WO2023002973A1 - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、被着体に対する接着力が良好であると共に、硬化物を圧縮させた際の耐久性が良好である光硬化性組成物を提供する。 本発明は、下記(A)~(D)成分を含み、下記(C)成分の合計量を100質量%としたとき、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が6~20質量%である、光硬化性組成物である: (A)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物 (B)成分:ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマー((A)成分を除く) (C)成分:(メタ)アクリロイル基を有するモノマー((A)成分と(B)成分を除く) (D)成分:光開始剤。

Description

光硬化性組成物
 本発明は、光硬化性組成物に関するものである。
 ハードディスクドライブの分野では、空気の乱れ(風乱)が生じ、ディスクや磁気ヘッドに振動が発生するため、特開2008-090886号公報(米国特許出願公開第2008/0088969号明細書に対応)に開示されているように、筐体内にヘリウムを封入することで当該不具合を抑制する技術が汎用されている。シール剤としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン成分を含むものが知られている。しかしながら、該シール剤は、ハードディスクドライブのリッドに対する接着性が低く、特に、耐久試験において接着面が剥離してヘリウムが漏れ出す懸念が存在した。
 上記のように、従来の分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物を使用しているシール剤は、被着体に対する接着力が低下すると共に、硬化物を圧縮させた後で接着力を維持することが困難であった。
 そこで、本発明は、被着体に対する接着力が良好であると共に、硬化物を圧縮させた際の耐久性が良好である光硬化性組成物を提供する。
 本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、ポリイソブチレン骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するポリイソブチレン化合物を含む光硬化性組成物の接着力向上に関する手法を発見し、本発明を完成するに至った。
 本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、下記(A)~(D)成分を含み、(C)成分の合計量を100質量%としたとき、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が6~20質量%である、光硬化性組成物である:
(A)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物
(B)成分:ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマー(ただし、(A)成分を除く)
(C)成分:(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(ただし、(A)成分および(B)成分を除く)
(D)成分:光開始剤。
 本発明の第二の実施態様は、上記(A)成分の合計100質量部に対して、上記(B)成分の合計含有量が1~50質量部であり、かつ上記(C)成分の合計含有量が50~300質量部である、第一の実施態様に記載の光硬化性組成物である。
 本発明の第三の実施態様は、上記脂環構造が、炭素原子および水素原子のみから構成される環状炭化水素基である、第一または第二の実施態様に記載の光硬化性組成物である。
 本発明の第四の実施態様は、上記脂環構造が、イソボルニル基、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基である、第一から第三までの実施態様のいずれか1つに記載の光硬化性組成物である。
 本発明の第五の実施態様は、第一から第四までの実施態様のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を光照射により硬化させた硬化物である。
 本発明の第六の実施態様は、動的粘弾性測定におけるtanδのピークトップ温度が0℃以下である第五の実施態様に記載の硬化物である。
 本発明の第七の実施態様は、第一から第四までの実施態様のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を含むシール剤である。
 本発明の第八の実施態様は、ハードディスクドライブのカバーシールに使用される第七の実施態様に記載のシール剤である。
図1は、初期接着力測定の方法を示した図であり、1はビードを表し、2は被着体を表し、3は接触子を表し、4は接触子の進行方向を表す。
 本発明に係る光硬化性組成物は、下記(A)~(D)成分を含み、(C)成分の合計量を100質量%としたとき、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が6~20質量%である:
(A)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物
(B)成分:ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマー(ただし、(A)成分を除く)
(C)成分:(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(ただし、(A)成分および(B)成分を除く)
(D)成分:光開始剤。
 かような構成を有する本発明の光硬化性組成物は、被着体に対する接着力が良好であると共に、硬化物を圧縮させた時の耐久性が良好であることからシール性を向上させることができる。
 以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとの語は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方を包含する。よって、例えば、(メタ)アクリロイル基との語は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の双方を包含する。また、同様に、(メタ)アクリルとの語は、アクリルおよびメタクリルの双方を包含する。
 本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、下限値(X)および上限値(Y)を含む範囲(X以上Y以下)を意味する。
 <(A)成分>
 本発明に係る光硬化性組成物に含まれる(A)成分は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物である。ポリイソブチレンとは、下記の一般式1で表される繰り返し単位を含むポリイソブチレン骨格を有する重合体を指す。本明細書では、一般式1で表される繰り返し単位を、単に「ポリイソブチレン骨格」とも称する。ここで、重合体とは、理論に制限されず、例えば、主鎖など、分子内にモノマーの繰り返し単位を伴う構造を有し、かつ、当該繰り返し単位を2以上有する化合物を指す。(A)成分は、1以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、ポリイソブチレン骨格を有する化合物であれば特に限定されるものではない。(A)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の(A)成分を組み合わせて用いる場合、(A)成分の含有量は、その合計量を指す。また、1以上の(メタ)アクリロイル基およびポリイソブチレン骨格に加え、ウレタン結合を有する化合物は、(A)成分に含まれるものとし、(B)成分には含まれないものとする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 (A)成分の(メタ)アクリロイル基の数は、1~12個であることが好ましく、2~8個であることがより好ましく、2~4個であることがさらに好ましく、硬化性の観点から2個であることが特に好ましい。また、(メタ)アクリロイル基は、分子の側鎖および末端のいずれに存在していてもかまわないが、ゴム弾性の点から、分子の末端に存在することが好ましい。
 (A)成分は、ポリイソブチレン骨格の結合形態は、特に制限されず、ブロックであってもよいし、ランダムであってもよいが、ブロックであることが好ましい。また、一般式1において、nは、2以上であることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物は、(A)成分に含まれるポリイソブチレン骨格に起因して、水分の透過性が低いと推測される。ここで、水分に対するバリア性および接着性をより向上させるという観点から、上記一般式1において、nは、2~300であることがより好ましく、10~150であることがさらに好ましく、20~100であることが特に好ましい。(A)成分は、上記一般式1で表される繰り返し単位以外の他の構成単位を含んでいてもよい。他の構成単位を含む場合、(A)成分は、他の構成単位が重合されてなるブロックと共にジブロック体やトリブロック体を形成していてもよい。すなわち、(A)成分は、上記一般式1で表される繰り返し単位からなるブロックに加え、他の構成単位(重合性単量体)が重合されてなるブロックをさらに含んでいる形態(ジブロック体やトリブロック体)であってもよい。ただし、(A)成分は、他の重合性単量体に由来するブロックを含まず、上記一般式1で表される繰り返し単位からなるブロックのみを含むモノブロック体であることが好ましい。ここで、剛直な骨格を導入することで、硬化物をより得られやすくする(硬化性を向上させる)という観点から、(A)成分は、芳香族炭化水素基を有するポリイソブチレン骨格を含むことが好ましい。(A)成分が芳香族炭化水素基を有するポリイソブチレン骨格を含むことにより、光硬化性組成物を硬化させる際、ポリイソブチレン骨格の柔軟性に起因する硬化性の低下を抑制することができる。上記芳香族炭化水素基は、(A)成分において、主鎖、側鎖のいずれに含まれていてもよい。光硬化性組成物の硬化性を向上させるという観点から、芳香族炭化水素基は、ポリイソブチレン骨格と、分子の末端に存在する(メタ)アクリロイル基との間に含まれているとより好ましい。芳香族炭化水素基に含まれる芳香族炭化水素環の例としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、ナフタレン環、アントラセン環、アズレン環、フルオレン環、ヘプタレン環、アセナフタレン環、フェナレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェン環、ヘキサフェン環、ヘキサセン環等が挙げられる。入手容易性を考慮すると、ベンゼン環またはナフタレン環であることが好ましく、ベンゼン環であることが特に好ましい。すなわち、芳香族炭化水素基は、上記芳香族炭化水素環に由来する基であると好ましい。さらに、光硬化性組成物の硬化性をより向上させるという観点から、ポリイソブチレン骨格は、二価の芳香族炭化水素基を含んでいることが好ましい。ここで、二価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6~30の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、フェナントリレン基、またはピレニレン基であることがより好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントリレン基、またはフルオレニレン基であることがさらに好ましく、フェニレン基であることが特に好ましい。また、上記芳香族炭化水素基は置換されていてもよい。このとき、置換基としては特に制限されないが、炭素数1~20の一価の炭化水素基、炭素数1~20のアルコキシ基等が挙げられる。炭素数1~20の一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられる。また、炭素数1~20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基等が挙げられる。
 (A)成分の分子量は、特に制限されないが、主として接着性に優れるという観点から、数平均分子量が、200~500,000であることが好ましく、500~400,000であることがより好ましく、1,000~100,000であることがさらにより好ましく、3,000~50,000であることが特に好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出された値を採用する。
 水分の透過性を低減させるために、(A)成分以外に、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレンゴム、水素添加ポリイソプレンなどのゴム骨格を有し、かつ分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を実質的に含まないことが好ましい。なお、本明細書中、「実質的に含まない」とは、光硬化性組成物が、対象となる物質をコンタミネーションにより含む態様を包含するが、光硬化性組成物の全量に対して、対象となる物質が、0.1質量%以下(下限:0質量%)の割合で存在してもよいことを意味する。
 (A)成分は、市販品または合成品のいずれを使用してもよい。(A)成分の製造方法は限定されず、特開2013-35901号公報、特開2013-216782号公報、再表2013-047314号公報(米国特許出願公開第2014/243444号明細書に対応)、国際公開第2017/099043号(米国特許出願公開第2018/362676号明細書に対応)等に記載の製造方法が適宜採用されうる。(A)成分の市販品の具体例としては、株式会社カネカ製のEPION(登録商標)シリーズEP400V等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
 <(B)成分>
 本発明に係る光硬化性組成物に含まれる(B)成分は、ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーである。ただし、(B)成分には(A)成分は含まれない。すなわち、(B)成分は、分子内に1以上のウレタン結合を有し、1以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつポリイソブチレン骨格を有しないオリゴマーである。なお、本明細書中、オリゴマーとは、重量平均分子量が、1,000を超えるものをいう。(B)成分の重量平均分子量は、好ましくは、1,000を超えて200,000以下であり、より好ましくは5,000~100,000であり、特に好ましくは10,000~50,000である。かような範囲であれば、接着性をさらに高くすることができる。また、(B)成分はヘリウムなどの不活性ガスの透過性を低下させる。
 (B)成分は、接着性を向上させるという観点から、1分子内に2~10個の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、2~8個の(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましく、2~4個の(メタ)アクリロイル基を有することがさらにより好ましく、2個の(メタ)アクリロイル基を有することが特に好ましい。また、硬化性の観点から、(B)成分は、アクリロイル基を有することが好ましい。
 (B)成分の主骨格の例としては、例えば、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合などが挙げられる。これらの主骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、主骨格となるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートとの反応によりウレタン結合を形成し、さらに未反応のイソシアネート基に対し、アクリル酸または水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させる合成法などにより得られることが知られているが、合成法は、これに限定されるものではない。接着性向上の観点から、(B)の主骨格は、エステル結合、エーテル結合またはカーボネート結合であることが好ましく、エーテル結合であることが特に好ましい。
 (B)成分は、市販品または合成品のいずれを使用してもよい。(B)成分の市販品の具体例としては、共栄社化学株式会社製のAH-600、AT-600、UA-306H、UF-8001Gなど、ポリエーテル骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーとして根上工業株式会社製のUN-6200、UN-6202、UN-6300、UN-6301や、三菱ケミカル株式会社製の紫光(登録商標)シリーズ UV-2000B、UV-3300B、UV-3700Bなど、ポリエステル骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーとして根上工業株式会社製のUN-7600、UN-7700など、ポリカーボネート骨格を有するウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーとして根上工業株式会社製のUN-9000PEP、UN-9200Aなど、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 本発明に係る光硬化性組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1~50質量部であることが好ましく、10~40質量部であることがより好ましく、20~35質量部であることが最も好ましい。(A)成分100質量部に対して、(B)成分が1質量部以上で含まれることで良好な接着力を維持することができる。また、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が50質量部以下で含まれることで(A)成分との分離を効果的に抑制することができる。(B)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、(B)成分が複数含まれる場合、(B)成分の含有量は、その合計量とする。
 <(C)成分>
 本発明に係る光硬化性組成物に含まれる(C)成分は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであり、1以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。ただし、(C)成分には、(A)成分および(B)成分は含まれない。すなわち、(C)成分は、(A)成分および(B)成分以外の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。また、(C)成分は、(C)成分の合計量を100質量%としたとき、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーを6~20質量%含み、好ましくは8~15質量%含む。ここで、脂環構造とは、炭素原子と水素原子のみから構成される環状の炭化水素基を指す。脂環構造の例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基等の単環式シクロアルキル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環式シクロアルケニル基、ヒドロナフチル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環式シクロアルキル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基等の多環式シクロアルケニル基、等が挙げられるが、これらに制限されない。特に好ましくは、イソボルニル基、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基である。なお、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーが複数含まれる場合、上記の含有量はその合計量とする。
 (C)成分の分子量は特に制限されないが、(A)成分および(B)成分を希釈することを考慮すると、(C)成分の分子量は、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましい。また、(A)成分との相溶性に優れるという観点から、(C)成分の分子量は、80以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、150以上であることがさらに好ましい。(C)成分の分子量は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)法等、公知の方法で測定できる。また、NMR等の方法により(C)成分の構造を特定し、当該構造に基づき計算を行うことにより分子量を特定することができる。(C)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 (C)成分は、(メタ)アクリロイル基を1~3個有することが好ましい。すなわち、(C)成分は、1~3官能(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。さらに、(A)成分との相溶性に優れるという観点から、(C)成分は、1官能(単官能)(メタ)アクリレートモノマーを含むことがより好ましい。
 1官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の鎖状構造を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート(n≒1)、エチレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等の複素環構造を有する(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
 2官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、1、3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の鎖状構造を有する(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート、ジメタクリロイルイソシアヌレート等の複素環構造を有する(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されない。
 3官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の鎖状構造を有する(メタ)アクリレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の複素環構造を有する(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されない。
 光硬化性組成物の粘度を低くし、好適な粘度範囲に制御しやすいという観点から、(C)成分として、脂環構造を有する1~3官能(メタ)アクリレートモノマー以外に、鎖状構造を有する1~3官能(メタ)アクリレートモノマー、芳香環構造を有する1~3官能(メタ)アクリレートモノマー、および複素環構造を有する1~3官能(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの脂環構造を有する1官能(メタ)アクリレートモノマーに加えて、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートなどの鎖状の炭化水素基(構造)を有する1官能(メタ)アクリレートモノマー、下記一般式2によって表される、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート(n≒1)、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート(n≒1.2)などの芳香環構造を有する1官能(メタ)アクリレートモノマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環構造を有する1官能(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 上記一般式2において、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数が1~20の炭化水素基であり、mは0~10の整数である。
 上記一般式2において、Rは水素原子であることがさらに好ましい。また、Rは、炭素数が5~10の炭化水素基であることが好ましい。Rとしての炭化水素基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)等の飽和炭化水素基、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、1-ブテニル基、3-ブテニル基、イソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等の不飽和炭化水素基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。また、これらの置換基は、異なる1以上の任意の置換基によってさらに置換されていてもよい。ただし、上記任意の置換基は同種の置換基を置換することはない。例えば、芳香族炭化水素基を置換する任意の置換基には芳香族炭化水素基は含まれない。なかでも、Rは、炭素数が5~10の飽和炭化水素基が好ましい。
 また、上記一般式2において、mは0~3の整数であることがさらに好ましい。
 また、硬化物から排出されるアウトガスが低減されるという観点から、(C)成分は、上記一般式2によって表される(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。同様の観点から、(C)成分は、上記一般式2によって表されるアクリレートモノマー(Rが水素原子)を含むことがより好ましい。上記一般式2によって表される(メタ)アクリレートモノマーにおけるRおよびmのさらに好ましい形態は、上記の通りである。(C)成分としての(メタ)アクリレートモノマーは、市販品または合成品のいずれを使用してもよい。(C)成分の市販品の具体的な商品名としては、共栄社化学株式会社製のライトエステルIB-X、大阪有機化学工業株式会社製のINAA、IBXA、アルケマ株式会社製のSR440、三菱ケミカル株式会社製のアクリル酸2-エチルヘキシル、東亞合成株式会社製のアロニックス(登録商標)M-111、M-110、2-エチルヘキシルアクリレート、昭和電工マテリアルズ株式会社製のファンクリル(登録商標)FA-513M、FA-513ASなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 本発明に係る光硬化性組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して50~300質量部であることが好ましく、100~200質量部であることがより好ましく、130~180質量部であることがさらに好ましい。(C)成分が(A)成分100質量部に対して50質量部以上で含まれることにより、光硬化性組成物の粘度を低くすることができる。また、(C)成分が(A)成分100質量部に対して300質量部以下で含まれることにより、(A)成分との分離を効果的に抑制することができる。なお、(C)成分が複数含まれる場合、(C)成分の含有量はその合計量とする。
 <(D)成分>
 本発明に係る光硬化性組成物に含まれる(D)成分は、光開始剤である。当該光開始剤は、光が照射されることで分解してラジカル種を発生させる化合物であり、(A)~(C)成分をラジカル重合するために用いられる。(D)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 (D)成分の光開始剤の具体例としては、例えば、ジメトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、カルバゾール、2-ヒドロキシ-2-メチルフェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、3-メチルアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、3-ペンチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、3-ブロモアセトフェノン、p-ジアセチルベンゼン、3-メトキシベンゾフェノン、4-アリルアセトフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-クロロ-4-ベンジルベンゾフェノン、3-クロロキサントン、3,9-ジクロロキサントン、3-クロロ-8-ノニルキサントン、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2-クロロチオキサントンなどの他、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニル)フェニル〕プロパノンのポリマー(n=2~10)などのオリゴマー/ポリマー型光開始剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでも、硬化物から発生するアウトガスを低減させるという観点から、(D)成分は、オリゴマー/ポリマー型光開始剤を含むことが好ましい。
 (D)成分は、市販品または合成品のいずれを使用してもよい。(D)成分の市販品の具体例としては、例えば、IGM Resins B.V.社製のESACURE(登録商標)KIP-150に代表されるα-ヒドロキシプロピオフェノンが側鎖に結合したオリゴマータイプの重合開始剤(オリゴマー/ポリマー型光開始剤)などが挙げられるが、これに限定されない。
 本発明に係る光硬化性組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、1.0~5.0質量部であることがより好ましく、3.0~5.0質量部であることが最も好ましい。本発明に係る光硬化性組成物において、(D)成分が(A)成分100質量部に対して0.1質量部以上で含まれることで、最適な取扱性を発現する。また、(D)成分が(A)成分100質量部に対して10質量部以下で含まれることで、良好な硬化性を維持することができる。なお、(D)成分が複数含まれる場合、(D)成分の含有量はその合計量とする。
 <その他の成分>
 本発明に係る光硬化性組成物は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記(A)~(D)成分以外のその他の成分をさらに含んでいてもよい。当該成分としては、(A)~(C)成分以外の反応性モノマー、顔料、染料などの着色剤、シリカ、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機充填剤、ポリスチレンフィラー、ポリウレタンフィラー、ポリ(メタ)アクリルフィラー、ゴムフィラーなどの有機充填剤、有機過酸化物、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、重合禁止剤、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、などが挙げられる。これらのその他の成分の添加により、樹脂強度、接着強さ、作業性、保存性等に優れた組成物およびその硬化物が得られる。上記その他の成分の含有量は特に制限されず、本発明の特性を損なわない範囲において、当業者であれば適宜設定することができる。
 (A)~(C)成分以外の反応性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アアクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、4-(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、などが挙げられる。
 無機充填剤としては、本技術分野において公知のものを用いることができるが、なかでも、表面にシラノール基が残留した親水性シリカを用いることが好ましい。親水性シリカを(A)~(C)成分と組み合わせて用いることにより、さらに低い粘度と高い構造粘性比との両立および安定化に寄与することができる。(A)成分と親水性シリカとが互いに極性が異なるため、光硬化性組成物に好適なチクソ性を付与することができる。シリカの中でも特にアモルファスシリカが適している。アモルファスシリカは、平均一次粒子径が1~100nmであり、BET法による比表面積が10~300m/gである親水性シリカ粉(粒子)である。なお、本明細書において、平均一次粒子径は、測定対象の走査型電子顕微鏡画像から、画像解析ソフトウエア等を使用して測定される値を採用する。具体的には、統計学上信頼性のある所定個数(例えば一視野当たり100個×10面以上の合計1000個以上)の粒子を観察し、解析ソフトを使用して粒子画像を抽出し粒子径を算出する。無機充填剤は、市販品または合成品のいずれを使用してもよく、無機充填剤の市販品の具体例としては、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL(登録商標)シリーズ OX50、50、90G、130、150、200、300、380などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に係る光硬化性組成物が無機充填剤を含む場合の無機充填剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましく、5~25質量部であることが最も好ましい。無機充填剤が(A)成分100質量部に対して0.1質量部以上で含まれることで、高い構造粘性比を維持することができ、無機充填剤が(A)成分100質量部に対して50質量部以下で含まれることで、取扱性が良好となる。
 有機過酸化物はオルガノパーオキサイドを指し、本発明に係る光硬化性組成物が有機過酸化物を含むことにより、光照射時に光が当たらなかった未硬化部を、加熱して硬化させることができる。有機過酸化物の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジt-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジn-プロピルパーオキシジカーボネート、ビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシジカルボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジt-ブチルパーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類、およびアセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアリルカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。有機過酸化物の含有量は特に制限されず、本発明の特性を損なわない範囲において、当業者であれば適宜設定することができる。また、有機過酸化物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
 可塑剤とは、非反応性の化合物である。ここで、非反応性とは、本発明の(A)~(C)成分と反応しないことをいう。可塑剤の具体例としては、ポリカルボン酸エステル系可塑剤として、芳香族ポリカルボン酸エステル、フタル酸エステル系可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)など、トリメリット酸エステル系可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル(TOTM)、トリメリット酸トリイソデシル(TITM)など、ピロメリット酸エステル系可塑剤としてピロメリット酸テトラオクチルなど、脂肪族ポリカルボン酸エステル系可塑剤としてアジピン酸ジ2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸イソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル(DOS)、セバシン酸ジブチル(DBS)、マレイン酸ジ2-エチルヘキシル(DOM)、フマル酸ジブチル(DBF)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリオクチル、グリセロールトリアセテートなど、リン酸エステル系可塑剤として、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、アルキルアリールホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ(クロロエチル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルフェニルホスフェートなど、等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これら可塑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 非反応性の可塑剤としてエラストマーも使用することができる。かような可塑剤としては、25℃で液体のエラストマーであると好ましい。非反応性のエラストマーの具体例としては、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、これらの共重合体、これらのジブロック共重合体およびこれらのトリブロック共重合体などゴム系のエラストマーが挙げられる。ブロック共重合体としては、ポリスチレン-ポリイソブチレンジブロック共重合体やポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレントリブロック共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。当該成分は(A)~(C)成分と相溶性を有することが好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 本発明に係る光硬化性組成物の粘度(条件:測定温度25℃、剪断速度20s-1)は、特に制限されないが、作業性などの観点から、好ましくは3~40Pa・sであり、より好ましくは3~35Pa・sであり、さらに好ましくは5~30Pa・sである。また、剪断速度が20s-1の時の粘度を粘度1、剪断速度が2s-1の時の粘度を粘度2としたとき、粘度2/粘度1の値(構造粘性比、チクソ比)も特に制限されないが、好ましくは3.0~6.0であり、より好ましくは3.5以上5.5未満であり,さらに好ましくは4.0~5.4である。なお、特に断りがない限り、本明細書中、粘度の値は、コーンプレート型レオメーターを用い、25℃で測定した値である。
 本発明の他の一形態は、上記の光硬化性組成物を光照射により硬化させてなる硬化物に関する。本発明の一形態に係る硬化物は、上記光硬化性組成物に対し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化させてなることが好ましい。より具体的には、本発明の一形態に係る硬化物は、上記光硬化性組成物を被着体へ塗布し、その後、塗布された組成物に対して活性エネルギー線を照射することにより得られることが好ましい。
 本発明に係る光硬化性組成物を被着体へ塗布する方法としては、特に制限されない。例えば、自動塗布機を用いたディスペンシング、スプレー、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディッピング、スピンコートなどの方法を用いることができる。
 本発明に係る光硬化性組成物は、活性エネルギー線(例えば、紫外線、可視光等の光)を照射することにより硬化させることができる。この際用いられる光源は、特に限定されず、公知の光源を用いることができる。光源の例としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED等が挙げられる。本発明に係る光硬化性組成物を活性エネルギー線照射(光照射)で硬化させる装置としては、上記光源を有する照射装置を用いることができる。当該装置の具体例としては、ベルトコンベアー型照射器やスポット照射器などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。積算光量の下限は特に制限されないが、20kJ/m以上であることが好ましく、30kJ/m以上であることがより好ましい。また、積算光量の上限も特に制限されないが、80kJ/m以下であることが好ましく、70kJ/m以下であることがより好ましい。
 本発明に係る光硬化性組成物は、被着体に対する良好な接着力を維持することができるため、ハードディスクドライブのカバーシールの用途に好適に使用できる。特に、リッドの平面性や、形状および寸法の変化があっても、筐体内部のヘリウムなどの不活性気体が外部環境へ漏れることを防止し、さらに、外部環境からの水分の侵入を防ぐことができる。
 次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、光硬化性組成物を単に組成物とも称する。
 [実施例1~5、比較例1~4、参考例1]
 組成物を調製するために下記成分を準備した:
(A)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物
・ポリイソブチレン骨格を有するアクリレート化合物(株式会社カネカ製 EPION(登録商標)EP400V)
(B)成分:ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマー((A)成分を除く)
・主骨格がポリエーテルのUV硬化型ウレタンアクリレート(三菱ケミカル株式会社製、紫光(登録商標)UV-3700B)
(C)成分:(メタ)アクリレートモノマー((A)成分および(B)成分を除く)
(C-1)成分:脂環構造とアクリロイル基を有するモノマー
・イソボルニルメタクリレート(共栄社化学株式会社製 ライトエステルIB-X)
・イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製 IBXA)
・ジシクロペンタニルメタクリレ-ト(昭和電工マテリアルズ株式会社製 ファンクリル(登録商標)FA-513M)
・ジシクロペンタニルアクリレ-ト(昭和電工マテリアルズ株式会社製 ファンクリル(登録商標)FA-513AS)
(C-2)成分:(C-1)成分以外の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー
・イソノニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製 INAA)
・ノニルフェノールEO変性アクリレート(n≒1)(東亞合成株式会社製 アロニックス(登録商標)M-111)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学株式会社製 ライトアクリレートTHF-A)
・アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製 ACMO)
・アクリロイル基とアリルエーテルとを有する環化重合性モノマー(株式会社日本触媒製AOMA(登録商標))
(D)成分:光開始剤
・2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニル)フェニル〕プロパンのオリゴマー(IGM Resins B.V.社製 ESACURE(登録商標)KIP-150)
無機充填剤
・平均一次粒子径:12nm、比表面積(BET法):200m/gの親水性アモルファスシリカ(日本アエロジル株式会社製 AEROSIL(登録商標)200)
 上記(A)~(D)成分を秤量し、撹拌機に投入し、30時間撹拌した。その後、無機充填剤を秤量して撹拌機に投入し、真空脱泡しながらさらに30時間撹拌した。詳細な調製量は下記表1に示す。なお、下記表1中の数値の単位は、特記しない限り全て質量部である。また、下記表1中の空欄は、その成分を使用していないことを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 実施例1~5、比較例1~4および参考例1の組成物に対して外観(硬化前、硬化後)確認、厚膜硬化性確認、初期接着力測定、耐久後接着力測定、およびDMA測定(動的粘弾性測定)を下記の方法で実施し、その結果を下記表2にまとめた。
 [外観(硬化前、硬化後)確認]
 試験管に組成物を10g採取して、遮光した上で、25℃雰囲気下で3日間放置した。目視により下記の評価基準に従って確認し、「外観(硬化前)」の評価とした。当該評価においては、「透明」または「乳白色」であることが好ましく、「分離」については、その他の評価を行わずに「-」と表記する。その後、「分離」以外の組成物は、ベルトコンベアー型の紫外線照射機により高圧水銀灯を用いて、紫外線(波長:365nm)を積算光量60kJ/mとなるように照射し硬化させた。その後、得られた硬化物を目視により確認して「外観(硬化後)」の評価とした。
 [粘度およびチクソ比]
 コーンプレート型レオメーターを用い、以下の測定仕様により粘度およびチクソ比を測定した。コーンプレート型レオメーターとしては、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のHAAKE MARSIIIを用いた。
 剪断速度が20s-1の時の粘度を粘度1、剪断速度が2s-1の時の粘度を粘度2とした。粘度1の数値を「粘度(Pa・s)」とし、粘度2/粘度1の数値を「チクソ比」とした:
 測定仕様
 測定時の雰囲気温度:25℃
 コーン:C35/2(角度 2°)。
 [厚膜硬化性確認]
 直径2cmのガラス容器内に組成物を深さ10mmまで入れた状態で、ベルトコンベアー型照射機により高圧水銀灯を用いて、紫外線(波長:365nm)を積算光量が60kJ/mとなるように照射した。未硬化物を拭き取り、ノギスにて硬化物の厚さを測定し、その数値を「厚膜硬化性(mm)」とした。シール剤として使用するためには、厚膜硬化性が5mm以上あることが好ましい。
 [初期接着力測定]
 被着体であるSUS304製の板に、ディスペンサーにより組成物を幅3.0±0.15mm、高さ2.0±0.2mm、長さ10mmのビード状に塗布する。ベルトコンベアー型照射器により高圧水銀灯で積算光量60kJ/mを照射し、熱風乾燥炉により150℃×3時間のベーキング条件で加熱して、試験片を作製した。ベーキング後、試験片を一晩室温環境下にて静置した後、図1の様に接触子(先端部が横10mm、高さ2mm)を装着した日本電産株式会社製のデジタルフォースゲージを50mm/分の速度で移動させて、接触子底部が被着体から0.2mmの位置になるようにし、ビードを真横から押し、その時の最大荷重を「初期強度(N)」とした。初期強度は7.0N以上が好ましい。また、接着力測定後にビードが被着体から剥離する状態を目視で観察し、下記の評価基準に従い評価し「初期剥離状態」とした。界面に於けるリークを考慮すると、初期剥離状態は◎または○であることが好ましい:
 初期剥離状態の評価基準
 ◎:全面凝集破壊
 ○:全面凝集破壊だが部分的に界面破壊
 ×:全面界面破壊。
 [耐久後接着力測定]
 初期接着力測定で作製したテストピースに対して、SUS304製の板でビード高さの60%までビードを押しつぶして圧縮し、熱風乾燥炉にて100℃雰囲気下で1週間放置した。室温に戻った状態で、初期接着力と同様の強度測定を行い、「耐久後強度(N)」とし、(耐久後強度-初期強度)/初期強度×100により「変化率(%)」を算出した。硬化物のシール特性を維持するためには、耐久後強度が6.0N以上であり、変化率が-20~20%の範囲であることが好ましい。
 [DMA測定(動的粘弾性測定)]
 厚さ0.5mm×幅10mm×長さ50mmとなるように設定した治具へ組成物を流し込み、脱泡を行った。ベルトコンベアー型照射器により高圧水銀灯を用いて、組成物に対して紫外線(主波長:365nm)を積算光量30kJ/mとなるように照射した後、幅10mmの短冊状に切り出してテストピースを作製した。引張モードの治具に取り付け、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、およびtanδ(E”/E’)を測定し、tanδの極大値の温度を「ピークトップ温度(℃)」とした。ピークトップ温度は0℃以下であることが好ましい。
 評価結果を下記表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 実施例1~5と比較例1~4とを比較すると、外観および厚膜硬化性に違いはないものの、初期剥離状態では違いが明確になっており、初期剥離状態が「◎」または「○」であれば、被着体との界面におけるリークを回避することができる。実施例1~5の耐久後接着力においては、変化率の絶対値が小さいことから、硬化物を押しつぶした時の耐久性が良好であることがわかる。さらに、実施例1~5のピークトップ温度が0℃以下であることから、実施例1~5の光硬化性組成物は、初期剥離状態をより良好にすることができると推測され、特に、該組成物から得られる硬化物をシール剤として使用する際には、平面性が低い被着体にも追従することができると予想される。
 本発明の光硬化性組成物を用いたシール剤は、被着体に対する接着力が良好であると共に、水分バリア性およびヘリウムバリア性が高く、ハードディスクドライブの筐体をシールするカバーシールをはじめ、その他の電気・電子部品のシール剤や現場形成型ガスケット(組み付け前に塗布して硬化させたガスケット)として有用である。
 本出願は、2021年7月21日に出願された日本特許出願第2021-120077号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (8)

  1.  下記(A)~(D)成分を含み、下記(C)成分の合計量を100質量%としたとき、脂環構造と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が6~20質量%である、光硬化性組成物:
    (A)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン化合物
    (B)成分:ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマー(ただし、(A)成分を除く)
    (C)成分:(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(ただし、(A)成分および(B)成分を除く)
    (D)成分:光開始剤。
  2.  前記(A)成分の合計100質量部に対して、前記(B)成分の合計含有量が1~50質量部であり、かつ前記(C)成分の合計含有量が50~300質量部である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3.  前記脂環構造が、炭素原子および水素原子のみから構成される環状炭化水素基である、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4.  前記脂環構造が、イソボルニル基、ジシクロペンテニル基およびジシクロペンタニル基からなる群から選択される少なくとも1つの基である、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  5.  請求項1または2に記載の光硬化性組成物を光照射により硬化させてなる硬化物。
  6.  動的粘弾性測定におけるtanδのピークトップ温度が0℃以下である、請求項5に記載の硬化物。
  7.  請求項1または2に記載の光硬化性組成物を含むシール剤。
  8.  ハードディスクドライブのカバーシールに使用される、請求項7に記載のシール剤。
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