の繊維強化樹脂層の表層に表出する。したがって、前記の中間体を常温で保持することにより、繊維強化樹脂層中の気泡の少なくとも一部を除去し、フィラメントワインディング成形品に残留する空隙を低減することができる。
前記の成形品中間体の保持は、前記の成形品中間体の巻芯軸を回転中心として、回転させながら行うことができる。これにより、流動性を有する樹脂が重力によって滴り、脱落することを防止できる。樹脂の脱落は、FW成形品のVfを上昇させ、製品性能を悪化させる恐れがある。また、脱落した樹脂は多くの場合廃棄され、製品歩留まりが悪化する。保持中に前記中間体を回転させることによって、樹脂の脱落による影響を排除することができる。
図2は、FW成形品中間体の保持時間と、液状熱硬化性樹脂の粘度および繊維強化樹脂層に残留する気泡の量(気泡の残量)の関係を示す図である。熱硬化性樹脂は、図2(a)のグラフG110に示すように、常温環境下であっても徐々に粘度を増し、一定時間経過後ゲル状態に至る。ゲル状態では、前記の熱硬化性樹脂の流動性が失われるため、ゲル化後に前記の成形品中間体を常温で保持しようとも、前記の繊維強化樹脂層中の気泡は除去されず、空隙は低減されない。したがって、前記の熱硬化性樹脂のゲル化時点までに前記の成形品中間体の保持を完了することにより、空隙低減の効果が得られない無駄な工程時間を削減することが可能であり、結果として、一層低コストでFW成形品を製造することが可能となる。本発明の目的のうちの一つが、安価にFW成形品を製造する方法を提供することであるから、前記の成形品中間体の保持は、前記の熱硬化性樹脂のゲル化時点までに完了されることが好ましい。
また、前記の繊維強化樹脂層から気泡が除去される速度は、図2(b)のグラフG120に示すように、時間経過に応じて減少する。この原因として、時間経過により前記の熱硬化性樹脂の粘度が増加することや、大きな気泡等除去されやすい気泡は速やかに除去済みとなること、十分な時間の経過により除去され得る全気泡の除去が完了すること(この場合、以降気泡除去速度は0となる。)等が挙げられる。したがって、気泡除去速度が大きく空隙低減効果が高い間は、前記の成形品中間体の保持を継続することが好ましい。気泡除去速度は前記の熱硬化性樹脂の粘度に依存するため、前記の成形品中間体を保持する最小の時間は、前記の熱硬化性樹脂の粘度に応じて決定されることが好ましい。
具体例として、好ましくは、前記熱硬化性樹脂の粘度が0.01mPa・s以上V以下の状態をある時間T以上ゲル化時間以下保持する過程を含み、時間Tが粘度Vに応じて決定される方法が挙げられ、より好ましくは、前記の熱硬化性樹脂の種類および使用環境によって定まる粘度上昇履歴に応じて、前記の最小保持時間が決定される方法が挙げられる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、成形品中間体の保持によって、フィラメントワインディング成形品の空隙率が図3のグラフに従って減少することを見出した。ここで、空隙率は、フィラメントワインディング成形品の断面画像を解析することにより算出することができる(具体的手法は、実施例に記載する。)。
図3は、FW成形品中間体の保持時間とFW成形品の空隙率の関係を示す図である。図3のグラフG210に示すとおり、空隙率は、前記の成形品中間体の保持により、保持時間が90分までの範囲で著しく減少し、以降一定となった。90分経過時の前記の熱硬化性樹脂の粘度は、高くとも4000mPa・sであった。この結果から、前記の成形品中間体を保持する工程は、前記の熱硬化性樹脂の粘度が0.01mPa・s以上4000mPa・s以下の状態を90分以上ゲル化時間以下保持する過程を含むことが好ましい態様である。ここで、前記の熱硬化性樹脂の粘度は、より好ましくは、0.01mPa・s以上2000mPa・s以下であり、さらに好ましくは0.01mPa・s以上1000mPa・s以下である。また、前記の保持時間は、より好ましくは120分以上ゲル化時間以下である。
前記の中間体の保持工程において、保持時間の最小値は、粘度に加えて前記の繊維強化樹脂層の最厚部の厚さに応じて決定されることが一層好ましい。これは、前記の繊維強化樹脂層の厚さが相対的に小さい場合、相対的に大きい場合に比べ、前記の巻芯近くに存在する気泡が、前記の繊維強化樹脂層の表層まで短時間で表出することができ、前記の成形品中間体の保持によって除去可能な全気泡が除去されるまでに要する時間が短いためである。したがって、前記の繊維強化樹脂層の最厚部の厚さが小さい場合、保持時間を短くすることにより、一層効率的に空隙低減の効果を得ることができる。
前記の成形品中間体の保持において、保持温度は常温であるが、好ましくは常温の範囲内であって、熱硬化性樹脂の種類および使用条件に応じて定まる任意の温度±5℃とすることができる。前記の温度±5℃の範囲が常温の範囲を超過するとき、超過分は切り捨てるものとする。熱硬化性樹脂は、種類および使用条件によっては、温度が高い場合、樹脂のゲル化が速やかに進行し、十分な樹脂流動時間を確保できない恐れがある。また、温度が低い場合、樹脂の粘度が低下し、温度が高い場合に比べて、同程度の空隙低減効果を得るために、多くの時間を要する恐れがある。したがって、保持温度は常温であれば特に制限されるものではないが、使用する熱硬化性樹脂の種類や使用条件に応じて決定される範囲であることが好ましい。
熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)では、常温保持後の前記の成形品中間体を加熱し前記の熱硬化性樹脂を熱硬化させるが、その方法は限定されず、ヒーターや誘導加熱コイル等任意の方法を用いて加熱することができる。加熱中は、前記の成形品中間体を回転させつつ保持することができる。前記の成形品中間体を回転保持することにより、樹脂の脱落を防止することができる。
成形品中間体を準備する工程(a)、成形品中間体を常温で保持する工程(b)、および熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)は、実施する場所を限定されない。すなわち、工程(a)と工程(b)の間で前記の成形品中間体を移動させてもよく、移動させずに連続して工程を実施することもでき、また、工程(b)と工程(c)の間で前記中間体を移動させてもよく、移動させず連続して工程を実施することができる。さらに、工程(b)と工程(c)の間で前記の成形品中間体を移動させる場合、移動させる場所は、工程(a)が行われた場所で行うこともできる。
本発明で得られるフィラメントワインディング成形品は、圧力容器、ロール、プロペラシャフト、フライホイール、釣竿およびゴルフクラブシャフトをはじめ、航空宇宙用途、レジャー用途および一般産業用途に広く用いることができる。特に、強度が求められる圧力容器等の用途に好適に用いることができる。
次に、実施例によって、本発明のフィラメントワインディング成形品製造方法について具体的に説明する。
[実施例1]
(1)液状熱硬化性樹脂組成物:
・エポキシ主剤[A]:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(“jER”(登録商標)828 (三菱化学(株)製))
・硬化剤[B]:ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシルアミン、ポリプレピレングリコールの混合物(“ARADUR”(登録商標)3486 (ハンツマンジャパン(株)製))。
(2)液状熱硬化性樹脂組成物の調製:
25℃の温度で、エポキシ主剤[A]、硬化剤[B]を100:32の質量比で混合し、樹脂組成物を得た。
(3)繊維の巻き付け:
フィラメントワインディング成形装置に、ライナーを模した外径146mm、全長250mmの円筒状の巻芯を設置し、当該巻芯に対し、前記の樹脂組成物の入った樹脂を東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700SC−12Kの糸束1本に含浸させながら給糸した。巻芯の軸方向に対して、±83°の巻き角度で幅60mmの範囲に巻き付け、厚さ1mm積層し、成形品中間体を用意した。
(4)成形品中間体の保持:
繊維巻き付け後、前記中間体を速度7rpmで回転させつつ20℃環境下で15分間保持した。保持開始時、樹脂の粘度は、1100mPa・sであった。
(5)熱硬化処理:
前記保持後、前記の成形品中間体を80℃の温度で2時間、110℃の温度で4時間加熱し、前記の樹脂を硬化させた。
(6)空隙率の算出:
上記の手順で得られた成形品の繊維強化樹脂層から、前記の巻芯の軸方向20mmと、円周方向10mmの大きさでサンプルを切り出し、前記円周方向と直交する方向の断面写真を取得した。断面写真は、まず、断面を研磨機(リファインテック(株)製)を用いて研磨し、その後、光学顕微鏡((株)キーエンス製)を用いて撮影した。断面写真に写った空隙の面積を数え上げ、次の式を用いて空隙率を算出した。
・空隙率(%)=断面写真中の空隙の面積(mm)/断面写真全体の面積(mm)×100。
算出の結果、空隙率は3.7%であった。結果を、表1に示す。
[実施例2]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、前記の成形品中間体を40分保持した。結果を、表1に示す。
[実施例3]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、前記の成形品中間体を50分保持した。結果を、表1に示す。
[実施例4]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、前記の成形品中間体を90分保持した。90分経過時の樹脂粘度は2200mPa・sであった。結果を、表1に示す。
[実施例5]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、前記の成形品中間体を260分保持した。結果を、表1に示す。
[実施例6]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、前記の成形品中間体を460分保持した。結果を、表1に示す。
[比較例1]
上記の(4)「成形品中間体の保持」において、成形品中間体の保持を行わず、ただちに上記の(5)「熱硬化処理」を開始した。結果を、表1に示す。
Figure 2018069645
表1は、上記の実施例ならびに比較例を要約したものである。表1に示すとおり、フィラメントワインディング成形品中間体を常温で保持した場合、空隙率が低下した。
G110:FW成形品中間体の保持時間と、液状熱硬化性樹脂の粘度の関係をプロットしたグラフである。
G120:FW成形品中間体の保持時間と、繊維強化樹脂層に残留する気泡の量の関係をプロットしたグラフである。
G210:FW成形品中間体の保持時間とFW成形品の空隙率の関係をプロットしたグラフである。

Claims (4)

  1. 液状の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を巻芯に巻き付けることにより、繊維強化樹脂層を形成して成形品中間体を準備する工程(a)と、前記成形品中間体を5℃〜35℃の温度で保持し、前記熱硬化性樹脂を流動させる工程(b)と、前記成形品中間体を加熱して、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる工程(c)とを備えてなることを特徴とするフィラメントワインディング成形品の製造方法。
  2. 工程(b)において、成形品中間体が回転しつつ保持されることを特徴とする請求項1記載のフィラメントワインディング成形品の製造方法。
  3. 工程(b)が、熱硬化性樹脂のゲル化時点までに完了され、前記熱硬化性樹脂の粘度が0.01mPa・s以上VmPa・s以下の状態を、ある時間T以上ゲル化時間以下保持する過程を含み、前記時間Tが前記粘度Vに応じて決定されることを特徴とする請求項1または2記載フィラメントワインディング成形品の製造方法。
  4. 粘度Vが4000mPa・sであり、時間Tが90分であることを特徴とする請求項3記載のフィラメントワインディング成形品の製造方法。
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