JP2013204638A - 管継手、管継手に使用する仮止め用スペーサー及び管継手の組み付け方法 - Google Patents

管継手、管継手に使用する仮止め用スペーサー及び管継手の組み付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押輪と継手本体との間に仮止め用スペーサーを簡便に設置して確実な仮止めを実現し且つ仮止め用スペーサーの仮止めを少ない労力で確実に解除できる管継手の提供。
【解決手段】押輪10と継手本体1とを所定の仮止め間隔Aに維持する仮止め用スペーサーSの本体基部20に、把持部21と、押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間に挾持される間隔規制部22と、押輪10の連結部13又は継手本体1の連結部4のボルト挿通孔16、5の内周面とボルト8の外周面との間の隙間Cにボルト軸芯方向から挿入可能な係止片23とが設けられ、仮止め用スペーサーSが、係止片23が隙間Sに挿入された状態でボルト挿通孔16、5の内周面に沿って回転し、間隔規制部22が対向面1a、10a間における間隔規制位置に位置する仮止め姿勢と、間隔規制部21が間隔規制位置から離脱した間隔規制解除姿勢とに姿勢変更自在な管継手J。
【選択図】図7

Description

本発明は、内周面に受口端部側に拡径するパッキン収容部を備えた継手本体と、前記パッキン収容部に収容されるリングパッキンと、前記継手本体への相対近接移動に伴って前記リングパッキンを圧縮する押輪と、前記押輪の内周面に形成されたロックリング収容部に収容されるロックリングと、前記押輪の連結部と前記継手本体の連結部とを連結するボルト及びナットとを備え、前記押輪のロックリング収容部には、前記ボルト及びナットの締付操作による前記押輪と前記継手本体との相対近接移動に伴って前記ロックリングを縮径させる縮径誘導手段を設けてある管継手に関し、さらに、その管継手に使用する仮止め用スペーサー及びその管継手の組み付け方法に関する。
このような管継手は、水道管、ガス管等の流体管を接合するために用いられ、押輪を継手本体の方向に相対近接移動させることにより、ロックリングを縮径させ且つリングパッキンをパッキン収容部内で圧縮して、接合した流体管の抜け出し移動を防止する構成とされている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に開示の管継手では、流体管には継手本体及び押輪が外嵌され、流体管の外周面と継手本体の内周面において受口端部側に拡径形成されたパッキン収容部との間には、リングパッキンが収容されており、流体管の外周面と押輪の内周面において受口端部側に拡径形成されたロックリング収容部との間には、ロックリングが収容されている。リングパッキンとロックリングとの間には、環状のリテーナが配設されている。また、継手本体には本体側挿通孔を備えた本体側連結部が形成され、押輪には押輪側挿通孔を備えた押輪側連結部が形成されており、本体側挿通孔及び押輪側挿通孔を挿通するボルトにナットが螺合装着されている。
このような構成により、ボルト及びナットを締付操作することにより、押輪が継手本体側に相対近接移動して、押輪のロックリング収容部によりロックリングを押圧して縮径させながら、リテーナを介してリングパッキンを押圧してパッキン収容部内で圧縮させることで、ロックリングの内周面に形成された刃が流体管の外周面に食い込むとともに、リングパッキンの内周面が流体管の外周面に密着する。これにより、押輪を介して継手本体内に挿入された流体管が、継手本体内から抜け出し方向に移動することを良好に防止する構成とされている。
一方で、このような管継手は、施工現場で作業者が周方向に複数配設されたボルト及びナットを締付操作するだけで流体管を簡単に接合できるように、予め工場等において、ロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態で配設したうえで、継手本体と押輪とがボルト及びナットによって仮組みされており、施工現場での作業効率の向上が図られている。
しかしながら、管継手の運搬時における振動等によりボルト及びナットが部分的に締まる等して締結状態が変化すると、継手本体と押輪との間に配設されたロックリングやリングパッキン等が周方向に傾斜する等してしまい所期の配設状態とは異なる配設状態となる虞があり、リングパッキンによる密封性能やロックリングによる抜け止め性能が変化(低下)し、また、所期の配設状態からずれて配置されたリングパッキンやロックリング等に接触する等して、流体管の挿入自体が困難となる虞がある。
そのため、特許文献1に開示の管継手では、継手本体の本体側連結部と押輪の押輪側連結部との間に位置するボルトに、所定の幅を持ったスペーサーの係合部を着脱自在に係合させ、ボルト及びナットが部分的に締まる等しても、継手本体に対して押輪が所定の幅を越えて近接移動することが規制されている。これにより、ボルト及びナットの締結状態が変化することを防止して、押輪と継手本体との間に配設されたロックリングやリングパッキンが運搬中等に不用意に移動することがなく、リングパッキンやロックリングの配設状態を所期の配設状態に維持することができるとされる。
特許4200558号公報
ここで、上記のような管継手は、土中に埋設する流体管或いは埋設された流体管を接合するために用いられることが多いが、土中で作業を行う際に掘削される施工ピットは、コストの削減や掘削時間の短縮等を行うために、安全を確保できる限りにおいて、必要最小限の比較的狭い空間とされるのが通常である。また、同様に、流体管の周囲に障害物等が存在する場合等には、施工ピットは障害物等を避けた必要最小限の比較的狭い空間となる。
このような比較的狭い空間の施工ピットにおいて、管継手を用いて流体管を接合する場合には、次のような問題がある。
例えば、特許文献1に開示の管継手では、スペーサーは所定の幅と厚さを持った帯状体を折り曲げて形成されており、輪状に形成された把持部と、ボルトの外径よりも若干小さな内径の円弧状で且つ開口を備えた係合部とを備えて形成され、開口を介して係合部をボルトに係合させる構成とされている。この係合部はボルト軸芯方向において所定の幅を備えて形成されており、継手本体と押輪との間に係合部が位置することで、ボルト及びナットを締付操作した際には継手本体と押輪との間隔は所定の幅となるように構成されている。そして、スペーサーの把持部を把持してボルトの直径方向に引くことで、ボルトに係合していた係合部が弾性変形し、開口を開いて取り外すことができるとされる。
しかしながら、継手本体と押輪との間に係合部を配置して、ボルト及びナットを締付操作し仮組みした場合には、運搬中の振動等によりボルト及びナットが締まったり緩んだりしない程度の締め付けトルクで締め付ける必要があり、継手本体と押輪との間に位置する係合部(スペーサー)も同様に締め付けられることとなる。
この場合、把持部を把持してボルトの直径方向に引いただけではスペーサーを取り外せない、或いは、取り外すためには強力な引抜き力を作用させる必要がある。
特に、上述のように、比較的狭い空間の施工ピット内で、このような引抜き力を作用させるのは非常に困難を伴うものであり、作業者の労力が増加し、作業効率の低下及び作業時間の長期化を招く虞がある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、押輪と継手本体との間に仮止め用スペーサーを簡便に設置して確実な仮止めを実現し、しかも、仮止め用スペーサーの仮止めを少ない労力で確実に解除することができる管継手、その管継手に使用する仮止め用スペーサー及びその管継手の組み付け方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴構成は、内周面に受口端部側に拡径するパッキン収容部を備えた継手本体と、前記パッキン収容部に収容されるリングパッキンと、前記継手本体への相対近接移動に伴って前記リングパッキンを圧縮する押輪と、前記押輪の内周面に形成されたロックリング収容部に収容されるロックリングと、前記押輪の連結部と前記継手本体の連結部とを連結するボルト及びナットとを備え、前記押輪のロックリング収容部には、前記ボルト及びナットの締付操作による前記押輪と前記継手本体との相対近接移動に伴って前記ロックリングを縮径させる縮径誘導手段を設けてある管継手であって、
前記押輪と前記継手本体との間の間隔を所定の仮止め間隔に維持可能な仮止め用スペーサーを備え、
前記仮止め用スペーサーの本体基部には、少なくとも一部が前記押輪の連結部及び前記継手本体の連結部よりも径方向外方に突出する把持部と、前記押輪と前記継手本体との対向面間に挾持される間隔規制部と、前記押輪の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面又は前記継手本体の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された隙間に対してボルト軸芯方向から挿入可能な係止片とが設けられ、
前記仮止め用スペーサーが、前記係止片が前記隙間に挿入された状態で前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転することにより、前記間隔規制部が前記押輪と前記継手本体との対向面間における間隔規制位置に位置する仮止め姿勢と、前記間隔規制部が前記間隔規制位置から離脱した間隔規制解除姿勢とに姿勢変更自在に構成されている点にある。
上記構成によれば、基本的に、押輪と継手本体との間の間隔を所定の仮止め間隔に維持する仮止め用スペーサーを備えるので、予め工場等において、ロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態で配設したうえで、継手本体と押輪とをボルト及びナットにより仮組みすることができ、運搬中等にボルト及びナットの締結状態が変化することを良好に防止してロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態に良好に維持することができる。
また、仮止め用スペーサーを継手本体と押輪との間に取り付けて、継手本体と押輪とを仮止めする際には、少なくとも一部が押輪及び継手本体の連結部よりも径方向外方に突出する把持部を把持して、係止片を押輪の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面又は継手本体の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間に対してボルト軸芯方向から挿入し、係止片が当該隙間に挿入された状態で当該ボルト挿通孔の内周面に沿って回転させることにより、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間における間隔規制位置に位置させた仮止め姿勢とすることができる。そして、この仮止め姿勢においてボルト及びナットを締付操作することで、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間に挾持させて、継手本体と押輪との間隔を所定の仮止め間隔に維持することができる。
これにより、作業者が容易に把持することが可能な把持部を把持して、係止片を押輪又は継手本体のボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間に挿入した後、間隔規制部が間隔規制位置に位置するまで係止片を当該内周面に沿って回転させるという簡便な操作で、仮止め用スペーサーを仮止め姿勢とすることができ、仮止め用スペーサーの取付け作業を非常に簡便な構成としながら、ボルト及びナットを締付操作することにより継手本体と押輪との間隔を所定の間隔に維持した仮止め状態に確実に維持することができる。
さらに、継手本体と押輪とをボルト及びナットにより本締めする際には、把持部を把持して、上記隙間に挿入された係止片を上記ボルト挿通孔の内周面に沿って回転(仮止め姿勢とする場合とは逆方向に回転)させることにより、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間における間隔規制位置(仮止め姿勢)から径方向外方に離脱した位置に位置させる間隔規制解除姿勢に容易に姿勢変更させることができる。この際、特に、ボルト及びナットにより継手本体及び押輪が強固に締付され、間隔規制部が継手本体と押輪との間に強固に挟持されている場合でも、仮止め用スペーサーを回転させる構成であるので、作業者が仮止め用スペーサーに対して力を作用させ易くなり、施工ピットが比較的狭い空間である場合でも容易な姿勢変更が可能となる。すなわち、仮止め用スペーサーの仮止めの解除を容易且つ確実に行うことができる。そして、この間隔規制解除姿勢において、必要に応じて、係止片を上記隙間から離脱することで仮止め用スペーサーを取り外すことができ、ボルト及びナットを締付操作して継手本体及び押輪を本締めすることができる。
これにより、容易に把持することが可能な把持部を把持して、間隔規制部が間隔規制位置から離脱した位置に位置するまで係止片を当該ボルト挿通孔の内周面に沿って回転させるという、簡便でしかも力を作用させ易い操作で、仮止め用スペーサーを間隔規制解除姿勢に容易に変更することができ、仮止め用スペーサーの仮止めを非常に簡便な構成で、容易にかつ確実に解除することができる。
よって、押輪と継手本体との間に仮止め用スペーサーを簡便に設置して確実な仮止めを実現し、しかも、仮止め用スペーサーの仮止めを少ない労力で確実に解除することができるに至った。
本発明による第2の特徴構成は、前記係止片が、前記本体基部における厚み方向の一側面の外縁部から、当該厚み方向に向けて突出形成されている点にある。
上記構成によれば、係止片が本体基部における厚み方向の一側面の外縁部から当該厚み方向に向けて突出形成されているので、継手本体又は押輪の連結部に形成されたボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間が、各連結部の外縁部から径方向内方に入り込んだ位置に形成されている場合でも、仮止め用スペーサーの取り付けの際、係止片を当該隙間に容易に挿入することができる。同様に、仮止め用スペーサーを取り外す必要がある場合でも当該隙間から容易に離脱することができる。
また、仮止め用スペーサーを継手本体と押輪との間に位置させた際、仮止め用スペーサーが継手本体と押輪との間から自重で脱離してしまう場合でも、上記隙間に挿入された係止片がボルト挿通孔の内周面或いはボルトの外周面と当接するので、係止片の脱離は良好に防止されている。特に、例えば、継手本体の上に押輪を載置してボルト及びナットで仮止めする場合に、係止片を継手本体のボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間の隙間に挿入すると、仮止め用スペーサーの本体基部の一部が、水平方向と略平行に位置する継手本体の連結部の上面に載置された状態となるため、連結部の上面に載置された本体基部の一部に仮止め用スペーサーの重心が位置するように構成すると、係止片が上記隙間へ挿入されることと相俟って、仮止め用スペーサーが継手本体と押輪との間から脱離することを良好に防止することができる。この場合、作業者が、仮止め姿勢に位置(間隔規制部を間隔規制位置に位置)させた仮止め用スペーサーの把持部を把持し続けることなく、一旦、把持を解除して、ボルト及びナットの締付操作を両手で行うことができ、仮止め作業の効率化を図ることができる。
よって、押輪と継手本体との間に仮止め用スペーサーをより簡便に設置して確実な仮止めを実現し、しかも、仮止め用スペーサーの仮止めを少ない労力でより確実に解除することができる。
本発明による第3の特徴構成は、前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの前記本体基部と前記押輪又は前記継手本体との間には、前記隙間に対する前記係止片のボルト軸芯方向での抜き差し移動を許容する脱着操作空間が形成されている点にある。
上記構成によれば、間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの本体基部と押輪又は継手本体との間には、上記隙間に対する係止片のボルト軸芯方向での抜き差し移動を許容する脱着操作空間が形成されているので、継手本体又は押輪に邪魔されることなく、係止片を隙間に確実に挿入することができるとともに、係止片を隙間から確実に離脱することができ、仮止め用スペーサーの取り付け及び取り外しを確実に行うことができる。
本発明による第4の特徴構成は、前記本体基部の厚みが、前記間隔規制部の厚みよりも前記係止片の抜き差し移動代に相当する寸法分だけ薄く形成され、前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの本体基部と前記押輪又は前記継手本体との間に前記脱着操作空間が形成されている点にある。
上記構成によれば、本体基部の厚みが間隔規制部の厚みよりも係止片の抜き差し移動代に相当する寸法分だけ薄く形成されているので、仮止め用スペーサー自体に本体基部と間隔係止片との厚みの差に基づく脱着操作空間を確実に形成することができ、少なくとも仮止め用スペーサーの形状を変更することのみで、継手本体及び押輪としては従来品と同様の形状のものを使用して、上記隙間に対する係止片のボルト軸芯方向への抜き差し移動を容易かつ確実に行うことができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記押輪又は前記継手本体には、前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの本体基部との対向面間に前記脱着操作空間を形成する凹部が形成されている点にある。
上記構成によれば、押輪又は継手本体には間隔規制解除状態にある仮止め用スペーサーの本体基部との対向面間に凹部が形成されているので、押輪又は継手本体自体に凹部に基づく脱着操作空間を確実に形成することができ、少なくとも押輪又は継手本体の形状を変更することのみで、仮止め用スペーサーとしては複雑な形状とすることなく、上記隙間に対する係止片のボルト軸芯方向への抜き差し移動を容易かつ確実に行うことができる。
本発明による第6の特徴構成は、前記係止片が、前記本体基部における厚み方向の一側面から、当該厚み方向に向けて突出形成される板状の板状係止片により構成され、前記間隔規制部が、前記一側面とは反対側の他側面で且つ前記板状係止片の形成箇所に対して偏倚した位置から突出形成されている点にある。
上記構成によれば、係止片が本体基部における厚み方向の一側面から当該厚み方向に向けて突出形成される板状の板状係止片により構成されているので、ボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された概略弓形状の隙間に板状係止片が挿入された際、板状係止片が当該隙間から自重により脱離しようとしても、ボルト軸芯方向に沿う方向以外への移動は板状係止片とボルト挿通孔及びボルトとの接触により、確実に規制された状態となる。したがって、仮止め用スペーサーが継手本体と押輪との間から脱離することを、より良好に防止することができる。
また、間隔規制部が、本体基部における厚み方向の一側面とは反対側の他側面で且つ板状係止片の形成箇所に対して偏倚した位置から突出形成されているので、係止片を上記隙間に挿入した際に、間隔規制部が当該隙間の周囲の連結部に当接することを防止できながら、仮止め用スペーサーをボルト挿通孔の内周面に沿って回転させて、間隔規制部を継手本体と押輪との対向面間の間隔規制位置に位置させる仮止め姿勢にすることで、継手本体と押輪との間を所定の仮止め間隔に確実に維持することができる。
本発明による第7の特徴構成は、前記間隔規制部が、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転する前記係止片に対して、当該内周面の径方向外方位置に位置するように構成されている点にある。
上記構成によれば、間隔規制部が押輪又は継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転する係止片に対して当該内周面の径方向外方位置に位置するので、係止片を当該内周面に沿って回転させた際、回転方向における一方側の間隔規制位置に間隔規制部を確実に位置させることができ、また、回転方向の他方側にある間隔規制位置から離脱した位置に確実に移動させることができる。すなわち、仮止め用スペーサーを回転させることにより、当該仮止め用スペーサーを仮止め姿勢と間隔規制解除姿勢とに確実に姿勢変更できる。
本発明による第8の特徴構成は、前記間隔規制部において前記押輪と前記継手本体との対向面のうち何れかに当接する当接面が、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転する前記係止片の回転方向において前記間隔規制位置から離脱する位置に向かうに連れて厚みが厚くなる前記間隔規制部に形成されたテーパー面により構成されてなる点にある。
上記構成によれば、継手本体又は押輪の何れかに当接する間隔規制部の当接面が、係止片の回転方向において間隔規制位置から離脱する位置に向かうに連れて厚みが厚くなる間隔規制部に形成されたテーパー面であるので、間隔規制部が継手本体と押輪との対向面間に挟持された状態では、テーパー面のうち間隔規制位置から離脱する位置に偏倚した部位のみで継手本体又は押輪と当接することとなる。従って、把持部を把持して、間隔規制部を係止片の回転方向において間隔規制位置から離脱させる方向に、より小さな力で容易に回転させることができ、仮止め用スペーサーを仮止め姿勢から間隔規制解除姿勢に、より容易に姿勢変更させることができる。
本発明による第9の特徴構成は、前記把持部には、指掛け孔が形成されている点にある。
上記構成によれば、把持部には指掛け孔が形成されているので、作業者が指掛け孔に指を掛けて係止片を上記内周面に沿って容易に回転させることができ、仮止め用スペーサーの仮止め姿勢から間隔規制解除姿勢への姿勢変更を、より容易に行うことができる。
本発明による第10の特徴構成は、前記間隔規制部と前記本体基部とが同じ厚みで形成されている点にある。
上記構成によれば、間隔規制部と本体基部とが同じ厚みで形成されている、すなわち、間隔規制部と本体基部とを兼用して構成し、本体基部とは別に間隔規制部を設ける必要がないので、仮止め用スペーサーの形状を簡便な構成とすることができる。
上記目的を達成するための本発明の第11の特徴構成は、上記特徴構成の何れかに記載の管継手に使用する仮止め用スペーサーである点にある。
上記構成によれば、管継手に使用することで上述のような有利な作用効果を奏することができる仮止め用スペーサーを得ることができる。
上記目的を達成するための本発明の第12の特徴構成は、上記特徴構成の何れかに記載の管継手の組み付け方法であって、
前記継手本体の上に、前記リングパッキン、前記ロックリング及び前記押輪の順で載置し、前記ボルトを前記押輪及び前記継手本体のボルト挿通孔に挿通させた状態でナットを螺合して締付操作し、前記継手本体と前記押輪とを第1仮止め状態とする工程と、
前記第1仮止め状態において、前記仮止め用スペーサーの前記係止片を前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された前記隙間に挿入し、前記係止片を当該内周面に沿って回転させながら、前記仮止め用スペーサーの前記間隔規制部を前記押輪と前記継手本体との間の間隔規制位置に位置させ、前記仮止め用スペーサーを前記仮止め姿勢とする工程と、
前記ボルト及びナットを更に締付操作し、前記継手本体と前記押輪とを第2仮止め状態とする工程と、を順に実行する点にある。
本構成によれば、押輪と継手本体との間の間隔を所定の仮止め間隔に維持可能な仮止め用スペーサーを、予め工場等において、ロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態で配設したうえで、継手本体と押輪とをボルト及びナットにより仮組み(上記第2仮止め状態)することができ、運搬中等にボルト及びナットの締結状態が変化することを良好に防止してロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態に良好に維持することができる。
すなわち、まず、継手本体の上に、リングパッキン、ロックリング及び押輪の順で載置し、ボルトを押輪及び継手本体のボルト挿通孔に挿通させた状態でナットを螺合して締付操作し、継手本体と押輪とを第1仮止め状態とし、その後、仮止め用スペーサーの把持部を把持して、係止片をボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間に対してボルト軸芯方向から挿入し、係止片を当該内周面に沿って回転させることにより、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間における間隔規制位置に位置させた仮止め姿勢とすることができる。そして、この仮止め姿勢においてボルト及びナットを更に締付操作することで、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間に挾持させて、継手本体と押輪との間隔を所定の仮止め間隔に維持することができる(上記第2仮止め状態)。
よって、容易に把持することが可能な把持部を把持して、係止片を押輪又は継手本体のボルト挿通孔の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間に挿入した後、間隔規制部が間隔規制位置に位置するまで係止片を当該内周面に沿って回転させるという簡便な操作で、仮止め用スペーサーを仮止め姿勢とすることができ、仮止め用スペーサーの取付け作業を非常に簡便な構成としながら、継手本体と押輪との間隔を所定の間隔に維持した仮止め状態(上記第2仮止め状態)に確実に維持することができ、ロックリングやリングパッキン等を所期の配設状態に維持することができる。
本発明による第13の特徴構成は、前記第2仮止め状態において、前記押輪を介して前記継手本体内に接合管を挿入する工程と、
前記仮止め姿勢にある仮止め用スペーサーの係止片を、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って且つ前記仮止め姿勢とする工程の回転方向とは逆方向に回転させて、前記仮止め用スペーサーの前記間隔規制部を前記押輪と前記継手本体との間の前記間隔規制位置から離脱した位置に位置させ、前記仮止め用スペーサーを前記間隔規制解除姿勢とする工程と、
前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーにおける係止片を、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された前記隙間から離脱させ、前記継手本体及び前記押輪から前記仮止め用スペーサーを取り外す工程と、
前記ボルト及びナットを更に締付け操作し、前記継手本体と前記押輪とを本締めする工程と、を順に実行する点にある。
本構成によれば、仮止め用スペーサーを継手本体と押輪との間から取り外して、継手本体と押輪とを本締めし、接合管を接合する際に、まず、第2仮止め状態において、作業者が押輪を介して継手本体内に接合管を挿入し、そして、把持部を把持して、上記隙間に挿入された係止片を上記ボルト挿通孔の内周面に沿って且つ仮止め姿勢とする工程の回転方向とは逆方向に回転させることにより、間隔規制部を押輪と継手本体との対向面間における間隔規制位置(仮止め姿勢)から径方向外方に離脱した位置に位置させる間隔規制解除姿勢に容易に姿勢変更させることができる。この際、特に、ボルト及びナットにより継手本体及び押輪が強固に締付され、間隔規制部が継手本体と押輪との間に強固に挟持されている場合でも、仮止め用スペーサーを回転させる構成であるので、仮止め用スペーサーに対して力を作用させ易くなり、施工ピットが比較的狭い空間である場合でも、容易な姿勢変更が可能となる。そして、この間隔規制解除姿勢において、係止片を上記隙間から離脱することで仮止め用スペーサーを取り外すことができ、ボルト及びナットを締付操作して継手本体及び押輪を本締めすることができる。
これにより、容易に把持することが可能な把持部を把持して、間隔規制部が間隔規制位置から離脱した位置に位置するまで係止片を当該ボルト挿通孔の内周面に沿って回転させるという、簡便でしかも力を作用させ易い操作で、仮止め用スペーサーを間隔規制解除姿勢に容易に変更することができ、仮止め用スペーサーの取り外し作業を非常に簡便な構成で、容易にかつ確実に実行することができる。
第1実施形態に係る管継手の全体構成を示す一部切り欠き断面図 第1実施形態に係る仮止め用スペーサーの構成を示す斜視図 第1実施形態に係る仮止め用スペーサーの構成を示す側面視図 管継手の一部分解斜視図 仮止め状態にある管継手の一部切り欠き断面図 仮止め状態にある管継手を示す斜視図 仮止め用スペーサーの取り外し動作を説明する説明図 仮止め用スペーサーの取り外し動作を説明する説明図 本締め状態にある管継手を示す一部切り欠き断面図 第2実施形態に係る仮止め状態にある管継手を示す斜視図 第2実施形態に係る仮止め用スペーサーの構成を示す斜視図 仮止め状態にある管継手の一部切り欠き断面図 仮止め用スペーサーの取り外し動作を説明する説明図 仮止め用スペーサーの取り外し動作を説明する説明図 本締め状態にある管継手を示す一部切り欠き断面図
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明に係る管継手J、管継手Jに使用する仮止め用スペーサーS及び管継手Jの組み付け方法について説明する。
図1に示すように、本発明に係る管継手Jは、接合対象である水道管P(流体管及び接合管の一例)を、水密で、しかも管継手Jからの抜け出しを防止した状態で接合する機器である。本実施形態では、管継手Jの継手本体1の両側からそれぞれ挿入される一対の水道管Pを接合する例について説明するが、説明の便宜上、主として一方の水道管Pが継手本体1の一方側から挿入されて接合される構造について説明する。なお、水道管Pとしては、塩ビ管、ポリエチレン管、鋼管及びステンレス管等、特に材質を限定するものではないが、本実施形態では、直管状の塩ビ管を用いた例について説明する。
管継手Jは、内周面に受口端部1A側に拡径するパッキン収容部2を備えた継手本体1と、パッキン収容部2に収容されるリングパッキン3と、継手本体1への相対近接移動に伴ってリングパッキン3を圧縮する押輪10と、押輪10の内周面に形成されたロックリング収容部11に収容されるロックリング12と、押輪10の押輪側連結部13(押輪の連結部の一例)と継手本体1の本体側連結部4(継手本体の連結部の一例)とを連結するボルト8及びナット9と、押輪10のロックリング収容部11に、ボルト8及びナット9の締付操作による押輪10と継手本体1との相対近接移動に伴ってロックリング12を縮径させる縮径誘導手段Qとを備える。
また、管継手Jは、継手本体1の軸芯Xに沿う方向において、パッキン収容部2に収容されるリングパッキン3とロックリング収容部11に収容されるロックリング12との間で、且つ、継手本体1の径方向において、ロックリング12の外周面とロックリング収容部11との間に、環状のピース14を備える。
更に、図2〜図5に示すように、管継手Jは、押輪10と継手本体1との間の間隔を所定の仮止め間隔Aに維持可能な仮止め用スペーサーSを備える。
図1に示すように、継手本体1は、接合対象の水道管Pの外径よりも若干大径の内径を備えた円筒形状に形成され、中央部から両端に向かうに連れて若干縮径する円筒部1Bと、円筒部1Bの両端側(受口端部1A側)の内周面においてそれぞれ径方向外方に拡径するパッキン収容部2と、パッキン収容部2が形成された両端の外周面からそれぞれ径方向外方に突出形成される本体側連結部4とを備えている。
本実施形態では、継手本体1は、ダクタイル鋳鉄を用いているが、その他、ステンレスや樹脂等により構成することもできる。
図1及び図4に示すように、本体側連結部4は、円筒部1Bの両端に、それぞれ周方向に2箇所ずつ突出形成され、円筒部1Bの片側に形成された2箇所の本体側連結部4同士は、それぞれ継手本体1の軸芯Xに対して対称となる位置に形成されている。
本体側連結部4には、ボルト8(本実施例では、T頭ボルト)を挿通可能な本体側挿通孔5(継手本体1のボルト挿通孔の一例)が貫通形成されている。
図5に示すように、リングパッキン3は、非圧縮状態において、接合される水道管Pの外径よりも若干大径の内径の内周面を備え、パッキン収容部2の内周面の内径と略同等の外径の外周面を備えた円環状に形成されており、リングパッキン3の中央部における外周面には、外径がパッキン収容部2の内径よりも小さい切欠溝3aが全体的に丸みを帯びた概略U字形状となるように形成されている。
本実施形態では、リングパッキン3は、スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いているが、その他、合成ゴム等の弾性体により構成することもできる。
図1、図4及び図5に示すように、押輪10は、接合対象の水道管Pの外径よりも若干大径の内径を備えた円環形状に形成され、押輪10の一端側(受口端部10A側)の内周面において径方向外方に拡径するロックリング収容部11と、ロックリング収容部11が形成された一端側の外周面から径方向外方に突出形成される押輪側連結部13と、他端側には水道管Pを挿入可能な開口部15とを備えている。
本実施形態では、押輪10は、ダクタイル鋳鉄を用いているが、その他、ステンレスや樹脂等により構成することもできる。
押輪側連結部13は、押輪10の一端側において継手本体1の本体側連結部4が形成された箇所に対応するように、周方向に2箇所突出形成され、押輪10の軸芯Xに対して対称となる位置に形成されている。
押輪側連結部13には、ボルト8を挿通可能な押輪側挿通孔16(押輪10のボルト挿通孔の一例)が貫通形成されている。
図5及び図7に示すように、ボルト8が本体側挿通孔5及び押輪側挿通孔16に挿通された状態では、ボルト8の外周面と本体側挿通孔5及び押輪側挿通孔16の内周面との間には隙間Cが形成されている。例えば、ボルト8の軸部分の直径が16mmのものを用いた場合には、本体側挿通孔5は19mm程度とされ、当該隙間Cのボルト8の径方向における幅は、周方向で平均すると約1.5mm程度とされている。
図5に示すように、ピース14は、非圧縮状態において、接合される水道管Pの外径よりも若干大径の内径の内周面を備え、ロックリング収容部11の内周面の内径と略同等の外径の外周面を備えた円環形状に形成されており、リングパッキン3に隣接する一端側には、リングパッキン3側に突出する環状の押圧部14aが形成され、一端側とは反対側の他端側の内周面には、当該内周面よりも拡径形成された周溝14bが形成され、当該周溝14b内にロックリング12を収容可能に構成されている。
本実施形態では、ピース14は、ポリプロピレン(PP)を用いているが、その他、ステンレスや樹脂等により構成することもできる。
図5に示すように、ロックリング12は、非圧縮状態において、接合される水道管Pの外径よりも若干大径の内径を備え、ピース14の周溝14bの内径よりも若干大径の外径の外周面を備えた一つ割り形状(C字形状)で、弾性変形による縮径が可能に構成され、また、内周面には水道管Pの外周面に食い込み可能な刃12aを備えている。
本実施形態では、ロックリング12は、ステンレスを用いているが、その他、樹脂や金属等により構成することもできる。
このように構成された管継手Jを用いた場合、継手本体1に、リングパッキン3、ピース14、ロックリング12及び押輪10の順に配置し、本体側挿通孔5及び押輪側挿通孔16にボルト8を挿通した状態でナット9を螺合装着して、ボルト8及びナット9を締付操作することにより、押輪10が継手本体1に相対近接移動し押輪側連結部13と本体側連結部4とが当接して連結される(図1及び図9参照)。この際、ボルト8及びナット9の締付操作に伴って、押輪10のロックリング収容部11の内周面がピース14の外周面を、リングパッキン3を圧縮する側、及びロックリング12を縮径する側に押圧移動させることとなり、ピース14の周溝14bによりロックリング12を縮径させてロックリング12の内周面に形成された刃12aを水道管Pの外周面に食い込ませながら、ピース14の押圧部14aによりリングパッキン3をパッキン収容部2内で圧縮させてリングパッキン3を水道管Pの外周面に密着させることができる。このように管継手Jを用いて継手本体1と押輪10とをボルト8及びナット9を締付操作することにより本締め状態で連結することができる。
従って、本実施形態では、ロックリング収容部11及びピース14が、ボルト8及びナット9の締付操作による押輪10と継手本体1との相対近接移動に伴ってロックリング12を縮径させる縮径誘導手段Qとして機能する。
次に、上記のように管継手Jを用いて継手本体1と押輪10とを本締め状態とする前に、仮止め状態(後述する第2仮止め状態)とするための構成について説明する。
図5及び図6に示すように、仮止め状態(後述する第2仮止め状態)は、継手本体1と押輪10との間にリングパッキン3、ピース14及びロックリング12を所期の配設状態で配設した状態で、ボルト8及びナット9が締付操作され、仮止め用スペーサーSにより継手本体1と押輪10との間隔が所定の仮止め間隔Aに維持された状態であり、この状態では、継手本体1及び押輪10により、リングパッキン3、ピース14及びロックリング12の相対位置関係が変化しない程度で、且つ、リングパッキン3、ピース14及びロックリング12が略変形しない程度で押圧するように、ボルト8及びナット9の締付操作が行われる。
管継手Jに設けられる仮止め用スペーサーSは、押輪10と継手本体1との間の間隔を所定の仮止め間隔Aに維持可能に構成される(図5参照)。
本実施形態では、仮止め用スペーサーSは、ポリプロピレン(PP)を用いているが、その他、樹脂や金属等により構成することもできる。
図2、図3、図7及び図8に示すように、仮止め用スペーサーSは、所定の厚みで形成され且つ厚み方向の両側には平坦な一側面20A及び他側面20Bが形成された本体基部20を備え、本体基部20には、少なくとも一部が押輪10の押輪側連結部13及び継手本体1の本体側連結部4よりも径方向外方に突出する把持部21と(図7参照)、押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間に挾持される間隔規制部22と(図5及び図6参照)、押輪10の押輪側連結部13に形成されている押輪側挿通孔16の内周面又は継手本体1の本体側連結部4に形成されている本体側挿通孔5の内周面とボルト8の外周面との間に形成された隙間Cに対してボルト軸芯方向から挿入可能な係止片23とが設けられている。
把持部21には、本体基部20の厚み方向に亘って貫通形成された指掛け孔21Aが形成され、作業者が指掛け孔21Aに挿通した指を指掛け孔21Aの外周縁部21Bに引っ掛けることで、仮止め用スペーサーSを容易に操作可能に構成されている。
図7に示すように、把持部21としての指掛け孔21A及び外周縁部21Bの一部は、仮止め用スペーサーSの係止片23が隙間Cに挿入された状態で、本体側挿通孔5や押輪側挿通孔16の内周面に沿って回転する何れの状態でも、押輪側連結部13及び本体側連結部4よりも径方向外方に突出形成されている。
図2、図3、図7及び図8に示すように、係止片23は、本体基部20における厚み方向の一側面20Aの外縁部20aから、当該厚み方向に向けて突出形成される板状の板状係止片23aにより構成されている。すなわち、板状係止片23aは、本体基部20の一側面20Aにおいて、指掛け孔21Aの外周縁部21Bの一箇所から厚み方向に向けて突出形成されている。
また、板状係止片23aの本体基部20からの突出長さは、押輪側連結部13及び本体側連結部4の厚みよりも短く形成され(図5参照)、板状係止片23aの厚みは、上述の隙間Cよりも若干薄く形成されており(図7参照)、本実施形態では、1mm程度に設定されている。従って、仮止め用スペーサーSは、板状係止片23aが隙間Cに挿入された状態で押輪10の押輪側挿通孔16又は継手本体1の本体側挿通孔5の内周面に沿って回転することができるように構成されている。
間隔規制部22は、板状係止片23aが突出形成された本体基部20の一側面20Aとは反対側の他側面20Bで、且つ、板状係止片23aの形成箇所に対して偏倚した位置から突出形成されている。すなわち、間隔規制部22は、本体基部20の他側面20Bにおいて、指掛け孔21Aの中心角で、板状係止片23aが突出形成された位置に対して略90度程度ずれた位置(指掛け孔21Aの外周縁部21Bの一箇所)から突出形成されている。
また、間隔規制部22の本体基部20からの突出長さは、本体基部20の厚さ(長さ)との合計長さが、後述する仮止め状態(第2仮止め状態)とする際の押輪10と継手本体1との所定の仮止め間隔A(対向面1a、10a間の距離)と同等の長さになるように設定されている。
従って、仮止め用スペーサーSは、板状係止片23aが隙間Cに挿入された状態で押輪10の押輪側挿通孔16又は継手本体1の本体側挿通孔5の内周面に沿って回転することにより、間隔規制部22が押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間における間隔規制位置に位置する仮止め姿勢(図6、図7(a)及び図8(a)参照)と、間隔規制部22が間隔規制位置から離脱した間隔規制解除姿勢(図7(b)及び図8(b)参照)とに姿勢変更自在に構成されている。なお、仮止め姿勢において継手本体1と押輪10との間に配設されたリングパッキン3及びピース14の外周面に近接する本体基部20の面は、当該外周面に対応する形状の曲面22aとされており、板状係止片23aが押輪側挿通孔16又は本体側挿通孔5の内周面に沿って回転した際、当該曲面22aとリングパッキン3やピース14の外周面とが当接することで、間隔規制部22を間隔規制位置に確実に位置させることできるように構成されている。
ここで、本体基部20の厚みは、間隔規制部22の厚みよりも板状係止片23aの抜き差し移動代に相当する寸法分だけ薄く形成されているので、間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーSの本体基部20と押輪10又は継手本体1との対向面1a、10a間に、隙間Cに対する板状係止片23aのボルト軸芯方向での抜き差し移動を許容する脱着操作空間Vが形成されている(図2、図3、図5、図6及び図8(b)参照)。
また、図2、図3、図5〜図8に示すように、間隔規制部22が、押輪10の押輪側挿通孔16又は継手本体1の本体側挿通孔5の内周面に沿って回転する板状係止片23aに対して、当該内周面の径方向外方位置に位置するように構成されているとともに、間隔規制部22において押輪10と継手本体1との対向面1a、10aのうち何れかに当接する当接面が、当該内周面に沿って回転する板状係止片23aの回転方向において間隔規制位置から離脱する位置に向かうに連れて厚みが厚くなる間隔規制部に形成されたテーパー面22bにより構成されている。なお、テーパー面22bの傾斜は、間隔規制部22が間隔規制位置に位置する状態で、継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間に挟持されて当該対向面1a、10a間を所定の仮止め間隔Aに維持することができる程度の傾斜角度に設定される。
次に、上記構成の仮止め用スペーサーSを上記管継手Jに使用して、仮止め状態(第2仮止め状態)とし、その後、仮止め用スペーサーSを取り外して、水道管Pを接合するために管継手Jを組み付ける方法について説明する。
まず、図4に示すように、継手本体1の両端(受口端部1A)のうち一端側を地面等に載置し、続いて、継手本体1の他端側(受口端部1A)の上に、リングパッキン3、ピース14、ロックリング12を載置し、更に、周方向における押輪10の押輪側連結部13の押輪側挿通孔16の位置を継手本体1の本体側連結部4の本体側挿通孔5の位置と一致させた状態で、押輪10を載置する。そして、ボルト8を本体側挿通孔5及び押輪側挿通孔16に挿通させた状態でナット9を螺合して締付操作する。この締付操作は、作業者が支持していなくても継手本体1と押輪10とが分離しない程度に、軽く締付操作するだけでよい。この工程が、継手本体1と押輪10とを第1仮止め状態とする工程である。
次に、図4〜図8に示すように、第1仮止め状態において、仮止め用スペーサーSの把持部21を把持して、仮止め用スペーサーSの本体基部20と間隔規制部22との厚みの差により形成された脱着操作空間V(図5及び図8参照)を押輪側連結部13に近接或いは重なるようにボルト8の径方向に移動させながら(図8(c)参照)、仮止め用スペーサーSをボルト軸芯方向に移動させて、板状係止片23aを継手本体1の本体側挿通孔5の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間Cに挿入する(図7(b)及び図8(b)参照)。そして、板状係止片23aを本体側挿通孔5の内周面に沿って回転させながら、本体基部20の曲面22aをリングパッキン3或いはピース14の外周面に当接或いは近接させて、間隔規制部22を押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間の間隔規制位置に位置させ、仮止め用スペーサーSを仮止め姿勢とする(図7(b)及び図8(b)の状態から図7(a)及び図8(a)の状態となる)。この工程が、仮止め用スペーサーSを仮止め姿勢とする工程である。
ここで、仮止め用スペーサーSが仮止め姿勢となった状態では、板状係止片23aが隙間Cに挿入されており、本体基部20の一側面20Aの一部が継手本体1の対向面1aに載置された状態となっているが、仮止め用スペーサーSの重心が当該一部に存在するように構成されていることに加え、板状係止片23aが上記隙間Cに挿入されていることも相俟って、仮止め用スペーサーSが仮止め姿勢から脱離することは良好に防止されている(図7(a)及び図8(a)参照)。すなわち、作業者が、仮止め用スペーサーSを手等で支持しない状態で、両手を自由に使って後続する工程を順次実行することが可能となる。
続いて、図5及び図6に示すように、仮止め用スペーサーSが仮止め姿勢にある状態で、ボルト8及びナット9を更に締付操作し、継手本体1と押輪10とを第2仮止め状態とする。この締付操作は、間隔規制部22が、継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間に当接し挟持されるようにある程度強く締付けられる、このため、第2仮止め状態では、間隔規制部22が、継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間に当接し挟持され、当該対向面1a、10a間は、所定の仮止め間隔Aに維持された状態であり、継手本体1及び押輪10により、リングパッキン3、ピース14及びロックリング12が所期の配設状態となるように良好に維持されている。この工程が、継手本体1と押輪10とを第2仮止め状態とする工程である。
なお、図面において、仮止め用スペーサーSは、一つしか図示されていないが、実際には、周方向に複数形成された本体側挿通孔5及び押輪側挿通孔16により形成される隙間Cの数に対応して、周方向に複数の仮止め用スペーサーSを取り付けて、継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間の間隔を周方向において所定の仮止め間隔Aに確実に維持する構成とされている。
これにより、作業者が容易に把持することが可能な把持部21を把持して、板状係止片23aを継手本体1の本体側挿通孔5の内周面とボルト8の外周面との間に形成された隙間Cに挿入した後、間隔規制部22が間隔規制位置に位置するまで板状係止片23aを当該内周面に沿って回転させるという簡便な操作で、仮止め用スペーサーSを仮止め姿勢とすることができ、仮止め用スペーサーSの取付け作業を非常に簡便な構成としながら、ボルト8及びナット9を締付操作することにより継手本体1と押輪10との間隔を所定の仮止め間隔Aに維持した仮止め状態(第2仮止め状態)に確実に維持することができる。
よって、予め工場等において、ロックリング12やリングパッキン3等を所期の配設状態で配設したうえで、継手本体1と押輪10とをボルト8及びナット9により仮組みすることができ、運搬中等にボルト8及びナット9の締結状態が変化することを良好に防止してロックリング12やリングパッキン3等を所期の配設状態に良好に維持することができる。
次に、上記管継手Jを施工現場に搬入し水道管Pを接合する際には、第2仮止め状態にある管継手Jに、押輪10の開口部15を介して継手本体1内に水道管Pを挿入する。この工程が、継手本体1内に水道管Pを挿入する工程である。この際には、リングパッキン3の内径が水道管Pの外径よりも若干大径に形成されているので、水道管Pの挿入に連れてリングパッキン3が引き込まれることは無く、リングパッキン3は所期の配設状態に良好に維持されている。
そして、図7(a)及び図8(a)に示す状態から図7(b)及び図8(b)に示す状態となるように、すなわち、把持部21を把持して仮止め姿勢にある仮止め用スペーサーSの板状係止片23a(隙間Cに挿入された状態の板状係止片23a)を、継手本体1の本体側挿通孔5の内周面に沿って且つ仮止め姿勢とする工程の回転方向とは逆方向(図7(b)の矢印方向)に回転させて、間隔規制部22を押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間の間隔規制位置から離脱した位置に位置させる間隔規制解除姿勢に姿勢変更させる(図7(b)及び図8(b)参照)。この工程が、仮止め用スペーサーSを間隔規制解除姿勢とする工程である。なお、仮止め姿勢において、間隔規制部22のテーパー面22bが押輪10の対向面10aに当接しているが、テーパー面22bのうち間隔規制位置から離脱する位置に偏倚した部位のみで継手本体又は押輪と当接しているので、より小さな力で容易に回転させることができる。
続いて、図7(b)及び図8(b)に示す状態から図8(c)に示す状態となるように、すなわち、間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーSにおける板状係止片23aを、本体基部20と間隔規制部22との厚みの差により形成された脱着操作空間Vが押輪側連結部13に近接或いは重なるように、ボルト軸芯方向に移動させながら、当該板状係止片23aを隙間Cから離脱させ、継手本体1及び押輪10から仮止め用スペーサーSを取り外す。この工程が、継手本体1及び押輪10から仮止め用スペーサーSを取り外す工程である。
図1及び図9に示すように、仮止め用スペーサーSを取り外した後、ボルト8及びナット9を更に締付け操作し、継手本体1と押輪10とを本締めする。この工程が、継手本体1と押輪10とを本締めする工程である。この本締め工程では、上述の通り、ロックリング12の内周面に形成された刃12aを水道管Pの外周面に食い込ませ、リングパッキン3を水道管Pの外周面に密着させることができ、水道管Pを水密状態で接合でき、しかも、水道管Pが継手本体1及び押輪10から抜け出すことを良好に防止できる。
これにより、仮止め用スペーサーSを継手本体1と押輪10との間から取り外して、継手本体1と押輪10とをボルト8及びナット9により本締めする際には、把持部21を把持して、上記隙間Cに挿入された板状係止片23aを本体側挿通孔5の内周面に沿って回転させることにより、間隔規制部22を押輪10と継手本体1との対向面1a、10a間における間隔規制位置(仮止め姿勢)から径方向外方に離脱した位置に位置させる間隔規制解除姿勢に容易に姿勢変更させることができる。この際、特に、ボルト8及びナット9により継手本体1及び押輪10が強固に締付され、間隔規制部22が継手本体1と押輪10との間に強固に挟持されている場合でも、仮止め用スペーサーSを回転させる構成であるので、作業者が仮止め用スペーサーSに対して力を作用させ易くなり、施工ピットが比較的狭い空間である場合でも容易な姿勢変更が可能となる。そして、この間隔規制解除姿勢において、板状係止片23aを上記隙間Cから離脱することで仮止め用スペーサーSを取り外すことができ、ボルト8及びナット9を締付操作して継手本体1及び押輪10を本締めすることができる。
これにより、容易に把持することが可能な把持部21を把持して、間隔規制部22が間隔規制位置から離脱した位置に位置するまで板状係止片23aを本体側挿通孔5の内周面に沿って回転させるという、簡便でしかも力を作用させ易い操作で、仮止め用スペーサーSを間隔規制解除姿勢に容易に変更することができ、仮止め用スペーサーSの取り外し作業を非常に簡便な構成で、容易にかつ確実に実行することができる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、仮止め用スペーサーSとして、間隔規制部22を本体基部20の他側面20Bから突出形成する構成としたが、継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間を所定の仮止め間隔に維持でき、且つ、隙間Cに対して係止片23を容易に抜き差しすることができる構成であれば、その他の構成の間隔規制部を採用することもできる。
例えば、図11に示すように、間隔規制部30を、仮止め用スペーサーSの本体基部20の厚みと同一の厚みで構成、すなわち、本体基部20と間隔規制部30とを兼用する構成とすることもできる。なお、本体基部20の一側面20Aからは係止片23としての板状係止片23aが厚さ方向に突出形成されている。
この場合、図13及び図14に示すように、仮止め用スペーサーSは、間隔規制部30が継手本体1と押輪10との対向面1a、10a間の間隔規制位置に位置する仮止め姿勢(図13(a)及び図14(a)参照)と、当該間隔規制位置から離脱した位置に位置する間隔規制解除姿勢(図13(b)及び図14(b)参照)とに姿勢変更自在に構成されるが、図12及び図14に示すように、押輪10には、間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーSの本体基部20との対向面間に、隙間Cに対する板状係止片23aのボルト軸芯方向での抜き差し移動を許容する脱着操作空間Vを形成する凹部31が形成されている。すなわち、この凹部31は、押輪10の押輪側連結部13が、押輪10の上記対向面10aよりも開口部15側に引退した位置で、押輪10の外周面から径方向外方側に突出形成されることで形成されている。従って、仮止め用スペーサーSの把持部21を把持して、本体基部20が押輪10の凹部31により形成された脱着操作空間V(図12及び図14参照)に近接或いは重なるようにボルト8の径方向に移動させながら(図14(c)参照)、仮止め用スペーサーSをボルト軸芯方向に移動させて、板状係止片23aを継手本体1の本体側挿通孔5の内周面とボルトの外周面との間に形成された隙間Cに挿入できる(図13(b)及び図14(b)参照)。
なお、継手本体1の本体側連結部4及び押輪10の押輪側連結部13は、それぞれ周方向で対応する位置に4箇所ずつ配設されている。また、水道管Pは直管状のポリエチレン管とされ、水道管Pの内周面には、当該内周面よりも若干小径の外周面を備えた円環状のインコア40が開口端部側から挿入は一致されて補強されている。内に内周面のロックリング12は、多数の刃12aを形成した内周面とされ且つロックリング収容部11の内周面の形状に対応した形状の外周面とされており、ボルト8及びナット9の締付操作により押輪10が継手本体1に相対近接移動されることで、ロックリング収容部11の内周面によりロックリング12の外周面が縮径方向に直接押圧されて、ロックリング12の刃12aが水道管Pの外周面に食い込む構成とされている(図15参照)。従って、ロックリング収容部11が縮径誘導手段Qとして機能する。リングパッキン3をパッキン収容部11内で圧縮するピース14は、リングパッキン3側に配設される第1ピース14Aとロックリング12側に配設される第2ピース14Bとに分割された状態で、継手本体1の軸芯Xに沿う方向で、ロックリング12とリングパッキン3との間に配設されている。そして、第2ピース14Bは、周方向複数箇所に外径側に突出形成された突出部(図示せず)を備えており、当該突出部は、この突出部に対応して第1ピース14Aの周方向複数箇所に形成された複数の凹部に嵌合配置され、ボルト8及びナット9が締付操作された際には、押輪10のロックリング収容部11の内周面と当接して、第1ピース14A及び第2ピース14Bが一体的にリングパッキン3に対して近接移動して、第1ピース14Aに形成された押圧部14aによりリングパッキン3を圧縮する構成とされている。
これにより、板状係止片23aを隙間Cに容易に抜き差しできるとともに、隙間Cに挿入された状態で、板状係止片23aを本体側挿通孔5又は押輪側挿通孔16の内周面に沿って回転させて仮止め用スペーサーSを仮止め姿勢と間隔規制解除姿勢とに姿勢変更自在に構成することができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、仮止め用スペーサーSを複数用いて、周方向に複数形成された各本体側挿通孔5に各係止片23を挿入する構成としたが、継手本体1と押輪10との間隔を所定の仮止め間隔Aに維持することができる構成であれば、周方向に1箇所のみ配設したり、必要最小限の箇所にのみ配設する構成としてもよい。また、係止片23を、本体側挿通孔5に挿通させるのではなく、押輪10の押輪側連結部13に形成された押輪側挿通孔16に挿入する構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、継手本体1の上に、リングパッキン3、ロックリング12及び押輪10等を載置する構成としたが、逆に押輪10に、ロックリング、リングパッキン3及び継手本体1を載置する構成としてもよい。また、継手本体1の軸芯Xを水平方向に沿わせた状態で、リングパッキン3、ロックリング及び押輪10等を取付けて、ボルト8及びナット9で締付操作する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、把持部21の指掛け孔21Aの外周縁部21Bを、周方向に連続して形成したが、仮止め用スペーサーSの回転、取り付け及び取り外しの作業に耐えることができる強度を備えた構成であれば、外周縁部21Bに切り欠き部を形成することもできる。
(4)上記実施形態では、脱着操作空間Vを形成する際には、仮止め用スペーサーS自体、或いは、押輪10の押輪側連結部13自体に形成したが、隙間Cに係止片23を抜き差しできる構成であれば、当該脱着操作空間Vを省略することもでき、また、脱着操作空間Vを、継手本体1の本体側連結部4自体に形成したり、仮止め用スペーサーS、押輪10の押輪側連結部13、継手本体1の本体側連結部4のうちの少なくとも一箇所に設ける構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、係止片23として板状係止片23aを用いた場合について説明したが、隙間Cに抜き差しでき、ボルト挿通孔の内周面に沿って回転させることが可能な構成であれば、棒形状の係止片等のその他の形状の係止片を採用することもできる。
(6)上記実施形態では、継手本体1の両端のそれぞれに押輪10を結合して、一対の水道管Pを接合する例について説明したが、継手本体1の一端側にのみ押輪10を結合して水道管Pを接合する構成とし、継手本体1の他端側には連結フランジを形成して、この連結フランジに対応する連結フランジを備えた水道管P等を締結具により締結する構成としてもよい。この場合、継手本体1と押輪10とを仮組みする際に、上記仮止め用スペーサーSを使用することができる。また、この場合、継手本体1自体を、水道管Pに形成された受口管部により構成することも可能である。
(7)上記実施形態では、仮止め用スペーサーSを間隔規制解除姿勢とした後、係止片23を隙間Cから離脱させて、当該仮止め用スペーサーSを継手本体1及び押輪10から取り外す構成について説明したが、継手本体1と押輪10とをボルト8及びナット9の締付操作により確実に本締め状態とすることができる構成であれば、仮止め用スペーサーSを取り外さない構成とすることもできる。例えば、間隔規制解除状態にある仮止め用スペーサーSにおける、本体側連結部4と押輪側連結部13との対向面間に位置する部位の厚みを、当該本体側連結部4と押輪側連結部13との対向面間の間隔よりも薄く形成するように構成して、仮止め用スペーサーSを取り外さずに継手本体1と押輪10との間に残置する構成とすることもできる。
以上説明したように、押輪と継手本体との間に仮止め用スペーサーを簡便に設置して確実な仮止めを実現し、しかも、仮止め用スペーサーの仮止めを少ない労力で確実に解除することができる管継手、その管継手に使用する仮止め用スペーサー及びその管継手の組み付け方法を提供することができる。
1 継手本体
1a 対向面(継手本体)
1A 受口端部(継手本体)
2 パッキン収容部
3 リングパッキン
4 本体側連結部(継手本体の連結部)
5 本体側挿通孔(継手本体のボルト挿通孔)
8 ボルト
9 ナット
10 押輪
10a 対向面(押輪)
10A 受口端部(押輪)
11 ロックリング収容部(縮径誘導手段)
12 ロックリング
13 押輪側連結部(押輪の連結部)
16 押輪側挿通孔
20 本体基部
20A 一側面
20B 他側面
20a 外縁部
21 把持部
21A 指掛け孔(把持部)
22 間隔規制部
22b テーパー面(当接面)
23 係止片
23a 板状係止片(係止片)
30 間隔規制部
31 凹部(脱着操作空間)
A 仮止め間隔
C 隙間
J 管継手
P 水道管(流体管、接合管)
S 仮止め用スペーサー
Q 縮径誘導手段
V 脱着操作空間

Claims (13)

  1. 内周面に受口端部側に拡径するパッキン収容部を備えた継手本体と、前記パッキン収容部に収容されるリングパッキンと、前記継手本体への相対近接移動に伴って前記リングパッキンを圧縮する押輪と、前記押輪の内周面に形成されたロックリング収容部に収容されるロックリングと、前記押輪の連結部と前記継手本体の連結部とを連結するボルト及びナットとを備え、前記押輪のロックリング収容部には、前記ボルト及びナットの締付操作による前記押輪と前記継手本体との相対近接移動に伴って前記ロックリングを縮径させる縮径誘導手段を設けてある管継手であって、
    前記押輪と前記継手本体との間の間隔を所定の仮止め間隔に維持可能な仮止め用スペーサーを備え、
    前記仮止め用スペーサーの本体基部には、少なくとも一部が前記押輪の連結部及び前記継手本体の連結部よりも径方向外方に突出する把持部と、前記押輪と前記継手本体との対向面間に挾持される間隔規制部と、前記押輪の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面又は前記継手本体の連結部に形成されているボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された隙間に対してボルト軸芯方向から挿入可能な係止片とが設けられ、
    前記仮止め用スペーサーが、前記係止片が前記隙間に挿入された状態で前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転することにより、前記間隔規制部が前記押輪と前記継手本体との対向面間における間隔規制位置に位置する仮止め姿勢と、前記間隔規制部が前記間隔規制位置から離脱した間隔規制解除姿勢とに姿勢変更自在に構成されている管継手。
  2. 前記係止片が、前記本体基部における厚み方向の一側面の外縁部から、当該厚み方向に向けて突出形成されている請求項1に記載の管継手。
  3. 前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの前記本体基部と前記押輪又は前記継手本体との間には、前記隙間に対する前記係止片のボルト軸芯方向での抜き差し移動を許容する脱着操作空間が形成されている請求項1又は2に記載の管継手。
  4. 前記本体基部の厚みが、前記間隔規制部の厚みよりも前記係止片の抜き差し移動代に相当する寸法分だけ薄く形成され、前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの本体基部と前記押輪又は前記継手本体との間に前記脱着操作空間が形成されている請求項3に記載の管継手。
  5. 前記押輪又は前記継手本体には、前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーの本体基部との対向面間に前記脱着操作空間を形成する凹部が形成されている請求項3に記載の管継手。
  6. 前記係止片が、前記本体基部における厚み方向の一側面から、当該厚み方向に向けて突出形成される板状の板状係止片により構成され、前記間隔規制部が、前記一側面とは反対側の他側面で且つ前記板状係止片の形成箇所に対して偏倚した位置から突出形成されている請求項1から5の何れか一項に記載の管継手。
  7. 前記間隔規制部が、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転する前記係止片に対して、当該内周面の径方向外方位置に位置するように構成されている請求項1から6の何れか一項に記載の管継手。
  8. 前記間隔規制部において前記押輪と前記継手本体との対向面のうち何れかに当接する当接面が、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って回転する前記係止片の回転方向において前記間隔規制位置から離脱する位置に向かうに連れて厚みが厚くなる前記間隔規制部に形成されたテーパー面により構成されてなる請求項7に記載の管継手。
  9. 前記把持部には、指掛け孔が形成されている請求項1から8の何れか一項に記載の管継手。
  10. 前記間隔規制部と前記本体基部とが同じ厚みで形成されている請求項5に記載の管継手。
  11. 請求項1から10の何れか一項に記載の管継手に使用する仮止め用スペーサー。
  12. 請求項1から10の何れか一項に記載の管継手の組み付け方法であって、
    前記継手本体の上に、前記リングパッキン、前記ロックリング及び前記押輪の順で載置し、前記ボルトを前記押輪及び前記継手本体のボルト挿通孔に挿通させた状態でナットを螺合して締付操作し、前記継手本体と前記押輪とを第1仮止め状態とする工程と、
    前記第1仮止め状態において、前記仮止め用スペーサーの前記係止片を前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された前記隙間に挿入し、前記係止片を当該内周面に沿って回転させながら、前記仮止め用スペーサーの前記間隔規制部を前記押輪と前記継手本体との間の間隔規制位置に位置させ、前記仮止め用スペーサーを前記仮止め姿勢とする工程と、
    前記ボルト及びナットを更に締付操作し、前記継手本体と前記押輪とを第2仮止め状態とする工程と、を順に実行する管継手の組み付け方法。
  13. 前記第2仮止め状態において、前記押輪を介して前記継手本体内に接合管を挿入する工程と、
    前記仮止め姿勢にある仮止め用スペーサーの係止片を、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面に沿って且つ前記仮止め姿勢とする工程の回転方向とは逆方向に回転させて、前記仮止め用スペーサーの前記間隔規制部を前記押輪と前記継手本体との間の前記間隔規制位置から離脱した位置に位置させ、前記仮止め用スペーサーを前記間隔規制解除姿勢とする工程と、
    前記間隔規制解除姿勢にある仮止め用スペーサーにおける係止片を、前記押輪又は前記継手本体のボルト挿通孔の内周面と前記ボルトの外周面との間に形成された前記隙間から離脱させ、前記継手本体及び前記押輪から前記仮止め用スペーサーを取り外す工程と、
    前記ボルト及びナットを更に締付け操作し、前記継手本体と前記押輪とを本締めする工程と、を順に実行する請求項12に記載の管継手の組み付け方法。
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