以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金処理や出金処理等の現金に関する取引を行う。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に顧客応対部3が設けられている。顧客応対部3は、顧客との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客によって入金される紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣が排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞する。因みに紙幣は、例えば長方形の紙で構成されている。
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルである。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理的なキーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
以下では、現金自動取引装置1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2内には、現金自動取引装置1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金処理や出金処理等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[1−2.紙幣入出金機の構成]
紙幣入出金機10は、図2に示すように、内部に紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。紙幣入出金機10は、大きく分けて、上下方向のほぼ中央よりも上側部分を占める上部ブロック10Uと、その下側部分を閉める下部ブロック10Lとにより構成されている。
[1−2−1.上部ブロックの構成]
上部ブロック10Uには、全体を統括制御する紙幣制御部12と、顧客との間で紙幣を授受する入出金部14と、紙幣を各部へ搬送する搬送部15と、紙幣を鑑別する鑑別部16と、紙幣を一時的に収納する一時保留部17と、偽券と鑑別された紙幣を収納する偽券庫18とが設けられている。
紙幣制御部12は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理や各部の動作を制御する処理等、種々の処理を行う。また紙幣制御部12は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部13を有しており、この記憶部13に種々の情報を記憶させる。
入出金部14は、上部ブロック10U内における前側上部に位置している。この入出金部14は、顧客から入金された紙幣及び顧客へ出金すべき紙幣を収容する収容器22を内部に有しており、その上方をシャッタ11により開閉し得る。収容器22内には、複数の紙幣が紙面を前後方向に向けて集積された状態で、すなわち前後方向に沿って整列された状態で収容される。また入出金部14は、収容器22内部において、搬送部15へ繰り出す紙幣が存在するか否かを検出する図示しない紙幣検知センサが設けられおり、当該紙幣検知センサにより紙幣を検知して、その検知結果を紙幣制御部12へ送出する。
鑑別部16は、上部ブロック10U内における前端であって入出金部14の下に隣接する位置に設けられ、内部に複数種類のセンサが組み込まれており、搬送される紙幣の金種、真偽、正損(損傷しているか否か)、及び搬送状態を認識し、その鑑別結果を紙幣制御部12へ送出する。また鑑別部16は、紙幣に付された記番号を識別し、その識別結果を紙幣制御部12へ送出する。具体的に鑑別部16内には、前側の前受渡口と後側の後受渡口との間を前後方向に沿って直線状に結ぶような搬送経路が形成されており、この搬送経路に沿って後側から順に走行センサ、イメージセンサ及び真偽センサが配置されている。
一時保留部17は、上部ブロック10U内における前後方向のほぼ中央部であって搬送部15の上に隣接する位置に設けられ、いわゆるテープエスクロ方式を採用しており、円筒形状のドラムの周側面に紙幣をテープと共に巻き付けることで当該紙幣を収納し、またこの周側面から当該テープを引き剥がすことで紙幣を繰り出す。また一時保留部17は、当該一時保留部17内部において、搬送部15へ繰り出す紙幣が存在するか否かを検出する図示しない紙幣検知センサが設けられおり、当該紙幣検知センサにより紙幣を検知して、その検知結果を紙幣制御部12へ送出する。一時保留部17は、ドラムの周側面に紙幣をテープと共に巻き付け、またこれを巻き戻して当該紙幣を引き剥がすことにより、紙幣の搬送順序を保ったまま収納及び繰出を行う。
偽券庫18は、上部ブロック10U内における後端近傍であって、搬送部15の上に隣接する位置に設けられており、内部に紙幣を収納する空間を有している。この偽券庫18は、鑑別部16及び紙幣制御部12により偽造紙幣(以下、偽券と呼ぶ)と判断された紙幣が搬送部15により搬送されてくると、これを内部に収納する。
[1−2−2.搬送部の構成]
搬送部15は、上部ブロック10U内における下端部分に、すなわち紙幣入出金機10全体における上下のほぼ中央を前後方向に横切るように位置しており、全体的に上下方向に薄く前後方向に細長い形状となっている。この搬送部15内には、多数の回転するローラや紙幣を案内するガイド等が適宜配置されており、紙幣の短手方向を進行方向として、主に前後方向に沿って搬送させるような直線状の搬送路が形成されている。
また搬送部15内には、複数の切替部が配置されている。各切替部は、ブレードと呼ばれる部材(図中三角形で示す)及びその周囲に配置された複数のローラにより構成されている。ブレードは、左右方向に長く、且つ左右方向から見て楔形に形成されており、回転して傾斜方向を変化させることで、紙幣の搬送方向を切り替える。各ローラは、紙幣の搬送路を挟んで互いに対向するように配置されている。この切替部は、紙幣制御部12の制御に従い、各紙幣の搬送先に応じてブレードの傾斜方向を変化させると共に各ローラを所定の回転方向へ回転させることにより、紙幣の搬送方向を適宜切り替えて所望の搬送先へ搬送する。
一方、搬送部15は、図3に拡大図を示すように、大きく分けて前側の第1搬送部24と、後側の第2搬送部26と、両者を接続する一時保留切替部28とにより構成されている。
一時保留切替部28は、中心に位置するブレード30と、当該ブレード30の前側、後側及び上側にそれぞれ位置するローラとにより構成されている。ブレード30は、上述した各切替部のブレードと同様、回転して傾斜角度を変化させるものの、他の切替部と異なり、紙幣の搬送方向を3通りに切り替える、いわゆる3ウェイブレードである。具体的に一時保留切替部28は、上側の一時保留部17と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するか、上側の一時保留部17と後側の第2搬送部26とを結ぶ搬送路を形成するか、或いは前側の第1搬送部24と後側の第2搬送部26とを結ぶ搬送経路を形成するかを切り替える。
第1搬送部24内には、前方から順に、リジェクト切替部32、鑑別部16及び第1切替部34が直列に配置されると共に、これらの間が比較的短い搬送短路によりそれぞれ接続されており、全体として前後方向に沿った直線状の搬送経路が形成されている。また説明の都合上、第1搬送部24のうち鑑別部16の前側及び後側の各部分をそれぞれ前部24A及び後部24Bと呼ぶ。
リジェクト切替部32は、先端が後方を向くブレードの傾斜方向を変化させて紙幣の搬送経路を2通りに切り替えるようになっており、上側の入出金部14と後側の鑑別部16との間を結ぶ搬送経路を形成するか、或いは後側の鑑別部16と下側のリジェクト庫19とを結ぶ搬送経路を形成する。これによりリジェクト切替部32は、第1搬送部24内を後方から前方へ向けて搬送された紙幣の搬送経路を、入出金部14又はリジェクト庫19に切り替えるようにしている。
第1切替部34は、リジェクト切替部32と同様に先端が後方を向くブレードの傾斜方向を変化させて紙幣の搬送経路を2通りに切り替えるようになっており、後側の搬送短路と下側の紙幣収納庫20Aとを結ぶ搬送経路を形成するか、或いは後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成する。これにより第1切替部34は、第1搬送部24内を後方から前方へ向けて搬送された紙幣の搬送経路を鑑別部16又は紙幣収納庫20Aに切り替える、いわゆる2ウェイブレードとしている。一方で第1切替部34は、第1搬送部24内を前方から後方へ向けて搬送された紙幣を一時保留切替部28へのみ搬送し、紙幣収納庫20Aへは切り替えないようにしている。
第2搬送部26内には、前方から順に、第2切替部36、第3切替部38、第4切替部40及び偽券切替部42が直列に配置されており、第1搬送部24と同様、これらの間が比較的短い搬送短路によりそれぞれ接続されることで、全体として前後方向に沿った直線状の搬送経路が形成されている。
第2切替部36、第3切替部38及び第4切替部40は、何れも第1切替部34とほぼ前後対称に形成されており、先端が前方を向くブレードの傾斜方向を変化させて紙幣の搬送経路を2通りに切り替える。すなわち第2切替部36、第3切替部38及び第4切替部40は、前側の搬送短路と下側の紙幣収納庫20B、20C又は20Dそれぞれとを結ぶ搬送経路を形成するか、或いは前側の搬送短路と後側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成するかを切り替える。これにより第2切替部36、第3切替部38及び第4切替部40は、第2搬送部26内を前方から後方へ向けて搬送された紙幣の搬送経路をそれぞれ後方の紙幣収納庫か、又は紙幣収納庫20B、20C及び20Dそれぞれに切り替える、いわゆる2ウェイブレードとしている。
偽券切替部42は、第2切替部36、第3切替部38及び第4切替部40とほぼ上下対称に形成されており、先端が前方を向くブレードの傾斜方向を変化させて紙幣の搬送経路を2通りに切り替える。すなわち偽券切替部42は、前側の搬送短路と上側の偽券庫18とを結ぶ搬送経路を形成するか、或いは前側の搬送短路と後側の搬送短路を介して紙幣収納庫20Eとを結ぶ搬送経路を形成するかを切り替える。これにより偽券切替部42は、第2搬送部26内を前方から後方へ向けて搬送された紙幣の搬送経路を、偽券庫18又は紙幣収納庫20Eに切り替える、いわゆる2ウェイブレードとしている。
このように搬送部15は、第1搬送部24、一時保留切替部28及び第2搬送部26により、前後方向に沿った直線状の搬送経路を形成し、この搬送経路に沿って紙幣を主に前後方向へ搬送すると共に、複数の切替部によりその搬送経路を切り替える。
[1−2−3.下部ブロックの構成]
下部ブロック10Lには、再利用すべきでない紙幣を収納するリジェクト庫19と、再利用可能な紙幣を収納する5個の紙幣収納庫20(20A、20B、20C、20D及び20E)とが設けられている。
リジェクト庫19は、下部ブロック10L内における最も前側且つ上寄りに位置しており、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。因みにリジェクト庫19は、上下方向の長さが下部ブロック10Lの半分程度となっている。このリジェクト庫19は、鑑別部16及び紙幣制御部12により損傷の程度が大きく再利用すべきで無いと判断された紙幣が搬送部15により搬送されて来ると、当該紙幣を内部に収納する。
下部ブロック10L内におけるリジェクト庫19の後方には、前側から後側へ向けて順に紙幣収納庫20A、20B、20C、20D及び20Eが設けられている。各紙幣収納庫20(20A、20B、20C、20D及び20E)は、何れも同様に構成されており、上下方向に長い直方体状に形成されると共に内部に紙幣を集積して収納する空間を有している。各紙幣収納庫20は、それぞれ収納すべき紙幣の金種が予め設定されている。この紙幣収納庫20は、鑑別部16及び紙幣制御部12により損傷の程度が小さく再利用が可能であると判断された紙幣が、その金種に応じて搬送部15により搬送されてくると、当該紙幣を内部に集積して収納する。また紙幣収納庫20は、紙幣制御部12から紙幣を繰り出す指示を受け付けると、集積している紙幣を1枚ずつに分離して繰り出し、搬送部15に受け渡す。
かかる構成において現金自動取引装置1は、鑑別部16による紙幣の鑑別結果及び識別結果等をもとに主制御部9及び紙幣制御部12が各部を制御して、紙幣の入金処理及び出金処理等を行う。
[1−3.入金処理]
次に、現金自動取引装置1による入金処理の具体的な処理手順について、図4及び図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。因みに図6乃至図11は、何れも紙幣入出金機10における上部ブロック10Uのうちの入出金部14、搬送部15、鑑別部16及び一時保留部17と、下部ブロック10Lの上部分とを拡大して表したものである。
紙幣入出金機10の紙幣制御部12は、顧客が入金取引を行う場合、例えば顧客により操作表示部6(図1)を介して入金処理を開始する旨の操作入力を受け付けると、記憶部13から入金処理プログラムを読み出して実行することにより図4に示す入金処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。ステップSP1において紙幣制御部12は、入出金部14のシャッタ11を開いて収容器22内へ紙幣を投入させる。次に紙幣制御部12は、操作表示部6を介して紙幣の取り込みを開始する操作入力を受け付けると、シャッタ11を閉じ、当該収容器22内の紙幣を1枚ずつに分離して取り込み、下流側に位置する搬送部15の第1搬送部24へ受け渡す。
第1搬送部24は、リジェクト切替部32を切り替えて入出金部14と後側の鑑別部16との間を結ぶ搬送経路を形成し、矢印Q1(図6)により示すように、紙幣を下流側の鑑別部16へ受け渡す。鑑別部16は、内部で紙幣を後方へ搬送しながら、真偽センサ、イメージセンサ及び走行センサにより各紙幣を鑑別し、当該紙幣を再び第1搬送部24の後部24Bに受け渡す。ステップSP2において紙幣制御部12は、鑑別部16から鑑別結果を取得し、ステップSP3へ移り、鑑別部16において紙幣の記番号を識別させて識別結果を取得し、ステップSP4へ移る。
ステップSP4において紙幣制御部12は、取得した鑑別結果を基に、紙幣の搬送先を決定し、ステップSP5へ移る。具体的には紙幣制御部12は、まず各紙幣における損傷の程度や金種、或いは真偽を判断する。次に紙幣制御部12は、各紙幣について、正常な紙幣として認識でき以降の処理を継続できる入金受入紙幣であるか、或いは正常な紙幣として認識できないため一度顧客に返却すべき入金リジェクト紙幣であるかを判断する。多くの場合、例えば折り畳まれた状態の紙幣、多くの皺が形成された紙幣、或いは誤って入出金部14に投入された紙幣以外の紙(メモ用紙やレシート等)が入金リジェクト紙幣として判断される。
また紙幣制御部12は、入金受入紙幣について、損傷の程度が大きい再利用不可紙幣についてはリジェクト庫19を、正常であり再利用可能な再利用可能紙幣については金種ごとの各紙幣収納庫20を、また偽券については偽券庫18を、それぞれ最終的な搬送先として決定する。さらに紙幣制御部12は、紙幣の搬送順序と対応付けて、各紙幣の金種、記番号の識別結果、並びに決定した搬送先等を、鑑別部16における記憶部13に記憶する。
ステップSP5において紙幣制御部12は、紙幣が入金受入紙幣であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき紙幣制御部12はステップSP6へ移る。ステップSP6において紙幣制御部12は、紙幣が偽券であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは紙幣が再利用可能紙幣又は再利用不可紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP7へ移る。ステップSP7において紙幣制御部12は、紙幣が再利用可能紙幣であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき紙幣制御部12はステップSP8へ移る。
ステップSP8において紙幣制御部12は、紙幣が紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは紙幣が紙幣収納庫20B、20C、20D又は20Eに収納すべき紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP9へ移る。
ステップSP9において紙幣制御部12は、紙幣を紙幣収納庫20B、20C、20D又は20Eのうちの収納すべき紙幣収納庫20へ搬送して収納し、ステップSP14へ移る。具体的に第1搬送部24は、第1切替部34により後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成し、上流側に位置する鑑別部16から受け渡された紙幣を後部24Bにより後方へ搬送して、当該鑑別部16の下流側に位置する一時保留切替部28へ受け渡す。紙幣制御部12は、矢印Q1により示すように、後側の第2搬送部26と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御し、紙幣を一時保留切替部28から第2搬送部26へ進行させる。続いて紙幣制御部12は、紙幣の搬送先に応じて第2搬送部26の第2切替部36、第3切替部38、第4切替部40及び偽券切替部42を適宜制御することにより、矢印Q1により示すように、当該紙幣を搬送先に搬送して紙幣収納庫20B、20C、20D又は20Eの何れかに収納させる。これにより紙幣制御部12は、再利用すべき通常の紙幣を金種ごとに分類して一時保留部17を介さずに各紙幣収納庫20に直接搬送して収納させるダイレクト入金を行う。
一方ステップSP8において肯定結果が得られると、このことは紙幣が紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP10へ移る。
ステップSP10において紙幣制御部12は、紙幣を一時保留部17へ搬送して収納し、ステップSP14へ移る。具体的に第1搬送部24は、第1切替部34により後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成し、上流側に位置する鑑別部16から受け渡された紙幣を後部24Bにより後方へ搬送して、当該鑑別部16の下流側に位置する一時保留切替部28へ受け渡す。紙幣制御部12は、矢印Q2(図7)により示すように、上側の一時保留部17と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御し、紙幣を一時保留切替部28から一時保留部17へ進行させ、当該一時保留部17に収納させる。
一時保留部17は、上流側の一時保留切替部28から順次受け渡される、入金受入紙幣のうち紙幣収納庫20Aへ収納すべき紙幣を、第1搬送部24における紙幣の搬送順序を維持したまま、各紙幣を順次巻き付けて収納していく。またこのとき一時保留部17は、紙幣検知センサにより各紙幣を検知し、その検知結果を紙幣制御部12へ送出する。これに応じて紙幣制御部12は、この検知結果を紙幣の搬送順序と対応付け、記憶部13に記憶させる。
一方ステップSP7において肯定結果が得られると、このことは紙幣が再利用不可紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP11へ移る。ステップSP11において紙幣制御部12は、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣と同様に紙幣を一時保留部17へ搬送して収納し、ステップSP14へ移る。
一方ステップSP6において肯定結果が得られると、このことは紙幣が偽券であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP12へ移る。
ステップSP12において紙幣制御部12は、紙幣を偽券庫18へ搬送して収納し、ステップSP14へ移る。具体的に第1搬送部24は、第1切替部34により後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成し、上流側に位置する鑑別部16から受け渡された紙幣を後部24Bにより後方へ搬送して、当該鑑別部16の下流側に位置する一時保留切替部28へ受け渡す。紙幣制御部12は、矢印Q3(図8)により示すように、後側の第2搬送部26と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御し、紙幣を一時保留切替部28から第2搬送部26へ進行させる。続いて紙幣制御部12は、第2搬送部26の第2切替部36、第3切替部38、第4切替部40及び偽券切替部42を適宜制御することにより、矢印Q3により示すように、紙幣を偽券庫18に搬送して当該偽券庫18に収納させる。これにより紙幣制御部12は、偽券と判断された紙幣を偽券庫18に収納する。
一方ステップSP5において否定結果が得られると、このことは紙幣が入金リジェクト紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP13へ移る。ステップSP13において紙幣制御部12は、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣及び再利用不可紙幣と同様に紙幣を一時保留部17へ搬送して収納し、ステップSP14へ移る。
ステップSP14において紙幣制御部12は、紙幣検知センサにより入出金部14内に搬送部15へ繰り出すべき紙幣が存在するか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは投入された紙幣が未だ入出金部14に残留していることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP1へ戻り、入出金部14から次の紙幣を搬送部15へ繰り出す。一方ステップSP14において否定結果が得られると、このことは投入された全ての紙幣を入出金部14から搬送部15へ繰り出したことを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP15(図5)へ移る。
ステップSP15において紙幣制御部12は、紙幣を一時保留部17から繰り出し、ステップSP16へ移る。ステップSP16において紙幣制御部12は、紙幣が紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき紙幣制御部12はステップSP17へ移る。
ステップSP17において紙幣制御部12は、紙幣を紙幣収納庫20Aへ搬送して収納し、ステップSP21へ移る。具体的に紙幣制御部12は、矢印Q4(図9)により示すように、上側の一時保留部17と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御すると共に、後側の搬送短路と下側の紙幣収納庫20Aとを結ぶ搬送経路を形成するよう第1搬送部24の第1切替部34を制御し、紙幣を一時保留部17から一時保留切替部28へ進行させ、第1搬送部24内を一時保留部17よりも上流側の紙幣収納庫20Aに向かって前方へ進行させ、当該紙幣収納庫20Aへ収納させる。
一方ステップSP16において否定結果が得られると、このことは紙幣が入金リジェクト紙幣又は再利用不可紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP18へ移る。
ステップSP18において紙幣制御部12は、紙幣が入金リジェクト紙幣であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき紙幣制御部12はステップSP19へ移る。
ステップSP19において紙幣制御部12は、紙幣を入出金部14へ搬送して集積し、ステップSP21へ移る。具体的に紙幣制御部12は、矢印Q5(図10)により示すように、上側の一時保留部17と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御し、後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成するよう第1切替部34を制御すると共に、入出金部14と後側の鑑別部16との間を結ぶ搬送経路を形成するようリジェクト切替部32を制御し、紙幣を一時保留部17から一時保留切替部28へ進行させ、第1搬送部24内を一時保留部17よりも上流側の鑑別部16を介し入出金部14へ進行させ、当該入出金部14へ収納させる。
一方ステップSP18において否定結果が得られると、このことは紙幣が再利用不可紙幣であることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP20へ移る。
ステップSP20において紙幣制御部12は、紙幣をリジェクト庫19へ搬送して収納し、ステップSP21へ移る。具体的に紙幣制御部12は、矢印Q6(図11)により示すように、上側の一時保留部17と前側の第1搬送部24とを結ぶ搬送経路を形成するよう一時保留切替部28を制御し、後側の搬送短路と前側の搬送短路とを結ぶ搬送経路を形成するよう第1切替部34を制御すると共に、リジェクト庫19と後側の鑑別部16との間を結ぶ搬送経路を形成するようリジェクト切替部32を制御し、紙幣を一時保留部17から一時保留切替部28へ進行させ、第1搬送部24内を一時保留部17よりも上流側の鑑別部16を介しリジェクト庫19へ進行させ、当該リジェクト庫19へ収納させる。
ステップSP21において紙幣制御部12は、紙幣検知センサにより一時保留部17内に搬送部15へ繰り出すべき紙幣が存在するか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは紙幣が未だ一時保留部17に残留していることを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP15へ戻り、一時保留部17から次の紙幣を搬送部15へ繰り出す。一方ステップSP21において否定結果が得られると、このことは全ての紙幣を一時保留部17から搬送部15へ繰り出したことを表し、このとき紙幣制御部12はステップSP22へ移る。
ステップSP22において紙幣制御部12は、入出金部14から取り込んだ紙幣の金種及び枚数の集計結果を基に入金額を算出すると共に、所定の操作指示画面を操作表示部6に表示し、この入金額を顧客に提示すると共に入金処理を継続するか否かを顧客に選択させ、ステップSP23へ移り入金処理手順RT1を終了する。
ここで紙幣制御部12は、顧客により入金処理の中止が指示された場合、顧客により投入された紙幣のうちの偽券以外の紙幣を、紙幣収納庫20A乃至20Eそれぞれと、リジェクト庫19とから繰り出して搬送して入出金部14の収容器22内へ戻し、シャッタ11を解放して顧客に返却する。このとき紙幣制御部12は、紙幣収納庫20Aから入出金部14へ紙幣を搬送する際、当該紙幣収納庫20Aから一旦一時保留部17へ紙幣を搬送した後、当該一時保留部17から入出金部14へ当該紙幣を搬送する。
一方、紙幣制御部12は、顧客により紙幣の再投入が指示された場合、シャッタ11を解放して入金リジェクト紙幣を顧客に返却すると共に紙幣の再投入を受け付ける。また一方、紙幣制御部12は、顧客により入金処理の継続が指示された場合、シャッタ11を解放して入金リジェクト紙幣を顧客に返却する。
このように紙幣入出金機10は、入金処理において、紙幣収納庫20B乃至20Eに収納すべき紙幣と偽券とは、一時保留部17を介することなく鑑別部16から紙幣収納庫20B乃至20Eと偽券庫18とのそれぞれに直接搬送して収納する。一方紙幣入出金機10は、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣と入金リジェクト紙幣と再利用不可紙幣とは、鑑別部16から一時保留部17へ一旦搬送した後に、当該一時保留部17から紙幣収納庫20Aと入出金部14とリジェクト庫19とのそれぞれに搬送して収納する。
[1−4.効果等]
現金自動取引装置1は、第1搬送部24における第1切替部34の制約により、後側の搬送短路から搬送された紙幣を紙幣収納庫20Aへ直接搬送できる一方、前側の搬送短路から搬送された紙幣を紙幣収納庫20Aへは直接搬送させ得ない。
これに対し、入出金部14から一時保留部17を介さずに紙幣収納庫20Aへ紙幣を直接搬送させるために、第1切替部34を一時保留切替部28のように3ウェイブレードにすることも考えられる。しかしながらその場合、第1切替部34の構成が複雑化して高額化してしまうと共に、鑑別部16において鑑別に要する処理時間と、第1切替部34のブレードを切り替えるために要する切替時間との分だけ第1切替部34を鑑別部16から離隔させなくてはいけないため、搬送路が長くなってしまう。
また、第1切替部34を一時保留切替部28よりも下流側に移動させることにより、第1切替部34における搬送経路を切り替えるまでの時間的な余裕を増やすことも考えられる。しかしながらその場合、搬送路が長くなってしまう。
また、ダイレクト入金を行う際は紙幣収納庫20Eを使用しないことも考えられる。しかしながらその場合、使用できる紙幣収納庫20の数が1個減少するため、現金自動取引装置1において取り扱う金種が減少してしまう。
このようなことを考慮し、現金自動取引装置1は、2ウェイブレードの第1切替部34を、鑑別部16の処理時間及び第1切替部34の切替時間の分の搬送路の距離よりも短い間隔となる程度に鑑別部16に近接させて配置させることにより、搬送路の長さを短くし現金自動取引装置1の構成をシンプルにすると共に、第1切替部34の構成が複雑化してしまうことを防止している。また現金自動取引装置1は、3ウェイブレードの一時保留切替部28を、鑑別部16の処理時間及び一時保留切替部28の切替時間の分の搬送路の距離よりも長い間隔となる程度に鑑別部16から離隔させて配置させることにより、鑑別部16を通過した紙幣が一時保留切替部28に到達する前に当該一時保留切替部28を切り替えるようにしている。
このため、このような構成の現金自動取引装置1においてダイレクト入金を行おうとすると、第1切替部34の制約により、入出金部14から紙幣収納庫20Aへ紙幣を直接搬送させることはできない。
これに対し現金自動取引装置1は、ダイレクト入金を行う場合、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣を、鑑別部16から第1切替部34よりも下流側の一時保留部17へ一旦搬送した後に、当該一時保留部17から上流側の紙幣収納庫20Aへ搬送して収納するようにした。
これにより現金自動取引装置1は、搬送部15の構成をシンプルにして搬送路長を短くしつつ、ダイレクト入金を行う場合に、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣を、当該紙幣収納庫20Aへ搬送して収納することができる。
またダイレクト入金を行わない場合、現金自動取引装置1は、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を第2搬送部26に一時的に保留する一方、紙幣収納庫20A乃至20Eに収納すべき紙幣を一時保留部17に一時的に保留し、その後入金取引が確定された際に、入金リジェクト紙幣を入出金部14へ搬送して返却し再利用不可紙幣をリジェクト庫19へ搬送して収納した後に、一時保留部17から紙幣を繰り出して紙幣収納庫20A乃至20Eに搬送して収納することができる。
しかしながらダイレクト入金を行う場合、第2の収納庫としての紙幣収納庫20B乃至20Eに収納すべき紙幣が第2搬送部26を搬送されるため、現金自動取引装置1は、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を当該第2搬送部26に一時的に保留することができない。
これに対し現金自動取引装置1は、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を、鑑別部16から一時保留部17へ一旦搬送した後に、当該一時保留部17から入出金部14及びリジェクト庫19へ搬送するようにした。
これにより現金自動取引装置1は、搬送部15の構成をシンプルにして搬送路長を短くしつつ、ダイレクト入金を行う場合に、入金リジェクト紙幣を入出金部14へ搬送して顧客に返却できると共に、再利用不可紙幣をリジェクト庫19へ搬送して収納することができる。
以上の構成によれば、現金自動取引装置1は、利用者との間で取引する紙葉状の媒体である紙幣を入出する入出金部14と、入出金部14と接続され紙幣を搬送する第1搬送部24及び第2搬送部26と、第1搬送部24と接続され紙幣を収納する紙幣収納庫20Aと、搬送方向の下流側から上流側へ搬送される紙幣の搬送経路を第1搬送部24又は紙幣収納庫20Aに切り替える一方、搬送方向の上流側から下流側へ搬送される紙幣の搬送経路を紙幣収納庫20Aへは切り替えない第1切替部34と、第1搬送部24に対し第1切替部34よりも紙幣の搬送方向の下流側において第1搬送部24に接続され、紙幣を一時的に収納する一時保留部17と、入出金部14を介して紙幣を利用者から受け入れる受入取引において、紙幣収納庫20Aに収納すべき媒体を、入出金部14から第1切替部34を介し一時保留部17へ搬送させた後、第1切替部34における搬送方向の下流側から上流側へ搬送される紙幣の搬送経路を紙幣収納庫20Aに切り替え、一時保留部17から第1切替部34を介し紙幣収納庫20Aへ搬送させる紙幣制御部12とを設けるようにした。これにより現金自動取引装置1は、搬送部15の第1切替部34の制約により入出金部14から直接紙幣収納庫20Aへ搬送することができない紙幣を、当該第1切替部34よりも下流側に位置する一時保留部17に一旦保留した後、当該一時保留部17から上流側へ移動させて第1切替部34を介し紙幣収納庫20Aへ搬送することができる。
[2.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を、一時保留部17から紙幣収納庫20A、入出金部14及びリジェクト庫19それぞれに搬送した後に、入金処理を継続するか否かを顧客に選択させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を一時保留部17に保留している状態で、入金処理を継続するか否かを顧客に選択させ、その後紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を、一時保留部17から紙幣収納庫20A、入出金部14及びリジェクト庫19それぞれに搬送しても良い。その場合、顧客により入金処理の中止が指示された際に紙幣を返却する時間を短縮することができる。
また上述した実施の形態においては、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を、一時保留部17に一時的に保留する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば偽券庫18、紙幣収納庫20B、20C、20D又は20Eに一時的に保留しても良い。要は、鑑別部16の下流側に位置し当該鑑別部16から直接搬送された紙幣を収納させることができる収納部であれば良い。但し、紙幣収納庫20Aに収納すべき紙幣、入金リジェクト紙幣及び再利用不可紙幣を、一時保留部17に一時的に保留する方が、偽券庫18、紙幣収納庫20B、20C、20D又は20Eに一時的に保留する場合よりも、紙幣の搬送経路を短くすることができる。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣入出金機10に設ける一時保留部17をいわゆるテープエスクロ方式とし、紙幣をテープと共にドラムの周側面に巻き付けて収納する場合について述べた。本発明はこれに限らず、紙幣入出金機10に他の種々の方式の一時保留部を設けても良い。この場合、一時保留部としては、入金処理や出金処理において取り扱う最大枚数(例えば200枚)の紙幣を一時的に収納することができ、さらに当該紙幣を繰り出す際に、収納時における各紙幣の順序を正順又は逆順に維持できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、入出金部14の収容器22内に紙幣を特に区別すること無く収容する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば収容器22内に前後方向へ移動可能な仕切板を設け、入金処理時に当該仕切板の前方に未鑑別の紙幣を位置させる一方、当該仕切板の後方に入金リジェクト紙幣を位置させるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、搬送部15から一時保留部17へ紙幣を搬送するよう搬送経路を切り替える一時保留切替部28を第1切替部34と第2切替部36との間に配置し、当該一時保留切替部28により搬送部15を前側の第1搬送部24及び後側の第2搬送部26に分けた場合について述べた。本発明はこれに限らず、搬送部15内における他の箇所に一時保留切替部28を配置しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣入出金機10内にリジェクト庫19及び偽券庫18を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばリジェクト庫19及び偽券庫18の何れか一方若しくは双方を省略しても良い。この場合、5個の紙幣収納庫20(20A〜20E)のうち何れか1個に再利用不可紙幣や偽券を収納するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、第1搬送部24にリジェクト切替部32を介してリジェクト庫19を接続する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば第2搬送部26に所定のリジェクト切替部を介して再利用不可紙幣を収納するためのリジェクト庫を接続しても良い。このリジェクト庫は、上部ブロック10U内又は下部ブロック10L内の何れに設置しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣入出金機10に5個の紙幣収納庫20(20A〜20E)を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、4個以下又は6個以上の紙幣収納庫20を設けるようにしても良い。例えば3個の紙幣収納庫20を設ける場合、現金自動取引装置1の前後長を大幅に短縮できるため、コンビニエンスストアのように設置面積が制限されている場所に設置する場合に好適である。
さらに上述した実施の形態においては、顧客との間で媒体としての紙幣に関する取引処理を行う現金自動取引装置1の紙幣入出金機10に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば各種金券や証券等、或いは入場券や乗車券のような種々の紙葉状の媒体を取り扱う種々の装置に本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、入出部としての入出金部14と、搬送部としての第1搬送部24及び第2搬送部26と、収納庫としての紙幣収納庫20Aと、切替部としての第1切替部34と、保留部としての一時保留部17と、制御部としての紙幣制御部12とによって媒体処理装置としての紙幣入出金機10及び媒体取引装置としての現金自動取引装置1を構成する場合について述べた。
本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる入出部と、搬送部と、収納庫と、切替部と、保留部と、制御部とによって媒体処理装置及び媒体取引装置を構成するようにしても良い。