JP2013205136A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置自体で放射線の照射開始を検出する放射線画像撮影装置において、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1は、二次元状に配列された複数の放射線検出素子のうち、放射線画像取得用の放射線検出素子7に接続されたスイッチ手段8には第1走査線5を介して走査駆動手段15からオン電圧を印加し、放射線検出用の放射線検出素子7Aに接続されたスイッチ手段8Aには第2走査線5Aを介して電圧印加手段25からオン電圧を印加し、制御手段22は放射線検出用の放射線検出素子7Aから読み出された照射開始検出用データdに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出するように構成されており、スイッチ手段8、8Aは、放射線検出素子7、7Aにより光または放射線から遮蔽されることなく、光または放射線に暴露される状態に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線の照射開始を検出して放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレーター等で可視光等の他の波長の光に変換した後、変換され照射された光のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型として構成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等を筐体内に収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図2等に示すように、通常、複数の放射線検出素子7が、検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8で形成されたスイッチ手段が接続されて構成される。
そして、通常、放射線発生装置の放射線源から放射線画像撮影装置に対して、被撮影者の身体等すなわち被写体を介して放射線が照射されることで、放射線画像撮影が行われる。そして、撮影後、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各TFT8を順次オン状態として、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷を各信号線6に順次放出させて、各読み出し回路17で画像データDとしてそれぞれ読み出すように構成される。
ところで、このような放射線画像撮影装置を用いた従来の放射線画像撮影システムでは、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間で信号のやり取りを行って放射線画像撮影を行っていた。しかし、例えば、放射線画像撮影装置と放射線発生装置の製造元が異なっているような場合には、両者の間でインターフェースを構築することが必ずしも容易でない場合があり、或いは、インターフェースを構築できない場合もある。
このような場合、放射線画像撮影装置側から見ると、放射線源からどのようなタイミングで放射線が照射されるかが分からない。そのため、このような場合には、放射線画像撮影装置が、放射線源から放射線が照射されたことを装置自体で検出できるように構成される必要がある。そして、このように放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始を検出して撮影を行うことが可能な放射線画像撮影装置が種々開発されている。
その際、例えば、複数の放射線検出素子7が二次元状に配列された領域(以下、後述するように検出部Pという。)外に放射線を検出可能なセンサーを配置すると、照射野が狭められた状態で放射線が照射された場合に、センサーで放射線の照射が開始されたことを検出できなくなる場合が生じる。
そこで、特許文献4に記載の放射線画像撮影装置では、二次元状に配列された放射線検出素子7の一部を上記のセンサーとして用いるように構成することが提案されている。そして、センサーとして用いる放射線検出素子7を、二次元状の各放射線検出素子7の中に適切に散りばめて配置することで、照射される放射線の照射野が狭められても、いずれかのセンサーとしての放射線検出素子7で放射線の照射開始を検出することができる。
そのため、上記のように構成することで、二次元状に配列された放射線検出素子7の中に散りばめられたセンサーとしての放射線検出素子7により、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2012−015913号公報
ところで、本発明者らも、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始を検出する技術について研究を重ねる中で、上記の放射線画像撮影装置の構成をさらに工夫すれば、放射線の照射が開始されたことをより的確に検出することが可能であることが分かってきた。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、装置自体で放射線の照射開始を検出する放射線画像撮影装置において、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記各放射線検出素子に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記各放射線検出素子のうち、放射線画像取得用の前記放射線検出素子に接続された前記スイッチ手段に、第1走査線を介してオン電圧を印加する走査駆動手段と、
前記各放射線検出素子のうち、放射線検出用の前記放射線検出素子に接続された前記スイッチ手段に、第2走査線を介してオン電圧を印加する電圧印加手段と、
前記放射線画像取得用の放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出し、前記放射線検出用の放射線検出素子から放出された前記電荷を照射開始検出用データに変換して読み出す読み出し回路と、
放射線の照射が開始されたことを検出し、前記放射線画像取得用の放射線検出素子からそれぞれ前記画像データを読み出す制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記放射線検出用の放射線検出素子から読み出された前記照射開始検出用データに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、検出後、少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して前記放射線画像取得用の放射線検出素子からそれぞれ前記画像データを読み出させるように構成されており、
前記スイッチ手段は、前記放射線検出素子により光または放射線から遮蔽されることなく、光または放射線に暴露される状態に形成されていることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、照射された放射線(直接型の場合)やシンチレーターからの光(間接型の場合)がスイッチ手段であるTFTに到達するように構成したため、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されると、TFTにも放射線や光が照射される。そして、放射線や光が照射されると、TFTを介して放射線画像取得用の放射線検出素子からリークする電荷がより大きな電荷に増加する。
そのため、特許文献4に記載された、TFTに放射線や光が照射されない構造の放射線画像撮影装置に比べて、放射線画像撮影装置に対して放射線の照射が開始された時点での照射開始検出用データの増加の度合を、放射線画像取得用の各放射線検出素子からTFTを介してリークする電荷が増加する分だけ大きくすることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置に放射線が照射された場合に、読み出される照射開始検出用データがより確実に閾値以上になり、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
また、特に放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量率が小さい場合には、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始される前後の照射開始検出用データの増加の度合が小さくなるが、そのような場合でも、本発明のような方式の放射線画像撮影装置は上記のような特性を有するため、読み出される照射開始検出用データが確実に閾値以上になる。そのため、放射線の線量率が小さいような場合でも、放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
放射線画像撮影装置の断面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 放射線検出素子やTFTの構成を説明する断面図である。 画像データの読み出し処理における電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 読み出される照射開始検出用データの時間的推移等を表すグラフである。 各TFTを介して放射線検出素子から信号線に僅かに電荷がリークしていることを説明する図である。 放射線検出用の放射線検出素子から流入する電荷と他の放射線画像取得用の放射線検出素子からTFTを介してリークする電荷の合計値に応じた信号が照射開始検出用データとして読み出されることを説明する図である。 特許文献4に記載された放射線画像撮影装置で生じている状況を説明する図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置では放射線が照射されると放射線画像取得用の各放射線検出素子からTFTを介してリークする電荷が増加することを説明する図である。 第1走査線にオン電圧を順次印加させて放射線画像取得用の各放射線検出素子のリセット処理を行うように構成した構成例におけるタイミングチャートである。 全ての第1走査線にオン電圧を同時に印加させて放射線画像取得用の各放射線検出素子のリセット処理を行うように構成した構成例におけるタイミングチャートである。 一部の複数の第1走査線にオン電圧を同時に印加させて放射線画像取得用の各放射線検出素子のリセット処理を行うように構成した構成例におけるタイミングチャートである。 電流検出手段を設けた場合の放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレーター等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の光に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレーター等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の断面図である。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、図1に示すように、放射線が照射される側の面である放射線入射面Rを有する筐体2内に、シンチレーター3や基板4等で構成されるセンサーパネルSPが収納されて構成されている。また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、筐体2には、外部装置と信号の送受信を行ったり画像データD等を無線方式で外部装置に送信する通信手段であるアンテナ装置41(後述する図2参照)が設けられている。
また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、筐体2の側面等にコネクターを備えており、コネクターを介して外部装置との間で有線方式で信号等の送受信を行うことができるようになっている。そのため、このコネクターも放射線画像撮影装置1の通信手段として機能するようになっている。
図1に示すように、筐体2内には、基台31が配置されており、基台31の放射線入射面R側に図示しない鉛の薄板等を介して基板4が設けられている。そして、基板4の放射線入射面R側の面側には、照射された放射線を可視光等の光に変換するシンチレーター3が設けられている。そして、本実施形態では、シンチレーター3はシンチレーター基板34上に設けられ、シンチレーター3が基板4側に対向する状態で設けられている。
また、基台31の基板4が設けられた面とは反対側の面側には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリー24等が取り付けられている。本実施形態では、このようにして、基台31や基板4等でセンサーパネルSPが形成されている。また、本実施形態では、センサーパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
本実施形態では、基板4はガラス基板で構成されており、基板4の、シンチレーター3に対向する面上には、複数の第1走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。また、基板4の当該面上の複数の第1走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域には、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、第1走査線5と信号線6で区画された各小領域に二次元状(マトリクス状)に複数の放射線検出素子7が配列された小領域の全体、すなわち後述する図2に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。本実施形態では、放射線検出素子7はフォトダイオードが用いられているが、例えばフォトトランジスター等を用いることも可能である。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図2は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図3は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
各放射線検出素子7のうちの大多数は、通常の放射線画像撮影装置における放射線検出素子と同様に、放射線画像を生成するためのデータである上記の画像データDを取得するための放射線画像取得用の放射線検出素子7として構成されている。なお、放射線画像取得用の放射線検出素子7を、以下、単に放射線検出素子7という。
そして、放射線検出素子7の第1電極7aには、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8s(図2や図3の「S」参照)が接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dおよびゲート電極8g(図2や図3の「D」および「G」参照)は信号線6および第1走査線5にそれぞれ接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から第1走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させる。また、第1走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
一方、各放射線検出素子7のうちの一部の放射線検出素子7Aは、後述する制御手段22が放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたか否かを判定するために用いる照射開始検出用データdを取得するための放射線検出用の放射線検出素子7Aとして構成されている。
本実施形態では、放射線検出用の放射線検出素子7Aは、二次元状に配列された各放射線検出素子7のうち、例えばm×n個(m、nは所定の自然数)の放射線検出素子7につき1個の割合で設ける等の所定の仕方で設けられる。
そして、放射線検出用の放射線検出素子7Aの第1電極7Aaには、スイッチ手段であるTFT8Aのソース電極8As(図2や図3の「S」参照)が接続されている。また、TFT8Aのドレイン電極8Adおよびゲート電極8Ag(図2や図3の「D」および「G」参照)は信号線6および第2走査線5Aにそれぞれ接続されている。
本実施形態では、放射線検出用の放射線検出素子7AのTFT8Aは、後述するように、前述した放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8と全く同様に構成されており、全く同様に機能する。
すなわち、TFT8Aは、後述する電圧印加手段25から第2走査線5Aを介してゲート電極8Agにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8Asやドレイン電極8Adを介して放射線検出素子7A内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させる。また、第2走査線5Aを介してゲート電極8Agにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7Aから信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7A内に電荷を蓄積させるようになっている。
ここで、放射線検出素子7やスイッチ手段としてのTFT8の構成について、図4に示す断面図を用いて説明する。なお、本実施形態では、放射線画像取得用の放射線検出素子7と放射線検出用の放射線検出素子7A、およびTFT8とTFT8Aはそれぞれ同じ構成であるため、以下、放射線検出素子7やTFT8等として説明する。
基板4のシンチレーター3(図4では図示省略)に対向する面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが図示しない第1走査線5(或いは第2走査線5A)と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極7aと接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてスイッチ手段であるTFT8が形成されている。
一方、本実施形態では、放射線検出素子7は、基板4の面4a上におけるTFT8の側方の位置に設けられる。すなわち、放射線やシンチレーター3からの光が図4の上方から照射される場合、放射線検出素子7とスイッチ手段としてのTFT8は、放射線や光の進行方向(すなわち図4では下向きの方向)に対して直交する方向(図4では左右方向)に並設されるように設けられるようになっている。
そして、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上に、前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層72が積層されており、絶縁層72上にAlやCr、Mo等からなる第1電極7aが積層されている。第1電極7aは、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極7aの上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層74、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層75、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層76が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレーター3で可視光等の光に変換され、変換された光が図中上方から照射されると、光は放射線検出素子7のi層75に到達して、i層75内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレーター3から照射された光を電荷に変換するようになっている。
また、p層76の上には、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極とされた第2電極7bが積層されて形成されており、照射された光がi層75等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層76、i層75、n層74の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層76、i層75、n層74の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極7bの上面には、後述するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極7bやバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極7a、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層78で被覆されている。
また、図4では図示を省略するが、本実施形態では、第2パッシベーション層78の上方には、放射線検出素子7やTFT8等が形成されていることに伴う基板4の表面の凹凸を平坦化するための平坦化層が、アクリル樹脂等で形成される。そして、この平坦化層に当接するようにして図示しないシンチレーター3が配置されるようになっている。
上記のように、本実施形態では、放射線検出素子7は、基板4の面4a上におけるTFT8の側方の位置に設けられる。すなわち、放射線検出素子7は、TFT8に対して、放射線や光の進行方向に対して直交する方向に並設される。
このように、本実施形態では、スイッチ手段であるTFT8は、図4では上方に設けられるシンチレーター3からの光(或いは放射線画像撮影装置1が直接型である場合には放射線画像撮影装置1に照射され図4では上方から照射される放射線)が直接到達する状態に形成される。
すなわち、本実施形態では、スイッチ手段であるTFT8は、放射線検出素子7によりシンチレーター3からの光(或いは直接型の場合の放射線)から遮蔽されることがなく、それらに曝露される状態に形成されるようになっている。なお、図4では、見易くするために放射線検出素子7とTFT8の大きさがほぼ同程度に表現されているが、実際には、TFT8の大きさは、通常、放射線検出素子7よりも小さい。
一方、図2に示すように、本実施形態では、放射線検出用の放射線検出素子7Aを含む1列の各放射線画像取得用の放射線検出素子7ごとに1本の割合で各放射線検出素子7、7Aの第2電極7b、7Abにそれぞれバイアス線9が接続されている。そして、各バイアス線9は結線10に結束されており、結線10はバイアス電源14に接続されている。そして、バイアス電源14から結線10や各バイアス線9を介して放射線検出素子7の第2電極7bや放射線検出用の放射線検出素子7Aの第2電極7Abに逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
また、各信号線6は、各入出力端子11を介して読み出しIC16内に内蔵された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。本実施形態では、読み出し回路17は、主に増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサー21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図2や図3等では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。
本実施形態では、図3に示すように、増幅回路18は、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサー18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続され、オペアンプ18a等に電力を供給する電源供給部18dを備えたチャージアンプ回路で構成されている。そして、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子に信号線6が接続されている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。なお、本実施形態では、オペアンプ18aと相関二重サンプリング回路19との間には、電荷リセット用スイッチ18cと連動して開閉するスイッチ18eが設けられており、スイッチ18eは、電荷リセット用スイッチ18cがオン/オフ動作と連動してオフ/オン動作するようになっている。
放射線画像取得用の各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際には、図5に示すように、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされた状態で、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから各第1走査線5を介して各放射線検出素子7のTFT8にオン電圧が印加される。
そして、TFT8にオン電圧が印加されてTFT8がオン状態とされると、TFT8を介して各放射線検出素子7内から信号線6に電荷がそれぞれ放出され、各読み出し回路17の増幅回路18のコンデンサー18bに流れ込んで蓄積される。そして、増幅回路18では、コンデンサー18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7から電荷が流れ込む前後の増幅回路18からの出力値の増加分をアナログ値の画像データDとして下流側に出力する。そして、出力された各画像データDがアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の画像データDに順次変換されて記憶手段23に出力されて順次保存される。このようにして画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
そして、制御手段22は、後述するように電圧印加手段25を制御して放射線の照射開始の検出処理を行ったり走査駆動手段15や読み出し回路17を制御して画像データDの読み出し処理を行わせるなど、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御するようになっている。
また、図2に示すように、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、走査駆動手段15や読み出し回路17、電圧印加手段25、記憶手段23、バイアス電源14等の各機能部に必要な電力を供給するバッテリー24が接続されている。
次に、本実施形態に係る放射線検出用の放射線検出素子7A等に関する構成や制御の仕方等について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
前述したように、制御手段22は、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線が照射されて放射線画像撮影が行われた後の本画像としての画像データDの読み出し処理では、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから各第1走査線5を介して放射線画像取得用の各放射線検出素子7のTFT8にオン電圧を順次印加させ、読み出し回路17で放射線画像取得用の各放射線検出素子7から放出された電荷を画像データDに変換させて、画像データDをそれぞれ読み出す(図5参照)。
一方、本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前(すなわち放射線画像撮影装置1に放射線が照射される前)から、読み出し回路17等を制御して放射線検出用の放射線検出素子7A(図2参照)から、照射開始検出用データdを読み出すようになっている。
本実施形態では、この場合も、図5に示した放射線画像取得用の各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理と同様にして、放射線検出用の各放射線検出素子7Aから照射開始検出用データdを読み出すようになっている。
すなわち、放射線検出用の放射線検出素子7Aから信号線6を介して電荷が読み出し回路17の増幅回路18のコンデンサー18bに流れ込んで蓄積されると、コンデンサー18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値が増幅回路18のオペアンプ18aの出力側から出力される。それを相関二重サンプリング回路19で上記のようにサンプリングすることで、照射開始検出用データdが読み出されるようになっている。
しかし、この場合、放射線検出用の放射線検出素子7AのTFT8Aにオン電圧を印加するのは、放射線画像取得用の各放射線検出素子7の場合のような走査駆動手段15のゲートドライバー15bではなく、図2に示すように、電圧印加手段25から各第2走査線5Aを介して放射線検出用の放射線検出素子7AのTFT8Aにオン電圧が印加されるようになっている。
なお、本実施形態では電圧印加手段25は、走査駆動手段15のゲートドライバー15bと同じ構造のドライバーが用いられている。また、図2では、ゲートドライバー15bと電圧印加手段25とが検出部Pを介して互いに反対側に設けられるように記載されているが、両者を検出部Pの同じ側に設けるように構成してもよく、それらを設ける位置は適宜決められる。
本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前に、電圧印加手段25から所定の時間間隔で各第2走査線5Aに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り換えて、放射線検出用の各放射線検出素子7Aの各TFT8Aのオン/オフを上記の所定の時間間隔で切り換えるようになっている。
このように構成すると、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射される以前の時点では、放射線検出用の各放射線検出素子7A内では、少なくとも放射線の照射による電荷の発生はなく、放射線検出素子7A自体の熱(温度)による熱励起等による、いわゆる暗電荷(暗電流等ともいう。)が発生しているだけである。
そのため、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射される以前に読み出し回路17で読み出される照射開始検出用データdの値は、図6に示す、放射線の照射が開始される時刻t1より前の時点のように、小さな値の照射開始検出用データdが読み出される状態になる。
そして、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、放射線検出用の各放射線検出素子7A内で、暗電荷だけでなく、前述したように、そのi層75(図4参照)内で電荷(すなわち電子正孔対)が発生して読み出し回路17に流れ込むため、図6の時刻t1に示すように、読み出される照射開始検出用データdの値が、それ以前の値よりも大きくなる。
そこで、本実施形態では、これを利用して、例えば図6に示すように、照射開始検出用データdに対して閾値dthを設定しておき、制御手段22は、読み出された照射開始検出用データdが閾値dth以上になった時点で、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたことを検出するように構成されている。
ところで、このような制御の仕方は、上記の特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合と同様である。しかし、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合とは異なり、本実施形態では、放射線の照射が開始された時点で読み出し回路17に流れ込む電荷の量が多くなるため、放射線の照射開始を、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合よりも的確に検出することが可能となる。以下、この点について具体的に説明する。
よく知られているように、TFT8(TFT8Aを含む。)は、図7に示すように、ゲート電極にオフ電圧が印加されても放射線検出素子7(放射線検出素子7Aを含む。)から信号線6への電荷の流出を完全に遮断できず、TFT8を介して放射線検出素子7から信号線6に僅かに電荷qがリークしている。
そして、照射開始検出用データdの読み出し処理の際に、電圧印加手段25から第2走査線5Aを介してTFT8Aにオン電圧が印加されると、図8に示すように、放射線検出用の放射線検出素子7Aから、蓄積された暗電荷Qdがオン状態のTFT8Aを介して読み出し回路17に流入する。また、他の放射線画像取得用の放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷qも読み出し回路17に流れ込む。
そして、読み出し回路17では、放射線検出用の放射線検出素子7Aからの暗電荷Qdと放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8を介してリークする電荷qとが増幅回路18のコンデンサー18bに蓄積され、それらの電荷Qd、qの合計値に応じた信号が照射開始検出用データdとして読み出される。
そのため、図6に示したように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始される前の時点(図6の時刻t1より前の時点)においても、読み出される照射開始検出用データdは0にはならず、小さな値ではあるが0とは有意に異なる値が読み出される。ここまでは、本実施形態の場合も特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合も同様である。
しかし、放射線画像撮影装置に放射線が照射された時点で生じる現象が、本実施形態の場合と、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合とで異なる状態になる。
すなわち、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置では、放射線画像撮影装置に放射線が照射されると、放射線の照射により放射線検出用の放射線検出素子7A(放射線画像取得用の放射線検出素子7においても同様。)内で電荷Qが発生する。そして、図9に示すように、照射開始検出用データdの読み出し処理の際に、その電荷Qが放射線検出用の放射線検出素子7Aからオン状態のTFT8Aを介して読み出し回路17に流入する。
また、その際、他の放射線画像取得用の放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷qも読み出し回路17に流れ込むが、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置では、図示を省略するが、シンチレーター側から見た場合、スイッチ手段であるTFTが放射線検出素子によって覆い隠される位置に設けられているため、シンチレーターからの光が放射線検出素子によって遮られてTFTには届かない(詳しくは特許文献4参照)。
そのため、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合には、放射線の照射が開始された時点で読み出される照射開始検出用データdは、図9に示すように、放射線の照射により放射線検出用の放射線検出素子7A内で発生した電荷Qと、他の放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8を介してリークする電荷qとの合計値に相当するデータになる。
それに対して、本実施形態では、図4に示したように、TFT8は、基板4の面4a上における放射線検出素子7(放射線検出素子7Aを含む。以下同じ。)の側方の位置に設けられる。すなわち、本実施形態の場合には、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、シンチレーター3から照射された光が、放射線検出素子7に遮蔽されることなく、スイッチ手段であるTFT8に照射される。
すなわち、本実施形態では、TFT8は、放射線検出素子7によりシンチレーター3からの光から遮蔽されることなく、光に暴露される状態に形成されている。そして、本発明者らの研究では、TFT8に光(或いは放射線画像撮影装置1が直接型の場合には放射線)が照射されると、TFT8を介してリークする電荷qがより大きな電荷qに増加することが分かっている。
そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、本実施形態では、図10に示すように、放射線画像取得用の各放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷が電荷qに増加する。
そのため、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始された時点での照射開始検出用データdの増加の度合が、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合に比べて、放射線画像取得用の各放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷が電荷qから電荷qに増加する分だけより大きくなる。
このように、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合と比較して、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始前に読み出される照射開始検出用データdに対して、放射線の照射開始時に読み出される照射開始検出用データdがより大きく増加するようになる。
そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射された場合に、読み出される照射開始検出用データdがより確実に閾値dth(図6参照)以上になり、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率(すなわち単位時間当たりの線量)が小さい場合、すなわち放射線画像撮影装置1に対していわば弱い放射線が照射される場合には、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始前に読み出される照射開始検出用データdに対する、放射線の照射開始時に読み出される照射開始検出用データdの増加の度合が、線量率が小さい分だけ小さくなる。
しかし、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように、照射開始時の照射開始検出用データdの増加の度合を、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置の場合よりも高めることが可能となるため、上記のように照射される放射線の線量率が小さい場合でも照射開始検出用データdの増加の度合をより高めて確実に閾値dth以上になるように構成することが可能となる。そのため、放射線の線量率が小さいような場合でも、放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
ところで、放射線画像撮影前の照射開始検出用データdの読み出し処理(すなわち放射線の照射開始の検出処理)では、上記のように、放射線検出用の放射線検出素子7AのTFT8Aには電圧印加手段25から所定の時間間隔でオン電圧が印加される。そのため、放射線検出用の放射線検出素子7A内で発生する暗電荷は、所定の時間間隔で信号線6に放出されるため、放射線検出用の放射線検出素子7Aに蓄積され続けることが回避される。
それと同様にして、他の放射線画像取得用の放射線検出素子7に対しても、放射線検出素子7内に蓄積される暗電荷等を除去するために、各放射線検出素子7のリセット処理を行うことが必要となる。
そこで、本実施形態では、走査駆動手段15と電圧印加手段25との間で同期をとり、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから第1走査線5にオン電圧を印加するタイミングと、電圧印加手段25から第2走査線5Aにオン電圧を印加するタイミングが互いに交互になるようにして、TFT8、8Aにそれぞれオン電圧を印加するようになっている。
すなわち、放射線検出用の放射線検出素子7AのTFT8Aにオン電圧を印加して行う照射開始検出用データdの読み出し処理(すなわち放射線の照射開始の検出処理)と、放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8にオン電圧を印加して行う放射線画像取得用の各放射線検出素子7のリセット処理とを交互に行うようになっている。
そして、放射線画像取得用の各放射線検出素子7のリセット処理を行う際、例えば図11に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから第1走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加するようにしてリセット処理を行うように構成することが可能である。
また、例えば図12に示すように、ゲートドライバー15bから第1走査線5の全てのラインL1〜Lxにオン電圧を同時に印加させて放射線画像取得用の各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
さらに、例えば図13に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから、ゲートドライバー15bに接続されている全ての第1走査線5のうちの一部の複数の第1走査線5にオン電圧を同時に印加させて放射線画像取得用の各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
そして、その際、例えば図13に示したように、ゲートドライバー15bから、第1走査線5の各ラインL1〜Lmへのオン電圧の印加と、第1走査線5の各ラインLm+1〜Lxへのオン電圧の印加とを交互に繰り返すように構成することも可能である。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、照射された放射線やシンチレーター3からの光がスイッチ手段であるTFT8に到達するように構成したため、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、TFT8にも放射線や光が照射される。そして、放射線や光が照射されると、TFT8を介して放射線画像取得用の放射線検出素子7からリークする電荷qがより大きな電荷qに増加する。
そのため、特許文献4に記載された、TFTに放射線や光が照射されない構造の放射線画像撮影装置に比べて、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始された時点での照射開始検出用データdの増加の度合を、放射線画像取得用の各放射線検出素子7からTFT8を介してリークする電荷が電荷qから電荷qに増加する分だけ大きくすることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射された場合に、読み出される照射開始検出用データdがより確実に閾値dth(図6参照)以上になり、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
また、特に放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率が小さい場合には、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始される前後の照射開始検出用データdの増加の度合が小さくなるが、そのような場合でも、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は上記のような特性を有するため、読み出される照射開始検出用データdが確実に閾値dth以上になる。そのため、放射線の線量率が小さいような場合でも、放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
なお、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1においても、放射線検出用の放射線検出素子7Aが検出部P(図2参照)に散りばめられて形成されているため、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置と同様に、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射野が狭められて照射された場合でも、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を確実に検出することが可能となるといった効果を奏することが可能であることは言うまでもない。
また、例えば、少なくとも放射線検出用の放射線検出素子7Aが接続されている信号線6に接続されている読み出し回路17については、放射線の照射開始の検出処理を行っている間、増幅回路18のコンデンサー18b(図3参照)の容量cfを、その後の本画像としての画像データDの読み出し処理時における容量よりも小さな容量に設定しておくことが可能である。
このように構成すれば、増幅回路18における増幅率を上昇させて、照射開始検出用データdをより大きな値として読み出すことが可能となり、照射開始検出用データdが閾値dth以上になったか否かをより的確に判定することが可能となる。そのため、放射線の照射が開始されたか否かをより的確に検出することが可能となる。
その際、上記のように構成した場合には、放射線の照射開始を検出した後、本画像としての画像データDの読み出し処理を開始するまでの間に、コンデンサー18bの容量cfを、元の画像データDの読み出し処理時における容量に戻すように構成される。正しい値の画像データDが読み出されるようにするためである。
また、図10に示したように、上記の本実施形態では、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、少なくとも放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8に放射線やシンチレーター3からの光が照射されるため、TFT8を介してリークする電荷が、図9に示した特許文献4に記載された放射線画像撮影装置等の場合の電荷qからより大きな電荷qに増加する。
そして、放射線検出素子7の第1電極7a(図2等参照)から信号線6側にリークする電荷が増加すると、それに相応する分だけ放射線検出素子7の第2電極7bからバイアス線9側に流出する電荷も増加する。
放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を検出する方法としては、上記の本実施形態のように、各放射線検出素子7、7Aから信号線6に流出したりリークしたりする電荷を読み出し回路17で読み出す方法があるが、例えば米国特許第7211803号明細書や特開2009−219538号公報に記載されているように、各放射線検出素子7、7Aからバイアス線9側に流れ出してバイアス線9を流れる電流を利用する方法も知られている。
この検出方法については詳しくは上記の公報等を参照されたい。この場合、基本的には放射線画像撮影装置に放射線が照射されると、各放射線検出素子7からバイアス線9に流れ出す電流Iの値が増加する。そのため、バイアス線9やそれらを結束する結線10にそれらの内部を流れる電流Iの値を検出する電流検出手段26を設け、電流検出手段26から出力される電流Iの値が例えば閾値Ith以上になった時点で、放射線の照射が開始されたことを検出することができる。
そして、上記の技術を上記の実施形態に応用した場合、例えば、図14に示すように、図2における放射線画像撮影装置1のバイアス線9やそれらを結束する結線10に、それらの内部を流れる電流Iの値を検出する電流検出手段26を設けるように構成される。そして、電圧印加手段25から放射線検出用の放射線検出素子7Aにオン電圧を印加した際に電流検出手段26から出力される、バイアス線9や結線10中を流れる電流Iの値を制御手段22で監視し、上記と同様にして電流検出手段26から出力される電流Iの値に基づいて放射線の照射開始を検出するように構成することが可能である。
このように構成すると、バイアス線9や結線10には、TFT8Aにオン電圧が印加された放射線検出用の放射線検出素子7Aから流れ出した電荷だけでなく、他の放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8を介して信号線6にリークする電荷と等価で正負が逆の電荷も流れ込む。
そして、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置のように、シンチレーターからの光が放射線検出素子によって遮られてTFTには届かない構成では、放射線画像撮影装置に放射線が照射されてもTFTを介して放射線検出素子から信号線にリークする電荷の大きさは変わらない。
それに対して、上記の本実施形態と同様に、放射線検出素子7とTFT8を、図4に示したように、基板4の面4a上において、図中の上方から照射されるシンチレーター3からの光の進行方向に対して直交する方向に並設されるように設けることで、シンチレーター3からの光がTFT8にも照射されるようになる。
そして、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されるとシンチレーター3から放射線画像取得用の放射線検出素子7のTFT8に光が照射されるようになり、TFT8を介してリークする電荷が増大するため(図10参照)、それに対応してバイアス線9や結線10に流れ込む電荷の量も多くなる。
そのため、特許文献4に記載された放射線画像撮影装置に電流検出手段を設けた場合に比べて、電流検出手段26で読み出される電流Iの値が、放射線画像取得用の放射線検出素子7からバイアス線9や結線10に流れ込む電荷の量が多くなる分だけ大きくすることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射された場合に、読み出される電流Iの値がより確実に閾値Ith以上になり、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
なお、本発明が上記の実施形態や各変形例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5 第1走査線
5A 第2走査線
6 信号線
7 放射線検出素子(放射線画像取得用の放射線検出素子)
7A 放射線検出用の放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
8A TFT(放射線検出用の放射線検出素子に接続されたスイッチ手段)
9 バイアス線
10 結線(バイアス線)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
25 電圧印加手段
26 電流検出手段
D 画像データ
d 照射開始検出用データ
I 電流
Q、q 電荷

Claims (2)

  1. 二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記各放射線検出素子に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記各放射線検出素子のうち、放射線画像取得用の前記放射線検出素子に接続された前記スイッチ手段に、第1走査線を介してオン電圧を印加する走査駆動手段と、
    前記各放射線検出素子のうち、放射線検出用の前記放射線検出素子に接続された前記スイッチ手段に、第2走査線を介してオン電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記放射線画像取得用の放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出し、前記放射線検出用の放射線検出素子から放出された前記電荷を照射開始検出用データに変換して読み出す読み出し回路と、
    放射線の照射が開始されたことを検出し、前記放射線画像取得用の放射線検出素子からそれぞれ前記画像データを読み出す制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記放射線検出用の放射線検出素子から読み出された前記照射開始検出用データに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出するとともに、検出後、少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して前記放射線画像取得用の放射線検出素子からそれぞれ前記画像データを読み出させるように構成されており、
    前記スイッチ手段は、前記放射線検出素子により光または放射線から遮蔽されることなく、光または放射線に暴露される状態に形成されていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記各放射線検出素子には、当該放射線検出素子に逆バイアス電圧を印加するためのバイアス線がそれぞれ接続されており、
    前記バイアス線には、その内部を流れる電流を検出する電流検出手段が設けられており、
    前記制御手段は、前記放射線検出用の放射線検出素子から読み出された前記照射開始検出用データに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出する代わりに、前記放射線検出素子から前記バイアス線に流出する電流を検出した前記電流検出手段から出力される電流の値に基づいて放射線の照射が開始されたことを検出することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
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