JP2013204647A - ガスケットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧縮下において熱衝撃耐久性が高く、更に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットをカバー体上に形成することができるガスケットの製造方法を提供する。
【解決手段】ガスケット用材料を三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体に押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させることによりカバー体とガスケットとが一体化されたガスケットを製造する方法であって、ガスケットの高さ(h)とガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)が1.7〜20であり、ガスケットの高さ(h)と、ガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)が0.85〜1.1となるように前記押し出し口からガスケット用材料を押し出すことを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスケットの製造方法に関し、更に詳しくは、コンピュータのハードディスク装置等に使用するガスケットを、金型を用いることなく、また、シートの打ち抜きや接着工程を必要とすることなく製造する方法に関する。
近年、コンピュータのハードディスク装置においては、高性能化、小型化が進み、複雑な回路構成を有するようになっており、わずかな塵によっても障害が起こるため、実用上、防塵の必要性が高まっていることから、ガスケットを使って塵の侵入を防ぐことが一般に行われている。
従来、ハードディスク装置等に用いられるガスケット(以下、HDDガスケットと称することがある)は、(1)ウレタンフォームシートやソリッドゴムシートの打ち抜き物をカバー体に貼り付ける方法、(2)ソリッドゴムをトランスファー成形又は射出成形によりプレート両面にブリッジし、プレートと一体化する方法、(3)ディスペンサーを用いて溶融樹脂又は溶液状樹脂を押し出し、プレート面に一筆書きによりガスケット形状に押し出し、一体化するディスペンシング法、(4)接着性樹脂を配合した熱可塑性エラストマーをプレート面に射出成形し、一体化する方法等の方法により製造されていた。
これらの製造方法のうち、ディスペンシング法は、(I)製造までのリードタイムが長く、かつ初期コストがかかる金型が不要である、(II)カバー体に対して直接ガスケット形状を書き出す方法であるので貼り付け工程等の工程が不要である、というメリットがある。このディスペンシング法は、工業的に広く使用されており、HDDガスケットに関しても、すでに3.5インチ(88.9mm)HDD等の大型装置用ガスケットの製造に適用されており、3.5インチHDDガスケットの大半はこの方法により製造されている。
一方、HDDの小型化技術の進歩により、現在では2.5インチ(63.5mm)のHDDが主流となりつつあり、更に1.8インチ(45.7mm)、1インチ(25.4mm)の小型HDDも製品化されてきている。これらの小型HDDに用いるHDDガスケットには、線幅がより狭く、かつ高さが高い、壁のようなガスケットが必要とされている。
しかしながら、ディスペンシング法では、ディスペンサーから押し出されたガスケット用材料を一筆書きによりガスケット形状とするため、ガスケットの断面形状はガスケット用材料の自重により半円が潰れたような形状であった。そのため、線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットを形成することが望まれていた。
このような要求に対して、本出願人は、線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットを製造する方法として、三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体にガスケット用材料を複数段押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させることにより、ガスケットの高さ(h)と、ガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)が、ガスケットの80%以上の部分において、0.8〜3.0の範囲であるハードディスク装置用ガスケットの製造方法について先に特許出願した(下記特許文献1)。
WO2003/086736
しかしながら、前記特許文献1に記載の製造方法は、段数の数と同数のガスケット形成工程が必要であり、また、各段のガスケットの位置が互いにズレないように調整する必要があるため製造に時間がかかる。また、各段を異なる材料で構成するため製造コストが上昇しやすい。更に特許文献1に記載される製造方法で製造したガスケットは各段の境界部分に亀裂が生じる虞があり、これにより熱衝撃耐久性が低下するため、改善が望まれている。
更に近年、高密度化によりリーク性能の要求が高くなっていることから、ガスケットの圧縮率を向上させることが望まれている。
本発明は、高圧縮下において熱衝撃耐久性が高く、更に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットをカバー体上に形成することができるガスケットの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、ガスケット用材料を三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体に押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させる際に、ガスケットの高さ(h)とガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)、及びガスケットの高さ(h)とガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)が特定の値になるようにすることで、線幅が狭くて高さのあるガスケットを得ることができることを見出した。
すなわち、本発明はガスケット用材料を三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体に押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させることによりカバー体とガスケットとが一体化されたガスケットを製造する方法であって、ガスケットの高さ(h)とガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)が1.7〜20であり、ガスケットの高さ(h)とガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)が0.85〜1.1となるように前記押し出し口からガスケット用材料を押し出すことを特徴とするガスケットの製造方法を提供する。
本発明によれば、高圧縮下において熱衝撃耐久性が高く、更に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットをカバー体上に形成することができるガスケットの製造方法を提供することができる。
[ガスケットの製造方法]
本発明は、ガスケット用材料を三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体に押し出す際に、ガスケットの高さ(h)とガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)が1.7〜20となるようにし、ガスケットの高さ(h)とガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)が0.85〜1.1となるように前記押し出し口からガスケット用材料を押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させることを特徴とする。
このように、ガスケットの高さ(h)に比べて、ガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)を小さくすることにより、線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットを得ることができる。このガスケットをHDDに使用する場合、ハードディスク収納ケースの中央部に設置されている1〜複数枚のディスクに対して、ガスケットが干渉することがないため、ディスクの回転を阻害したり読み取りや書き込みの不具合を引き起こすといった支障をきたすことがなくなり、作動性が良好なHDDを製造することができる。なお、前記ハードディスク収納ケースは、カバープレート及びベースプレートで構成されるカバー体とガスケットとからなり、カバープレートとベースプレートとの間をガスケットが封止(シール)しているものいう。
本発明においては、前記のとおりガスケットの高さ(h)とガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)を0.85〜1.1としていることから、ガスケットの断面形状が円形又は楕円形となっているため、ガスケットが高さ方向の圧縮を受けた場合であってもガスケットの変位を大きくすることができ、シール性が非常に高い。また、ガスケットの断面形状が円形又は楕円形であるためOリング等の代用品として用いることも可能である。
前記ガスケットの高さ(h)と、ガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)は、1.75〜15がより好ましく、1.78〜10が更に好ましい。
また、前記ガスケットの高さ(h)と、ガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)は、0.9〜1.1がより好ましく、0.95〜1.05が更に好ましい。
ガスケットの高さ(h)は、シール性を向上させる観点から、0.5〜2.0mmが好ましく、0.7〜1.2mmがより好ましい。
また、線幅(w)としては、0.01〜0.7mmが好ましく、0.05〜0.5mmがより好ましい。
更にガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)は、0.4〜2.2mmが好ましく、0.6〜1.3mmがより好ましい。
なお、本発明の製造方法により製造されるガスケットは、線幅が狭く、高さが高いものであるが、必ずしも左右対称の形状である必要はない。また、本発明の製造方法により製造されるガスケットは、ガスケットが延在する方向の80〜100%の部分において、前記比率を満たしていることが好ましい。
ガスケットの押し出し装置は、上記の比率を備えるガスケットを形成することができる装置であれば特に制限はなく、空圧式押し出し装置、機械的なラムプレス押し出し装置、プランジャー式押し出し装置、スクリュー式押し出し装置等が挙げられる。
なお、ガスケット用材料として一般的に用いられる材料は、スクリュー式押し出し機等で混練した際に構造が破壊されて粘度が低下しやすいため、カバー体との接着面の線幅が大きくなることがある。しかしながら、後述する特定のガスケット用材料等を使用した場合には、スクリュー式押し出し機を用いた場合であっても粘度の低下を抑えることができ、材料の粘度を高いレベルで維持することが可能となるため、カバー体との接着面の線幅を小さくすることが容易となる。
前記ガスケットの押し出し圧は50kPa〜1MPaとすることが好ましい。この範囲内であると、ガスケットの押し出しを効率よく行えるとともに、ガスケットが押しつぶされることがなく、十分に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットが得られる。このような観点から、ガスケットの押し出し圧は、80kPa〜800kPaがより好ましく、100kPa〜800kPaがより好ましく、200kPa〜800kPaが更に好ましい。
本発明のガスケットの製造方法における、ガスケット用材料の硬化の方法としては、例えば、ガスケット成形後、ガスケット用材料を十分硬化させるのに必要な活性エネルギー線を活性エネルギー線照射装置から照射して硬化させる方法が好ましい。
ここで、ガスケット用材料の硬化に用いる活性エネルギー線とは、紫外線及び電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線をいう。これらのうち、特に紫外線は装置が簡便で使い易く良好にガスケットを硬化させることができる。また紫外線を用いる場合にはガスケット用材料に光重合開始剤及び/又は光増感剤を含有させることが好ましい。電子線やγ線のような電離性放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を含有させることなく速やかに硬化を進めることができる。
紫外線源としては、有電極方式としてメタルハライドランプ、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を、無電極方式としてエキシマランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。紫外線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気あるいは酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気でも紫外線硬化性ガスケット用材料を用いた場合には、十分硬化させることができる。照射雰囲気温度は、通常10〜200℃が好ましい。
更にガスケット用材料は、押し出し口からカバー体に押し出されると同時に、紫外線照射装置から照射された紫外線により硬化され、カバー体と一体化する方法が好ましい。この場合押し出されてから硬化するまでの時間が短いので、押し出された形状が変形することなく硬化することができる。また紫外線線照射装置は三次元自動塗布制御装置の押し出し口の動きと連動して動くように制御されることが好ましい。この際に紫外線が押し出し口に当たるとガスケット用材料が硬化してしまうので、紫外線は押し出し口に当たらないように押し出し口の通った軌跡をなぞることが好ましい。
本発明の製造方法に用いるガスケット用材料としては、ガスケットを成形する温度において、剪断速度1.0/秒における粘度が1〜10,000Pa・sであるものが好ましく、10〜2,000Pa・sがより好ましく、100〜1,200Pa・sが更に好ましい。この粘度が前記範囲であると、流動性が適度であるため、ガスケット形状を保持することができるとともに、ガスケット形状の賦形を行いやすい。
なお、上記粘度の測定方法として、ガスケット用材料の温度が50℃の場合の測定方法を以下に示す。
(ガスケット用材料の温度50℃、剪断速度1.0/秒における粘度の測定方法)
例えば、レオメーター「RS−600」(ハーケ社製)を用いて測定する。ガスケット用材料を50℃に調整し、ギャップ0.2mmで、剪断速度を1〜10s-1の範囲で変えながら、剪断応力を測定し、剪断速度と応力の1/2乗をプロットしたキャソン(Casson)プロットから最小二乗法による近似線を引き、1s-1における粘度を算出する。
なお、ガスケットの成形温度は30℃〜140℃の範囲であることが好ましく、更に40℃〜120℃の範囲であることが好ましい。
また、成形温度における、粘度(Pa・s)の常用対数(y)と剪断速度(s-1)の常用対数(x)の関係をy=−ax+b(a及びbは正数)としたときに、aの値が0.2以上のものが好ましく、更にaの値は0.25以上がより好ましく、0.35以上が特に好ましい。aの値が0.2未満であると、粘度の剪断速度依存性が小さいため、粘度が低すぎて形状保持ができないか、あるいは粘度が高すぎてガスケット用材料を押し出すことができないという不都合が生じる場合がある。
前述のとおり、剪断速度を変えて、剪断応力を測定し、剪断速度の1/2乗と剪断応力の1/2乗を直行座標軸にプロットしたものは一般にキャソン(Casson)プロットと呼ばれ粘度の降伏値の評価に用いられる。このプロットを最小二乗法で近似した直線が剪断応力の1/2乗の軸を横切った切片を2乗したものを降伏値と言い、塗布して静止したガスケット用材料の形状保持性の目安となる。この降伏値が70Paを超えると上述のガスケットを形成する際に、前記比を満たすガスケットを製造することが可能になる。したがって、降伏値は70〜1000Paが好ましく、300〜500Paがより好ましい。
上記の如く高いチクソ性を有し剪断速度依存性が高い材料は、押し出し時に粘度が低く、押し出された後の静止状態では粘度が高い特性を有するため、ガスケットの型くずれがおきずに好適である。
上述した粘度と粘度の剪断速度との関係を上記の範囲に調整する方法としては、無機系の充填材を分散させる方法、有機系の増粘剤を配合する方法、重合オリゴマーの分子量を制御する方法、極性を制御する方法等がある。なお、使用し得る無機系充填剤等は後述のとおりである。
前記ガスケット用材料のJIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度は、50°以下であること、更に35°〜48°であることが好ましい。該硬度が50°以下であると、このガスケット付きカバーを本体に組み込む際にガスケットが変形しやすいため、カバーがたわみにくく密閉性が損なわれないという利点があるからである。
またHDDを車に載せることを想定して、シール性を確保する為100℃において25%圧縮し24時間放置時の永久歪が20%以下であることが好ましく、10%以下が更に好ましい。なお、ハードディスクへの汚染を軽減するため、加温時に発生する総ガス量、シロキサン発生量の低いものが好ましい。また水蒸気の透過を防ぐため透湿性が低いことが好ましい。
本発明により製造されるガスケットにおいては、前述のとおり、円形又は楕円形に近い断面形状を有していることから、ガスケットを設置する箇所にガスケットの位置ズレを防止するための溝を設けておくことが好ましい。例えば、ベースプレート及びカバープレートからなるHDDケースにおいて、カバープレート側にガスケットを被着させる場合、ベースプレート側に溝を設けておくことが好ましく、これにより、ガスケットがカバープレートからはずれてしまった場合でも、該溝にガスケットが入り込むためガスケットの位置ズレを防止することができる。このような目的で設ける溝は、溝の延在方向に対して直交方向の断面形状が、長方形、円形、又は楕円形であることが好ましい。また、ガスケットの位置ズレを効果的に抑制する観点から、溝の幅は、ガスケットの幅の110〜150%程度であることが好ましい。
[ガスケット用材料]
本発明において用いるガスケット用材料は、(A)成分として(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型液状オリゴマー、及び(B)成分として後述する一般式(1)で示される(メタ)アクリレートモノマーを含有するガスケット用材料が好ましい。
以下、各成分について詳細に説明する。
((A)エネルギー線硬化型液状オリゴマー)
(A)成分を構成する(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型液状オリゴマーとしては、得られるガスケットの性能及び加工性等の観点から、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを好適に用いることができる。1分子中の(メタ)アクリロイル基の個数は、通常2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2個が更に好ましい。
なお、上記(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基又はメタクリロイル基を指す。
(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型オリゴマーとしては、特に制限はなく、例えばウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマー、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマー及びその水素添加物等を挙げることができる。
ここで、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、カーボネートジオール等とポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエステル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエーテル系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテルポリオールオリゴマーの両末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート系(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリカーボネートポリオールオリゴマーの両末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ系(メタ)アクリレートオリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。
また、共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、液状スチレン−ブタジエン共重合体をアクリル変性して得られるSBRジアクリレート、ポリイソプレンをアクリル変性して得られるポリイソプレンジアクリレート等が挙げられる。水素添加共役ジエン重合体系(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば両末端に水酸基を有する、水素添加ポリブタジエン又は水素添加ポリイソプレンの前記水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを指し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を指す。
前記(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型液状オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、得られるガスケットの性能及び加工性等の観点から2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーが好適である。なお、2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーとは、ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーの1分子中に、(メタ)アクリロイル基が2個含まれていることを意味する。
前記2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内にヒドロキシ基2個を有する、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、カーボネートジオール等と、ポリイソシアナートとの反応により、得ることができる。
前記のヒドロキシ基2個を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール及び1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ビスフェノールA等にエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等が付加した化合物等を用いることができる。
前記のヒドロキシ基2個を有するポリエステルポリオールは、アルコール成分と酸成分とを反応させて得ることができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ビスフェノールA等にエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等が付加した化合物、あるいは、ε−カプロラクトンが付加した化合物等をアルコール成分とし、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等の二塩基酸及びその無水物を酸成分として使用することができる。上記のアルコール成分、酸成分及びε−カプロラクトンの三者を同時に反応させることによって得られる化合物も、ポリエステルポリオールとして使用することができる。
前記のカーボネートジオールは、例えば、ジフェニルカーボネート、ビス−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニル−トルイル−カーボネート、フェニル−クロロフェニル−カーボネート、2−トリル−4−トリル−カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアリールカーボネート類又はジアルキルカーボネート類とジオール類、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール又は上記のジオール化合物とシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸の反応生成物、又はε−カプロラクトンの反応生成物であるポリエステルジオール等とのエステル交換反応によって得ることができる。
このようにして得られるカーボネートジオールは、分子中にカーボネート構造を二つ以上有するポリカーボネートジオールである。
2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、前記のポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールに、有機ジイソシアナートを反応させて得られる化合物が好ましい。上記有機ジイソシアナートとしては、例えばイソホロンジイソシアナート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート及びヘキサメチレンジイソシアナート等の脂環式や脂肪族ジイソシアナートが好ましく用いられる。
当該2官能ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーとして、ハンドリング性等の観点から、数平均分子量4,000〜8,000程度のオリゴマーが好適である。なお、この数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリスチレン換算の値である。
((B)(メタ)アクリレートモノマー)
(B)成分としては、下記一般式(1)で表される特定の(メタ)アクリレートモノマーを用いる。ガスケット用材料に(B)成分を配合することにより、室温(約15〜30℃)での表面粘着性が適度であり耐リーク性能に優れていながら、ガスケットを高温環境下においたのちの表面粘着性の増大を抑制することができ、HDD用のガスケットを対象としたヒートショック試験に十分に耐えられるガスケットを製造することができる。
Figure 2013204647
前記一般式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数4〜18の鎖式飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族基を表す。Wは、エチレン基又はプロピレン基を表す。また、nは、0〜2の整数を表す。
1としては、入手容易性の観点から水素原子が好ましい。
2が炭素数4〜18の鎖式飽和脂肪族炭化水素基である場合、合計の炭素数が4〜18の範囲の鎖式飽和脂肪族炭化水素基であれば特に制限はないが、例えばn−ブチル基(C4)、イソブチル基(C4)、s−ブチル基(C4)、n−ヘキシル基(C6)、エチルヘキシル基(C8)、n−オクチル基(C8)、イソオクチル基(C8)、各種デシル基(C10)(「各種」とは、直鎖及びあらゆる分岐鎖を含むことを示す。以下、同様である。)、各種ドデシル基(C12)、各種トリデシル基(C13)、各種ヘキサデシル基(C16)、各種オクタデシル基(C18)等が挙げられる。これらの中では、ガスケットを高温環境下においたのちの表面粘着性増大の抑制の観点から、炭素数7〜18の分岐状の鎖式飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、エチルヘキシル基、イソオクチル基(6−メチルヘプチル基)、n−ドデシル基(ラウリル基)、イソミリスチル基、イソステアリル基がより好ましい。
2が炭素数6〜12の芳香族基である場合、例えば、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの中では、ガスケットを高温環境下においた後の表面粘着性の増大を抑制する観点から、フェニル基が好ましい。
該R2の炭素数が前記範囲内であると、HDD用のガスケットを対象としたヒートショック試験に十分に耐えられるガスケットを得ることができる。
また、Wとしては入手容易性の観点から、エチレン基が好ましい。
nは、0〜2の整数であれば、ガスケットの高温環境下における粘着性増大の抑制効果には影響を及ぼさない。
(B)成分の(メタ)アクリレートモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(A)成分と前記(B)成分との配合比は、ガスケットを高温環境下においたのちの粘着性増大の抑制の観点から、質量比で(A):(B)=97:3〜20:80が好ましく、95:5〜20:80がより好ましく、90:10〜40:60がより好ましく、80:20〜70:30が更に好ましい。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、公知のものを広く用いることができ、特に制限されるものではない。
例えば分子内開裂型の光重合開始剤が挙げられ、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系光重合開始剤;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系光重合開始剤;アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。これらの中でも、プロピオフェノン系光重合開始剤が好ましく、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンがより好ましい。
また、その他水素引き抜き型の光重合開始剤としてベンゾフェノン−アミン系光重合開始剤、ミヒラーケトン−ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン−アミン系光重合開始剤等を挙げることができる。
また、未反応光重合開始剤のマイグレーションを避けるために、非抽出型光重合開始剤を用いることができる。例えばアセトフェノン系開始剤を高分子化したもの、ベンゾフェノンにアクリル基の二重結合を付加したものがある。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ガスケット用材料に光重合開始剤を配合する場合、その配合量は、該ガスケット用材料に含まれる(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜10質量部程度、より好ましくは0.5〜5質量部、更に好ましくは0.5〜3質量部である。また、上記光重合開始剤と共に、公知の光増感剤を併用することもできる。
(任意成分)
任意成分として、例えば、前記(B)成分以外の(メタ)アクリルモノマーや、無機充填材、有機系チクソ性付与剤、カップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、光安定剤、カルボジイミド類等や、その他にも、ステアリン酸等の脂肪酸;ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド;脂肪酸エステル;ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等の内部離型剤;プロセスオイル等の軟化剤;着色剤;レベリング剤等を含有させることができる。前記ガスケット用材料は、基本的には無溶媒であるが必要に応じて各種溶媒を配合してもよい。
特に、無機充填剤や有機系チクソ性付与剤を前記ガスケット用材料に配合することにより、該材料に増粘性及び揺変性(チクソトロピー)が付与されガスケット用材料の成形性を向上させることができる。
以下、これらの任意成分について説明する。
((B)成分以外の(メタ)アクリルモノマー)
本発明において用いるガスケット用材料は、(B)成分以外の(メタ)アクリルモノマーを含んでいでもよい。(B)成分以外の(メタ)アクリルモノマーとしては、分子量1,000未満の(メタ)アクリルモノマーが好ましく、例えばシクロへキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びメトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
ガスケット用材料に(B)成分以外の(メタ)アクリルモノマーを配合する場合、その配合量は、前記効果を著しく損なわない程度であればよく、例えば、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下、特に好ましくは3質量部以下である。
(無機充填材)
無機充填剤としては、シリカ(SiO2;湿式シリカ、乾式シリカ)又はそれらをシランカップリング剤、シリコンオイル、変性シリコンオイル、フッ化ソーダ、珪フッ化マグネシウム、ノニオン系界面活性剤、合成ポリエチレンワックス等で疎水処理したもの、ベントナイト、マイカ、合成スメクタイト又はこれらを4級アンモニウム塩で処理したもの、アルミナ、チタニア及び粘度鉱物等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。より具体的には、乾式法により微粉化したシリカ微粉末[例えば、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300]等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒径は、増粘性、チクソトロピーの付与の観点から、5〜50μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。
ガスケット用材料に無機充填剤を配合する場合、その配合量は、該ガスケット用材料に含まれる(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜30質量部程度、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは5〜15質量部である。
(有機系チクソ性付与剤)
有機系チクソ性付与剤としては、水添ひまし油、酸化ポリエチレン、アマイドワックス又はこれらの混合物が好ましい。具体的には、ひまし油(主成分がリシノール酸の不乾性油)の水添品である水添ひまし油[例えば、ズードケミー触媒(株)製、商品名:ADVITROL100、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン305等]及びアンモニアの水素をアシル基で置換した化合物である高級アマイドワックス[例えば、楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500]等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記無機充填剤と併用してもよい。
ガスケット用材料に有機系チクソ性付与剤を配合する場合、その配合量は、該ガスケット用材料に含まれる(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜30質量部程度、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは5〜15質量部である。なお、有機系チクソ性付与剤と無機充填剤を併用する場合は、その合計量が、前記範囲であることが好ましい。
(カップリング剤)
カップリング剤は、ガスケット付き部材を作製する場合、ガスケットと基材との密着性を向上させるために、必要に応じて適宜量用いてもよい。このカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等があるが、中でもシラン系カップリング剤が好適である。
ガスケット用材料にカップリング剤を配合する場合、その配合量は、該ガスケット用材料に含まれる(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜20質量部程度、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは3〜15質量部である。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3'−チオジプロピオネート等が挙げられる。
またリン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガスケット用材料に酸化防止剤を配合する場合、その配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
(光安定剤)
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系又はトリアジン系の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられるが、これらの中でも、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
光安定剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ガスケット用材料に光安定剤を配合する場合、その配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
(カルボジイミド類)
カルボジイミド類としては、例えば「Elastostab H01」(日清紡績株式会社製)等の市販品を使用することができる。
ガスケット用材料にカルボジイミド類を配合する場合、その配合量は、その種類に応じて適宜選定されるが、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、通常、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
(接着性向上剤)
所望により用いられる接着性向上剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系炭化水素、ロジン誘導体等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ガスケット用材料の調製]
ガスケット用材料の調製方法に特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の(A)成分、(B)成分及び所望により用いられる光重合開始剤や前記任意成分を、温度調節可能な混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、高剪断型ミキサー等を用いて混練することにより調製することができる。
ガスケット用材料を被着させる被着体(カバー体)としては、例えば、硬質樹脂からなるものも使用することができるが、加工性等から金属製のものが好ましい。金属としては特に制限はなく、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板、マグネシウム合金板等の中から、適宜選択して用いることができる。また、マグネシウムを射出成形したものも用いることができる。耐食性の点から、ニッケルめっき処理を施した金属が好適である。
また、ガスケット付き部材としては、HDD用等のガスケット、インクタンク用シール、液晶装置用シール等が挙げられる。ガスケットの厚さは、用途により適宜選定することができるが、通常、0.1〜2mm程度である。
(ガスケットの用途)
本発明のガスケットは、HDD用等のガスケットとして好適に用いられるほか、インクタンク用シール材、各種表示装置のシール材、土木、建築等の構造物用シール材、Oリング等のパッキン、防振部材等の用途に用いることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、本実施例においては、次の装置、材料を使用した。
<3次元自動塗布制御装置>
スクリュー式押出機(武蔵エンジニアリング株式会社製「MSD−2」)
<カバー体>
A5052材料(アルミニウム板を無電解Niメッキしたもの)
大きさ:95.3×69.8mm
<ガスケット用材料>
成分(A) :共栄社化学株式会社製「ライトタックPUA−KH32M」
2官能ウレタン系アクリレートオリゴマー、イソボルニルアクリ
レート、フェノキシエチルアクリレート、及びイルガキュア29
59相当品(光重合開始剤)の混合物)中の2官能ウレタン系ア
クリレートオリゴマー
成分(B) :共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートPO−A」
フェノキシエチルアクリレート
光重合開始剤 :BASFジャパン株式会社製「DAROCUR1173」
無機充填剤 :日本アエロジル株式会社製「アエロジル300」
<ガスケット用材料の組成>
ガスケット用材料(UV硬化型樹脂)の組成は以下の表1のとおりである。
Figure 2013204647
前記表1に示す組成のUV硬化型樹脂をスクリュー式押出機(使用条件:70rpm)に充填して予備押出圧を利用することにより前記材料をスクリュー部に充填し、アスペクト比が大きくなるようにガスケット材料を形成し、次いで積算光量2000mJ/cm2でUVを照射し接着させた。
実施例1〜3、比較例1における形成条件は以下のとおりである。
<実施例1>
ガスケットの押し出し圧 :400kPa
ガスケット成形温度 :40℃
剪断速度1.0/秒における粘度:1000Pa・s(40℃)
ガスケット用材料の硬度 :47°
(JIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度)
<実施例2>
ガスケットの押し出し圧 :600kPa
ガスケット成形温度 :50℃
剪断速度1.0/秒における粘度:950Pa・s(40℃)
ガスケット用材料の硬度 :40°
(JIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度)
<実施例3>
ガスケットの押し出し圧 :500kPa
ガスケット成形温度 :23℃
剪断速度1.0/秒における粘度:350Pa・s(23℃)
ガスケット用材料の硬度 :45°
(JIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度)
<比較例1>
ガスケットの押し出し圧 :400kPa
ガスケット成形温度 :50℃
剪断速度1.0/秒における粘度:150Pa・s(40℃)
ガスケット用材料の硬度 :47°
(JIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度)
上記の配合、条件により作成したガスケットの特性を表2に示す。なお、本実施例及び比較例においては、ガスケットが延在する方向の80%以上の部分において表2の特性を満たしている。
次に実施例1〜3、比較例1で形成したガスケットの高圧縮下における熱衝撃耐久性の試験を行った。
<熱衝撃耐久性試験の方法>
各実施例及び比較例で形成したガスケットを−40℃、85℃の温度条件の槽に交互投入する操作を行い、熱衝撃耐久性を試験した。すなわち、−40℃の条件下で30分放置した後、85℃の条件下で30分放置する操作を1サイクルとし、これを100サイクル実施した後のガスケットの様子を観察し、以下の基準で評価を行った。結果を表2に示す。
≪熱衝撃耐久性試験の評価方法≫
〇:前記100サイクル後に、ガスケットに割れや倒れ込みが生じなかったもの。
×:前記100サイクル後に、ガスケットに割れや倒れ込みが生じたもの。
Figure 2013204647
実施例の結果から明らかなように、本発明のガスケットの製造方法によれば高圧縮下において熱衝撃耐久性が高く、更に線幅が狭く、かつ高さが高いガスケットをカバー体上に形成することができる。
本発明のガスケットの製造方法は、特に2.5インチサイズのHDD用ガスケット、更に3.5インチサイズのHDD用ガスケットを製造するのに有用である。他にも、インクタンク用シール材、各種表示装置のシール材、土木、建築等の構造物用シール材、Oリング等のパッキン、防振部材等を製造にも有用である。

Claims (9)

  1. ガスケット用材料を三次元自動塗布制御装置の押し出し口からカバー体に押し出し、該押し出されたガスケット用材料を硬化させることによりカバー体とガスケットとが一体化されたガスケットを製造する方法であって、ガスケットの高さ(h)とガスケットのカバー体への接着面の線幅(w)との比(h/w)が1.7〜20であり、ガスケットの高さ(h)と、ガスケットの高さ(h)の中間点におけるガスケットの幅(l)との比(h/l)が0.85〜1.1となるように前記押し出し口からガスケット用材料を押し出すことを特徴とするガスケットの製造方法。
  2. 前記ガスケット用材料は、(A)(メタ)アクリロイル基を有するエネルギー線硬化型液状オリゴマー及び(B)下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレートモノマーを含有するものであって、前記(A)成分と(B)成分との配合比[(A):(B)]が、質量比で97:3〜20:80である、請求項1に記載のガスケットの製造方法。
    Figure 2013204647
    (式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数4〜18の鎖式飽和脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族基を表す。Wは、エチレン基又はプロピレン基を表す。また、nは、0〜2の整数を表す。)
  3. 前記ガスケット用材料は、前記(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、光重合開始剤0.1〜10質量部、並びに無機充填材及び/又は有機系チクソ性付与剤を0.1〜30質量部含有する、請求項2に記載のガスケットの製造方法。
  4. 前記無機充填材がシリカである、請求項3に記載のガスケットの製造方法。
  5. 前記三次元自動塗布制御装置が空圧式押し出し装置、機械的なラムプレス押し出し装置、プランジャー式押し出し装置、及びスクリュー式押し出し装置から選ばれる押し出し装置を有し、かつ、ガスケットの押し出し圧が50kPa〜1MPaである、請求項1〜4のいずれかに記載のガスケットの製造方法。
  6. 前記ガスケット用材料は、ガスケット成形温度下、剪断速度1.0/秒における粘度が1〜10,000Pa・sである、請求項1〜5のいずれかに記載のガスケットの製造方法。
  7. 前記ガスケット用材料のJIS K 6253デュロメーターA硬さ試験による硬度が50°以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のガスケットの製造方法。
  8. 前記ガスケット用材料に活性エネルギー線照射装置から活性エネルギー線を照射して硬化させる、請求項1〜7のいずれかに記載のガスケットの製造方法。
  9. 前記活性エネルギー線照射装置が紫外線照射装置であり、該紫外線照射装置の照射口が前記三次元自動塗布制御装置の押し出し口の動きと連動して動く、請求項8に記載のガスケットの製造方法。
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