JP2013206674A - 円筒形アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒形アルカリ蓄電池において、充放電サイクル寿命特性を低下させることなく短絡を防止するできる電極群構成を提供する。
【解決手段】帯状の正極板1と負極板2とをセパレータを介して捲回した電極群と電解液とこれらを内装する電池ケース4から構成される円筒形アルカリ蓄電池において、上記電極群として正極板1の外面と負極板2の内面との間に配置される第1のセパレータ9と、正極板1の内面と負極板2の外面との間に配置される第2のセパレータ10と、電極群の巻き終わり側の正極板1と負極板2との間に配置され保液率が第1のセパレータ9および第2のセパレータ10の保液率より小さい第3のセパレータ11を配置したことを特徴とする構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒形アルカリ蓄電池に関し、さらに詳しくはセパレータの改良に関する。
円筒形アルカリ蓄電池は、携帯型端末、デジタルスチルカメラなどのポータブル電子機器、ハイブリッド自動車、バックアップ機器などの電源として広く用いられている。
円筒形アルカリ蓄電池は、電池ケース、電極群、封口板、正極リード、絶縁リングなどから構成されている。電池ケースは、長手方向の一端部が開口する円筒形容器であり、その内部に電極群などを収容する。電極群は、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回することにより得られる捲回型電極群である。封口板は、電池ケースの開口を封口する。正極は三次元網目構造を有する導電性基板に水酸化ニッケルのような活物質を含む合剤が充填されている。正極リードは正極の導電性基板に溶接などにより固定され、電極群の正極板と封口板とを導通させる。負極板はパンチングメタルのような導電性基板に水素吸蔵合金を含む合剤が塗着されている。セパレータはポリプロピレンなどを主体とした絶縁性の不織布やシートを用い正極と負極を絶縁するとともに正負極間の反応を媒体する電解液を保持している。絶縁リングは、電池ケース内において、電極群と封口板との間に装着され、主に電池ケースと電極群および正極リードとを絶縁保護する。
この種の円筒形アルカリ蓄電池においては短絡を防止する目的でさまざまな提案がなされている。例えば、電極群の捲回時に、正極板のばりやクラックにより正極板と負極板が短絡するのを防止するために、正極板の外面と負極板の内面との間に配置されるセパレータの内面に補助セパレータを介在させる構成をとることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−56676号公報
しかしながら、従来の構成の電池では短絡防止目的の補助セパレータを含むセパレータ全体にわたり均一に保液性をもっているために、この補助セパレータも、他の部分のセパレータと同等に電解液を保持してしまう。電池内に注液できる電解液量の上限は電池ケースの内容積と電極群材料体積および絶縁リングなどの内蔵部品の体積により決まっており、補助セパレータにも同等に電解液が保持される分、その他の部分のセパレータで保持できる電解液量は相対的に少なくなってしまう。その結果、充放電を繰り返す中で劣化する正極板や負極板の活物質に電解液が取り込まれることで、正負極板間のセパレータ中に存在する電解液が減少し、電池寿命が十分に確保できなくなってしまうという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するものであり、短絡を防止しかつ充放電サイクル寿命性能の高い円筒形アルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の円筒形アルカリ蓄電池は、帯状の正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した電極群と電解液とこれらを内装する電池ケースから構成さ
れる円筒形電池において、上記電極群の正極板の外面と負極板の内面との間に配置される第1のセパレータと、正極板の内面と負極板の外面に配置される第2のセパレータと、電極群の巻き終わり側の正極板と負極板との間に配置され保液率が第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率より小さい第3のセパレータを配置したことを特徴とする。第1のセパレータおよび第2のセパレータより保液率の小さい第3のセパレータを配置することで、反応に必要な電解液の最外周部分への偏在をなくし、正極板と負極板の間の全域に介在させることが可能となる。
本発明の円筒形アルカリ蓄電池は、電極群の正極板の外面と負極板の内面との間に配置される第1のセパレータと、正極板の内面と負極板の外面に配置される第2のセパレータと、電極群の巻き終わり側の正極板と負極板との間に配置され保液率が第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率より小さい第3のセパレータを配置することにより、最外周部分における正極板のばりやクラックによる短絡を抑制することができ、なおかつ第3のセパレータへの電解液の保液を抑制することで正負極の極板間のセパレータ全体にわたり電解液が保持されるため、充放電のくり返しを行った場合に正極板および負極板間のセパレータ中の電解液枯渇が起こりにくい。したがって、本発明の円筒形アルカリ蓄電池は短絡の発生が少なく、かつ充放電サイクル寿命性能に優れた特徴を有している。
本発明の円筒形アルカリ蓄電池の構成を示す一部切欠斜視図 本発明の一実施の形態である電極群の構成を簡略化して示す平面図 本発明の一実施の形態である電極群の構成を簡略化して示す平面図 巻き終わり部分の電極群の構成の一形態を示す拡大図 巻き終わり部分の電極群の構成の一形態を示す拡大図
本発明における第1の発明は、帯状の正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した電極群と電解液とこれらを内装する電池ケースから構成される円筒形アルカリ蓄電池において、上記電極群として正極板の外面と負極板の内面との間に配置される第1のセパレータと、正極板の内面と負極板の外面との間に配置される第2のセパレータと、電極群の巻き終わり側の正極板と負極板との間に配置され保液率が第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率より小さい第3のセパレータを配置したことを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池である。この構成によれば、最外周部分における正極板のばりやクラックによる短絡を抑制することができる。また、第3のセパレータへの電解液の保液を抑制することで正負極の極板間のセパレータ全体にわたり電解液が保持されるため、充放電のくり返しを行った場合に正極板および負極板間のセパレータ中の電解液の枯渇が生じにくく、充放電サイクル寿命性能を向上させることができる。
本発明における第2の発明は、第3のセパレータの保液率を第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率の半分以下としたことを特徴とする。第3のセパレータの保液率を、第1のセパレータおよび第2のセパレータの半分以下にすることで、第3のセパレータにおける過剰な電解液保持を抑制し、電極群全体に偏在なく電解液を配置することが可能となる。
本発明における第3の発明は、第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率を100としたとき、前記第3のセパレータの保液率を20〜50としたことを特徴とする。第3のセパレータの保液率を50(半分)以下とすることで過剰な電解液保持を抑制し、より良好なサイクル寿命特性を得ることができるが、保液率が少なすぎると第3のセパレータの存在する部分において反応の抵抗となり高率放電特性が影響を受けてしまうので好
ましくない。そのため第3のセパレータの保液率は20〜50の範囲とすることがより好ましい。
本発明における第4の発明は、第3のセパレータを電極群の最外周1ターン分の長さとしたことを特徴とする。電極群捲回時、電極群が電池ケースに挿入できる直径を越えないように加圧ローラーにて押さえ込みながら捲回されていく。捲回が巻き終わりに近くなるにつれて電極群径を押さえ込むために加圧が強くかけられていく。そのため最外周部分のセパレータは圧縮が強くかけられこの部分での正極板と負極板の短絡発生が多くみられる。第3のセパレータを最外周1ターン分の長さとすることで、この最外周部分で発生する短絡を防止することが可能となる。但し第3のセパレータの長さが1ターン分を若干超えても構わないが、電極群の内周部分にさらに1/4ターン分以上入ってくる構成をとると電極群の群径が大きくなり電極群を電池ケースに挿入するのが困難となるので好ましくない。
本発明における第5の発明は、第3のセパレータを、前記第1のセパレータの外面と負極板の内面との間に配置したことを特徴とする。充電時の電極板膨潤などにより正極板の近傍の電解液がより消費されやすくなる。そのため保液率の小さい第3のセパレータを第1のセパレータの外面と負極板の内面との間に配置することにより、正極板近傍の電解液の偏在を抑制し、より良好なサイクル寿命性能を得ることが可能となる。
以下添付の図面を参照して、本発明の一実施形態の円筒形アルカリ蓄電池を説明する。図1に示したように、本発明の円筒形アルカリ蓄電池は、長手方向の一端部が開口する円筒形の電池ケース4を備え、その内部に正極板1、負極板2、第1のセパレータ9、第2のセパレータ10、第3のセパレータ11からなる電極群と電解液などを収容する。電池ケース4は導電性を有し負極端子として機能する。封口板6は中央にゴム製またはばね製の安全弁7を備えており、絶縁性樹脂パッキンを介して電池ケース4の開口部に固定されている。正極リード8は正極板1の導電性基板に溶接などにより固定され、電極群の正極板1と封口板6とを導通させる。絶縁リング5は、電池ケース4内において、電極群と封口板6との間に装着され、主に電池ケース4と電極群および正極リード8とを絶縁保護する。底部絶縁板3は電池ケース4の底面に配置され、電極群を絶縁保護する。
正極板1は三次元網目構造を有する導電性基材に正極合剤が充填されている。正極合剤は例えば正極活物質、結着剤、増粘剤などからなる。
正極活物質としては特に限定されないが、コバルト、亜鉛等を固溶した水酸化ニッケル、またコバルト等を表面コートした水酸化ニッケルなどをあげることができる。
結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどがあげられる。
増粘剤としては正極合剤スラリーに粘性を付与できるもの、一例としては、カルボキシメチルセルロースおよびその変性体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。
正極合剤のスラリーを調合した後、三次元網目構造を有する導電性基材に充填、乾燥し、所定の加圧力およびギャップを有する圧延ロールに通して厚みを調整する。その後所定の寸法に裁断して、極板上端面の一部を超音波剥離などにより正極合剤を除去し、導電性を有する正極リード8を溶接する。
負極板2は導電性鋼板に周期的に開孔部を設けたパンチングメタル基材に負極合剤が塗着されている。負極合剤は、例えば負極活物質、導電剤、結着剤、増粘剤などからなる。
負極活物質としては、水素を吸蔵放出可能な水素吸蔵合金やカドミウムなどをあげることができる。
導電剤としては、電子伝導性を有する材料であること以外は特に限定されず、各種の電子伝導性材料を用いることができる。具体的には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類を用いることができる。
結着剤は水素吸蔵合金粉末や導電剤を集電体に結着させる役割を果たす。結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどがあげられる。
増粘剤としては負極合剤ペーストに粘性を付与できるもの、一例としては、カルボキシメチルセルロースおよびその変性体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどを用いることができる。
負極合剤ペーストを調合した後、パンチングメタルに塗着、乾燥し、所定の加圧力およびギャップを有する圧延ロールに通して厚みを調整する。その後所定の寸法に裁断する。
第1のセパレータ9、第2のセパレータ10は、ポリプロピレンとポリエチレンを原料とする繊維を交絡させた不織布またはシート状フィルムからなる。これらのセパレータとしては、目付け重量(単位面積あたりの重量)が、20g/mから100g/mに調整されたものがより好ましい。また、厚みは50μmから200μmに調整されたものがより好ましい。これらのセパレータは親水性を付与させるために親水化処理がほどこされている。セパレータに対する親水化処理としては、スルホン化処理、フッ素処理、プラズマ処理などがある。
図2および図3に示したように、電極群は、正極板1、負極板2、正極板1の外面と負極板2の内面との間に配置される第1のセパレータ9、正極板1の内面と負極板2の外面との間に配置される第2のセパレータ10を重ね合わせた状態で、中央部から外周に向かって渦巻状に捲回されている。
また正極板1の巻き終わりを含む最外周の一部または全部を覆う部分に第3のセパレータ11が配置されている。第3のセパレータ11は、ポリプロピレンとポリエチレンを原料とする繊維を交絡させた不織布またはシート状フィルムからなる。これらのセパレータとしては、目付け重量(単位面積あたりの重量)が、20g/mから100g/mに調整されたものがより好ましい。また、厚みは50μmから200μmに調整されたものがより好ましい。これらのセパレータは親水性を付与させるために親水化処理がほどこされている。セパレータに対する親水化処理としては、スルホン化処理、フッ素処理、プラズマ処理などがある。
この第3のセパレータ11は第1のセパレータ9および第2のセパレータ10より保液率が小さいことを特徴としている。第3のセパレータ11の保液率を第1のセパレータ9および第2のセパレータ10より小さくする方法としては、目付け重量および厚みを調整することで第3のセパレータ11の空孔率を第1のセパレータ9および第2のセパレータ
10の空孔率より小さくすることで可能となる。また、親水化処理時間や処理剤濃度を調整することでセパレータ上の親水基量をコントロールし、第3のセパレータ11の単位面積あたりの親水基量を第1のセパレータ9および第2のセパレータ10より少なくすることでも、保液率を小さくすることができる。
この構成によれば、最外周部分における正極板1のばりやクラックによる短絡を抑制することができる。また、第3のセパレータ11への電解液の保液を抑制することで正負極の極板間のセパレータ全体にわたり電解液が保持されるため、充放電のくり返しを行った場合に正極板1および負極板2間のセパレータ中の電解液の枯渇が生じにくく充放電サイクル寿命性能を向上させることができる。
図5に示したように、第3のセパレータ11は、第1のセパレータ9の内面に配置されていてもよいが、充電時の電極板膨潤などにより正極板の近傍の電解液がより消費されやすいため、図4に示したように第1のセパレータ9の外面に配置するほうが良好なサイクル寿命性能を得ることが可能となるためより好ましい。
またこれらの発明は、第1のセパレータ9、第2のセパレータ10および第3のセパレータ11以外にさらに補助セパレータを使用した構成をとった電池、例えば巻き始め部分や、捲回の途中部分に別の補助セパレータが追加された構成をとった電池においても、第1のセパレータ9、第2のセパレータ10および第3のセパレータ11として前記発明の構成を満たしていれば同様の効果を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示す円筒形アルカリ蓄電池を作製した。まず、コバルト化合物を表面コートした水酸化ニッケル(正極活物質)、ポリテトラフルオロエチレン(結着剤)、カルボキシルメチルセルロース(増粘剤)を水に分散させ、正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを、三次元網目構造を有する発泡ニッケル多孔体(導電性基板)に充填、乾燥し0.6mmの厚みに圧延した。圧延後、縦43mm、横95mmに切断し、正極リード8となるニッケル板を溶接し溶接部の表裏両面をポリプロピレン製絶縁テープにより被覆した。以上の構成により正極板1を得た。
一方、水素吸蔵合金(負極活物質)、カーボンブラック(導電剤)、スチレン−ブタジエンゴム共重合体微粒子(結着剤)およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤)を水に分散させ、負極合剤ペーストを調製した。このペーストをパンチングメタルに塗着し、0.3mmに圧延した。圧延後、縦43mm、横130mmの寸法に切断し負極板2を作製した。
セパレータはポリプロピレンとポリエチレンを原料とする繊維を交絡させた目付け重量55g/m、厚み0.12mm、幅46mmの不織布を使用した。保液率は以下に説明する方法で測定される。セパレータより縦30mm、横30mmの試験片を切り出す。試験片の重量(W)を測定した後、純水に1時間浸漬する。次いで、試験片を取り出し、この試験片の重量(W1)を測定し、下記(1)式により保液率を算出する。
保液率(%)={(W1−W)/W}×100 (1)
この不織布セパレータの保液率を測定したところ、保液率150%であった。
この不織布から長さ140mm(第1のセパレータ9)と125mm(第2のセパレー
タ10)の2枚のセパレータを切り出した。一方目付け重量45g/m、厚み0.05mm、幅46mmの不織布で、親水化処理を調整し保液率50%の不織布を準備し、ここから長さ10mmの第3のセパレータ11を切り出した。第3のセパレータ11を第1のセパレータ9の外面にそれぞれのセパレータの端面をそろえて超音波溶着した。これらのセパレータと上記で得られた正極板1と負極板2を巻芯を介して捲回し、図2に示すニッケル水素蓄電池の電極群を作製した。
この電極群を表面にニッケルめっきを施したAAサイズの鉄製の電池ケース4に収納した。この状態でポリプロピレン樹脂製の絶縁リング5を電極群の封口板6側端部に装着した。次いで、電池ケース4にその周方向に延びる幅1.2mmの環状溝部を形成し、電池ケース4内に水酸化カリウムと水酸化ナトリウムと水酸化リチウムの水溶液(電解液)を2.5g注入した。さらに、封口板6に正極リード8の他端を溶接接続した後、封口板6を電池ケース4の開口に装着し、電池ケース4の開口端部を封口板6に向けてかしめ付けることにより電池ケース4を封口した。
次いで0.19Aの電流で16時間充電した後、1.9Aの電流で40分間放電するサイクルを2回繰り返し、AAサイズの本発明の円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(実施例2)
第3のセパレータ11として保液率が75%の不織布を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明の円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(実施例3)
第3のセパレータ11として保液率が90%の不織布を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明の円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(実施例4)
第3のセパレータ11として保液率が50%の不織布を40mm使用し、図3に示すように電極群の最外周1ターン分を第3のセパレータ11で覆った以外は実施例1と同様にして、本発明の円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(実施例5)
第3のセパレータ11として保液率が50%の不織布を10mm使用し、図5に示すようにそれを第1のセパレータ9の内面に配置した以外は実施例1と同様にして、本発明の円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(比較例1)
第1のセパレータ9と第2のセパレータ10のみを使用した以外は実施例1と同様にして、円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(比較例2)
第3のセパレータ11として保液率が150%の不織布を使用した以外は実施例1と同様にして、円筒形ニッケル水素蓄電池(公称容量1.9Ah)を得た。
(評価項目1)
実施例1〜5および比較例1〜2の構成の電池について各2000個組立を実施し、そのときの短絡不良率を確認した。
(評価項目2)
実施例1〜5および比較例1〜2で得られた電池について、0.95Aの電流で−ΔV(5mV)の充電制御で充電した後、1.9Aの電流で1.0Vまで放電する充放電サイクル寿命試験を実施した。電池容量が初期の電池容量の60%になった段階を寿命と判定し、寿命にいたった充放電回数を測定した。
これらの試験結果を(表1)に示す。
まず評価項目1の短絡不良率の結果をみると第3のセパレータを使用している実施例1〜5、比較例2については、第3のセパレータを使用していない比較例1と比べて短絡不良率は半減以下になっている。また第3のセパレータを電極群の最外周1ターン分とした実施例4ではさらに短絡不良率を半減以下に抑制することができている。
次に評価項目2の結果をみると、第3のセパレータを使用していない比較例1に比べて、第1および第2のセパレータの保液率を100としたときの第3のセパレータの保液率の比率が100(同等)である比較例2においては、サイクル寿命特性の100サイクル以上の低下が見られる。これは第3のセパレータの保液率が高く電極群の巻き終わり近傍に過剰な電解液が保持され、相対的に電極群内周部分での電解液量が減少し、充放電サイクルを繰り返す中でセパレータ中の電解液の枯渇を引き起こしていると推定される。
これに対して第3のセパレータの保液率が第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率より小さい実施例1〜5においては良好なサイクル寿命特性を確保している。また第1および第2のセパレータの保液率を100としたときの第3のセパレータの保液率の比率が50(半分)以下である実施例1、2、4、5ではより良好なサイクル寿命特性を示している。さらに第3のセパレータの配置を第1のセパレータの内面に配置した実施例5よりも、第1のセパレータの外面に配置した実施例1のほうがより良好なサイクル寿命特性を確保している。これは充電時の電極板膨潤などにより正極板の近傍の電解液がより消費されやすく、保液率の小さい第3のセパレータを第1のセパレータの外面と負極板の内面との間に配置することにより正極板近傍の電解液の偏在を抑制することができているためと推測される。
なお本発明は、本実施例に限定されず、請求項1〜請求項5に記載される構成をとる円筒形アルカリ蓄電池では、同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、充放電サイクル性能に優れた円筒形アルカリ蓄電池が提供される。本発明の円筒形アルカリ蓄電池は、繰り返し使用される回数の多い、たとえば携帯用ゲーム機や音楽機器などの携帯機器用電源として好適に使用できる。
1 正極板
2 負極板
3 底部絶縁板
4 電池ケース
5 絶縁リング
6 封口板
7 安全弁
8 正極リード
9 第1のセパレータ
10 第2のセパレータ
11 第3のセパレータ

Claims (5)

  1. 帯状の正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した電極群と電解液とこれらを内装する電池ケースから構成される円筒形アルカリ蓄電池において、上記電極群として正極板の外面と負極板の内面との間に配置される第1のセパレータと、正極板の内面と負極板の外面との間に配置される第2のセパレータと、電極群の巻き終わり側の正極板と負極板との間に配置され保液率が第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率より小さい第3のセパレータを配置したことを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池。
  2. 前記第3のセパレータの保液率を第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率の半分以下としたことを特徴とする請求項1記載の円筒形アルカリ蓄電池。
  3. 前記第3のセパレータの保液率を、第1のセパレータおよび第2のセパレータの保液率を100としたとき、20〜50としたことを特徴とする請求項2記載の円筒形アルカリ蓄電池。
  4. 前記第3のセパレータは電極群の最外周1ターン分の長さとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒形アルカリ蓄電池。
  5. 前記第3のセパレータは、前記第1のセパレータの外面と前記負極板の内面との間に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の円筒形アルカリ蓄電池。
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