JP2013206355A - 貨幣処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な貨幣が一括収納される収納庫を有する構成において、当該収納庫の貨幣を使用することができ、かつ、入金処理および出金処理といった複数の処理を並行して行うことができる使い勝手のよい貨幣処理装置を提供すること。
【解決手段】貨幣処理装置1は、入金される紙幣Sを搬送するための入金系搬送路25と、入金系搬送路25により搬送されてくる紙幣Sを、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための入金用一括収納庫13と、入金用一括収納庫13とは別に設けられ、紙幣Sを、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための出金用一括収納庫14と、入金用一括収納庫13の取出口23から出金用一括収納庫14を経由して出金口35に至るように設けられた出金系搬送路36とを含む。
【選択図】図3

Description

この発明は、貨幣の入出金を行うことができる貨幣処理装置に関する。
従来より、銀行等の金融機関で使用され、貨幣の入出金を行うことができる貨幣処理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、紙幣入出金機が提案されている。この紙幣入出金機では、入金口に投入された紙幣は、入金経路を介してカートリッジ群に入金され、カートリッジ群から繰り出された紙幣は、出金経路を介して出金口に出金される。つまり、この紙幣入出金機では、入金口や入金経路等で構成された入金系と、出金口や出金経路等で構成された出金系とが分離して設けられているので、入金処理と出金処理とを並行して行うことができる。
また、紙幣入出金機には、損券(傷んだ紙幣)等であると判別された紙幣や、カートリッジ群の各カートリッジに入りきらなかった紙幣や、収納先のカートリッジが割り当てられていない金種の紙幣等を一括で収納するためのリジェクトカートリッジが設けられている。
特開平5−62046号公報
特許文献1の紙幣入出金機において、リジェクトカートリッジに収納された紙幣は、損券等の問題があるものでないとしても、出金に使用されることはなく、リジェクトカートリッジに収納されたままであるから、無駄がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、様々な貨幣が一括収納される収納庫を有する構成において、当該収納庫の貨幣を使用することができ、かつ、入金処理および出金処理といった複数の処理を並行して行うことができる使い勝手のよい貨幣処理装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、入金口に一端が臨み、前記入金口から入金される貨幣を搬送するための入金系搬送路と、前記入金系搬送路により搬送されてくる貨幣を、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための入金用一括収納庫と、前記入金用一括収納庫とは別に設けられ、貨幣を、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための出金用一括収納庫と、前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金用一括収納庫を経由して出金口に至るように設けられた出金系搬送路と、を含むことを特徴とする、貨幣処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記入金系搬送路と前記出金系搬送路とを、互いに独立的に、かつ、並列的に動作させる搬送路並列駆動制御手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記出金系搬送路に関連して設けられた貨幣包装装置と、前記出金系搬送路により前記出金用一括収納庫の貨幣を出金する際に、前記貨幣包装装置を駆動させ、出金する貨幣を包装貨幣にする出金貨幣包装制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の貨幣処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記出金貨幣包装制御手段は、前記貨幣包装装置へ搬送される貨幣が包装に適する貨幣か否かを判別するための第1の判別手段と、前記第1の判別手段が包装に適さないと判別したことに応答して、当該包装に適さないと判別された貨幣を前記出金系搬送路によって前記出金用一括収納庫へ戻すための第1の戻し制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記出金貨幣包装制御手段は、前記貨幣包装装置へ搬送される貨幣が包装に適する貨幣か否かを判別するための第1の判別手段と、前記第1の判別手段が包装に適さないと判別したことに応答して、当該包装に適さないと判別された貨幣を、前記出金系搬送路から前記入金系搬送路を経由して、前記入金用一括収納庫へ戻すための第2の戻し制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣処理装置である。
請求項6記載の発明は、前記包装に適する貨幣は、損券であることを特徴とする、請求項4または5記載の貨幣処理装置である。
請求項7記載の発明は、前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金系搬送路を通って取り出される貨幣が損券か否かを判別するための第2の判別手段を有し、前記第2の判別手段が、貨幣が損券と判別したことに応答して、前記出金系搬送路によって当該貨幣を前記出金用一括収納庫へ収納させる損券収納制御手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置である。
請求項8記載の発明は、前記入金系搬送路に関連して、入金貨幣判別手段が設けられており、前記入金貨幣判別手段が、前記入金系搬送路により搬送される入金貨幣が損券または指定された金種の貨幣であると判別したことに応答して、当該貨幣を前記入金用一括収納庫へ収納するように、前記入金系搬送路を駆動させる損券・指定金種貨幣の入金制御手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置である。
請求項9記載の発明は、前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金系搬送路を通って取り出される貨幣が損券か否かや指定された金種の貨幣であるか否かを判別するための第2の判別手段を有し、前記入金用一括収納庫に収納された貨幣を貨幣取出口から前記出金系搬送路により取り出す取出制御手段と、前記第2の判別手段が、貨幣が損券と判別したことに応答して、当該損券を前記出金用一括収納庫へ収納するように前記出金系搬送路を動作させる損券収納制御手段と、前記第2の判別手段が、貨幣が指定された金種の貨幣と判別したことに応答して、当該貨幣を、前記出金系搬送路から前記入金系搬送路を経由して前記入金用一括収納庫へ戻すように、前記出金系搬送路および入金系搬送路を駆動制御する戻し制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項8記載の貨幣処理装置である。
請求項1記載の発明によれば、貨幣処理装置では、入金系搬送路と出金系搬送路とが別々に設けられているので、入金口からの貨幣を入金する入金処理と、出金口へ貨幣を出金する出金処理とを並行して行うことができる。また、様々な貨幣が一括収納される一括収納庫が、入金用と出金用とで別々に(分割して)設けられており、出金系搬送路は、入金用一括収納庫の貨幣を、出金用一括収納庫を経由させて出金口まで搬送することができる。そのため、入金用一括収納庫の貨幣を、入金用一括収納庫が満杯になったとき等に出金用一括収納庫に移したり、出金口から出金させたりと様々に使用することができる。つまり、貨幣処理装置では、一括収納庫の貨幣を使用することができ、かつ、入金処理および出金処理といった複数の処理を並行して行うことができるので、使い勝手がよい。
請求項2記載の発明によれば、搬送路並列駆動制御手段によって、入金系搬送路での入金処理と出金系搬送路での出金処理とを並行して行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、入金処理と並行して、出金用一括収納庫の貨幣を包装貨幣にすることができる。
請求項4記載の発明によれば、包装に適さないと判別されて行き先がなくなった貨幣を出金用一括収納庫へ戻し、包装貨幣以外の用途(出金等)に用いることができる。
請求項5記載の発明によれば、包装に適さないと判別されて行き先がなくなった貨幣を入金用一括収納庫へ戻し、包装貨幣以外の用途(出金等)に用いることができる。
請求項6記載の発明にように、包装に適する貨幣は、損券であってもよい。
請求項7記載の発明によれば、入金用一括収納庫の損券を出金用一括収納庫に移すことができるので、入金用一括収納庫および出金用一括収納庫をうまく使い分けて、それぞれの収納庫における貨幣の収納量を適宜調整することができる。
請求項8記載の発明によれば、損券と、指定金種(たとえば取扱量の少ない金種)の貨幣とが入金用一括収納庫にまとめて収納されることから、損券用の収納庫と、指定金種用の収納庫とを別々に設けずに済むので、貨幣処理装置の大型化を抑制できる。
請求項9記載の発明によれば、入金用一括収納庫にまとめて収納された損券および指定金種の貨幣を一旦取り出して、損券を出金用一括収納庫へ収納し、指定金種の貨幣を入金用一括収納庫に戻すことによって、損券および指定金種の貨幣を分離することができるので、使い勝手が良い。
図1は、この発明の一実施形態に係る貨幣処理装置1の正面側の外観を示す斜視図である。 図2は、貨幣処理装置1におけるばら紙幣処理ユニット2の模式的な縦断面図である。 図3は、図2においての紙幣Sの流れを示した図である。 図4は、ばら紙幣処理ユニット2において行われる制御動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、図2において紙幣Sの流れを示した図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る貨幣処理装置1の正面側の外観を示す斜視図である。
図1に示す貨幣処理装置1は、たとえば、銀行等に設置される出納機である。
貨幣処理装置1は、ばら紙幣処理ユニット2と、包装紙幣処理ユニット3(貨幣包装装置)と、包装硬貨処理ユニット4と、ばら硬貨処理ユニット5とを含んでいる。これらの処理ユニットは、図1における左側から順に、包装紙幣処理ユニット3、ばら紙幣処理ユニット2、包装硬貨処理ユニット4、ばら硬貨処理ユニット5の順で配置されている。それぞれの処理ユニットは、対応する貨幣(硬貨または紙幣)の入出金処理を行う。ここで、ばら紙幣は、1枚毎に分離した状態の個々の紙幣を指していて、包装紙幣は、所定数毎にまとめられて帯封された紙幣(まとまった紙幣の束)を指している。同様に、ばら硬貨は、1枚毎に分離した状態の個々の硬貨を指していて、包装硬貨は、所定数毎にまとめられて包装された硬貨(硬貨のまとまりによって構成された棒状体)を指している。包装紙幣および包装硬貨は、所定数毎にまとめて包装された包装貨幣に含まれる。
貨幣処理装置1は、その上部に、貨幣処理装置1に所定の処理を実行させるために係員によって操作される操作部6と、必要な情報が表示される表示部7とを主に備えている。
図2は、貨幣処理装置1におけるばら紙幣処理ユニット2の模式的な縦断面図である。図3は、図2においての紙幣Sの流れを示した図である。
図2および図3において、左側がばら紙幣処理ユニット2の前側(正面側)であり、右側がばら紙幣処理ユニット2の後側である(後述する図5においても同様)。
図2を参照して、ばら紙幣処理ユニット2は、その筐体10内に、入金部11と、複数(ここでは3つ)の入金庫12と、入金用一括収納庫13と、出金用一括収納庫14と、複数(ここでは2つ)の整理一時保留部15と、入金リジェクト部16と、出金部17と、搬送機構18とを備えている。入金庫12と、入金用一括収納庫13と、出金用一括収納庫14とは別々に設けられている。
筐体10の正面上部には、シャッター19によって開閉される入金口20が形成されていて、入金部11が入金口20に臨むように配置されている。
複数の入金庫12は、前後方向(図2の左右方向)に並んで配置された縦長ボックス状であって、各入金庫12には、予め定められた金種のばら紙幣(以下では、単に「紙幣」という)Sが上下に積層された状態で収納される。たとえば、筐体10の正面側から順に、1番目の入金庫12には一万円札だけが収納され、2番目の入金庫12には五千円札だけが収納され、3番目の入金庫12には千円札だけが収納される。つまり、入金庫12は、3種類(一万円札、五千円札、千円札)の金種分しかないので、他の金種(取扱量の少ない金種であって、ここでは二千円札)専用の入金庫12は設けられていない。初期状態(貨幣処理装置1の運転開始時)の各入金庫12には、収納可能枚数の半分くらいの枚数の紙幣Sが収納されている。各入金庫12の底面には、入金庫12内の紙幣Sを下方へ取り出すための取出口21が形成されていて、取出口21には、入金庫12内の紙幣Sを取出口21経由で下から1枚ずつ繰り出すための出金繰出部22が連結されている。
入金用一括収納庫13は、たとえば、複数の入金庫12よりも後側に配置されている。入金用一括収納庫13は、縦長ボックス状であって、入金用一括収納庫13には、金種、正損(正券または損券)等にかかわらず、様々な種類(前述した二千円札等)の紙幣を一括して収納することができる。ここで、正券とは、折れや汚れ等がない紙幣のことであり、損券とは、折れや汚れ等がある傷んだ紙幣のことである。入金用一括収納庫13は、主に、損券用の収納庫と、二千円札の収納庫とを兼ねている。入金用一括収納庫13の底面には、入金用一括収納庫13内の紙幣Sを下方へ取り出すための取出口23(貨幣取出口)が形成されていて、取出口23には、入金用一括収納庫13内の紙幣Sを取出口23経由で下から1枚ずつ繰り出すための出金繰出部24が連結されている。
筐体10内において、入金庫12および入金用一括収納庫13のそれぞれと入金部11とは、紙幣Sを搬送する入金系搬送路25でつながっている。入金系搬送路25は、ばら紙幣処理ユニット2に含まれる。入金系搬送路25は、入金部11から延び、入金庫12および入金用一括収納庫13の手前で分岐して、対応する入金庫12または入金用一括収納庫13の上端に対して別々につながっている。入金部11と入金系搬送路25との間には、入金部11内の紙幣Sを1枚ずつ繰り出して入金系搬送路25へ送り込むための入金繰出部26が介在されている。入金系搬送路25において入金繰出部26に連結された一端25Aは、入金繰出部26を介して入金部11および入金口20に臨んでいる。
入金系搬送路25の途中には、紙幣Sの金種、正損、真偽等を識別する入金識別部27が設けられている。ここで、入金識別部27による識別結果として、紙幣Sは、リジェクト紙幣と、正券と、損券とに分類される。リジェクト紙幣とは、紙幣Sと識別されなかったものであり、斜行状態や重送状態で入金識別部27を通過したために入金識別部27によって正しく識別されなかった紙幣Sや、偽札が、リジェクト紙幣に含まれる。正券および損券は、入金識別部27によって紙幣Sであると識別された上で、前述したように汚れや損傷の有無によって区別された紙幣Sである。入金系搬送路25において入金識別部27と入金庫12(入金用一括収納庫13)との間から、入金リジェクト路48が分岐して、入金リジェクト部16につながっている。
入金系搬送路25において各入金庫12につながった分岐路の途中には、入金一時保留部28が1つずつ(合計3つ)設けられている。入金系搬送路25において入金用一括収納庫13につながった分岐路の途中には、一括一時保留部29が設けられている。入金一時保留部28および一括一時保留部29は、入金系搬送路25から搬送されてきた紙幣Sを一時保留してから、対応する入金庫12または入金用一括収納庫13に送り込むためのものである。3つの入金一時保留部28と1つの一括一時保留部29とのまとまりは、一時保留部ユニット43として一体化されており、筐体10に対して着脱可能に装着されている。図2では、一時保留部ユニット43において筐体10から少し引き出された部分が点線で示されている。
入金系搬送路25の複数の箇所には、紙幣Sを入金系搬送路25内で搬送するために回転するローラ30とローラ30を回転駆動させるためのモータ31とが配置されている。また、入金系搬送路25における各分岐箇所には、紙幣Sの搬送先を切り替えるための切換部材(図2における三角部分)32が設けられている。
開放された入金口20から入金部11に入金された紙幣Sは、入金繰出部26によって1枚ずつ繰り出された後に、入金系搬送路25を流れて入金庫12(入金用一括収納庫13)側へ搬送される。その途中で、入金識別部27によって紙幣Sの識別が行われ、リジェクト紙幣であると識別されたものは、入金リジェクト路48から入金リジェクト部16まで搬送された後に機外へ返却される。そして、入金識別部27において正券または損券である(リジェクト紙幣でない)と識別された紙幣Sは、入金系搬送路25を引き続き流れて、正券は、収納先の入金庫12の手前の入金一時保留部28に一時保留される。ここで、係員が操作部6を操作すること等によって入金を確定させると、入金一時保留部28に一時保留されていた紙幣Sは、収納先の入金庫12に受け渡されて当該入金庫12に収納される。以上が、紙幣Sの入金処理である。入金処理における紙幣Sの流れは、図3において、太い実線矢印で示されている。
また、別の入金処理として、収納先の入金庫12がない正券や、入金識別部27において損券であると識別された紙幣Sは、金種(表裏も含む)にかかわらず、一括一時保留部29に一時保留され、その後の係員による入金の確定に応じて、入金用一括収納庫13に一括して収納される。このときの紙幣Sの流れは、図3において、太い破線矢印で示されている。ここで、収納先の入金庫12がない正券として、専用の入金庫12がない二千円札や、収納先の入金庫12が満杯であるために行き先のなくなった千円札、五千円札または一万円札の正券(オーバーフロー紙幣ということがある)が挙げられる。
図2に戻り、出金用一括収納庫14は、たとえば、入金用一括収納庫13よりも後側に配置されている。出金用一括収納庫14は、縦長ボックス状であって、出金用一括収納庫14には、金種、正損(正券または損券)等にかかわらず、様々な種類の紙幣を一括して収納することができる。出金用一括収納庫14における紙幣Sの収納可能枚数は、入金庫12および入金用一括収納庫13のそれぞれの収納可能枚数より多い。出金用一括収納庫14の底面には、出金用一括収納庫14内の紙幣Sを下方へ取り出すための取出口42が形成されていて、取出口42には、出金用一括収納庫14内の紙幣Sを取出口42経由で下から1枚ずつ繰り出すための出金繰出部33が連結されている。
また、筐体10の上面には、シャッター34によって開閉される出金口35が形成されていて、出金部17が出金口35に臨むように配置されている。筐体10内において、入金庫12、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14のそれぞれに連結された出金繰出部22,24,33と、出金部17とは、紙幣Sを搬送するための出金系搬送路36でつながっている。出金系搬送路36は、ばら紙幣処理ユニット2に含まれる。出金系搬送路36は、出金繰出部22,24,33のそれぞれから個別に延びてから1つに合流し、出金部17まで延びている。出金系搬送路36の途中には、出金識別部37および斜行補正部38が設けられている。出金識別部37の機能は、前述した入金識別部27とほぼ同じである。斜行補正部38は、出金系搬送路36を搬送される紙幣Sが斜行している(進行方向に対して傾斜して搬送されている)場合に、紙幣Sの姿勢を矯正して、その斜行を補正する。
出金系搬送路36において斜行補正部38よりも出金部17側の部分からは、3つの分岐路39が分岐している。3つの分岐路39のうち、最も斜行補正部38に近い分岐路39は、出金用一括収納庫14の上端につながっていて、他の1つは、一方の整理一時保留部15につながっていて、残りの1つは、他方の整理一時保留部15につながっている。
以上より、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14に着目すると、出金系搬送路36は、入金用一括収納庫13の取出口23から(分岐路39において)出金用一括収納庫14を経由して出金部17(出金口35)に至るように設けられていることがわかる。
出金系搬送路36において斜行補正部38に近い側の2本の分岐路39(出金用一括収納庫14の上端につながった分岐路39と、前記一方の整理一時保留部15につながった分岐路39)の間の部分と、入金系搬送路25において入金識別部27よりも入金庫12(入金用一括収納庫13)側の部分とは、中継路40によってショートカットされている。この実施形態では、2箇所に中継路40が1つずつ設けられているが、少なくとも1箇所に1つあればよい。
出金系搬送路36の複数の箇所には、前述したローラ30およびモータ31が配置されている。また、出金系搬送路36における各分岐箇所には、前述した切替部材32が設けられている。
各入金庫12に収納された紙幣Sは、入金庫12の下端部の出金繰出部22によって繰り出されて出金系搬送路36を流れる。その途中で、紙幣Sは、出金識別部37による識別を受ける。リジェクト紙幣または損券であると識別された紙幣Sは、出金用一括収納庫14に収納される。つまり、出金用一括収納庫14がリジェクト紙幣用の収納庫と損券用の収納庫とを兼ねているので、リジェクト紙幣用の収納庫と損券用の収納庫とを別々に設けずに済み、その分、貨幣処理装置1(ばら紙幣処理ユニット2)を小型化したり、出金用一括収納庫14における紙幣Sの収納可能枚数を多く確保したりすることができる。一方、出金識別部37において問題のない(正券である)と識別された紙幣Sは、出金部17まで搬送されて出金口35から外部に出金される。以上が、紙幣Sの出金処理である。出金処理における紙幣Sの流れ(出金用一括収納庫14へ搬送される紙幣Sの流れも含む)は、図3において、太い1点鎖線で示されている。
出金処理以外の処理として、紙幣Sは、分岐路39を介して整理一時保留部15に収納されることがある。このときの紙幣Sの流れは、図3において、太い点線(前述した破線でない)で示されている。整理一時保留部15に収納された紙幣Sは、積層状態で収納される。なお、入金部11に入金された紙幣Sが、入金庫12や入金用一括収納庫13を介さずに、中継路40経由で入金系搬送路25から出金系搬送路36に受け渡されて整理一時保留部15に収納されることもある。
入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14に関する紙幣Sの流れについては、追って詳説する。
図2に戻り、搬送機構18は、整理一時保留部15に収納されたばら紙幣Sの積層方向(ここでは筐体10の上下方向)に移動可能な一対のアーム41を備えていて、筐体10内で整理一時保留部15の後側に配置されている。所定枚数まで積層された紙幣Sは、まとまった状態(積層状態)で一対のアーム41によって挟持され、整理一時保留部15から取り出される。搬送機構18は、取り出した紙幣Sのまとまりを、ばら紙幣処理ユニット2の隣の包装紙幣処理ユニット3(図1参照)まで搬送する。包装紙幣処理ユニット3は、ばら紙幣処理ユニット2から受け取った紙幣Sのまとまりを、帯封して包装紙幣にしてから、内部で保管したり、機外に払い出したりする。なお、包装紙幣処理ユニット3において紙幣Sのまとまりを帯封する構成として、公知の構成を用いることができる。ここで、入金系搬送路25や出金系搬送路36で紙幣Sを搬送して整理一時保留部15でまとめてから包装紙幣処理ユニット3で包装紙幣にするまでの処理を、包装処理ということにする。
ここで、最終的に出金系搬送路36を搬送された紙幣Sが、整理一時保留部15経由で包装紙幣処理ユニット3に受け入れられて包装紙幣となることから、包装紙幣処理ユニット3が出金系搬送路36に関連して設けられていることがわかる。
また、ばら紙幣処理ユニット2は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部45(搬送路並列駆動制御手段、出金貨幣包装制御手段、第1の判別手段、第1の戻し制御手段、第2の戻し制御手段、第2の判別手段、損券収納制御手段、入金貨幣判別手段、損券・指定金種貨幣の入金制御手段、取出制御手段、損券収納制御手段、戻し制御手段)を備えている。制御部45は、ばら紙幣処理ユニット2の各種電気部品(モータ31等)に対して電気的に接続されていて、ばら紙幣処理ユニット2の動作を制御する。具体的には、制御部45は、シャッター19,34の開閉を制御したり、入金繰出部26,出金繰出部22,24,33による紙幣Sの繰り出しを制御したり、モータ31の駆動や、切替部材32の動作や、搬送機構18の動作等を制御する。これにより、前述した入金処理や出金処理や包装処理が実現される。また、制御部45は、入金識別部27および出金識別部37での識別結果に基づいて、入金庫12、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14のそれぞれにおける紙幣S(リジェクト紙幣も含む)の在庫数(現時点の収納枚数)を把握している。そのため、入金識別部27および出金識別部37のそれぞれは、紙幣Sの計数センサの機能も兼ねている。
ここで、入金口20、入金部11、入金繰出部26、入金識別部27、入金リジェクト部16、入金一時保留部28、一括一時保留部29、入金系搬送路25、入金庫12(出金繰出部22を除く)および入金用一括収納庫13(出金繰出部24を除く)のまとまりは、入金系Xとされる。そして、出金繰出部22、出金繰出部24、出金用一括収納庫14、出金繰出部33、出金系搬送路36、出金識別部37、斜行補正部38、出金部17、出金口35、整理一時保留部15および搬送機構18のまとまりは、出金系Yとされる。図2では、入金系Xと出金系Yとは、1点鎖線で区画されている。入金系Xと出金系Yとは、中継路40において部分的にショートカットされているものの、それぞれ独立して存在している。これにより、制御部45は、入金系搬送路25と出金系搬送路36とを、互いに独立的に、かつ、並列的に動作させることができる。ここから、制御部45が入金系搬送路25と出金系搬送路36とのそれぞれに関連して設けられていることがわかる。
図4は、ばら紙幣処理ユニット2において行われる制御動作の一例を示すフローチャートである。図5は、図2において紙幣Sの流れを示した図である。
図4を参照して、前述した制御部45は、係員による操作部6(図1参照)の操作によって、入金処理を行う旨の指示(入金指示)を受けると(ステップS1でYES)、入金処理を実行する(ステップS2)。この際、損券等(損券または指定された金種(たとえば二千円札)の紙幣)は、入金用一括収納庫13に収納される(図3の太い破線矢印参照)。ここでの入金用一括収納庫13への損券等の収納に関し、制御部45は、入金系搬送路25により搬送される入金紙幣Sが前述した損券等であるか否かを入金識別部27の識別結果に基づいて判別し、入金紙幣Sが前述した損券等であると判別したことに応答して、当該入金紙幣Sを入金用一括収納庫13へ収納するように、入金系搬送路25を駆動させている。
また、制御部45は、係員による操作部6の操作によって、出金処理を行う旨の指示(出金指示)を受けると(ステップS3でYES)、出金処理を実行する(ステップS4)。この際、出金識別部37において前述した損券等(損券およびリジェクト紙幣)と識別されたものは、出金用一括収納庫14に収納される(図3の太い1点鎖線矢印(分岐路39から出金用一括収納庫14へ向かっている部分)参照)。
また、係員が、操作部6を操作することによって、入金用一括収納庫13内の紙幣を入金庫12や出金用一括収納庫14に移動させたり、出金用一括収納庫14内の紙幣を入金庫12や入金用一括収納庫13に移動させたりする旨を指示する場合がある。制御部45は、この指示(移動指示)を受けると(ステップS5でYES)、移動処理を実行する(ステップS6)。
移動処理の一例として、入金用一括収納庫13内の紙幣のうち、損券は、出金用一括収納庫14に収納され(図5の太い実線矢印参照)、指定された金種(前述した二千円札)の紙幣Sは、中継路40および入金系搬送路25を経由してから入金用一括収納庫13に戻される(図5の太い1点鎖線矢印参照)。これにより、入金処理において識別された損券が、入金用一括収納庫13から出金用一括収納庫14に移されて、出金用一括収納庫14に元々あった損券やリジェクト紙幣とともに、出金用一括収納庫14内に収納される。
ここでは、制御部45が、入金用一括収納庫13に収納された紙幣Sを取出口23から出金系搬送路36により取り出す。そして、制御部45は、入金用一括収納庫13の取出口23から出金系搬送路36を通って取り出される紙幣Sについて、出金識別部37の識別結果に基づいて、当該紙幣Sが損券か否かや前記指定された金種(二千円札)の紙幣であるか否かを判別し、損券であると判別した場合には、当該紙幣S(損券)を出金系搬送路36によって出金用一括収納庫14へ収納させている(当該紙幣Sを出金用一括収納庫14に収納するように出金系搬送路36を動作させる)。一方、制御部45は、当該紙幣Sが指定された金種の紙幣であると判別したことに応答して、当該紙幣Sを、出金系搬送路36から入金系搬送路25を経由して入金用一括収納庫13へ戻すように、出金系搬送路36および入金系搬送路25を駆動制御する。
また、移動処理の別の一例として、出金用一括収納庫14内の紙幣Sが繰り出され(図5の太い破線矢印参照)、出金識別部37においていずれかの金種の正券であると識別された紙幣S(リジェクト紙幣として出金用一括収納庫14に収納されていたが、実際は、問題のない正券であったもの)は、出金用一括収納庫14に戻らない。詳しくは、いずれかの金種の正券であると識別された紙幣Sは、中継路40および入金系搬送路25を経由してから(図5の太い1点鎖線矢印参照)、該当する金種(同一金種)の入金庫12や入金用一括収納庫13(二千円札の場合)に移される(図3の太い実線矢印および破線矢印参照)。同様に、入金用一括収納庫13のオーバーフロー紙幣は、元々正券であることから、繰り出された場合には、出金識別部37において正券であると識別され、その後、中継路40および入金系搬送路25を経由してから(図5の太い1点鎖線矢印参照)、該当する金種の入金庫12に移される(図3の太い実線矢印参照)。
これにより、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14内の正券(二千円札を除く)を、本来収納されるべき入金庫12に収納し直すことができるので、入金庫12では正券の在庫数を確保することができる。つまり、損券以外の紙幣S(重送や斜行が原因であったために正券と判断されなかったに過ぎず、実際には問題のない使用可能な紙幣Sやオーバーフロー紙幣)を、出金用に復活させることができる。
なお、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14から繰り出された紙幣Sにおいて出金識別部37において正券でないと識別されたもの(移動させる必要のない紙幣S)は、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14のどちらかに戻される。
ここで、出金用一括収納庫14に収納されていたリジェクト紙幣には、入金時の入金識別部27での識別では正券と識別されて入金庫12に収納されていたのに、出金処理に出金識別部37においてリジェクト紙幣と識別されて出金用一括収納庫14に収納されたものもある。この場合、(当初正券と識別されたものの後でリジェクト紙幣と識別された)紙幣Sの枚数が出金識別部37で計数されていて、当該枚数が、該当する(同一金種の)入金庫12の在庫数の一部としてみなされるようになっているので、在庫数の数値上の不整合は生じていない。そして、先程の別の一例の移動処理において、出金用一括収納庫14にあった当該枚数分の(同一金種の)リジェクト紙幣が、出金識別部37で正券であると識別された後に、該当する入金庫12に戻される。これによって、当該入金庫12の在庫数については、数値上だけでなく、実物の紙幣Sにおいても、不整合が生じていない。
以上の移動処理において、入金用一括収納庫13の損券を出金用一括収納庫14に移す処理と、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14から繰り出された紙幣S(リジェクト紙幣やオーバーフロー紙幣)のうち出金識別部37において正券であると識別された紙幣Sを該当する金種の入金庫12や入金用一括収納庫13(二千円札の場合)に移す処理とは、並行して実施されてもよい。また、出金識別部37において正券であると識別された紙幣Sを該当する金種の入金庫12や入金用一括収納庫13(二千円札の場合)に移す処理は、収納先の入金庫12や入金用一括収納庫13の在庫数に応じて(たとえば、ニアフル状態でない場合等の条件が満たされたときに)、自動的に開始されてもよい。
以上のように、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14内の正券を、係員が当該正券に直接触れることなく、本来収納されるべき入金庫12に収納し直して、出金に用いることができる。つまり、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14内の正券を出金用に復活させる(リサイクルさせる)ことにより、ばら紙幣処理ユニット2では、無駄を無くして、機内の紙幣Sのリサイクル効率を極限まで高めることができる。
また、制御部45は、係員による操作部6の操作によって、包装処理を行う旨の指示(包装指示)を受けると(ステップS7でYES)、包装処理を実行する(ステップS8)。この際、出金用一括収納庫14内の紙幣Sが繰り出され、そのうち、出金識別部37によって損券である識別された紙幣S(損券)は、整理一時保留部15に搬送されて、前述したように包装紙幣となり(図5の太い破線矢印参照)、損券以外の紙幣S(対象外紙幣)は、出金用一括収納庫14に戻されたり(図5の太い点線矢印参照)、中継路40および入金系搬送路25を経由してから入金用一括収納庫13に移されたりする(図5の太い1点鎖線矢印参照)。ここでは、制御部45は、出金系搬送路36により出金用一括収納庫14の紙幣Sを出金して包装紙幣処理ユニット3(図1参照)へ搬送する際に、出金識別部37の識別結果に基づいて、当該紙幣Sが包装に適する紙幣(ここでは、損券)か否かを判別し、損券がある場合には、包装紙幣処理ユニット3(図1参照)を駆動させ、出金する損券を包装紙幣にしている。一方、制御部45は、包装に適さないと判別した場合には、当該包装に適さないと判別された紙幣(前述した対象外紙幣であって、ここでは、損券以外の紙幣)Sを出金系搬送路36によって出金用一括収納庫14へ戻したり、出金系搬送路36から入金系搬送路25を経由して、入金用一括収納庫13へ戻したりする。
また、制御部45は、係員による操作部6の操作によって、入金指示、出金指示、移動指示および包装指示のうち、複数の指示をまとめて受けると(ステップS9でYES)、受けた指示に係る複数の処理を並行して実行する(ステップS10)。
また、ステップS10において、入金用一括収納庫13内において二千円札の正券とそれ以外の損券とが混在した状態(当該損券が二千円札の正券よりも取出口42に近い場合)で二千円札を出金したい場合、出金処理と移動処理とが並行して行われることがある。この場合、入金用一括収納庫13内の紙幣S(二千円札の正券および全金種の損券)が全て入金用一括収納庫13から排出されて出金系搬送路36を流れる(図3の太い1点鎖線矢印参照)。出金系搬送路36を流れる紙幣Sは、出金識別部37による識別を受け、二千円札の正券であると識別された紙幣Sは、引き続き出金系搬送路36を流れて出金部17まで搬送され(図3の太い一点鎖線矢印参照)、二千円札の正券でないと識別された紙幣S(入金用一括収納庫13にあった全ての損券)は、出金用一括収納庫14に収納される(図5の太い実線矢印参照)。このように、二千円札専用の入金庫12を持たなくても、二千円札の出金処理が可能である。
また、ステップS10において、入金用一括収納庫13内の二千円札の正券についての出金処理と、入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14内の損券についての包装処理とが並行して行われることがある。なお、ここでの損券の包装処理は、金種毎に行われてもよいし、複数金種が混合した状態で行われてもよい。
また、ステップS10において、入金処理と、入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14内の損券についての包装処理とが並行して行われることがある。入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14内から繰り出された紙幣Sのうち、損券以外の紙幣(リジェクト紙幣も含む)は、包装処理の対象外なので、出金用一括収納庫14に戻される(図5の太い実線矢印参照)。なお、ここでの損券の包装処理も、金種毎に行われてもよいし、複数金種が混合した状態で行われてもよい。
このように、包装処理を出金処理や入金処理と並行して行うことによって、使い道のない損券を入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14(つまり、ばら紙幣処理ユニット2内)から排出することができるので、入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14が満杯(フル状態)になることを回避できる。なお、包装処理を、他の処理と並行して実施する場合に限らず、他の処理の合間に実施することによっても(ステップS8)、入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14のフル状態を回避する効果は、ある程度得られる。
なお、以上の各処理は、自動で開始されてもよいし、係員による操作部6の操作によって、係員が指定する任意のタイミングに開始されてもよい。
以上のように、貨幣処理装置1(ばら紙幣処理ユニット2)では、図3を参照して、入金系搬送路25と出金系搬送路36とが別々に設けられているので、入金口20からの紙幣Sを入金する入金処理(太い実線矢印および太い破線矢印参照)と、出金口35へ紙幣Sを出金する出金処理(太い1点鎖線矢印参照)とを並行して行うことができる。また、様々な紙幣Sが一括収納される一括収納庫が、入金用一括収納庫13と出金用一括収納庫14というように別々に(分割して)設けられており、出金系搬送路36は、入金用一括収納庫13の紙幣Sを、出金用一括収納庫14を経由させて出金口35まで搬送することができる。そのため、入金用一括収納庫13の紙幣Sを、入金用一括収納庫13が満杯になったとき等に出金用一括収納庫14に移したり(図5の太い実線矢印参照)、出金口35から直接出金させたり(図3の太い1点鎖線矢印参照)等と、様々に使用することができる。つまり、貨幣処理装置1では、一括収納庫(特に、入金用一括収納庫13)の紙幣Sを使用することができ、かつ、入金処理および出金処理といった複数の処理を並行して行うことができるので、使い勝手がよい。
また、入金処理と並行して、出金用一括収納庫14の紙幣Sを包装紙幣にすること(包装処理)ができる(図5の太い破線矢印参照)。一方、包装に適さないと判別されて行き先がなくなった紙幣Sを入金用一括収納庫13や出金用一括収納庫14へ戻し(図5の太い点線矢印および太い1点鎖線矢印参照)、包装紙幣以外の用途(出金等)に用いることができる。
また、損券と、指定金種(たとえば取扱量の少ない金種であり、ここでは二千円札)の紙幣Sとが入金用一括収納庫13にまとめて収納されることから、損券用の収納庫と、指定金種用の収納庫とを別々に設けずに済むので、貨幣処理装置1の大型化を抑制できる。一方で、入金用一括収納庫13の損券を出金用一括収納庫14に移すこと(移動処理)ができるので(図5の太い実線矢印参照)、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14をうまく使い分けて、それぞれの収納庫における紙幣Sの収納量(在庫数)を適宜調整することができる。さらに、入金用一括収納庫13にまとめて収納された損券および指定金種の紙幣Sを一旦取り出して、損券を出金用一括収納庫14へ収納し(図5の太い実線矢印参照)、指定金種の紙幣S(二千円札の正券)を入金用一括収納庫13に戻すことによって(図5の太い1点鎖線矢印参照)、損券および指定金種の紙幣Sを分離することができるので、使い勝手が良い。
そして、貨幣処理装置1(ばら紙幣処理ユニット2)では、このように複数の処理を並行して行えるので、処理時間の短縮を図ることができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、ばら紙幣処理ユニット2では、入金庫12、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14のそれぞれ(以下では「各収納庫」という)における紙幣S(リジェクト紙幣も含む)の精査処理が実施されてもよい。精査処理とは、各収納庫(選択されたものだけであっても良い)における紙幣Sを一旦全て取り出して、出金識別部37で識別し直すことによって紙幣Sの中身および収納庫内の在庫数を確認してから、取り出した紙幣Sを元の収納庫に戻す処理である。精査処理時において、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14から取り出された紙幣Sのうち、出金識別部37によってリジェクト紙幣であると識別された紙幣Sは、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14に戻すことなく、入金一時保留部28や一括一時保留部29に収納したり、包装処理の対象としたりしてもよい。入金一時保留部28や一括一時保留部29に収納されたリジェクト紙幣は、入金一時保留部28および一括一時保留部29のまとまりである一時保留部ユニット43(図2の点線部分)を筐体10から引き出すことによって、機外へ回収することができる。
また、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14は、筐体10内に固定されていて、筐体10から引き出すことができないようになっている。そこで、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14のそれぞれに収納された紙幣S(リジェクト紙幣も含む)を抜き取って回収したい場合には、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14から紙幣Sを、出金系搬送路36側へ一旦引き出してから、中継路40および入金系搬送路25を経由してから入金一時保留部28や一括一時保留部29に収納する。その後、先程と同様に、一時保留部ユニット43を筐体10から引き出し(図2の点線で示した一時保留部ユニット43を参照)、入金一時保留部28や一括一時保留部29から紙幣Sを回収することができる。入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14の紙幣Sを出金部17から回収することも可能ではあるが、出金部17が比較的狭いことから、出金部17に紙幣Sを小出しで搬送する必要があるので、煩わしいし、時間もかかる。そこで、それぞれの紙幣収納可能枚数が比較的多い(たとえば300枚程度)入金一時保留部28および一括一時保留部29を一体化した一時保留部ユニット43に、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14の紙幣Sを取り込んで機外へ引き出せば、速やかに紙幣Sの回収を完了させることができる。
このように一時保留部ユニット43によって紙幣Sを回収する場合、当該紙幣Sの枚数に応じて、当該紙幣Sを一時保留部ユニット43において、入金一時保留部28および一括一時保留部29のいずれかにまとめて収納してもよいし、入金一時保留部28および一括一時保留部29の内で選択した複数の一時保留部に分割して収納してもよい。当該紙幣Sをまとめて収納する場合には、筐体10の正面に最も近い一時保留部(つまり、最も前側の入金一時保留部28)に紙幣Sをまとめるとよい。そうすれば、一時保留部ユニット43を少し引き出すだけで、当該最も前側の入金一時保留部28が機外に引き出されるので、当該入金一時保留部28内の紙幣Sを速やかに(少ない労力で)回収できる。一方、複数の一時保留部に分割して収納する場合には、紙幣Sを金種毎に分けて収納してもよく、この場合、回収した紙幣Sを後で金種毎に仕分ける手前を省けるので、後処理が楽になる。また、回収する紙幣Sの金種および枚数や、入金一時保留部28および一括一時保留部29への(回収する)紙幣Sの収納パターンは、係員による操作部6(図1参照)の操作によって、任意に設定可能である。
また、紙幣Sを回収する場合、入金用一括収納庫13および出金用一括収納庫14から紙幣Sを出金系搬送路36側へ一旦引き出して出金識別部37で識別するのだが、ここでの識別でもリジェクト紙幣であると識別されたものは、一時保留部ユニット43に送り込むのではなく、たとえば、入金リジェクト部16に搬送して、入金リジェクト部16から回収されてもよい。そうすれば、一時保留部ユニット43を引き出す手間をかけずに、リジェクト紙幣の現物を直に確認することができる。
また、貨幣処理装置1では、ばら紙幣処理ユニット2、包装紙幣処理ユニット3、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5が揃っている(図1参照)。しかし、本発明は、ばら紙幣処理ユニット2および包装紙幣処理ユニット3だけで構成された貨幣処理装置1や、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5だけで構成された貨幣処理装置1や、ばら紙幣処理ユニット2、包装紙幣処理ユニット3、包装硬貨処理ユニット4およびばら硬貨処理ユニット5のいずれか1つだけを含む貨幣処理装置1にも適用可能である。
また、入金部11と出金部17とが一体化されていて、共通の入出金口から紙幣Sの入出金が可能であってもよい。また、入金識別部27は、紙幣の表裏を識別可能であって、入金系搬送路25には、入金識別部27によって表裏が逆であると識別された紙幣Sの表裏を反転させる機構が設けられていてもよい。
また、この発明は、出納機等以外に、貨幣の入出金処理を行う両替機やATM等にも適用できる。
1 貨幣処理装置
3 包装紙幣処理ユニット
13 入金用一括収納庫
14 出金用一括収納庫
20 入金口
23 取出口
25 入金系搬送路
25A 一端
35 出金口
36 出金系搬送路
45 制御部
S 紙幣

Claims (9)

  1. 入金口に一端が臨み、前記入金口から入金される貨幣を搬送するための入金系搬送路と、
    前記入金系搬送路により搬送されてくる貨幣を、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための入金用一括収納庫と、
    前記入金用一括収納庫とは別に設けられ、貨幣を、金種、正損等にかかわらず一括して収納するための出金用一括収納庫と、
    前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金用一括収納庫を経由して出金口に至るように設けられた出金系搬送路と、
    を含むことを特徴とする、貨幣処理装置。
  2. 前記入金系搬送路と前記出金系搬送路とを、互いに独立的に、かつ、並列的に動作させる搬送路並列駆動制御手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。
  3. 前記出金系搬送路に関連して設けられた貨幣包装装置と、
    前記出金系搬送路により前記出金用一括収納庫の貨幣を出金する際に、前記貨幣包装装置を駆動させ、出金する貨幣を包装貨幣にする出金貨幣包装制御手段と、
    を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の貨幣処理装置。
  4. 前記出金貨幣包装制御手段は、前記貨幣包装装置へ搬送される貨幣が包装に適する貨幣か否かを判別するための第1の判別手段と、
    前記第1の判別手段が包装に適さないと判別したことに応答して、当該包装に適さないと判別された貨幣を前記出金系搬送路によって前記出金用一括収納庫へ戻すための第1の戻し制御手段と、
    を含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣処理装置。
  5. 前記出金貨幣包装制御手段は、前記貨幣包装装置へ搬送される貨幣が包装に適する貨幣か否かを判別するための第1の判別手段と、
    前記第1の判別手段が包装に適さないと判別したことに応答して、当該包装に適さないと判別された貨幣を、前記出金系搬送路から前記入金系搬送路を経由して、前記入金用一括収納庫へ戻すための第2の戻し制御手段と、
    を含むことを特徴とする、請求項3記載の貨幣処理装置。
  6. 前記包装に適する貨幣は、損券であることを特徴とする、請求項4または5記載の貨幣処理装置。
  7. 前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金系搬送路を通って取り出される貨幣が損券か否かを判別するための第2の判別手段を有し、
    前記第2の判別手段が、貨幣が損券と判別したことに応答して、前記出金系搬送路によって当該貨幣を前記出金用一括収納庫へ収納させる損券収納制御手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。
  8. 前記入金系搬送路に関連して、入金貨幣判別手段が設けられており、
    前記入金貨幣判別手段が、前記入金系搬送路により搬送される入金貨幣が損券または指定された金種の貨幣であると判別したことに応答して、当該貨幣を前記入金用一括収納庫へ収納するように、前記入金系搬送路を駆動させる損券・指定金種貨幣の入金制御手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の貨幣処理装置。
  9. 前記入金用一括収納庫の貨幣取出口から前記出金系搬送路を通って取り出される貨幣が損券か否かや指定された金種の貨幣であるか否かを判別するための第2の判別手段を有し、
    前記入金用一括収納庫に収納された貨幣を貨幣取出口から前記出金系搬送路により取り出す取出制御手段と、
    前記第2の判別手段が、貨幣が損券と判別したことに応答して、当該損券を前記出金用一括収納庫へ収納するように前記出金系搬送路を動作させる損券収納制御手段と、
    前記第2の判別手段が、貨幣が指定された金種の貨幣と判別したことに応答して、当該貨幣を、前記出金系搬送路から前記入金系搬送路を経由して前記入金用一括収納庫へ戻すように、前記出金系搬送路および入金系搬送路を駆動制御する戻し制御手段と、
    を含むことを特徴とする、請求項8記載の貨幣処理装置。
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